JP2001106471A - 乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装置 - Google Patents

乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装置

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JP2001106471A
JP2001106471A JP28579299A JP28579299A JP2001106471A JP 2001106471 A JP2001106471 A JP 2001106471A JP 28579299 A JP28579299 A JP 28579299A JP 28579299 A JP28579299 A JP 28579299A JP 2001106471 A JP2001106471 A JP 2001106471A
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JP
Japan
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heating
mold
cooling
medium
moving handrail
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JP28579299A
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English (en)
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Futoshi Sekiya
太志 関谷
Kiyoshi Naganuma
清 長沼
Satoshi Tanakadate
聡 田中舘
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Hitachi Building Systems Co Ltd
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Hitachi Building Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型を短時間で加熱でき、かつ金型を短時間
で冷却できる乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装置の
提供。 【解決手段】 内部に接続個所26を配置する金型1に
設けられ、金型1を加熱する電熱部を4,5を具備する
第1の加熱手段の他に、金型1を長手方向に沿って貫通
する貫通穴から成る通路8,10、金型1を加熱するシ
リコン油を蓄え、シリコン油を加熱する加熱部33を有
する加熱槽38、シリコン油を通路8,10に配送する
配送部37、および配管36,36a,36b,36c
を具備する第2の加熱手段を設ける。また、金型1を冷
却する水を蓄え、水を要時に冷却する冷却槽35、通路
8,10、配送部37、および配管36,36c,36
d,36eにより構成した冷却手段41を設ける。そし
て、配管36a,36b,36d,36eのそれぞれに
は、管内の開放と閉鎖を切り替える替弁34を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】移動手摺の接続および劣化部
分の補修に好適な乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の乗客コンベアの移動手摺の加熱加
圧装置について図に基づいて説明する。
【0003】図6は、接続個所の構造を示す斜視図、図
7は、従来の乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装置に
備えられる金型および押圧手段を示す説明図、図8は、
図7の金型内に配置された移動手摺を示す説明図、図9
は、加熱・冷却作業時の金型の温度の推移を示す説明
図、図10は、移動手摺の構造を示す説明図である。
【0004】まず、移動手摺について説明する。
【0005】一般に、エスカレータや動く道路などの乗
客コンベアは、乗客が乗る踏板と同期して移動し、乗客
の手摺となる移動手摺、例えば図9に示す移動手摺90
を備えている。
【0006】この移動手摺90は、同図9に示すよう
に、移動手摺90の両側に形成される耳部23と、これ
らの耳部23に連設する背部25を有する。この移動手
摺90には、長手方向に沿って移動手摺90が受ける張
力により、この移動手摺90が伸張するのを抑制する抗
張体92が埋め込まれるている。この抗張体92は、積
層された複数枚の帆布91に覆われている。これらの帆
布91には、化粧ゴム93が融着している。
【0007】この移動手摺90は、経年的に劣化する。
劣化した化粧ゴム93には、亀裂が生じることがある。
また、劣化した帆布91は、損傷部分から抗張体92が
飛び出すことがある。このような移動手摺90の劣化
は、重大な事故の原因となることがある。そこで、従来
から、事故が発生する前に、移動手摺90を交換する交
換作業が行われている。
【0008】この交換作業の際、新しい移動手摺90を
接続するために、新しい移動手摺90には、図6に示す
接続個所26が作製される。
【0009】すなわち、移動手摺90は、同図6に示す
ように、帆布91に、縫合部分91Aが作製される。こ
の縫合部分91Aは複数枚の帆布91の帆布を縫合して
作製される。そして、この露出した帆布91に新しい化
粧ゴム21,22、すなわち接続完了後に移動手摺90
の耳部23を形成する耳部用化粧ゴム21と、接続完了
後に移動手摺90の背部25を形成する背部用化粧ゴム
22とが配置される。耳部用化粧ゴム21は、耳部23
の形状に似せて仮形成された仮形成耳部21Aとして帆
布91に貼り付けられる。また、背部用化粧ゴム22
は、背部25の形状に似せて仮形成された仮形成背部2
2Aとして帆布91に貼り付けられる。
【0010】次に、上述のように移動手摺90を接続す
る際に用いられる従来の加熱加圧装置について以下の
(1)〜(4)で説明する。
【0011】(1) 従来の加熱加圧装置は、図7に示
すように、金型1を備える。この金型1には、接続個所
26を含む移動手摺90の一部が配置される。この金型
1は、移動手摺90を象った型を有し、この型により接
続個所26を圧縮する。この金型1は、同図7に示すよ
うに、移動手摺90の型を上金型2、中金型6、および
下金型3によって構成している。
【0012】上金型2は、移動手摺90の耳部23の外
側の曲面の形状を象った凹曲面を有し、仮形成耳部21
Aを型形状に押圧する。
【0013】中金型6は、移動手摺90の耳部23の縁
部分の形状を象った溝部、および移動手摺90の内側の
形状を象った凸曲面を有する。この中金型6には、上金
型2が嵌合し、上金型2との間で仮形成耳部21Aを挟
む。
【0014】下金型3は、背部25を象った凹曲面を有
し、この型と中金型6の型との間で仮形成背部22Aを
挟む。この下金型3の凹曲面の縁と、上金型2の凹曲面
の縁は、仮形成耳部21Aの外側で合致する。
【0015】なお、これら上金型2、中金型6、および
下金型3のそれぞれの型部分は、鏡面仕上げにされてい
る。
【0016】(2) 従来の加熱加圧装置は、同図7に
示すように、押圧手段9を備える。
【0017】この押圧手段9は、上金型2を上方から押
圧する押圧板9Aを具備する。この押圧板9Aは、上金
型2の上面に当接する。
【0018】また、この押圧手段9は、受台9Bを具備
する。この受台9Bは、下金型3の下方に配置され、上
方から加えられる押圧力を受け止める。
【0019】また、押圧手段9は、回動部9Cを具備す
る。回動部9Cは、金型1の側部のそれぞれに沿って複
数設けられる。この回動部9Cは、下端が受台9Bに回
動可能に支持される。この回動部9Cは、上端が押圧板
9Aに設けられる穴を貫通する。穴を貫通した回動部9
Cの上端のそれぞれには、ナットが螺合する。これらの
ナットを締めることにより、押圧板9Aが上金型1を押
圧する。
【0020】(3)従来の加熱加圧装置は、加熱手段を
備える。この加熱手段は、図7,8に示すように、電気
によって発熱する電熱部4,5を具備する。
【0021】電熱部4は、上金型2の上部に設けられ
る。この電熱部4は、金型1内に配置される移動手摺9
0の上方で、移動手摺90の長手方向に沿って位置す
る。
【0022】電熱部5は、下金型3の下部に設けられ
る。この電熱部5は、金型1内に配置される移動手摺9
0の下方で、この移動手摺90の長手方向に沿って位置
する。
【0023】このように構成される従来の加熱加圧装置
は、移動手摺90の接続作業の際、次のように用いられ
る。
【0024】まず、作業者は、図6に示すように、作業
者は、新しい移動手摺90に、縫合部分91Aを作製す
る。そして、新しい化粧ゴム21,22で仮形成部21
A,22Aを作製する。次に、作業者は、縫合部分91
Aを含む露出した帆布91に仮形成部21A,22Aを
糊等で貼り付け、接続個所26を完成させる。
【0025】また、作業者は、電熱部4,5で金型1を
温度T2まで予熱する。予熱完了後、電熱部4,5の電
源をOFFにする。
【0026】そして、作業者は、移動手摺90が通常ガ
イドレール上で位置する上下の向きとは逆向きの状態に
して、接続個所26を含む移動手摺90の一部を、予熱
された金型1内に配置する。
【0027】次に、作業者は、押圧手段9で金型1に押
圧力を与え、接続個所26を金型1の型形状に圧縮す
る。
【0028】すなわち、回動部9Cの上端のそれぞれを
押圧板9Aの穴に通し、回動部9Cの上端それぞれにナ
ットを螺合させて締める。仮形成耳部21Aは上金型2
と中金型6とによって挟まれた状態で押圧される。ま
た、仮形成背部22Aは中金型6と下金型3とによって
挟まれた状態で押圧される。
【0029】そして、作業者は、電熱部4,5により金
型1を再び加熱する。金型1は、図9に示す加熱行程8
1ように、温度T2から温度T1まで加熱される。作業
者は、金型1が温度T1に達したこと水銀温度計で確認
し、仮形成部21A,22Aが隣接する化粧ゴム93お
よび帆布91に融着するまで、金型1の温度を温度T1
の状態に維持する。
【0030】このとき、作業者は、時点Aから時点Bの
間、すなわち融着時間Eの間で、電熱部4,5の電源の
ON、OFFを繰り返して金型1の温度を調節し、金型
1を温度T1の状態に維持する。
【0031】加熱行程81の間、金型1は、温度の上昇
に伴って膨張する。これに伴い、金型1から移動手摺9
0に与えられる押圧力が減少する。作業者は、押圧手段
9のナットのそれぞれを締め、移動手摺90に与える押
圧力の大きさを調整する。
【0032】このようにして、仮形成部21A,22A
は、金型1の型形状に形成されて帆布91および隣接す
る化粧ゴム部分24に融着する。
【0033】時間Eが経過したのち、電熱部4,5によ
る加熱を停止する。そして、作業者は、金型1に水を含
ませたウエスや、金型1に風を送る送風装置などで冷却
する。金型1は時点Cで温度T3まで下がる。このと
き、作業者は、押圧手段9のナットを緩め、移動手摺9
0を押圧力から解放する。
【0034】そして、金型1がさらに冷却され、時点D
で、この金型1は温度T2まで下がる。このとき、作業
作は、移動手摺90を金型1から取り外し、移動手摺9
0の接続が完了する。
【0035】このように、上述した従来の移動手摺の加
熱加圧装置では、作業者が金型1の温度を水銀温度計で
確認しながら、電熱部4,5の電源のON,OFFを繰
り返して金型1温度を調整するものだが、特開昭63−
147795号では、電熱部4,5に上限温度が設定さ
れ、この上限温度に達すると電熱部4,5の発熱を自動
的に停止する加熱加圧装置が挙げられている。
【0036】また、特開平7−10451号では、上述
した電熱部4,5の他に、金型1の中金型6に電熱部を
設けたものが挙げられている。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の加熱
加圧装置では、図9に示すように、電熱部4,5によっ
て金型1を加熱する。この場合、金型1の温度が温度T
2から温度T3に達する時点Aまでに時間が掛かる。し
たがって、仮形成部分21A,22Aを融化させるのに
時間が掛かる。
【0038】また、従来の加熱加圧装置では、金型1は
水を含ませたウエスや送風装置により冷却する。この場
合、金型1の温度が温度T2に達すまでの時間、すなわ
ち時点Bから時点Dまでに時間がかかる。したがって、
仮形成部21A,22Aが冷却されて固化するのに時間
がかかる。
【0039】また、従来の加熱加圧装置では、図8に示
すように、接続個所26に隣接する既設の化粧ゴム93
を、仮形成部21A,22A、すなわち新しい化粧ゴム
21,22と同じ温度T1で融化する。しかし、金型1
の温度T1では、化粧ゴム93の融化に適した温度領域
を超え、過熱される。このように過熱されると、新しい
接続が完了した化粧ゴム21,22と化粧ゴム93との
接続部分に線状の跡や凹凸が形成されることがある。こ
の場合、移動手摺90の美観を損ねるため、線状の跡や
凹凸が形成された接続部分を再度融着させて美観を整え
る必要があり、作業が煩雑になる。
【0040】また、従来の加熱加圧装置では、作業者
は、押圧手段9のナットのそれぞれを閉め、金型1内の
移動手摺90全体に均一に押圧力を加えるのは困難であ
る。特に、金型1の膨張に伴って移動手摺90に与える
押圧力が低下した場合、押圧力をすばやく調整すること
が困難である。
【0041】これらのことから、本発明の第1の目的
は、加熱加圧装置の金型を短時間で加熱することができ
る乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装置を提供するこ
とにある。
【0042】また、本発明の第2の目的は、加熱加圧装
置の金型を短時間で冷却することができる乗客コンベア
の移動手摺の加熱加圧装置を提供することにある。
【0043】また、第3の目的は、接続個所に隣接する
化粧ゴム部分を過熱することなく融化させることができ
る乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装置を提供するこ
とにある。
【0044】また、第4の目的は、金型から移動手摺に
与える押圧力を、簡単に調整することができる乗客コン
ベアの移動手摺の加熱加圧装置を提供することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
めに、請求項1に係る発明は、新しい化粧ゴムを移動手
摺に似せて形成した仮形成部が設けられた接続個所を配
置し、この接続個所を移動手摺の型形状に圧縮する金型
と、前記接続個所を圧縮するための押圧力を前記金型に
与える押圧手段と、前記金型を加熱する加熱手段とを備
える乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装置において、
前記加熱手段が、前記金型に設けられ、電気により発熱
する第1の加熱手段を備えるとともに、前記金型の内部
に形成され、前記金型を加熱する加熱媒体が流れる加熱
媒体通路を具備し、前記加熱媒体通路に前記加熱媒体を
流して前記金型を冷却する第2の加熱手段を備える構成
にしてある。
【0046】このように構成した請求項1に係る発明で
は、金型を加熱する際、第1の加熱手段は、金型内部で
電気により発熱する。また、第2の加熱手段は、金型内
部に形成された加熱媒体通路に、加熱媒体を流す。金型
には、電気により発生した熱と、加熱媒体の熱とが伝達
され、これにより、金型を短時間で加熱することができ
る。
【0047】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明において、前記加熱媒体が、前記金型への熱の
伝達を考慮した比熱を有する流体から成ることを特徴と
している。
【0048】また、請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明において、前記加熱媒体が、温度変化に対する
粘度変化を考慮した液体から成ることを特徴としてい
る。
【0049】また、請求項4に係る発明は、請求項1係
る発明において、前記加熱媒体が、シリコン油から成る
ことを特徴としている。
【0050】また、請求項5に係る発明は、請求項1に
係る発明において、前記第2の加熱手段が、前記金型を
加熱する前記加熱媒体を蓄え、加熱する加熱槽と、前記
加熱媒体通路と前記加熱槽との間で前記加熱媒体を循環
させる加熱媒体配送部とを具備することを特徴としてい
る。
【0051】また、第2の目的を達成するために、請求
項6に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記
金型に設けられ、前記金型を冷却する冷却媒体が流れる
冷却媒体通路を具備し、この冷却媒体通路に前記冷却媒
体を流して前記金型を冷却する冷却手段を備えることを
特徴としている。
【0052】このように請求項6に係る発明では、金型
を冷却する際、冷却手段は、金型内部に形成された冷却
媒体通路に冷却媒体を流す。冷却媒体は、金型の内部
で、この金型の熱を伝達され、これにより、金型を短時
間で冷却することができる。
【0053】また、請求項7に係る発明は、請求項6に
係る発明において、前記冷却手段が、前記冷却媒体を蓄
え、この冷却媒体を要時に冷却する冷却槽と、前記冷却
槽および前記冷却媒体通路に配管を介して接続され、前
記冷却媒体を前記冷却槽から前記冷却媒体通路に配送す
る冷却媒体配送部とを有し、前記冷却媒体通路と前記冷
却槽との間で前記冷却媒体を循環させる冷却媒体配送部
を具備することを特徴としている。
【0054】また、請求項8に係る発明は、請求項6に
係る発明において、前記冷却媒体が、水から成ることを
特徴としている。
【0055】また、請求項9に係る発明は、請求項5に
係る発明において、前記金型に設けられ、前記金型を冷
却する冷却媒体が流れる冷却媒体通路を具備し、この冷
却媒体通路に前記冷却媒体を流して前記金型を冷却する
冷却手段を備え、この冷却手段が、前記冷却媒体を蓄え
て要時にこの冷却媒体を冷却する冷却槽と、前記冷却媒
体通路と前記冷却槽との間で前記冷却媒体を循環させる
冷却媒体配送部とを具備するとともに、前記加熱媒体通
路は、前記冷却媒体通路と同一の通路から成り、かつ、
前記加熱媒体配送部は、前記冷却媒体配送部と同一の配
送部から成り、前記加熱槽および前記通路間での前記加
熱媒体の循環と、前記冷却槽および前記通路間での前記
冷却媒体の循環とを切り替え可能な構造を有することを
特徴としている。
【0056】また、第3の目的を達成するために、請求
項10に係る発明は、請求項1に係る発明において、前
記第1の加熱手段が、前記仮形成部を加熱する第1の電
熱部と、前記金型内に位置し、前記仮形成部に隣接する
化粧ゴム部分を加熱する第2の電熱部とから成り、この
第2の電熱部は、前記仮形成部と、前記隣接する化粧ゴ
ム部分とが融着する融着温度を考慮し、第1の電熱部よ
りも低い発熱温度に設定されることを特徴としている。
【0057】このように請求項10に係る発明は、新し
い化粧ゴムから成る仮形成部と、隣接する化粧ゴム部分
とを融着させる際、第1の電熱部は、仮形成部を加熱
し、第2の電熱部は、隣接する化粧ゴム部分を加熱す
る。このとき、隣接する化粧ゴム部分は、新しい化粧ゴ
ムよりも低い温度で加熱される。これにより、隣接する
化粧ゴムを過熱することがなく融化させることができ
る。
【0058】また、第4の目的を達成するために、請求
項11に係る発明は、請求項1に係る発明において、前
記押圧手段が、前記金型の上方で、前記移動手摺の長手
方向に沿って配置され、設定した圧力値を自動的に発生
する油圧式加圧装置から成ることを特徴としている。
【0059】このように請求項11に係る発明では、金
型を押圧する際、圧力発生部は、設定された圧力を発生
する。この圧力により、金型には押圧力が与られる。こ
れにより、金型内の移動手摺は、金型の型形状に圧縮さ
れる。
【0060】また、加熱される金型の膨張に伴って、金
型から移動手摺に与えられる押圧力が減少する。このと
き、作業者は、押圧力の減少に応じて押圧力を増加させ
るために圧力発生部の圧力の設定値を変える。圧力発生
部は、設定された圧力値に応じて自動的に圧力を増加さ
せる。これにより、金型の移動手摺に対する押圧力を、
簡単に調整することができる。
【0061】また、請求項12に係る発明は、請求項1
1に係る前記油圧式加圧装置の圧油が、油温の変化に対
する粘度変化を考慮した圧油から成ることを特徴として
いる。
【0062】また、請求項13に係る発明は、請求項1
1に係る発明において、前記圧油が、シリコン油から成
ることを特徴としている。
【0063】
【発明の実施の形態】以下、本発明の乗客コンベアの移
動手摺の加熱加圧装置を図に基づいて説明する。
【0064】図1は、本発明の一実施形態を示す説明
図、図2は、図1の実施形態の斜視図、図3は、図1の
実施形態に備えられる第2の加熱手段および冷却手段を
示す説明図、図4は、図1の実施形態に備えられる金型
内に配置された移動手摺の融着時の温度を示す説明図、
図5は、図1の実施形態に備えられる金型の接続作業時
の温度の推移を示す説明図である。
【0065】なお、本実施形態が用いられる移動手摺
は、上述した図10に示す移動手摺と同様のものであ
る。また、この移動手摺に作製される接続個所は上述し
た図6に示す接続個所と同様のものである。また、図1
〜5で付した符号については、上述した図7〜9で付し
た符号と同等のものには同じ符号を付してある。
【0066】まず、本実施形態が用いられる移動手摺に
ついて説明する。
【0067】エスカレータや動く道路等の乗客コンベア
には、乗客が乗る踏板と同期して移動し、乗客の手摺と
なる図9に示す移動手摺90が備えられている。
【0068】この移動手摺90は、同図9に示すよう
に、移動手摺90の両側に形成される耳部23と、これ
らの耳部23に連設し、乗客が手を置く背部25を有す
る。この移動手摺90は、長手方向に張力を受うける。
この張力により移動手摺90が伸張するのを抑制するた
めに、移動手摺90には抗張体92が埋め込まれる。こ
の抗張体92は、積層された複数枚の帆布91に覆われ
る。この帆布91には、化粧ゴム93が融着している。
【0069】このように構成される移動手摺90は経年
的に劣化し、劣化した化粧ゴム93には亀裂等が生じる
ことがある。また、帆布91が劣化した場合には、その
劣化した部分から抗張体92が飛び出すことがある。こ
のような移動手摺90の劣化は、重大な事故の原因とな
ることがある。そこで、事故が発生する前に、劣化した
移動手摺90を新しい移動手摺90に交換する交換作業
が行われる。
【0070】この交換作業の際、新しい移動手摺90を
接続するために、この移動手摺90には、図6に示す接
続個所26が作製される。
【0071】すなわち、移動手摺90には、同図6に示
すように、帆布91に縫合部分91Aが作成される。こ
の縫合部分91Aは、複数枚の帆布91を縫合して作製
される。そして、この露出している帆布91に、新しい
化粧ゴム21,22、すなわち接続完了後に移動手摺9
0の耳部23を形成する耳部用化粧ゴム21と、接続完
了後に移動手摺90の背部25を形成する背部用化粧ゴ
ム22とが貼り付けられる。このとき、新しい化粧ゴム
21,22は、移動手摺90の形状に似せて仮形成さ
れ、帆布91に貼り付けられる。すなわち、帆布91に
は、耳部用化粧ゴム21を耳部23の形状に似せて仮形
成した仮形成耳部21Aと、背部用化粧ゴム22を背部
25の形状に似せて仮形成した仮形成背部22Aのとが
貼り付けられる。
【0072】次に、本実施形態の移動手摺の加熱加圧装
置について説明する。
【0073】本実施形態は、次の(1)〜(5)で説明
する構成にしてある。
【0074】(1) 本実施形態は、図1,2に示すよ
うに、金型1を備える。この金型1には、接続個所26
を含む移動手摺90が配置される。金型1は、移動手摺
90を象った型で接続個所26を圧縮する。この金型1
は、図1に示すように、上金型2、中金型6、および下
金型3を具備する。
【0075】上金型1は、移動手摺90の耳部23の外
側の形状を象った凹曲面を有し、この型で仮形成耳部2
1Aを押圧する。
【0076】中金型6は、移動手摺90の耳部23の縁
部分の形状を象った溝部、および移動手摺90の内側の
形状を象った凸曲面を有し、仮形成部21A,22Aを
押圧する。また、この中金型6は、上金型2に嵌合し、
上金型2との間で仮形成耳部21Aを挟む。
【0077】下金型3は、背部25を象った凹曲面を有
し、中金型6との間で仮形成背部22Aを挟む。この下
金型3の凹曲面の縁と、上金型2の凹曲面の縁は、仮形
成耳部21Aの外側で合致する。
【0078】なお、これら上金型2、中金型6、および
下金型3のそれぞれの型部分は、鏡面仕上げにしてあ
る。また、金型1には、この金型1の温度を示す図示し
ない温度センサが取り付けてある。
【0079】(2) 本実施形態は、金型1に押圧力を
与える押圧手段を備える。この押圧手段は、油圧により
金型1に押圧力を与える油圧式加圧装置11から成る。
【0080】この油圧式加圧装置11は、図1,2に示
すように、金型1の上方で金型1の長手方向に沿った複
数個所に配置される圧力発生部11Aを具備する。この
圧力発生部11Aは、金型1が移動手摺90を圧縮する
ために設定された圧力を発生する。
【0081】また、油圧式加圧装置11は、この圧力発
生部11Aの下端に、押圧板11Bを具備する。この押
圧板11Bは、上金型2に当接し、圧力発生部11で発
生した押圧力により上金型2を押圧する。
【0082】また、油圧式加圧装置11は、下金型3の
下方に、受台11Cを具備する。この受台11Cは、圧
力発生部11Aにより金型1に加えられた押圧力を、金
型1を介して受け止める。
【0083】また、油圧式加圧装置11は、受台11C
に着脱可能に取り付けられ、圧力発生部11Aを支持す
る支持体11Dを具備する。
【0084】また、油圧式加圧装置11には、油温の変
化に対する粘性の変化を考慮した油圧油、例えば一般に
温度に対する粘度の変化が小さいとされているシリコン
油を使用している。
【0085】(3) 本実施形態は、第1の加熱手段を
備える。この第1の加熱手段は、図1,3に示すよう
に、電気によって発熱する電熱部4,5を具備する。
【0086】電熱部4は、上金型2内部の上方に設けら
れ、金型1内に配置される移動手摺90の上方で、移動
手摺90の長手方向に沿って位置する。
【0087】この電熱部4は、図3,4に示すように、
仮形成部21A,22Aを加熱する第1の電熱部4a
と、第1の電熱部4aに隣接して設けられ、仮形成部2
1A,22Aに隣接する化粧ゴム93を加熱する第2の
電熱部4b,4cとを具備する。
【0088】これら第2の電熱部4b,4cは、仮形成
部21A,22Aと、この仮形成部21A,22Aに隣
接する化粧ゴム部分24とが融着する融着温度を考慮し
た温度を発熱するように設定してある。すなわち、第2
の電熱部4b,4cは、第1の電熱部4aの発熱温度よ
りも低い温度で発熱するように設定してある。
【0089】電熱部5は、同図3,4に示すように、下
金型3内部の下方に設けられ、金型1内に配置される移
動手摺90の下方で、この移動手摺90の長手方向に沿
って位置する。この電熱部5は、仮形成部21A,22
Aを加熱する第1の電熱部5aと、この第1の電熱部5
aに隣接して設けられ、仮形成部21A,22Aに隣接
する化粧ゴム部分24を加熱する第2の電熱部5b,5
cとを具備する。
【0090】これらの第2の電熱部5b,5cは、仮形
成部21A,22Aと、これら仮形成部21A,22A
に隣接する化粧ゴム部分24とが融着する融着温度を考
慮した温度を発熱するように設定してある。すなわち、
第2の電熱部5b,5cは、第1の電熱部5aの発熱温
度よりも低い温度で発熱するように設定してある。
【0091】(4)本実施形態は、金型1を加熱する第
2の加熱手段40を備える。この第2の加熱手段40
は、金型1を加熱する加熱媒体を、金型1内に流して金
型1を加熱する。
【0092】この第2の加熱手段40は、図1,3に示
すように、金型1内を長手方向に貫通する複数の貫通穴
から成る加熱媒体通路を具備する。この加熱媒体通路
は、金型1を加熱する加熱媒体が流れる通路8,10か
ら成る。通路8は、上金型2に複数設けてあり、また、
通路10は、下金型3に複数設けてある。
【0093】また、第2の加熱手段40は、図3に示す
ように、金型1を加熱する加熱媒体を蓄え、加熱媒体を
加熱する加熱槽38を具備する。この加熱槽38には、
加熱媒体を加熱する加熱部33を設けてある。
【0094】また、第2の加熱手段は、加熱槽38およ
び通路8,10間で加熱媒体を循環させるために、加熱
媒体を配送する加熱媒体配送部、すなわち配送部37を
具備する。
【0095】これら加熱槽38、通路8,10、および
配送部37は、配管36,36a,36b,36cを介
して接続してある。
【0096】また、第2の加熱手段40の加熱媒体に
は、金型1への熱の伝達を考慮した比熱を有する流体、
例えば一般に温度に対する粘度の変化が小さく、比熱が
大きいとされているシリコン油を使用している。
【0097】(5) 本実施形態は、金型1を冷却する
冷却手段41を備える。この冷却手段41は、金型1を
冷却する冷却媒体を金型1の内部に流して金型1を冷却
する。
【0098】この冷却手段41は、金型1内を長手方向
に貫通する貫通穴から成りる冷却媒体通路を具備する。
この冷却媒体通路は、図1,3に示すように、例えば上
述した加熱媒体が流れる通路8,9から成る。
【0099】また、冷却手段41は、図3に示すよう
に、金型1を冷却する冷却媒体を蓄え、要時に冷却媒体
を冷却する冷却槽35をする。
【0100】また、冷却手段41は、冷却槽35および
通路8,10間で冷却媒体を循環させるために、冷却媒
体を配送する冷却媒体配送部を具備する。この冷却媒体
配送部は、例えば加熱媒体を配送する配送部37から成
る。
【0101】冷却槽35、通路8,10、および配送部
37は、配管36,36c,36d,36eを介して接
続してある。
【0102】冷却媒体には、水道水等の水を使用してい
る。
【0103】冷却手段41と(4)で述べた第2の加熱
手段40とは、加熱槽38および通路8,10間での加
熱媒体の循環と、冷却槽35および通路8,10間での
冷却媒体の循環とを切り替え可能な構造を有する。すな
わち、冷却手段41の配管36c,36dのそれぞれ、
および第2の加熱手段40の配管36a,36bのそれ
ぞれには、管内の開放と閉鎖を切り替える切替弁34が
設けてある。
【0104】このように構成した本実施形態は、新しい
移動手摺90の接続作業の際に、次のように用いられ
る。
【0105】まず、作業者は、図5に示すように、第2
の加熱手段40によって金型1を温度T2まで予熱して
おく。
【0106】このとき、第2の加熱手段40の配管36
a,36bのそれぞれは、切替弁34により管内を開放
してあり、冷却手段41の配管36d,36eのそれぞ
れは、切替弁34により管内を閉鎖してある。
【0107】そして、加熱槽38では、加熱部33でシ
リコン油を加熱する。配送部37は、加熱されたシリコ
ン油を加熱槽38から配管36,36aを介して通路
8,10に配送する。このシリコン油は、体通路8,1
0の一端から流入し、他端から配管36cへ流れ、配管
36c,36dを介して加熱槽38に戻る。このように
して加熱されたシリコン油は、加熱槽38および通路
8,10間で循環する。これにより、金型1は、加熱さ
れたシリコン油の熱を伝達されて加熱される。
【0108】上述した金型1の予熱完了した後、作業者
は、接続個所26を含む移動手摺90を、通常ガイドレ
ール上に位置する上下の向きとは逆向きの状態で金型1
内に配置する。
【0109】このとき、下金型3は、仮形成背部22A
の外側に当接する。中金型6は、仮形成耳部21Aおよ
び仮形成背部22Aに囲まれる内側の面に当接する。中
金型6の溝部には、仮形成耳部21Aの縁部分が配置す
る。そして、中金型6の上部に、上金型2が嵌合し、こ
の上金型2は、仮形成耳部21Aの外側に当接する。こ
れにより、金型1は、仮形成耳部21Aを上金型2と中
金型6とによって挟み、仮形成背部22Aを中金型6と
下金型3とによって挟む。
【0110】次に、作業者は、油圧式加圧装置油11を
金型1にセットする。そして、作業者は、圧力発生部1
1Aに発生させる圧力値を設定する。圧力発生部11A
は、設定された圧力値で、押圧板11Bを介して上金型
2を押圧する。これにより、接続個所26が金型1の型
形状に圧縮される。
【0111】また、作業者は、接続個所26を金型1で
圧縮するのと並行して、電熱部4,5および第2の加熱
手段40によって金型1を加熱する。これにより、金型
1は図4の加熱行程31に示すように、予熱温度T2か
ら、新しい化粧ゴム21,22、すなわち仮形成部21
A,22Aが融着するのに適した温度T1まで急速加熱
される。
【0112】そして、作業者は、金型1の温度が温度T
1に達したことを温度センサで確認し、第2の加熱手段
40による加熱を停止させる。
【0113】次に、作業者は、金型1を温度T1の状態
に維持し、仮形成部21A,22Aを、隣接する化粧ゴ
ム部分24、および帆布91に融着させる。
【0114】金型1は、電熱部4,5の電源のON、O
FF操作を繰り返すことにより、温度T1の状態に維持
される。金型1の温度T1の状態は、時点Aから時点B
の間、すなわち時間Eの間維持される。この時間Eの間
に、仮形成部21A,22Aおよび隣接する化粧ゴム部
分24は融化する。そして、仮形成部21A,22A
は、隣接する化粧ゴム部分24および帆布91に融着す
る。
【0115】このように金型1が温度T1に維持されて
いるとき、金型1内の移動手摺90は、図3に示す温度
で維持されている。
【0116】まず、位置Fから位置Gの間は、第1の電
熱部4a,5aのそれぞれによって加熱され、接続個所
26に位置する仮形成部21A,22Aは、融化温度域
T5〜T4間に維持される。この融化温度域T5〜T4
間は、新しい化粧ゴム21,22が融化するのに適した
温度域である。
【0117】また、位置F付近および位置G付近に位置
し、仮形成部21A,22Aに隣接する化粧ゴム部分2
4それぞれは、第2の電熱部4b,5bおよび第2の電
熱部4c,5cのそれぞれによって、仮形成部21A,
22Aよりも低い温度で加熱され、境界温度域T5〜T
5a間に維持される。この境界温度域T5〜T5aは化
粧ゴム93が融化するのに適した温度域のうち、高温側
の境界温度域である。
【0118】また、位置E,F間および位置G,F間に
位置し、隣接する化粧ゴム部分24以外の化粧ゴム93
は、境界温度T5に達しない。
【0119】また、加熱行程31では、金型1が温度の
上昇に伴って膨張し、金型1によって接続個所26に与
える押圧力が減少する。このとき、作業者は、油圧式加
圧装置11の圧力発生部11Aのそれぞれに対して圧力
の設定値を増加させる。圧力発生部11Aのそれぞれ
は、増加した設定値に応じて自動的に上金型2を押圧す
る圧力を増加させる。これにより、仮形成部21A,2
2Aは、ほぼ一定の押圧力で金型1の型形状に圧縮す
る。
【0120】このように加熱と圧縮を平行して行われる
移動手摺は、接続個所26に位置する仮形成部21A,
22Aが金型1の型形状に形成され、帆布91に融着す
る。また、融化した隣接する化粧ゴム部分24と、融化
した仮形成部21A,22とがほぼ均一に混ざり合って
融着する。
【0121】時間Eが経過したのち、すなわち時点B
で、作業者は、電熱部4,5の電源をOFFにする。そ
して、作業者は、冷却手段41によって金型1を冷却す
る。
【0122】このとき、第2の加熱手段40の配管36
a,36bは、切替弁34によって管内を閉鎖してあ
る。また、冷却手段41の配管36d,36dのそれぞ
れは、切替弁34によって管内を開放してある。
【0123】そして、配送部37は、冷却槽35から配
管36,36dを介して通路8,10に水を配送する。
水は、通路8,10の一端から流入し、他端から配管3
6cへ流れ、配管36c,36eを介して冷却槽35に
戻る。このようにして、この水は、冷却槽35および通
路8,10間を循環する。これにより、水が金型1の熱
を吸収し、金型1は冷却される。なお、冷却槽35内の
水は、作業現場の気温が高いときに冷却槽35で冷却さ
れる。
【0124】これにより、金型1は、同図4の冷却行程
32に示すように、時点Bから時点Dで、温度T1から
温度T2まで急速冷却される。すなわち、時点Bから時
点Cで、金型1は温度T1から温度T3まで冷却され
る。金型1が温度T3のとき、作業者は油圧式加圧装置
11による移動手摺90の圧縮を停止する。そして、時
点Cから時点Dで、金型1は温度T2まで冷却される。
これにより、仮形成部21A,22Aは、帆布91およ
び化粧ゴム部分24に融着した状態で、金型1の型形状
に固化する。
【0125】最後に作業者は、金型1から移動手摺90
を取り外し、移動手摺90の接続が完了する。
【0126】このように本実施形態では、第1の加熱手
段である電熱部4,5と、第2の加熱手段41とによっ
て、金型1を加熱する。これにより、金型1を短時間で
加熱することができる。したがって、新しい化粧ゴム2
1,22および化粧ゴム部分24が融化し始めるまでに
かかる時間を短くすることができ、作業効率を向上させ
ることができる。
【0127】また、本実施形態では、冷却手段41によ
って金型1を冷却する。これにより、金型1を短時間で
冷却することができる。したがって、融化した新しい化
粧ゴム21,22および化粧ゴム部分24を短時間で固
化することができ、作業効率を向上させることができ
る。
【0128】また、本実施形態では、通路8,10と配
送部37とを、第2の加熱手段40および冷却手段41
の両方の構成要素とし、通路8,10および加熱層40
間でのシリコン油の循環と、通路8,10および冷却槽
35間での水の循環とを、切替弁34によって切り替え
る。これにより、第2の加熱手段40と冷却手段41を
別々に設けるよりも製作費用を削減することができる。
【0129】また、本実施形態では、加熱媒体は温度に
対する粘度の変化が少なく、一般の流体にくらべて大き
な比熱を有するシリコン油から成る。これにより、加熱
槽38および通路8,10間で円滑に循環させることが
できる。
【0130】また、本実施形態では、冷却媒体が水から
成る。これにより、接続作業の現場付近の水道等から簡
単に入手することができる。
【0131】また、本実施形態では、電熱部4が第1の
電熱部4aおよび第2の電熱部4b,4cと、電熱部5
が第1の電熱部5aおよび第2の電熱部5b,5cとに
よって、新しい化粧ゴム21,22と化粧ゴム93との
それぞれを、適切な融化温度で加熱する。これにより、
接続後の新しい化粧ゴム21,22と化粧ゴム93の接
続部分に線状の跡が残ったり、凹凸が生じたりすること
がない。したがって、美観を損ねることなく移動手摺9
0を接続することができる。
【0132】また、本実施形態では、油圧式加圧装置1
1の圧力発生部11Aによって、設定した押圧力を自動
的に金型1に与える。これにより、金型1の移動手摺9
0に対する押圧力を簡単に調整することができる。した
がって、作業効率を向上させることができる。
【0133】また、本実施形態では、一般に温度変化に
対し、粘度の変化が小さいシリコン油を、油圧式加圧装
置11の圧油として用いる。これにより、金型1の温度
に影響されることなく、油圧式加圧装置11を円滑に作
動させることができる。
【0134】なお、本実施形態では、劣化した移動手摺
90を新しい移動手摺90に交換する際に、新しい移動
手摺90を接続する場合を例に挙げて説明したが、本発
明はこれに限るものではなく、次のように劣化した移動
手摺90を補修する補修作業に適用してもよい。
【0135】すなわち、まず、劣化した移動手摺90
の、劣化部分を含む一部の化粧ゴム93を取り除き、帆
布91が露出した部分に、仮形成部21A,22Aを貼
り付けて補修個所を作製する。そして、補修個所を上述
した加熱加圧装置により加熱するとともに加圧する。こ
のようにして、露出した帆布91、および仮形成部21
A,22Aに隣接する既設の化粧ゴム部分に、仮形成部
21A,22Aを融着させ、劣化した移動手摺90の劣
化部分を補修するようにしてもよい。
【0136】
【発明の効果】以上のように、請求項1ないし5に係る
発明では、第1の加熱手段の電熱部と、第2の加熱手段
によって加熱媒体を金型内に流すことにより、金型を加
熱する。これにより、金型を短時間で加熱することがで
きる。したがって、新しい化粧ゴムおよび化粧ゴム部分
が融化し始めるまでにかかる時間を従来よりも短くする
ことができ、作業効率を向上させることができる。
【0137】また、請求項6ないし9に係る発明では、
冷却手段によって、冷却媒体を金型内に形成される冷却
媒体通路に流して金型を冷却する。これにより、金型を
短時間で冷却することができる。したがって、融化した
新しい化粧ゴムおよび化粧ゴム部分を従来よりも短時間
で固化することができ、作業効率を向上させることがで
きる。
【0138】また、請求項10に係る発明では、新しい
化粧ゴムと化粧ゴムの融着する温度を考慮し、第1の加
熱手段を第1の電熱部によって新しい化粧ゴムを加熱す
る。また、第2の電熱部によって、化粧ゴムが融化する
のに適した温度領域を超えないように、第1の電熱部よ
りも低い温度で加熱する。これにより、新しい化粧ゴム
と化粧ゴムとの接続部分に、線状跡が残ったり、凹凸が
生じたりすることなく融着させることができる。したが
って、移動手摺の美観を損ねることなく接続することが
できる。
【0139】また、請求項11ないし13に係る発明で
は、油圧式加圧装置の圧力発生部によって、設定した押
圧力を自動的に金型に与える。これにより、金型による
移動手摺に対する押圧力を従来よりも簡単に調整するこ
とができる。したがって、作業効率を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す説明図である。
【図2】図1の実施形態の斜視図である。
【図3】図1の実施形態に備えられる第2の加熱手段お
よび冷却手段を示す説明図である。
【図4】図1の実施形態に備えられる金型内に配置され
た移動手摺の融着時の温度を示す説明図である。
【図5】図1の実施形態に備えられる金型の接続作業時
の温度の推移を示す説明図である。
【図6】接続個所の構造を示す説明図である。
【図7】従来の乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装置
に備えられる金型および押圧手段を示す説明図である。
【図8】図7の金型内に配置された移動手摺を示す説明
図である。
【図9】図7の金型の接続作業時の温度の推移を示す説
明図である。
【図10】移動手摺の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 金型 2 上金型 3 下金型 4 電熱部 4a 第1の電熱部 4b 第2の電熱部 4c 第2の電熱部 5 電熱部 5a 第1の電熱部 5b 第2の電熱部 5c 第2の電熱部 6 中金型 8 通路(加熱媒体通路および冷却媒体通路) 10 通路(加熱媒体通路および冷却媒体通路) 11 油圧式加圧装置 11A 圧力発生部 11B 押圧板 11C 受台 11D 支持体 21 耳部用化粧ゴム(新しい化粧ゴム) 21A 仮形成耳部 22 背部用化粧ゴム(新しい化粧ゴム) 22A 仮形成背部 23 耳部 24 隣接する化粧ゴム部分 25 背部 26 接続個所 33 加熱部 34 切替弁 35 冷却槽 36 配管 36a 配管 36b 配管 36c 配管 36d 配管 36e 配管 37 配送部(加熱媒体配送部および冷却媒体配送
部) 38 加熱槽 40 第2の加熱手段 41 冷却手段 90 移動手摺 91 帆布 93 化粧ゴム
フロントページの続き (72)発明者 田中舘 聡 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 Fターム(参考) 3F321 AA02 AA09 CF01 HA06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 新しい化粧ゴムを移動手摺に似せて形成
    した仮形成部が設けられた接続個所を配置し、この接続
    個所を移動手摺の型形状に圧縮する金型と、前記接続個
    所を圧縮するための押圧力を前記金型に与える押圧手段
    と、前記金型を加熱する加熱手段とを備える乗客コンベ
    アの移動手摺の加熱加圧装置において、 前記加熱手段が、前記金型に設けられ、電気により発熱
    する第1の加熱手段を備えるとともに、 前記金型に設けられ、前記金型を加熱する加熱媒体が流
    れる加熱媒体通路を具備し、この加熱媒体通路に前記加
    熱媒体を流して前記金型を加熱する第2の加熱手段を備
    えることを特徴とする乗客コンベアの移動手摺の加熱加
    圧装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱媒体が、前記金型への熱の伝達
    を考慮した比熱を有する流体から成ることを特徴とする
    請求項1記載の乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装
    置。
  3. 【請求項3】 前記加熱媒体が、温度変化に対する粘度
    変化を考慮した液体から成ることを特徴とする請求項1
    記載の乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱媒体が、シリコン油から成るこ
    とを特徴とする請求項1記載の乗客コンベアの移動手摺
    の加熱加圧装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の加熱手段が、前記金型を加熱
    する前記加熱媒体を蓄え、加熱する加熱槽と、 前記加熱媒体通路と前記加熱槽との間で前記加熱媒体を
    循環させる加熱媒体配送部とを具備することを特徴とす
    る請求項1記載の乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装
    置。
  6. 【請求項6】 前記金型に設けられ、前記金型を冷却す
    る冷却媒体が流れる冷却媒体通路を具備し、この冷却媒
    体通路に前記冷却媒体を流して前記金型を冷却する冷却
    手段を備えることを特徴とする請求項1記載の乗客コン
    ベアの移動手摺の加熱加圧装置。
  7. 【請求項7】 前記冷却手段が、前記冷却媒体を蓄え、
    この冷却媒体を要時に冷却する冷却槽と、 前記冷却媒体通路と前記冷却槽との間で前記冷却媒体を
    循環させる冷却媒体配送部とを具備することを特徴とす
    る請求項6記載の乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装
    置。
  8. 【請求項8】 前記冷却媒体が、水から成ることを特徴
    とする請求項6記載の乗客コンベアの移動手摺の加熱加
    圧装置。
  9. 【請求項9】 前記金型の内部に設けられ、前記金型を
    冷却する冷却媒体が流れる冷却媒体通路を具備し、この
    冷却媒体通路に前記冷却媒体を流して前記金型を冷却す
    る冷却手段を備え、この冷却手段が、前記冷却媒体を蓄
    えて要時にこの冷却媒体を冷却する冷却槽と、前記冷却
    媒体通路と前記冷却槽との間で前記冷却媒体を循環させ
    る冷却媒体配送部とを具備するとともに、 前記加熱媒体通路は、前記冷却媒体通路と同一の通路か
    ら成り、かつ、前記加熱媒体配送部は、前記冷却媒体配
    送部と同一の配送部から成り、 前記加熱槽および前記通路間での前記加熱媒体の循環
    と、前記冷却槽および前記通路間での前記冷却媒体の循
    環とを切り替え可能な構造を有することを特徴とする請
    求項5記載の乗客コンベアの移動手摺の加熱加圧装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の加熱手段が、前記仮形成部
    を加熱する第1の電熱部と、前記金型内に位置し、前記
    仮形成部に隣接する化粧ゴム部分を加熱する第2の電熱
    部とから成り、この第2の電熱部は、前記仮形成部と、
    前記隣接する化粧ゴム部分とが融着する融着温度を考慮
    し、第1の電熱部よりも低い発熱温度に設定されること
    を特徴とする請求項1記載の乗客コンベアの移動手摺の
    加熱加圧装置。
  11. 【請求項11】 前記押圧手段が、前記金型の上方で、
    移動手摺の長手方向に沿って配置され、設定した圧力値
    を油圧により自動的に発生する油圧式加圧装置から成る
    ことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベアの移動手
    摺の加熱加圧装置。
  12. 【請求項12】 前記油圧式加圧装置の圧油が、油温の
    変化に対する粘度変化を考慮した圧油から成ることを特
    徴とする請求項11記載の乗客コンベアの移動手摺の加
    熱加圧装置。
  13. 【請求項13】 前記圧油が、シリコン油から成ること
    を特徴とする請求項11記載の乗客コンベアの移動手摺
    の加熱加圧装置。
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