JP2006027180A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェット記録時に発生するサテライトやミストを大幅に低減することができる記録ヘッドを提供する。
【解決手段】 1つのヒーターに対し2つの吐出ノズル2を備えている。また、それぞれの吐出ノズル2の中心線がヘッドの吐出方向で交差する構造である。
【選択図】 図1
【解決手段】 1つのヒーターに対し2つの吐出ノズル2を備えている。また、それぞれの吐出ノズル2の中心線がヘッドの吐出方向で交差する構造である。
【選択図】 図1
Description
本発明は記録装置用の記録ヘッドに関し、特に、インクジェット用記録ヘッドおよびその製法に関する。
プリンタに採用する記録方式のうち、ノズルからインクを吐出させて紙などの記録シート上に記録を行うインクジェット記録方式は、低騒音のノンインパクト記録方式で高密度かつ高速の記録動作が可能であるため、近年では広く採用されている。
特に複数の色のインクを用いてカラー画像を記録可能なカラープリンタにおいては、吐出液滴の体積を小さくし記録密度を向上することで高画質化が進み著しい伸びを示している。またヘッドの液滴吐出駆動周波数の高速化と共に、記録ヘッドに配列されるノズル数の増加による高速化が進みつつある。
しかしながら、このような記録ヘッドの小液滴化および多ノズル化にともない、本来の印字に寄与しない吐出液滴の影響が無視できなくなってきている。具体的には記録シートに着弾したインク滴が複数(主滴とサテライト)に分かれてしまうことによる画像の劣化や、記録シートに到達する前に速度を失い浮遊してしまうインク滴(以下、「ミスト」とも呼ぶ)によって記録装置が汚れ、この汚れが記録シートに転写すること等である。
このようなサテライトやミストは、吐出の液滴の長さ(主滴から尾引き部分の長さ)を短くすれば低減する傾向にある。
図9に一般的なインクの吐出状態を示す。図において、符号1は吐出インク滴、符号2は吐出ノズル、符号3はインク流路、符号4はインクを吐出させるための吐出エネルギー発生手段のヒーターを示している。図9(a)は吐出ノズル2を上面から見た図であり、図9(b)および(c)は吐出状態を示すために吐出ノズル2を横から見た断面図である。図9(b)はインクが吐出した直後の状態であり、インク滴1は先端の主滴の部分から吐出ノズル2に向かって尾引きが形成されている。また図9(c)は吐出してからある程度時間が経過した後の吐出状態であり、図9(b)で形成されていた尾引きが複数のインク滴に分割されている状態を示す。このように分割されたインク滴は、前述のようにサテライトとして記録シート上で主滴の近くに着弾し画像の劣化を招いたり、記録シートに到達する前に速度を失いミストとして浮遊し記録装置や記録シートを汚す元となる。
そのためインクの組成や液滴の吐出特性を遅くする等が考えられるが、画像に対する悪影響が無い範囲で大幅にサテライトやミストを低減することは困難であった。またインクを吐出する吐出ノズルの形状を工夫することによりインクしぶき(ミスト)を抑える方法として、特許文献1がある。これには長軸と短軸を有する細長い吐出ノズルが開示されている。
特開平9―131887号公報
本発明者らの検討によれば、ヘッドのノズル形状にもよるがこの方法では上記サテライトやミストを大幅に低減するには至っていない。
本発明は、上記の背景技術の実状に鑑み、尾引きを短くしサテライトやミストを大幅に低減することができるインクジェット用記録ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、インク滴を吐出するために用いられるエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子と、該吐出エネルギー発生素子に対向して設けられた前記インク滴を吐出する吐出ノズルとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記吐出エネルギー素子に対し複数の前記吐出ノズルを備え、かつ該複数の吐出ノズルから吐出され飛翔中にインク滴が合体して一つになる構造であることを特徴とする。
前記吐出エネルギー素子に対し複数の前記吐出ノズルを備え、かつ該複数の吐出ノズルから吐出され飛翔中にインク滴が合体して一つになる構造であることを特徴とする。
上記のとおりの構成では、紙などの記録シートに着弾させる一つのインク滴を、複数の吐出ノズルから分けて吐出することが可能になる。インクの吐出量が少ないと吐出液滴の尾引きが短くなり、サテライトやミストの無い吐出が可能になるので、各吐出ノズルからは少ない液量のインク滴を吐出し、インク滴の飛翔中に合体して一つの記録滴にする。これにより、サテライトやミストを大きく低減することができる。
以上説明したように本発明によれば、複数の吐出ノズルの各々から吐出するインク滴の量を少なくできるため各インク滴の尾引きが短くなり、その結果サテライトやミストを大きく低減させることができる。特にある程度大きな吐出量の領域までサテライトやミストを低減させることが可能である。これにより、高画質で印字汚れ等の弊害の少ないインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
以下、添付図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。本発明はこれらの実施形態のみに限らず、これらを組み合わせたり、この特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の思想に帰属する他の技術にも当然応用することができる。
本実施形態におけるインクジェット記録装置の機構部分の外観を図4に示し、このインクジェット記録装置に用いられるヘッドカートリッジおよびインクタンクの外観を図5に示し、この図5に示されたヘッドカートリッジの反対側の外観を図6に示す。すなわち、本実施形態におけるインクジェット記録装置のシャシー10は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材により構成され、このインクジェット記録装置の骨格をなす。シャシー10には、図示しないシート状の被記録材をインクジェット記録装置の内部へと自動的に給送する媒体給送部11と、この媒体給送部11から1枚ずつ給送される被記録材を所望の記録位置へ導くと共にこの記録位置から媒体排出部12へと被記録材を導く媒体搬送部13と、記録位置に搬送された被記録材に所定の記録動作を行う記録部と、この記録部の吐出回復処理を行うヘッド回復部14とが組み付けられている。
記録部は、キャリッジ軸15に沿って走査移動可能に支持されたキャリッジ16と、このキャリッジ16にヘッドセットレバー17を介して着脱可能に搭載されるヘッドカートリッジ18とを備えている。
ヘッドカートリッジ18が搭載されるキャリッジ16には、このヘッドカートリッジ18の記録ヘッド19をキャリッジ16上の所定の装着位置に位置決めするためのキャリッジカバー20と、ヘッドカートリッジ18のタンクホルダ21と係合して記録ヘッド19を所定の装着位置に位置決めするように押圧する前述のヘッドセットレバー17とが設けられている。このヘッドセットレバー17は、キャリッジ16に対するヘッドカートリッジ18の着脱手段の一部として機能し、キャリッジ16の上部に設けられた図示しないヘッドセットレバー軸に対して回動可能に取り付けられ、またヘッドカートリッジ18との係合部には、ばね付勢される図示しないヘッドセットプレートが設けられ、このヘッドセットプレートのばね力によって記録ヘッド19を所定の装着位置に押圧しながらヘッドカートリッジ18をキャリッジ16に装着するようになっている。つまり、本実施形態における記録ヘッド19は、キャリッジ16に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採用している。
記録ヘッド19に対するキャリッジ16の別の係合部には、コンタクトフレキシブルプリントケーブル(以下、コンタクトFPCと称す)22の一端部が連結され、このコンタクトFPC22の一端部に形成された図示しないコンタクト部と、記録ヘッド19に電気配線基板28を介して設けられた外部信号入力端子であるコンタクト部23とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記録ヘッド19への電力の供給などを行い得るようになっている。
コンタクトFPC22のコンタクト部とキャリッジ16との間には、図示しないゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力とヘッドセットプレートによる押圧力とによって、コンタクトFPC22のコンタクト部と記録ヘッド19のコンタクト部23との確実な接触を可能とするようになっている。コンタクトFPC22の他端部は、キャリッジ16の背面に搭載された図示しない配線基板に接続されている。
本実施形態におけるヘッドカートリッジ18は、インクを貯留するインクタンク24が着脱自在に装着される前述のタンクホルダ21と、インクタンク24から供給されるインクを記録情報に応じて記録ヘッド19の吐出ノズル25(図7参照)から吐出させる前述の記録ヘッド19とを有し、キャリッジ16に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採用している。
本実施形態では多階調の明度を持った高画質なカラー記録を可能とするため、例えば黒色(Bk),淡シアン色(LC),淡マゼンタ色(LM),シアン色(C),マゼンタ色(M)および黄色(Y)の各色インクが独立した6個のインクタンク24を使用可能としている。各インクタンク24には、ヘッドカードリッジ18のタンクホルダ21に対して係止し得る弾性変形可能な取り外し用レバー26が設けられ、この取り外し用レバー26を操作することにより、図5に示すように、タンクホルダ21に対してインクタンク24をそれぞれ取り外し可能としている。つまり、これら取り外し用レバー26は、ヘッドカートリッジ18のタンクホルダ21に対するインクタンク24の着脱手段の一部として機能する。
本実施形態における記録ヘッド19の一部破断構造を図7に示し、その断面構造を図8に示す。本実施形態における記録ヘッド19は、厚さが0.5mm〜1mmのシリコンからなる記録素子基板27の上に成膜技術を用いて後述する吐出エネルギー発生部,共通インク室,インク路,吐出ノズル25などを形成したものである。すなわち、記録素子基板27には、これを貫通する長孔状のインク供給口29が形成されている。このインク供給口29の両側には、被記録材の搬送方向、つまりインク供給口29の長手方向に沿って所定間隔で2列に並ぶ複数(本実施形態では片側128個)の電気熱変換体30が相互に半ピッチずらした状態で形成され、それぞれ吐出エネルギー発生部を構成している。記録素子基板27には、これら電気熱変換体30の他、電気熱変換体30と記録装置本体側との電気的接続を行うための電極端子31およびアルミニウムなどで形成される図示しない電気配線などが成膜技術によって形成されている。
前述の電気配線基板28は記録素子基板27にインクを吐出するための電気信号を印加するためのものであり、記録素子基板27に形成された電極端子31に対して連結されている。電気配線基板28は記録素子基板27に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し、記録装置本体からの電気信号を受け取るための前述のコンタクト部23とを有しており、このコンタクト部23はタンクホルダ21の背面側に位置決め固定されている。この電気配線基板28を介して図示しない駆動ICから電気熱変換体30に対する駆動信号が与えられ、同時に駆動電力がこの電気熱変換体30に供給される。
なお、インクタンク24を着脱可能に保持するタンクホルダ21には、インクタンク24から記録素子基板27のインク供給口29に亙るインク流路が形成されている。
記録素子基板27上には、インク供給口29に連通する共通インク室32を介して、上板部材33(オリフィスプレートとも呼ばれる。)が形成される。上板部材33は記録素子基板27上面の電気熱変換体30にそれぞれ正対する複数の吐出ノズル25を有する。すなわち、この上板部材33と記録素子基板27との間には、個々の吐出ノズル25と共通インク室32とに連通するインク路34が形成され、隣接するインク路34の間には仕切り壁35が形成される。これら共通インク室32,インク路34および仕切り壁35などは、吐出ノズル25と同様にレーザー加工技術により上板部材33に形成される。
インク供給口29から各インク路34内に供給される液体は、対応するインク路34に臨む電気熱変換体30に駆動信号が与えられることにより、電気熱変換体30の発熱に伴って沸騰し、これにより発生する気泡の圧力によって吐出ノズル25から吐出される。
特に、本発明の記録ヘッド19は、図7及び図8に示すように一つの電気熱変換体30に対して複数の吐出ノズル25(本例では2つ)を有し、後に詳しく説明するが、各吐出ノズル25から同時に吐出されたインク滴が合体して一つになる構造である。
上述の記録ヘッド19について図面を参照してさらに詳しく説明する。当該記録ヘッドの説明に用いる図1〜図3では背景技術の説明で参照した図9と同一の構成要素に対しては同一符号を用いた。
本発明者らの検討によれば、インクの吐出量が少ないヘッドにおいては吐出液滴の尾引きが短くなり主滴のみでサテライトやミストの無い吐出も可能であることがわかった。図3にその吐出の状態を示す。図3(a)は吐出ノズル2を上面から見た図であり、図3(b)および(c)は吐出状態を示すために吐出ノズル2を横から見た断面図である。図3(b)はインクが吐出した直後の状態であり、インク滴1は先端の主滴の部分から吐出ノズル2に向かって尾引きが形成されている。しかしながらこの尾引きは、吐出ノズル2の横断面積が小さく吐出インク滴の量(吐出量)も小さいため、従来の吐出である図9の吐出と比較して短くなっている。これはインクの物性やインク液滴の吐出速度が同じであれば、吐出ノズルの横断面積が小さく吐出量も小さい場合には、尾引きの体積も小さくなるので必然的に尾引きの長さも短くなる。また、図3(c)は吐出してからある程度時間が経過した後に吐出状態であり、図3(b)で形成されていた尾引きが主滴に吸収され無くなっている状態を示す。従来の吐出である図9においても同様であるが、詳細に観察すると尾引きはある速度を持って移動しているものが複数の液滴に分割されるため、その分割の仕方によりそれぞれの分割液滴の吐出速度が異なる。このため、一度分割した吐出液滴もまた合体を繰り返す場合がある。図3に示す尾引きの短い吐出においては、極端に短いものは主滴が形成される時に表面張力により合体してしまい1つの液滴となる。また尾引きが多少の長さがある場合は、一度形成されたインク滴はすぐに主滴に合体する場合もあるし、小さなインク滴が1つだけ形成される場合もあった。いずれにしても従来の吐出量が大きいヘッドによる吐出に比べ尾引きによるサテライトやミストとなるインク滴の形成は極端に少なかった。上記ヘッドの具体的なノズル構造であるが、図9に示す従来のヘッドにおいては、吐出ノズル2の開口の大きさ(開口面積)は150μm2であり吐出量は約3plである。また、図3に示す吐出量の少ないヘッドにおいては、吐出ノズル2の開口の大きさ(開口面積)は80μm2であり吐出量は約1.5plである。
このように、吐出量の非常に小さい領域においては、ある程度サテライトやミストを低減することが出来るが、吐出量を大きくしていくとまたサテライトやミストが増えてしまう結果となる。目的は異なるがピエゾ等の振動板を駆動することにより吐出する方式では複数のインク液滴を連続して吐出し前段のインク液滴に次のインク液滴が飛翔中に合体する駆動方法が特開2002―96488に記載されているが、あとから吐出する液滴の吐出速度が速いためサテライトやミストが出来やすい。また駆動条件の制約が大きくなり、特に電気熱変換素子による発泡で吐出させる方式においてはさらに困難となる。また吐出液滴が小さいため飛翔中の気流によって印字が影響を受けやすい。
上記の検討結果を考慮し本発明者らは、図1に示す吐出ノズル構造を考え検証を行ったところ大きな吐出量であっても尾引きを短くしサテライトやミストを大きく低減させることが出来た。以下に詳細を説明する。
図1はインクの吐出状態を示す図であり、図1(a)は吐出ノズル2を上面から見た図であり、図1(b)および(c)は吐出状態を示すために吐出ノズル2を横から見た断面図である。また図1(b)はインクが吐出した直後の状態であり、図1(c)は吐出してからある程度時間が経過した後吐出状態である。
図1(a)に示すように本実施例では、1つのヒーターに対し2つの吐出ノズル2を備えている。また図1(b)に示すようにそれぞれの吐出ノズル2の中心線がインク滴の吐出方向で交差する構造である。この構造によれば各吐出ノズル2から吐出されたインク滴1は互いに近づく方向に角度を持って吐出される。これにより飛翔中にそれぞれの吐出ノズルから吐出したインク滴は重なり合体する。この時それぞれの吐出ノズル2から吐出したインク滴1は吐出量が小さいので尾引きの長さは短く主滴に吸収される。このため合体したインク滴も図1(c)に示すように主滴のみとなり尾引きがない吐出が可能となる。
本実施形態のヘッドの具体的寸法は、各吐出ノズル2の開口面積は80μm2であり、フェイス面5(吐出ノズルの開口が形成された面)における各吐出ノズル2の中心間の距離は20μmである。これにより各吐出ノズル2から吐出されるインク滴1の吐出量はそれぞれ約2plであった。また各吐出ノズルはその中心線がフェイス面5に対し約1度の角度をもって形成されている。これは2つの吐出ノズルをそれぞれレーザーの角度を変えて(実際はレーザーの光軸は固定でヘッドの上板部材を移動して)別々に加工することで吐出ノズルを形成した。これにより、計算上はフェイス面5から約0.5mm離れた位置で2つの吐出ノズル2の中心線が交差することになる。実際の吐出ではインク滴1は点ではないので計算上の交点よりも早くお互いのインク滴が合体した。
このように本実施形態によれば、比較的大きな約4plの吐出量においてもサテライトやミストとなるインク滴の形成を極端に少なくすることが可能である。
本実施形態は、上記のようにフェイス面に対して各吐出ノズルの中心線がなす角度が約1度であるが、本発明者らの検討によれば前記角度は5度以下が好ましく、2.5度以下がより好ましかった。これは角度を付けすぎると、その分だけ合体する各液滴が違う速度成分を持つことになり、液滴が合体時に吐出方向が不安定になりやすいためである。特に2つの吐出ノズルから吐出されるインク滴に速度差がある場合が不安定であった。
(その他の実施形態)
図2に本発明の他の実施形態を示す。図2はインクの吐出状態を示す図であり、図2(a)は吐出ノズル2の縦断面を見た場合、ノズル穴の側面の、フェイス面に対する角度が、もう1つの吐出ノズル2と隣接している側の側面と離れている側の側面で違う例である。これは、吐出ノズル形成時のレーザーのマスクにおいて、前記もう1つの吐出ノズルと離れている側(角度が大きい側)の照射量が他の部分より少なくなるようパターンを工夫することで上記形状が形成可能である。これにより2つの吐出ノズルが同時に形成可能となるので角度に対する寸法精度が上がる。
図2に本発明の他の実施形態を示す。図2はインクの吐出状態を示す図であり、図2(a)は吐出ノズル2の縦断面を見た場合、ノズル穴の側面の、フェイス面に対する角度が、もう1つの吐出ノズル2と隣接している側の側面と離れている側の側面で違う例である。これは、吐出ノズル形成時のレーザーのマスクにおいて、前記もう1つの吐出ノズルと離れている側(角度が大きい側)の照射量が他の部分より少なくなるようパターンを工夫することで上記形状が形成可能である。これにより2つの吐出ノズルが同時に形成可能となるので角度に対する寸法精度が上がる。
図2(b)は吐出ノズルが2段に分かれて形成されている例である。これは、吐出ノズル形成時にマスクを変え2度加工を行うことで図に示す形状が形成可能である。すなわち本実施形態ではインク流路3に近い側から第1のマスクで上板部材の途中までレーザー加工を行う。次に第1のマスクより小さくかつ中心をずらした第2のマスクより残りの加工を行っている。これにより吐出時のインクの方向が2つの吐出ノズルの中心線が交わる方向に向かうので、前述までの実施形態と同様に吐出中にインク滴を合体させることが可能となる。また本実施形態の構成は、フォトリソグラフィ法により吐出ノズルを形成する場合も、2度に分けて形成することにより可能であり色々な加工方法で作りやすい利点を持っている。なお、図2(b)の例では吐出ノズルを2度に分けて形成したが、3度以上に分けて形成した吐出ノズルであってもよい。
以上のように実施形態を挙げて説明した発明によれば、1つのインク流路に対して複数の吐出ノズルを設け、該複数の吐出ノズルから吐出された時のインクの方向が各吐出ノズルの中心線が交わる方向に向かう構造である。言い換えれば、オリフィスプレートのフェイス面における各吐出ノズル開口の中心の間隔が、オリフィスプレートのインク流路側の面における各吐出ノズル開口の中心の間隔より短い構造でもある。この構造によって、吐出したインク液滴の尾引きを短くしサテライトやミストを大きく低減させることが出来た。特にある程度大きな吐出量の領域までサテライトやミストを低減させることが可能である。これにより、高画質で印字汚れ等の弊害の少ないインクジェット記録ヘッドを提供することが出来る。
なお、本実施形態では吐出エネルギーを発生する手段として電気熱変換素子であるヒーターを例に挙げたが、ピエゾ素子のような振動素子を使用してもよい。また、吐出ノズルの数においても2つに限らず、インク流路3に対して3つ以上設けてあってもよい。
1 インク滴
2 吐出ノズル
3 インク流路
4 ヒーター
2 吐出ノズル
3 インク流路
4 ヒーター
Claims (6)
- インク滴を吐出するために用いられるエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子と、該吐出エネルギー発生素子に対向して設けられた前記インク滴を吐出する吐出ノズルとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記吐出エネルギー素子に対し複数の前記吐出ノズルを備え、かつ該複数の吐出ノズルから吐出され飛翔中にインク滴が合体して一つになる構造であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 前記複数の吐出ノズルの中心線がインク滴の吐出方向で交差する構造である請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記インク滴の吐出方向で交差する複数の吐出ノズルの中心線が前記吐出ノズルの開口を形成する面に対してなす角度は5度以下である請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドを製造する方法であって、
前記吐出ノズルはレーザー加工で形成されているインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドを製造する方法であって、
前記吐出ノズルはフォトリソグラフィ加工で形成されているインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 前記吐出ノズルは、フォトリソグラフィ加工で複数に分けて形成され、該複数に分けて形成された各吐出ノズルの中心が互いにずれている請求項5に記載のインクジェット記録ヘッド。
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Cited By (2)
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JP2010052406A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Canon Inc | 液体吐出ヘッド |
JP2015199289A (ja) * | 2014-04-09 | 2015-11-12 | 株式会社東芝 | 液体吐出ヘッド |
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