JP2001103963A - 脂肪組織由来の間質細胞に関する多様な中胚葉系統分化能およびその使用 - Google Patents

脂肪組織由来の間質細胞に関する多様な中胚葉系統分化能およびその使用

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脂肪組織由来の間質細胞を、造血支持間
質細胞および骨格筋型と平滑筋型の両者の筋細胞に分化
させる方法および組成物を提供すること。 【解決手段】 脂肪組織由来の間質細胞を、造血支持間
質細胞に分化させる場合は造血成長因子または外因性造
血成長因子の間質細胞発現を誘導することができる成長
因子または薬剤もしくはそれ自身は非ペプチドの因子、
骨格筋の筋細胞に分化させる場合は間質細胞を骨格筋の
筋細胞に分化させるのに十分な量の5'アザシタジンま
たはアンホテリシンあるいはそれらの両方あるいは他の
薬剤、平滑筋の筋細胞に分化させる場合は間質細胞を平
滑筋筋細胞または筋線維芽細胞に分化させるのに十分な
量のトランスフォーミング成長因子βまたは他のペプチ
ド成長因子と、間質細胞の成長を維持することができる
培地とを含む組成物中で脂肪組織由来の間質細胞を培養
することにより分化させる方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[関連出願のクロスリファレンス]本出願
は、1999年8月19日に提出された米国仮出願第6
0/149,849号の利益を主張する。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、間質細胞を、脂肪
組織から、骨格筋タイプと平滑筋タイプの両者の造血支
持間質細胞および筋細胞に分化させる方法および組成物
に関する。
【0003】
【従来の技術】ヒト発達における新生児の期間は、多様
な分化経路に従って発生する潜在的能力を有する「幹」
細胞が存在することを特徴とする。これらの細胞の最終
的な分化は、器官形成と組織構成とを調整するサイトカ
インおよびホルモンキューによって決定される。ネズミ
胎児性幹細胞が単離され、in vitroおよびin
vivoで広範囲に研究されている。in vitro
で外因性刺激を利用して、研究者らは、多様な系統経路
に沿ったES細胞分化を誘導した。この例としては、ニ
ューロン、B系統リンパ、および脂肪細胞が挙げられる
(Dani et al. (1997) J. cell sci.110:1279、Remoncour
t et al. (1998) Mech. Dev. 79:185、O’Shea KS (199
9) Anat. Rec. 257:32)。遺伝子特異的ヌルマウスまた
は「ノックアウト」マウスを作成するための同種組換え
技術により、in vitroで、ES細胞に操作がな
されてきた(Johnson RS (1989) Science 245:1234)。特
定の遺伝子が欠如したES細胞クローンをいったん単離
したら、それらを、受精したネズミ受精卵に移植する。
この単離されたES細胞の子孫は、対等に、任意の且つ
全てのネズミ組織に発育することができる。
【0004】幹細胞は、次の基準を満たさなければなら
ない。(1)クローン性幹細胞集団の自己再生する能
力、(2)in vitroで、クローン性幹細胞集団
の、新しい最終的に分化した細胞型を作成する能力、お
よび(3)それ自身の生来の細胞が枯渇した動物に移植
されたとき、存在しない最終的に分化した細胞集団を補
充する能力。
【0005】多能性幹細胞は、成体の組織中に存在す
る。「幹細胞」の最も特徴的な例は、骨髄および末梢血
から単離される造血前駆細胞である。Trentin, Till an
d McCulloch(McCulloch et al. (1996) Proc. Can. Can
cer Conf. 6:356-366、Curry etal. (1967) J. Exp. Me
d. 125:703-720)による精液研究では、致命的に照射を
受けたマウスを試験した。治療を行わなければ、これら
の動物は、循環血球を補充することができないため死亡
したが、同質遺伝的供与動物から骨髄細胞を移植する
と、宿主動物が救助される。供与体細胞は、循環血球の
全てを再建するのに必要であった。限定された数の未分
化造血幹細胞を与えると、宿主細胞における8種以上の
異なる各血球系統を再生できることが、多量の的確な研
究で証明された。この研究は、ヒトにおける癌および先
天的な代謝障害を治療するための広く受け入れられた治
療方法である骨髄移植の基礎を提供した。このように、
造血幹細胞は生涯を通して正常なヒト骨髄に存在したま
まであり、新生児期に限定されない。
【0006】最近、1つの供与体細胞から生物全体が発
生したことは、この仮説と一致する。「Dolly」実
験は、ヒツジ乳腺から単離された細胞は、成熟したヒツ
ジに成長することができることを示した(Pennisi & Wil
liams (1997) Science 275:145-1416)。同様のネズミの
研究で、卵巣の黄体由来の細胞は、成熟マウスに成長す
ることができた(Pennisi (1998) Science 281:495)。以
上の研究から、任意の且つ全ての細胞型に分化できる能
力を有する幹細胞は、成体生物にも存在することが示唆
される。このように、「胎児の」幹細胞は、生涯を通し
て保持される可能性がある。
【0007】胎児起源の細胞系を使用したin vit
ro実験で、中胚葉幹細胞が存在することがわかった。
1970年代末期のTaylorらの研究で、C3H1
0T1/2細胞または3T3細胞等のネズミ胎児線維芽
細胞は、1〜10μMの5'アザシタジン(5'azacytadi
ne)に曝露した後、多様な中胚葉系統経路に沿って分化
することが証明された(Constantinides et al.(1977) N
ature 267: 364、Jones & Taylor (1980) Cell 20:85)。
2〜4週以内に、単離されたクローンは、脂肪細胞、単
球、軟骨細胞または破骨細胞分化と一致する形態学的特
徴を示した。生化学データから、これらの各系統を同定
するためのさらなる裏づけが得られた。この結果から、
骨格筋分化に関する主要調節転写因子であるMyoDを
同定するための基礎が得られた(Lassar (1986) Cell 4
7:649)。
【0008】成体骨髄微環境は、これらの推測に基づく
中胚葉幹細胞の潜在的供給源である。成体骨髄から単離
される細胞は、間質細胞、間質幹細胞、間充織幹細胞
(MSC)、間充織線維芽細胞、網状内皮細胞、および
ウエスタン−バニトン(Western-Baniton)細胞など、様々
な名前で呼ばれる(Gimble et al.(1996) Bone 19: 421-
428)。in vitro研究で、これらの細胞は多様な
中胚葉系統経路および間充織系統経路に沿って分化でき
ることが決定された。この例として、脂肪細胞(Gimble
et al.(1990) Eur. J. Immunol 20:379-386、Pittenger
et al. (1999) Science 284: 143-147、Nuttall et al.
(1998) JBMR 13: 371-382、Park et al. (1999) Bone 2
4: 549-554)、軟骨細胞(軟骨形成細胞)(Dennis et al.
(1999) JBMR14:700-709)、造血支持細胞(Gimble et al.
(1990) Eur. J. Immunol 20:379-386)、筋細胞(骨格筋)
(Phinney (1999) J. Cell. Biochem. 72: 570-585)、筋
細胞(平滑筋)(Remy-Martin et al. (1999) Exp. Hemato
l. 27: 1782-1795)、および骨芽細胞(骨形成細胞)(Beres
ford (1989) Clin Orthop Res 240: 270-280、Owen (198
8) J. Cell. Sci.10: 63-76、Dorheim et al. (1992) Bo
ne 13:81-88、Kuznetsovetal. (1997) JBMR 12: 1335-13
47)などが挙げられるが、その限りではない。骨髄は、
骨、軟骨、筋肉、脂肪組織、および他の間充織由来器官
に関する間質幹細胞の供給源であるとして提唱されてい
る。これらの細胞を使用する際の主な制限は、骨髄生検
手技に伴う困難および危険性、ならびに現在の回収方法
に随伴するメモリーB細胞および造血幹細胞の損失であ
る。
【0009】
【解決する課題】骨髄多能性幹細胞の使用に代わる別の
生育可能な代替品は脂肪組織である。脂肪間質細胞は、
多様な間充織系統に沿って分化できる、容易に入手でき
且つ豊富な間質細胞の供給源を提供する。脂肪由来間質
細胞を、たとえば、造血間質細胞、骨格筋の筋細胞、平
滑筋筋細胞を含む、様々な細胞型に一貫して且つ定量的
に分化させる方法および組成物が必要である。
【0010】[発明の概要]脂肪細胞を分化させる組成
物および方法を提供する。一般に、本発明は、皮下組
織、乳房組織、性腺組織、または網組織由来の間質細胞
を、一貫して且つ定量的に、造血支持間質細胞、骨格筋
細胞、平滑筋筋細胞(筋線維芽細胞)といった完全に分
化した且つ機能的な中胚葉細胞系統に誘導するための方
法および組成物を提供する。
【0011】本組成物は、プレーティングした間質細胞
のマイトジェンおよび分化誘導剤の役割を果たし、所望
の細胞型の産生をもたらす様々な化学成分を含む。マイ
トジェンおよび分化誘導剤としては、インターロイキン
類、flt3リガンド、幹細胞因子、マクロファージコ
ロニー刺激因子、エリスロポイエチン、トロンボポイエ
チン、オステオプロテゲリン(osteoprotegerin)リガ
ンド、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、1,25ジ
ヒドロキシビタミンD3、2−メルカプトエタノール、
グルタミン、5'−アザシタジン、アンホテリシン、ト
ランスフォーミング成長因子β、線維芽細胞成長因子な
どが挙げられるが、その限りではない。
【0012】本発明は、これらの組成物が脂肪組織由来
の間質細胞の分化を指令する能力および機能を決定する
方法、調節遺伝子を担持するウイルスベクターを間質細
胞に形質導入する方法、調節遺伝子を担持するプラスミ
ドベクターを間質細胞に形質転換する方法、これらの遺
伝子によりコードされる機能的タンパク質を追跡および
検出する方法、ならびにこれらの細胞を生きている生物
に再導入するための生体力学的担体を開発する方法を提
供する。
【0013】本発明は、再生不良性貧血、筋ジストロフ
ィー、放射線中毒、ニューロパシー性筋退行変性、泌尿
生殖器奇形、および消化器奇形を含むがその限りではな
い疾病状態の広域スペクトルと関連した化合物およびタ
ンパク質を得るための、薬剤開発に有用な方法および組
成物も提供する。
【0014】[発明の詳細な説明]本発明は、脂肪組織
由来の間質細胞を、(a)造血支持間質細胞、(b)骨
格筋細胞、(c)平滑筋の筋細胞(筋線維芽細胞)に分
化させ、培養する方法および組成物を提供する。
【0015】脂肪組織は、多能性間質細胞の供給源とし
ての骨髄の代替物となりうる可能性を提供する。脂肪組
織は容易に入手でき、且つ多くの個体に豊富に存在す
る。合衆国では成人の50%より多くが、身長に基づい
て推奨されるBMIを超え、肥満は流行伝染病のような
勢いの状況である。脂肪細胞は、外来患者ベースで、脂
肪吸引によって回収することができる。この方法は、患
者の大多数に受け入れられる美容効果がある比較的非侵
襲的な方法である。脂肪細胞が補充可能な細胞集団であ
ることには、十分な証拠書類がある。脂肪吸引もしくは
他の方法によって外科的に除去した後でも、時が経つと
個体に脂肪細胞が再び現れることは、よくみられること
である。このことから、脂肪組織が自己再生できる間質
幹細胞を含むことが示唆される。病理学的証拠から、脂
肪組織由来の間質細胞は多様な間充織系統に沿って分化
できることが示唆される。最もよくみられる軟組織腫瘍
である脂肪肉腫は、脂肪細胞様細胞から発生する。混合
起源の軟組織腫瘍は比較的よくみられる。これらの軟組
織腫瘍は、脂肪組織、筋(平滑筋または骨格筋)、軟
骨、および/または骨の要素を含む可能性がある。骨髄
内の骨形成細胞が脂肪細胞に分化できるのととちょうど
同じように、髄外脂肪細胞は、骨を形成することができ
る。発作性骨異形成として知られる珍しい病気に罹った
患者では、原因不明で、皮下脂肪細胞が骨を形成する(K
aplan(1996)Arch. dermatol.132:815-818)。
【0016】成人の髄外脂肪組織由来の間質細胞は、患
者にとって最小限の危険で日常的に収穫することができ
る間質幹細胞供給源の代表である。髄外脂肪組織由来の
間質細胞は、ex vivoで増殖させ、独特の中胚葉
系経路に沿って分化させ、遺伝子操作し、自己移植また
は同種異系移植のいずれかとして個体に再導入すること
ができる。本発明は、中胚葉系に沿った成人の髄外脂肪
組織間質細胞の単離、特性決定、および分化の方法およ
び組成物の例を提供し、多数の病気および疾患を治療す
るための使用について略述する。
【0017】本発明の方法によって産生される細胞は、
ヒトの疾患を治療し、外傷的損傷を修復するための組織
エンジニアリング生成物を調査、移植、および開発する
ために、完全に分化し且つ機能的な細胞の供給源を提供
するのに有用である。従って、1つの態様において、本
発明は、(a)造血成長因子の間質発現を誘導すること
ができるか、あるいは外因性成長因子を直接加えること
ができる存在する因子との共培養で、間質細胞および造
血細胞の成長を維持することができる培地と、(b)間
質細胞の成長および機能的骨格筋細胞への分化を維持す
ることができ、且つ骨格筋細胞を増殖させることができ
る培地と、(c)間質細胞の成長および機能的平滑筋筋
細胞または筋線維芽細胞への分化を維持することがで
き、且つ平滑筋の筋細胞または筋線維芽細胞を増殖させ
ることができる培地とを含む組成物中で、前述の細胞を
培養することを含む脂肪組織由来の間質細胞を3つの機
能的に異なる中胚葉細胞系(造血支持細胞、筋細胞(骨
格)、および筋細胞(平滑筋の筋線維芽細胞))の1つ
に分化させる方法を提供する。
【0018】別の態様において、本発明は、脂肪組織由
来の間質細胞を、3つの異なる中胚葉由来の系統のそれ
ぞれに分化させるための組成物を提供する。このような
組成物は、下記のものを含む。(a)脂肪組織由来の間
質細胞、間質細胞の成長を維持することができる培地、
および造血成長因子または外因性造血成長因子の間質細
胞発現を誘導することができる成長因子または薬剤もし
くはそれ自身は非ペプチドの因子。(b)脂肪組織由来
の間質細胞、間質細胞の成長を維持することができる培
地、ならびに前述の間質細胞を骨格筋の筋細胞に分化さ
せるのに十分な量の5'アザシタジンまたはアンホテリ
シンあるいはそれらの両方、あるいは他の薬剤。(c)
脂肪組織由来の間質細胞、間質細胞の成長を維持するこ
とができる培地、ならびに前述の間質細胞を平滑筋筋細
胞または筋線維芽細胞に分化させるのに十分な量のトラ
ンスフォーミング成長因子βまたは他のペプチド成長因
子。
【0019】本方法は、各系に適した下記のものからな
る培地に、約1,000〜25,000細胞/cm2
密度でプレーティングされ、単離された脂肪組織由来の
間質細胞のインキュベーションを含む。(a)造血維持
間質細胞では、グルコース、インターロイキン1,3,
6,7,12、幹細胞因子、flt3リガンド、マクロ
ファージコロニー刺激因子、顆粒球−単球コロニー刺激
因子、トロンボポイエチン、エリスロポイエチン、オス
テオプロテゲリンリガンド、1、25ジヒドロキシビタ
ミンD3、および2−メルカプトエタノールを含むがそ
の限りではない造血誘導性サイトカイン類。この培地
は、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、およびオステ
オプロテゲリンリガンドを含んでもよい。細胞を、33
℃(骨髄系細胞の場合)もしくは37℃(B系統リンパ
系細胞の場合)の温度で維持する。(b)骨格筋細胞で
は、グルコース、0%〜20%の濃度のウシ胎児血清の
操作による限られた曝露期間の5'アザシタジンまたは
アンホテリシン。この培地は、構成物質(たとえば、ペ
ニシリンまたはストレプトマイシン)、グルタミン、ピ
ルビン酸ナトリウム、および2−メルカプトエタノール
(この限りではない)も含んでもよい。(c)平滑筋筋
細胞/筋線維芽細胞では、コラーゲン、ゼラチン、ラミ
ニン、フィブロネクチンまたは他の基質もしくは三次元
マトリックスの存在下で、グルコースおよび10%ウシ
胎児血清。
【0020】「脂肪間質細胞」は、脂肪細胞から生じる
間質細胞を指す。「脂肪(adipose)」は、あら
ゆる脂肪組織(fat tissue)を意味する。脂
肪細胞は、皮下、網/内臓、乳房、性腺、または他の脂
肪組織部位に由来する、白色脂肪組織であっても褐色脂
肪組織であってもよい。脂肪は、皮下白色脂肪組織であ
ることが好ましい。このような細胞は、一時細胞培養ま
たは不滅化細胞系を含んでもよい。脂肪組織は、脂肪組
織は有する任意の生物に由来してもよい。好ましくは脂
肪組織は哺乳類であり、最も好ましくは脂肪組織はヒト
である。脂肪組織の便利な供給源は脂肪吸引術による
が、脂肪組織の供給源または脂肪組織の単離方法は、本
発明に重要ではない。対象者への自己移植に間質細胞が
望ましい場合、その対象者から脂肪組織を単離する。
【0021】「造血支持間質細胞」は、骨髄、脾臓、末
梢血、または臍帯血に由来する造血幹細胞(CD34+
またはCD34−のいずれか)としても知られる、造血
前駆細胞の増殖および成熟を支持することができる間質
細胞を指す。造血支持間質細胞を造血前駆細胞と共培養
すると、骨髄系(マクロファージ、好中球、破骨細
胞)、赤血球系(赤血球)、リンパ系(Bリンパ系、T
リンパ系)、および血小板(巨核球)を含むがその限り
ではない造血性血球の接着集団および非接着集団、なら
びに好酸球、好塩基球、肥満細胞および他の循環血球型
が産生される。造血細胞の成長および分化は、特徴的な
血球系統特異的タンパク質(たとえば、B系統リンパ球
の場合CD45、T系統リンパ球の場合T細胞受容体、
マクロファージの場合Mac−I/LFA11、破骨細
胞の場合、酒石酸耐性酸ホスファターゼ)の表面発現を
評価するアッセイを含むがその限りではないアッセイに
よって決定される。造血幹細胞の増殖は、in vit
roでは、新たな造血支持幹細胞層上にプレーティング
したとき、共培養由来の造血細胞が多様な血球系統に増
殖し続けることができる証拠によって評価され、in
vivoでは、共培養由来の造血細胞が骨髄を再生さ
せ、致命的な照射を受けてそれ自身の血球が不足してい
る動物腫宿主を救助することができる能力に基づいて評
価される。
【0022】「筋細胞(骨格)」は、転写因子myoD
およびミオゲニン、骨格アクチン、ミオシン軽鎖キナー
ゼ、およびミオシン重鎖キナーゼを含むがその限りでは
ない骨格筋の特徴的な生化学的マーカー、多核複合体お
よび筋節を含むがその限りではない骨格筋の特徴的な形
態学的マーカーを発現することができ、且つ自発的にも
しくはアセチルコリン等の外因性因子に応答して収縮機
能を示すことができる細胞を指す。
【0023】「筋細胞(平滑筋、筋線維芽細胞)」は、
α平滑筋アクチン、フィブロネクチン、およびβ−1イ
ンテグリンを含むがその限りではない平滑筋の特徴的な
生化学的マーカー、培養における張線維の形成を含むが
その限りではない平滑筋の特徴的な形態学的マーカーを
発現することができ、且つin vitroでコラーゲ
ン格子に対する引張り応力の発生を含むがその限りでは
ない特徴的な平滑筋機能を示すことができる細胞を指
す。
【0024】「造血成長因子」は、サイトカイン類、ホ
ルモン類および他のタンパク質薬剤を指す。これらは、
共培養系において間質細胞から直接誘導することも可能
であり、研究者が決定した濃度で共培養に加えてもよ
く、組換えの供給源もしくは天然供給源から開発された
富化タンパク質または精製タンパク質として得られる。
この例としては、下記のサイトカイン類およびホルモン
類が挙げられるが、その限りではない。B系統リンパ球
に対してはインターロイキン7、全ての造血系に対して
は幹細胞因子、マクロファージおよび破骨細胞に対して
はM−CSF、破骨細胞に対してはオステオプロテゲリ
ンリガンド、赤血球に対してはエリスロポイエチン、血
小板および巨核球に対してはトロンボポイエイチン、血
小板、巨核球およびB系統リンパ球に対してはインター
ロイキン6である。処理の最適濃度および長さは、専門
家が、核血球系統の分化に関する既知のアッセイを用い
て決定することができる。
【0025】「非ペプチド成長因子」は、ステロイド
類、レチノイド類および血球系統の分化を誘導すること
ができる他の化学化合物または薬剤を指す。濃度は変化
してもよいことが、一般に認められている。さらに、化
合物または薬剤は、分化を刺激するのに十分な量で加え
られることが、一般に認められている。しかし、一般
に、上記化合物または薬剤は、1,25ジヒドロキシビ
タミンD3では約1nM〜約100nM、デキサメタゾ
ンでは1nM〜約100nM、ヒドロコルチゾンでは約
1nM〜約100nM、レチノイン酸では約1nM〜約
100nM、9−シスレチノイン酸では約1nM〜約1
00nMの範囲の濃度、あるいは、専門家により決定さ
れ、最適化される濃度で使用される。
【0026】分化を誘導するのに十分な5'アザシタジ
ンまたはアンホテリシンあるいはそれらの両方の量は、
間質細胞(たとえば、NIH−3T3、C3H 10T
1/2、ヒト脂肪組織由来の間質細胞等々)の成長を維
持することができる培地で供給されるとき、約1〜6週
にわたって、前述の間質細胞を骨格筋筋芽細胞および筋
細胞に分化させる5'アザシタジンおよびアンホテリシ
ンの濃度を指す。5'アザシタジンの一般的な使用濃度
は、約1μM〜約30μMの範囲である。アンホテリシ
ンの一般的な使用濃度は、約10ng/ml〜約100
ng/mlの範囲である。最適濃度および曝露の長さ
は、専門家が骨格筋筋芽細胞の分化に関する既知のアッ
セイを用いて決定することができる。このようなアッセ
イとしては、骨格筋関連の形態学的特徴または生化学的
特徴(たとえば、多核筋管の形成、ミオシン重鎖の発
現、タンパク質レベルもしくはRNAレベルでのmyo
Dの発現)を評価するアッセイが挙げられるが、その限
りではない。
【0027】「分化を誘導するのに十分なトランスフォ
ーミング成長因子βもしくは他のペプチド成長因子の
量」は、間質細胞(たとえば、NIH−3T3、C3H
10T1/2、ヒト脂肪組織由来の間質細胞等々)の成
長を維持することができる培地に供給されるとき、1日
〜6週にわたって、前述の間質細胞を平滑筋筋細胞また
は筋線維芽細胞に分化させる、トランスフォーミング成
長因子βもしくは他のペプチド成長因子の濃度を指す。
トランスフォーミング成長因子βの一般的な使用濃度
は、約20ng/ml〜約40ng/mlの範囲であ
る。線維芽細胞成長因子の一般的な使用濃度は、約20
ng/ml〜約40ng/mlの範囲である。最適濃度
および曝露の長さは、専門家が、平滑筋の筋芽細胞の分
化に関する既知のアッセイを用いて決定することができ
る。このようなアッセイとしては、平滑筋関連の形態学
的特徴または生化学的特徴(たとえば、α平滑筋アクチ
ンおよびフィブロネクチンの発現、トロンビンまたはリ
ゾホスファチジン酸の存在下でコラーゲン格子内に置い
た時の収縮力の発生)を評価するアッセイが挙げられる
が、その限りではない。
【0028】組織培養において間質細胞を支持すること
ができる任意の培地を使用することができる。線維芽細
胞の成長を支持する培地配合物としては、Dulbeccoの改
良型Eagle培地(Dulbecco's Modified Eagle's Medium(D
MEM))、α改良最小必須培地(alpha modified Minimal Es
sential Medium(αMEM))、およびRoswell Park Memorial
Institute Media 1640(RPMI Media 1640)等々が挙げら
れるが、その限りではない。間質細胞および造血細胞の
成長を維持するために、一般に、0〜20%のウシ胎児
血清(FBS)を上記培地に加える。しかし、間質細胞
および造血細胞の成長に必要な成長因子、サイトカイン
類、およびホルモン類が同定され、成長培地に適当な濃
度で提供されれば、規定された培地を使用することも可
能である。
【0029】本発明の方法で有用な培地は、抗生物質、
造血幹細胞にとって分裂促進的である化合物、造血幹細
胞にとって分化誘導的である化合物、および/または間
質細胞にとって分裂促進的または分化誘導的である化合
物を含むがその限りではない関心のある1つまたは複数
の化合物を含んでもよい。本発明で有用な抗生物質の例
としては、ペニシリンとストレプトマイシンが挙げられ
るが、その限りではない。ペニシリンは、一般に、約1
0単位/ml〜約200単位/mlで使用される。スト
レプトマイシンは、一般に10μg/ml〜200μg
/mlで使用される。造血分裂促進因子の例としては、
幹細胞因子およびインターロイキン3が挙げられるがそ
の限りではなく、造血分化誘導因子としては、1,25
ジヒドロキシビタミンD3、インターロイキン7、およ
びオステオプロテゲリンなどが挙げられるがその限りで
はなく、間質細胞マイトジェンとしては、トランスフォ
ーミング成長因子βなどが挙げられるがその限りではな
く、間質細胞分化因子としては、デキサメタゾン、ヒド
ロコルチゾン、トランスフォーミング成長因子β等々が
挙げられるがその限りではない。
【0030】「脂肪組織由来の間質細胞、間質細胞の成
長を維持することができる培地、ならびに造血成長因子
もしくは外因性造血因子の間質細胞発現を誘導すること
ができる成長因子および薬剤あるいはそれ自身は非ペプ
チドの因子」は、造血細胞の増殖および成熟をin v
itroおよびin vivoで増進する、ペプチド組
成と化学的組成の両者の成長因子を指す。この例として
は、インターロイキン1、インターロイキン3、インタ
ーロイキン6、インターロイキン7、インターロイキン
11、マクロファージコロニー刺激因子(M−CS
F)、顆粒球−単球コロニー刺激因子(GM−CS
F)、幹細胞因子、flt3リガンド、トロンボポイエ
チン、エリスロポイエチン、オステオプロテゲリンリガ
ンド、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、および1,
25ジヒドロキシビタミンD3などが挙げられるが、そ
の限りではない。これらの因子の濃度および曝露の長さ
は、専門家により、決定され、最適化される。インター
ロイキン類、M−CSF、GM−CSF、flt3リガ
ンド、および幹細胞因子は、約5pg/ml〜約1ng
/mlで使用される。トロンボポイエチンは、一般に、
約5pg/ml〜約1ng/mlの濃度範囲で使用され
る。エリスロポイエチンは、約5単位/ml〜約100
0単位/mlで使用される。デキサメタゾン、ヒドロコ
ルチゾン、および1,25ジヒドロキシビタミンD
3は、約1nM〜約100nMの濃度で使用される。最
適濃度および処理時間は、造血幹細胞と脂肪組織由来幹
細胞との共培養において、特定の循環血球系統の産生を
モニタリングすることによって決定される。これらの因
子は、分化に十分な量で加えられることが一般に認めら
れている。このようなアッセイおよび指標としては、細
胞の形態学的特徴または生化学的特徴、たとえば、フロ
ーサイトメトリー、免疫組織化学、および/または免疫
蛍光法による特定の血球系統に特有の細胞表面タンパク
質の発現、細胞集団における特定のmRNAの発現、共
培養システムによる造血幹細胞産生のin vivo評
価などが挙げられるが、その限りではない。
【0031】「脂肪組織由来の間質細胞、間質細胞の成
長を維持することができる培地、ならびに上記細胞を骨
格筋の筋細胞に分化させるのに十分なアザシタジンまた
はアンホテリシンあるいはそれらの両方、あるいは他の
薬剤の量」は、骨格筋特異的遺伝子マーカーの発現およ
びin vitroでの骨格筋機能を促進するのに使用
される分化誘導剤を指す。この培地はウシ胎児血清、抗
生物質、Lグルタミン、ピルビン酸ナトリウム、2−メ
ルカプトエタノール、および5'アザシタジンまたはア
ンホテリシンを含む。ウシ胎児血清は、0.5%〜20
%の範囲の濃度で使用することができる。一般に使用さ
れる抗生物質は、ペニシリンまたはストレプトマイシン
である。ペニシリンは、一般に、約10単位〜約200
単位/mlの範囲の濃度で使用される。ストレプトマイ
シンは、一般に、約10μg/ml〜約200μg/m
lの範囲の濃度で使用される。Lグルタミンおよびピル
ビン酸ナトリウムは、一般に、0.5mM〜約2mMで
使用される。2−メルカプトエタノールは、一般に、約
10μM〜約100μMで使用される。5'アザシタジ
ンは、一般に、約1μM〜約30μMで使用される。ア
ンホテリシンは、一般に約10ng/ml〜約100n
g/mlで使用される。これらの因子の濃度および曝露
時間の長さは、専門家により、決定され、最適化され
る。最適濃度および処理時間は、骨格筋に特有の形態学
的マーカーおよび生化学的マーカーをモニタリングする
ことにより決定される。この例としては、培養における
多核筋管の産生および筋特異的遺伝子およびタンパク質
の発現、たとえば、筋転写因子(myoD、ミオゲニ
ン)、ミオシン軽鎖キナーゼ、ミオシン重鎖キナーゼ、
および骨格筋アクチンなどが挙げられるが、その限りで
はない。
【0032】「脂肪組織由来の間質細胞、間質細胞の成
長を維持することができる培地、および上記間質細胞を
平滑筋の筋細胞または筋線維芽細胞に分化させるのに十
分なトランスフォーミング成長因子βまたは他のペプチ
ド成長因子の量」は、遺伝子マーカーもしくはタンパク
質に関連した平滑筋の発現およびin vitroでの
平滑筋機能を促進するために使用される分化誘導条件を
指す。因子の濃度および曝露時間の長さは、専門家によ
り、決定され、最適化される。最適濃度および処理時間
は、平滑筋に特有の形態学的マーカーおよび生化学的マ
ーカーをモニタリングすることにより決定される。この
例としては、I型コラーゲン格子内に置いた時の細胞に
よる引張力の発生ならびに平滑筋アクチン、フィブロネ
クチン、およびラミニン等の平滑筋特異的遺伝子および
タンパク質の発現などが挙げられるが、その限りではな
い。
【0033】脂肪組織由来の間質細胞は、最終的な分化
した細胞が導入される対象者の脂肪組織から単離される
ことが好ましい。しかし、間質細胞は、対象者と同じ種
または異なる種のいずれの生物から単離してもよい。脂
肪組織を有するいずれの生物も、潜在的な候補者である
可能性がある。好ましくは、この生物は哺乳類であり、
最も好ましくは、この生物はヒトである。
【0034】プラスミド、ウイルスベクター法または代
替ベクター法を使用して、脂肪組織由来の間質細胞に、
関心のある核酸を安定にまたは一時的にトランスフェク
ションもしくは形質導入してもよい。関心のある核酸と
しては、(1)造血細胞系列の成長、分化、成熟または
増殖を増進する遺伝子産物、たとえば、破骨細胞発生を
誘導するオステオプロテゲリンリガンド、B系統リンパ
球発生を誘導するインターロイキン7、赤血球発生を誘
導するエリスロポイエチン、および血小板発生を誘導す
るトロンボポイエチン等、(2)骨格筋の分化を増進す
る遺伝子産物、たとえば、myoDおよびミオゲニン、
筋管形成および骨格筋特異的遺伝子の発現を促進する転
写因子等、(3)平滑筋細胞の成長、分化および成熟を
増進する遺伝子産物、たとえば、平滑筋増殖および細胞
外マトリックス産生を誘導するトランスフォーミング成
長因子β等をコードするものを含むが、その限りではな
い。
【0035】血球を、単独でまたは間質成分と組み合わ
せて、貧血もしくは血球産生不足に罹り易い対象者に導
入することが可能である。この例としては、高用量化学
療法を受けている患者、骨髄移植を受けている患者、再
生不良性貧血患者、鎌状赤血球性貧血患者、他の血液疾
患などが挙げられる。
【0036】幹細胞の注入で治療することが可能な他の
障害としては、正常な血球産生および成熟の不全または
機能障害に起因する疾患(たとえば、再生不良性貧血お
よび低増殖性幹細胞障害)、造血器官における腫瘍性悪
性疾患(たとえば、白血病およびリンパ種)、非造血起
源の広域スペクトル悪性充実性腫瘍、自己免疫病、およ
び遺伝病などが挙げられるが、その限りではない。この
ような障害としては、薬剤、放射線、または感染に起因
する再生不良性貧血、汎血球減少症、顆粒球減少症、赤
血球形成不全、ブラックファンダイアモンド(Blac
kfan−Diamond)症候群、特発性疾患を含
む、正常な血球産生および成熟の不全または機能障害、
高増殖性幹細胞障害に起因する疾患急性リンパ芽球性
(リンパ球性)白血病、慢性リンパ急性白血病、急性骨
髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性悪性骨髄硬化症、
多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、原因不明骨髄様化
生、ヴァルデンストレーム(Waldenstrom’
s)マクログロブリン血症、ホジキンリンパ腫、非ホジ
キンリンパ腫を含む造血性悪性腫瘍、悪性黒色腫、胃
癌、卵巣癌、乳癌、小細胞胚癌、網膜芽腫、精巣癌、グ
リア芽細胞腫、横紋筋肉腫、神経芽腫、ユーイング肉
腫、リンパ腫を含む悪性充実性腫瘍患者における免疫抑
制、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、慢性肝炎、多発性
硬化症、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、
貧血、家族性形成不全、遺伝性(先天性)疾患、ファン
コニー症候群、ブルーム症候群、赤芽球ろう(PRC
A)、先天性角化不全症、ブラックファン−ダイアモン
ド症候群、先天性赤血球生成不全症候群I〜IV、チュワ
ッチマン(Chwachmann)ダイアモンド症候
群、ジヒドロ葉酸還元酵素欠損症、ホルムアミノトラン
スフェラーゼ欠損症、レッシュナイハン症候群、先天性
球状赤血球症、先天性楕円赤血球症、先天性ストマトサ
イト増加症、先天性Rh陰性疾患、発作性夜間血色素尿
症、G6PD(グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ)
変種1、2、3、ピルビン酸キナーゼ欠損症、先天性エ
ロトロポイエチン感受性、先天性エロトロポイエチン欠
損症、鎌状赤血球症および鎌状赤血球形成傾向、αサラ
セミア、βサラセミア、γサラセミア、後血色素血症、
先天性免疫障害、重度複合免疫欠損症(SCID)、不
全リンパ球症候群、イオノフォア応答性複合免疫欠損
症、キャッピング異常を伴う複合免疫欠損症、ヌクレオ
シドホスホリラーゼ欠損症、顆粒球アクチン欠損症、乳
児顆粒球減少症、ゴシェ病、アデノシンデアミナーゼ欠
損症、コストマン症候群、網状異形成、先天性白血球機
能不全症候群、ならびに大理石骨病、骨髄硬化症、後天
性溶血性貧血、後天性免疫不全症、原発性免疫不全症ま
たは続発性免疫不全症を引き起こす感染症、細菌感染症
(たとえば、ブルセラ症、リステリア症、結核、癩)、
寄生虫感染症(たとえば、マラリア、リーシュマニア
症)、真菌感染症、リンパ球セットの不均衡および加齢
による免疫機能障害を含む障害、食細胞障害、コストマ
ン顆粒球減少症、チェディアック東症候群、好中球アク
チン欠損症、好中球膜GP−180欠損症、代謝性蓄積
症、ムコ多糖症、免疫機構を含む種々の障害、ヴィスコ
ット−オールドリッチ症候群、α1−抗トリプシン欠損
症等の他の障害が挙げられるが、その限りではない。
【0037】脂肪組織由来の間質細胞のin vitr
o操作により生成される骨格筋細胞を、単独でまたは組
成基質と組み合わせて導入し、代謝性疾患(筋ジストロ
フィー、筋炎)、外傷、および非活動性萎縮に続発する
筋欠損症を修復することができる。このような組成物と
しては、コラーゲン基質、ポリ乳酸ポリマー、ポリグリ
コール酸ポリマー、アルギン酸エステル、または他の固
体支持体などが挙げられるが、その限りではない。
【0038】脂肪組織由来の間質細胞のin vitr
o操作により生成される平滑筋細胞を、単独でまたは組
成基質と組み合わせて導入し、平滑筋欠損症を修復する
ことができる。このような欠損症としては、新生児にお
ける遺伝的奇形による膀胱壁異常あるいは年長者におけ
る外傷もしくは腫瘍侵襲に続発する膀胱壁異常、新生児
における遺伝的奇形による消化管異常あるいは年長者に
おける外傷もしくは腫瘍侵襲に続発する膀胱壁異常、新
生児における遺伝的奇形による生殖管(膣)異常、外傷
もしくは腫瘍侵襲に続発する生殖管(膣)異常、または
性転換手術における組織再建術のため、または移植目的
の機能的大静脈の開発のため、などが挙げられるが、そ
の限りではない。組成基質としては、ブタ腸粘膜下組
織、ポリ乳酸ポリマー、ポリグリコール酸ポリマー、ア
ルギン酸エステル、または他の固体支持体等のコラーゲ
ン基質が挙げられるが、その限りではない。
【0039】本発明の別の目的は、脂肪組織由来の間質
細胞が、造血支持間質細胞、骨格筋の筋細胞、または平
滑筋筋細胞のいずれかに分化するのを増進または阻害す
る化合物の同定方法および研究方法を提供することであ
る。(a)造血支持間質細胞機能の分化を増進する化合
物は、循環血球の産生減少を特徴とする血液疾患の治療
において価値がある可能性があり、高用量化学療法後の
患者の回復を改善することができ、(b)骨格筋の筋細
胞の分化を増進する化合物は、遺伝的欠損または外傷に
続発する筋骨格疾患の治療において価値がある可能性が
あり、(c)平滑筋幹細胞の分化を増進する化合物は、
膀胱(膀胱壁)、消化管(結腸、小腸)、および生殖系
(膣)の平滑筋欠損を含む、平滑筋欠損の治療において
価値がある可能性がある。反対に、(a)造血支持間質
細胞機能の分化を阻害する化合物は、真性赤血球増加症
等の、循環血球の産生過剰を特徴とする血液疾患の治療
において価値がある可能性があり、(b)骨格筋の分化
を阻害する化合物は、横紋筋肉腫等の、骨格筋起源の軟
組織腫瘍の治療において価値がある可能性があり、
(c)平滑筋幹の分化を阻害する化合物は、平滑筋肉腫
等の、平滑筋起源の軟組織腫瘍の治療において価値があ
る可能性がある。
【0040】脂肪組織由来の間質細胞の、造血支持間質
細胞、骨格筋の筋細胞、または平滑筋筋細胞のいずれか
への分化に影響を及ぼす能力について、化合物を試験す
ることができる。試験すべき化合物と相溶性の適当な媒
体は当業者に周知であり、且つRemington's Pharmaceut
ical Scienceの最新版に掲載されており、その内容を引
用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0041】
【実施例】本発明の特徴および利点は、本発明を限定す
るものではない以下の実施例を参照することによってさ
らに明らかに理解されるであろう。
【0042】[実施例1] [in vitroでの、脂肪組織由来の間質細胞によ
る細胞表面接着分子および造血サイトカインの発現]1
999年1月29日に提出の出願番号第09/240,
029号に記載されている"Methods and Compositions
for the Differentiation of Human Preadipocytes int
o Adipocytes"に従って、ヒト皮下脂肪組織から間質細
胞を単離する。この細胞を、30,000細胞/cm2
の密度で、チャンバスライド、6ウェル組織培養プレー
ト、またはT25cm2フラスコ内にプレーティングす
る。10%のウシ胎児血清、ペニシリン100単位/m
l、ストレプトマイシン100μg/ml、およびpH
7.2の7.5mMのHEPESを加えたDMEM/H
am’s F−10中で8日間、細胞を培養し続ける。
間質細胞により発現された表面タンパク質を、免疫組織
化またはフローサイトメトリーあるいはそれらの両方に
基づいた免疫学的技術により決定する。免疫組織化学的
分析の場合、95%エタノール/5%氷酢酸を使用して
チャンバスライドを固定し、ヒト細胞表面タンパク質検
出用のネズミモノクローナル抗体と共にインキュベート
する。抗マウス二次抗体と共役した酵素と共にインキュ
ベートした後、タンパク質発現の証拠を組織化学反応に
よって検出する。あるいは、フラスコの細胞をトリプシ
ン/EDTA消化により回収し、特異的ヒト表面タンパ
ク質検出用の蛍光結合ネズミモノクローナル抗体と共に
インキュベートする。フローサイトメトリーにより、細
胞を蛍光強度について試験する。これらのアッセイの結
果を表1にまとめる。以上の研究から、脂肪組織由来の
間質細胞は、骨髄間質細胞による造血支持機能に関連し
且つ不可欠である表面タンパク質を発現することがわか
り(Miyake et al.(1990) J Exp Med 171:477-488; Miya
ke et al. (1991) J Exp Med 173:599-607; Miyake et
al. (1991) J Cell Biol 114:557-565, 1991; Miyake e
t al. (1991) J Cell Biol 114: 557-565, 1991; Jacob
sen et al. (1992) J Exp Med 176: 927-935; Kincade
et al. (1993) Curr Top Microbiol Immunol 184:215-2
22;Hayashi et al. (2000) Leuk Lymphoma 38: 265-27
0)、この例として、とりわけ、VCAM1、CD44、
インテグリンβ1、インテグリンα4,5(VLA−
4、VLA−5)、およびCD9が挙げられる。
【0043】脂肪組織由来の間質細胞のサイトカイン発
現プロフィールは、リポ多糖類(LPS)または骨髄間
質細胞において造血サイトカイン類を誘導することがで
きる炎症性薬剤であるエンドトキシンで誘導した後、決
定される(Gimbel et al. (1989) Blood 74: 303-311)。
2%のウシ胎児血清、100μg/mlのストレプトマ
イシン、100単位/mlのペニシリン、およびpH
7.2の7.5mMのHEPESを加えたDMEM培地
中で、細胞の集密培養および静止培養を100ng/m
lのLPSに0〜24時間曝露する。各培養から条件培
地を回収し、−80℃で保存する一方で、Chomczynski
and Sacchiの方法(Anal. Biochem. (1987)162: 156-159
参照)により、総RNAを回収する。表2に示したサイ
トカイン類に関するmRNAを、下表に記載のオリゴヌ
クレオチドプライマーセットを使用したポリメラーゼ連
鎖反応で検出する。反応の代表的なセットを、図1に示
す。下記のサイトカイン類は、酵素結合免疫検定法に基
づいて、著明なLPS誘導可能な免疫反応性タンパク質
の発現を示した。マクロファージコロニー刺激因子(M
−CSF)、顆粒球/単球コロニー刺激因子(GM−C
SF)、インターロイキン6、インターロイキン7、イ
ンターロイキン8(IL−6、IL−7、IL−8)。
脂肪組織由来の間質細胞によるサイトカイン類発現のプ
ロフィールは、in vitroで、骨髄、リンパ、お
よび破骨細胞の増殖および分化を支持することができる
骨髄由来間質細胞のものと一致する(Pietrangeli et a
l. (1988) Eur. J. Immunol. 18:863-872、Gimble et a
l. (1989) Blood 74:303-311、Gimble et al. (1992) J.
Cell Biochem 50: 73-82、 Kelly et al. (1998) Endoc
rinol. 2092-2101)。
【0044】[実施例2] [in vitroでの、脂肪組織由来の間質細胞層と
の骨髄造血共培養の確立]1999年1月29日に提出
の出願番号第09/240,029号に記載されてい
る"Methods and Compositions for the Differentiatio
n of Human Preadipocytes into Adipocytes"に従っ
て、ヒト皮下脂肪組織から間質細胞を単離する。この細
胞を、500〜20,000細胞/cm2の密度でプレ
ーティングする。造血前駆細胞を共培養系に導入する前
に、間質細胞を培養中で1〜3日間確立させる。下記の
ヒト組織の1つから、造血前駆細胞を単離する。骨髄、
臍帯静脈/胎盤血、末梢血、脾臓。あるいは、ネズミ組
織を使用する。無菌条件下で、6〜10週齢のマウスの
骨髄腔をDMEM/10%FSCで洗い流すことによ
り、ネズミ骨髄細胞を回収する。無菌条件下で、細かい
金属スクリーンを物理的に通過させることにより、ネズ
ミ脾細胞を回収する。下記の3つの方法のうちの1つの
方法を使用して、その間質成分の混合造血細胞集団を枯
渇させる。第1の代替法として、確立された技術に従っ
て、抗CD34抗原を使用した磁気免疫ビーズ精製によ
り、血液試料からの造血幹細胞集団を富化させる。第2
の代替法として、骨髄または他の血液試料を、無菌のG
−10Sephadexまたはナイロンウールカラムを
通過させて造血前駆細胞を溶離させ、間質細胞を保持す
ることによって、造血細胞を富化させる。第3の代替法
として、表面タンパク質特性に基づいたフローサイトメ
トリー選別により、造血細胞を富化させる。造血細胞を
1度洗浄し、0.3%酢酸で赤血球を溶解し、トリパン
ブルー染色した後、血球計を使用して、有核細胞の数を
算定する。好ましくは、プレーティングした間質細胞当
たり有核造血細胞10〜100個、さらに好ましくは、
プレーティングした間質細胞当たり有核造血細胞20〜
30個、最も好ましくは、プレーティングした間質細胞
当たり有核造血細胞25〜30個の比率で、造血細胞を
液体共培養に導入する。5%のCO2中、DMEM(高
濃度グルコース)、10〜100nMのヒドロコルチゾ
ンまたは10%のウマ血清を加えた10%のウシ胎児血
清、10〜200単位/mlのペニシリン、10〜20
0μgのストレプトマイシンからなる培地中で、33℃
にて細胞を培養する。共培養中の培地の半分を3〜4日
ごとに取り替える。血球計カウントまたはフローサイト
メトリー、あるいはそれらの両方の方法で、培地中の非
接着細胞の数を決定する。主要な造血細胞系統用の定型
的な抗体マーカーを使用して、非接着細胞の特徴を示す
表面抗原を実証する。例として、Mac−1、Thy
1、Ig重鎖、Ter−81(赤血球系マーカー)など
が挙げられるが、その限りではない。10週までの期間
にわたって、非接着細胞集団の数および特徴を決定す
る。試験の終わりに、フローサイトメトリー法または免
疫組織化学的方法で、接着細胞層の細胞組成を決定す
る。代替法として、半固体培地で造血試験を実施する。
さらに2.1%メチルセルロースが存在する条件下で造
血前駆細胞をプレーティングすること以外は、上述の通
りに細胞を調製する。7〜14日後に、組織学的基準、
形態学的基準および免疫学的基準を使用して、赤血球、
マクロファージ、単球の存在について、コロニー形成を
評価する。
【0045】[実施例3] [in vitroで、脂肪組織由来の間質細胞/造血
前駆細胞共培養が、造血前駆細胞の増殖を維持する能
力]実施例1に記載の液体培養条件で確立された脂肪組
織由来の間質細胞と造血前駆細胞の共培養を使用して、
この系が、in vitroで造血前駆細胞の増殖を維
持する能力を評価する。ヒト脂肪組織由来の間質細胞と
ネズミ造血前駆細胞を使用して、共培養を確立する。緑
色蛍光タンパク質またはβガラクトシダーゼ等の追跡可
能なタンパク質マーカーを発現するウイルスベクターを
用いて、培養細胞を形質導入する。あるいは、固有の抗
原またはその起源に起因する遺伝子マーカーの発現、た
とえば間質細胞でのヒトタンパク質の発現、およびネズ
ミ造血細胞でのトランスジェニック特異的マーカーまた
は男性特異的マーカーの発現によって共培養細胞を同定
する。確立された共培養を、トリプシン/EDTAとの
限定されたインキュベーションによって収穫し、致命的
照射を受けた免疫欠損マウスに注入する。動物を経時的
に追跡する。9〜14日後、マウスを屠殺し、造血細胞
島または脾コロニー形成細胞(CFU−S)の出現につ
いて、その脾臓を検査する。あるいはマウスを14日以
上維持し、その循環血球数を、血液学的アッセイおよび
フローサイトメトリーアッセイで決定する。間質細胞の
特異的マーカーの存在および供与体造血細胞を、抗体試
薬または固定された細胞上の特異的DNAマーカーを用
いて、フローサイトメトリーまたは従来の病理学的/組
織学的方法のいずれかで検出する。14日後に、共培養
細胞が受容体においてCFU−Sを確立する能力または
宿主において供与体血球の増殖および成熟を維持する能
力あるいはそれらの両方の能力は、脂肪組織由来の間質
細胞により、in vitroで、造血前駆細胞が連続
して増殖する証拠である。
【0046】[実施例4] [in vitroでの、脂肪組織由来の間質細胞層と
のリンパ球生成共培養の確立]1999年1月29日に
提出の出願番号第09/240,029号に記載されて
いる"Methods and Compositions for the Differentiat
ion of Human Preadipocytes into Adipocytes"に従っ
て、ヒト皮下脂肪組織から間質細胞を単離する。この細
胞を、500〜20,000細胞/cm2の密度でプレ
ーティングする。造血前駆細胞を共培養系に導入する前
に、間質細胞を培養中で1〜3日間確立させる。下記の
ヒト組織の1つから、造血前駆細胞を単離する。骨髄、
臍帯静脈/胎盤血、末梢血、脾臓。あるいは、ネズミ組
織を使用する。無菌条件下で、6〜10週齢のマウスの
骨髄腔をRPMI/10%FSCで洗い流すことによ
り、ネズミ骨髄細胞を回収する。無菌条件下で、細かい
金属スクリーンを物理的に通過させることにより、ネズ
ミ脾細胞を回収する。下記の3つの方法のうち、1つの
方法を使用して、その間質成分の混合造血細胞集団を枯
渇させる。第1の代替法として、確立された技術に従っ
て、抗CD34抗原を使用した磁気免疫ビーズ精製によ
り、血液試料からの造血幹細胞集団を富化させる。第2
の代替法として、骨髄または他の血液試料を、無菌G−
10Sephadexまたはナイロンウールカラムを通
過させ、造血前駆細胞を溶離させ、間質細胞を保持する
ことによって、造血細胞を富化させる。第3の代替法と
して、表面タンパク質特性に基づいたフローサイトメト
リー選別により、造血細胞を富化させる。造血細胞を1
度洗浄し、0.3%の酢酸で赤血球を溶解し、トリパン
ブルー染色した後、血球計を使用して有核細胞の数を算
定する。好ましくは、プレーティングした間質細胞当た
り有核造血細胞10〜100個、さらに好ましくは、プ
レーティングした間質細胞当たり有核造血細胞20〜3
0個、最も好ましくは、プレーティングした間質細胞当
たり有核造血細胞25〜30個の比率で、造血細胞を液
体共培養に導入する。5%のCO2中、RPMI164
0、プレスクリーニングした10%のウシ胎児血清、1
0〜200単位/mlのペニシリン、10〜200μg
/mlのストレプトマイシン、0.5〜2mMのLグル
タミン、10〜100μMの2−メルカプトエタノール
からなる培地中で、37℃にて細胞を培養する。共培養
中の培地の半分を3〜4日ごとに取り替える。血球計カ
ウントまたはフローサイトメトリーあるいはそれらの両
方の方法で、培地中の非接着細胞の数を決定する。主要
な造血細胞系統用の定型的な抗体マーカーを使用して、
非接着細胞の特徴を示す表面抗原を実証する。例とし
て、Mac−1、Thy1、Ig重鎖、Ter−81
(赤血球系マーカー)などが挙げられるが、その限りで
はない。10週までの期間にわたって、非接着細胞集団
の数および特徴を決定する。試験の終わりに、フローサ
イトメトリー法または免疫組織化学的方法で、接着細胞
層の細胞組成を決定する。代替法として、半固体培地で
造血試験を実施する。さらに2.1%メチルセルロース
が存在する条件下で造血前駆細胞をプレーティングする
こと以外は、上述の通りに細胞を調製する。7〜14日
後に、組織学的基準、形態学的基準および免疫学的基準
を使用して、B系統リンパ球、ならびに顆粒球、赤血
球、マクロファージ、および単球の存在について、コロ
ニー形成を評価する。あるいは、上記の通り、専門家に
より決定されるB系統リンパ球の増殖および成熟を増進
する濃度のインターロイキン7を加えて、共培養たは半
固体培養あるいはそれらの両方を確立する。上に略述し
た技術は、この成長因子が脂肪組織由来の間質細胞の造
血支持機能に及ぼす影響を評価するのに使用される。
【0047】[実施例5] [in vitroでの、脂肪組織由来の間質細胞層と
の破骨細胞誘発性共培養]1999年1月29日に提出
の出願番号第09/240,029号に記載されてい
る"Methods and Compositions for the Differentiatio
n of Human Preadipocytes into Adipocytes"に従っ
て、ヒト皮下脂肪組織から間質細胞を単離する。この細
胞を、500〜20,000細胞/cm2の密度で24
ウェルプレートにプレーティングする。5%のCO
2中、DMEM(高濃度グルコース)、プレスクリーニ
ングした10%のウシ胎児血清、10〜200単位/m
lのペニシリン、10〜200μgのストレプトマイシ
ン、0.5〜2mMのLグルタミン、0.5〜2mMの
ピルビン酸ナトリウム、10〜100μMの2−メルカ
プトエタノールからなる培地中で、37℃にて細胞を培
養する。間質細胞が確立された3日後、10〜100n
Mの1,25ジヒドロキシビタミンD3または専門家に
より決定された濃度のオステオプロテゲリンリガンドの
いずれかを培地に加える。造血前駆細胞を共培養系に導
入する前に、培地中で6日間、間質細胞を確立させる。
【0048】下記のヒト組織の1つから、造血前駆細胞
を単離する。骨髄、臍帯静脈/胎盤血、末梢血、脾臓。
あるいは、ネズミ組織を使用する。無菌条件下で、6〜
10週齢のマウスの骨髄腔をDMEM(高濃度グルコー
ス)/10%FSCで洗い流すことにより、ネズミ骨髄
細胞を回収する。無菌条件下で、細かい金属スクリーン
を物理的に通過させることにより、ネズミ脾細胞を回収
する。下記の3つの方法のうちの1つの方法を使用し
て、その間質成分の混合造血細胞集団を枯渇させる。第
1の代替法として、確立された技術に従って抗CD34
抗原を使用した磁気免疫ビーズ精製により、血液試料か
らの造血幹細胞集団を富化させる。第2の代替法として
骨髄または他の血液試料を、無菌のG−10Sepha
dexまたはナイロンウールカラムを通過させ、造血前
駆細胞を溶離させて間質細胞を保持することによって、
造血細胞を富化させる。第3の代替法として、フローサ
イトメトリー選別により造血細胞を富化させる。造血細
胞を1度洗浄し、0.3%の酢酸で赤血球を溶解し、ト
リパンブルー染色した後、血球計を使用して、有核細胞
の数を算定する。好ましくは、プレーティングした間質
細胞当たり有核造血細胞10〜100個、さらに好まし
くは、プレーティングした間質細胞当たり有核造血細胞
20〜30個、最も好ましくは、プレーティングした間
質細胞当たり有核造血細胞25〜30個の比率で、造血
細胞を液体共培養に導入する。共培養中の培地の半分を
3〜4日ごとに取り替える。造血細胞の導入後、1,2
5ジヒドロキシビタミンD3またはオステオプロテゲリ
ンの存在下で共培養を引き続き維持する。
【0049】6〜9日の共培養期間の後、リン酸緩衝食
塩水に溶解した3.7%(容量:容量)のホルムアルデ
ヒド0.5mlで5分間、共培養を固定し、アセトン:
エタノール(50:50、容量/容量)で30秒間乾燥
させ、10mMの酒石酸ナトリウム、40mMの酢酸ナ
トリム(pH5.0)、0.1mg/mlのナフトール
AS−MSリン酸(Sigma社製N−5000)、
0.6mg/mlのfastred violet LB塩(Sigm
a社製F−3381)で10分間染色する。染色した培
養を蒸留水ですすぎ、50%のグリセロール/PBS条
件下で保存する。細胞質の赤色染色に基づいて、ウェル
当たりの酒石酸耐性酸ホスファターゼ陽性細胞を光学顕
微鏡で評価する。TRAP+細胞を数値で数え、核が1
〜2個のものを、細胞当たり3個より多い多核細胞と区
別する。このアッセイで、脂肪組織由来の間質細胞がi
n vitroで破骨細胞誘発性前駆体を分化および増
殖できる能力がわかる。この培養手順は、破骨細胞を増
殖させ且つ分化を促進することができる。これは、患者
が本来の破骨細胞を産生できない脆い骨を特徴とする大
理石骨病等のまれな臨床状態に潜在的用途がある。この
in vitro法は、ex vivoで、各人の破骨
細胞前駆体を増殖させ、且つそれらの分化を促進する手
段を提供する。短期または長期の潜在的利益を有する冒
された各人に、この細胞集団を再注入することができ
る。この方法論は非侵襲的であり、且つ専ら自己細胞に
依存する可能性があるため、この手法は、患者各人の治
療に繰返し使用される。
【0050】[実施例6] [骨髄移植および血液学的に妥協した患者の治療方法と
しての脂肪組織由来の間質細胞支持ex vivo造血
の使用]実施例1〜4に略述した共培養モデルは、高用
量化学療法、高線量放射線治療または血球産生および骨
髄機能を弱める他の治療方法を受けている患者の、骨髄
機能の回復促進に使用される可能性がある。待機手法に
先んじて、各個人はその後の自己移植のために、自身の
脂肪組織および血球を供与することができる。免疫を無
防備化する手法の前に、各個人自身の血球と間質細胞と
の共培養で、確立し、増殖させることができる。免疫を
無防備化する手法に続いて、標準輸血方法論に従って、
患者自身の血球と間質細胞との共培養を患者に再注入す
ることができる。これは、外因性造血サイトカイン類の
非存在下または存在下で、共培養に加えるか、患者に直
接投与するかのいずれかで、実施することができる。こ
の方法は患者における血球産生速度を速め、化学療法ま
たは他の免疫を無防備化する手法の総体的な費用および
危険性を低減させる。本手法は、本質的にex viv
oであり、特定の血球系統の産生を増進するように、間
質細胞を操作することが可能である。たとえば、インタ
ーロイキン7を一時的に発現する間質細胞はB系統リン
パ球の迅速な発現を促進し、エリスロポイエチンを発現
する間質細胞は、赤血球の増殖を促進する。
【0051】上に略述した通り、本方法は、主として病
院誘発性血球疾患の治療用にデザインされている。しか
し、自己由来の間質と造血との共培養の大規模なex
vivo産生は、手術中および手術後に輸血を必要とす
る待機手術および非待機手術に潜在的に価値がある。現
在は、輸血を必要とする患者の大半は、他者によって供
与された血液製剤を受ける。このため、認識されていな
い感染性疾患を供与者から移される危険がある。ex
vivoでの血球産生を開発することができれば、各人
は、もはや骨髄腔体積による制限を受けない容量で、自
身の造血細胞集団を増殖させることができる。リサイク
ルシステムを含む細胞工場組織培養方法を使用して、脂
肪組織由来の間質細胞と造血細胞との共培養による血球
の連続的産生が実現可能である。この方法は、供与者か
ら受容者への輸血につきものの血液危険性を回避すると
いう利点があり、その例として、特に、HIV、肝炎、
サイトメガロウイルス、ヤコブ/クロイツフェルト病等
の感染性疾患の伝染が挙げられる。
【0052】[実施例7] [脂肪組織由来の間質細胞の骨格筋筋芽細胞への分化]
1999年1月29日に提出の出願番号第09/24
0,029号に記載されている"Methods and Compositi
ons for the Differentiation of Human Preadipocytes
into Adipocytes"に従って、ヒト皮下脂肪組織から間
質細胞を単離する。この細胞を、500〜20,000
細胞/cm2の密度で24ウェルプレートにプレーティ
ングする。5%のCO2中、DMEM(高濃度グルコー
ス)、プレスクリーニングした10%のウシ胎児血清、
10〜200単位/mlのペニシリン、10〜200μ
gのストレプトマイシン、0.5〜2mMのLグルタミ
ン、0.5〜2mMのピルビン酸ナトリウム、10〜1
00μMの2−メルカプトエタノールからなる培地中
で、37℃にて細胞を培養する。1〜30μMの5'ア
ザシタジンまたは10〜100ng/mlのアンホテリ
シンに、1〜6日間曝露して、S期全体の細胞を、確実
に、これらの薬剤に連続的に曝露させる。この期間に続
いて、アザシタジンまたはアンホテリシンを加えない培
地中で培養を維持する。骨格筋筋芽細胞の特徴的なマー
カーを発現することができる細胞クローンを選択するた
めに、培養を、確立された細胞密度で継続するか、制限
希釈法によりサブクローニングする。形態学的基準(特
に、培養中で多核筋管を形成する能力)、生化学的基準
(特に、ミオシン重鎖キナーゼおよびミオシン軽鎖キナ
ーゼ、骨格筋アクチンおよびミオシンの発現、ならびに
筋原性転写因子、myoDまたはミオゲニンあるいはそ
れらの両方の発現)に基づいて、これらの細胞を選択す
る。
【0053】[実施例8] [脂肪組織由来の間質細胞から分化した骨格筋筋芽細胞
の利用]筋ジストロフィー、筋萎縮症、および癌または
外傷を治療するための外科手技に続発する骨格筋の物理
的損失の治療において、実施例6で発育させた細胞、骨
格筋筋芽細胞を、組織エンジニアリンング目的に使用す
ることができる。脂肪組織からの筋芽細胞の増殖集団の
ex vivoでの発育を使用して、罹患者の骨格筋質
量を補給または修復することができる。ポリ乳酸、ポリ
グルコール酸、コラーゲンまたは筋線維を形成するため
の他の材料を含む生分解性マトリックス中で、筋芽細胞
を培養することができる。次いで、これらを罹患部位に
移植し、縫合により、既存の筋肉、腱または骨につなぎ
とめる。あるいは、ex vivoで増殖させた筋芽細
胞を、ウイルス形質導入、プラスミドトランスフェクシ
ョン、または新規の遺伝子を発現させる他の方法で遺伝
子操作する。今度は、これらの新規遺伝子生成物を発現
させる既存の筋肉部位に、これらの細胞を直接注入して
もよい。この方法は、患者が、重要な骨格筋遺伝子の突
然変異の続発症に悩む筋ジストロフィーに直接適用され
る。同様に、遺伝子操作を受けた間質細胞は、筋肉を不
十分な循環タンパク質のための産生部位に変換する。た
とえば、リポタンパク質リパーゼを発現する脂肪組織由
来の間質細胞を使用して、重度心血管疾患の危険性が高
い生来のリポタンパク質遺伝子に突然変異を含む多くの
患者を治療することができる。
【0054】[実施例9] [Ex vivoでの脂肪細胞由来の幹細胞からの平滑筋の筋
細胞への分化と増殖]1999年1月29日に提出の出
願番号第09/240,029号に記載されている"Met
hods and Compositions for the Differentiation of H
uman Preadipocytes into Adipocytes"に従って、ヒト
皮下脂肪組織から間質細胞を単離する。この細胞を、5
00〜20,000細胞/cm2の密度で24ウェルプ
レートにプレーティングする。5%のCO2中、DME
M(高濃度グルコース)、プレスクリーニングした10
%のウシ胎児血清、10〜200単位/mlのペニシリ
ン、10〜200μgのストレプトマイシン、0.5〜
2mMのLグルタミン、0.5〜2mMのピルビン酸ナ
トリウムからなる培地中で、37℃にて細胞を培養す
る。この培養に、専門家により決定されるが、40ng
/を超えない濃度のトランスフォーミング成長因子βま
たは線維芽細胞成長因子あるいはそれらの両方を加え
る。細胞を単層として培養中で維持するか、I型コラー
ゲンまたは他の生分解性材料(アルギナート、合成ポリ
マーまたはその他)を含む三次元格子で維持する。平滑
筋の筋芽細胞分化に関する形態学的基準、生化学的基
準、および機能的基準に基づいて、細胞を特性決定す
る。基準の例として、平滑筋アクチン、フィブロネクチ
ン、ラミニンおよびその他の細胞外マトリックスタンパ
ク質の発現、および圧力変換器を使用して測定したとき
引張り力を発生させることができる能力、および一列に
並んだ力を三次元格子に構成する力などが挙げられる
が、その限りではない。
【0055】[実施例10] [ex vivoでの、脂肪組織由来の間質細胞から分
化した平滑筋の筋芽細胞の利用]実施例8に記載の平滑
筋の筋芽細胞を使用して、平滑筋機能が弱っている病気
を治療することができる。たとえば、毎年1000人を
超える新生児が、膀胱壁異常に罹る。この障害の重症度
は多様であるが、破壊的なこともあり、容認できる修復
および正常機能への接近を達成するためには、高額の外
科手術を必要とする。多くの場合、膀胱が小さすぎるか
膀胱壁の形成が不完全で、膀胱壁の代替品としての補綴
材料を移植することが必要である。研究中の方法は、膀
胱壁の代替材料としてのブタ腸粘膜下組織の使用を含
む。1つの組織が外科的に移植されてもされなくても、
膀胱壁は、伸長および収縮と関連した適当な物理的特徴
および機械的特徴を実現する。この多くに、機能的平滑
筋細胞が介在する。現行の方法は、ex vivoで平
滑筋細胞を前移植せずに、SIS材料を移植する。外科
医は、網脂肪組織を含む、隣接組織からの線維芽細胞お
よび筋芽細胞の補充を頼みとする。平滑筋の筋芽細胞分
化が可能な脂肪組織由来の間質細胞を利用できると、S
TS材料を、これらの細胞と共にex vivoでプレ
インキュベートすることが可能である。膀胱壁の外科的
修復前に、これらの細胞を導入すると、適当な膀胱の緊
張の改善および獲得が予期される。この方法は、平滑筋
細胞に依存する、全ての弾性軟組織器官に応用できる。
この例としては、小腸、大腸、膣、尿道、および静脈血
管などが挙げられるが、その限りではない。脂肪細胞由
来の間質細胞は、これらの器官のいずれかの欠損の外科
的修復に潜在的な用途がある。
【0056】本明細書に記載の全ての出版物は、本発明
が関係する当業者の水準を示す。各個の出版物が具体的
に且つ個別に引用することにより援用されると指示され
た場合と同程度に、出版物を引用することにより本明細
書の一部をなすものする。
【0057】明瞭さおよび理解の目的で、具体例および
実施例のつもりでかなり詳細に前述の発明を説明してき
たが、ある一定の変更および修飾は、添付のクレームの
範囲内で実行できることは明白であろう。
【0058】[表の説明] [表1]抗体およびPCR検出に基づいた、脂肪組織由
来の間質細胞表面マーカーの特性決定。ヒト脂肪組織由
来の間質細胞中の、記載の表面タンパク質および分析し
た遺伝子は、免疫組織化学的染色、フローサイトメトリ
ーに基づき、且つ/またはポリメラーゼ連鎖反応によ
る。マーカーは、発現される(「陽性」として記載)と
発現されない(「陰性」として記載)に分けられてい
る。
【0059】[表2]構成的にもしくはエンドトキシン
(LPS)誘導後に、脂肪組織由来の間質細胞によって
発現されるサイトカイン類。100ng/mlのリポ多
糖類と共にインキュベートした後、ヒト脂肪組織由来の
間質細胞から単離された総RNAにおける記載のサイト
カイン類を分析した。列挙したオリゴヌクレオチドプラ
イマーを使用して、表に記載のサイトカイン類を検出し
た。全てのサイトカイン類が、構成的方式または誘導可
能方式のいずれかで発現された。
【0060】[表3]定量的ELISA(pg/m
l)。脂肪組織由来の間質細胞分泌サイトカインのLP
S誘導。条件培地中で、100ng/mlのLPSで0
〜24時間誘導したヒト脂肪組織由来の間質細胞から
の、記載のサイトカイン類を、分析した。全てのサイト
カイン類を酵素結合イムノアッセイ(ELISA)で検
出し、pg/規定された培地mlで表す。「*」で示さ
れるサイトカイン類は、分散の一元分析に基づいて、0
時間の時点と比較して、24時間誘導期間内に有意に増
加したことを示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】6ウェルプレートで、ヒト脂肪組織由来の間質
細胞を、DMEM/F10(1:1 容量:容量)、1
0%のウシ胎児血清、100単位/mlのペニシリン、
100μg/mlのストレプトマイシン、およびpH
7.2の7.5mMのHEPES中で集密または静止ま
で培養した。次いで、この細胞を、DMEM/F10
(1:1 容量:容量)、2%のウシ胎児血清、100
単位/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプ
トマイシン、および100ng/mlのリポ多糖類(L
PS)を含有したpH7.2の7.5mMのHEPES
中で、インキュベートした。フェノール/クロロホルム
/酸方法(Chomczynski &Sacchi
(1987) Analytical Biochem
162:156−159)を使用した総RNA抽出お
よび単離のために、細胞を直ちに(時刻「0」)もしく
は4時間後(時刻「4」)に回収した。総RNAの同じ
アリコートを逆転写し、指示されたヒトmRNAに特異
的な下記のプライマーセットを用いたポリメラーゼ連鎖
反応で増幅した。アクチンプライマーは、試料間でロー
ディングを等しくするための陽性対照の役割をした。 アクチン 正 5' AGTAACAGCCCACGGTGTTC 3' 逆 5' AGCCTCCGAAAGGAAATTGT 3' インターロイキン6 (IL-6) 正 5' GTAGCCGCCCCACACAGACAGCC 3' 逆 5' GCCATCTTTGGAAGGTTCAGG 3' インターロイキン8 (IL-8) 正 5' TCTGCAGCTCTGTGTGAAGGT 3' 逆 5' TGAATTCTCAGCCCTCTTCAA 3' 顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF) 正 5' AGCTTCCTGCTCAAGTGCTTAGAG 3' 逆 5' TTCTTCCATCTGCTGCCAGATGGT 3' マクロファージコロニー刺激因子 (M-CSF) 正 5' TTGGGAGTGGACACCTGCAGTCT 3' 逆 5' CCTTGGTGAAGCAGCTCTTCAGCC 3' 顆粒球/単球コロニー刺激因子 (GM-CSF) 正 5' GTCTCCTGAACCTGAGTAGAGACA 3' 逆 5' AAGGGGATGACAAGCAGAAAGTCC 3' Flt3リガンド 正 5' TGGAGCCCAACAACCTATCTC 3' 逆 5' GGGCTGAAAGGCACATTTGGT 3' 白血病阻害因子 (LIF) 正 5' AACAACCTCATGAACCAGATCAGGAGC 3' 逆 5' ATCCTTACCCGAGGTGTCAGGGCCGTAGG 3' 結果として得られるPCR生成物を、2%のアガロース
ゲルを用いた電気泳動にかけ、臭化エチジウム染色し、
写真撮影した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム・オー・ウィルキソン アメリカ合衆国ノースカロライナ州27503, バハマ,ギャロップ・レイン 9706 (72)発明者 ジェフリー・エム・ギンブル アメリカ合衆国ノースカロライナ州27516, チャペル・ヒル,グレンモア・ロード 216

Claims (79)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪組織由来の間質細胞を、骨髄系統経
    路またはB系統リンパ経路に沿って増殖および分化する
    造血支持間質細胞に分化させるための培地であって、分
    化を刺激するのに十分な量で存在する下記の成分(i)
    0%〜20%のウシ胎児血清と、(ii)抗生物質と、
    (iii)インターロイキン類と、(iv)幹細胞因子と、
    (v)flt3リガンドと、(vi)マクロファージ−コ
    ロニー刺激因子と、(vii)顆粒球−単球コロニー刺激
    因子と、(viii)エリスロポイエチンと、(ix)トロン
    ボポイエチンと、(x)オステオプロテゲリンリガンド
    と、(xi)デキサメタゾンと、(xii)ヒドロコルチゾ
    ンと、(xiii)1,25ジヒドロビタミンD3と、(xi
    v)2−メルカプトエタノールとを有するかまたはこれ
    らによって補給された化学的に規定された培地を含むこ
    とを特徴とする培地。
  2. 【請求項2】 前記化学的に規定された培地がDME
    M、αMEM、およびRPMI培地1640からなる群
    から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の培
    地。
  3. 【請求項3】 前記抗生物質がペニシリンであることを
    特徴とする、請求項1に記載の培地。
  4. 【請求項4】 前記抗生物質がストレプトマイシンであ
    ることを特徴とすることを特徴とする、請求項1に記載
    の培地。
  5. 【請求項5】 前記ペニシリンが約10単位/ml〜約
    200単位/mlの量で存在することを特徴とする、請
    求項3に記載の培地。
  6. 【請求項6】 前記ストレプトマイシンが、約10μg
    /ml〜約200μg/mlの量で存在することを特徴
    とする、請求項4に記載の培地。
  7. 【請求項7】 前記インターロイキン類が、インターロ
    イキン1、インターロイキン3、インターロイキン6、
    インターロイキン7、インターロイキン11およびイン
    ターロイキン12からなる群から選択されることを特徴
    とする、請求項1に記載の培地。
  8. 【請求項8】 前記インターロイキン類の量が約5pg
    /ml〜約1ng/mlであることを特徴とする、請求
    項7に記載の培地。
  9. 【請求項9】 前記flt3リガンドが約5pg/ml
    〜約1ng/mlの量で存在することを特徴とする、請
    求項1に記載の培地。
  10. 【請求項10】 前記幹細胞因子が約5pg/ml〜約
    1ng/mlの量で存在することを特徴とする、請求項
    1に記載の培地。
  11. 【請求項11】 前記顆粒球−単球コロニー刺激因子が
    約5pg/ml〜約1ng/mlの量で存在することを
    特徴とする、請求項1に記載の培地。
  12. 【請求項12】 前記マクロファージ−コロニー刺激因
    子が約5pg/ml〜約1ng/mlの量で存在するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の培地。
  13. 【請求項13】 前記エリスロポイエチンが約5単位/
    ml〜約1000単位/mlの量で存在することを特徴
    とする、請求項1に記載の培地。
  14. 【請求項14】 前記トロンボポイエチンが約5pg/
    ml〜約1ng/mlの量で存在することを特徴とす
    る、請求項1に記載の培地。
  15. 【請求項15】 前記オステオプロテゲリンリガンド
    が、約5pg/ml〜約1ng/mlの量で存在するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の培地。
  16. 【請求項16】 前記デキサメタゾンが、約1nM〜約
    100nMの量で存在することを特徴とする、請求項1
    に記載の培地。
  17. 【請求項17】 前記ヒドロコルチゾンが、約1nM〜
    約100nMの量で存在することを特徴とする、請求項
    1に記載の培地。
  18. 【請求項18】 前記1,25ジヒドロキシビタミンD
    3が、約1nM〜約100nMの量で存在することを特
    徴とする、請求項1に記載の培地。
  19. 【請求項19】 前記2−メルカプトエタノールが約1
    0μM〜約100μMの量で存在することを特徴とす
    る、請求項1に記載の培地。
  20. 【請求項20】 骨髄細胞の場合、前記培地が約33℃
    の温度でインキュベートされることを特徴とする、請求
    項1に記載の培地。
  21. 【請求項21】 B系統リンパ細胞の場合、前記培地が
    約37℃の温度でインキュベートされることを特徴とす
    る、請求項1に記載の培地。
  22. 【請求項22】 脂肪組織由来の間質細胞を骨格筋の筋
    細胞に分化させるための培地であって、分化を刺激する
    のに十分な量で存在する下記の成分(i)0.5%〜2
    0%のウシ胎児血清と、(ii)抗生物質と、(iii)グ
    ルタミンと、(iv)ピルビン酸ナトリウムと、(v)2
    −メルカプトエタノールと、(vi)5'アザシタジンま
    たはアンホテリシンとを有するかまたはこれらによって
    補給された化学的に規定された培地を含むことを特徴と
    する培地。
  23. 【請求項23】 前記化学的に規定された培地がDME
    M、αMEM、4RPMI培地1640からなる群から
    選択されることを特徴とする、請求項22に記載の培
    地。
  24. 【請求項24】 前記抗生物質がペニシリンであること
    を特徴とする、請求項22に記載の培地。
  25. 【請求項25】 前記抗生物質がストレプトマイシンで
    あることを特徴とする、請求項22に記載の培地。
  26. 【請求項26】 前記ペニシリンが約10〜約200単
    位/mlの量で存在することを特徴とする、請求項24
    に記載の培地。
  27. 【請求項27】 前記ストレプトマイシンが、約10μ
    g/ml〜約200μg/mlの量で存在する、請求項
    25に記載の培地。
  28. 【請求項28】 前記ピルビン酸ナトリウムが約0.5
    mM〜約2mMの量で存在することを特徴とする、請求項
    22に記載の培地。
  29. 【請求項29】 前記2−メルカプトエタノールが約1
    0μM〜約100μMの量で存在することを特徴とする、
    請求項22に記載の培地。
  30. 【請求項30】 前記5'アザシタジンが、前記間質細
    胞を骨格筋の筋細胞に分化させるのに十分な量で存在す
    ることを特徴とする、請求項22に記載の培地。
  31. 【請求項31】 前記5'アザシタジンが約1μM〜約3
    0μMの量で存在する、請求項30に記載の培地。
  32. 【請求項32】 前記アンホテリシンが、前記間質細胞
    を骨格筋の筋細胞に分化させるのに十分な量で存在す
    る、請求項22に記載の培地。
  33. 【請求項33】 前記アンホテリシンが、約10ng/
    ml〜約100ng/mlの量で存在する、請求項32
    に記載の培地。
  34. 【請求項34】 脂肪組織由来の間質細胞を平滑筋の筋
    芽細胞に分化させるための培地であって、分化を刺激す
    るのに十分な量で存在する下記の成分(i)0〜10%
    のウシ胎児血清と、(ii)抗生物質と、(iii)グルタ
    ミンと、(iv)ピルビン酸ナトリウムと、(v)トラン
    スフォーミング成長因子βまたは線維芽細胞成長因子
    と、(vi)生分解性材料からなる三次元マトリックスと
    を有するかまたはこれらによって補給された化学的に規
    定された培地を含むことを特徴とする培地。
  35. 【請求項35】 前記化学的に規定された培地がDME
    M、αMEM、およびRPMI培地1640からなる群
    から選択されることを特徴とする、請求項34に記載の
    培地。
  36. 【請求項36】 前記抗生物質がペニシリンであること
    を特徴とする、請求項34に記載の培地。
  37. 【請求項37】 前記抗生物質がストレプトマイシンで
    あることを特徴とする、請求項34に記載の培地。
  38. 【請求項38】 前記ペニシリンが約10単位/ml〜
    約200単位/mlの量で存在することを特徴とする、
    請求項36に記載の培地。
  39. 【請求項39】 前記ストレプトマイシンが、約10μ
    g/ml〜約200μg/mlの量で存在することを特
    徴とする、請求項37に記載の培地。
  40. 【請求項40】 前記ピルビン酸ナトリウムが約0.5
    〜約2mMの量で存在することを特徴とする、請求項3
    4に記載の培地。
  41. 【請求項41】 前記トランスフォーミング成長因子β
    が約20ng/ml〜約40ng/mlの量で存在する
    ことを特徴とする、請求項34に記載の培地。
  42. 【請求項42】 前記線維芽細胞成長因子が約20ng
    /ml〜約40ng/mlの量で存在することを特徴と
    する、請求項34に記載の培地。
  43. 【請求項43】 前記生分解性材料が、I型コラーゲ
    ン、アルギナート、または他の合成型ポリマーからなる
    群から選択されることを特徴とする、請求項34に記載
    の培地。
  44. 【請求項44】 脂肪組織由来の間質細胞を、骨髄系統
    経路またはB系統リンパ経路に沿って増殖および分化す
    る造血支持間質細胞に分化させる方法であって、(a)
    前記間質細胞を約30,000細胞/cm2の密度で
    チャンバスライドにプレーティングするステップと、 (b) Dulbeccoの改良型Eagle培地(D
    MEM)またはHam’s F−10を含む培地中で、
    培養中の細胞を約8日間維持するステップと、 (c) 前記培地に (i) 1%〜20%のウシ胎児血清と、 (ii) 抗生物質と、 (iii) インターロイキン類と、 (iv) 幹細胞因子と、 (v) flt3リガンドと、 (vi) マクロファージ−コロニー刺激因子と、 (vii) 顆粒球−単球コロニー刺激因子と、 (viii) エリスロポイエチンと、 (ix) トロンボポイエチンと、 (x) オステオプロテゲリンリガンドと、 (xi) デキサメタゾンと、 (xii) ヒドロコルチゾンと、 (xiii) 1,25ジヒドロビタミンD3と (xiv) 2−メルカプトエタノールと を補給するステップと、(d) 免疫組織化学法、フロ
    ーサイトメトリー、免疫蛍光法および細胞個体群におけ
    るmRNA発現などを含むがその限りではない様々な技
    術を使用して、骨髄系統またはBリンパ系統の細胞と一
    致する細胞表面タンパク質の発現を検査するステップと
    を含むことを特徴とする、方法。
  45. 【請求項45】 前記抗生物質がペニシリンであること
    を特徴とする、請求項44に記載の培地。
  46. 【請求項46】 前記抗生物質がストレプトマイシンで
    あることを特徴とする、請求項44に記載の培地。
  47. 【請求項47】 前記ペニシリンが約10〜約200単
    位/mlの量で存在することを特徴とする、請求項45
    に記載の培地。
  48. 【請求項48】 前記ストレプトマイシンが、約10μ
    g/ml〜約200μg/mlの量で存在することを特
    徴とする、請求項46に記載の培地。
  49. 【請求項49】 前記インターロイキン類が、インター
    ロイキン1、インターロイキン3、インターロイキン
    6、インターロイキン7、インターロイキン11、イン
    ターロイキン12からなる群から選択されることを特徴
    とする、請求項44に記載の培地。
  50. 【請求項50】 前記インターロイキン類の量が約5p
    g/ml〜約1ng/mlで存在することを特徴とす
    る、請求項49に記載の培地。
  51. 【請求項51】 前記flt3リガンドが約5pg/m
    l〜約1ng/mlの量で存在することを特徴とする、
    請求項44に記載の培地。
  52. 【請求項52】 前記幹細胞因子が約5pg/ml〜約
    1ng/mlの量で存在することを特徴とする、請求項
    44に記載の培地。
  53. 【請求項53】 前記顆粒球−単球コロニー刺激因子が
    約5pg/ml〜約1ng/mlの量で存在することを
    特徴とする、請求項44に記載の培地。
  54. 【請求項54】 前記マクロファージ−コロニー刺激因
    子が約5pg/ml〜約1ng/mlの量で存在するこ
    とを特徴とする、請求項44に記載の培地。
  55. 【請求項55】 前記エリスロポイエチンが約5単位/
    ml〜約1000単位/mlの量で存在することを特徴
    とする、請求項44に記載の培地。
  56. 【請求項56】 前記トロンボポイエチンが約5pg/
    ml〜約1ng/mlの量で存在することを特徴とす
    る、請求項44に記載の培地。
  57. 【請求項57】 前記オステオプロテゲリンリガンド
    が、約5pg/ml〜約1ng/mlの量で存在するこ
    とを特徴とする、請求項44に記載の培地。
  58. 【請求項58】 前記デキサメタゾンが、約1nM〜約
    100nMの量で存在することを特徴とする、請求項4
    4に記載の培地。
  59. 【請求項59】 前記ヒドロコルチゾンが、約1nM〜
    約100nMの量で存在することを特徴とする、請求項
    44に記載の培地。
  60. 【請求項60】 前記1,25ジヒドロキシビタミンD
    3が、約1nM〜約10nMの量で存在することを特徴
    とする、請求項44に記載の培地。
  61. 【請求項61】 前記2−メルカプトエタノールが約1
    0μM〜約100μMの量で存在することを特徴とする、
    請求項44に記載の培地。
  62. 【請求項62】 脂肪組織由来の間質細胞を、骨格筋の
    筋細胞に分化させる方法であって、 (a) 前記間質細胞を約500〜約20,000細胞
    /cm2の密度でチャンバスライドにプレーティングす
    るステップと、 (b) Dulbeccoの改良型Eagle培地(D
    MEM)またはHam’s F−10を含む培地中で、
    培養中の細胞を約8日間維持するステップと、 (c) 前記培地に (i) 1%〜10%のウシ胎児血清と、 (ii) 抗生物質と、 (iii) グルタミンと、 (iv) ピルビン酸ナトリウムと、 (v) 2−メルカプトエタノールとを補給するステッ
    プと、 (d) 細胞をアザシタジンまたはアンホテリシンに1
    〜6日間曝露するステップと、 (e) 生化学的表現型または骨格筋筋芽細胞の特徴を
    示すマーカーについて前期細胞を試験するステップとを
    含むことを特徴とする方法。
  63. 【請求項63】 前記抗生物質がペニシリンであること
    を特徴とする、請求項62に記載の方法。
  64. 【請求項64】 前記抗生物質がストレプトマイシンで
    あることを特徴とする、請求項62に記載の方法。
  65. 【請求項65】 前記ペニシリンが約10単位/ml〜
    約200単位/mlの量で存在することを特徴とする、
    請求項63に記載の方法。
  66. 【請求項66】 前記ストレプトマイシンが、約10μ
    g/ml〜約200μg/mlの量で存在することを特
    徴とする、請求項64に記載の方法。
  67. 【請求項67】 前記ピルビン酸ナトリウムが約0.5
    mM〜約2mMの量で存在することを特徴とする、請求項
    62に記載の方法。
  68. 【請求項68】 前記2−メルカプトエタノールが約1
    0μM〜約100μMの量で存在することを特徴とする、
    請求項62に記載の方法。
  69. 【請求項69】 前記5'アザシタジンが約1μM〜約3
    0μMの量で存在することを特徴とする、請求項62に
    記載の方法。
  70. 【請求項70】 前記アンホテリシンが、約10ng/
    ml〜約100ng/mlの量で存在することを特徴と
    する、請求62に記載の方法。
  71. 【請求項71】 脂肪組織由来の間質細胞を、平滑筋の
    筋芽細胞に分化させる方法であって、 (a) 前記間質細胞を約500〜約20,000細胞
    /cm2の密度でチャンバスライドにプレーティングす
    るステップと、 (b) Dulbeccoの改良型Eagle培地(D
    MEM)またはHam’s F−10を含む培地中で、
    細胞を維持するステップと、 (c) 前記培地に (i) 1%〜10%のウシ胎児血清と、 (ii) 抗生物質と、 (iii) グルタミンと、 (iv) ピルビン酸ナトリウムと、 (v) トランスフォーミング成長因子βまたは線維芽
    細胞成長因子あるいはそれらの両方とを補給するステッ
    プと、 (d) 細胞を単層として、あるいはI型コラーゲンま
    たはアルギナート、またはその他の生分解性材料を含む
    三次元格子で維持するステップと、 (e) 生化学的基準または機能的基準について細胞を
    特性決定して、平滑筋の分化を確立するステップとを含
    むことを特徴とする方法。
  72. 【請求項72】 前記抗生物質がペニシリンであること
    を特徴とする、請求項71に記載の方法。
  73. 【請求項73】 前記抗生物質がストレプトマイシンで
    あることを特徴とする、請求項71に記載の方法。
  74. 【請求項74】 前記ペニシリンが約10単位/ml〜
    約200単位/mlの量で存在することを特徴とする、
    請求項72に記載の方法。
  75. 【請求項75】 前記ストレプトマイシンが、約10μ
    g/ml〜約200μg/mlの量で存在することを特
    徴とする、請求項73に記載の方法。
  76. 【請求項76】 前記ピルビン酸ナトリウムが約0.5
    mM〜約2mMの量で存在することを特徴とする、請求項
    71に記載の方法。
  77. 【請求項77】 前記トランスフォーミング成長因子β
    が約20ng/ml〜約40ng/mlの量で存在する
    ことを特徴とする、請求項71に記載の方法。
  78. 【請求項78】 前記線維芽細胞成長因子が約20ng
    /ml〜約40ng/mlの量で存在することを特徴と
    する、請求項71に記載の方法。
  79. 【請求項79】 請求項44に記載の方法で作成された
    造血細胞。
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