JPH08141950A - 多関節構造ロボットのキャリブレーション方法 - Google Patents

多関節構造ロボットのキャリブレーション方法

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JPH08141950A
JPH08141950A JP28085294A JP28085294A JPH08141950A JP H08141950 A JPH08141950 A JP H08141950A JP 28085294 A JP28085294 A JP 28085294A JP 28085294 A JP28085294 A JP 28085294A JP H08141950 A JPH08141950 A JP H08141950A
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JP
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end effector
robot
error
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joint
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JP28085294A
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Inventor
Shuichi Ohara
秀一 大原
Hikari Umeno
光 梅野
Makoto Mizukawa
真 水川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ロボットのキネマティクスパラメータの誤差を
簡易かつ正確に検出し、その校正を行う多関節構造ロボ
ットのキャリブレーション方法を提供する。 【構成】多関節構造ロボットAの姿勢変化によるエンド
イフェクタEの位置変動を3次元的に観測してキネマテ
ィクスパラメータの誤差を推定するに当たり、要素個々
のキネマティクスパラメータ誤差がエンドイフェクタE
の動きに及ぼす、リンク構造によって決まる影響を予め
計算によって求める第1ステップと、キャリブレーショ
ン対象機Aの動きをこれと比較することにより行う第2
ステップと、これにより誤差を含むキネマティクスパラ
メータを推定,修正し、エンドイフェクタE算出値変動
の目標値を零に収束することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多関節構造ロボットの
キャリブレーション方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロボットのオフラインティーチングによ
ってエンドイフェクタの位置決めを精密に行うために
は、ロボットのキャリブレーションを正確に行う必要が
ある。従来ロボットのキャリブレーションは、ロボット
先端のエンドイフェクタを作業空間内の幾つかの点に位
置づけ、この点の位置座標を三次元測定器などを用いて
正確に測定し、同時にその点にエンドイフェクタを位置
づけたロボットの各関節値をロータリーエンコーダ等に
よって読み取り、この関節角やアーム長等のロボットの
キネマティクスパラメータを用いて計算されるエンドイ
フェクタの算出座標値が実測値と一致するように、キネ
マティクスパラメータを修正する方法によって行われる
場合が多い。
【0003】そのため、正確なキャリブレーションを行
うためには、エンドイフェクタの位置をできる限り多く
の点で、かつ正確に測定し、またキネマティクスパラメ
ータについても想定されるすべての構造的誤差について
考慮することが重要な課題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
での方法においては作業空間内の複数の位置でエンドイ
フェクタの絶対位置座標を正確に測定する必要があり、
これを簡易に行うことは難しく、また誤差を考慮すべき
キネマティクスパラメータの数がふえるとその修正の組
み合わせの場合数が著しく増加し、収束計算量の負担が
無視できなくなる、などの問題があった。
【0005】ここにおいて、本発明の解決すべき主要な
目的は、次の通りである。本発明の第1の目的は、ロボ
ットのキネマティクスパラメータの誤差を簡易かつ正確
に検出し、その較正を行う多関節構造ロボットのキャリ
ブレーション方法を提供せんとするものである。
【0006】本発明の第2の目的は、キャリブレーショ
ンの対象として多自由度関節型アーム構造の3次元位置
測定器を用いた多関節構造ロボットのキャリブレーショ
ン方法を提供せんとするものである。
【0007】本発明のその他の目的は、明細書,図面,
特に特許請求の範囲の記載から自ずと明かとなろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決は、本発
明が次に列挙する新規な特徴的構成手法を採用すること
によりその目的を達成し得る。即ち、本発明方法の第1
の特徴は、多関節構造ロボットの姿勢変化によるエンド
イフェクタの位置変動を3次元的に観測してキネマティ
クスパラメータの誤差を推定するに当り、当該個々のキ
ネマティクスパラメータ誤差が前記エンドイフェクタの
動きに及ぼす、リンクの構造によって決まる影響を予め
計算によって求める第1ステップと、キャリブレーショ
ン対象機の動きをこれと比較することにより行う第2ス
テップと、これにより誤差を含むキネマティクスパラメ
ータを推定、修正し、エンドイフェクタ算出値変動の目
標値を零に収束してなる多関節構造ロボットのキャリブ
レーション方法にある。
【0009】本発明方法の第2の特徴は、前記本発明方
法の第1の特徴における第1ステップが、まず、設計値
通りのリンクパラメータを持つアーム構造モデルを仮定
し、定めてある各姿勢モード(j)を与える各関節角の
値を求めるステップIと、次に、キャリブレーションの
対象とするキネマティクスパラメータ(i)に、順次個
々に一定量の誤差を与え、前記モード(j)の姿勢の関
節角を与えた場合のエンドイフェクタ位置を算出し、生
ずる位置変化(ΔXrij ,ΔYrij ,ΔZrij)を求め
るステップIIと、これをパラメータ推定の参照値とし
てマトリクス状にテーブル化するステップIIIと、を
順次踏んで実行してなる多関節構造ロボットのキャリブ
レーション方法にある。
【0010】本発明方法の第3の特徴は、前記本発明方
法の第2の特徴における第1ステップのステップIが、
多関節構造ロボットのアーム長又は関節部の角度で表わ
されるキネマティクスパラメータが、ロボット構造の設
計値と一致し、誤差がない条件で、前記ロボットのエン
ドイフェクタの位置を作業空間内の一点に位置決めし、
その姿勢のみの変化動作を行わせる時の当該ロボットの
各関節部の角度を求めて置いてなる多関節構造ロボット
のキャリブレーション方法にある。
【0011】本発明方法の第4の特徴は、前記本発明方
法の第2又は第3の特徴における第1ステップのステッ
プIIが、ロボットのアーム長又は関節部の角度で表わ
されるキネマティクスパラメータに、設計値より一定量
の変化分を与えた状態で、作業空間内の一点にエンドイ
フェクタを位置決めし、そこから誤差がない条件で姿勢
変化動作を行う値として求めた前記関節部の角度での動
作を行ったときに生ずる当該エンドイフェクタの位置変
化(ΔXrij ,ΔYrij ,ΔZrij )を求めてなる多関
節構造ロボットのキャリブレーション方法にある。
【0012】本発明方法の第5の特徴は、前記本発明方
法の第2,第3又は第4の特徴における第1ステップの
ステップIIIが、位置変化測定を、変化分を与えるキ
ネマティクスパラメータと、姿勢変化の方向を変化させ
ながら測定し、それぞれについてテーブル化して記録し
てなる多関節構造ロボットのキャリブレーション方法に
ある。
【0013】本発明方法の第6の特徴は、前記本発明方
法の第1,第2,第3,第4又は第5の特徴における第
2ステップが、エンドイフェクタの位置を一定に保つと
想定されるアーム運動の駆動を行うステップIと、当該
エンドイフェクタの位置変動測定を行うステップII
と、姿勢変化モード数だけ前記ステップIとステップI
Iを繰り返すステップIIIと、以上のキャリブレーシ
ョンループの終了を判定し、OKであれば終了ステップ
V,NOであれば次のステップVIへそれぞれ移行する
ステップIVと、エンドイフェクタの位置変動と誤差モ
デルとの比較対照を行うステップVIと、を順次踏んで
実行してなる多関節構造ロボットのキャリブレーション
方法にある。
【0014】本発明方法の第7の特徴は、前記本発明方
法の第6の特徴における第2ステップのステップIが、
キャリブレーション対象のロボットについて、エンドイ
フェクタの位置を作業空間内の一点に位置決めし、誤差
が無い条件で求めた姿勢変化動作のための関節部の角度
によって当該ロボットを運動させてなる多関節構造ロボ
ットのキャリブレーション方法にある。
【0015】本発明方法の第8の特徴は、前記本発明方
法の第6又は第7の特徴における第2ステップのステッ
プVIが、第1ステップにより得られたテーブル化した
位置変位の値と、第2ステップのステップIIにより得
られた対応する位置変位の値との比較を、前記第1ステ
ップで変化分を与えた個々のキネマティクスパラメータ
姿勢変化方向及び位置変化毎に行ってなる多関節構造ロ
ボットのキャリブレーション方法にある。
【0016】本発明方法の第9の特徴は、前記本発明方
法の第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7又は第
8の特徴における第3ステップが、修正の必要性のある
キネマティクスパラメータを推定するステップIと、当
該推定されたキネマティクスパラメータの修正を行い、
第2ステップのステップIに振り出し帰還させるステッ
プIIと、を順次踏んで実行してなる多関節構造ロボッ
トのキャリブレーション方法にある。
【0017】本発明方法の第10の特徴は、前記本発明
方法の第9の特徴における第3ステップが、ステップI
で、第2ステップでの変位と第1ステップでの変位が最
も一致するキネマティクスパラメータを選択し、ステッ
プIIで、当該キネマティクスパラメータの値を一定修
正をした後、再び姿勢変化動作と変位測定を行う操作を
繰り返すことによって、姿勢変化によるエンドイフェク
タの変化量を零に近づけてなる多関節構造ロボットのキ
ャリブレーション方法にある。
【0018】
【作用】本発明は、前記のような新規な手法を講じたの
で、ロボットアームの位置固定,姿勢変化動作によりロ
ボットのアーム長や関節部の角度などのキネマティクス
パラメータ等の誤差検出可能であることを用い、予め作
成した誤差モデルに基づく誤差評価参照値とキャリブレ
ーション対象の実機を示す誤差を比較することにより、
容易な測定と精度の高い誤差検出が実現する。
【0019】換言すれば、本発明では多関節構造ロボッ
トの個々のアームが有する誤差が、終端のエンドイフェ
クタの動きにおいてどのような誤差となって表われるか
の両者の関係について、ロボットのアーム構造に対応し
て予め誤差モデルを作成しておく。
【0020】そして、そのモデル作成時と同じようにキ
ャリブレーション対象のロボットのアームを動かした場
合に、そのエンドイフェクタに表れる誤差と誤差モデル
とを比較対照することによって、類似度が最も高いキネ
マティクスパラメータを選定することによって誤差を含
むキネマティクスパラメータの推定が可能となる。この
誤差を含むキネマティクスパラメータを特定できるよう
にし、キネマティクスパラメータの修正効果を向上させ
る。
【0021】
【実施例】本発明の実施例を図面について説明する。図
1はロボットのエンドイフェクタの位置を作業空間内の
一点に固定し、その姿勢を変化する模様を説明したもの
である。
【0022】図中、Aは本実施例の多関節構造ロボッ
ト、Bは3次元位置測定器、C1 〜C3 はリンクアー
ム、Dは直方体ブロック(図6参照)、Eはエンドイフ
ェクタである。まず、本実施例の原理を説明すると、与
えられた位置及び姿勢にエンドイフェクタEを位置づけ
るためのロボットAの動作を与える各関節角の値は、ロ
ボットAの構造を示すアームC1 〜C3 の長さ等のキネ
マティクスパラメータを用いて計算できる。
【0023】もし計算に用いるキネマティクスパラメー
タと実際のロボットAの構造に誤差がなければ、計算に
よって求めた関節角で動作させたロボットAのエンドイ
フェクタE位置は変動しないはずである。しかし通常
は、計算に用いるキネマティクスパラメータには誤差が
存在するので、動作させたロボットAのエンドイフェク
タE位置は変動する。
【0024】しかしこの場合の変動量は微小であるの
で、測定装置を移動させる必要がなく、3次元測定器B
を固定したまま各状態を測定することができるので、方
法として簡便であり、測定精度も得やすい。この位置変
動はキネマティクスパラメータの誤差を原因としてお
り、逆に位置変動を観察することによって、キネマティ
クスパラメータの誤差を解析することができる。またこ
の変動量が0となれば、用いているキネマティクスパラ
メータが正しいことが確認できる。
【0025】図2は本装置例をキャリブレーションのた
めのエンドイフェクタ姿勢変化と変動測定をロボットを
示す模擬的な関節型アーム構造を用いて説明したもので
ある。図中、A′は模擬多関節構造ロボット、θ1 〜θ
6 は関節角である。ここでは第1ステップとして、個々
のキネマティクスパラメータの誤差が姿勢変化によるエ
ンドイフェクタE位置の変動量に与える影響を予め算出
する過程を示す。
【0026】まず、設計値通りの値のリンクパラメータ
を持つリンクアームC1 〜C4 構造モデルを仮定し、エ
ンドイフェクタEの位置を変えず、姿勢のみ変化させる
各関節角θ1 〜θ6 を求めておき(ステップI)、次
に、キネマティクスパラメータの中の1つに対して、順
次個々に一定量の変分を与えた状態で、先に求めた誤差
がない条件で求めた姿勢変化のための関節角θ1 〜θ6
により模擬ロボットA′を動作させた場合の、このキネ
マティクスパラメータの変化により生ずるエンドイフェ
クタEの位置変動を求める(ステップII)。
【0027】これは計算により可能である。ここで姿勢
変化の方向と変化量はいくつかのパターンを定めてお
く。また姿勢変化を行う点(測定点)は1点のみだとす
べての関節角θ1 〜θ6 が十分に動作せず、すべてキネ
マティクスパラメータの誤差が十分に反映されないの
で、すべての関節が十分動作するよう測定点を複数個配
置する。最終アームC3 は鉛直又は水平に位置付け、傾
け角を例えば20゜として前後左右(又は上下)に傾け
る。姿勢変化に際し各関節角θ1 〜θ6 の値を読み取り
先端位置の計算値を読み取る。
【0028】キャリブレーションの対象とするキネマテ
ィクスパラメータをi番目とし、順次個々に一定量の誤
差を与え、j番目の姿勢変化を行った場合のエンドイフ
ェクタE位置を算出し、生ずる位置変動ΔXrij ,ΔY
rij ,ΔZrij を求める。これをパラメータ推定の参照
値として姿勢変化モード及びキネマティクスパラメータ
についてマトリクス状にテーブル化する。
【0029】キャリブレーション対象のキネマティクス
パラメータについては、各関節を原点として次の関節を
6自由度で表現し、最終関節からのエンドイフェクタE
を3自由度で表現すると、6自由度多関節では6×6+
3=39のパラメータが存在するが、パラメータ誤差は
通常相対的に非常に小さいことから、このパラメータ数
には冗長性が含まれており、通常は25程度のパラメー
タについてキャリブレーションを行えば十分であること
が知られている。本方法例では考慮するパラメータ数に
ついて、追加,削除がテーブル化の段階で可能であり、
柔軟に対応できる。
【0030】図3は個々のキネマティクスパラメータに
誤差があった場合の各姿勢変化モードについての、エン
ドイフェクタE変動の参照値テーブルの例を示す。個々
キネマティクスパラメータについて一定量の変分を与え
た場合のいろいろな姿勢変化モードを行った場合のエン
ドイフェクタE位置の3次元位置変動を記録してある。
ここで姿勢変化の方向と変化量は定めておき、これを各
モードと呼ぶ。
【0031】次に、本実施例のキャリブレーションの収
束過程を図4のフローチャートに示す。第2ステップと
して、キャリブレーション対象のロボットAについて、
図2に示したのと同様に、エンドイフェクタEの位置を
作業空間内の一点に固定し、誤差がない条件で求めた関
節角θ1 〜θ6 での姿勢変化動作を行わせ(ステップ
I)、実際にロボットAのリンクアームC1 〜C3 構造
が持つ誤差によって生ずるエンドイフェクタEの位置変
動を測定する(ステップII)。
【0032】この変動測定を姿勢変化モード数実行する
ステップIIIを繰り返した後、キャリブレーションの
終了をステップIVで判定し、OKであれば終了ステッ
プVに移行し、NOであれば次の第2ステップへと移行
する。引続き、この位置変動を前記第1ステップにより
得られた位置変動のテーブル(図3)を用いて、すべて
のキネマティクスパラメータごとに比較する(ステップ
VI)。
【0033】そして、第3ステップとして、前記第2ス
テップでの変動と前記第1ステップでの変動が最も一致
する第1の段階のキネマティクスパラメータを選択し
(ステップI)、これを一定量修正した後、再び姿勢変
化動作と変動測定を行い、姿勢変化によるエンドイフェ
クタE変動量が一定値以下になるまでこの操作を第2ス
テップと第3ステップに亙り繰り返す(ステップI
I)。
【0034】以下にキャリブレーション対象のロボット
Aについて測定されたエンドイフェクタEの位置変動を
第1ステップにより得られた位置変動のテーブル(図
3)を用いて、比較する手法を示す。
【0035】変動量の比較は、エンドイフェクタEの姿
勢を傾けた時のエンドイフェクタE位置変動をΔX,Δ
Y,ΔZとし、これと参照値変動をベクトルとみなした
時の内積に相当する値として Eij=ΔX・ΔXrij +ΔY・ΔYrij +ΔZ・ΔZrij …(1) を先に作成した参照値テーブルについて求め、この値に
より位置変動の参照値との一致度を評価する。
【0036】もし仮にある内積値Eijがすべての姿勢変
化モードjに対して正の値を示せば、このキネマティク
スパラメータは参照値作成時に与えた誤差と逆符号の修
正がすべての変化モードに対して、有効であることを示
している。
【0037】実際の測定では姿勢変化モードによってこ
のEijは正負が混在するので、その絶対値が最大となる
ものと絶対値が最小となるものを選んでその比
【数1】 を求める。
【0038】この比を各キネマティクスパラメータにつ
いて比較し、値が小さいもの(Riが負の場合は絶対値
の大きなもの)を修正の必要性の高いパラメータと推定
して、優先的に修正し、変動量の再測定を行う。どのパ
ラメータを修正すべきかの判断はこのRの他、Eij、Δ
X,ΔY,ΔZの値等を含めて決定するアルゴリズムに
よることも可能である。
【0039】本実施例の実験例を説明する。 (実験例1)図5はキネマティクスパラメータの修正を
繰り返した場合の姿勢変化によるエンドイフェクタE位
置変動が減少していく過程を示す。キャリブレーション
開始の初期値は、リンクアームC1 〜C3 長については
設計値を、関節角θ1 〜θ6については既知の姿勢で簡
易治具に固定したときのエンコーダ出力値を用いてい
る。姿勢変化を行ったときのエンドイフェクタE変動量
は0.1〜0.3mmに低減している。
【0040】(実験例2)図6(a)(b)は本実験例
のキャリブレーションを行った効果として、寸法が既知
の直方体ブロックD(200×140×50)の各辺の
長さの測定を直方体の姿勢を変えて行った場合の測定結
果を示している。一般的に多関節型アーム構造三次元測
定器で空間内の点の三次元位置または辺の長さを測定す
る場合、リンクアームC1 〜C3 のキネマティクスパラ
メータに誤差が含まれていると、同一点を異なるリンク
アームC1 〜C3 姿勢で測定した場合、それらの測定結
果が同一値にならず誤差を生じる。
【0041】そこで、測定時のリンクアームC1 〜C3
姿勢が異なるように、直方体の異なった姿勢で同一辺を
測定し、その測定結果の再現性を観察することでリンク
アームC1 〜C3 構造の誤差を評価することができる。
図6はその一例として、直方体の持つ12の辺の長さに
ついてからの三つの姿勢での測定結果を示したもの
で、個々の異なる直方体姿勢をリンクアームC1 〜C3
姿勢を変化させながら測定した場合、辺の長さの測定精
度として約0.5mmが得られていることを示してい
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の測定法を
用いることにより、終端拘束法では、 絶対位置測定に比べ、基準点からの変動を求めること
により、容易な測定と精度の高い誤差検出が可能とな
る。 誤差を含むキネマティクスパラメータを特定できるこ
とにより、その修正のための収束計算の負担が軽減でき
る。 誤差を含むキネマティクスパラメータを特定して扱う
ことができるため、個々のロボットが示す誤差の形態に
応じて、誤差評価を行うキネマティクスパラメータを追
加、削除することが可能であり、アーム構造に対し柔軟
に対応できる。 などの利点を有し、実用性において優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理に基づき、ロボットのエンドイフ
ェクタの位置を作業空間内の一点に固定し、その姿勢を
変化する模様を説明した図である。
【図2】本発明の実施例において、キャリブレーション
のためのエンドイフェクタ姿勢変化と変動測定をロボッ
トを示す模擬的な関節型アーム構造を用いて説明した図
である。
【図3】同上において、個々のキネマティクスパラメー
タに誤差があった場合の各姿勢変化モードについての、
ツールポイント変動のの参照値テーブルの例である。
【図4】本発明の実施例によるキャリブレーションの収
束過程を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実験例おいて、キネマティクスパラメ
ータの修正を繰り返した場合の姿勢変化によるエンドイ
フェクタ位置変動が減少していく過程を示す図である。
【図6】(a)(b)はキャリブレーションを行った状
態で寸法が既知の直方体ブロック(200×140×5
0)の測定を行った場合の直方体各辺の測定結果表と直
方体ブロック姿勢を示す図をそれぞれ示す。
【符号の説明】
A…多関節構造ロボット A′…模擬多関節構造ロボット B…3次元位置測定器 C1 〜C3 …リンクアーム D…直方体ブロック E…エンドイフェクタ θ1 〜θ6 …関節角

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多関節構造ロボットの姿勢変化によるエン
    ドイフェクタの位置変動を3次元的に観測してキネマテ
    ィクスパラメータの誤差を推定するに当り、 当該個々のキネマティクスパラメータ誤差が前記エンド
    イフェクタの動きに及ぼす、リンクの構造によって決ま
    る影響を予め計算によって求める第1ステップと、 キャリブレーション対象機の動きをこれと比較すること
    により行う第2ステップと、 これにより誤差を含むキネマティクスパラメータを推
    定、修正し、エンドイフェクタ算出値変動の目標値を零
    に収束する、 ことを特徴とする多関節構造ロボットのキャリブレーシ
    ョン方法。
  2. 【請求項2】第1ステップは、 まず、設計値通りのリンクパラメータを持つアーム構造
    モデルを仮定し、定めてある各姿勢モード(j)を与え
    る各関節角の値を求めるステップIと、 次に、キャリブレーションの対象とするキネマティクス
    パラメータ(i)に、順次個々に一定量の誤差を与え、
    前記モード(j)の姿勢の関節角を与えた場合のエンド
    イフェクタ位置を算出し、生ずる位置変化(ΔXrij ,
    ΔYrij ,ΔZrij )を求めるステップIIと、 これをパラメータ推定の参照値としてマトリクス状にテ
    ーブル化するステップIIIと、 を順次踏んで実行する、ことを特徴とする請求項1記載
    の多関節構造ロボットのキャリブレーション方法。
  3. 【請求項3】第1ステップのステップIは、 多関節構造ロボットのアーム長又は関節部の角度で表わ
    されるキネマティクスパラメータが、ロボット構造の設
    計値と一致し、誤差がない条件で、前記ロボットのエン
    ドイフェクタの位置を作業空間内の一点に位置決めし、
    その姿勢のみの変化動作を行わせる時の当該ロボットの
    各関節部の角度を求めて置く、 ことを特徴とする請求項2記載の多関節構造ロボットの
    キャリブレーション方法。
  4. 【請求項4】第1ステップのステップIIは、 ロボットのアーム長又は関節部の角度で表わされるキネ
    マティクスパラメータに、設計値より一定量の変化分を
    与えた状態で、作業空間内の一点にエンドイフェクタを
    位置決めし、そこから誤差がない条件で姿勢変化動作を
    行う値として求めた前記関節部の角度での動作を行った
    ときに生ずる当該エンドイフェクタの位置変化(ΔXri
    j ,ΔYrij ,ΔZrij )を求めることを特徴とする請
    求項2又は3記載の多関節構造ロボットのキャリブレー
    ション方法。
  5. 【請求項5】第1ステップのステップIIIは、 位置変化測定を、変化分を与えるキネマティクスパラメ
    ータと、姿勢変化の方向を変化させながら測定し、それ
    ぞれについてテーブル化して記録する、 ことを特徴とする請求項2,3又は4記載の多関節構造
    ロボットのキャリブレーション方法。
  6. 【請求項6】第2ステップは、 エンドイフェクタの位置を一定に保つと想定されるアー
    ム運動の駆動を行うステップIと、 当該エンドイフェクタの位置変動測定を行うステップI
    Iと、 姿勢変化モード数だけ前記ステップIとステップIIを
    繰り返すステップIIIと、 以上のキャリブレーションループの終了を判定し、OK
    であれば終了ステップV,NOであれば次のステップV
    Iへそれぞれ移行するステップIVと、 エンドイフェクタの位置変動と誤差モデルとの比較対照
    を行うステップVIと、 を順次踏んで実行する、 ことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の多
    関節構造ロボットのキャリブレーション方法。
  7. 【請求項7】第2ステップのステップIは、 キャリブレーション対象のロボットについて、エンドイ
    フェクタの位置を作業空間内の一点に位置決めし、誤差
    が無い条件で求めた姿勢変化動作のための関節部の角度
    によって当該ロボットを運動させる、 ことを特徴とする請求項6記載の多関節構造ロボットの
    キャリブレーション方法。
  8. 【請求項8】第2ステップのステップVIは、 第1ステップにより得られたテーブル化した位置変位の
    値と、第2ステップのステップIIにより得られた対応
    する位置変位の値との比較を、前記第1ステップで変化
    分を与えた個々のキネマティクスパラメータ姿勢変化方
    向及び位置変化毎に行う、 ことを特徴とする請求項6又は7記載の多関節構造ロボ
    ットのキャリブレーション方法。
  9. 【請求項9】第3ステップは、 修正の必要性のあるキネマティクスパラメータを推定す
    るステップIと、 当該推定されたキネマティクスパラメータの修正を行
    い、第2ステップのステップIに振り出し帰還させるス
    テップIIと、 を順次踏んで実行する、 ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7
    記載の多関節構造ロボットのキャリブレーション方法。
  10. 【請求項10】第3ステップは、 ステップIで、第2ステップでの変位と第1ステップで
    の変位が最も一致するキネマティクスパラメータを選択
    し、 ステップIIで、当該キネマティクスパラメータの値を
    一定修正をした後、 再び姿勢変化動作と変位測定を行う操作を繰り返すこと
    によって、姿勢変化によるエンドイフェクタの変化量を
    零に近づける、 ことを特徴とする請求項9記載の多関節構造ロボットの
    キャリブレーション方法。
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