JP2001105912A - 作業車輌における変速装置 - Google Patents

作業車輌における変速装置

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JP2001105912A
JP2001105912A JP28355499A JP28355499A JP2001105912A JP 2001105912 A JP2001105912 A JP 2001105912A JP 28355499 A JP28355499 A JP 28355499A JP 28355499 A JP28355499 A JP 28355499A JP 2001105912 A JP2001105912 A JP 2001105912A
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transmission
case
gear
shaft
transmission shaft
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JP28355499A
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Toru Hakata
徹 博田
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Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミッションケースの前部ケースに主変速装置
及びシャトル変速装置を配置して、分解・組付作業を容
易とする。 【解決手段】 トラクタの変速装置は、機体前後方向に
連設されてミッションケース8を構成する前部ケース4
0と中間ケース41、及び後部ケース42に動力伝達装
置が内蔵されていて、前部ケース40には、走行速度を
複数の変速段に切換える主変速装置4と、前進及び後進
に切換えるシャトル変速装置6とが配置されている。こ
れにより、動力伝達装置のうち特に故障等の発生頻度が
高いと予想される主変速装置4及びシャトル変速装置6
をまとめて収容した前部ケース40を、中間ケース41
に対して独立して分割することが可能となり、メインテ
ナンスが容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ等の作業
車輌における変速装置に係り、詳しくは連設される前部
ケース、中間ケース及び後部ケースに、動力伝達装置を
内蔵したものにおける配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタ等の作業車輌のミッションケー
ス構造としては、従来、例えば特許第2648219号
公報に記載されているように、ミッションケースの組付
け・分解を容易にすべく、該ミッションケースを前部ケ
ースと中間ケース及び後部ケースとの組合せで構成し、
前部ケースに主変速装置とPTO変速装置を、また、中
間ケースに前後進切換用のシャトル変速装置を、更に、
後部ケースに副変速装置等を内装すると共に、中間ケー
スの前記シャトル変速装置と前部ケースの主変速装置、
又は中間ケースのシャトル変速装置と後部ケースの副変
速装置等を、中間ケース内で互いの伝動軸部分を接続す
るようにしている。
【0003】そして、前部ケース内の前記主変速装置
は、乾式単板型のクラッチとコンスタントメッシュ式
(常時噛み合い方式)からなり、この主変速装置は、シ
フトフォークのスライド操作により変速操作が行われ
る。また、前部ケースは、後端開口部に、主変速装置の
後部を支承する軸受用の第1の支持板が着脱自在に設け
られ、更に、後部ケースは、前端開口部に副変速装置等
の前部を支承する軸受用の第2の支持板が着脱自在に設
けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
れば、ミッションケースを分割構造として、複数種類の
前部ケース、中間ケース及び後部ケースを予め用意して
おき、各ケースの組み合わせにより複数種類のミッショ
ンケースを製造できる点で有利である。
【0005】しかし、従来例の場合、前部ケースと中間
ケースに夫々主変速装置とシャトル変速装置が配置され
ているが、メインテナンスを考慮した場合、特に各変速
段に油圧クラッチを有する場合は、主としてこの油圧ク
ラッチ部分のメインテナンスが必要となる場合が多いた
め、特に交換・修理の頻度の高い変速装置を1つの分割
ケースに収納できれば、組付け・分解の作業性の一層の
向上を図ることが可能となる。
【0006】本発明は、斯かる課題を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、ミッションケ
ースを前部ケース、中間ケース及び後部ケースに分割可
能とすると共に、前部ケースに主変速装置及びシャトル
変速装置を配置して、分解・組付作業を容易に行うこと
のできる作業車輌における変速装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、連設される前部ケース(4
0)、中間ケース(41)及び後部ケース(42)に、
動力伝達装置を内蔵してなる作業車輌において、前記前
部ケース(40)に、走行速度を複数の変速段に切換え
る主変速装置(4)と、前進及び後進に切換えるシャト
ル変速装置(6)を配置することを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、前記前部ケース
(40)の中間部分に第1の支持板(67)を取付け、
かつ該前部ケース(40)の後端部分に第2の支持板
(77)を取付け、前記第1の支持板(67)の前方に
前記主変速装置(4)を配置し、かつ前記第1の支持板
(67)と前記第2の支持板(77)との間に前記シャ
トル変速装置(6)を配置してなる、ことを特徴とす
る。
【0009】請求項3記載の発明は、前記主変速装置
(4)の各変速段及び前記シャトル変速装置(6)の前
進、後進段が、それぞれ油圧クラッチ(C1 〜C4 ,C
F ,CR )を有する、ことを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、前記主変速装置
(4)の各変速段及び前記シャトル変速装置(6)の前
進、後進段が、それぞれ常時噛合しているギヤ及び噛合
いクラッチ(CA ,CB ,CC ,CD )を有することを
特徴とする。
【0011】[作用]以上の発明特定事項に基づき、本
発明の作業車輌における変速装置は、互いに連設されて
ミッションケース(8)を構成する前部ケース(40)
と中間ケース(41)、及び後部ケース(42)に動力
伝達装置が内蔵されていて、前記前部ケース(40)に
は、走行速度を複数の変速段に切換える主変速装置
(4)と、前進及び後進に切換えるシャトル変速装置
(6)とが配置されている。このように、動力伝達装置
のうち、特に故障等の発生頻度が高いと予想される主変
速装置(4)及びシャトル変速装置(6)をまとめて前
部ケース(40)に収容することで、この前部ケース
(40)を、中間ケース(41)に対して独立して分割
することが可能となり、分解・修理等のメインテナンス
時における作業性の向上が図られる等の利点を有する。
【0012】なお、上述した括弧内の符号は、図面を対
照するためのものであって、本発明を何ら限定するもの
ではない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を説明する。
【0014】図1は、本発明をトラクタに適用したパワ
ーシフト変速装置の概要を示す図であり、このパワーシ
フト変速装置1は、変速機構部2と変速操作部3とを有
する。
【0015】前記変速機構部2は、1〜4速に変速可能
な主変速装置4と、高速(H)、低速(L)に変速可能
な副変速装置5とを有し、全体として8段に変速可能で
ある他、前進(F)、後進(R)に切換え可能なシャト
ル変速装置6を備えており、更に、夫々ギヤと軸との間
に介在される油圧クラッチC1 〜C4 ,CF ,CR ,C
H ,CL を有している。また、前記変速操作部3は、主
変速用バルブ3aとシャトル変速用バルブ3bとを有
し、これらのバルブは夫々主変速レバー7とシャトル変
速レバー9とにより操作される。
【0016】前記主変速装置4は、エンジン10からの
動力を断接して主軸としての第1変速軸12(軸線O
1 )に伝達する主クラッチ11と、この第1変速軸12
にスプライン結合された4個のギヤ13,14,15,
16と、この第1変速軸12に平行に軸支された第2変
速軸17(軸線O2 )と、この第2変速軸17に前記油
圧クラッチC2 ,C4 を介して取付けられ、かつ前記ギ
ヤ13,15に夫々噛合するギヤ18,19、及び該第
2変速軸17の一端にスプライン結合されたギヤ20
と、前記第1変速軸12に平行に軸支された第3変速軸
21(軸線O3 )と、この第3変速軸21に前記油圧ク
ラッチC1 ,C3 を介して取付けられ、かつ前記ギヤ1
4,16に夫々噛合するギヤ22,23、及び該第3変
速軸21の一端にスプライン結合されたギヤ24とを有
している。
【0017】前記シャトル変速装置6は、前記変速軸1
7,21の回転を前進、後進に切換える機能を有し、前
記第1変速軸12に平行に軸支された第4変速軸25
(軸線O4 )と、この第4変速軸25の一端にスプライ
ン結合され、かつ前記主変速装置4のギヤ20,24と
夫々噛合するギヤ26と、この第4変速軸25に前記油
圧クラッチCF ,CR を介して取付けられたギヤ27,
28とを有している。
【0018】前記副変速装置5は、前記第4変速軸25
の回転を高速、低速に切換える機能を有し、前記第1変
速軸12に平行に軸支された第4’変速軸36(軸線O
4 ’)と、この第4’変速軸36の一端にスプライン結
合され、かつ前記シャトル変速装置6のギヤ27と噛合
するギヤ29、及び該シャトル変速装置6のギヤ28と
アイドラギヤ31を介して噛合するギヤ30と、前記第
4’変速軸36に前記油圧クラッチCH ,CL を介して
取付けられたギヤ32,33とを有している。そして、
これらのギヤ32,33は、変速軸37(軸線O2 )に
スプライン結合されたギヤ34,35に夫々噛合してい
て、動力はこの変速軸37から後輪へと伝達されてい
く。
【0019】以上において、例えば、図1に示すよう
に、主変速レバー7を操作して主変速用バルブ3aを2
速に設定すると共に、シャトル変速レバー9を操作して
副変速装置5を前進(F)に設定すると、機体走行速度
は前進2速に設定される。この場合、主変速装置4の油
圧クラッチのうち油圧クラッチC2 のみに圧油が供給さ
れて該クラッチが接続されると共に、副変速装置5の油
圧クラッチCL に圧油が供給されて該クラッチが接続さ
れ、更に、シャトル変速装置6の油圧クラッチCF に圧
油が供給されて該クラッチが接続される。
【0020】このため、エンジン10の動力は、主クラ
ッチ11を介して第1変速軸12のギヤ13から油圧ク
ラッチC2 を介して第2変速軸17のギヤ18に伝達さ
れ、該第2変速軸17のギヤ20から第4変速軸25の
ギヤ26に伝達され、油圧クラッチCF とギヤ27を介
して第4’変速軸36のギヤ29に伝達され、更に油圧
クラッチCL とギヤ33を介して変速軸37から後輪に
伝達される。
【0021】図2は、前記油圧クラッチC1 〜C4 ,C
F ,CR ,CH ,CL の具体的な構造を示しており、こ
こではシャトル変速装置6の油圧クラッチCF ,CR
例として説明する。
【0022】すなわち、油圧クラッチCF ,CR は、第
4変速軸25の外周部に、該第4変速軸25と一体的に
回転可能に取付けられたクラッチボディ100を有し、
このクラッチボディ100の内側にピストン101が軸
方向に移動可能に設けられている。一方、前記クラッチ
ボディ100側には、一体的に移動可能な4枚の摩擦板
102が設けられていて、このピストン101と摩擦板
102との間には皿バネ103が介在されている。そし
て、ピストン101は戻しスプリング104によって付
勢されていて、例えば前記油圧クラッチCR のピストン
101が、油路43からの圧油によって図面右方向に移
動すると、皿バネ103を介して摩擦板102が右方向
に押され、ギヤ28側の作動板105に同方向の押付圧
が付与される。
【0023】次いで、図3〜図5に基づき、前記変速機
構部2の具体的構成を説明する。なお、前述した図1の
ギヤ等と同一又は相当するギヤ等には同一の符号を付し
ているが、これらのギヤ配列等は全てが同一というわけ
ではない。
【0024】前記変速機構部2はミッションケース8に
内蔵されていて、このミッションケース8は、前部ケー
ス40と中間ケース41及び後部ケース42を有し、こ
れらが相互に連設されている。前記前部ケース40に
は、走行速度を1〜4速に切換え可能な主変速装置4
と、前進及び後進に切換え可能なシャトル変速装置6が
配置され、前記後部ケース42には、高速(H)、低速
(L)に変速可能な副変速装置5が配置されている。
【0025】そして、前述したように、主変速装置4
は、第1変速軸12にスプライン結合されたギヤ13,
14,15,16と、第2変速軸17に油圧クラッチC
2 ,C4 を介して取付けられ、かつ前記ギヤ13,15
に夫々噛合するギヤ18,19、及び該第2変速軸17
の一端にスプライン結合されたギヤ20と、第3変速軸
21に油圧クラッチC1 ,C3 を介して取付けられ、か
つ前記ギヤ14,16に夫々噛合するギヤ22,23、
及び該第3変速軸21にスプライン結合されたギヤ24
と、その一端に形成されたギヤ58を有している。ま
た、前記シャトル変速装置6は、第4変速軸25に前記
油圧クラッチCF を介して取付けられかつ主変速装置4
のギヤ20,24と夫々噛合するギヤ27と、該第4変
速軸25に前記油圧クラッチCR を介して取付けられた
ギヤ28と、該第4変速軸25の端部に取付けられたギ
ヤ59とを有している。
【0026】前記副変速装置5は、変速軸37(軸線O
2 )の回転を高速、低速に切換える機能を有し、第4変
速軸25に略々平行に軸支された第4’変速軸36(軸
線O4 ’)と、この第4’変速軸36に油圧クラッチC
H ,CL を介して取付けられたギヤ32,33とを有し
ている。そして、これらのギヤ32,33は、前記変速
軸37にスプライン結合されたギヤ34,35に夫々噛
合していて、動力はこの変速軸37から第4’変速軸3
6に伝達され、ギヤ34とギヤ32との噛み合い又はギ
ヤ35とギヤ33との噛み合いにより、夫々高速、低速
に切換えられて該第4’変速軸36から後輪へと伝達さ
れていく。
【0027】なお、前記第2変速軸17、第3変速軸2
1、第4変速軸25及び第4’変速軸36には、各油圧
クラッチに圧油を供給するための油路43が夫々形成さ
れている。
【0028】次いで、第2変速軸17と同軸上の変速軸
83(軸線O2 )には、ギヤ38及びギヤ52が取付け
られていて、この変速軸83は摺動式のクラッチCを介
して変速軸37(軸線O2 )に連結されている。そし
て、第4変速軸25の端部に取付けられた前記ギヤ59
は、前記変速軸83のギヤ38に噛合されている。ま
た、第4変速軸25と同軸上の変速軸53(軸線O4
には、ギヤ54及びギヤ55が取付けられていて、この
ギヤ54は前記変速軸83のギヤ52と噛合っていて前
記変速軸83の回転を超低速に変速して変速軸53に伝
達する。
【0029】また、第1変速軸12の後方には、PTO
変速装置39のPTO変速軸44が連結されていて、該
PTO変速軸44からPTO出力軸45に動力が伝達さ
れる。更に、前輪駆動(4WD)の場合、第4’変速軸
36のギヤ46と第6変速軸47のギヤ48を介して該
第6変速軸47に動力が伝達され、該第6変速軸47の
切換えギヤ49と第7変速軸51のギヤ50を介して該
第7変速軸51に動力が伝達され、前輪が駆動される。
【0030】図3〜図5、及び図6において、前記前部
ケース40の前方側には、前部壁60が設けられてい
て、この前部壁60には、軸受61を介して第1変速軸
12を支持するための孔62が形成されている。同様
に、この前部壁60には、軸受63を介して第2変速軸
17を支持するための孔65が形成されていると共に、
軸受64を介して第3変速軸21が支持されている。
【0031】また、前部ケース40の中間部分には、第
1の支持板67が取付けられていて、この第1の支持板
67には、軸受68を介して第1変速軸12を支持する
ための孔69が形成されている。同様に、この第1の支
持板67には、軸受70,71,72を介して夫々第2
変速軸17、第3変速軸21、第4変速軸25を支持す
るための孔73,74,75が形成され、更に、第5変
速軸38を支持するための孔76が形成されている。
【0032】また、図3〜図5、及び図7において、前
部ケース40の後端部分には、第2の支持板77が取付
けられていて、この第2の支持板77には、第1変速軸
12が挿通する孔78が形成されている。そして、この
第2の支持板77には、軸受79,80,81,82を
介して夫々変速軸83、第3変速軸21、第4変速軸2
5、第6変速軸47を支持するための孔84,85,8
6,87が形成され、更に、第5変速軸38を支持する
ための孔88(図7参照)が形成されている。
【0033】更に、図3〜図5、及び図8において、中
間ケース41の中間部分と後端部分には、夫々支持壁8
9,90が設けられていて、後端部分の支持壁90に
は、第1変速軸12を挿通するための孔91、軸受92
を介して変速軸37を支持するための孔93、軸受94
を介して第4’変速軸36を支持するための孔95、更
に、軸受96を介して第6変速軸47を支持するための
孔97が形成されている。
【0034】この第1の支持板67の前方に前記主変速
装置4が配置され、かつ該第1の支持板67と前記第2
の支持板77との間に前記シャトル変速装置6が配置さ
れている。これにより、組付け・分解時に前記前部ケー
ス40を、中間ケース41に対し分割するときに、主変
速装置4とシャトル変速装置6の各変速軸17,21,
25,38が、第1の支持板67及び第2の支持板77
により支持された状態で保持されるため、分割後も主変
速装置4及びシャトル変速装置6が各自バラバラになる
ことがなく、メインテナンスが容易となる。
【0035】また、図3〜図5に示すように、主変速装
置4の油圧クラッチC1 〜C4 はミッションケース8の
上方部分に配置され、また、シャトル変速装置6の油圧
クラッチCF ,CR はミッションケース8の下方部分に
配置されている。そして、ミッションケース8はオイル
ケースを兼ねていて、該ミッションケース8の下方部分
には、各種ギヤ等を潤滑するための作動油が満たされて
いて、そのオイルレベルは、シャトル変速装置6の油圧
クラッチCF ,CR が作動油で浸される程度に設定され
ている。この場合、油中に浸されたシャトル変速装置6
の油圧クラッチCF ,CR は、作動油の粘性抵抗により
摩擦板の回転等に伴う動力損失を生じるため、これを補
填すべく主変速装置4の各油圧クラッチC1 〜C4 と比
較して摩擦板の枚数を多くしたり、面積を大きくしたり
して、トルク容量の増大が図られている。
【0036】すなわち、機体走行時の使用頻度が高く摩
擦熱を蓄積し易い油圧クラッチに対しては作動油で冷却
する必要があるが、油圧クラッチの摩擦板の回転等に伴
う動力損失等を考慮すると、油中冷却よりも強制潤滑に
より作動油を油圧クラッチに吹付けて冷却するのが好ま
しいが、本実施の形態では、ミッションケース8がオイ
ルケースを兼ねているので、スペースの有効利用等の観
点から、主変速装置4とシャトル変速装置6を上下に配
置し、主変速装置4の各油圧クラッチC1 〜C4 と、シ
ャトル変速装置6の各油圧クラッチCF ,CR とのいず
れか一方を作動油に浸して冷却するのが得策となる。
【0037】この場合、主変速装置4及びシャトル変速
装置6の各油圧クラッチのいずれを作動油中に浸すのが
良いかを考えると、シャトル変速装置6の油圧クラッチ
数よりも主変速装置4の油圧クラッチ数の方が多い。そ
こで、油圧クラッチ数の少ないシャトル変速装置6をミ
ッションケース8の下方部分に配置し、作動油中に浸す
ことで油中冷却する一方、主変速装置4の油圧クラッチ
は強制潤滑により冷却することとして、動力損失等の影
響を極力少なくしつつ油圧クラッチへの摩擦熱の蓄積を
防止するものである。
【0038】また、図1〜図5に示すように、主変速装
置4には4個の油圧クラッチC1 〜C4 が設けられてお
り、また、シャトル変速装置6には2個の油圧クラッチ
F,CR が設けられていて、エンジン10からの動力
は、伝動上流側の主変速装置4から伝動下流側のシャト
ル変速装置6に向けて伝達されていく。
【0039】これは、エンジン10の動力は、一般に伝
動上流側から下流側に向けて順次減速されていくので、
低い伝達トルクである伝動上流側に、多数の油圧クラッ
チC1 〜C4 の配置された主変速装置4を配置し、下流
側に少数の油圧クラッチCF,CR の配置されたシャト
ル変速装置6を配置することで、クラッチ断接時のトル
ク損失を少なくすることができる。
【0040】更に、図3〜図5、及び図6に示すよう
に、前記第1変速軸12にはギヤ13〜16が配置さ
れ、また、主変速装置4の第2変速軸17には油圧クラ
ッチC2,C4 が同軸上に配置され、かつ該主変速装置
4の第3変速軸21には油圧クラッチC1 ,C3 が同軸
上に配置されていて、前記ギヤ13〜16と各油圧クラ
ッチC1 〜C4 とが連動連結可能に配置されている。そ
して、前記第2変速軸17と第3変速軸21とは、水平
面と略々平行な同じ高さに配置されていて、しかも前記
第1変速軸12は、第2変速軸17及び第3変速軸21
よりも上方に配置されている。
【0041】これは、前記第1変速軸12には少ない潤
滑で済むギヤ13〜16のみが配置され、一方、前記第
2変速軸17及び第3変速軸21にはより多くの潤滑が
必要な各油圧クラッチC1 〜C4 の他、ギヤ18,1
9,22,23が配置されているので、少ない潤滑量で
済む第1変速軸12を、多くの潤滑量が必要な変速軸1
7,21よりも上方に配置することで、上方の第1変速
軸12に強制潤滑を行う場合、該第1変速軸12に強制
潤滑された作動油は重力により下降してそのまま下方の
変速軸17,21に降りかかるから、第2変速軸17及
び第3変速軸21には強制潤滑による作動油以外にも、
上方から油が降りかかって十分に冷却されることにな
る。
【0042】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。
【0043】図3〜図5において、例えば前進2速(F
−2)の場合、主変速装置4の油圧クラッチC2 とシャ
トル変速装置6の油圧クラッチCF 、及び副変速装置5
の油圧クラッチCL とが接続されている。そして、エン
ジン10からの動力は、主クラッチ11を介して第1変
速軸(主軸)12に伝達され、この第1変速軸12か
ら、ギヤ13と主変速装置4のギヤ18及び油圧クラッ
チC2 を介して第2変速軸17に伝達される。この第2
変速軸17のギヤ20と、ギヤ27及び油圧クラッチC
F を介してシャトル変速装置6の第4変速軸25に動力
が伝達され、更に該第4変速軸25の端部のギヤ59と
変速軸83のギヤ38及び摺動式のクラッチCを介して
変速軸37に伝達される。なお、超低速伝動の場合は、
前記摺動式のクラッチCが切断され、変速軸83のギヤ
52と変速軸53のギヤ54を介して該変速軸53に動
力が伝達され、更にギヤ55とギヤ56を介して変速軸
37に伝達される。そして、変速軸37に伝達された動
力は、ギヤ35とギヤ33及び油圧クラッチCL を介し
て第4’変速軸36に伝達され、ピニオン57から後輪
に伝達される。
【0044】また、主変速装置4の第2変速軸17から
の動力を後進にて伝達する場合は、第2変速軸20のギ
ヤ20と第4変速軸25のギヤ27、更に第3変速軸2
1のギヤ24及びギヤ58、第5変速軸38のアイドラ
ギヤ31、第4変速軸25のギヤ28及び油圧クラッチ
R を介して第4変速軸25に伝達され、以後、前記と
同様の経路で後輪に伝達される。更に、主変速装置4の
第3変速軸21からの動力を後進にて伝達する場合は、
第3変速軸21のギヤ58とアイドラギヤ31、更に第
4変速軸25のギヤ28及び油圧クラッチCR を介して
第4変速軸25に伝達され、以後、前記と同様の経路で
後輪に伝達される。
【0045】以上において、前部ケース40に主変速装
置4とシャトル変速装置6を配置し、動力伝達装置のう
ち、特に故障等の発生頻度が高いと予想される、これら
主変速装置4とシャトル変速装置6をまとめて前部ケー
ス40に収容することで、前部ケース40を中間ケース
41に対して独立して分割することが可能となり、分解
・修理等のメインテナンスが容易となる。
【0046】次に、図9は、前記主変速装置4の各変速
段及び前記シャトル変速装置6の前後進段が、それぞれ
常時噛合い式変速装置である場合の実施の形態を示して
いる。なお、前述した図3と同一又は相当する部材に
は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】この変速装置によれば、主変速装置4は、
噛合いクラッチCA ,CB により走行速度を1〜4速に
切換え可能であり、また、シャトル変速装置6は、噛合
いクラッチCC により前進及び後進に切換え可能であ
り、更に、副変速装置5は、噛合い噛合いクラッチCD
により、高速(H)と低速(L)とに切換え可能となっ
ている。
【0048】以上において、エンジン10からの動力
は、主クラッチ11を介して第1変速軸(主軸)12に
伝達され、この動力は、例えば該第1変速軸(主軸)1
2のギヤ13と、第3変速軸21のギヤ18及び噛合い
クラッチCA を介して該第3変速軸21に伝達される。
更に、この第3変速軸21のギヤ24と、シャトル変速
装置6の第4変速軸25のギヤ27及び噛合いクラッチ
C を介して該第4変速軸25に動力が伝達され、該第
4変速軸25の端部のギヤ59と変速軸83(軸線O
2 )のギヤ38及び摺動式のクラッチCを介して変速軸
37に伝達される。なお、超低速伝動の場合は、前記摺
動式のクラッチCを切断し、変速軸83のギヤ52と変
速軸53のギヤ54を介して該変速軸53に動力が伝達
され、更にギヤ55とギヤ56を介して変速軸37に動
力が伝達される。そして、変速軸37に伝達された動力
は、ギヤ35とギヤ33及び噛合いクラッチCD を介し
て第4’変速軸36に伝達され、ピニオン57から後輪
に伝達される。
【0049】また、主変速装置4の第1変速軸12から
の動力を後進にて伝達する場合は、第1変速軸12のギ
ヤ13と、第3変速軸21のギヤ18及び噛合いクラッ
チCA を介して第3変速軸21に動力が伝達され、該第
3変速軸21のギヤ58と第5変速軸38のアイドラギ
ヤ31、ギヤ28及び噛合いクラッチCC を介して第4
変速軸25に伝達され、以後、前記と同様の経路で後輪
に伝達される。
【0050】この実施の形態によれば、油圧クラッチを
有するパワーシフト変速装置に用いられる第2変速軸1
7は不要となるため、ミッションケース8をパワーシフ
ト変速装置と常時噛合い式変速装置とに兼用化する場
合、図6における第2変速軸17を支持するための孔7
3,84(又は、第3変速軸21を支持するための孔7
4,85)は成形時のままで良く、仕上げ加工は必要な
いことになる。
【0051】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1記載の発明
によれば、連設される前部ケース、中間ケース及び後部
ケースに、動力伝達装置を内蔵してなる作業車輌におい
て、前記前部ケースに、走行速度を複数の変速段に切換
える主変速装置と、前進及び後進に切換えるシャトル変
速装置を配置することにより、主変速装置及びシャトル
変速装置を収容したミッションケースの前部ケースを、
中間ケースに対して独立して分割することができるた
め、組付け作業が簡単になる他、メインテナンス時にお
ける分解・組付けを容易に行うことができる。
【0052】請求項2記載の発明によれば、前記前部ケ
ースの中間部分に第1の支持板を取付け、かつ該前部ケ
ースの後端部分に第2の支持板を取付け、前記第1の支
持板の前方に前記主変速装置を配置し、かつ前記第1の
支持板と前記第2の支持板との間に前記シャトル変速装
置を配置してなることにより、前部ケースを中間ケース
に対して分割するときに、主変速装置とシャトル変速装
置の各変速軸が、第1の支持板及び第2の支持板により
支持された状態であるため、分割後も主変速装置及びシ
ャトル変速装置が各自バラバラになることがなく、よっ
て組付け作業及びメインテナンス作業を簡単に行うこと
ができる。
【0053】請求項3記載の発明によれば、前記主変速
装置の各変速段及び前記シャトル変速装置の前進、後進
段が、それぞれ油圧クラッチを有することにより、クラ
ッチ切換えに要する負荷を、大きな油圧力で簡単に行う
ことができると共に、油圧クラッチを有する主変速装置
及びシャトル変速装置を収容したミッションケースの前
部ケースを、中間ケースに対して独立して分割すること
ができるため、組付け作業やメインテナンスが簡単とな
る。
【0054】請求項4記載の発明によれば、前記主変速
装置の各変速段及び前記シャトル変速装置の前進、後進
段が、それぞれ常時噛合しているギヤ及び噛合いクラッ
チを有することにより、常時噛合しているギヤ及び噛合
いクラッチを有する主変速装置及びシャトル変速装置を
収容した前部ケースを、中間ケースに対して独立して分
割することができるため、組付け作業やメインテナンス
が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をトラクタに適用したパワーシフト変速
装置の概要を示す図である。
【図2】油圧クラッチの具体的な構造を示す図である。
【図3】ミッションケースに内蔵された変速機構部の展
開断面の全体図である。
【図4】同上の部分拡大図である。
【図5】図3の部分拡大図である。
【図6】図3のA−A断面図である。
【図7】図3のB−B断面図である。
【図8】図3のC−C断面図である。
【図9】主変速装置及びシャトル変速装置の変速段が、
夫々常時噛合い式変速装置である場合の実施の形態を示
す図である。
【符号の説明】
1 パワーシフト変速装置 2 変速機構部 4 主変速部 5 副変速部 6 シャトル変速部 8 ミッションケース 10 エンジン 12 第1変速軸(主軸) 17 第2変速軸 21 第3変速軸 25 第4変速軸 36 変速軸(軸線O4 ’) 37 変速軸(軸線O2 ) 67 第1の支持板 77 第2の支持板 C1 〜C4 ,CF ,CR 油圧クラッチ CA ,CB ,CC ,CD 噛合いクラッチ C 摺動式クラッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連設される前部ケース、中間ケース及び
    後部ケースに、動力伝達装置を内蔵してなる作業車輌に
    おいて、 前記前部ケースに、走行速度を複数の変速段に切換える
    主変速装置と、前進及び後進に切換えるシャトル変速装
    置を配置することを特徴とする、 作業車輌における変速装置。
  2. 【請求項2】 前記前部ケースの中間部分に第1の支持
    板を取付け、かつ該前部ケースの後端部分に第2の支持
    板を取付け、 前記第1の支持板の前方に前記主変速装置を配置し、か
    つ前記第1の支持板と前記第2の支持板との間に前記シ
    ャトル変速装置を配置してなる、 請求項1記載の作業車輌における変速装置。
  3. 【請求項3】 前記主変速装置の各変速段及び前記シャ
    トル変速装置の前進、後進段が、それぞれ油圧クラッチ
    を有する、 請求項1又は2記載の作業車輌における変速装置。
  4. 【請求項4】 前記主変速装置の各変速段及び前記シャ
    トル変速装置の前進、後進段が、それぞれ常時噛合して
    いるギヤ及び噛合いクラッチを有する、 請求項1又は2記載の作業車輌における変速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101081612B1 (ko) 2009-06-18 2011-11-09 대동공업주식회사 트랙터의 임시동력전달장치 및 그 제어방법
EP3428480A2 (en) 2017-06-22 2019-01-16 Kubota Corporation Work vehicle transmission and work vehicle having the same

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