JP2001103808A - 草花植生用シート - Google Patents

草花植生用シート

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JP2001103808A JP28842499A JP28842499A JP2001103808A JP 2001103808 A JP2001103808 A JP 2001103808A JP 28842499 A JP28842499 A JP 28842499A JP 28842499 A JP28842499 A JP 28842499A JP 2001103808 A JP2001103808 A JP 2001103808A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種子の量、播種の間隔を考慮することなく、
また、栽培面積の大小を問わずに播種することができ、
発芽率のよい草花植生用シートを提供する。 【解決手段】 繊維状物からなる水分散性シートと、該
水分散性シート上に設けた水溶性物質含有シートと、草
花種子とを有し、該水分散性シートと該水溶性物質含有
シートが、該水分散性シートと該水溶性物質含有シート
との間に複数の空間を形成するようにパターン状に相互
に結合され、該複数の空間に該草花種子が1〜4g/m
2の密度で封入されていることを特徴とする草花植生用
シートを用いて播種する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栽培面積の大小を
問わず、再現性よく、簡単に草花の種子を栽培して開花
させることができる草花植生用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】草花の栽培には、苗、球根、種子等によ
る方法がある。苗や球根は、開花までの日数も短く、比
較的容易に草花を開花させることができるが、苗や球根
は種子に比べて高価である。一方、種子からの栽培方法
には、例えば、手播き方法と吹付機械を使用する方法が
ある。手播き方法は、例えばレーキを使用して種子の播
き溝を作り、そこに種子を手で播き、さらに覆土して行
われる。吹付機械による方法は、例えば、種子、水、肥
料、土等を混合したものを、地面に吹き付けて行われ
る。しかしながら、手播き方法は、安価ではあるが、播
き溝の深さ、種子の量、種の間隔、覆土の量に関してあ
る程度の知識を要し、これらの播種条件の僅かな違いで
発芽しない、生育が悪い、花が咲かない等、再現性よく
草花の種子を栽培して開花させることが難しい。また、
吹付機械による方法は、例えば1000m2を越える大
面積に通常使用されるものである。このような機械は、
一般家庭や小さな花壇では使用されないのが普通であ
る。さらに、手播き方法と吹付機械を使用する方法で
は、法面や河川敷で施工する場合、降雨や風により種子
が流失したり飛散したりするため、種子を使用すること
は、このような場所における草花の栽培には不向きであ
った。ところで、複数の一体化した種子袋を用いた播種
方法は公知である(登録実用新案公報第3052467号参
照)。この方法は、水溶性袋の中に草花種子と培養土が
併存している種子袋を地面に置いて散水することによ
り、種蒔きを可能とするものである。しかしながら、袋
材としてPVA等の水溶性物質含有シートのみを使用す
るため、散水時に種が流出して発芽むらが生じ、草花の
生育が悪く花が咲かないことがあるという欠点があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、種子
の量、播種の間隔を考慮することなく、また、栽培面積
の大小を問わずに播種することができ、発芽率のよい草
花植生用シートを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究した結果、繊維状物からなる水
分散性シートの上部に水溶性物質含有シートを設け、水
分散性シートと水溶性物質含有シートとを結合してパタ
ーン状に形成した複数の空間に、草花種子を1〜4g/
2の密度で封入することによって、上記播種の問題点
を克服することができることを見出した。即ち、本発明
は、繊維状物からなる水分散性シートと、該水分散性シ
ート上に設けた水溶性物質含有シートと、草花種子とを
有し、該水分散性シートと該水溶性物質含有シートが、
該水分散性シートと該水溶性物質含有シートとの間に複
数の空間を形成するようにパターン状に相互に結合さ
れ、該複数の空間に該草花種子が1〜4g/m2の密度
で封入されていることを特徴とする草花植生用シートに
関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。本
発明で用いる繊維状物からなる水分散性シートは、水に
よって分散されるシートであれば特に限定されることな
く、各種繊維状物からなるシートを使用することができ
る。このようなシートとしては、例えば、パルプを漉く
ことによって得られる紙シート、特にトイレットペーパ
ーが好適である。水分散性シートに含まれる繊維状物の
太さは、例えば直径0.01〜1mm、好ましくは直径
0.1〜0.5mmであり、長さは、例えば0.5〜5m
m、好ましくは1〜3mmである。水分散性シートの秤量
は、例えば5〜20g/m2、好ましくは、8〜12g
/m2のものが使用される。5g/m2より軽いものは、
破れやすいので好ましくない。20g/m2より重いも
のは、水溶解しにくい、散水後、乾燥により繊維状物が
硬くなり、発芽不良の原因になる等の点から好ましくな
い。
【0006】本発明で上記水分散性シートの上に設けら
れる水溶性物質含有シートは、水に溶解する物質を含む
シートであれば、特に限定されることなく、各種シート
を使用することができる。このようなシートとしては、
水溶性材料からなるものだけでなく、そのような水溶性
材料と水不溶性材料とを組み合わせたシートでもよい。
水溶性材料からなるものとしては、例えば、水溶性の高
分子フィルム、特に水溶性PVAフィルム、水溶性ビニ
ロンフィルムが好適である。一方、水溶性材料と不溶性
材料とを組み合わせたシートとしては、例えば、水溶性
PVA繊維と、綿、麻、レーヨン等の天然繊維を混綿し
た不織布を用いてもよい。不織布を用いることにより、
法面等の種子が流失、飛散しやすい場所でも、種子が流
失等することなく施工することができる。水溶性材料と
不溶性材料とを組み合わせたシートには、例えば、20
〜100g/m2、好ましくは40〜80g/m2のもの
を用い、水溶性材料と不溶性材料とを組み合わせたシー
トに対する不溶性材料の混合割合は、20〜60質量
%、好ましくは30〜50質量%である。不溶性材料の
割合が20質量%より低いと上記種子の流失防止等の効
果が得られず、60質量%より多いと発芽の妨げとなる
ので好ましくない。
【0007】水溶性物質含有シートの厚さは、例えば、
20〜120μm、好ましくは、40〜80μmであ
る。20μmより薄いものは、強度不足の点から、例え
ば水分散性シートとパターン状に結合する際、破れやす
くなるので好ましくない。また、120μmより厚いも
のは、経済性の問題や、散水時に溶けにくいという点か
ら好ましくない。このように、繊維状物からなる水分散
性シートの上に水溶性物質含有シートを設けたものに散
水すると、水溶性物質含有シート中の水溶性材料は溶解
し、水分散性シートを構成する繊維状物の上に付着す
る。水溶性材料が溶解した溶解物が繊維状物に付着する
と、全体として保水性とタック性が生じる。つまり、当
該溶解物が繊維状物、例えばパルプ繊維に吸着されるこ
とによって、長期間にわたって発芽に必要な水分を種子
に供給できると共に、繊維状物に種子が保持されやすく
なるので、風雨等による種子の流出、飛散を防止するこ
とができる。
【0008】繊維状物からなる水分散性シートと水溶性
物質含有シートは、両シートの間に複数の空間が形成さ
れるように、パターン状に相互に結合される。結合パタ
ーンには、草花植生用シートの上面から見て、例えば格
子状、千鳥格子状、円状等があり、形成された空間の断
面の形状は、草花植生用シートの側面から見て、例えば
円形、長円形、紡錘形、矩形、正方形等になるが、一般
には紡錘形となる。結合は、例えば熱溶着、水溶性糸に
よる縫合等によって行われ、接着しろは、結合強度の面
から、3〜6mm、好ましくは、2〜4mmの幅である。接
着しろで囲まれた空間を上面から見たときの平面の大き
さは、例えば、格子状であれば一辺が5〜30mm、好
ましくは10〜25mmであり、当該平面の面積は、例
えば25〜900mm2、好ましくは100〜625m
2である。また、1つの空間の体積は、例えば50〜
1800mm3、好ましくは、200〜1250mm3
ある。
【0009】上記空間に封入される種子は、草花の種
子、好ましくは草本類に属する草花の種子である。本発
明で好ましく使用される種子には、例えば、ジニア、ポ
ピー、ハナビシソウ、カスミソウ、ワスレナグサ、ヤグ
ルマソウ、アリッサム、フランスギク、オオキンケイギ
ク、カワラナデシコ、ルピナス、ルドベキアがある。種
子は、1〜4g/m2、好ましくは2〜3g/m2の量で
播種される。換言すれば、種子の大きさにもよるが、ヤ
グルマソウの種では、例えば50〜100粒/m 2、好
ましくは70〜90粒/m2で播種される。種子は、全
体の0.5〜2%、好ましくは0.8〜1.2%の空間
に封入される。上記密度で播種される場合には、ある空
間では全く種子の封入されていないものもある。従っ
て、種子の種類にもよるが、種子は、一般に5〜30c
m間隔、好ましくは10〜20cm間隔で封入される。
このように、単位面積当たりの種子量等を調節するの
は、草花育成の過程で間引きや移植の必要性を低減する
ためである。
【0010】さらに、前記空間の任意の箇所に、肥料を
封入してもよい。これは、例えば種子に適合する肥料を
封入することによって、必要な肥料を選択することな
く、簡易に施肥することが可能となるからである。封入
される肥料は、封入した種子にもよるが、一般に、30
g/m2〜200g/m2、好ましくは50g/m2〜1
00g/m2である。
【0011】また、前記空間の任意の箇所に、培養土を
封入してもよい。培養土は、封入した種子に適合した種
類のものが好ましいが、一般には、バーク堆肥、牛糞、
ピートモス、赤土、鹿沼土、草炭、山砂、パーライト及
びこれらの混合物が使用され、さらに草花がリン酸を吸
いやすくする菌、空中窒素を草花が固定する菌等を混合
したものを使用してもよい。封入される培養土は、一般
に、300g/m2〜2000g/m2、好ましくは50
0g/m2〜1000g/m2である。特に好ましい培養
土は、ピートモスである。ピートモスには、泥炭より炭
化度の低い、草炭であり、特にミズゴケ(sphagnum)に由
来するものである。ピートモスは、一般に体積比で約1
/2に圧縮して、粒径0.1〜3mm、好ましくは粒径1
〜2mmとした粒状物の形で入手可能である。長繊維の構
造物と比べて吸水性があり、急速に水分を吸着して元の
大きさの1.5〜2倍に膨張する。従って、当該ピート
モスを使用することにより、適度な水保持性が得られる
と共に、種子に適合した覆土量を選択することなく、容
易に覆土を施工することが可能となる。ピートモスの量
は、種子の種類にもよるが、絶乾時で一般に、10g/
2〜200g/m2、好ましくは30g/m2〜100
g/m2である。
【0012】前記草花植生用シートに、補強用ネットを
結合してもよい。結合は、草花植生用シートの上に、例
えば熱溶着、水溶性糸で縫合等することによって行われ
るが、好ましくは、水分散性シートと水溶性物質含有シ
ートとの熱溶着と同時に補強用ネットも熱溶着すること
が好ましい。従って、補強用ネットは、水溶性物質含有
シート側の面に、熱溶着によって結合されることが好ま
しい。ネットには、例えばジュート、やし繊維等のよう
な天然繊維が、土壌に還元されやすい点で使用される。
ネットの形状は、例えば格子状、亀甲状等であってもよ
い。ネットに使用される糸の直径は、例えば、0.1〜
10mm、好ましくは1〜3mm、ネットの間隔は、例えば
格子状では10〜50mm四方、好ましくは20〜30mm
四方である。ネットの開口率は、遮光しないため、発芽
を妨げないようにするため等の観点から、高い方が好ま
しく、例えば80〜99%である。なお、ここでいう開
口率とは、ネット全体の面積に対するネットに覆われて
いない面積の割合をいう。
【0013】本発明の草花植生用シートは、例えば、
0.3〜2m、好ましくは、0.5〜1mの幅を有する
長尺物であり、任意の長さに切断した形態、あるいは、
ロールされた形態が取り扱いやすい。
【0014】本発明の草花植生用シートは、水分散性シ
ートを下にして地面に敷設し、その上に任意に施肥、覆
土を行えば播種が完了するが、以下のような植生土壌の
上に敷設することが好ましい。すなわち、植生土壌とし
て、雑草の種子を実質的に有さない土と天然やし繊維と
を容量比で50:50〜95:5、好ましくは、70:
30〜90:10の割合で混合したものを使用する。雑
草の種子を実質的に有さない土を使用するのは、草花は
雑草に比べ、生育が遅く、繁殖力が弱いため、種子栽培
において土壌に雑草の種が含まれていると、草花の生育
や開花状況が悪くなるためであり、例えば深層の土、造
成土が使用される。天然やし繊維には、例えば、やし殻
から長繊維を取り除いた残りの繊維、例えば、0.01
〜5mm、好ましくは0.1〜1mmの粉状繊維、特に10
年以上熱帯地方で野積放置され、草花の生長阻害物質で
ある塩分・タンニン成分が流出したものを使用すること
が好ましい。天然やし繊維を加えると、土壌内に生育に
必要な水分と酸素を適度に保持することができ、これに
より生育を早めて飛来雑草が繁茂する前に草花を生育さ
せることができる。さらに、土壌の保水性を高めるため
に、任意に保水剤を加えてもよい。使用される保水剤に
は、例えば、吸水性ポリマー(興人(株)製、サーモゲル)
等があり、例えば0.1〜5質量%、好ましくは1〜3
質量%の割合で植生土壌に添加される。
【0015】また、本発明の草花植生用シートに施す覆
土には、通常の土壌、培養土等あらゆる土壌が使用でき
るが、ピートモス、天然やし繊維、バーク堆肥等、保水
性の高い繊維素材を使用するのが好適である。好ましく
は、これらの素材を体積比で1/3〜1/10に圧縮成
形して粒径0.5〜5mm、好ましくは粒径1〜3mmとし
た粒状物を用いる。覆土の量は、覆土の種類にもよる
が、約0.3〜3リットル/m2、好ましくは、1〜2リ
ットル/m2である。なお、草花植生用シート中に覆土
が含まれている場合は、覆土を施すことを要しない。
【0016】以下、本発明の実施例の草花植生用シート
について、図面を参照しながら、更に説明する。本発明
の草花植生用シートは、図2に示すように、水分散性シ
ート1と、その上に水溶性物質含有シート2が格子状に
接着しろ3に沿って相互に熱溶着され、複数の空間4が
形成されている。図1に示すように、草花植生用シート
は、長尺物として表現されているが、これに限定される
ものではない。草花植生用シートの空間4には、1〜4
g/m2、好ましくは2〜3g/m2の密度で草花種子が
封入されている。このシートは、まず移動する水分散性
シートの上に、所定の投入量で種子が散布される。この
ため、種子は、全ての空間4に入っているものではな
く、ランダムな状態で空間4のいずれかに封入されてい
る。なお、これら図には、草花種子5のみ封入されてい
る例が示されているが、肥料や土壌等も種子の散布と同
様にして水分散性シートの上に散布して、空間に封入す
ることもできる。
【0017】本発明の草花植生用シートは、一般に、通
常の土壌の上に敷いて使用されるが、好ましくは、上述
した植生土壌に、任意に肥料及び保水剤を加えたものの
上に敷設して使用される。特に、草花植生用シートの飛
散防止のため、好ましくは、草花植生用シートを地面に
敷設した上から金串を刺して、地面に固定される。ま
た、当該植生土壌の下に防草シートを敷くことが、雑草
の繁茂防止の面から見て好ましい。敷設した草花植生用
シート上に、必要に応じて施肥、覆土を行い、播種が完
了する。さらに、草花植生用シートは、はさみ等で容易
にカットできるため、使用にあたっては、任意の大きさ
に切り張りして組み合わせてもよい。これにより、小径
(曲線)、ボーダー(直線)、ベット(円形)といった任意の
形の花壇や、草花種類を任意に選択した花壇を容易に作
ることができる。
【0018】
【実施例】1.草花植生用シートの製造 実施例1 繊維状物からなる水分散性シートとして長さ50m、幅
1mで、10g/m2の水解紙(三島製紙(株)製トイレッ
トペーパー、繊維太さ直径0.1mm、長さ1mm)を用い
た。水分散性シートを5m/分の速度で巻き取りながら
送り、ホッパーに装填した草花種子(雪印種苗製スノー
ブレンド)を、2g/m2の割合で水分散性シート上に
散布した。さらに、緩効性肥料(日本合同肥料製グリー
ンマップIIS)を30g/m2の割合で、ピートモス圧縮
成形材(トスコ製)を30g/m2の割合で散布した。そ
の後、水溶性物質含有シートとして長さ50m、幅1
m、厚さ80μmのPVAフィルム(日本合成化学製ハ
イセロン)を水分散性シート上に重ねた。次に、水溶性
物質含有シートの上から、トスコ(株)製ヒートシール機
を使用して、接着しろ4mmで熱溶着し、10×20mmの
格子状の空間を作成した。
【0019】実施例2 本実施例では、実施例1で水溶性物質含有シートとして
使用したPVAフィルムの代わりに、不織布を使用し、
補強用ネットとしてヤシネットを使用した。不織布は、
水溶性PVA繊維50質量%、レーヨン繊維50質量%
で60g/m2(クラレ(株)製)のものを使用した。本
実施例では、補強用ネットとして、ヤシネット(糸径4
mm、糸間隔40mm、トスコ(株)製)を水溶性物質含有シ
ートの上に重ね、実施例1と同様にして補強用ネットの
上から熱溶着し、10×20mmの格子状の空間を作成し
た。
【0020】2.植生土壌の調製 雑草の種子を実質的に有さない土として、造成土を20
0リットル/m2使用し、これに、緩効性肥料(日本合同
肥料(株)製グリーンマップII)を100g/m 2、保水剤
((株)興人製サールゲル)を50g/m2加えて転耕した
土壌を植生土壌Aとした。さらに植生土壌Aに、天然や
し繊維としてココピート(ヤシダスト)(伊藤忠アグリシ
ステム(株)製)を20リットル/m2加えて同様に転耕し
た土壌を植生土壌Bとした。
【0021】3.草花植生用シートの評価 3−1.平地に敷設した場合の草花植生用シートの評価 平地にて、上記実施例1で作成した草花植生用シートを
植生土壌A又はBの上にそれぞれ敷設し、その上から散
水した。一方、比較例1として、平地にて、実施例1で
使用したものと同じ草花種子(雪印種苗製スノーブレン
ド)のみ2g/m2で植生土壌Aに手播し、散水した。
これらの実験に対する発芽数、草丈、葉張、開花までの
日数を以下の表1に示す。表中、発芽数は、播種してか
ら1月後の発芽数を示し、草丈及び葉張は、1月後の平
均値を示す。
【表1】表1:実施例1の草花植生用シートを使用した
場合の評価 発芽数、草丈、葉張、開花までの日数ともに、実施例1
は、比較例1に比べて良好な値を示した。特に、実施例
1(土壌B)の約1ヶ月間の生育速度(草丈、葉張)は、
比較例1の約2倍であり、その後の開花までにも日数が
かからない(約1/2)ことが分かる。即ち、本発明の草
花植生用シートを使用することにより、発芽率がよく、
生育のよい草花を咲かせることができることが分かっ
た。さらに本発明の草花植生用シートを雑草の種子を実
質的に有さない土と天然やし繊維とを混合した植生土壌
Bに敷設すると当該効果がさらに顕著に発揮されること
が分かった。
【0022】3−2.法面に敷設した場合の草花植生用
シートの評価 法面(45度勾配)にて、上記実施例2で作成した草花植
生用シートを植生土壌A又はBの上にそれぞれ敷設し、
草花植生用シートを通して金串を地面に刺すことによっ
て当該シートを固定し、その上から散水した。一方、比
較例2として、同様の法面で、実施例2で使用したもの
と同じ草花種子(雪印種苗製スノーブレンド)のみ2g
/m2で植生土壌Aに手播し、散水した。これらの実験
に対する発芽数、草丈、葉張、開花までの日数を以下の
表2に示す。表中、発芽数は、播種してから1月後の発
芽数を示し、草丈及び葉張は、1月後の平均値を示す。
【表2】表2:実施例2の草花植生用シートを使用した
場合の評価 発芽数、草丈、葉張、開花までの日数ともに、実施例2
は、比較例2より良好な値を示した。また、実施例2の
中では、植生土壌Aを使用したものより植生土壌Bを使
用した方が、良好な値を示した。特に発芽数について、
比較例2と比べ、実施例2(土壌A)で約1.9倍、実施
例2(土壌B)で2.2倍の値を示している。これは、
本発明の草花植生用シートが種子の流失、飛散を防止し
たためと考えられ、本発明の草花植生用シートが法面で
の敷設に適していることを示している。
【0023】
【発明の効果】本発明の草花植生用シートを使用する
と、散水により水溶性物質含有シートの水溶性材料が溶
解して水分散性シートを構成する繊維状物の上に付着
し、全体として保水性とタック性が生じるため、種子の
流出、飛散を防止できる。また、栽培面積の大小を問わ
ず、再現性よく簡単に草花種子の播種を可能とし、及び
発芽率、生育とも良好な草花を生育させることが可能と
なる。また、本発明の草花植生用シートを雑草の種子を
実質的に有さない土と、天然やし繊維とを混合した植生
土壌の上に敷設することにより、さらに生育が良好とな
り、特に雑草が繁茂する前に早期に草花を生育させるこ
とが可能となる。さらに、花色の異なる種子を封入した
本発明の草花植生用シートを組み合わせることにより、
色彩豊かな独創性のある花壇や公園を簡単に造ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の草花植生用シートの平面図である。
【図2】 図1に示す本発明の草花植生用シートのA−
A’断面図である。
【符号の説明】
1:繊維状物からなる水分散性シート 2: 水溶性物質含有シート 3: 接着しろ 4: 空間 5:草花種子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状物からなる水分散性シートと、該
    水分散性シート上に設けた水溶性物質含有シートと、草
    花種子とを有し、該水分散性シートと該水溶性物質含有
    シートが、該水分散性シートと該水溶性物質含有シート
    との間に複数の空間を形成するようにパターン状に相互
    に結合され、該複数の空間に該草花種子が1〜4g/m
    2の密度で封入されていることを特徴とする草花植生用
    シート。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018117597A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 イビデングリーンテック株式会社 害獣対策植生シートおよび植生方法

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