JP2001105932A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

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JP2001105932A JP28831899A JP28831899A JP2001105932A JP 2001105932 A JP2001105932 A JP 2001105932A JP 28831899 A JP28831899 A JP 28831899A JP 28831899 A JP28831899 A JP 28831899A JP 2001105932 A JP2001105932 A JP 2001105932A
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伸介 東倉
Yoshinori Tanaka
良典 田中
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速走路と一般道路とを結ぶ接続路での走行
時に車両の駆動力が要求通りのものになるよう制御し
て、駆動力不足になることのないようにする。 【解決手段】 演算部31は車速VSPおよびアクセル開
度APSから、運転状態に応じた必要最小限の通常目標
駆動力TS を求める。切り換え器33は、接続路検出部20
からの出力ZOKU−APが0である時(接続路以外で
の走行時)実線位置となって駆動力補正量ΔTd を0に
し、ZOKU−APが1である時(接続路での走行時)
破線位置となってΔTd を補正量設定部34からの接続路
用駆動力補正量ΔTS にする。加算器35はTS にΔTd
を加算して最終的な目標駆動力Tdを求める。目標変速
比決定部36は予定のマップをもとにTd を最低燃費で達
成する目標変速比i* を求めて変速制御に供し、除算機
37は目標駆動力Td を実変速比iで除算してTd を最低
燃費で達成するための目標エンジン出力トルクTe *
求め、目標スロットル開度TVO* の演算に供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクセルペダル操
作以外の因子によっても任意に出力を変更可能なエンジ
ンと、自動変速機との組み合わせになる車両用パワート
レーンの駆動力制御装置、特に高速道路と一般道路との
間を連絡する接続路での走行中において有用な車両の駆
動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機を搭載した車両が、高速道路
と一般道路との間を連絡する接続路での走行中において
適切な駆動力特性となるようにする制御システムとして
は従来、例えば特開平10−141491号公報に記載
されたごときものが知られている。このシステムは、当
該接続路での走行中に車速が高速になり過ぎないよう減
速を補助するために、運転者の減速操作に基づいて自動
変速機の変速比が高速側になるのを制限するものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかして上記のような
従来のシステムにおいては、接続路走行時に運転者が減
速操作を行うと変速比が低速側になるよう自動変速機を
変速制御するために、運転者が減速操作を中断した時に
自動変速機が通常の変速制御に戻る結果、自動変速機が
高速側の変速比にされる。ところで接続路においては、
一般道路におけるような交差点や歩行者などの外乱が存
在せず、運転者は通常よりも大きな駆動力を必要とする
ことが多く、接続路において運転者の減速操作があると
き自動変速機を上記従来のごとくに変速制御するという
のでは、運転者が減速操作を中断した後において上記の
ごとく自動変速機が高速側の変速比に戻されることから
運転者の駆動力要求に十分に応えることができず、不満
が生ずる可能性を払拭しきれない。
【0004】請求項1に記載の第1発明は、上記の問題
が運転者の減速操作に応じた自動変速機の変速制御であ
ることに起因するとの観点から、この変速制御に代え接
続路での走行中は、運転状態に応じた通常の目標駆動力
を基準にこれを接続路での上記要求にかなうよう補正し
て求めた目標駆動力が達成されるようなパワートレーン
の駆動力制御とすることで、運転者の意図を汲んだ接続
路での走行が可能となるようにして運転者の負担を軽減
し、もって上記した従来の駆動力要求に関する問題を解
消することを目的とする。
【0005】請求項2に記載の第2発明は、接続路では
一般道路におけるような交差点や歩行者などの外乱が存
在しないため運転者は通常よりも大きな駆動力を必要と
することから、この事実に良く符合するようにした上記
パワートレーンの駆動力制御を構築することを目的とす
る。
【0006】請求項3に記載の第3発明は、上記パワー
トレーンの駆動力制御を安価に実現するとともに、車種
が異なる場合においても容易に適用し得るようにした車
両の駆動力制御装置を提案することを目的とする。
【0007】請求項4に記載の第4発明は、上記パワー
トレーンの駆動力制御を、アクセルペダルの釈放から僅
かな踏み込みがあった時において大きな駆動力段差が起
きないような制御とし、これによりショックの発生を無
くした車両の駆動力制御装置を提案することを目的とす
る。
【0008】請求項5に記載の第5発明は、アクセルペ
ダル踏み込み量の検出値を操作するだけで簡単に第4発
明の目的を達成し得るようにした車両の駆動力制御装置
を提案することを目的とする。
【0009】請求項6に記載の第6発明は、アクセルペ
ダル踏み込み量に対する目標駆動力のマップを1枚追加
するだけで簡単に第4発明の目的を達成し得るようにし
た車両の駆動力制御装置を提案することを目的とする。
【0010】請求項7に記載の第7発明は、接続路での
上記した駆動力の補正が不必要になされることのないよ
うにした車両の駆動力制御装置を提案することを目的と
する。
【0011】請求項8に記載の第8発明は、上記した補
正済みの駆動力を最低燃費で発生させるようにした車両
の駆動力制御装置を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による車両の駆動力制御装置は、アクセルペ
ダル操作以外の因子によっても任意に出力を変更可能な
エンジンと、自動変速機との組み合わせになるパワート
レーンを搭載した車両において、高速道路と一般道路と
の間を連絡する接続路での走行中は、アクセルペダル踏
み込み量および車速から求めた通常目標駆動力を補正し
て目標駆動力とし、この目標駆動力が達成されるようパ
ワートレーンを制御する構成にしたことを特徴とするも
のである。
【0013】第2発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明において、前記通常目標駆動力を増大して目標
駆動力とするよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0014】第3発明による車両の駆動力制御装置は、
第2発明において、前記通常目標駆動力に予定の駆動力
補正量を加算して目標駆動力とするよう構成したことを
特徴とするものである。
【0015】第4発明による車両の駆動力制御装置は、
第2発明において、前記アクセルペダル踏み込み量に対
する目標駆動力のゲインを高めて前記補正後の目標駆動
力を直接的に求めるよう構成したことを特徴とするもの
である。
【0016】第5発明による車両の駆動力制御装置は、
第4発明において、アクセルペダル踏み込み量の検出値
に前記ゲインの増大分に相当する係数を掛けて前記補正
後の目標駆動力の直接的な算出に供するよう構成したこ
とを特徴とするものである。
【0017】第6発明による車両の駆動力制御装置は、
第4発明において、前記接続路での走行中は、前記ゲイ
ンの増大を反映した専用のマップをもとにアクセルペダ
ル踏み込み量および車速から前記補正後の目標駆動力を
直接的に求めるよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0018】第7発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明乃至第6発明のいずれかにおいて、設定車速以
上の高車速では前記接続路走行中における目標駆動力の
補正を禁止して前記通常目標駆動力が達成されるようパ
ワートレーンを制御する構成にしたことを特徴とするも
のである。
【0019】第8発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明乃至第7発明のいずれかにおいて、前記目標駆
動力が最小燃費で実現される最適エンジン出力および最
適変速比の組み合わせを求め、エンジンの出力制御およ
び自動変速機の変速制御によりこれら最適エンジン出力
および最適変速比の組み合わせが達成されるよう構成し
たことを特徴とするものである。
【0020】
【発明の効果】第1発明においては、高速道路と一般道
路との間を連絡する接続路での走行中、アクセルペダル
踏み込み量および車速から求めた通常目標駆動力を補正
して目標駆動力とし、この目標駆動力が達成されるよう
パワートレーンを制御する。従って接続路での走行中、
運転状態に応じた通常目標駆動力を基準にこれを接続路
での要求にかなうよう補正して求めた目標駆動力が達成
されるようなパワートレーンの駆動力制御が行われるこ
ととなり、運転者の意図を汲んだ接続路での走行を可能
にして運転者の負担を軽減することができ、もって運転
者からの大きな駆動力の要求に応えることができる。
【0021】第2発明においては、上記通常目標駆動力
を増大して接続路走行中の目標駆動力とするため以下の
作用効果が得られる。つまり、当該接続路では一般道路
におけるような交差点や歩行者などの外乱が存在しない
ため運転者は通常より大きな駆動力を必要とするが、第
2発明の駆動力制御はこの事実に良く符合することにな
って運転者からの大きな駆動力の要求に確実に応えるこ
とができる。
【0022】第3発明においては、前記通常目標駆動力
に予定の駆動力補正量を加算して目標駆動力とするた
め、第2発明におけるパワートレーンの駆動力制御を安
価に実現し得ると共に、車種が異なる場合においても容
易に適用することができる。
【0023】第4発明においては、アクセルペダル踏み
込み量に対する目標駆動力のゲインを高めて前記補正後
の目標駆動力を直接的に求めるから、第2発明における
パワートレーンの駆動力制御を、大きな駆動力変化が必
要でないアクセルペダルの釈放から僅かな踏み込みがあ
った時は大きな駆動力段差が起きないような制御にする
ことができ、ショックの発生を無くした車両の駆動力制
御装置を構築することができる。
【0024】第5発明においては、アクセルペダル踏み
込み量の検出値に第4発明におけるゲインの増大分に相
当する係数を掛けて前記補正後の目標駆動力の直接的な
算出に供することとしたから、アクセルペダル踏み込み
量の検出値に係数を掛けるだけの操作で簡単に第4発明
の目的を達成することができる。
【0025】第6発明においては、接続路での走行中、
第4発明におけるゲインの増大を反映した専用のマップ
をもとにアクセルペダル踏み込み量および車速から前記
補正後の目標駆動力を直接的に求めることから、アクセ
ルペダル踏み込み量に対する目標駆動力のマップを1枚
追加するだけで簡単に第4発明の目的を達成することが
できる。
【0026】第7発明においては、設定車速以上の高車
速では接続路走行中における目標駆動力の補正を禁止し
て通常目標駆動力が達成されるようパワートレーンを制
御するから、接続路での上記した駆動力の補正が不必要
になされるのを防止することができる。
【0027】第8発明においては、前記の目標駆動力が
最小燃費で実現される最適エンジン出力および最適変速
比の組み合わせを求め、エンジンの出力制御および自動
変速機の変速制御によりこれら最適エンジン出力および
最適変速比の組み合わせを達成するから、前記した補正
済みの駆動力を最低燃費で発生させることができて付加
価値が高まる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になる駆動力制御装置を具えた車両のパワートレーン
と、その制御系を示し、該パワートレーンをエンジン1
と無段変速機2とで構成する。エンジン1は内燃機関で
構成するも、そのスロットル系を、運転者が操作するア
クセルペダル3にリンク連結せず、これから切り離され
て、ステップモータ4により開度を電子制御されるよう
にした電子制御式スロットルバルブ5を具えた構成にす
る。ステップモータ4は目標スロットル開度(TVO
* )指令に対応した回転位置にされ、この時スロットル
バルブ5を目標スロットル開度TVO* にして、エンジ
ン1の出力を、アクセルペダル操作以外の因子によって
も制御し得るようなものとする。
【0029】無段変速機2は周知のVベルト式無段変速
機とし、トルクコンバータ6を介してエンジン1の出力
軸に駆動結合されたプライマリプーリ7と、これに整列
配置したセカンダリプーリ8と、これら両プーリ間に掛
け渡したVベルト9とを具える。そして、セカンダリプ
ーリ8にファイナルドライブギヤ組10を介してディフ
ァレンシャルギヤ装置11を駆動結合し、これらにより
図示せざる車輪を回転駆動するものとする。
【0030】変速機2の無段変速を可能にするために、
プライマリプーリ7およびセカンダリプーリ8のそれぞ
れのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フラン
ジを他方の固定フランジに対して相対的に接近してV溝
幅を狭めたり、離反してV溝幅を広め得るようにし、両
可動フランジを、目標変速比(i* )指令に応動する油
圧アクチュエータ12からのプライマリプーリ圧Ppri
およびセカンダリプーリ圧Psec に応じた位置に変位さ
せることで、無段変速機2を実変速比が目標変速比i*
に一致するよう無段変速させ得るものとする。
【0031】目標スロットル開度TVO* および目標変
速比i* はそれぞれ、コントローラ13により演算して
求めることとする。これがためコントローラ13には、
アクセルペダル3の踏み込み量(アクセル開度)APS
を検出するアクセル開度センサ14からの信号と、スロ
ットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ16
からの信号と、プライマリプーリ7の回転数(プライマ
リ回転数)Npri を検出するプライマリプーリ回転セン
サ17からの信号と、セカンダリプーリ8の回転数(セ
カンダリ回転数)Nsec を検出するセカンダリプーリ回
転センサ18からの信号と、車速VSPを検出する車速
センサ19からの信号と、車載のナビゲーションシステ
ムを可とする接続路検出部20からの信号ZOKU−A
Pとをそれぞれ入力する。
【0032】接続路検出部20は、自車が高速道路と一
般道路との間を連絡する接続路での走行中であるか否か
を検出するためのもので、例えば図2に示すプログラム
に基づき当該検出を行う。ステップ21では自車位置情
報を入力し、次いで例えば図3のように読み込んだ自車
位置近辺の地図情報から現在位置の道路番号を検索す
る。ステップ22では、当該道路番号に係わるデータベ
ースをもとに現在位置の道路種別ZOKU=data
〔node〕(Hiway,city,Ramp,et
c)が高速道路(Hiway)、一般道路(cit
y)、接続路(Ramp)、その他のいずれであるのか
を検索する。
【0033】ステップ23では、上記のようにして検索
した現在位置の道路種別ZOKUをチェックし、ZOK
UがRampであるか否かにより現在位置の道路種別が
接続路であるか否かを検出する。ZOKU=Ramp
(接続路)であると判定する場合、ステップ24におい
てこのことを示すように出力ZOKU−APに1をセッ
トし、ZOKU=Ramp(接続路)でないと判定する
場合、ステップ25においてこのことを示すように出力
ZOKU−APに0をセットし、以後の制御に資する。
【0034】コントローラ13は上記した入力情報を基
に、図4に機能別ブロック線図で示すように無段変速機
2の変速制御およびエンジン1のスロットル開度制御を
以下のごとくに行って、本発明が狙いとする車両の駆動
力制御を実行する。通常目標駆動力演算部31では、例
えば特開平7−172217号公報に記載されていると
同様の方法により、または図9に実線で例示した予定の
マップをもとに、センサ19で検出した車速VSPおよ
びセンサ14で検出したアクセル開度APSから、車両
の運転状態や走行条件に応じた必要最小限の通常目標駆
動力TS を求める。
【0035】目標駆動力補正部32には、接続路検出部
20からの出力ZOKU−APに応答する切り換え器3
3と、接続路で用いる一定の接続路用駆動力補正量ΔT
S (ΔTS >0)を設定するための接続路用駆動力補正
量設定部34と、加算器35とを設ける。切り換え器3
3は、接続路検出部20からの出力ZOKU−APが0
である時(接続路以外での走行時)実線位置となって出
力である駆動力補正量ΔTd を0にし、接続路検出部2
0からの出力ZOKU−APが1である時(接続路での
走行時)破線位置となって出力である駆動力補正量ΔT
d を、補正量設定部34からの接続路用駆動力補正量Δ
S にするものとする。加算器35は前記通常目標駆動
力TS に駆動力補正量ΔTd を加算することにより通常
目標駆動力TS を駆動力補正量ΔTd だけ補正(増大)
して最終的な目標駆動力Td を求める。
【0036】補正後の最終的な目標駆動力Td を実現す
るための変速(変速比)制御系およびスロットル(エン
ジン出力)制御系は以下の構成とする。目標変速比決定
部36は、例えば図10に示す予定のマップをもとに目
標駆動力Td および車速VSPから目標変速比i* を求
める。ここで図10に示す目標変速比i* のマップは、
目標駆動力Td が最低燃費で実現される最適エンジン出
力および最適変速比の組み合わせにおける最適変速比の
マップとして予め実験などによりデータベース化してお
くものとする。
【0037】なお目標駆動力Td を最低燃費で実現する
ための最適エンジン出力および最適変速比の組み合わせ
は、本願出願人が特願平11−257113号公報にお
いて提案したような方法で求めることもできる。つま
り、目標駆動力Td に車軸回転数を掛けて要求馬力に換
算し、エンジンの性能線図からこの要求馬力を最低燃費
で発生させるための目標エンジン出力トルクおよび目標
エンジン回転数の組み合わせを求める。そして、この目
標エンジン回転数をセカンダリプーリ回転数Nsec で除
算することにより目標変速比i* を求めることができ
る。
【0038】上記のようにして求めた目標変速比i*
無段変速機2(詳しくは図1の油圧アクチュエータ1
2)に出力し、無段変速機2を目標変速比i* が達成さ
れるよう変速制御する。
【0039】除算機37は前記した目標駆動力Td を、
無段変速機2のプライマリプーリ回転数Npri とセカン
ダリプーリ回転数Nsec との比で表される変速比i(=
pr i /Nsec )で除算することにより目標エンジン出
力トルクTe * を求める。目標スロットル開度演算部3
8では、エンジンの出力トルクが目標エンジン出力トル
クTe * となるような目標スロットル開度TVO* を求
め、この目標スロットル開度TVO* をエンジン1(詳
しくは図1のステップモータ4)に指令してスロットル
バルブ5を目標スロットル開度TVO* となるよう電子
的に開度制御する。この目標スロットル開度TVO*
前記の目標変速比i* との組み合わせにより目標駆動力
d を最低燃費で発生させることができる。
【0040】なお本実施の形態においては、自動変速機
として無段変速機2を用いたが、有段の自動変速機を用
いてこれを目標変速比i* に最も近い変速段へ変速させ
るようにしても、無段変速機ほど正確ではないがほぼ同
様の最適燃費制御が可能であること勿論である。また、
無段変速機を用いる例として、Vベルト式の無段変速機
を示したが、この代わりにトロイダル型無段変速機等、
他の方式の無段変速機を用いるようにしてもよいことは
言うまでもない。また、エンジン出力トルクの制御に際
して電子制御式スロットルを開度制御することとした
が、この代わりに、或いはこれと共に、エンジン2の燃
料噴射量や点火時期を調整してエンジン出力トルクを加
減するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0041】以上のような本実施の形態になる駆動力制
御装置においては、高速道路と一般道路との間を連絡す
る接続路での走行中、切り換え器33が破線位置にされ
て駆動力補正量ΔTd を接続路用駆動力補正量ΔTS
なし、アクセル開度APSおよび車速VSPから求めた
通常目標駆動力TS を当該駆動力補正量ΔTd だけ増大
して最終的な目標駆動力Td とし、この目標駆動力が達
成されるよう無段変速機2を変速制御すると共に、エン
ジン1のスロットル開度TVO(エンジン出力トルク)
を制御することから、接続路での走行中、運転状態に応
じた通常目標駆動力TS を基準にこれを接続路での要求
にかなうよう増大して求めた目標駆動力Td が達成され
るような変速制御およびエンジン出力制御が行われるこ
ととなる。これがため、当該接続路では一般道路におけ
るような交差点や歩行者などの外乱が存在しないため運
転者が通常より大きな駆動力を必要とするという事実に
良く符合する駆動力制御が行われ、運転者の意図を汲ん
だ接続路での走行が可能となって運転者の負担を軽減す
ることができ、もって前記した従来装置の駆動力要求に
関する問題を解消することができる。
【0042】また本実施の形態においては、通常目標駆
動力TS に一定の駆動力補正量ΔT d (接続路用駆動力
補正量ΔTS )を加算して接続路用の目標駆動力Td
するため、上記のパワートレーンの駆動力制御を安価に
実現し得ると共に、車種が異なる場合においても接続路
用駆動力補正量ΔTS の値を変更するだけで容易に適用
することができる。
【0043】更に本実施の形態においては、上記の補正
済み目標駆動力Td が最小燃費で実現される目標変速比
* および目標エンジン出力トルクTe * の組み合わせ
を求め、これらが達成されるよう無段変速機2を変速制
御すると共にエンジンのスロットル開度TVOを電子制
御するから、上記の目標駆動力Td を最低燃費で発生さ
せることができて付加価値が高まる。
【0044】なお上記実施の形態においては、目標駆動
力補正部32内の設定部34が設定する接続路用駆動力
補正量ΔTS を所定の一定値としたが、接続路用駆動力
補正量設定部34は図5に示すように、センサ19で検
出した車速VSPを入力され、これに応じて接続路用駆
動力補正量ΔTS を例えば図6に示すように車速VSP
1 から漸減させ、車速VSP2 以上で0となるよう変化
させるのが良い。この場合、車速VSP2 以上において
はΔTS =0により目標駆動力Td が常に通常目標駆動
力TS と同じに保たれ、前記した目標駆動力の増大補正
が行われないこととなり、当該高車速域においては接続
路であっても駆動力が十分であるにもかかわらず駆動力
が不必要に増大補正されるのを回避することができ、駆
動力の過大により車両が運転しにくくなるのを防止する
ことができる。そして接続路用駆動力補正量ΔTS を車
速VSP1 から車速VSP2 まで漸減させるから、接続
路用駆動力補正量ΔTS の急変による駆動力段差の発生
も回避することができる。
【0045】ところで目標駆動力の増大補正に当たって
は、前記各実施の形態におけるように通常目標駆動力T
S を一旦求めておいてこれを接続路で増大補正する代わ
りに、アクセルペダル踏み込み量APSに対する目標駆
動力のゲインを接続路で高めて前記補正後の最終的な目
標駆動力Td を直接的に求めるようにしても同様の作用
効果を達成することができる。図7はこの着想を具体化
した一実施の形態を示し、本実施の形態においてはアク
セルペダル踏み込み量APSの検出値に、前記各実施の
形態における目標駆動力の増大補正と同様な効果をもた
らす接続路アクセルゲイン係数GAP(>1)を掛けて前
記補正後の最終的な目標駆動力の直接的な算出に供す
る。
【0046】具体的には、アクセル開度検出値補正部4
1における接続路アクセルゲイン係数設定部42で上記
の接続路アクセルゲイン係数GAPを設定し、これを切り
換え器43に入力する。切り換え器43は、前記した接
続路検出部20からの出力ZOKU−APが0である時
(接続路以外での走行時)実線位置となって出力である
アクセル開度検出値ゲインGを1にし、接続路検出部2
0からの出力ZOKU−APが1である時(接続路での
走行時)破線位置となって出力であるアクセル開度検出
値ゲインGを設定部42からの接続路アクセルゲイン係
数GAPにするものとする。
【0047】アクセル開度検出値補正部41における乗
算器44は、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開
度)APSの検出値にアクセル開度検出値ゲインGを掛
けて補正済みアクセル開度APSG を求め、これを通常
目標駆動力演算部31においてアクセルペダル踏み込み
量(アクセル開度)APSの代わりに用い、図9のマッ
プをもとに通常目標駆動力TS を演算し、この通常目標
駆動力TS をそのまま前記補正後の最終的な目標駆動力
d としてパワートレーンの駆動力制御に資する。とこ
ろで、接続路走行時はアクセル開度検出値ゲインGが接
続路アクセルゲイン係数GAPとなって、アクセルペダル
踏み込み量(アクセル開度)APSの検出値そのもので
はなく、これに係数GAPを掛けて求めた補正済みアクセ
ル開度APSG をもとに通常目標駆動力TS を演算し、
これをそのまま前記補正後の最終的な目標駆動力Td
するから、接続路走行時に目標駆動力Td を前記各実施
の形態におけると同様に増大補正することができ、所期
の目的を達成することができる。
【0048】しかも本実施の形態のようにアクセルペダ
ル踏み込み量APSに対する目標駆動力のゲインを接続
路で高める構成によれば、アクセルペダル踏み込み量A
PSが大きい領域ではアクセルペダル操作に対する駆動
力変化を大きくして従来装置の前記問題解決を確実なも
のにすることができ、他方で大きな駆動力変化が必要で
ないアクセルペダルの釈放から僅かな踏み込みがあった
時は大きな駆動力段差が起きないようにしてショックが
発生しない制御にすることができる。
【0049】図8は図7と異なる方法により、アクセル
ペダル踏み込み量APSに対する目標駆動力のゲインを
接続路で高めるようにした他の実施の形態を示す。本実
施の形態においては目標駆動力選択部51を設け、これ
を切り換え器52および接続路目標駆動力演算部53に
より構成する。切り換え器52の一方の入力には、通常
目標駆動力演算部31で前記したようにして求めた通常
目標駆動力TS を入力し、他方の入力には接続路目標駆
動力演算部53で以下のごとくに求める接続路目標駆動
力TR を入力する。
【0050】通常目標駆動力演算部31では、図9に実
線で例示した予定のマップをもとに、センサ19で検出
した車速VSPおよびセンサ14で検出したアクセル開
度APSから通常目標駆動力TS を求め、接続路目標駆
動力演算部53では、図9に破線で例示した予定のマッ
プをもとに、センサ19で検出した車速VSPおよびセ
ンサ14で検出したアクセル開度APSから接続路目標
駆動力TR を求める。ここで接続路目標駆動力TR は、
通常目標駆動力TS よりも接続路で要求される分だけ大
きな値とし、予め実験などにより求めておくか、若しく
は通常目標駆動力TS に前記接続路用駆動力補正量ΔT
S を加算してマップ化しておくか、通常目標駆動力TS
に1よりも大きな所定の係数(前記接続路アクセルゲイ
ン係数GAPに相当する係数)を掛けてマップ化しておく
こととする。
【0051】切り換え器52は、前記した接続路検出部
20からの出力ZOKU−APが0である時(接続路以
外での走行時)実線位置となって通常目標駆動力TS
最終的な目標駆動力Td とし、接続路検出部20からの
出力ZOKU−APが1である時(接続路での走行時)
破線位置となって接続路目標駆動力TR を最終的な目標
駆動力Td とするものである。かくて接続路では、目標
駆動力Td が通常目標駆動力TS よりも(TR −TS
だけ増大されることとなり、接続路で運転者の大きな駆
動力の要求に応えられなくなる前記従来装置の問題解決
を実現することができ、所期の目的を達成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる駆動力制御装置
を具えた無段変速機搭載車のパワートレーンを、その制
御システムと共に示す概略説明図である。
【図2】 同実施の形態における接続路検出部が実行し
て、自車が高速道路と一般道路との間を結ぶ接続路を走
行しているか否かをチェックするプログラムを示すフロ
ーチャートである。
【図3】 同接続路検出部が自車位置から読み出した自
車の近辺における道路地図を例示する説明図である。
【図4】 同実施の形態においてコントローラが実行す
る駆動力制御を示す機能別ブロック線図である。
【図5】 本発明の他の実施の形態になる駆動力制御を
示す機能別ブロック線図である。
【図6】 同実施の形態において用いる接続路用駆動力
補正量の変化特性を示す線図である。
【図7】 本発明の更に他の実施の形態になる駆動力制
御装置の目標駆動力演算ブロックを示す機能別ブロック
線図である。
【図8】 本発明の更に別の実施の形態になる駆動力制
御装置の目標駆動力演算ブロックを示す機能別ブロック
線図である。
【図9】 アクセルペダル踏み込み量および車速により
規定した通常目標駆動力および接続路目標駆動力の変化
特性を示す線図である。
【図10】 目標駆動力および車速により規定した、目
標駆動力を最低燃費で達成するための目標変速比を例示
する線図である。
【符号の説明】 1 エンジン 2 無段変速機 3 アクセルペダル 4 ステップモータ 5 電子制御スロットルバルブ 6 トルクコンバータ 7 プライマリプーリ 8 セカンダリプーリ 9 Vベルト 10 ファイナルドライブギヤ組 11 ディファレンシャルギヤ装置 12 油圧アクチュエータ 13 コントローラ 14 アクセル開度センサ 16 スロットル開度センサ 17 プライマリプーリ回転センサ 18 セカンダリプーリ回転センサ 19 車速センサ 20 接続路検出部 31 通常目標駆動力演算部 32 目標駆動力補正部 33 切り換え器 34 接続路用駆動力補正量設定部 35 加算器 36 目標変速比決定部 37 除算機 38 目標スロットル開度演算部 41 アクセル開度検出値補正部 42 接続路アクセルゲイン係数設定部 43 切り換え器 44 乗算器 51 目標駆動力選択部 52 切り換え器 53 接続路目標駆動力演算部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:44 F16H 59:44 63:06 63:06 Fターム(参考) 3D041 AA26 AA31 AA66 AB01 AC08 AC15 AC20 AD04 AD10 AD23 AD37 AD41 AD47 AD51 AE04 AE07 AE09 AE36 AF09 3G093 AA06 BA02 BA14 BA19 CB03 DA06 DB01 DB11 DB15 DB18 EA05 EA09 EA13 EB03 EC01 FA07 FA10 FB01 3J052 AA04 EA04 FB33 GC13 GC23 GC46 GC72 GD04 HA11 KA01 LA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセルペダル操作以外の因子によって
    も任意に出力を変更可能なエンジンと、自動変速機との
    組み合わせになるパワートレーンを搭載した車両におい
    て、 高速道路と一般道路との間を連絡する接続路での走行中
    は、アクセルペダル踏み込み量および車速から求めた通
    常目標駆動力を補正して目標駆動力とし、この目標駆動
    力が達成されるようパワートレーンを制御する構成にし
    たことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記通常目標駆動力
    を増大して目標駆動力とするよう構成したことを特徴と
    する車両の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記通常目標駆動力
    に予定の駆動力補正量を加算して目標駆動力とするよう
    構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記アクセルペダル
    踏み込み量に対する目標駆動力のゲインを高めて前記補
    正後の目標駆動力を直接的に求めるよう構成したことを
    特徴とする車両の駆動力制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、アクセルペダル踏み
    込み量の検出値に前記ゲインの増大分に相当する係数を
    掛けて前記補正後の目標駆動力の直接的な算出に供する
    よう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記接続路での走行
    中は、前記ゲインの増大を反映した専用のマップをもと
    にアクセルペダル踏み込み量および車速から前記補正後
    の目標駆動力を直接的に求めるよう構成したことを特徴
    とする車両の駆動力制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項におい
    て、設定車速以上の高車速では前記接続路走行中におけ
    る目標駆動力の補正を禁止して前記通常目標駆動力が達
    成されるようパワートレーンを制御する構成にしたこと
    を特徴とする車両の駆動力制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項におい
    て、前記目標駆動力が最小燃費で実現される最適エンジ
    ン出力および最適変速比の組み合わせを求め、エンジン
    の出力制御および自動変速機の変速制御によりこれら最
    適エンジン出力および最適変速比の組み合わせが達成さ
    れるよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装
    置。
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