JP2001100355A - 熱現像画像記録材料 - Google Patents

熱現像画像記録材料

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JP2001100355A JP27359199A JP27359199A JP2001100355A JP 2001100355 A JP2001100355 A JP 2001100355A JP 27359199 A JP27359199 A JP 27359199A JP 27359199 A JP27359199 A JP 27359199A JP 2001100355 A JP2001100355 A JP 2001100355A
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Dmax(最高濃度)が高く、カブリが低
く、かつ保存性もよい画像を得ることが可能であり、さ
らに、環境面・コスト面で有利な水系塗布可能な熱現像
画像記録材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に、非感光性有機銀塩、還元
剤、およびバインダーを有する熱現像画像記録材料にお
いて、前記非感光性有機銀塩が1,800kg/cm2
以上の超高圧分散機で微粒子化することにより調製され
ることを特徴とする、熱現像画像記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像画像記録材料
に関するものであり、特に写真製版用に適したスキャナ
ー、イメージセッター用熱現像画像記録材料および医療
用熱現像画像記録材料に関し、さらに詳しくは、Dma
x(最高濃度)が高く、カブリが低く、かつ保存性も良
い画像を得ることが可能な、写真製版用および医療用の
熱現像画像記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】支持体上に感光層を有し、画像露光する
ことで画像形成を行う感光材料が、数多く知られてい
る。その中には、環境保全に寄与し画像形成手段を簡易
化できるシステムとして、熱現像により画像を形成する
技術がある。近年、写真製版分野においては環境保全や
省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれるよ
うになっている。そこで、レーザー・スキャナーまたは
レーザー・イメージセッターにより効率的に露光させる
ことができ、かつ高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な
黒色画像を形成することができる写真製版用途の熱現像
画像記録材料に関する技術開発が必要とされている。こ
のような熱現像画像記録材料によれば、溶液系処理化学
薬品を必要としない、より簡単で環境を損なわない熱現
像処理システムを顧客に対して供給することが可能にな
る。
【0003】熱現像により画像を形成する方法は、例え
ば米国特許第3,152,904号明細書、同第3,4
57,075号明細書、およびD.モーガン(Morg
an)とB.シェリー(Shely)による「熱によっ
て処理される銀システム(Thermally Pro
cessed Silver Systems)A」
(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアル
ズ(Imaging Processes and M
aterials)Neblette 第8版、スター
ジ(Sturge)、V.ウォールワーズ(Walwo
rth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、
1969年)に記載されている。このような熱現像画像
記録材料は、還元可能な非感光性の銀源(例えば有機銀
塩)、触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、お
よび銀の還元剤を通常有機バインダーマトリックス中に
分散した状態で含有する。画像記録材料は常温で安定で
あるが、露光後に高温(例えば、80℃以上)に加熱し
たときに、還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と
還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。こ
の酸化還元反応は露光により形成された潜像の触媒作用
によって促進される。露光領域中の還元可能な銀塩の反
応によって生成した銀は黒色になり、非露光領域と対照
をなすことから画像の形成がなされる。
【0004】従来から知られている熱現像画像記録材料
は、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、メタノ
ールなどの有機溶剤を溶媒とする塗布液を塗布すること
により画像形成層を形成しているものが多い。有機溶剤
を溶媒として用いることは、製造工程で人体へ悪影響が
及ぶだけでなく、溶剤の回収その他の工程が必要になる
ためコスト上も不利である。
【0005】そこで、水を溶媒とする塗布液を用いて画
像形成層を形成する方法が提案されている。例えば特開
昭49−52626号公報、特開昭53−116144
号公報などには、ゼラチンをバインダーとする画像形成
層が記載されている。また特開昭50−151138号
公報には、ポリビニルアルコールをバインダーとする画
像形成層が記載されている。さらに特開昭60−617
47号公報には、ゼラチンとポリビニルアルコールを併
用した画像形成層が記載されている。これ以外の例とし
て特開昭58−28737号公報には、水溶性ポリビニ
ルアセタールをバインダーとする画像形成層が記載され
ている。このようなバインダーを用いれば、水溶媒の塗
布液を用いて画像形成層を形成することができるため、
環境面およびコスト面のメリットは大きい。
【0006】しかしながら、ゼラチン、ポリビニルアル
コール、水溶性ポリアセタールなどのポリマーをバイン
ダーとして用いると、現像部の銀色調が本来好ましいと
される黒色からかけ離れた茶色や黄色になるうえ、露光
部の黒化濃度が低くて未露光部の濃度が高い等の問題が
あり、商品価値が著しく損なわれたものしか得られなか
った。また、有機銀塩との相溶性が悪く、塗布面質上実
用に耐える塗布物が得られないという問題もあった。
【0007】欧州特許公開第762,196号公報、特
開平9−90550号公報等には、熱現像画像記録材料
に用いる感光性ハロゲン化銀粒子に第VII族またはV
III族の金属イオンまたは金属錯体イオンを含有させ
ること、および画像記録材料中にヒドラジン誘導体を含
有せしめて高コントラストな写真特性を得ることができ
ることが開示されている。しかし、水溶媒の塗布液で用
いる上記バインダーとヒドラジンのような造核剤を併用
すると、高コントラストな画像を得ることはできるが、
カブリが生じやすい問題があった。このため、Dmax
(最高濃度)が高く、カブリが低い写真製版用途に最適
な画像を得ることが可能な写真製版用の熱現像画像記録
材料を提供することが望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の解決
しようとする第一の課題は、Dmax(最高濃度)が高
く、カブリが低く、かつ保存性もよい画像を得ることが
可能な熱現像画像記録材料を提供することにある。さら
に、本発明の解決しようとする第二の課題は環境面・コ
スト面で有利な水系塗布可能な熱現像画像記録材料を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決するために鋭意検討を進めた結果、一定の圧力下で
微粒子化した非感光性有機銀塩を用いれば優れた熱現像
画像記録材料を製造しうることを見出し、本発明を提供
するに至った。すなわち本発明は、支持体上に、非感光
性有機銀塩、還元剤、およびバインダーを有する熱現像
画像記録材料において、前記非感光性有機銀塩が1,8
00kg/cm2以上の超高圧分散機で微粒子化したも
のであることを特徴とする、熱現像画像記録材料を提供
するものである。また、本発明は、支持体上に、非感光
性有機銀塩、還元剤、およびバインダーを有する熱現像
画像記録材料において、前記非感光性有機銀塩が、水ま
たは水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン溶液
と、水、有機溶剤または水と有機溶剤との混合物を溶媒
とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液とを、密閉混合手段
中で混合して反応させ、その後、1,800kg/cm
2以上の超高圧分散機で微粒子化したものであることを
特徴とする熱現像画像記録材料を提供するものでもあ
る。
【0010】本発明では、超高圧分散機による微粒子化
を超高圧ジェット流内で行うことが好ましい。また、支
持体上の画像形成層が感光性ハロゲン化銀を含み、画像
形成層のバインダーの50重量%以上がガラス転移温度
が−30℃〜40℃のポリマーラテックスであることが
好ましい。また、支持体上の画像形成層側に形成された
層の少なくとも一層が造核剤を含むことが好ましい。さ
らに、造核剤が、下記式(1)で表される置換アルケン誘
導体、下記式(2)で表される置換イソオキサゾール誘導
体、および下記式(3)で表されるアセタール化合物から
なる群より選ばれる1種以上の化合物であることが好ま
しい。
【0011】
【化2】
【0012】[式(1)において、R1、R2、R3は、そ
れぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸
引性基またはシリル基を表す。式(1)において、R1
Z、R2 とR3、R1とR2、あるいはR3とZは、互いに
結合して環状構造を形成していてもよい。式(2)におい
て、R4は置換基を表す。式(3)において、X、Yはそ
れぞれ独立に水素原子または置換基を表し、A、Bはそ
れぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキ
ルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニ
リノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基またはヘテ
ロ環アミノ基を表す。式(3)において、XとY、あるい
はAとBは、互いに結合して環状構造を形成していても
よい。]
【0013】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の熱現像画
像記録材料について詳細に説明する。本発明の熱現像画
像記録材料は、支持体上に、非感光性有機銀塩、還元
剤、およびバインダーを少なくとも有するものである。
その特徴は、1,800kg/cm2以上の超高圧分散
機で微粒子化した非感光性有機銀塩を用いる点にある。
このような非感光性有機銀塩を用いることによって、D
max(最高濃度)が高く、カブリが低く、かつ保存性
もよい熱現像画像記録材料を提供することができる。
【0014】本発明に用いることができる非感光性有機
銀塩(以下、有機銀塩と記すことがある)は、光に対し
て比較的安定であるが、露光された光触媒(感光性ハロ
ゲン化銀の潜像など)および還元剤の存在下で、80℃
あるいはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形成する
銀塩である。有機銀塩は、還元可能な銀イオン源を含む
任意の有機物質であってよい。有機酸の銀塩、特に(炭
素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪
カルボン酸の銀塩が好ましい。配位子が4.0〜10.
0の範囲の錯体安定度定数を有する有機または無機銀塩
の錯体も好ましい。銀供給物質は、好ましくは画像形成
層の約5〜70重量%を構成することができる。好まし
い有機銀塩として、カルボキシル基を有する有機化合物
の銀塩を挙げることができる。具体的には、脂肪族カル
ボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩を挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。脂肪
族カルボン酸の銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸
銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、
ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミ
チン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、リノ
ール酸銀、酪酸銀および樟脳酸銀、これらの混合物など
を挙げることができる。
【0015】本発明においては、上記の有機酸銀ないし
は有機酸銀の混合物の中でも、ベヘン酸銀含有率75モ
ル%以上の有機酸銀を用いることが好ましく、ベヘン酸
銀含有率85モル%以上の有機酸銀を用いることがさら
に好ましい。ここでベヘン酸銀含有率とは、使用する有
機酸銀に対するベヘン酸銀のモル分率を示す。本発明に
用いる有機酸銀中に含まれるベヘン酸銀以外の有機酸銀
としては、上記の例示有機酸銀を好ましく用いることが
できる。
【0016】本発明に好ましく用いられる有機酸銀は、
水または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン
溶液と、水、有機溶剤または水と有機溶剤との混合物を
溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液とを、反応させ
ることにより調製される。例えば、上記の有機酸のアル
カリ金属塩(Na塩、K塩、Li塩等が挙げられる)溶
液または懸濁液と硝酸銀を反応させることにより調製す
ることが好ましい。これらの調製方法については、特願
平11−104187号明細書の段落番号0019〜0
021に記載の方法を用いることができる。
【0017】銀イオン溶液と有機酸アルカリ金属塩との
反応は、密閉容器中で行うことが好ましい。特に、液体
を混合するための密閉手段の中に硝酸銀水溶液および有
機酸アルカリ金属塩溶液を添加することにより有機酸銀
を調製する方法を好ましく用いることができる。具体的
には、特願平11−203413号明細書に記載されて
いる方法を用いることができる。 本発明においては有
機酸銀の調製時に、硝酸銀水溶液および有機酸アルカリ
金属塩溶液、あるいは反応液には水に可溶な分散剤を添
加することができる。ここで用いる分散剤の種類および
使用量については、特願平11−115457号明細書
の段落番号0052に具体例が記載されている。
【0018】本発明に用いる有機酸銀は第3アルコール
の存在下で調製することが好ましい。第3アルコールと
しては、好ましくは総炭素数15以下の化合物が好まし
く、10以下の化合物が特に好ましい。好ましい第3ア
ルコールの例としては、tert−ブタノール等が挙げ
られるが、本発明で使用することができる第3アルコー
ルはこれに限定されない。本発明に用いる第3アルコー
ルの添加時期は有機酸銀調製時のいずれのタイミングで
もよいが、有機酸アルカリ金属塩の調製時に添加して、
有機酸アルカリ金属塩を溶解して用いることが好まし
い。また、本発明で用いる第3アルコールは、有機酸銀
調製時の溶媒としての水に対して重量比で0.01〜1
0の範囲で使用することができるが、0.03〜1の範
囲で使用することが好ましい。
【0019】本発明に用いることができる有機銀塩の形
状やサイズは特に制限されないが、特願平11−104
187号明細書の段落番号0024に記載のものを用い
ることが好ましい。有機銀塩の形状は、有機銀塩分散物
の透過型電子顕微鏡像から求めることができる。有機銀
塩の粒子サイズは、例えば体積加重平均直径は、液中に
分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光の
ゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることに
より得られ、また、透過型電子顕微鏡像から求めること
もできる。平均粒子サイズとしては、0.05μm〜1
0.0μmが好ましい。より好ましい平均粒子サイズは
0.1μm〜5.0μm、さらに好ましい平均粒子サイ
ズは0.1μm〜2.0μmである。単分散性を測定す
る別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準
偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値
の百分率(変動係数)は好ましくは80%以下、より好
ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下であ
る。測定方法としては、上記の方法により得られた粒子
サイズ(体積加重平均直径)から求めることができる。
【0020】本発明に用いる有機銀塩は、脱塩したもの
であることが好ましい。脱塩法は特に制限されず、公知
の方法を用いることができるが、遠心濾過、吸引濾過、
限外濾過、凝集法によるフロック形成水洗等の公知の濾
過方法を好ましく用いることができる。限外濾過の方法
については、特願平11−115457号明細書に記載
の方法を用いることができる。
【0021】本発明では、高S/Nで、粒子サイズが小
さく、凝集のない有機銀塩固体分散物を得る目的で、画
像形成媒体である非感光性有機銀塩を含み、かつ感光性
銀塩を実質的に含まない水分散液を、超高圧分散機を用
いて調製する。超高圧分散機の具体例として、図1また
は図2に示す分散セルを有する分散機が挙げられる。
【0022】図1は分散機の分散セル部の断面図であ
る。図中、1は先端にオリフィス3を有するノズルであ
る。オリフィス3の径は0.1mmから0.2mmで任
意に選べる。材料は好ましくはジルコニア製である。2
はアブゾープションセルと呼ばれ、好ましくは内径0.
5〜1mm(任意に選べる)長さ1cmの、ジルコニア
製などのセルを複数個つなげた構成である。それぞれの
セルの間には内径の大きなPEEK製シール8があり、
凹になっている。4は液反転用プラグ、5は液を層流ま
たは乱流にするカップリング、6は分散前の液の入口、
7は分散後の液の出口である。
【0023】分散前の液は、高圧ポンプで増圧し、入口
6から入り、ノズル1から矢印に示すようにジェット流
となってアブゾープションセル2に突入させる。ジェッ
ト流は液反転用プラグ4で反転してその流体の外側にそ
って戻ってくる。往復の液流の間でせん断力が生じ、分
散または乳化が起こる。またセルのシール8の凹部(後
記図3の説明参照)でミキシングが起こる。出口7に背
圧をかけることもできる。図1の装置は、分散する処理
液を、ディゾルバーやコロイドミルなどで予め粗分散し
て用いることが好ましい。
【0024】図2は別の分散機の分散セル部の断面図で
ある。図中、11は先端にオリフィス13を有するノズ
ルである。オリフィス13の径は0.1mmから0.2
mmで任意に選べる。材料は例えばジルコニア製であ
る。12はアブゾープションセルと呼ばれる内径0.5
〜1mm(任意に選べる)長さ1cmの、ジルコニア製
などのセルで、複数個つなげて使用する。セルの間には
内径の大きなシール18があり、凹になっている。14
はプラグであり、液は反転せず右方向に流れる。15は
液を層流または乱流にするカップリング、16は分散前
の液の入口、17は分散後の液の出口である。19は液
入口16から導入される液と混合する組成物または粉体
の入口である。ここにポンプやホッパーなどの粉体導入
装置を取り付けて、液や粉体を導入する。
【0025】分散前の液は、高圧ポンプで増圧し、入口
16から入り、ノズル11からジェット流となってアブ
ゾープションセル12に突入させる。ジェット流はセル
12の内壁やシール18の凹部でせん断を生じ、分散、
混合、乳化が起こる。出口17に背圧をかけることも好
ましい。図2の分散セルを用いると、ポリビニールアル
コールなどの分散剤と、ウェットケーキ状の有機銀塩
を、あらかじめ粗分散することなく、セルの異なる入口
から導入、分散することができる。図3は、図1および
図2で示したシール8または18の拡大図である。図中
20がアブゾープションセル、21がPEEK製シー
ル、22が凹部である。
【0026】図1および図2では、分散液および組成物
を、分解や蒸発などのない範囲で任意の温度に調節して
から導入することが可能である。また分散後の液は、熱
交換器などで、凍結などのない範囲で任意の温度に冷却
することができる。図2の出口17にさらに図1の分散
セルまたは図2の分散セルをさらに接続することもでき
る。本発明で用いる分散機の具体例としては、BEE
INTERNATIONAL社製、DeBEE200
0、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コ
ーポレーション製、マイクロフルイダイザーM−110
S−EH、G10Zインタラクションチャンバーなどが
挙げられる。
【0027】本発明では、1,800kg/cm2以上
の超高圧分散機を用いて非感光性有機銀塩を微粒子化す
る。図1および図2では、有機銀塩の液の入口(6また
は16)を超高圧にする。超高圧分散機において、1,
800kg/cm2以上の圧力を加える。より好ましく
は2,000kg/cm2以上、さらに好ましくは3,
000kg/cm2 〜5,000kg/cm2の圧力を加
える。圧力は一定であることが好ましい。
【0028】超高圧分散機による微粒子化は、超高圧ジ
ェット流内で行うことが好ましい。ジェット流の初速は
流速300m/秒以上が好ましく、より好ましくは40
0m/秒以上、さらに好ましくは600m/秒以上であ
る。なお、本発明のジェット流とは、液流をいう。
【0029】本発明で用いる有機銀塩固体微粒子分散物
の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。具体
的には、体積荷重平均直径の標準偏差を体積荷重平均直
径で割った値の百分率(変動係数)が80%以下、より
好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下で
ある。
【0030】本発明に用いる有機銀塩固体微粒子分散物
は、少なくとも有機銀塩と水からなるものである。有機
銀塩と水との割合は特に限定されるものではないが、有
機銀塩の全体に占める割合は5〜50重量%であること
が好ましく、特に10〜30重量%の範囲が好ましい。
前述の分散助剤を用いることは好ましいが、粒子サイズ
を最小にするのに適した範囲で最少量使用するのが好ま
しく、有機銀塩に対して0.5〜30重量%、特に1〜
15重量%の範囲が好ましい。本発明で用いる有機銀塩
は所望の量で使用できるが、銀量として0.1〜5g/
2が好ましく、さらに好ましくは1〜3g/m2であ
る。
【0031】本発明にはCa、Mg、ZnおよびAgか
ら選ばれる金属イオンを非感光性有機銀塩へ添加するこ
とが好ましい。Ca、Mg、ZnおよびAgから選ばれ
る金属イオンの非感光性有機銀塩への添加については、
ハロゲン化物でない、水溶性の金属塩の形で添加するこ
とが好ましく、具体的には硝酸塩や硫酸塩などの形で添
加することが好ましい。ハロゲン化物での添加は処理後
の画像記録材料の光(室内光や太陽光など)による画像
保存性、いわゆるプリントアウト性を悪化させるので好
ましくない。このため、本発明ではハロゲン化物でな
い、水溶性の金属塩の形で添加することが好ましい。
【0032】本発明に好ましく用いるCa、Mg、Zn
およびAgから選ばれる金属イオンの添加時期として
は、該非感光性有機銀塩の粒子形成後であって、粒子形
成直後、分散前、分散後および塗布液調製前後など塗布
直前までであればいずれの時期でもよく、好ましくは分
散後、塗布液調製前後である。
【0033】本発明におけるCa、Mg、ZnおよびA
gから選ばれる金属イオンの添加量としては、非感光性
有機銀1モルあたり10-3〜10-1モルが好ましく、特
に5×10-3〜5×10-2モルが好ましい。
【0034】本発明の熱現像画像記録材料は、有機銀塩
のための還元剤を含む。有機銀塩のための還元剤は、銀
イオンを金属銀に還元する任意の物質、好ましくは有機
物質である。フェニドン、ハイドロキノンおよびカテコ
ールなどの従来の写真現像剤は有用であるが、ヒンダー
ドフェノール還元剤が好ましい。還元剤は、画像形成層
を有する面の銀1モルに対して5〜50モル%含まれる
ことが好ましく、10〜40モル%で含まれることがさ
らに好ましい。還元剤の添加層は支持体に対して画像形
成層側のいかなる層でもよい。画像形成層以外の層に添
加する場合は銀1モルに対して10〜50モル%と多め
に使用することが好ましい。また、還元剤は現像時のみ
有効に機能するように誘導化されたいわゆるプレカーサ
ーであってもよい。
【0035】有機銀塩を利用した熱現像画像記録材料に
おいては広範囲の還元剤を使用することができる。例え
ば、特開昭46−6074号公報、同47−1238号
公報、同47−33621号公報、同49−46427
号公報、同49−115540号公報、同50−143
34号公報、同50−36110号公報、同50−14
7711号公報、同51−32632号公報、同51−
1023721号公報、同51−32324号公報、同
51−51933号公報、同52−84727号公報、
同55−108654号公報、同56−146133号
公報、同57−82828号公報、同57−82829
号公報、特開平6−3793号公報、米国特許第3,6
79,426号明細書、同第3,751,252号明細
書、同第3,751,255号明細書、同第3,76
1,270号明細書、同第3,782,949号明細
書、同第3,839,048号明細書、同第3,92
8,686号明細書、同第5,464,738号明細
書、独国特許第2,321,328号明細書、欧州特許
公開第692,732号公報などに開示されている還元
剤を用いることができる。例えば、フェニルアミドオキ
シム、2−チエニルアミドオキシムおよびp−フェノキ
シフェニルアミドオキシムなどのアミドオキシム;例え
ば4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒ
ドアジンなどのアジン;2,2’−ビス(ヒドロキシメ
チル)プロピオニル−β−フェニルヒドラジンとアスコ
ルビン酸との組合せのような脂肪族カルボン酸アリール
ヒドラジドとアスコルビン酸との組合せ;ポリヒドロキ
シベンゼンと、ヒドロキシルアミン、レダクトンおよび
/またはヒドラジンの組合せ(例えばハイドロキノン
と、ビス(エトキシエチル)ヒドロキシルアミン、ピペ
リジノヘキソースレダクトンまたはホルミル−4−メチ
ルフェニルヒドラジンの組合せなど);フェニルヒドロ
キサム酸、p−ヒドロキシフェニルヒドロキサム酸およ
びβ−アリニンヒドロキサム酸などのヒドロキサム酸;
アジンとスルホンアミドフェノールとの組合せ(例え
ば、フェノチアジンと2,6−ジクロロ−4−ベンゼン
スルホンアミドフェノールなど);エチル−α−シアノ
−2−メチルフェニルアセテート、エチル−α−シアノ
フェニルアセテートなどのα−シアノフェニル酢酸誘導
体;2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、
6,6’−ジブロモ−2,2’−ジヒドロキシ−1,
1’−ビナフチルおよびビス(2−ヒドロキシ−1−ナ
フチル)メタンに例示されるようなビス−β−ナフトー
ル;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベン
ゼン誘導体(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノンまたは2’,4’−ジヒドロキシアセトフェノンな
ど)の組合せ;3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾ
ロンなどの5−ピラゾロン;ジメチルアミノヘキソース
レダクトン、アンヒドロジヒドロアミノヘキソースレダ
クトンおよびアンヒドロジヒドロピペリドンヘキソース
レダクトンに例示されるようなレダクトン;2,6−ジ
クロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノールおよび
p−ベンゼンスルホンアミドフェノールなどのスルホン
アミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,
3−ジオンなど;2,2−ジメチル−7−tert−ブ
チル−6−ヒドロキシクロマンなどのクロマン;2,6
−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジ
ヒドロピリジンなどの1,4−ジヒドロピリジン;ビス
フェノール(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−te
rt−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、4,4−エチリデン−ビス(2−tert−ブチル
−6−メチルフェノール)、1,1,−ビス(2−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−ト
リメチルヘキサンおよび2,2−ビス(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど);アスコ
ルビン酸誘導体(例えば、パルミチン酸1−アスコルビ
ル、ステアリン酸アスコルビルなど);ならびにベンジ
ルおよびビアセチルなどのアルデヒドおよびケトン;3
−ピラゾリドンおよびある種のインダン−1,3−ジオ
ン;クロマノール(トコフェロールなど)などがある。
特に好ましい還元剤は、ビスフェノール、クロマノール
である。
【0036】本発明で用いる還元剤は、水溶液、有機溶
媒溶液、粉末、固体微粒子分散物、乳化分散物などいか
なる方法で添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微
細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サン
ドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルな
ど)で行われる。また、固体微粒子分散する際に分散助
剤を用いてもよい。
【0037】本発明の熱現像画像記録材料は、支持体上
の画像形成層が感光性ハロゲン化銀を含むことが好まし
い。本発明に用いる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組
成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、
ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができる。感光
性ハロゲン化銀乳剤の粒子形成については、特開平11
−119374号公報の段落番号0217〜0224に
記載されている方法で粒子形成することができるが、特
にこの方法に限定されるものではない。ハロゲン化銀粒
子の形状としては立方体、八面体、十四面体、平板状、
球状、棒状、ジャガイモ状等を挙げることができるが、
本発明においては特に立方体状粒子あるいは平板状粒子
が好ましい。粒子のアスペクト比、面指数など粒子形状
の特徴については、特開平11−119374号公報の
段落番号0225に記載されているものと同じである。
また、ハロゲン組成の分布はハロゲン化銀粒子の内部と
表面において均一であってもよく、ハロゲン組成がステ
ップ状に変化したものでもよく、あるいは連続的に変化
したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハ
ロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造と
しては好ましくは2〜5重構造、より好ましくは2〜4
重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また
塩化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀を局在させる
技術も好ましく用いることができる。
【0038】本発明で用いるハロゲン化銀粒子の粒径分
布は、単分散度の値が30%以下であり、好ましくは1
〜20%であり、さらに5〜15%である。ここで単分
散度は、粒径の標準偏差を平均粒径で割った値の百分率
(%)(変動係数)として定義されるものである。なお
ハロゲン化銀粒子の粒径は、便宜上、立方体粒子の場合
は稜長で表し、その他の粒子(八面体、十四面体、平板
状など)は投影面積円相当直径で算出する。
【0039】本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子
は、周期律表の第VII族あるいは第VIII族の金属
または金属錯体を含有する。周期律表の第VII族ある
いは第VIII族の金属または金属錯体の中心金属とし
て好ましくはロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニ
ウム、イリジウムである。特に好ましい金属錯体は、
(NH43Rh(H2O)Cl5、K2Ru(NO)C
5、K3IrCl6、K4Fe(CN)6である。これら
金属錯体は1種類でもよいし、同種金属および異種金属
の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀
1モルに対し1×10-9モル〜1×10-3モルの範囲が
好ましく、1×10-8モル〜1×10-4モルの範囲がよ
り好ましい。具体的な金属錯体の構造としては特開平7
−225449号公報等に記載された構造の金属錯体を
用いることができる。これら重金属の種類、添加方法に
関しては、特開平11−119374号公報の段落番号
0227〜0240に記載されている。
【0040】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている水洗法に
より脱塩することができるが、本発明においては脱塩し
てもしなくてもよい。 本発明で用いる感光性ハロゲン
化銀乳剤は化学増感することが好ましい。化学増感につ
いては、特開平11−119374号公報の段落番号0
242〜0250に記載されている方法を用いることが
好ましい。本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州
特許公開第293,917号公報に示される方法によ
り、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
【0041】本発明に用いる感光性ハロゲン化銀に含有
するゼラチンとしては、感光性ハロゲン化銀乳剤の有機
銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するため
に、低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。低分
子量ゼラチンの分子量は、500〜60,000であ
り、好ましくは分子量1,000〜40,000であ
る。これらの低分子量ゼラチンは粒子形成時あるいは脱
塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後の分
散時に使用することが好ましい。また、粒子形成時は通
常のゼラチン(分子量100,000程度)を使用し、
脱塩処理後の分散時に低分子量ゼラチンを使用してもよ
い。
【0042】分散媒の濃度は0.05〜20重量%にす
ることができるが、取り扱い上5〜15重量%の濃度域
が好ましい。ゼラチンの種類としては、通常アルカリ処
理ゼラチンが用いられるが、その他に酸処理ゼラチン、
フタル化ゼラチンの如き修飾ゼラチンも用いることがで
きる。本発明に用いる画像記録材料中のハロゲン化銀乳
剤は、一種だけを用いてもよいし、二種以上(例えば、
平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるも
の、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)
を併用してもよい。
【0043】本発明で用いる感光性ハロゲン化銀の使用
量としては有機銀塩1モルに対して感光性ハロゲン化銀
0.01モル〜0.5モルが好ましく、0.02モル〜
0.3モルがより好ましく、0.03モル〜0.25モ
ルが特に好ましい。別々に調製した感光性ハロゲン化銀
と有機銀塩の混合方法および混合条件については、それ
ぞれ調製を終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速
撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動
ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有
機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した
感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法
等があるが、本発明の効果が十分に得られる限り特に制
限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分
散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合すること
は、写真特性の調節のために好ましい方法である。
【0044】本発明に用いることができる増感色素とし
ては、ハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域
でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源
の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に
選択することができる。例えば、550nm〜750n
mの波長領域を分光増感する色素としては、特開平10
−186572号公報の一般式(II)で表される色素
が挙げられ、具体的にはII−6、II−7、II−14、II
−15、II−18、II−23、II−25の色素を好まし
い色素として例示することができる。また、750〜1
400nmの波長領域を分光増感する色素としては、特
開平11−119374号公報の一般式(I)で表され
る色素が挙げられ、具体的には(25)、(26)、
(30)、(32)、(36)、(37)、(41)、
(49)、(54)の色素を好ましい色素として例示す
ることができる。さらに、J−bandを形成する色素
として、米国特許第5,510,236号明細書、同第
3,871,887号明細書の実施例5に記載の色素、
特開平2−96131号公報、特開昭59−48753
号公報に開示されている色素を好ましい色素として例示
することができる。これらの増感色素は単独で用いても
よく、2種以上組合せて用いてもよい。
【0045】これら増感色素の添加については、特開平
11−119374号公報の段落番号0106に記載さ
れている方法で添加することができるが、特に、この方
法に限定されるものではない。本発明における増感色素
の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量に
することができるが、感光性層のハロゲン化銀1モル当
たり10-6〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10
-4〜10-1モルである。
【0046】本発明は分光増感効率を向上させるため、
強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色
増感剤としては、欧州特許公開第587,338号公
報、米国特許第3,877,943号明細書、同第4,
873,184号明細書に開示されている化合物、複素
芳香族あるいは脂肪族メルカプト化合物、複素芳香族ジ
スルフィド化合物、スチルベン、ヒドラジン、トリアジ
ンから選択される化合物などが挙げられる。特に好まし
い強色増感剤は、特開平5−341432号公報に開示
されている複素芳香族メルカプト化合物、複素芳香族ジ
スルフィド化合物、特開平4−182639号公報の一
般式(I)あるいは(II)で表される化合物、特開平1
0−111543号公報の一般式(I)で表されるスチ
ルベン化合物、特開平11−109547号公報の一般
式(I)で表わされる化合物である。具体的には特開平
5−341432号公報のM−1〜M−24の化合物、
特開平4−182639号公報のd−1)〜d−14)
の化合物、特開平10−111543号公報のSS−0
1〜SS−07の化合物、特開平11−109547号
公報の31、32、37、38、41〜45、51〜5
3の化合物である。これらの強色増感剤の添加量は、乳
剤層中にハロゲン化銀1モル当たり10-4 〜1モルの範
囲が好ましく、ハロゲン化銀1モル当たり0.001〜
0.3モルの範囲がより好ましい。
【0047】本発明の熱現像画像記録材料は、高感度か
つ高コントラストでDmax(最高濃度)の高い写真性
能を得るために、支持体上の画像形成層側に形成された
層の少なくとも一層が造核剤を含むことが好ましい。本
発明で用いる造核剤の種類は特に制限されないが、好ま
しい造核剤として、式(1)で表わされる置換アルケン
誘導体、式(2)で表わされる置換イソオキサゾール誘
導体、および式(3)で表わされるアセタール化合物を
挙げることができる。
【0048】本発明で用いられる式(1)で表わされる
置換アルケン誘導体、式(2)で表わされる置換イソオ
キサゾール誘導体、および式(3)で表わされるアセタ
ール化合物について説明する。
【0049】
【化3】
【0050】式(1)において、R1、R2、R3は、それ
ぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引
性基またはシリル基を表す。式(1)において、R1
Z、R2 とR3、R1とR2、あるいはR3とZは、互いに
結合して環状構造を形成していてもよい。式(2)におい
て、R4は置換基を表す。式(3)において、X、Yはそ
れぞれ独立に水素原子または置換基を表し、A、Bはそ
れぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキ
ルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニ
リノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基またはヘテ
ロ環アミノ基を表す。式(3)において、XとY、あるい
はAとBは、互いに結合して環状構造を形成していても
よい。
【0051】式(1)で表される化合物について詳しく説
明する。式(1)においてR1、R2、R3は、それぞれ独
立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引性基ま
たはシリル基を表す。式(1)において、R1とZ、R2
3、R1とR2、あるいはR3とZは、互いに結合して環
状構造を形成していてもよい。
【0052】R1、R2、R3が置換基を表す時、置換基
の例としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、クロ
ル原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(ア
ラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含
む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテ
ロ環基(N−置換の含窒素ヘテロ環基を含む)、4級化
された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ
基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基また
はその塩、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオ
カルボニル基、スルホニルカルバモイル基、アシルカル
バモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾ
イル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、チ
オカルバモイル基、ヒドロキシ基またはその塩、アルコ
キシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基
単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘ
テロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしく
はアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイル
オキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキ
ル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミ
ノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド
基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)
カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカ
ルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4
級のアンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキル
もしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレ
イド基、アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メ
ルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)
チオ基、アシルチオ基、(アルキルまたはアリール)ス
ルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル
基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、アシル
スルファモイル基、スルホニルスルファモイル基または
その塩、ホスホリル基、リン酸アミドもしくはリン酸エ
ステル構造を含む基、シリル基、スタニル基等が挙げら
れる。これら置換基は、これら置換基でさらに置換され
ていてもよい。
【0053】式(1)においてZで表される電子吸引性基
とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取りうる置
換基のことであり、具体的には、シアノ基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモ
イル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカ
ルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原子、
パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルカンアミド
基、スルホンアミド基、アシル基、ホルミル基、ホスホ
リル基、カルボキシ基(またはその塩)、スルホ基(ま
たはその塩)、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル
基、アシルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ
基、またはこれら電子吸引性基で置換されたアリール基
等である。ここにヘテロ環基としては、飽和もしくは不
飽和のヘテロ環基で、例えばピリジル基、キノリル基、
ピラジニル基、キノキサリニル基、ベンゾトリアゾリル
基、イミダゾリル基、ベンツイミダゾリル基、ヒダント
イン−1−イル基、スクシンイミド基、フタルイミド基
等がその例として挙げられる。
【0054】式(1)においてZで表される電子吸引性基
は、さらに置換基を有していてもよく、その置換基とし
ては、式(1)のR1、R2、R3が置換基を表す時に有し
ていてもよい置換基と同じものが挙げられる。式(1)に
おいて、R1とZ、R2とR3、R1とR2、あるいはR3
Zは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい
が、この時形成される環状構造とは、非芳香族の炭素環
もしくは非芳香族のヘテロ環である。
【0055】次に式(1)で表される化合物の好ましい範
囲について述べる。式(1)に於いてZで表されるシリル
基として好ましくは、具体的にトリメチルシリル基、t
−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル
基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、
トリメチルシリルジメチルシリル基等である。
【0056】式(1)においてZで表される電子吸引性基
として好ましくは、総炭素数0〜30の以下の基、即
ち、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、カルバモイル基、チオカルボニル基、
イミノ基、N原子で置換したイミノ基、スルファモイル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニ
トロ基、パーフルオロアルキル基、アシル基、ホルミル
基、ホスホリル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、ま
たは任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基等であ
り、さらに好ましくは、シアノ基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、イミノ基、スルファモイル基、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル
基、ホルミル基、ホスホリル基、トリフルオロメチル
基、または任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基
等であり、特に好ましくはシアノ基、ホルミル基、アシ
ル基、アルコキシカルボニル基、イミノ基またはカルバ
モイル基である。式(1)においてZで表される基は、電
子吸引性基がより好ましい。
【0057】式(1)においてR1、R2、およびR3で表
される置換基として好ましくは、総炭素数0〜30の基
で、具体的には上述の式(1)のZで表される電子吸引性
基と同義の基、およびアルキル基、ヒドロキシ基(また
はその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、ア
ルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ
基、ウレイド基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、
または置換もしくは無置換のアリール基等が挙げられ
る。
【0058】さらに式(1)においてR1は、好ましくは
電子吸引性基、アリール基、アルキルチオ基、アルコキ
シ基、またはアシルアミノ基、水素原子、またはシリル
基である。R1が電子吸引性基を表す時、好ましくは総
炭素数0〜30の以下の基、即ち、シアノ基、ニトロ
基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、チオカルボニル基、イミ
ノ基、N原子で置換したイミノ基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、トリフルオロメチル基、ホスホリル基、カル
ボキシ基(またはその塩)、または飽和もしくは不飽和
のヘテロ環基であり、さらにシアノ基、アシル基、ホル
ミル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イ
ミノ基、N原子で置換したイミノ基、スルファモイル
基、カルボキシ基(またはその塩)、または飽和もしく
は不飽和のヘテロ環基が好ましい。特に好ましくはシア
ノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基、または飽和もしくは不飽和のヘテ
ロ環基である。R1がアリール基を表す時、好ましくは
総炭素数6〜30の、置換もしくは無置換のフェニル基
であり、置換基としては、任意の置換基が挙げられる
が、中でも電子吸引性の置換基が好ましい。式(1)にお
いてR1は、より好ましくは、電子吸引性基またはアリ
ール基を表す時である。
【0059】式(1)においてR2およびR3で表される置
換基として好ましくは、具体的に、上述の式(1)のZで
表される電子吸引性基と同義の基、アルキル基、ヒドロ
キシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、
アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ア
ミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミ
ノ基、アシルアミノ基、置換もしくは無置換のフェニル
基等である。
【0060】式(1)においてR2およびR3は、さらに好
ましくは、どちらか一方が水素原子で、他方が置換基を
表す時である。その置換基として好ましくは、アルキル
基、ヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(また
はその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ
環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ
環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、
ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基(特にパーフルオロ
アルカンアミド基)、スルホンアミド基、置換もしくは
無置換のフェニル基、またはヘテロ環基等であり、さら
に好ましくはヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト
基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環基であり、特に好まし
くはヒドロキシ基(またはその塩)、アルコキシ基、また
はヘテロ環基である。
【0061】式(1)においてZとR1、あるいはまたR2
とR3とが環状構造を形成する場合もまた好ましい。こ
の場合に形成される環状構造は、非芳香族の炭素環もし
くは非芳香族のヘテロ環であり、好ましくは5員〜7員
の環状構造で、置換基を含めたその総炭素数は1〜4
0、さらには3〜30が好ましい。
【0062】式(1)で表される化合物の中で、より好ま
しいものの1つは、Zがシアノ基、ホルミル基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、イミノ基、またはカルバ
モイル基を表し、R1が電子吸引性基またはアリール基
を表し、R2またはR3のどちらか一方が水素原子で、他
方がヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(また
はその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ
環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ
環チオ基、またはヘテロ環基を表す化合物である。さら
にまた一般式(1)で表される化合物の中で特に好ましい
ものの1つは、ZとR1とが非芳香族の5員〜7員の環
状構造を形成していて、R2またはR3のどちらか一方が
水素原子で、他方がヒドロキシ基(またはその塩)、メル
カプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環基を表す化合物
である。この時、R1と共に非芳香族の環状構造を形成
するZとしては、アシル基、カルバモイル基、オキシカ
ルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基等が好ま
しく、またR1としては、アシル基、カルバモイル基、
オキシカルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル
基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、アシルアミ
ノ基、カルボニルチオ基等が好ましい。
【0063】次に式(2)で表される化合物について説明
する。式(2)においてR4は置換基を表す。R4で表され
る置換基としては、式(1)のR1〜R3の置換基について
説明したものと同じものが挙げられる。R4で表される
置換基は、好ましくは電子吸引性基またはアリール基で
ある。R4が電子吸引性基を表す時、好ましくは、総炭
素数0〜30の以下の基、即ち、シアノ基、ニトロ基、
アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル
基、トリフルオロメチル基、ホスホリル基、イミノ基、
または飽和もしくは不飽和のヘテロ環基であり、さらに
シアノ基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルス
ルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環基が好ま
しい。特に好ましくはシアノ基、ホルミル基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、または
ヘテロ環基である。
【0064】R4がアリール基を表す時、好ましくは総
炭素数0〜30の、置換もしくは無置換のフェニル基で
あり、置換基としては、式(1)のR1,R2,R3が置換
基を表す時にその置換基として説明したものと同じもの
が挙げられる。R4は、特に好ましくはシアノ基、アル
コキシカルボニル基、カルバモイル基、ヘテロ環基、ま
たは置換もしくは無置換のフェニル基であり、最も好ま
しくはシアノ基、ヘテロ環基、またはアルコキシカルボ
ニル基である。
【0065】次に式(3)で表される化合物について詳し
く説明する。式(3)においてX、Yはそれぞれ独立に水
素原子または置換基を表し、A、Bはそれぞれ独立に、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ア
リールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ
環チオ基、ヘテロ環オキシ基、またはヘテロ環アミノ基
を表す。XとY、あるいはAとBは、互いに結合して環
状構造を形成していてもよい。
【0066】式(3)においてX、Yで表される置換基と
しては、式(1)のR1〜R3の置換基について説明したも
のと同じものが挙げられる。具体的には、アルキル基
(パーフルオロアルキル基、トリクロロメチル基等を含
む)、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ
基、ニトロ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル
基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ
基、カルバモイル基、チオカルボニル基、アシルオキシ
基、アシルチオ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、ホス
ホリル基、カルボキシ基(またはその塩)、スルホ基
(またはその塩)、ヒドロキシ基(またはその塩)、メ
ルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリール
オキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、シリル基等が挙げ
られる。これらの基はさらに置換基を有していてもよ
い。またXとYは、互いに結合して環状構造を形成して
いてもよく、この場合に形成される環状構造としては、
非芳香族の炭素環でも、非芳香族のヘテロ環であっても
よい。
【0067】式(3)においてX、Yで表される置換基
は、好ましくは総炭素数1〜40の、より好ましくは総
炭素数1〜30の基であり、シアノ基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカルボ
ニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基、ニトロ基、パーフルオロアルキル
基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、アシルアミ
ノ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、ヘテロ環基、ア
ルキルチオ基、アルコキシ基、またはアリール基等が挙
げられる。
【0068】式(3)においてX、Yは、より好ましくは
シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバ
モイル基、アシル基、ホルミル基、アシルチオ基、アシ
ルアミノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、イミノ
基、N原子で置換したイミノ基、ホスホリル基、トリフ
ルオロメチル基、ヘテロ環基、または置換されたフェニ
ル基等であり、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、アシル基、アシルチオ基、アシ
ルアミノ基、チオカルボニル基、ホルミル基、イミノ
基、N原子で置換したイミノ基、ヘテロ環基、または任
意の電子吸引性基で置換されたフェニル基等である。
【0069】XとYが、互いに結合して非芳香族の炭素
環、または非芳香族のヘテロ環を形成している場合もま
た好ましい。この時、形成される環状構造は5員〜7員
環が好ましく、その総炭素数は1〜40、さらには3〜
30が好ましい。環状構造を形成するXおよびYとして
は、アシル基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、
チオカルボニル基、スルホニル基、イミノ基、N原子で
置換したイミノ基、アシルアミノ基、カルボニルチオ基
等が好ましい。
【0070】式(3)においてA、Bはそれぞれ独立に、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ア
リールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ
環チオ基、ヘテロ環オキシ基、またはヘテロ環アミノ基
を表し、これらは互いに結合して環状構造を形成してい
てもよい。式(3)においてA、Bで表される基は、好ま
しくは総炭素数1〜40の、より好ましくは総炭素数1
〜30の基であり、さらに置換基を有していてもよい。
【0071】式(3)においてA、Bは、これらが互いに
結合して環状構造を形成している場合がより好ましい。
この時形成される環状構造は5員〜7員環の非芳香族の
ヘテロ環が好ましく、その総炭素数は1〜40、さらに
は3〜30が好ましい。この場合に、A,Bが連結した
例(−A−B−)を挙げれば、例えば-O-(CH2)2-O-、-O-
(CH2)3-O-、-S-(CH2)2-S-、-S-(CH2)3-S-、-S-ph-S-、-
N(CH3)-(CH2)2-O-、-N(CH3)-(CH2)2-S-、-O-(CH2)2-S
-、-O-(CH2)3-S-、-N(CH3)-ph-O-、-N(CH3)-ph-S-、-N
(ph)-(CH2)2-S-等である。
【0072】本発明の式(1)〜式(3)で表される化合物
は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込
まれていてもよい。こうした吸着基としては、アルキル
チオ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、
メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第
4,385,108号、同4,459,347号、特開
昭59−195233号、同59−200231号、同
59−201045号、同59−201046号、同5
9−201047号、同59−201048号、同59
−201049号、特開昭61−170733号、同6
1−270744号、同62−948号、同63−23
4244号、同63−234245号、同63−234
246号に記載された基があげられる。またこれらハロ
ゲン化銀への吸着基は、プレカーサー化されていてもよ
い。その様なプレカーサーとしては、特開平2ー285
344号に記載された基が挙げられる。
【0073】本発明の式(1)〜式(3)で表される化合物
は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において
常用されているバラスト基またはポリマーが組み込まれ
ているものでもよい。特にバラスト基が組み込まれてい
るものは本発明の好ましい例の1つである。バラスト基
は8以上の炭素数を有する、写真性に対して比較的不活
性な基であり、例えばアルキル基、アラルキル基、アル
コキシ基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェノキ
シ基、アルキルフェノキシ基などの中から選ぶことがで
きる。またポリマーとしては、例えば特開平1−100
530号に記載のものが挙げられる。
【0074】本発明の式(1)〜式(3)で表される化合物
は、その中にカチオン性基(具体的には、4級のアンモ
ニオ基を含む基、または4級化された窒素原子を含む含
窒素ヘテロ環基等)、エチレンオキシ基もしくはプロピ
レンオキシ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル,ア
リール,またはヘテロ環)チオ基、あるいは塩基により
解離しうる解離性基(カルボキシ基、スルホ基、アシル
スルファモイル基、カルバモイルスルファモイル基等)
が含まれていてもよい。特にエチレンオキシ基もしくは
プロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、あるいは
(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基が含ま
れているものは、本発明の好ましい例の1つである。こ
れらの基の具体例としては、例えば特開平7ー2344
71号、特開平5−333466号、特開平6−190
32号、特開平6−19031号、特開平5−4576
1号、米国特許4994365号、米国特許49886
04号、特開平3−259240号、特開平7−561
0号、特開平7−244348号、独国特許40060
32号等に記載の化合物が挙げられる。
【0075】次に本発明の式(1)〜式(3)で表される化
合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明は以下の化
合物に限定されるものではない。
【0076】
【化4】
【0077】
【化5】
【0078】
【化6】
【0079】
【化7】
【0080】式(1)〜式(3)で表される化合物は公知の
方法により容易に合成することができるが、例えば、米
国特許第5545515号明細書、同第5635339
号明細書、同第5654130号明細書、国際公開WO
−97/34196号公報、あるいは特願平9―309
813号明細書、同9―272002号明細書に記載の
方法を参考に合成することができる。
【0081】式(1)〜式(3)で表される化合物など
の造核剤は、1種のみを用いても、2種以上を併用して
もよい。また上記の化合物の他に、米国特許第5,54
5,515号明細書、同第5,635,339号明細
書、同第5,654,130号明細書、国際公開WO9
7/34196号公報、米国特許第5,686,228
号明細書に記載の化合物、あるいはまた特願平8―27
9962号明細書、特願平9―228881号明細書、
特願平9―273935号明細書、特願平9―3098
13号明細書、特願平9―296174号明細書、特願
平9―282564号明細書、特願平9―272002
号明細書、特願平9−272003号明細書、特願平9
―332388号明細書に記載された化合物を併用して
用いてもよい。
【0082】上記造核剤は、水または適当な有機溶媒、
例えばアルコ−ル類(メタノ−ル、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル、フッ素化アルコ−ル)、ケトン類(アセトン、
メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用い
ることができる。また、既によく知られている乳化分散
法によって、ジブチルフタレ−ト、トリクレジルフォス
フェ−ト、グリセリルトリアセテ−トあるいはジエチル
フタレ−トなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノ
ンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物
を作製して用いることができる。あるいは固体分散法と
して知られている方法によって、造核剤の粉末を水等の
適当な溶媒中にボ−ルミル、コロイドミル、あるいは超
音波によって分散して用いることもできる。造核剤は、
支持体に対して画像形成層側のいずれの層に添加しても
よいが、該画像形成層あるいはそれに隣接する層に添加
することが好ましい。造核剤の添加量は銀1モルに対し
1×10-6〜1モルが好ましく、1×10-5 〜5×10
-1モルがより好ましく、2×10-5〜2×10-1モルが
最も好ましい。
【0083】本発明においては、上記造核剤とヒドラジ
ン誘導体を併用して用いてもよい。その場合には下記の
ヒドラジン誘導体が好ましく用いられる。本発明に好ま
しく用いられるヒドラジン誘導体はまた、下記の特許に
記載された種々の方法により、合成することができる。
【0084】特公平6−77138号公報に記載の(化
1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁
に記載の化合物。特公平6−93082号公報に記載の
一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報8
頁〜18頁に記載の1〜38の化合物。特開平6−23
0497号公報に記載の一般式(4)、一般式(5)お
よび一般式(6)で表される化合物で、具体的には同公
報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜化合物4−1
0、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−42、
および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合物6
−7。特開平6−289520号公報に記載の一般式
(1)および一般式(2)で表される化合物で、具体的
には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−1
7)および2−1)。特開平6−313936号公報に
記載の(化2)および(化3)で表される化合物で、具
体的には同公報6頁〜19頁に記載の化合物。特開平6
−313951号公報に記載の(化1)で表される化合
物で、具体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物。特
開平7−5610号公報に記載の一般式(I)で表され
る化合物で、具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化
合物I−1〜I−38。特開平7−77783号公報に
記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的には
同公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−
102。特開平7−104426号公報に記載の一般式
(H)および一般式(Ha)で表される化合物で、具体
的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−
44。特願平7−191007号明細書に記載の、ヒド
ラジン基の近傍にアニオン性基またはヒドラジンの水素
原子と分子内水素結合を形成するノニオン性基を有する
ことを特徴とする化合物で、特に一般式(A)、一般式
(B)、一般式(C)、一般式(D)、一般式(E)、
一般式(F)で表される化合物で、具体的には同公報に
記載の化合物N−1〜N−30。特願平7−19100
7号明細書に記載の一般式(1)で表される化合物で、
具体的には同公報に記載の化合物D−1〜D−55。さ
らに1991年3月22日発行の「公知技術(1〜20
7頁)」(アズテック社刊)の25頁から34頁に記載
の種々のヒドラジン誘導体。特開昭62−86354号
公報(6頁〜7頁)の化合物D−2およびD−39。
【0085】本発明に好ましく用いられるヒドラジン誘
導体は、適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノ
ール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既
によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリ
アセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、
酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることがで
きる。あるいは固体分散法として知られている方法によ
って、ヒドラジン誘導体の粉末を水の中にボールミル、
コロイドミル、あるいは超音波によって分散し用いるこ
とができる。
【0086】本発明に好ましく用いられるヒドラジン誘
導体は、支持体に対して画像形成層側の該画像形成層あ
るいは他のバインダー層のどの層に添加してもよいが、
該画像形成層あるいはそれに隣接するバインダー層に添
加することが好ましい。本発明に好ましく用いられるヒ
ドラジン誘導体の添加量は、銀1モルに対し1×10-6〜1
×10-2モルが好ましく、1×10-5〜5×10-3モルがより好
ましく、2×10-5 〜5×10-3モルが最も好ましい。
【0087】本発明では超硬調画像形成のために、前記
の造核剤とともに硬調化促進剤を併用することができ
る。例えば、米国特許第5,545,505号明細書に
記載のアミン化合物、具体的にはAM−1〜AM−5、
米国特許第5,545,507号明細書に記載のヒドロ
キサム酸類、具体的にはHA−1〜HA−11、米国特
許第5,545,507号明細書に記載のアクリロニト
リル類、具体的にはCN−1〜CN−13、米国特許第
5,558,983号明細書に記載のヒドラジン化合
物、具体的にはCA−1〜CA−6、特開平9−297
368号公報に記載のオニュ−ム塩類、具体的にはA−
1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜C−14な
どを用いることができる。
【0088】非感光性銀塩、感光性ハロゲン化銀および
バインダーを有する熱現像画像記録材料において、蟻酸
あるいは蟻酸塩は強いかぶらせ物質となる。本発明で
は、熱現像画像記録材料の感光性ハロゲン化銀を含有す
る画像形成層を有する側の蟻酸あるいは蟻酸塩の含有量
が銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル
以下であることが好ましい。
【0089】本発明の熱現像画像記録材料には五酸化二
リンが水和してできる酸またはその塩を造核剤と併用し
て用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してでき
る酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリ
ン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四
リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げるこ
とができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水
和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸
(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができ
る。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オル
トリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。本発明
において好ましく用いることができる五酸化二リンが水
和してできる酸またはその塩は、少量で所望の効果を発
現するという点から画像形成層あるいはそれに隣接する
バインダー層に添加する。五酸化二リンが水和してでき
る酸またはその塩の使用量(画像記録材料1m2 あたり
の塗布量)は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の
量でよいが、0.1〜500mg/m2が好ましく、0.
5〜100mg/m2がより好ましい。
【0090】本発明では、現像促進剤として特願平11
−73951号明細書に記載の式(A)で表されるフェ
ノール誘導体が好ましく用いられる。式(A)で表され
るフェノール誘導体は、上記還元剤と併用することによ
り強い現像促進効果を示す。具体的には、同明細書に記
載のA−1〜A−54が好ましく用いられる。式(A)
で表されるフェノール誘導体は還元剤に対して0.01
モル%〜100モル%の範囲で使用されることが好まし
く、さらには0.1モル%〜20モル%の範囲で使用さ
れることが好ましい。
【0091】式(A)で表されるフェノール誘導体は支
持体に対して画像形成層側の層、即ち画像形成層あるい
はこの層側の他のどの層に添加してもよいが、還元剤を
含有する層に添加することが好ましい。式(A)で表さ
れるフェノール誘導体は、水溶液、有機溶媒溶液、粉
末、固体微粒子分散物、乳化分散物などいかなる方法で
添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化手段
(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、
コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行
われる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用い
てもよい。
【0092】画像を向上させる「色調剤」として知られ
る添加剤を含ませると光学濃度が高くなることがある。
また、色調剤は黒色銀画像を形成させるうえでも有利に
なることがある。色調剤は支持体に対して画像形成層側
の層に銀1モルあたりの0.1〜50%モルの量含ませ
ることが好ましく、0.5〜20%モル含ませることが
さらに好ましい。また、色調剤は現像時のみ有効に機能
するように誘導化されたいわゆるプレカーサーであって
もよい。有機銀塩を利用した熱現像画像記録材料におい
ては広範囲の色調剤を使用することができる。例えば、
特開昭46−6077号公報、同47−10282号公
報、同49−5019号公報、同49−5020号公
報、同49−91215号公報、同49−91215号
公報、同50−2524号公報、同50−32927号
公報、同50−67132号公報、同50−67641
号公報、同50−114217号公報、同51−322
3号公報、同51−27923号公報、同52−147
88号公報、同52−99813号公報、同53−10
20号公報、同53−76020号公報、同54−15
6524号公報、同54−156525号公報、同61
−183642号公報、特開平4−56848号公報、
特公昭49−10727号公報、同54−20333号
公報、米国特許第3,080,254号明細書、同第
3,446,648号明細書、同第3,782,941
号明細書、同第4,123,282号明細書、同第4,
510,236号明細書、英国特許第1,380,79
5号明細書、ベルギー特許第841,910号明細書な
どに開示される色調剤を用いることができる。色調剤の
具体例としては、フタルイミドおよびN−ヒドロキシフ
タルイミド;スクシンイミド、ピラゾリン−5−オン、
ならびにキナゾリノン、3−フェニル−2−ピラゾリン
−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリンおよ
び2,4−チアゾリジンジオンのような環状イミド;ナ
フタルイミド(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフ
タルイミド);コバルト錯体(例えば、コバルトヘキサ
ミントリフルオロアセテート);3−メルカプト−1,
2,4−トリアゾール、2,4−ジメルカプトピリミジ
ン、3−メルカプト−4,5−ジフェニル−1,2,4
−トリアゾールおよび2,5−ジメルカプト−1,3,
4−チアジアゾールに例示されるメルカプタン;N−
(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド、(例え
ば、(N,N−ジメチルアミノメチル)フタルイミドお
よびN,N−(ジメチルアミノメチル)−ナフタレン−
2,3−ジカルボキシイミド);ならびにブロック化ピ
ラゾール、イソチウロニウム誘導体およびある種の光退
色剤(例えば、N,N’−ヘキサメチレンビス(1−カ
ルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−
(3,6−ジアザオクタン)ビス(イソチウロニウムト
リフルオロアセテート)および2−(トリブロモメチル
スルホニル)−ベンゾチアゾール;ならびに3−エチル
−5−[(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)
−1−メチルエチリデン]−2−チオ−2,4−オキサ
ゾリジンジオン;フタラジノン、フタラジノン誘導体も
しくは金属塩、または4−(1−ナフチル)フタラジノ
ン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタ
ラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジン
ジオンなどの誘導体;フタラジノンとフタル酸誘導体
(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロ
フタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組
合せ;フタラジン、フタラジン誘導体(たとえば、4−
(1−ナフチル)フタラジン、6−クロロフタラジン、
5,7−ジメトキシフタラジン、6−イソブチルフタラ
ジン、6−tert−ブチルフタラジン、5,7−ジメ
チルフタラジン、および2,3−ジヒドロフタラジンな
どの誘導体)もしくは金属塩;フタラジンおよびその誘
導体とフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−メチル
フタル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水
フタル酸など)との組合せ;キナゾリンジオン、ベンズ
オキサジンまたはナフトオキサジン誘導体;色調調節剤
としてだけでなくその場でハロゲン化銀生成のためのハ
ライドイオンの源としても機能するロジウム錯体、例え
ばヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウム、臭
化ロジウム、硝酸ロジウムおよびヘキサクロロロジウム
(III)酸カリウムなど;無機過酸化物および過硫酸
塩、例えば、過酸化二硫化アンモニウムおよび過酸化水
素;1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、8−
メチル−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオンお
よび6−ニトロ−1,3−ベンズオキサジン−2,4−
ジオンなどのベンズオキサジン−2,4−ジオン;ピリ
ミジンおよび不斉−トリアジン(例えば、2,4−ジヒ
ドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−アミノピリ
ミジンなど)、アザウラシル、およびテトラアザペンタ
レン誘導体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−
ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラ
アザペンタレン、および1,4−ジ(o−クロロフェニ
ル)−3,6−ジメルカプト−1H,4H−2,3a,
5,6a−テトラアザペンタレン)などがある。
【0093】本発明では色調剤として、特願平10−2
13487号明細書に記載の一般式(F)で表されるフ
タラジン誘導体が好ましく用いられる。具体的には同明
細書に記載のA−1〜A−10が好ましく用いられる。
色調剤は、溶液、粉末、固体微粒子分散物などいかなる
方法で添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化
手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミ
ル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)
で行われる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を
用いてもよい。
【0094】本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理
前の膜面pHは6.0以下であることが好ましく、さら
に好ましくは5.5以下である。その下限には特に制限
はないが、3程度である。膜面pHの調節はフタル酸誘
導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニ
アなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減
させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発
しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できる
ことから低膜面pHを達成する上で好ましい。なお、膜
面pHの測定方法は、特願平11−87297号明細書
の段落番号0123に記載されている。
【0095】本発明の熱現像画像記録材料において、ハ
ロゲン化銀乳剤および/または有機銀塩は、かぶり防止
剤、安定剤および安定剤前駆体によって、付加的なかぶ
りの生成に対してさらに保護され、在庫貯蔵中における
感度の低下に対して安定化することができる。単独また
は組合せて使用することができる適当なかぶり防止剤、
安定剤および安定剤前駆体は、米国特許第2,131,
038号明細書および同第2,694,716号明細書
に記載のチアゾニウム塩、米国特許第2,886,43
7号明細書および同第2,444,605号明細書に記
載のアザインデン、米国特許第2,728,663号明
細書に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135号
明細書に記載のウラゾール、米国特許第3,235,6
52号明細書に記載のスルホカテコール、英国特許第6
23,448号明細書に記載のオキシム、ニトロン、ニ
トロインダゾール、米国特許第2,839,405号明
細書に記載の多価金属塩、米国特許第3,220,83
9号明細書に記載のチウロニウム塩、ならびに米国特許
第2,566,263号明細書および同第2,597,
915号明細書に記載のパラジウム、白金および金塩、
米国特許第4,108,665号明細書および同第4,
442,202号明細書に記載のハロゲン置換有機化合
物、米国特許第4,128,557号明細書および同第
4,137,079号明細書、同第4,138,365
号明細書および同第4,459,350号明細書に記載
のトリアジンならびに米国特許第4,411,985号
明細書に記載のリン化合物などがある。
【0096】本発明の熱現像画像記録材料は、高感度化
やかぶり防止を目的として安息香酸類を含有してもよ
い。本発明で用いる安息香酸類はいかなる安息香酸誘導
体でもよいが、好ましい例としては、米国特許第4,7
84,939号明細書、同第4,152,160号明細
書、特開平9−329863号公報、同9−32986
4号公報、同9−281637号公報などに記載の化合
物が挙げられる。安息香酸類は熱現像画像記録材料のい
かなる層に添加してもよいが、支持体に対して画像形成
層側の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に
添加することがさらに好ましい。安息香酸類の添加は塗
布液調製のいかなる工程で行ってもよく、有機銀塩含有
層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時の
いかなる工程でもよいが有機銀塩調製後から塗布直前が
好ましい。安息香酸類の添加法としては粉末、溶液、微
粒子分散物などいかなる方法で行ってもよい。また、増
感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液
として添加してもよい。安息香酸類の添加量としてはい
かなる量でもよいが、銀1モル当たり1×10-6モル〜
2モルが好ましく、1×10-3モル〜0.5モルがさら
に好ましい。
【0097】本発明を実施するために必須ではないが、
画像形成層にかぶり防止剤として水銀(II)塩を加え
ることが有利なことがある。この目的のために好ましい
水銀(II)塩は、酢酸水銀および臭化水銀である。本
発明に使用する水銀の添加量としては、塗布された銀1
モル当たり好ましくは1×10-9モル〜1×10-3
ル、さらに好ましくは1×10-8モル〜1×10-4モル
の範囲である。
【0098】本発明で特に好ましく用いられるかぶり防
止剤は有機ハロゲン化物であり、例えば、特開昭50−
119624号公報、同50−120328号公報、同
51−121332号公報、同54−58022号公
報、同56−70543号公報、同56−99335号
公報、同59−90842号公報、同61−12964
2号公報、同62−129845号公報、特開平6−2
08191号公報、同7−5621号公報、同7−27
81号公報、同8−15809号公報、米国特許第5,
340,712号明細書、同第5,369,000号明
細書、同第5,464,737号明細書に開示されてい
るような化合物が挙げられる。特願平11−87297
号明細書に記載の式(P)で表される親水性有機ハロゲ
ン化物がかぶり防止剤として好ましく用いられる。具体
的には、同明細書に記載の(P−1)〜(P−118)
が好ましく用いられる。有機ハロゲン化物の添加量は、
Ag1molに対するmol量(mol/molAg)
で示して、好ましくは1×10-5〜2mol/molA
g、より好ましくは5×10-5〜1mol/molA
g、さらに好ましくは1×10-4〜5×10-1mol/
molAgである。これらは1種のみを用いても2種以
上を併用してもよい。
【0099】また、特願平11−87297号明細書に
記載の式(Z)で表されるサリチル酸誘導体がかぶり防
止剤として好ましく用いられる。具体的には、同明細書
に記載の(A−1)〜(A−60)が好ましく用いられ
る。式(Z)で表されるサリチル酸誘導体の添加量は、
Ag1molに対するmol量(mol/molAg)
で示して、好ましくは1×10-5〜5×10-1mol/
molAg、より好ましくは5×10-5〜1×10-1
ol/molAg、さらに好ましくは1×10-4〜5×
10-2mol/molAgである。これらは1種のみを
用いても2種以上を併用してもよい。
【0100】本発明に好ましく用いられるかぶり防止剤
として、ホルマリンスカベンジャーが有効であり、例え
ば、特願平11−23995号明細書に記載の式(S)
で表される化合物およびその例示化合物(S−1)〜
(S−24)が挙げられる。本発明に用いるかぶり防止
剤は、水あるいは適当な有機溶媒、例えばアルコール類
(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化ア
ルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケト
ン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。
また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブ
チルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセ
リルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどの
オイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒
を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いる
ことができる。あるいは固体分散法として知られている
方法によって、粉末を水の中にボールミル、コロイドミ
ル、サンドグラインダーミル、マントンゴーリン、マイ
クロフルイダイザーあるいは超音波によって分散し用い
ることもできる。
【0101】本発明に用いるかぶり防止剤は、支持体に
対して画像形成層側の層、即ち画像形成層あるいはこの
層側の他のどの層に添加してもよいが、画像形成層ある
いはそれに隣接する層に添加することが好ましい。画像
形成層は還元可能な銀塩(有機銀塩)を含有する層であ
り、好ましくはさらに感光性ハロゲン化銀を含有する画
像形成層であることが好ましい。
【0102】本発明の熱現像画像記録材料には現像を抑
制あるいは促進させ現像を制御することや、現像前後の
保存性を向上させることなどを目的としてメルカプト化
合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させる
ことができる。本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでもよいが、Ar−SM、Ar
−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、Mは
水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以
上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム
原子を有する芳香環または縮合芳香環である。好ましく
は、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフスイミダゾ
ール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオ
キサゾール、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナゾー
ル、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾー
ル、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テト
ラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラ
ジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノン
である。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例え
ば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキ
シ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましく
は1〜4個の炭素原子を有するもの)、アルコキシ(例
えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素
原子を有するもの)およびアリール(置換基を有してい
てもよい)からなる置換基群から選択されるものを有し
てもよい。メルカプト置換複素芳香族化合物をとして
は、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプ
トベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、
6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2,
2’−ジチオビス−(ベンゾチアゾール)、3−メルカ
プト−1,2,4−トリアゾール、4,5−ジフェニル
−2−イミダゾールチオール、2−メルカプトイミダゾ
ール、1−エチル−2−メルカプトベンズイミダゾー
ル、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、
2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、7−トリ
フルオロメチル−4−キノリンチオール、2,3,5,
6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−アミノ
−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンモノヒド
レート、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チ
アジアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,
4−トリアゾール、4−ヒドキロシ−2−メルカプトピ
リミジン、2−メルカプトピリミジン、4,6−ジアミ
ノ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−
メチルピリミジンヒドロクロリド、3−メルカプト−5
−フェニル−1,2,4−トリアゾール、1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾール、3−(5−メルカプト
テトラゾール)−ベンゼンスルホン酸ナトリウム、N−
メチル−N’−{3−(5−メルカプトテトラゾリル)
フェニル}ウレア、2−メルカプト−4−フェニルオキ
サゾールなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定さ
れない。これらのメルカプト化合物の添加量としては画
像形成層中に銀1モル当たり0.0001〜1.0モル
の範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1モル当た
り0.001〜0.3モルの量である。
【0103】本発明の熱現像画像記録材料は、支持体上
に、有機銀塩、還元剤および感光性ハロゲン化銀を含む
画像形成層を有し、画像形成層上には少なくとも1層の
保護層が設けられていることが好ましい。また、本発明
の熱現像画像記録材料は支持体に対して画像形成層と反
対側(バック面)に少なくとも1層のバック層を有する
ことが好ましく、画像形成層、保護層、そしてバック層
のバインダーとしてポリマーラテックスが用いられる。
これらの層にポリマーラテックスを用いることによっ
て、水を主成分とする溶媒(分散媒)を用いた水系塗布
が可能になり、環境面、コスト面で有利になるととも
に、熱現像時にシワの発生がない熱現像画像記録材料が
得られるようになる。また、所定の熱処理をした支持体
を使用することにより、熱現像の前後で寸法変化の少な
い熱現像画像記録材料が得られる。
【0104】本発明で用いるバインダーとして以下に述
べるポリマーラテックスを用いることが好ましい。本発
明の熱現像画像記録材料の感光性ハロゲン化銀を含有す
る画像形成層のうち少なくとも1層は以下に述べるポリ
マーラテックスを全バインダーの50重量%以上用いた
画像形成層であることが好ましい。また、ポリマーラテ
ックスは画像形成層だけではなく、保護層やバック層に
用いてもよく、特に寸法変化が問題となる印刷用途に本
発明の熱現像画像記録材料を用いる場合には、保護層や
バック層にもポリマーラテックスを用いることが好まし
い。ただしここで言う「ポリマーラテックス」とは水不
溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒
中に分散されたものである。分散状態としてはポリマー
が分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたも
の、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に
部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散さ
れたものなどいずれでもよい。なお本発明で用いるポリ
マーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥
田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(197
8))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖
男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(19
93))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高
分子刊行会発行(1970))」などに記載されてい
る。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好
ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散
粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分
布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよ
い。
【0105】本発明で用いるポリマーラテックスとして
は、通常の均一構造のポリマーラテックス以外の、いわ
ゆるコア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コ
アとシェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合が
ある。本発明で用いるバインダーに好ましく用いるポリ
マーラテックスのガラス転移温度(Tg)は保護層、バ
ック層と画像形成層とでは好ましい範囲が異なる。画像
形成層にあっては熱現像時に写真有用素材の拡散を促す
ため、−30〜40℃であることが好ましい。保護層や
バック層に用いる場合には種々の機器と接触するために
25〜70℃のガラス転移温度が好ましい。
【0106】本発明で用いるポリマーラテックスの最低
造膜温度(MFT)は−30℃〜90℃、より好ましく
は0℃〜70℃程度が好ましい。最低造膜温度をコント
ロールするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤
は可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度
を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前
述の「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行
会発行(1970))」に記載されている。
【0107】本発明で用いるポリマーラテックスに用い
られるポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、またはこれらの共重合体などが挙げられる。
ポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリ
マーでも、また架橋されたポリマーでもよい。またポリ
マーとしては単一のモノマーが重合したいわゆるホモポ
リマーでもよいし、2種以上のモノマーが重合したコポ
リマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマ
ーでもブロックコポリマーでもよい。ポリマーの分子量
は数平均分子量で5,000〜1,000,000、好
ましくは10,000〜100,000程度が好まし
い。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が
不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く、好まし
くない。
【0108】本発明の熱現像画像記録材料の画像形成層
のバインダーとして用いられるポリマーラテックスの具
体例としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレ
ート/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメ
タクリレート/ブタジエン/イタコン酸コポリマーのラ
テックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリ
マーのラテックス、メチルメタクリレート/2−エチル
ヘキシルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コ
ポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニ
ルベンゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メ
チルメタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート
/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテッ
クスなどが挙げられる。さらに具体的には、メチルメタ
クリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸=3
3.5/50/16.5(重量%)のコポリマーラテッ
クス、メチルメタクリレート/ブタジエン/イタコン酸
=47.5/47.5/5(重量%)のコポリマーラテ
ックス、エチルアクリレート/メタクリル酸=95/5
(重量%)のコポリマーラテックスなどが挙げられる。
また、このようなポリマーは市販もされていて、例えば
アクリル樹脂の例として、セビアンA−4635,46
583、4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、
Nipol LX811、814、821、820、8
57(以上日本ゼオン(株)製)、VONCORT−R
3340、R3360、R3370、4280(以上大
日本インキ化学(株)製)など、ポリエステル樹脂とし
ては、FINETEX ES650、611、675、
850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−si
ze、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポ
リウレタン樹脂としてはHYDRAN AP10、2
0、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)な
ど、ゴム系樹脂としてはLACSTAR 7310K、
3307B、4700H、7132C(以上大日本イン
キ化学(株)製)、Nipol LX410、430,
435、438C(以上日本ゼオン(株)製)など、塩
化ビニル樹脂としてはG351、G576(以上日本ゼ
オン(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL5
02、L513(以上旭化成工業(株)製)、アロンD
7020、D504、D5071(以上三井東圧(株)
製)など、オレフィン樹脂としてはケミパールS12
0、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙
げることができる。これらのポリマーは単独で用いても
よいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いてもよ
い。
【0109】画像形成層には全バインダーの50重量%
以上として上記ポリマーラテックスが好ましく用いられ
るが、70重量%以上として上記ポリマーラテックスが
用いられることがさらに好ましい。画像形成層には必要
に応じて全バインダーの50重量%以下の範囲でゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水性
ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの
添加量は画像形成層の全バインダーの30重量%以下、
さらには15重量%以下が好ましい。
【0110】画像形成層は水系の塗布液を塗布後乾燥し
て調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水
系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60重量%以上が水
であることをいう。塗布液の水以外の成分はメチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ジメチルホルム
アミド、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を用いる
ことができる。具体的な溶媒組成の例としては以下のよ
うなものがある。水/メタノール=90/10、水/メ
タノール=70/30、水/エタノール=90/10、
水/イソプロパノール=90/10、水/ジメチルホル
ムアミド=95/5、水/メタノール/ジメチルホルム
アミド=80/15/5、水/メタノール/ジメチルホ
ルムアミド=90/5/5。(ただし数字は重量%を表
す。)
【0111】画像形成層の全バインダー量は0.2〜3
0g/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好
ましい。画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改
良のための界面活性剤などを添加してもよい。さらに、
保護層用のバインダーとして、特願平11−6872号
明細書の段落番号0025〜0029に記載の有機概念
図に基づく無機性値を有機性値で割ったI/O値の異な
るポリマーラテックスの組み合わせを好ましく用いるこ
とができる。本発明においては必要に応じて、特願平1
1−143058号明細書の段落番号0021〜002
5に記載の可塑剤(例、ベンジルアルコール、2,2,
4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブ
チレートなど)を添加して、造膜温度をコントロールす
ることが出来る。また、特願平11−6872号明細書
の段落番号0027〜0028に記載の如くポリマーバ
インダー中に親水性ポリマーを、塗布液中に水混和性の
有機溶媒を添加してもよい。
【0112】それぞれの層には、特願平10−1996
26号明細書の段落番号0023〜0041に記載の官
能基を導入した第一のポリマーラテックスとこの第一の
ポリマーラテックスと反応しうる官能基を有する架橋剤
および/または第二のポリマーラテックスを用いること
もできる。上記の官能基は、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基、イソシアネート基、エポキシ基、N−メチロー
ル基、オキサゾリニル基など、架橋剤としては、エポキ
シ化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネ
ート化合物、メチロ−ル化合物、ヒドロキシ化合物、カ
ルボキシル化合物、アミノ化合物、エチレンイミン化合
物、アルデヒド化合物、ハロゲン化合物などから選ばれ
る。架橋剤の具体例として、イソシアネート化合物とし
てヘキサメチレンイソシアネート、デュラネートWB4
0−80D、WX−1741(旭化成工業(株)製)、
バイヒジュール3100(住友バイエルウレタン(株)
製)、タケネートWD725(武田薬品工業(株)
製)、アクアネート100、200(日本ポリウレタン
(株)製)、特開平9−160172号公報記載の水分
散型ポリイソシアネート;アミノ化合物としてスミテッ
クスレジンM−3(住友化学工業(株)製);エポキシ
化合物としてデナコールEX−614B(ナガセ化成工
業(株)製);ハロゲン化合物として2,4ジクロロ−
6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウムな
どが挙げられる。
【0113】画像形成層用の全バインダー量は0.2〜
30g/m2、より好ましくは1.0〜15g/m2の範
囲が好ましい。保護層用の全バインダー量は0.2〜1
0.0g/m2、より好ましくは0.5〜6.0g/m2
の範囲が好ましい。バック層用の全バインダー量は0.
01〜10.0g/m2、より好ましくは0.05〜
5.0g/m2の範囲が好ましい。
【0114】これらの各層は、2層以上設けられる場合
がある。画像形成層が2層以上である場合は、すべての
層のバインダーとしてポリマーラテックスを用いること
が好ましい。また、保護層は画像形成層上に設けられる
層であり2層以上存在する場合もあるが、少なくとも1
層、特に最外層の保護層にポリマーラテックスが用いら
れることが好ましい。また、バック層は支持体バック面
の下塗り層の上部に設けられる層であり2層以上存在す
る場合もあるが、少なくとも1層、特に最外層のバック
層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。
【0115】本明細書における滑り剤とは、物体表面に
存在させた時に、存在させない場合に比べて物体表面の
摩擦係数を減少させる化合物を意味する。その種類は特
に制限されない。本発明に用いる滑り剤としては、特開
平11−84573号公報の段落番号0061〜006
4、特願平11−106881号明細書の段落番号00
49〜0062に記載の化合物を挙げることができる。
好ましい滑り剤の具体例としては、セロゾール524
(主成分カルナバワックス)、ポリロンA,393,H
−481(主成分ポリエチレンワックス)、ハイミクロ
ンG−110(主成分エチレンビスステアリン酸アマイ
ド)、ハイミクロンG−270(主成分ステアリン酸ア
マイド)(以上、中京油脂(株)製)、 W−1 C1633−O−SO3Na W−2 C1837−O−SO3Na などが挙げられる。滑り剤の使用量は添加層のバインダ
ー量の0.1〜50重量%であり、好ましくは0.5〜
30重量%である。
【0116】本発明において、特願平10−34656
1号明細書、特願平11−106881号明細書に記載
のように予備加熱部を対向ローラーで搬送し、熱現像処
理部は画像形成層を有する側をローラーの駆動により、
その反対側のバック面を平滑面に滑らせて搬送する熱現
像処理装置を用いる場合、現像処理温度における熱現像
画像記録材料の画像形成層を有する側の最表面層とバッ
ク面の最表面層との摩擦係数の比は、1.5以上であ
り、その上限に特に制限はないが30程度である。ま
た、μbは1.0以下、好ましくは0.05〜0.8で
ある。この値は、下記の式によって求められる。 摩擦係数の比=熱現像機のローラー部材と画像形成層を
有する面との動摩擦係数(μe)/熱現像機の平滑面部
材とバック面との動摩擦係数(μb) 本発明において熱現像処理温度での熱現像処理機部材と
画像形成層を有する面および/またはその反対面の最表
面層の滑り性は、最表面層に滑り剤を含有させ、その添
加量を変えることにより調整することができる。
【0117】支持体の両面には、特開昭64−2054
4号公報、特開平1−180537号公報、特開平1−
209443号公報、特開平1−285939号公報、
特開平1−296243号公報、特開平2−24649
号公報、特開平2−24648号公報、特開平2−18
4844号公報、特開平3−109545号公報、特開
平3−137637号公報、特開平3−141346号
公報、特開平3−141347号公報、特開平4−96
055号公報、米国特許第4,645,731号明細
書、特開平4−68344号公報、特許第2,557,
641号公報の2頁右欄20行目〜3頁右欄30行目、
特願平10−221039号明細書の段落番号0020
〜0037、特願平11−106881号明細書の段落
番号0063〜0080に記載の塩化ビニリデン単量体
の繰り返し単位を70重量%以上含有する塩化ビニリデ
ン共重合体を含む下塗り層を設けることが好ましい。
【0118】塩化ビニリデン単量体が70重量%未満の
場合は、十分な防湿性が得られず、熱現像後の時間経過
における寸法変化が大きくなってしまう。また、塩化ビ
ニリデン共重合体は、塩化ビニリデン単量体のほかの構
成繰り返し単位としてカルボキシル基含有ビニル単量体
の繰り返し単位を含むことが好ましい。このような繰り
返し単位を含ませるのは、塩化ビニル単量体のみでは、
重合体(ポリマー)が結晶化してしまい、防湿層を塗設
する際に均一な膜を作り難くなり、また重合体(ポリマ
ー)の安定化のためにはカルボキシル基含有ビニル単量
体が不可欠であるからである。本発明で用いる塩化ビニ
リデン共重合体の分子量は、重量平均分子量で45,0
00以下、さらには10,000〜45,000が好ま
しい。分子量が大きくなると塩化ビニリデン共重合体層
とポリエステル等の支持体層との接着性が悪化してしま
う傾向がある。
【0119】本発明で用いる塩化ビニリデン共重合体の
含有量は、塩化ビニリデン共重合体を含有する下塗り層
の片面当たりの合計膜厚として0.3μm以上であり、
好ましくは0.3μm〜4μmの範囲である。なお、下
塗り層としての塩化ビニリデン共重合体層は、支持体に
直接設層される下塗り層第1層として設けることが好ま
しく、通常は片面ごとに1層ずつ設けられるが、場合に
よっては2層以上設けてもよい。2層以上の多層構成と
するときは、塩化ビニリデン共重合体量が合計で本発明
の範囲となるようにすればよい。このような層には塩化
ビニリデン共重合体のほか、架橋剤やマット剤などを含
有させてもよい。
【0120】支持体は必要に応じて塩化ビニリデン共重
合体層のほか、SBR、ポリエステル、ゼラチン等をバ
インダーとする下塗り層を塗布してもよい。これらの下
塗り層は多層構成としてもよく、また支持体に対して片
面または両面に設けてもよい。下塗り層の厚み(1層当
たり)は一般に0.01〜5μm、より好ましくは0.
05〜1μmである。
【0121】本発明の熱現像画像記録材料には、種々の
支持体を用いることができる。典型的な支持体として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レートなどのポリエステル、硝酸セルロース、セルロー
スエステル、ポリビニルアセタール、シンジオタクチッ
クポリスチレン、ポリカーボネート、両面がポリエチレ
ンで被覆された紙支持体などが挙げられる。このうち二
軸延伸したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレ
ート(PET)が強度、寸法安定性、耐薬品性などの点
から好ましい。支持体の厚みは下塗り層を除いたベース
厚みで90〜180μmであることが好ましい。
【0122】本発明の熱現像画像記録材料に用いる支持
体としては、特開平10−48772号公報、特開平1
0−10676号公報、特開平10−10677号公
報、特開平11−65025号公報、特願平9−308
898号明細書に記載の二軸延伸時にフィルム中に残存
する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収
縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で
熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートが好ましく用いられる。
【0123】このような熱処理後における支持体の12
0℃、30秒加熱による寸法変化率は縦方向(MD)が
−0.03%〜+0.01%、横方向(TD)が0〜
0.04%であることが好ましい。本発明の熱現像画像
記録材料には、ゴミ付着の減少、スタチックマーク発生
防止、自動搬送工程での搬送不良防止などの目的で、特
開平11−84573号公報の段落番号0040〜00
51に記載の導電性金属酸化物および/またはフッ素系
界面活性剤を用いて帯電防止することができる。導電性
金属酸化物としては、米国特許第5,575,957号
明細書、特願平10−041302号明細書の段落番号
0012〜0020に記載のアンチモンでドーピングさ
れた針状導電性酸化錫、特開平4−29134号公報に
記載のアンチモンでドーピングされた繊維状酸化錫が好
ましく用いられる。
【0124】金属酸化物含有層の表面比抵抗(表面抵抗
率)は25℃、相対湿度20%の雰囲気下で1012Ω以
下、好ましくは1011Ω以下がよい。これにより良好な
帯電防止性が得られる。このときの表面抵抗率の下限は
特に制限されないが、通常107Ω程度である。本発明
の熱現像画像記録材料の画像形成層を有する面およびそ
の反対面の最外層表面の少なくとも一方、好ましくは両
方のベック平滑度は、2000秒以下であり、より好ま
しくは10秒〜2000秒である。本発明におけるベッ
ク平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙お
よび板紙のベック試験器による平滑度試験方法」および
TAPPI標準法T479により容易に求めることがで
きる。熱現像画像記録材料の画像形成層を有する面の最
外層およびその反対面の最外層のベック平滑度は、特開
平11−84573号公報の段落番号0052〜005
9に記載の如く、前記両面の層に含有させるマット剤の
粒径および添加量を適宜変化させることによってコント
ロールすることができる。
【0125】本発明では水溶性ポリマーが塗布性付与の
ための増粘剤として好ましく利用され、天然物でも合成
ポリマーでもよく、その種類は特に限定されない。具体
的には、天然物としてはデンプン類(コーンスターチ、
デンプンなど)、海藻(寒天、アルギン酸ナトリウムな
ど)、植物性粘着物(アラビアゴムなど)、動物性タン
パク(にかわ、カゼイン、ゼラチン、卵白など)、発酵
粘着物(プルラン、デキストリンなど)などであり、半
合成ポリマーであるデンプン質(可溶性デンプン、カル
ボキシルデンプン、デキストランなど)、セルロース類
(ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースなど)も挙げられ、さらに合成ポ
リマー(ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、
ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリエチ
レンイミン、ポリスチレンスルホン酸またはその共重合
体、ポリビニルスルファン酸またはその共重合体、ポリ
アクリル酸またはその共重合体、アクリル酸またはその
共重合体等、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエス
テル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸
またはその共重合体など)などである。
【0126】これらの中でも好ましく用いられる水溶性
ポリマーは、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デキス
トラン、デキストリン、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリスチレ
ンスルホン酸またはその共重合体、ポリアクリル酸また
はその共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、ア
クリロイルメチルプロパンスルホン酸またはその共重合
体などであり、特に増粘剤として好ましく利用される。
【0127】これらでも特に好ましい増粘剤としては、
ゼラチン、デキストラン、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニル
ピロリドン、ポリスチレンスルホン酸またはその共重合
体、ポリアクリル酸またはその共重合体、マレイン酸モ
ノエステル共重合体などである。これらの化合物は、
「新・水溶性ポリマーの応用と市場」(株式会社シーエ
ムシー発行、長友新治編集、1988年11月4日発
行)に詳細に記載されている。
【0128】増粘剤としての水溶性ポリマーの使用量
は、塗布液に添加した時に粘度が上昇すれば特に限定さ
れない。一般に液中の濃度は0.01〜30重量%、よ
り好ましくは0.05〜20重量%、特に好ましくは
0.1〜10重量%である。これらによって得られる粘
度は、初期の粘度からの上昇分として1〜200cpが
好ましく、より好ましくは5〜100cpである。な
お、粘度はB型回転粘度計で25℃で測定した値を示
す。塗布液などへの添加に当たっては、一般に増粘剤は
できるだけ希薄溶液で添加することが望ましい。また添
加時は十分な攪拌を行なうことが好ましい。
【0129】本発明で用いる界面活性剤について以下に
述べる。本発明で用いる界面活性剤はその使用目的によ
って、分散剤、塗布剤、濡れ剤、帯電防止剤、写真性コ
ントロール剤などに分類されるが、以下に述べる界面活
性剤を適宜選択して使用することによってそれらの目的
は達成することができる。本発明で用いる界面活性剤
は、ノニオン性、イオン性(アニオン、カチオン、ベタ
イン)のいずれも使用できる。さらにフッ素系界面活性
剤も好ましく用いられる。
【0130】好ましいノニオン系界面活性剤としては、
ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキ
シブチレン、ポリグリシジルやソルビタンをノニオン性
親水性基とする界面活性剤を挙げることができ、具体的
には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニールエーテル、ポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレングリコール、多価アルコ
ール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アル
コール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエ
タノールアミド、トリエタノールアミン脂肪酸部分エス
テルを挙げることができる。
【0131】アニオン系界面活性剤としては、カルボン
酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩を挙げ
ることができ、代表的なものとしては脂肪酸塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン
酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン
酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂
肪酸塩、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スル
ホン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
スチレン化フェニールエーテル硫酸塩、アルキルリン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ナ
フタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物などを挙
げることができる。
【0132】カチオン系界面活性剤としてはアミン塩、
4級アンモニウム塩、ピリジウム塩などを挙げることが
でき、第1〜第3脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩
(テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジ
ルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキルイ
ミダゾリウム塩など)を挙げることが出来る。ベタイン
系界面活性剤としてはカルボキシベタイン、スルホベタ
インなどを挙げることができ、N−トリアルキル−N−
カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N−トリアル
キル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタインなど
を挙げることができる。
【0133】これらの界面活性剤は、「界面活性剤の応
用」(幸書房、刈米孝夫著、昭和55年9月1日発行)
に記載されている。本発明においては、好ましい界面活
性剤はその使用量において特に限定されず、目的とする
界面活性特性が得られる量であればよい。なお、フッ素
含有界面活性剤の塗布量は、1m2当り0.01mg〜
250mgが好ましい。
【0134】以下に界面活性剤の具体例を記すが、これ
に限定されるものではない(ここで、‐C64‐はフェ
ニレン基を表わす)。 WA−1 :C16H33(OCH2CH2)10OH WA−2 :C9H19-C6H4-(OCH2CH2)12OH WA−3 :ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム WA−4 :トリ(イソプロピル)ナフタレンスルホン
酸ナトリウム WA−5 :トリ(イソブチル)ナフタレンスルホン酸
ナトリウム WA−6 :ドデシル硫酸ナトリウム WA−7 :α−スルファコハク酸ジ(2−エチルヘキ
シル)エステル ナトリウム塩 WA−8 :C8H17-C6H4-(CH2CH2O)3(CH2)2SO3K WA−10 :セチルトリメチルアンモニウム クロラ
イド WA−11 :C11H23CONHCH2CH2N(+)(CH3)2-CH2COO(-) WA−12 :C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)16H WA−13 :C8F17SO2N(C3H7)CH2COOK WA−14 :C8F17SO3K WA−15 :C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3Na WA−16 :C8F17SO2N(C3H7)(CH2)3OCH2CH2N(+)(C
H3)3-CH3・C6H4-SO3 (-) WA−17 :C8F17SO2N(C3H7)CH2CH2CH2N(+)(CH3)2-C
H2COO(-)
【0135】本発明の好ましい態様においては、画像形
成層および保護層に加えて、必要に応じて中間層を設け
てもよい。生産性の向上などを目的として、これらの複
数の層は水系において同時重層塗布することが好まし
い。塗布方式はエクストルージョン塗布、スライドビー
ド塗布、カーテン塗布などがあるが、特願平10−29
2849号明細書の図1に示されるスライドビード塗布
方式が特に好ましい。ゼラチンを主バインダーとして用
いるハロゲン化銀写真画像記録材料の場合は、コーティ
ングダイの下流に設けられている第一乾燥ゾーンで急冷
され、その結果、ゼラチンのゲル化が起こり、塗布膜は
冷却固化される。冷却固化されて流動の止まった塗布膜
は続く第二乾燥ゾーンに導かれ、これ以降の乾燥ゾーン
で塗布液中の溶媒が揮発され、成膜される。第二乾燥ゾ
ーン以降の乾燥方式としては、U字型のダクトからロー
ラー支持された支持体に噴流を吹き付けるエアーループ
方式や円筒状のダクトに支持体をつるまき状に巻き付け
て搬送乾燥する、つるまき方式(エアーフローティング
方式)などが挙げられる。
【0136】バインダーの主成分がポリマーラテックス
である塗布液を用いて層形成を行うときには、急冷では
塗布液の流動を停止させることができないため、第一乾
燥ゾーンのみでは予備乾燥が不十分である場合もある。
この場合は、ハロゲン化銀写真画像記録材料で用いられ
ている様な乾燥方式では流れムラや乾燥ムラが生じ、塗
布面状に重大な欠陥を生じやすい。本発明における好ま
しい乾燥方式は、特願平10−292849号明細書に
記載されているような第一乾燥ゾーン、第二乾燥ゾーン
を問わず、少なくとも恒率乾燥が終了するまでの間は水
平乾燥ゾーンで乾燥させる方式である。塗布直後から水
平乾燥ゾーンに導かれるまでの支持体の搬送は、水平搬
送であってもなくてもどちらでもよく、塗布機の水平方
向に対する立ち上がり角度は0〜70°の間にあればよ
い。また、本発明における水平乾燥ゾーンとは、支持体
が塗布機の水平方向に対して上下に±15°以内に搬送
されればよく、水平搬送を意味するものではない。
【0137】本発明における恒率乾燥とは、液膜温度が
一定で流入する熱量全てが溶媒の蒸発に使用される乾燥
過程を意味する。減率乾燥とは、乾燥末期になると種々
の要因(水分移動の材料内部拡散が律速になる、蒸発表
面の後退など)により乾燥速度が低下し、与えられた熱
が液膜温度上昇にも使用される乾燥過程を意味する。恒
率過程から減率過程に移行する限界含水率は200〜3
00%である。恒率乾燥が終了する時には、流動が停止
するまで十分乾燥が進むため、ハロゲン化銀写真画像記
録材料の様な乾燥方式も採用することができるが、本発
明においては恒率乾燥後も最終的な乾燥点まで水平乾燥
ゾーンで乾燥させることが好ましい。
【0138】画像形成層および/または保護層を形成す
る時の乾燥条件は、恒率乾燥時の液膜表面温度がポリマ
ーラテックスの最低造膜温度(MTF;通常ポリマーの
ガラス転移温度Tgより3〜5℃高い)以上にすること
が好ましい。通常は製造設備の制限より25℃〜40℃
にすることが多い。また、減率乾燥時の乾球温度は支持
体のTg未満の温度(PETの場合通常80℃以下)が
好ましい。本明細書における液膜表面温度とは、支持体
に塗布された塗布液膜の溶媒液膜表面温度を言い、乾球
温度とは乾燥ゾーンの乾燥風の温度を意味する。
【0139】恒率乾燥時の液膜表面温度が低くなる条件
で乾燥した場合、乾燥が不十分になりやすい。このため
特に保護層の造膜性が著しく低下し、膜表面に亀裂が生
じやすくなる。また、膜強度も弱くなり、露光機や熱現
像機での搬送中に傷がつきやすくなるなどの重大な問題
が生じやすくなる。一方、液膜表面温度が高くなる条件
で乾燥した場合は、主としてポリマーラテックスから構
成される保護層は速やかに皮膜を形成するが、その一方
で画像形成層などの下層は流動性が停止していないの
で、表面に凹凸が発生しやすくなる。また、支持体(ベ
ース)にTgよりも高い過剰の熱がかかると、画像記録
材料の寸度安定性、耐巻き癖性も悪くなる傾向にある。
【0140】下層を塗布乾燥してから上層を塗布する逐
次塗布においても同様であるが、特に、下層の乾燥前に
上層を塗布して、両層を同時に乾燥する同時重層塗布を
行うための塗布液物性としては、画像形成層の塗布液と
保護層の塗布液とのpH差が2.5以下であることが好
ましく、このpH差は小さい程好ましい。塗布液のpH
差が大きくなると塗布液界面でミクロな凝集が生じやす
くなり、長尺連続塗布時に塗布筋などの重大な面状故障
が発生しやすくなる。
【0141】画像形成層の塗布液粘度は25℃で15〜
100cpが好ましく、さらに好ましくは30〜70c
pである。一方、保護層の塗布液粘度は25℃で5〜7
5cpが好ましく、さらに好ましくは20〜50cpで
ある。これらの粘度はB型粘度計によって測定される。
【0142】乾燥後の巻取りは温度20〜30℃、相対
湿度45±20%の条件下で行うことが好ましく、巻き
姿はその後の加工形態に合わせ画像形成層側の面を外側
にしてもよいし、内側にしてもよい。また、加工形態が
ロール品の場合は巻き姿で発生したカールを除去するた
めに加工時に巻き姿とは反対側に巻いたロール形態にす
ることも好ましい。なお、画像記録材料の相対湿度は2
0〜55%(25℃測定)の範囲で制御されることが好
ましい。
【0143】ハロゲン化銀を含みゼラチンを基体とする
粘性液である従来の写真乳剤塗布液は、通常加圧送液す
るだけで気泡が液中に溶解、消滅してしまい、塗布時に
大気圧下に戻されても気泡が析出するようなことはほと
んどない。ところが、本発明で好ましく用いられる有機
銀塩分散物とポリマーラテックスなどを含む画像形成層
塗布液の場合は、加圧送液だけでは脱泡が不十分になり
やすいため、気液界面が生じないようにして送液しなが
ら超音波振動を与え脱泡することが好ましい。
【0144】本発明において塗布液の脱泡は、塗布液を
塗布される前に減圧脱気し、さらに1.5kg/cm2
以上の加圧状態に保ち、かつ気液界面が生じないように
して連続的に送液しながら超音波振動を与える方式が好
ましい。具体的には、特公昭55−6405号公報(4
頁20行から7頁11行)に記載されている方式が好ま
しい。このような脱泡を行う装置として、特願平10−
290003号明細書の実施例と図3に示される装置を
好ましく用いることができる。
【0145】加圧条件としては、1.5kg/cm2
上が好ましく、1.8kg/cm2以上がより好まし
い。その上限に特に制限はないが、通常5kg/cm2
程度である。与えられる超音波の音圧は0.2V以上、
好ましくは0.5V〜3.0Vであり、一般的に音圧は
高い方が好ましいが、音圧が高すぎるとキャピテーショ
ンにより部分的に高温状態になりカブリの発生原因とな
る。周波数は特に制約はないが、通常10kHz以上、
好ましくは20kHz〜200kHzである。なお、減
圧脱気は、タンク内(通常、調液タンクもしくは貯蔵タ
ンク)を密閉減圧し、塗布液中の気泡径を増大させ、浮
力をかせぎ脱気させることを指し、減圧脱気の際の減圧
条件は−200mmHgないしそれより低い圧力条件、
好ましくは−250mmHgないしそれより低い圧力条
件とし、その最も低い圧力条件は特に制限はないが通常
−800mmHg程度である。減圧時間は30分以上、
好ましくは45分以上であり、その上限は特に制限され
ない。
【0146】本発明において、画像形成層、画像形成層
の保護層、下塗層およびバック層には特開平11−84
573号公報の段落番号0204〜0208、特願平1
1−106881号明細書の段落番号0240〜024
1に記載の如くハレーション防止などの目的で、染料を
含有させることができる。
【0147】画像形成層には色調改良、イラジエーショ
ン防止の観点から各種染料や顔料を用いることができ
る。画像形成層に用いる染料および顔料はいかなるもの
でもよいが、例えば特開平11−119374号公報の
段落番号0297に記載されている化合物を用いること
ができる。これらの染料の添加法としては、溶液、乳化
物、固体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染された状態
などいかなる方法でもよい。これらの化合物の使用量は
目的の吸収量によって決められるが、一般的に1m2
たり1×10-6g〜1gの範囲で用いることが好まし
い。
【0148】本発明でハレーション防止染料を使用する
場合、該染料は所望の範囲で目的の吸収を有し、処理後
に可視領域での吸収が充分少なく、上記バック層の好ま
しい吸光度スペクトルの形状が得られればいかなる化合
物でもよい。例えば特開平11−119374号公報の
段落番号0300に記載されている化合物を用いること
ができる。また、ベルギー特許第733,706号明細
書に記載されるように染料による濃度を加熱による消色
で低下させる方法、特開昭54−17833号公報に記
載されるように光照射による消色で濃度を低下させる方
法等を用いることもできる。
【0149】本発明の熱現像画像記録材料が熱現像後に
おいて、PS版により刷版を作製する際にマスクとして
用いられる場合、熱現像後の熱現像画像記録材料は、製
版機においてPS版に対する露光条件を設定するための
情報や、マスク原稿およびPS版の搬送条件等の製版条
件を設定するための情報を画像情報として担持してい
る。従って、前記のイラジエーション染料、ハレーショ
ン染料、フィルター染料の濃度(使用量)は、これらを
読み取るために制限される。これら情報はLEDあるい
はレーザーによって読み取られるため、センサーの波長
域のDmin(最低濃度)が低い必要があり吸光度が
0.3以下である必要がある。例えば、富士写真フイル
ム(株)社製、製版機S−FNRIIIはトンボ検出のた
めの検出器およびバーコードリーダーとして670nm
の波長の光源を使用している。また、清水製作社製、製
版機APMLシリーズのバーコードリーダーとして67
0nmの光源を使用している。すなわち670nm付近
のDmin(最低濃度)が高い場合にはフィルム上の情
報が正確に検出できず搬送不良、露光不良など製版機で
作業エラーが発生する。従って、670nmの光源で情
報を読み取るためには670nm付近のDminが低い
必要があり、熱現像後の660〜680nmの吸光度が
0.3以下である必要がある。より好ましくは0.25
以下である。その下限に特に制限はないが、通常は0.
10程度である。
【0150】本発明において、像様露光に用いられる露
光装置は露光時間が10-7秒未満の露光が可能な装置で
あればいずれでもよいが、一般的にはレーザダイオード
(LD)、発光ダイオード(LED)を光源に使用した
露光装置が好ましく用いられる。特に、LDは高出力、
高解像度の点でより好ましい。これらの光源は目的波長
範囲の電磁波スペクトルの光を発生することができるも
のであればいずれでもよい。例えばLDであれば、色素
レーザー、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザ
ーなどを用いることができる。
【0151】本発明における露光は光源の光ビームをオ
ーバーラップさせて露光する。オーバーラップとは副走
査ピッチ幅がビーム径より小さいことをいう。オーバー
ラップは、例えばビーム径をビーム強度の半値幅(FW
HM)で表わしたとき、FWHM/副走査ピッチ幅(オ
ーバーラップ係数)で定量的に表現することができる。
本発明ではこのオーバーラップ係数が0.2以上である
ことが好ましい。
【0152】本発明に使用する露光装置の光源の走査方
式は特に限定はなく、円筒外面走査方式、円筒内面走査
方式、平面走査方式などを用いることができる。また、
光源のチャンネルは単チャンネルでもマルチチャンネル
でもよいが、円筒外面方式の場合にはマルチチャンネル
が好ましく用いられる。
【0153】本発明の熱現像画像記録材料は露光時のヘ
イズが低く、干渉縞が発生しやすい傾向にある。この干
渉縞の発生防止技術としては、特開平5−113548
号公報などに開示されているレーザー光を画像記録材料
に対して斜めに入光させる技術や、国際公開WO95/
31754号公報などに開示されているマルチモードレ
ーザーを利用する方法が知られており、これらの技術を
用いることが好ましい。
【0154】本発明に用いる画像形成方法の加熱現像工
程はいかなる方法であってもよいが、通常イメージワイ
ズに露光した熱現像画像記録材料を昇温して現像され
る。用いられる熱現像機の好ましい態様としては、熱現
像画像記録材料をヒートローラーやヒートドラムなどの
熱源に接触させるタイプとして特公平5−56499号
公報、特開平9−292695号公報、特開平9−29
7385号公報および国際公開WO95/30934号
に記載の熱現像機、非接触型のタイプとして特開平7−
13294号公報、国際公開WO97/28489号公
報、同97/28488号公報および同97/2848
7号公報に記載の熱現像機がある。特に好ましい態様と
しては非接触型の熱現像機である。好ましい現像温度と
しては80〜250℃であり、さらに好ましくは100
〜140℃である。現像時間としては1〜180秒が好
ましく、10〜90秒がさらに好ましい。
【0155】熱現像時における熱現像画像記録材料の寸
法変化による処理ムラを防止する方法として、80℃以
上115℃未満の温度で画像が出ないようにして、5秒
以上加熱した後、110℃〜140℃で熱現像して画像
形成させる方法(いわゆる多段階加熱方法)を採用する
ことが有効である。
【0156】本発明の熱現像画像記録材料を熱現像処理
するとき、110℃以上の高温にさらされるため、該材
料中に含まれている成分の一部、あるいは熱現像による
分解成分の一部が揮発してくる。これらの揮発成分は現
像ムラの原因になったり、熱現像機の構成部材を腐食さ
せたり、温度の低い場所で析出し異物として画面の変形
を引起こしたり、画面に付着して汚れとなる種々の悪い
影響があることが知られている。これらの影響を除くた
めの方法として、熱現像機にフィルターを設置し、また
熱現像機内の空気の流れを最適に調整することが知られ
ている。これらの方法は有効に組み合わせて利用するこ
とができる。国際公開WO95/30933号公報、同
97/21150号公報、特表平10−500496号
公報には、結合吸収粒子を有し揮発分を導入する第一の
開口部と排出する第二の開口部とを有するフィルターカ
ートリッジを、フィルムと接触して加熱する加熱装置に
用いることが記載されている。また、国際公開WO96
/12213号公報、特表平10−507403号公報
には、熱伝導性の凝縮捕集器とガス吸収性微粒子フィル
ターを組み合わせたフィルターを用いることが記載され
ている。本発明ではこれらを好ましく用いることができ
る。また、米国特許第4,518,845号明細書、特
公平3−54331号公報には、フィルムからの蒸気を
除去する装置とフィルムを伝熱部材へ押圧する加圧装置
と伝熱部材を加熱する装置とを有する構成が記載されて
いる。また、国際公開WO98/27458号には、フ
ィルムから揮発するかぶりを増加させる成分をフィルム
表面から取り除くことが記載されている。これらについ
ても本発明では好ましく用いることができる。
【0157】本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理
に用いられる熱現像機の一構成例を図5に示す。図5は
熱現像機の側面図を示したものである。図5の熱現像機
は熱現像画像記録材料50を平面状に矯正および予備加
熱しながら加熱部に搬入する搬入ローラー対51(上部
ローラーはシリコンゴムローラーで、下部ローラーがア
ルミ製のヒートローラー)と熱現像後の熱現像画像記録
材料50を平面状に矯正しながら加熱部から搬出する搬
出ローラー対52を有する。熱現像画像記録材料50は
搬入ローラー対51から搬出ローラー対52へと搬送さ
れる間に熱現像される。この熱現像中の熱現像画像記録
材料50を搬送する搬送手段は画像形成層を有する面が
接触する側に複数のローラー53が設置され、その反対
側のバック面が接触する側には不織布(例えば芳香族ポ
リアミドやテフロンから成る)等が貼り合わされた平滑
面54が設置される。熱現像画像記録材料50は画像形
成層を有する面に接触する複数のローラー53の駆動に
より、バック面を平滑面54の上に滑らせながら搬送さ
れる。ローラー53の上部および平滑面54の下部に
は、熱現像画像記録材料50の両面から加熱されるよう
に加熱ヒーター55が設置される。この場合の加熱手段
としては板状ヒーター等が挙げられる。ローラー53と
平滑面54とのクリアランスは平滑面の部材により異な
るが、熱現像画像記録材料50が搬送できるクリアラン
スに適宜調整される。好ましくは0〜1mmである。
【0158】ローラー53の表面の材質および平滑面5
4の部材は、高温耐久性があり、熱現像画像記録材料5
0の搬送に支障がなければ何でもよいが、ローラー表面
の材質はシリコンゴム、平滑面の部材は芳香族ポリアミ
ドまたはテフロン(PTFE)製の不織布が好ましい。
加熱手段としては複数のヒーターを用い、それぞれ加熱
温度を自由に設定することが好ましい。
【0159】なお、加熱部は、搬入ローラー対51を有
する予備加熱部Aと、加熱ヒーター55を備えた熱現像
加熱部Bとで構成されるが、熱現像処理部Bの上流の予
備加熱部Aは、熱現像温度よりも低く(例えば10〜3
0℃程度低く)、熱現像画像記録材料50中の水分量を
蒸発させるのに十分な温度および時間に設定することが
望ましく、熱現像画像記録材料50の支持体のガラス転
移温度(Tg)よりも高い温度で、現像ムラが出ないよ
うに設定することが好ましい。予備加熱部と熱現像処理
部の温度分布としては±1℃以下が好ましく、さらには
±0.5℃以下が好ましい。また、熱現像処理部Bの下
流にはガイド板56が設置され、搬出ローラー対52と
ガイド板56とを有する徐冷部Cが設置される。ガイド
板56は熱伝導率の低い素材が好ましく、熱現像画像記
録材料50に変形が起こらないようにするために冷却は
徐々に行うのが好ましく、冷却速度としては、0.5〜
10℃/秒が好ましい。
【0160】以上、図示例に従って説明したが、これに
限らず、例えば特開平7−13294号公報に記載のも
のなど、本発明に用いる熱現像機は種々の構成のもので
あってもよい。また、本発明において好ましく用いられ
る多段加熱方法の場合は、上述のような装置において、
加熱温度の異なる熱源を2個以上設置し、連続的に異な
る温度で加熱するようにすればよい。
【0161】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。 <実施例1> 《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》水700mlに、アルカ
リ処理ゼラチン(カルシウム含有量として2700pp
m以下)11g、臭化カリウム30mg、および4−メ
チルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.3gを溶解し
て、40℃にてpHを6.5に調整した。この水溶液
に、硝酸銀18.6gを含む水溶液159mlと、臭化
カリウムを1モル/リットル、(NH42RhCl
5(H2O)を5×10-6モル/リットル、およびK3
rCl6を2×10-5モル/リットル含む水溶液とを、
pAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット
法で6分30秒かけて添加した。ついで、硝酸銀55.
5gを含む水溶液476mlと、臭化カリウムを1モル
/リットルおよびK3IrCl6を2×10-5モル/リッ
トル含むハロゲン塩水溶液を、pAg7.7に保ちなが
らコントロールダブルジェット法で28分30秒かけて
添加した。その後pHを下げて凝集沈降させて脱塩処理
をし、平均分子量15,000の低分子量ゼラチン(カ
ルシウム含有量として20ppm以下)51.1gを加
え、pH5.9、pAg8.0に調整した。得られた粒
子は平均粒子サイズ0.08μm、投影面積変動係数9
%、(100)面比率90%の立方体粒子であった。こ
うして得られたハロゲン化銀粒子を60℃に昇温して、
銀1モル当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム76
μモルを添加し、3分後にトリエチルチオ尿素71μモ
ルを添加した後、100分間熟成し、4−ヒドロキシ−
6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを5
×10-4モル、化合物Aを0.17g加えた後、40℃
に降温させた。その後、温度を40℃に保ち、ハロゲン
化銀1モルに対して4.7×10-2モルの臭化カリウム
(水溶液として添加)、12.8×10-4モルの下記増
感色素A(エタノール溶液として添加)、6.4×10
-3モルの化合物B(メタノール溶液として添加)を攪拌
しながら添加し、20分後に30℃に急冷してハロゲン
化銀乳剤Aの調製を終了した。
【0162】
【化8】
【0163】《有機酸銀分散物Aの調製》 <反応、晶析>ベヘン酸(ヘンケル社製、Edenor
C22−85R)876g、蒸留水4,230ml、5
N−NaOH水溶液492ml、およびtert−ブチ
ルアルコール1,200mlを混合し、75℃で1時間
攪拌して反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得た。こ
れとは別に、硝酸銀404gの水溶液(pH4.0)
2,062mlを用意し、10℃に保温した。蒸留水
6,350mlとtert−ブチルアルコール300m
lを入れた反応容器を30℃に保温し、攪拌しながら前
記ベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量
を、それぞれ62分10秒と60分かけて一定の速度で
添加した。この時、硝酸銀水溶液添加開始後7分20秒
間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、7分20
秒経過後にベヘン酸ナトリウム溶液を添加し始め、硝酸
銀水溶液添加終了後9分30秒間はベヘン酸ナトリウム
溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器
内の温度は30℃とし、液温が上がらないようにコント
ロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の
配管は、スチームトレースにより保温し、添加ノズル先
端の出口の液温が75℃になるようにスチーム量をコン
トロールした。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、
二重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。
ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添
加位置は攪拌軸を中心として対称に配置し、また反応液
に接触しないような高さに調節した。
【0164】<脱塩、ウェットケーキ化>ベヘン酸ナト
リウム溶液の添加終了後、そのままの温度で20分間攪
拌放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過により
固形分を濾別し、固形分を濾水の伝導度が30μS/c
mになるまで水洗した。こうして得られた固形分は、乾
燥させないでウエットケーキとして保管した。得られた
ベヘン酸銀の粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価し
たところ、平均投影面積径0.52μm、平均粒子厚み
0.14μm、平均球相当径の変動係数15%の鱗片状
の結晶であった。
【0165】<分散>つぎに、以下の方法でベヘン酸銀
の分散物を作製した。乾燥固形分100g相当のウエッ
トケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PV
A−217、平均重合度:約1,700)7.4gおよ
び水を添加し、全体量を3,850gとしてからホモミ
キサーにて予備分散した。次に予備分散済みの原液を分
散機(マイクロフルイデックス・インターナショナル・
コーポレーション製、商品名:マイクロフルイダイザー
M−110S−EH、G10Zインタラクションチャン
バー使用)の圧力を500kg/cm2に調節して、三
回処理し、有機酸銀分散物Aとしてベヘン酸銀分散物を
得た。冷却手段として蛇管式熱交換器をインタラクショ
ンチャンバーの前後にそれぞれ装着し、冷媒の温度を調
節することによって所望の分散温度に設定した。
【0166】《有機酸銀分散物Bの調製》有機酸銀分散
物Aの調製において、予備分散に続いて行うマイクロフ
ルイダイザーを用いる分散時の圧力を1000kg/c
2とした以外は同様に操作して、有機酸銀分散物Bを
得た。 《有機酸銀分散物Cの調製》有機酸銀分散物Aの調製に
おいて、予備分散に続いて行うマイクロフルイダイザー
を用いる分散時の圧力を1,700kg/cm2とした
以外は同様に操作して、有機酸銀分散物Cを得た。
【0167】《有機酸銀分散物Dの調製》反応、晶析お
よび脱塩、ウェットケーキ化は、有機酸銀分散物Aと同
様に調製した。その後、乾燥固形分100g相当のウエ
ットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:P
VA−217,平均重合度:約1,700)7.4gお
よび水を添加して全体量を3,850gとし、25℃に
調整した後、圧力1,700kg/cm2で図1に示す
分散セルに1回通し、冷却して、有機酸銀分散物Dを得
た。
【0168】《有機酸銀分散物Eの調製》有機酸銀分散
物Dの調製において、圧力を2,000kg/cm2
した以外は同様に操作して、有機酸銀分散物Eを得た。 《有機酸銀分散物Fの調製》有機酸銀分散物Dの調製に
おいて、圧力を3,000kg/cm2とした以外は同
様に操作して、有機酸銀分散物Fを得た。
【0169】《有機酸銀分散物Gの調製》有機酸銀分散
物Dの調製において、図1と図2の分散セルとを接合さ
せたセルを使用した。具体的には図2の分散セルの出口
17に図1の分散セルの入口6を接続した構成の分散セ
ルを使用し、入口16より25℃に調整したポリビニー
ルアルコールと水の混合液を、入口19よりウェットケ
ーキ化した有機酸銀をそれぞれ導入し、圧力2,000
kg/cm2で1回通し、冷却して、有機酸銀分散物G
を得た。
【0170】《有機酸銀分散物Hの調製》有機酸銀分散
物Gの調製において、圧力を3,000kg/cm2
した以外は同様に操作して、有機酸銀分散物Hを得た。
【0171】《有機酸銀分散物Iの調製》図4に示すよ
うな小型晶析設備を使って分散物Iを調製した。すなわ
ち、タンク42の中で、ベヘン酸(ヘンケル社製、Ed
enorC22−85R)876g、蒸留水4,230
ml、およびtert−ブタノール1,200mlを7
5℃で撹拌し、そこに5N−NaOH水溶液492ml
を5分かけて添加した後、60分間反応させてベヘン酸
ナトリウム溶液を得た。また、タンク41の中に硝酸銀
404gの水溶液(pH4.0)2,062mlを用意
し、10℃に保温した。さらに、タンク40の中には
6,000mlの純水を計り込み、ポンプ47を経由し
て、1,000cc/分の流速で循環させた。密閉型混合
機(パイプラインミキサー)48(みづほ工業(株)
製、LR−I型)で10,000rpmで撹拌しなが
ら、タンク41の硝酸銀水溶液を29cc/分の一定流
量で添加し、5秒経過後、次いでタンク42のベヘン酸
ナトリウム溶液を98cc/分の一定流量で添加し、熱
交換器49を介してタンク40にストックした。ここ
で、熱交換器およびタンク40のジャケットへは10℃
の冷却水を20L/分で供給したところ、タンク内の平
均温度は30℃であった。そのまま20分間撹拌しなが
ら放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形
分を濾別し、固形分を透過水の伝導度が30μS/cm
になるまで水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥
させないでウエットケーキとして保管した。その後は、
有機酸銀分散物Fの調製と同様に分散操作を行い、有機
酸銀分散物Iを得た。
【0172】《有機酸銀分散物Jの調製》ウエットケー
キを作製するまでは有機酸銀分散物Iの調製と同様に操
作し、その後は有機酸銀分散物Hの調製と同様に分散操
作を行って有機酸銀分散物Jを得た。こうして得られた
有機酸銀分散物A〜Jの調製条件、および平均粒子径
(体積加重平均直径)、粘度などの物性を表1に示す。
粒子サイズの測定は、Malvern Instrum
ents Ltd.製MasterSizerXにて行
った。
【0173】
【表1】
【0174】《還元剤の固体微粒子分散物の調製》還元
剤として1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン10
kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポ
バールMP203)の20重量%水溶液10kgに、水
16kgを添加して、よく混合してスラリーとした。こ
のスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径
0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミ
ル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて3時間3
0分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム
塩4gと水を加えて還元剤の濃度が25重量%になるよ
うに調製し、還元剤の固体微粒子分散物を得た。こうし
て得られた分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径
0.44μm、最大粒子径2.0μm以下、平均粒子径
の変動係数19%であった。得られた分散物は孔径3.
0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、
ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0175】《有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子
分散物の調製》有機ポリハロゲン化合物A[トリブロモ
メチル(4−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホ
ニル)フェニル)スルホン]10kg、変性ポリビニル
アルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の
20重量%水溶液10kg、トリイソプロピルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムの20重量%水溶液639g、
サーフィノール104E(日信化学(株)製)400
g、メタノール640g、および水16kgを添加し
て、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイ
アフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコ
ニアビーズを充填した横型サンドミル(アイメックス
(株)製、UVM−2)にて5時間分散したのち、水を
加えて有機ポリハロゲン化合物Aの濃度が25重量%に
なるように調整し、有機ポリハロゲン化合物Aの固体微
粒子分散物を得た。こうして得られた分散物に含まれる
有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.36μ
m、最大粒子径2.0μm以下、平均粒子径の変動係数
18%であった。得られた分散物は、孔径3.0μmの
ポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の
異物を除去して収納した。
【0176】《有機ポリハロゲン化合物Bの固体微粒子
分散物の調製》有機ポリハロゲン化合物B[トリブロモ
メチルナフチルスルホン]5kg、変性ポリビニルアル
コール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20
重量%水溶液2.5kg、トリイソプロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウムの20重量%水溶液213g、お
よび水10kgを添加して、よく混合してスラリーとし
た。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均
直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サン
ドミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時
間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩
2.5gと水を加えての有機ポリハロゲン化合物Bの濃
度が20重量%になるように調整し、有機ポリハロゲン
化合物Bの固体微粒子分散物を得た。こうして得られた
分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジア
ン径0.38μm、最大粒子径2.0μm以下、平均粒
子径の変動係数20%であった。得られた分散物は孔径
3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行
い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0177】《化合物−Zの固体微粒子分散物の調製》
化合物−Zを85重量%含有する三光(株)製R−05
4を3.5kgに対して、変性ポリビニルアルコール
(クラレ(株)製、ポバールMP203)1kgと水1
5kgとを添加してよく混合してスラリーとした。この
スラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.
5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル
(アイメックス(株)製、UVM−2)にて7時間分散
したのち、水を加えて化合物−Zの濃度が10重量%に
なるように調製し、化合物−Zの固体微粒子分散物を得
た。こうして得られた分散物に含まれる化合物−Zの粒
子はメジアン径0.45μm、最大粒子径4.0μm以
下、粒子径の変動係数17%であった。得られた分散物
は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにて
ろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0178】《6−イソプロピルフタラジン化合物の分
散液の調製》室温で水87.9gを攪拌しながら、変性
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP
203)2.0gが塊状にならない様に添加して10分
間攪拌混合した。その後加熱し、内温が50℃になるま
で昇温した後、1時間攪拌し均一に溶解した。内温を4
0℃以下に降温して、トリプロピルナフタレンスルホン
酸ナトリウムの20%水溶液3.0g、および6−イソ
プロピルフタラジン(70%水溶液)7.14gを添加
し、30分攪拌して透明分散液を得た。得られた分散物
は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにて
ろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して6−イソプロピル
フタラジン化合物の分散液として収納した。
【0179】《造核剤の固体微粒子分散物の調製》表2
に記載の造核剤4kgに対して、変性ポリビニルアルコ
ール(クラレ(株)製、ポバールPVA−217)1k
gと水36kgとを添加して、よく混合してスラリーと
した。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平
均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サ
ンドミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて1
2時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウ
ム塩4gと水を加えて造核剤濃度が10重量%になるよ
うに調整し、造核剤の固体微粒子分散物を得た。こうし
て得られた分散物に含まれる造核剤の粒子はメジアン径
0.34μm、最大粒子径3.0μm以下、粒子径の変
動係数19%であった。得られた分散物は、孔径3.0
μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴ
ミ等の異物を除去して収納した。
【0180】《画像形成層塗布液の調製》上記で作製し
たベヘン酸銀分散物Aの銀1モルに対して、以下のバイ
ンダー、素材、およびハロゲン化銀乳剤Aを添加して、
水を加えて、画像形成層塗布液とした。完成後、減圧脱
気を−350mmHgで60分間行った。塗布液のpH
は7.7、粘度は25℃で45cpであった。
【0181】 バインダー 固形分として 397g (大日本インキ化学工業(株)製、ラックスター3307B、SBRラテックス でガラス転移温度17℃) 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−ト リメチルヘキサン 固形分として 149g 有機ポリハロゲン化合物A 固形分として 43.5g 有機ポリハロゲン化合物B 固形分として 13.5g エチルチオスルホン酸ナトリウム 0.30g ベンゾトリアゾール 1.04g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−235) 10.8g 6−イソプロピルフタラジン 固形分として 12.8g オルトリン酸二水素ナトリウム・2水和物 0.37g 化合物−Z 固形分として 9.7g 造核剤(表2に記載の種類) 固形分として 0.03モル 染料A(平均分子量15,000の低分子量ゼラチンとの混合液として添加) 783nmの光学濃度が0.3になる塗布量(目安として0.37g) ハロゲン化銀乳剤A Ag量として 0.06モル 化合物C 2.0g 防腐剤として化合物−A 塗布液中に40ppm (塗布量として2.5mg/m2) メタノール 塗布液中総溶媒量として 2重量% エタノール 塗布液中総溶媒量として 1重量% (なお、塗布膜のガラス転移温度は17℃であった。)
【0182】
【化9】
【0183】《下層保護層塗布液の調製》メチルメタク
リレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート
/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=
58.9/8.6/25.4/5.1/2(重量%)の
ポリマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度4
6℃(計算値)、固形分濃度21.5%、化合物Aを1
00ppm含有、造膜助剤として化合物Dをラテックス
の固形分に対して15重量%含有、塗布液のガラス転移
温度24℃)943gに水を加え、化合物Eを1.62
g、マット剤(ポリスチレン粒子、平均粒径7μm、平
均粒径の変動係数8%)1.98gおよびポリビニルア
ルコール(クラレ(株)製、PVA−235)29.4
gを加え、さらに水を加えて塗布液(メタノール溶媒を
2重量%含有)を調製した。塗布液を調製後、減圧脱気
を−400mmHgで60分間行った。塗布液のpHは
5.5、粘度は25℃で40cpであった。
【0184】《上層保護層塗布液の調製》メチルメタク
リレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート
/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=
58.9/8.6/25.4/5.1/2(重量%)の
ポリマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度4
6℃(計算値)、固形分濃度21.5%、化合物Aを1
00ppm含有、造膜助剤として化合物Dをラテックス
の固形分に対して15重量%含有、塗布液のガラス転移
温度24℃)649gに水を加え、カルナウバワックス
(中京油脂(株)製、セロゾール524:シリコーン含
有量として5ppm未満)30重量%溶液6.30g、
化合物Cを0.23g、化合物Fを7.95g、化合物
Gを0.93g、化合物Hを1.8g、マット剤(ポリ
スチレン粒子、平均粒径7μm、平均粒径の変動係数8
%)1.18gおよびポリビニルアルコール(クラレ
(株)製、PVA−235)12.1gを加え、さらに
水を加えて塗布液(メタノール溶媒を1.5重量%含
有)を調製した。塗布液調製後、減圧脱気を−400m
mHgで60分間行った。塗布液のpHは2.8、粘度
は25℃で30cpであった。
【0185】
【化10】
【0186】《バック/下塗り層を有するポリエチレン
テレフタレート(PET)支持体の作製》 (1)PET支持体の作製 テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従
い、固有粘度0.66(フェノール/テトラクロルエタ
ン=6/4(重量比)中25℃で測定)のポリエチレン
テレフタレートを得た。これをペレット化した後、13
0℃で4時間乾燥した後、300℃で溶融後T型ダイか
ら押し出した後に急冷し、熱固定後の膜厚が120μm
になるような厚みの未延伸フィルムを作製した。これを
周速の異なるロールを用いて110℃で3.3倍に縦延
伸し、ついでテンターを用いて130℃で4.5倍に横
延伸した。この後、240℃で20秒間熱固定後、同じ
温度で横方向に4%緩和した。この後、テンターのチャ
ック部をスリットした後、両端にナール加工を行い、
4.8kg/cm2で巻きとった。このようにして、幅
2.4m、長さ3,500m、厚み120μmのロール
状のPET支持体を得た。
【0187】(2)下塗り層およびバック層の形成 (2−1)下塗り第一層 以下に示す組成の塗布液を6.2ml/m2となる様に
支持体上に塗布し、125℃で30秒、150℃で30
秒、185℃で30秒乾燥した。 ラテックス−A 280g KOH 0.5g ポリスチレン微粒子(平均粒径:2μm、平均粒径の変動係数7%) 0.03g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 1.8g 蒸留水 合計1,000gとなる量
【0188】(2−2)下塗り第二層 以下に示す組成の塗布液を5.5ml/m2となる様に
下塗り第一層の上に塗布し、125℃で30秒、150
℃で30秒、170℃で30秒乾燥した。 脱イオン処理ゼラチン(Ca2+含量0.6ppm、ゼリー強度230g) 10g 酢酸(20%水溶液) 10g 化合物‐Bc−A 0.04g メチルセルロース(2%水溶液) 25g ポリエチレンオキシ化合物 0.3g 蒸留水 合計1,000gとなる量
【0189】(2−3)バック第一層 前記下塗り層塗布面とは反対側の面に0.375kV・
A・分/m2のコロナ放電処理を施し、その面に以下に
示す組成の塗布液を13.8ml/m2となる様に塗布
し、125℃で30秒、150℃で30秒、185℃で
30秒乾燥した。 ジュリマーET410(30%水分散物、日本純薬(株)製) 23g アルカリ処理ゼラチン(分子量約10000、Ca2+含量30ppm) 4.44g 脱イオン処理ゼラチン(Ca2+含量0.6ppm) 0.84g 化合物‐Bc−A 0.02g 染料−Bc−A(783nmの光学濃度として1.3〜1.4になるように調整 ) 目安として 0.88g ポリオキシエチレンフェニルエーテル 1.7g 水溶性メラミン化合物(住友化学工業(株)製、スミテックスレジンM−3(8 %水溶液)) 15g SbドープSnO2の針状粒子の水分散物 (石原産業(株)製、FS−10D) 24g ポリスチレン微粒子 (平均粒径:2μm,平均粒径の変動係数7%) 0.03g 蒸留水 合計1,000gとなる量
【0190】(2−4)バック第二層 以下に示す組成の塗布液を5.5ml/m2となる様に
バック第一層上に塗布し、125℃で30秒、150℃
で30秒、170℃で30秒乾燥した。 ジュリマーET410(30%水分散物、日本純薬(株)製) 57.5g ポリオキシエチレンフェニルエーテル 1.7g 水溶性メラミン化合物(住友化学工業(株)製、スミテックスレジンM−3(8 %水溶液)) 15g セロゾール524(30%水溶液、中京油脂(株)製) 6.6g 蒸留水 合計1,000gとなる量
【0191】(2−5)バック第三層 下塗り第一層の塗布液と同じ組成を有する塗布液を6.
2ml/m2となる様にバック第二層上に塗布し、12
5℃で30秒、150℃で30秒、185℃で30秒乾
燥した。
【0192】(2−6)バック第四層 以下に示す組成の塗布液を13.8ml/m2となる様
にバック第三層上に塗布し、125℃で30秒、150
℃で30秒、170℃で30秒乾燥した。 ラテックス−B 286g 化合物−Bc−B 2.7g 化合物−Bc−C 0.6g 化合物−Bc−D 0.5g 2,4ジクロロ−6−ヒドロキシーs−トリアジン 2.5g ポリメチルメタクリレート (10%水分散物、平均粒子径5μm、平均粒子の変動係数7%) 7.7g 蒸留水 合計1,000gとなる量
【0193】
【化11】
【0194】ラテックス−A: コア部90重量%、シェル部10重量%のコアシェルタ
イプのラテックス コア部:塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチル
メタクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸=93
/3/3/0.9/0.1(重量%) シェル部:塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチ
ルメタクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸=8
8/3/3/3/3(重量%) 重量平均分子量38000 ラテックス−B: メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシル
アクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/
アクリル酸=59/9/26/5/1(重量%の共重合
体)
【0195】(3)搬送熱処理 (3−1)熱処理 作製したバック/下塗り層を有するPET支持体を、1
60℃に設定した全長200m熱処理ゾーンに入れ、張
力2kg/cm2、搬送速度20m/分で搬送した。 (3−2)後熱処理 上記熱処理に引き続き、40℃のゾーンに15秒間通し
て後熱処理を行い、巻き取った。この時の巻き取り張力
は10kg/cm2であった。
【0196】《熱現像画像記録材料の作製》PET支持
体の下塗り第二層の上に、特願平10−292849号
明細書の図1に示されるスライドビート塗布方式を用い
て、前記の画像形成層塗布液を塗布銀量1.5g/m2
になるように塗布した。さらにその上に、前記下層保護
層塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が1.3
1g/m2になるように画像形成層塗布液と共に同時重
層塗布した。その後、下層保護層の上に前記上層保護層
塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が3.02
g/m2になるように塗布し、熱現像画像記録材料を作
製した。塗布時の乾燥は、恒率過程、減率過程とも乾球
温度70〜75℃、露点8〜25℃、液膜表面温度35
〜40℃の範囲で、水平乾燥ゾーン(塗布機の水平方向
に対し支持体が1.5°〜3°の角度)で行った。乾燥
後の巻取りは25±5℃、相対湿度45±10%の条件
下で行い、巻き姿はその後の加工形態(画像形成層面側
外巻)に合わせ、画像形成層面側を外にした。なお、熱
現像画像記録材料の相対湿度は20〜40%(25℃測
定)で、得られた熱現像画像記録材料の画像形成側の膜
面pHは5.0、ベック平滑度は850秒であり、反対
側の膜面pHは5.9、ベック平滑度は560秒であっ
た。
【0197】《露光処理》得られた熱現像画像記録材料
を、ビーム径(ビーム強度の1/2のFWHM)12.
56μm、レーザー出力50mW、出力波長783nm
の半導体レーザーを搭載した単チャンネル円筒内面方式
のレーザー露光装置を使用し、ミラーの回転数を変化さ
せることにより露光時間を調整し、出力値を変えること
により露光量を調整して、2×10-8秒で露光した。こ
の時のオーバーラップ係数は0.449にした。
【0198】《熱現像処理》露光済みの熱現像画像記録
材料に対して、図5に示す熱現像機を用いて熱現像処理
を行った。熱現像処理部のローラー表面材質はシリコン
ゴム、平滑面はテフロン不織布とし、搬送の線速度2
1.2mm/秒で予備加熱部14.4秒(予備加熱部と
熱現像処理部の駆動系は独立しており、熱現像部との速
度差は−0.5%〜−1%に設定、各予備加熱部の金属
ローラーの設定温度と時間は第1ローラーが67℃で
2.4秒、第2ローラーが82℃で2.4秒、第3ロー
ラーが98℃で2.4秒、第4ローラーが107℃で
2.4秒、第5ローラーが115℃で2.4秒、第6ロ
ーラーが120℃で2.4秒にした)、熱現像処理部は
120℃(熱現像画像記録材料面温度)で20.3秒、
徐冷部は16秒(120℃から60℃に連続的に16秒
かけて低下させ、冷却速度は−3.75℃/秒)で熱現
像処理を行った。なお、幅方向の温度精度は±0.5℃
であった。各ローラー温度の設定は熱現像画像記録材料
の幅(例えば幅61cm)よりも両側それぞれ5cm長
くして、その部分にも温度をかけて、温度精度が出るよ
うにした。なお、各ローラーの両端部分は温度低下が激
しいので、熱現像画像記録材料の両端部から幅5cmの
部分はローラー中央部よりも1〜3℃温度が高くなるよ
うに設定し、熱現像画像記録材料(例えば幅61cmの
中で)の画像濃度が均質な仕上がりになるように留意し
た。
【0199】《写真性能の評価》得られた画像を、マク
ベスTD904濃度計(可視濃度)を用いて評価した。
評価は、Dmin(カブリ)、Dmax(最高濃度)お
よび感度(Dminより1.5高い濃度を与える露光量
の比の逆数の相対値で評価し、表2に記載のサンプルN
o.1を100とした)について行った。結果を表2に
示す。感度は数値が大きいほど感度が高いことを示す。 《保存性の評価》Dminを強制条件で評価するため、
上記画像形成層中の化合物Zを除去したサンプルをそれ
ぞれ二組作製し、一組を冷凍庫(−20℃)下に、もう
一組は50℃70%RH下に5日間保存した。これらの
試料を上記同様、露光、熱現像処理を行い、得られた画
像のDmin(カブリ)を評価した。結果を表2に示
す。
【0200】
【表2】
【0201】
【発明の効果】本発明の熱現像画像記録材料は、Dma
x(最高濃度)が高く、カブリが低くて写真製版用途に
最適な写真特性を備えている。また、本発明の熱現像画
像記録材料は、保存時のDminの上昇が少なく、保存
性に優れる。特に、反応、晶析に密閉型混合装置で調製
したものが優れている。さらに、本発明の熱現像画像記
録材料は、環境面やコスト面で有利な水系塗布により製
造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる非感光性有機銀塩を微粒子化す
るために用いられる超高圧分散機の分散セル部の一構成
例を示す断面図である。
【図2】本発明に用いる非感光性有機銀塩を微粒子化す
るために用いられる超高圧分散機の分散セル部の別の構
成例を示す断面図である。
【図3】図1または図2のPEEK製シール8または1
8の拡大図である。
【図4】本発明に用いる非感光性有機銀塩を調製するた
めに用いられる反応・晶析装置の一構成例を示す模式図
である。
【図5】本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理に用
いられる熱現像機の一構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
1、11 先端にオリフィスを有するノズル 2、12 アブゾープションセル 3、13 オリフィス 4 液反転用プラグ 5、15 カップリング 6、16 分散前の液の入口 7、17 分散後の液の出口 8、18 PEEK製シール 14 プラグ 19 組成物、粉体ないし他の液の入口 20 アブゾープションセル 21 PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)製シー
ル 22 凹部 40 生成液用タンク 41 添加成分1用タンク 42 添加成分2用タンク 43 添加成分1用流量計 44 添加成分2用流量計 45 添加成分1用ポンプ 46 添加成分2用ポンプ 47 生成液循環用ポンプ 48 密閉型混合機 49 熱交換器 50 熱現像画像記録材料 51 搬入ローラー対 52 搬出ローラー対 53 ローラー 54 平滑面 55 加熱ヒーター 56 ガイド板 A 予備加熱部 B 熱現像処理部 C 徐冷部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、非感光性有機銀塩、還元
    剤、およびバインダーを有する熱現像画像記録材料にお
    いて、前記非感光性有機銀塩が1,800kg/cm2
    以上の超高圧分散機で微粒子化されたものであることを
    特徴とする、熱現像画像記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に、非感光性有機銀塩、還元
    剤、およびバインダーを有する熱現像画像記録材料にお
    いて、前記非感光性有機銀塩が、水または水と有機溶剤
    との混合物を溶媒とする銀イオン溶液と、水、有機溶剤
    または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アル
    カリ金属塩の溶液とを、密閉混合手段中で混合して反応
    させ、その後、1,800kg/cm2以上の超高圧分
    散機で微粒子化されたものであることを特徴とする熱現
    像画像記録材料。
  3. 【請求項3】 超高圧分散機による微粒子化を超高圧ジ
    ェット流内で行うことを特徴とする、請求項1または2
    に記載の熱現像画像記録材料。
  4. 【請求項4】 支持体上の画像形成層が感光性ハロゲン
    化銀を含み、画像形成層のバインダーの50重量%以上
    がガラス転移温度が−30℃〜40℃のポリマーラテッ
    クスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    に記載の熱現像画像記録材料。
  5. 【請求項5】 支持体上の画像形成層側に形成された層
    の少なくとも一層が造核剤を含むことを特徴とする、請
    求項1〜4のいずれかに記載の熱現像画像記録材料。
  6. 【請求項6】 前記造核剤が、下記式(1)で表される置
    換アルケン誘導体、下記式(2)で表される置換イソオキ
    サゾール誘導体、および下記式(3)で表されるアセター
    ル化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物であ
    ることを特徴とする、請求項5に記載の熱現像画像記録
    材料。 【化1】 [式(1)において、R1、R2、R3は、それぞれ独立に
    水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引性基または
    シリル基を表す。式(1)において、R1とZ、R2
    3、R1とR2、あるいはR3とZは、互いに結合して環
    状構造を形成していてもよい。式(2)において、R4
    置換基を表す。式(3)において、X、Yはそれぞれ独立
    に水素原子または置換基を表し、A、Bはそれぞれ独立
    に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ
    基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、
    ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基またはヘテロ環アミ
    ノ基を表す。式(3)において、XとY、あるいはAとB
    は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。]
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