JP2001105582A - 記録ヘッドおよび記録装置 - Google Patents

記録ヘッドおよび記録装置

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JP2001105582A
JP2001105582A JP29159799A JP29159799A JP2001105582A JP 2001105582 A JP2001105582 A JP 2001105582A JP 29159799 A JP29159799 A JP 29159799A JP 29159799 A JP29159799 A JP 29159799A JP 2001105582 A JP2001105582 A JP 2001105582A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放熱効率が高い記録ヘッド、およびそれを用
いた記録装置を提供すること。また、インクを吐出可能
なインクジェット方式の記録ヘッドにおいて、その使用
時に発生するインクミストの影響を回避して、信頼性を
高めることができる記録ヘッド、およびそれを用いた記
録装置を提供すること。 【解決手段】 記録ヘッド5001の本体部5004
に、記録ヘッド5001の走査方向に貫通する空気流通
路5018を形成し、その空気流通路5018内に、イ
ンク吐出部5012の記録素子基板を支持する支持部材
を露出させ、さらに空気流通路5018内に、支持部材
の露出部分を避けて、インクミストを吸収可能な吸収体
5019を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱効率の高い記
録ヘッド、およびそれを用いた記録装置に関するもので
ある。本発明は、特に、熱エネルギーを利用してインク
を吐出するインクジェット記録ヘッド等、発熱部を有す
る記録ヘッド、およびそれを用いたインクジェット記録
装置等の記録装置として、きわめて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録ヘッドに
形成された複数のインク吐出口から、記録データに基づ
いて選択的にインク滴を吐出し、そのインク滴を被記録
媒体の記録面に付着させることによって、画像を記録す
るインクジェット記録装置が実用に供されている。この
ようなインクジェット記録装置において、シリアルスキ
ャンタイプのものは、被記録媒体の搬送方向(副走査方
向)と交差する主走査方向に移動されるキャリッジ部
に、インクジェット記録ヘッドが搭載される構成となっ
ている。
【0003】また、サイドシュータ型と称されるインク
ジェット記録ヘッドは、例えば、図1に示されるように
構成されている。1001はインク供給部であり、イン
クタンクITが装着される。1002は入力端子部であ
り、図示しないキャリッジ部に電気的に接続されて、そ
のキャリッジ部からの駆動制御信号群が入力される。こ
れらのインク供給部1001と入力端子部1002によ
って本体部1003が構成される。1004は記録素子
基板であり、本体部1003のインク供給部1001に
おける被接合部に接合される。1005はプリント配線
基板であり、記録素子基板1004に電気的に接続され
て、入力端子部1002からの駆動制御信号群を供給す
る。
【0004】図2は、図1のX−X´線に沿う要部の拡
大断面図である。同図に示されるように、本体部100
3におけるインク供給部1001は、アルミニウム合金
製のブロック片2001と一体に樹脂成形されている。
インク供給部1001には、インクタンクITからのイ
ンクを導入するためのインク供給路2002が設けられ
ている。インク供給路2002の一方の開口端部(図2
中上方の開口端部)は、ブロック片2001の外部の露
出部分を含む被接合面2003において開口している。
【0005】図3は、図1のX−X´線に沿う記録素子
基板1004の拡大断面図である。図3において、30
02は基板であり、インク供給路2002の一方の開口
端部に連通するインク供給開口部3001が形成されて
いる。3005は複数のインク分岐供給路3004を形
成するための隔壁部材であり、それぞれのインク分岐供
給路3004は、インク加熱部として基板3002に形
成された複数の発熱抵抗素子(電気熱変換体)3003
に対応して設けられている。3007はオリフィスプレ
ートであり、基板3002における発熱抵抗素子300
3に対向する複数のインク吐出口3006が2列平行に
形成されている。
【0006】基板3002は、例えば、厚さ0.5〜
1.0mmのシリコン材料上に薄膜が形成されている。
また、インク供給開口部3001は、接着剤によりイン
ク供給部1001の被接合面2003(図2参照)に接
着される基板3002の面に形成されている。このイン
ク供給開口部3001は図4(a)のように延在し、そ
の延在方向は、図4(b)のようなインク吐出口300
6の配列方向に沿っている。発熱抵抗素子3003は、
インク供給開口部3001を挟んだ両側部分(図3中左
右の部分)に2列平行に形成されている。一般に、発熱
抵抗素子3003上には、耐インク性に優れる保護膜
(図示せず)が形成されている。隔壁部材3005によ
って形成される複数のインク分岐供給路3004は、イ
ンク供給開口部3001を通して供給されるインクを、
対応する発熱抵抗素子3003に導く。基板3002に
おける各電極3008には、図5のようなプリント配線
基板3009が接続される。プリント基板3009に
は、記録素子基板1004が配置される記録素子基板収
容部3010と、図1の入力端子部1002に配される
端子部3011が形成されている。
【0007】このように構成されたインクジェット記録
ヘッドは、プリント配線基板3009を通して、記録素
子基板1004における各発熱抵抗素子3003に駆動
制御信号が供給される。その駆動制御信号に応じて発熱
抵抗素子3003が発熱することにより、インク分岐供
給路3004を通して導入されたインクは、加熱されて
膜沸騰現象により気泡を発生し、その気泡の膨張に伴っ
てインク吐出口3006からインク滴として吐出され
る。吐出されたインク滴は、被記録媒体に着弾すること
によって画像を形成する。このようなインクジェット記
録方式は、インクの膜沸騰現象を利用しているため、イ
ンクや記録素子基板1004を含む記録ヘッド自体の温
度管理が重要となる。
【0008】従来、このような記録ヘッドを用いた記録
装置は、その記録ヘッドの温度をモニタリングし、その
温度に見合った駆動条件を設定するなどして、記録ヘッ
ドを使いこなしている。また、記録ヘッドの保護、およ
び記録品位の低下を防止するために、記録ヘッドの温度
が所定の閾値を越えたときに、記録動作を一時的に中断
させて、記録ヘッドを冷却させるような制御なども行わ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うなインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット
記録装置においては、近年、銀塩写真に匹敵するような
高画質高精細な記録の要求が高まってきている。そのた
め、例えば、染料濃度の異なるフォトプリント用のシア
ン、マゼンタ、ブラック、イエローのインクを用いるこ
とができる装置が提供されるようになった。このような
フォトグレードプリントに対応した記録装置において
は、使用するインクの種類が多くなり、また記録速度を
考慮した場合、1色のインク当たりのノズル数や記録幅
をある程度確保することが必要となる。そのため、例え
ば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、フォトシ
アン、フォトマゼンタの6色のインクに対応する6つの
記録素子基板が一体に組込まれた記録ヘッドにおいて
は、インク滴吐出時の温度上昇が著しくなる。
【0010】記録ヘッドの昇温を抑えるためには、発熱
抵抗素子の発生する熱エネルギーのインクへの伝達効
率、あるいは記録ヘッドの放熱能力を上げる必要があ
る。
【0011】前者の熱エネルギーの伝達効率に関して
は、発熱抵抗素子とインクとの間の距離を小さくするこ
と、つまり発熱抵抗素子上の保護膜を薄くすることが効
果的である。しかし、単に、保護膜を薄くした場合に
は、電極配線としてのAl層のカバレッジやピンホール
欠陥などの問題、さらに駆動IC部の保護膜としての信
頼性に問題が生じてしまう。そこで、発熱抵抗素子近傍
の保護膜のみを薄くすることが考えられる。しかし、こ
の方式では保護膜を2層に構成する必要があり、そのた
め成膜チャンバーが余計に必要となったり、1層目また
は2層目の膜をパターニングするためのマスクおよび工
程が増えてしまうなど製造上の問題がある。
【0012】一方、後者の放熱能力に関しては、記録ヘ
ッドの放熱部材を配したり、冷却用のファンを用いるな
どの方法がある。これらの方法は、記録ヘッドからの放
熱を高めることによって、難しい制御等によらずに記録
ヘッドを冷却することを可能とする。しかし、インク滴
が記録ヘッドの吐出口から飛翔する際に、被記録媒体上
にサテライトドットを形成するような微小インクミスト
が発生するため、そのインクミストが放熱部材に付着し
続けて、それが多量に付着した場合、その付着物が記録
紙等の被記録媒体上に落下して、記録画像の汚れを発生
させる等の問題がある。また、そのような付着物が被記
録媒体上に落下せずに、プラテンや被記録媒体の排出ロ
ーラ上に落下して付着した場合には、被記録媒体の裏面
の汚れや記録装置本体の汚れを発生して、記録品位の低
下を招くという問題がある。また、冷却用のファンを用
いる場合には、それが微小かつ軽量のインクミストを巻
き上げて、同様の問題を生じる。このようなインクミス
トによる問題に関し、例えば、特開平7−17037号
公報には、空気吸引装置を設けて、余分なインク噴霧を
除去する方法が提案されている。しかし、このような空
気吸引装置を用いる場合には、装置構成の大型化を招く
他、騒音も大きくなる。さらに、インクミストの吸引の
みならず、本来の画像を形成するためのインクの主滴を
も変動させる空気流を発生して、被記録媒体上における
インクの主滴の着弾位置を本来の位置からずらしてしま
うという問題がある。
【0013】本発明の目的は、放熱効率が高い記録ヘッ
ド、およびそれを用いた記録装置を提供することにあ
る。
【0014】また、本発明の他の目的は、インクを吐出
可能なインクジェット方式の記録ヘッドにおいて、その
使用時に発生するインクミストの影響を回避して、信頼
性を高めることができる記録ヘッド、およびそれを用い
た記録装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の記録ヘッドは、
複数の記録素子が備えられた記録素子基板を記録ヘッド
本体に備え、前記記録ヘッド本体が被記録媒体との対向
位置にて移動されつつ、前記記録素子が駆動されること
によって、前記被記録媒体に画像を記録可能な記録ヘッ
ドにおいて、前記記録素子基板を前記記録ヘッド本体に
支持して、前記記録素子が発する熱を受ける支持部材を
備え、前記支持部材を前記記録ヘッド本体の外部に露出
させたことを特徴とする。
【0016】本発明の記録装置は、記録ヘッドを被記録
媒体との対向位置にて移動させつつ、前記記録ヘッドを
駆動することによって、前記被記録媒体に画像を記録可
能な記録装置において、前記記録ヘッドとして上記の記
録ヘッドを用いることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0018】図8は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ド5001を用いることが可能なインクジェット記録装
置100の一例を説明するための概略斜視図である。記
録装置100におけるキャリッジ101は、平行に延在
する2本のガイド軸104および105によって、矢印
Aの主走査方向に沿ってスライド自在にガイドされる。
キャリッジ101は、ベルト等の伝達機構を介して駆動
用モータ(共に図示せず)により、主走査方向に往復動
される。キャリッジ101には、記録ヘッド5001が
搭載される。本例の記録ヘッド5001は、後述するよ
うに、3つのインクタンクを収容し、それぞれのインク
タンクから導入したインクをインク吐出口から吐出する
構成となっている。
【0019】被記録媒体としての用紙106は、挿入口
111から挿入され、最終的にその搬送方向が反転さ
れ、送りローラ109によってキャリッジ101の移動
領域の下部に搬送される。記録ヘッド5001は、主走
査方向に移動しつつ、プラテン108によって支持され
た用紙106上の記録領域にインク滴を吐出する。この
ような記録ヘッド5001の記録動作と、用紙106の
所定量ずつの搬送とを繰り返すことによって、用紙10
6上に画像を順次記録する。
【0020】キャリッジ101の移動可能領域の左端に
は、キャリッジ101上の記録ヘッド5001と対向可
能な回復系ユニット110が備えられている。この回復
系ユニット110によって、記録ヘッド5001のイン
ク吐出口をキャップする動作、およびインク吐出口か
ら、画像の記録に寄与しないインクを吸引等により排出
させる回復動作が行われる。記録ヘッド5001の回復
動作時に、その記録ヘッド5001から排出されたイン
ク、つまり画像の記録に寄与しないインクは、回復系ユ
ニット110に備えられたインク吸収体に受容される。
【0021】図6は記録ヘッド5001の要部の斜視図
であり、同図中の座標軸X,Y,Zは前述した図8中の
座標軸X,Y,Zと対応付けられている。図7は、図6
における記録ヘッド5001の要部を上下逆にした分解
斜視図である。
【0022】本例の記録ヘッド5001は、異なるイン
クを吐出するための3つの記録素子基板が一体化されて
いる。異なるインクを吐出するための4つ以上の記録素
子基板を一体化した場合も同様に構成することができ
る。また、本例の記録ヘッド5001は、サイドシュー
タ型と称される記録ヘッドとしての適用例である。
【0023】記録ヘッド5001において、5002は
インク供給部であり、異なるインクを収容する3つのイ
ンクタンクが装着される。5003は入力端子部であ
り、前述したキャリッジ101(図8参照)に電気的に
接続されて、そのキャリッジ101からの駆動制御信号
群を入力する。これらのインク供給部5002と入力端
子部5003などによって本体部5004が構成されて
いる。5012はインク吐出部であり、本体部5004
におけるインク供給部5002と反対側の部分に設けら
れている。このインク吐出部5012には、インクを吐
出するためのインク吐出口5013A、5014A、お
よび5015Aを有する記録素子基板5013、501
4、および5015が備えられている。
【0024】インク供給部5002には、異なるインク
を収容する3つのインクタンクを装着可能なインクタン
ク収容部5006A、5006B、および5006Cが
設けられており、それらは、図6のように座標軸Xの主
走査方向に沿って配列されている。インクタンク収容部
5006A、5006B、および5006Cとインク吐
出部5012との間には、座標軸Xに沿って延在する両
側壁部5002A、5002Bによって、座標軸Xに沿
って貫通する空気流通路5018が形成されている。す
なわち、インクタンク収容部5006A、5006B、
および5006Cを形成する外殻部から、図6中の下方
に延在するインク供給部5002の両側壁部5002
A、5002Bによって、開口部5007A、5007
Bが座標軸X方向に開口する空気流通路5018が形成
されている。空気流通路5018の内面には、その空気
流通路5018内に露出する後述のインク吐出部501
2の支持部材5008の面を除き、インクの吐出時に生
じるインクミストを吸収するための吸収体5019が配
されている。
【0025】吸収体5019としては、変性ポリビニル
アルコールを主成分とする高分子吸収体、ウレタンスポ
ンジ、あるいはPP(ポリプロピレン)繊維を主成分と
する多孔質状体、積層紙等を用いることができる。要
は、吸収能力と保水性があればいずれのものでもよい。
また、吸収体5019は、前述した回復系ユニット11
0(図8参照)に備えられたインク吸収体と同一部材に
よって形成してもよい。
【0026】本体部5004には、図7のように、イン
ク吐出部5012が配される被接合部5009が形成さ
れている。被接合部5009には、インク供給路501
0A、5010B、および5010Cの一端側の開口端
5011A、5011B、および5011Cが開口して
いる。インク供給路5010A、5010B、および5
010Cの他端側は、インクタンク収容部5006A、
5006B、および5006Cに連通されている。
【0027】インク吐出部5012において、5008
は、被接合部5009に接合される支持部材であり、イ
ンク供給路5010A、5010B、および5010C
の開口端5011A、5011B、および5011Cに
連通する連通路5017a、5017b、および501
7cが形成されている。支持部材5008の上面は第2
の被接合面とされ、その面には、インク滴を吐出するた
めの複数のインク吐出口5013A、5014A、およ
び5015Aが列状に形成された記録素子基板501
3、5014、および5015が接着される。記録素子
基板5013、5014、および5015は、前述した
図3の記録素子基板1004と同様に構成されており、
駆動制御信号に基づいて電気抵抗素子(電気熱変換体)
から熱エネルギーを発生し、その熱エネルギーをインク
の吐出エネルギーとして、インク吐出口5013A、5
014A、および5015Aからインク滴を吐出する。
【0028】5013p、5014p、および5015
pはプリント配線基板であり、入力端子部5003から
の駆動制御信号群を記録素子基板5013、5014、
および5015のそれぞれに供給する。5016は、支
持部材5008の上面に配されたフレーム部材であり、
記録素子基板5013、5014、および5015と共
に、プリント配線基板5013p、5014p、および
5015pの位置決めをする。支持部材5008の素材
としては、例えば、アルミナ(Al203)、窒化アル
ミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、4窒化3珪
素(Si3N4)、モリブデン(Mo)、タングステン
(W)などを用いることができる。
【0029】このように構成された記録ヘッド5001
は、図8のようにキャリッジ101上に搭載されて使用
に供される。インク供給部5002から供給されたイン
クは、インク供給路5010A、5010B、および5
010Cから連通路5017a、5017b、および5
017cを通して、記録素子基板5013、5014、
および5015に導入され、そして駆動制御信号に基づ
いて、インク吐出口5013A、5014A、および5
015Aからインク滴として吐出される。
【0030】記録ヘッド5001は、前述したように、
キャリッジ101と共に座標軸Xに沿う矢印Aの主走査
方向に移動しつつ、インク滴を吐出する。その際、主走
査方向に沿って延在する空気流通路5018内を空気が
相対移動し、その空気流通路5018内における主走査
方向の空気流は、その空気流通路5018内に露出する
支持部材5008の面に当たる。支持部材5008は、
発熱抵抗素子を有する記録素子基板5013、501
4、および5015を支持するため、その支持部材50
08に空気流を当てることにより、難しい制御等を必要
とせずに、記録ヘッド5001の移動時に生じる空気流
を利用して、その記録ヘッド5001の放熱効率を高め
ることができる。
【0031】また、空気流通路5018に配された吸収
体5019は、インク滴の吐出時に発生する微小なイン
クミストを吸着する。したがって、インクミストによる
悪影響、つまり記録ヘッド5001におけるインク吐出
口5013A、5014A、および5015Aの形成面
(フェイス面)の汚れによるインクの吐出性能の劣化、
用紙106等の被記録媒体の汚れ、および記録装置内部
の汚れ等を防止することができる。これらの結果、記録
装置の信頼性を高めて、高速記録、高画質記録を実現す
ることができる。
【0032】(他の実施形態)本発明は、上述したよう
なサイドシュータ型のインクジェット記録ヘッドのみに
特定されず、電気抵抗素子の表面に略沿う方向にインク
滴を吐出するエッジシュータ型等のインクジェット記録
ヘッドの他、種々の記録素子を備えた記録ヘッドに対し
て、広範囲に適用することができる。また、空気流通路
の形状や構造は任意であり、要は、記録ヘッドの移動時
に、その記録ヘッドの放熱効率を高めるための空気流を
生じさせる構成であればよい。
【0033】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0034】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0035】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0036】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0037】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0038】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0039】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0040】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、記録素
子基板を支持する支持部材を記録ヘッド本体の外部に露
出させることにより、難しい制御等を必要とすることな
く、記録ヘッドの移動時に生じる空気流を利用して、記
録ヘッドの放熱効率を高めることができる。
【0042】また、記録ヘッドがインク滴を吐出可能な
インクジェット記録ヘッドである場合に、その使用時に
発生するインクミストを吸収するための吸収体を備える
ことによって、インク吐出口の形成面の汚れによるイン
ク吐出性能の劣化、被記録媒体や記録装置内部の汚れ等
を防止し、記録装置の信頼性を高めて、高速記録、高画
質記録を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の記録ヘッドの斜視図である。
【図2】図1のX−X´線に沿う要部の拡大断面図であ
る。
【図3】図1のX−X´線に沿う記録素子基板部分の拡
大断面図である。
【図4】(a)は、図3の記録素子基板におけるインク
供給開口部分の平面図であり、(b)は、図3の記録素
子基板におけるインク吐出口部分の平面図である。
【図5】図3の記録素子基板に接続されたプリント配線
基板の斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態における記録ヘッドの要部
の斜視図である。
【図7】図6の記録ヘッドを上下逆にした分解斜視図で
ある。
【図8】図6の記録ヘッドを使用可能な記録装置の概略
斜視図である。
【符号の説明】
100 記録装置 101 キャリッジ 104、105 ガイド軸 5001 記録ヘッド 5002 インク供給部 5002A、5002B 側壁部 5003 入力端子部 5004 本体部 5007A、5007B 開口部 5008 支持部材 5010A、5010B、5010C インク供給路 5012 インク吐出部 5013、5014、5015 記録素子基板 5016 フレーム部材 5018 空気流通路 5019 吸収体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の記録素子が備えられた記録素子基
    板を記録ヘッド本体に備え、前記記録ヘッド本体が被記
    録媒体との対向位置にて移動されつつ、前記記録素子が
    駆動されることによって、前記被記録媒体に画像を記録
    可能な記録ヘッドにおいて、 前記記録素子基板を前記記録ヘッド本体に支持して、前
    記記録素子が発する熱を受ける支持部材を備え、 前記支持部材を前記記録ヘッド本体の外部に露出させた
    ことを特徴とする記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッド本体に、記録動作時にお
    ける該記録ヘッド本体の移動に伴なって空気流が生じる
    空気流通路を形成し、 前記空気流通路の内部に前記支持部材を露出させたこと
    を特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記空気流通路は、前記記録ヘッド本体
    の移動方向に略沿って貫通形成されたことを特徴とする
    請求項2に記載の記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記記録素子は、電気熱変換体が発生す
    る熱エネルギーを利用してインク滴を吐出するものであ
    ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の
    記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記記録素子は、電気熱変換体が発生す
    る熱エネルギーを利用してインク滴を吐出するものであ
    り、 前記記録ヘッド本体に、記録動作時における該記録ヘッ
    ド本体の移動に伴なって空気流が生じる空気流通路を形
    成し、 前記空気流通路の内部に前記支持部材を露出させ、 前記空気流通路の内部に、前記支持部材の露出部分を避
    けて、インクミストを吸収可能な吸収体を備えたことを
    特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記吸収体は、変性ポリビニルアルコー
    ルを主成分とする高分子吸収体からなることを特徴とす
    る請求項5に記載の記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記吸収体は、ウレタンスポンジまたは
    ポリプロピレンを主成分とする多孔質体からなることを
    特徴とする請求項5に記載の記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記吸収体は積層紙からなることを特徴
    とする請求項5に記載の記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 記録ヘッドを被記録媒体との対向位置に
    て移動させつつ、前記記録ヘッドを駆動することによっ
    て、前記被記録媒体に画像を記録可能な記録装置におい
    て、 前記記録ヘッドとして、請求項1から8のいずれかに記
    載の記録ヘッドを用いることを特徴とする記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録ヘッドにおける前記記録素子
    は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用してイ
    ンク滴を吐出するものであり、 前記記録ヘッド本体に、記録動作時における該記録ヘッ
    ド本体の移動に伴なって空気流が生じる空気流通路を形
    成し、 前記空気流通路の内部に前記支持部材を露出させ、 前記記録ヘッドから画像の記録に寄与しないインクを排
    出させてインク吸収体に吸収させる回復手段を備え、 前記空気流通路の内部に、前記支持部材の露出部分を避
    けて、前記インク吸収体と同一材料から形成されてイン
    クミストを吸収可能な吸収体を備えたことを特徴とする
    請求項9に記載の記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010143133A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Canon Inc インクジェット記録装置および該装置におけるミスト回収方法
CN105252915A (zh) * 2014-07-15 2016-01-20 中国科学院沈阳自动化研究所 太阳能电池片栅线电极喷印冷却装置及方法

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