JP2001105357A - 産業用ロボットにおけるキャリブレーション方法およびワイヤ式リニアスケールのワイヤガイド装置および測定方法 - Google Patents

産業用ロボットにおけるキャリブレーション方法およびワイヤ式リニアスケールのワイヤガイド装置および測定方法

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JP2001105357A JP28173199A JP28173199A JP2001105357A JP 2001105357 A JP2001105357 A JP 2001105357A JP 28173199 A JP28173199 A JP 28173199A JP 28173199 A JP28173199 A JP 28173199A JP 2001105357 A JP2001105357 A JP 2001105357A
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純 後藤
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佳市 高岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ティーチング誤差が無く、3次元計測器を使
用しないで、作業者毎の精度のバラツキも発生しないキ
ャリブレーション方法を提供する。 【解決手段】 多関節機構を有する産業用ロボット2に
おける各軸角度を検出する位置検出器の角度データから
ツール先端位置を求めるための算出式に利用されるパラ
メータのキャリブレーション方法において、固定された
1つのワイヤ式リニアスケール1を利用し、そのリニア
スケールからロボットのツール先端4までの距離を測定
するものとし、ロボットを複数の姿勢に動作させ、それ
ぞれの距離を測定することにより、パラメータのキャリ
ブレーションを実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多関節機構を有す
る産業用ロボットにおける各軸角度を検出する位置検出
器の角度データからツール先端位置を求めるための算出
式に利用される機構モデルパラメータのキャリブレーシ
ョン方法と、その際に使用されるワイヤ式リニアスケー
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】機構モデルのパラメータには幾何学的パ
ラメータと、非幾何学的パラメータがある。幾何学的パ
ラメータは各軸の角度原点、リンク長、リンク上の隣接
関節間のネジレ角度などがあり、非幾何学パラメータは
各関節でのたわみ、歯車間の伝達誤差、歯車におけるバ
ックラッシュ等がある。これらの機構モデルパラメータ
全てのキャリブレーションについて説明すべきである
が、以下では、主要因である各軸の角度原点に焦点を当
てて説明する。従来、各軸の角度原点のキャリブレーシ
ョン方法として、各リンクに水準器を当てるなどして各
軸の角度原点のキャリブレーションが行われていたが、
ロボットコントローラ内の各軸の角度原点とロボットア
ームの各軸の角度原点とを正確に一致させることが困難
なため、これを改善する方法として、特許番号第264
0339号(特開昭61−133409号)に開示の
「ロボット定数の自動補正方法」がある。これは図10
に示すように、ある定点Pに対して複数のロボット姿勢
を教示することで、各軸の角度原点のキャリブレーショ
ンを行うようにした方法であって、この方法の特徴は、
複数のロボット姿勢(A、B、・・・)におけるツール
先端位置を同一点Pであると仮定し、キャリブレーショ
ンを行っている点である。一方、キャリブレーション用
に使用される従来のワイヤ式リニアスケールや、そのワ
イヤガイド装置は、図11に示すような構造になってい
る。図11中の、101はワイヤ式リニアスケールであ
り、102はワイヤ出口におけるワイヤガイド用のワイ
ヤガイド装置(材質はゴム、金属、テフロン等の樹
脂)、103はワイヤ、104はワイヤ先端のフックで
ある。ワイヤ式リニアスケール101のワイヤガイド装
置102は、ワイヤ先端フック104を図11のように
矢印方向へ動作させてワイヤ103を引出す(又は巻戻
す)時に、ワイヤ出口を1か所に固定し、摩擦によるワ
イヤ摩耗を防止するように動作する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術において、図10に示す特許番号第2640339号
のキャリブレーションの方法では、ロボットのツール先
端位置を1点(P)に完全に一致させた状態で、複数の
ロボット姿勢をとるように教示することは厳密には不可
能であり、現実には少しづつ異なったツール先端位置を
教示していることになる。この時の誤差をティーチング
誤差と呼ぶ。従来の方法では、このティーチング誤差を
含んだ状態で各軸の角度原点におけるキャリブレーショ
ンが行われるので、正確なキャリブレーションができな
いという問題があった。更に、ツール先端位置を1点に
固定した状態で、複数のロボット姿勢を教示するために
は、3次元計測器を利用するか、若しくは、作業者によ
る目測教示になる。前者の場合は高価な3次元計測器が
必要になり、後者の場合は、作業者の目測に頼ることに
なって、作業者毎のキャリブレーション精度のバラツキ
が発生するという問題があった。また、図11に示した
ワイヤ式リニアスケールでは、図12のようにワイヤ出
口方向に対して横方向(動作方向1、動作方向2)に向
けて距離測定を行う場合に、ワイヤガイド装置102が
ゴムだと、ワイヤ出口を1か所に固定できず、摩擦によ
りゴムが切断されてしまうという問題があった。また、
ワイヤガイド装置102の材質が金属だと、ワイヤ出口
を1か所に固定できるが、ワイヤが摩擦により螺旋状に
変形してしまい、ワイヤ式リニアスケール101に巻き
戻らないという問題があった。また、ワイヤガイド装置
102の材質が摩擦が低いとされるテフロンなどの樹脂
の場合も、ゴムのように摩擦により少しづつ削れてい
き、ワイヤガイド装置が変形していくという問題があっ
た。そこで、本発明は、キャリブレーションを実施する
際に、ティーチング誤差を発生させず、高価な3次元計
測器を使用する必要がなく、作業者毎のキャリブレーシ
ョン精度のバラツキも発生しない正確なキャリブレーシ
ョンを可能とすると共に、距離測定に使用するワイヤ式
リニアスケールのワイヤガイド装置も改良して、動作方
向1、動作方向2のような横方向における測定であって
も、ワイヤ出口を1か所に固定し、ワイヤおよびワイヤ
ガイド装置の損傷を防止して高精度な測定を可能にする
産業用ロボットにおけるキャリブレーション方法および
ワイヤ式リニアスケールのワイヤガイド装置および測定
方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、多関節機構を有する産業
用ロボットにおける各軸角度を検出する位置検出器の角
度データからツール先端位置を求めるための算出式に利
用されるパラメータのキャリブレーションを実施する産
業用ロボットにおけるキャリブレーション方法におい
て、1つのワイヤ式リニアスケールを用いることで前記
パラメータのキャリブレーションを実施することを特徴
としている。また、請求項2に記載の発明は、多関節機
構を有する産業用ロボットにおける各軸角度を検出する
位置検出器の角度データからツール先端位置を求めるた
めの算出式に利用されるパラメータのキャリブレーショ
ンを実施する産業用ロボットにおけるキャリブレーショ
ン方法において、固定された1つのワイヤ式リニアスケ
ールを利用し前記リニアスケールからロボットのツール
先端までの距離を測定する計測方式により、前記ロボッ
トを複数の姿勢に動作させ、それぞれについて前記リニ
アスケールから前記ロボットのツール先端までの距離を
測定して、前記パラメータのキャリブレーションを実施
することを特徴としている。また、請求項3に記載の発
明は、多関節機構を有する産業用ロボットにおける各軸
角度を検出する位置検出器の角度データからツール先端
位置を求めるための算出式に利用されるパラメータのキ
ャリブレーションを実施する産業用ロボットにおけるキ
ャリブレーション方法において、固定された1つのワイ
ヤ式リニアスケールを利用し前記リニアスケールからロ
ボットのツール先端までの距離を測定する計測方式によ
り、前記ロボットを複数の姿勢に動作させ、前記ロボッ
トの各姿勢における各軸の角度を検出する位置検出器の
角度データと、前記リニアスケールからロボットのツー
ル先端までの各距離(Di )を測定し、これらのデータ
に基づいて前記複数のロボットの姿勢におけるツール先
端位置(Xi 、Yi 、Z i )を求めるための算出式に利
用されるパラメータの最適解を計算する演算装置を有
し、前記演算装置は、前記リニアスケール位置を(X、
Y、Z)として、前記複数のロボットの姿勢におけるツ
ール先端位置(Xi 、Yi 、Zi )と前記距離(Di
の誤差、[Di −{(Xi −X)2 +(Yi −Y)2
(Zi −Z) 2 1 / 2 ]、に関して該誤差の2乗和が
最小になる値を前記パラメータの最適解として算出する
ことを特徴としている。また、請求項4に記載の発明
は、ワイヤとワイヤリールとエンコーダとカウンタから
なるワイヤ式リニアスケールのワイヤガイド装置におい
て、ゴム状ワイヤガイド装置をワイヤ出口方向の回転軸
と、前記回転軸に垂直で滑車状の回転軸とで構成してい
る。また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の
ワイヤ式リニアスケールのワイヤガイド装置をワイヤ式
リニアスケールに装着し、前記ワイヤ式リニアスケール
のワイヤ出口方向を基準座標のある軸に合わせた状態で
固定して、前記ワイヤ式リニアスケールから3次元空間
内の大雑把な3次元位置が既知の様々な点までの距離を
4点以上測定する場合、予め既知の複数の測定点位置と
前記滑車状の回転軸部の円弧ワイヤ長を含む測定された
ワイヤ長とからワイヤ式リニアスケールの位置を決定
し、前記測定点位置とワイヤ式リニアスケール位置から
求まる理想の直線距離と滑車の円弧部を含む理想のワイ
ヤ長距離を計算により求め、前記理想の直線距離と前記
理想のワイヤ長距離の比が現実の直線距離と現実のワイ
ヤ長距離の比と一致するものとして、現実の直線距離を
求めることを特徴としている。以上の構成によれば、1
台のワイヤ式リニアスケールを利用して、教示されたロ
ボットの複数の各姿勢におけるツールまでの各距離を複
数のワイヤ長として測定して、キャリブレーションを行
うように構成したので、1つの定点に対し複数のロボッ
ト姿勢を対応させる方式では必要な3次元計測器が要ら
なくなり、ティーチング誤差、作業者毎の計測バラツキ
等も発生しない正確なキャリブレーションが可能にな
る。更に、距離測定に使用するワイヤ式リニアスケール
も横方向への測定も支障がないように、リニアガイド装
置を補強改良したので、ワイドな距離測定を高精度に実
施できる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
について図を参照して説明する。図1は本発明の第1の
実施の形態に係る産業用ロボットにおけるキャリブレー
ション方法の概念図である。図2は図1に示す産業用ロ
ボットにおけるキャリブレーション実施用のブロック図
である。図3は図2に示す産業用ロボットにおけるキャ
リブレーション実施のフローチャートである。図1にお
いて、任意の位置に固定されたワイヤ式リニアスケール
1(第2の実施の形態で後述するワイド測定可能タイ
プ)に対し、多関節機構を有する産業用ロボット2(以
下。ロボットの略す)を予め教示された複数の姿勢に動
作させ、複数のワイヤ長(ロボット2のツール先端4か
らワイヤ式リニヤスケール1までの距離)を測定する。
測定した複数のワイヤ長データとそれらに対応した複数
のロボット姿勢データ(各軸の角度を検出する位置検出
器の角度データ)とから、演算により各軸の角度原点や
リンク長などの機構モデルパラメータのキャリブレーシ
ョンを行う。
【0006】図2において、キャリブレーション用演算
装置5は、ロボットコントローラ6に予め登録されたロ
ボット姿勢へ移動するように移動命令を与え、ロボット
コントローラ6はその移動命令に従いロボットを動か
し、キャリブレーション用演算装置5はワイヤ式リニア
スケール1からワイヤ長データを受け取る。この1連の
動作を予め登録されたロボット姿勢分繰り返す。キャリ
ブレーション用演算装置5は、測定した複数のワイヤ長
データと、それらに対応した複数のロボット姿勢データ
(各軸の角度を検出する位置検出器の角度データ)とか
ら、キャリブレーション(最適な機構モデルパラメータ
を演算により導出すること)を行う。最後にキャリブレ
ーション用演算装置5は、ロボットコントローラ6内の
機構モデルパラメータを修正し、キャリブレーション作
業を終了する。
【0007】つぎに図3により動作について説明する。
キャリブレーション作業をスタートする(S001)。
この場合の測定点(ロボット姿勢の数)数はNである
(S002)。キャリブレーション演算装置5は予め登
録されている複数のロボット姿勢(同一なロボット姿勢
を含まない)にロボット2を順次移動させる(S00
3)。キャリブレーション用演算装置5は、ワイヤ式リ
ニアスケール1から実測距離(ロボット2のツール先端
4からワイヤ式リニアスケール1までの距離)を取得す
る(S004)。キャリブレーション演算装置5は、最
適な機構モデルパラメータの導出を行う(S005)。
キャリブレーション演算装置5は、ロボットコントロー
ラ6内の機構モデルパラメータを修正する(S00
6)。ここでS005の機構モデルパラメータの導出
は、機構モデルパラメータ数をMとすると、ロボットの
ツール先端位置(x、y、z)は、
【数1】 ワイヤ式リニアスケールの位置を(X、Y、Z)とし、
ワイヤ式リニアスケールから得られる各実測距離をDi
とした時、誤差の2乗和
【数2】 が最小になるC1 、C2 、・・・CM を機構モデルパラ
メータの最適解として算出するようにした。式(2)
は、式(1)を代入することで、次のように表すことが
できる。
【数3】 ロボット姿勢と実測距離Di は、既知なので、誤差の2
乗和(S)は、機構モデルパラメータ(C1 、C2 ・・
・CM )とワイヤ式リニアスケール位置(X、Y、Z)
との関数とみなせ、式(3)は、 S=F(C1 、C2 、・・・、CM 、X、Y、Z) (4) と表せる。
【0008】式(4)が最小になる条件は、
【数4】 が同時に成り立つときである。すなわち、未知の変数
(M+3)に対して、式(5)の(M+3)個の式があ
るので、(M+3)次元連立方程式である。この連立方
程式を解けば、最適な機構モデルパラメータ(C1 、C
2 、・・・CM )を導くことができる。但し、式(5)
は、C1 、C2 ・・・CM とX、Y、Zに関するSの1
階導関数である。この機構モデルパラメータで、ロボッ
トコントローラ6内の機構モデルパラメータを修正し
て、作業を終了する。このように、本実施の形態によれ
ば、1つの定点(P点)に対して複数のロボット姿勢を
教示しないので、ティーチング誤差を含まない高精度の
キャリブレーションを可能にする。
【0009】次に、本発明の第2の実施の形態について
図を参照して説明する。図4は本発明の第2の実施の形
態に係るワイヤ式リニアスケールのワイヤガイド装置の
正面図である。図5は図4に示すワイヤガイド装置の側
面断面図である。図6は図4に示すワイヤガイド装置に
よりワイヤ出口方向に対して横方向に距離測定を行う際
の説明図である。図7は図4に示すワイヤ式リニアスケ
ールを用いた産業用ロボットのキャリブレーション方法
の概念図である。図8は図4に示すワイヤガイド装置の
滑車座標を示す図である。図9は図8に示す滑車座標の
YZ平面を示す図である。第2の実施の形態は、前実施
の形態によるキャリブレーションに使用されるワイヤ式
リニアスケールに関するものである。図4および図5に
おいて、10はワイヤをガイドするための溝付滑車、1
1はワイヤ出口方向の回転軸用のボールベアリング、1
2はワイヤ出口方向の回転軸を固定する外円筒、13は
ワイヤ出口方向の回転軸に動く内円筒、14は滑車を固
定するための筐体、15は滑車用のボールベアリング、
16は滑車用の中心軸である。図6に示すように本実施
の形態は、動作方向1や動作方向2で距離測定を行う場
合、ワイヤ出口方向周りの回転と滑車の回転があるため
に、ワイヤ3及びワイヤガイド装置20の損傷を防止
し、ワイヤ出口を1か所(図5のPa点)に固定するよ
うにワイヤガイド装置9は動作する。図6の20は滑車
方式のワイヤガイド装置を示す。
【0010】つぎに動作について説明する。図5に示す
Pa点からツール先端などの測定点までの直線距離を測
定する際、滑車部10の円弧区間により正確な直線距離
が測定できない。本実施の形態は、これを可能にするも
のであるが、以下、図1に示したようなロボット2で行
う機構モデルパラメータのキャリブレーション法を例に
して説明する。図7に示すように、ワイヤ出口方向と基
準座標のZ軸が合うようにワイヤ式リニアスケール1を
固定し、多関節機構を有するロボット2を予め教示され
た複数のロボット姿勢に動作させ、複数のワイヤ長(ロ
ボットのツール先端からワイヤ式リニアスケールまでの
距離)を測定する。測定した複数のワイヤ長データとそ
れらに対応した複数のロボット姿勢データ(各軸の角度
を検出する位置検出器の角度データ)とから演算により
各軸の角度原点やリンク長などの機構モデルパラメータ
のキャリブレーションを行う。測定点数がN点の時、i
点目(i=1、2・・・N)のロボットコントローラ6
の内部演算から求まるロボットツール先端位置(Xi
i 、Zi 、これらは演算から求まる位置で現実には数
mmの誤差がある)と、ワイヤ長データDi (測定範
囲:300mm〜4000mm)が既知であり、N点が
4点以上の時、N点のロボットツール先端位置とそれに
対応したN個のワイヤ長データからワイヤ式リニアスケ
ール1の位置(X、Y、Z)が導出できる。このワイヤ
長データは、図5のPa点から測定したデータなので、
先述のように滑車の円弧部分の誤差を含んでいて、滑車
部10の直径が20mmの場合、演算から導出できるワ
イヤ式リニアスケール1の位置(X、Y、Z)は、数m
m程度の誤差を含んだ位置である。これを正確な直線距
離に校正するためには、図8のように滑車座標を決定す
る。滑車座標原点をPa点とし、滑車座標Z軸をワイヤ
出口方向(基準座標のZ軸)とし、滑車座標YZ平面内
にi点目のロボット先端位置があるものとする。滑車座
標のYZ平面を図9に示す。ロボット先端位置Bi (b
yi 、bzi )は、基準座標上のロボットツール先端位
置(Xi 、Yi 、Zi )を滑車座標上に変換した位置で
ある。キャリブレーションで利用するワイヤ長は、図8
の直線PaB間の距離である。図9において、滑車半径
をrとし、YZ平面の原点をPa(0、0)点とし、滑
車中心をQ(r、0)点とし、ロボット先端位置をBi
(byi 、bzi )とし、ワイヤ3と滑車部10の接点
Ai (ayi 、azi )点とし、直線PaBの距離をI
dealLeni とし、円弧PaAの距離をArcLe
i とし、直線ABの距離をContactLeni
して、角度PaQAをθi とする。このロボット先端位
置Bi は、ロボットコントローラ6により指定されたロ
ボット位置とし、YZ平面の第1象現にあるものとす
る。本実施の形態の特徴は、実測されたワイヤ長に対し
て滑車部の円弧からできる誤差が微小であるとみなせる
ならば、演算上の理想ワイヤ長と理想PaB間の直線距
離における比と、実測ワイヤ長と現実のPaB間直線距
離における比が一致すると仮定した点にある。以下、現
実のPaB間直線距離(new_Di )を求める計算手
順を説明する。IdealLeni 、A(ayi 、az
i )、θi 、ArcLeni +ContactLeni
は、以下の式となる。
【数5】 従って、滑車部10の円弧部分を含む測定されたワイヤ
長(Di )を校正した新ワイヤ長(new_Di )を表
す式は、
【数6】 と表される。この新ワイヤ長(new_Di )を用いて
キャリブレーションを行うものとする。また、ロボット
先端位置Bi 点がYZ平面の第4象現にある時も同様な
計算で新ワイヤ長(new_Di )を求めることができ
ることは勿論である。このように、本実施の形態によれ
ば、滑車方式のワイヤガイド装置に変更することによっ
て、ワイヤとワイヤガイド装置の損傷を防止すると共
に、測定されるワイヤ長に滑車部の円弧部分が加味され
ることで生ずる誤差を、相対的な計測により校正するよ
うにしたので、正確な距離測定が可能となった。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
1つのワイヤ式リニアスケールを利用して、ロボットを
複数の姿勢に動作させ、機構モデルパラメータのキャリ
ブレーションを実施するようにしたので、ロボット姿勢
教示の際のティーチング誤差の発生が無く、高価な3次
元計測器も必要が無くなり、作業者毎のキャリブレーシ
ョン精度のばらつきが発生しないという効果がある。ま
た、キャリブレーションに使用するワイヤ式リニアスケ
ールのワイヤガイド装置を滑車機構によって構成し、滑
車部円弧を含む測定ワイヤ長を直線距離に校正し、校正
したワイヤ長を利用するので、ワイヤ出口を1か所に固
定したとみなせ、ワイヤおよびワイヤガイド装置の損傷
を防止できると共に、正確な距離測定が可能な、キャリ
ブレーション用ワイヤ式リニアスケールを提供できると
いう効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る産業用ロボッ
トにおけるキャリブレーション方法の概念図である。
【図2】図1に示す産業用ロボットにおけるキャリブレ
ーション実施用のブロック図である。
【図3】図2に示す産業用ロボットにおけるキャリブレ
ーション実施のフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るワイヤ式リニ
アスケールのワイヤガイド装置の正面図である。
【図5】図4に示すワイヤガイド装置の側面断面図であ
る。
【図6】図4に示すワイヤガイド装置によりワイヤ出口
方向に対して横方向に距離測定を行う際の説明図であ
る。
【図7】図4に示すワイヤ式リニアスケールを用いた産
業用ロボットのキャリブレーション方法の概念図であ
る。
【図8】図4に示すワイヤガイド装置の滑車座標を示す
図である。
【図9】図8に示す滑車座標のYZ平面を示す図であ
る。
【図10】従来の産業用ロボットのキャリブレーション
方法の概念図である。
【図11】従来のワイヤ式リニアスケールのワイヤガイ
ド装置を示す図である。
【図12】図11に示すワイヤガイド装置による横方向
の測定を行う際の説明図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ式リニアスケール 2 産業用ロボット 3 ワイヤ 4 ツール先端 5 キャリブレーション用演算装置 6 ロボットコントローラ 10 溝付き滑車 11、15 ボールベアリング 12 外円筒 13 内円筒 14 筐体 16 中心軸 20 滑車式ワイヤガイド装置 21 先端フック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋口 幸男 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内 Fターム(参考) 3F059 AA05 BA02 BA10 FB26 FC13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多関節機構を有する産業用ロボットにお
    ける各軸角度を検出する位置検出器の角度データからツ
    ール先端位置を求めるための算出式に利用されるパラメ
    ータのキャリブレーションを実施する産業用ロボットに
    おけるキャリブレーション方法において、 1つのワイヤ式リニアスケールを用いることで前記パラ
    メータのキャリブレーションを実施することを特徴とす
    る産業用ロボットにおけるキャリブレーション方法。
  2. 【請求項2】 多関節機構を有する産業用ロボットにお
    ける各軸角度を検出する位置検出器の角度データからツ
    ール先端位置を求めるための算出式に利用されるパラメ
    ータのキャリブレーションを実施する産業用ロボットに
    おけるキャリブレーション方法において、 固定された1つのワイヤ式リニアスケールを利用して前
    記リニアスケールからロボットのツール先端までの距離
    を測定する計測方式により、 前記ロボットを複数の姿勢に動作させ、それぞれについ
    て前記リニアスケールから前記ロボットのツール先端ま
    での距離を測定して、前記パラメータのキャリブレーシ
    ョンを実施することを特徴とする産業用ロボットにおけ
    るキャリブレーション方法。
  3. 【請求項3】 多関節機構を有する産業用ロボットにお
    ける各軸角度を検出する位置検出器の角度データからツ
    ール先端位置を求めるための算出式に利用されるパラメ
    ータのキャリブレーションを実施する産業用ロボットに
    おけるキャリブレーション方法において、 固定された1つのワイヤ式リニアスケールを利用し前記
    リニアスケールからロボットのツール先端までの距離を
    測定する計測方式により、 前記ロボットを複数の姿勢に動作させ、前記ロボットの
    各姿勢における各軸の角度を検出する位置検出器の角度
    データと、前記リニアスケールからロボットのツール先
    端までの各距離(Di )を測定し、これらのデータに基
    づいて前記複数のロボットの姿勢におけるツール先端位
    置(Xi 、Yi 、Zi )を求めるための算出式に利用さ
    れるパラメータの最適解を計算する演算装置を有し、 前記演算装置は、前記リニアスケール位置を(X、Y、
    Z)として、前記複数のロボットの姿勢におけるツール
    先端位置(Xi 、Yi 、Zi )と前記距離(D i )の誤
    差、 [Di −{(Xi −X)2 +(Yi −Y)2 +(Zi
    Z)2 1 / 2 ] に関して該誤差の2乗和が最小になる値を前記パラメー
    タの最適解として算出することを特徴とする産業用ロボ
    ットにおけるキャリブレーション方法。
  4. 【請求項4】 ワイヤとワイヤリールとエンコーダとカ
    ウンタからなるワイヤ式リニアスケールのワイヤガイド
    装置において、 ゴム状ワイヤガイド装置をワイヤ出口方向の回転軸と、
    前記回転軸に垂直で滑車状の回転軸とで構成したことを
    特徴とするワイヤ式リニアスケールのワイヤガイド装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のワイヤ式リニアスケー
    ルのワイヤガイド装置をワイヤ式リニアスケールに装着
    し、前記ワイヤ式リニアスケールのワイヤ出口方向を基
    準座標のある軸に合わせた状態で固定して、前記ワイヤ
    式リニアスケールから3次元空間内の大雑把な3次元位
    置が既知の様々な点までの距離を4点以上測定する場
    合、予め既知の複数の測定点位置と前記滑車状の回転軸
    部の円弧ワイヤ長を含む測定されたワイヤ長とからワイ
    ヤ式リニアスケールの位置を決定し、前記測定点位置と
    ワイヤ式リニアスケール位置から求まる理想の直線距離
    と滑車の円弧部を含む理想のワイヤ長距離を計算により
    求め、前記理想の直線距離と前記理想のワイヤ長距離の
    比が現実の直線距離と現実のワイヤ長距離の比と一致す
    るものとして、現実の直線距離を求めることを特徴とす
    るワイヤ式リニアスケールの測定方法。
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