JP2001098102A - 樹脂多孔体の製造方法 - Google Patents

樹脂多孔体の製造方法

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JP2001098102A
JP2001098102A JP27452399A JP27452399A JP2001098102A JP 2001098102 A JP2001098102 A JP 2001098102A JP 27452399 A JP27452399 A JP 27452399A JP 27452399 A JP27452399 A JP 27452399A JP 2001098102 A JP2001098102 A JP 2001098102A
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resin
resins
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porous body
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Kozo Makino
耕三 牧野
Kouki Deguchi
好希 出口
Toshio Inamori
俊夫 稲守
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤を使う必要がなく廃液などの処理が不要
で、樹脂多孔体を容易に、かつ効率よく製造することが
可能な樹脂多孔体の製造方法の提供。 【解決手段】 樹脂(A)及び(B)の少なくとも一方
を高圧下でガスに暴露してガスを溶解した後に樹脂
(A)及び(B)を混合し、又は、樹脂(A)及び
(B)の混合物を高圧下でガスに暴露してガスを溶解
し、前記得られた樹脂混合物中に溶解しているガスを急
激に膨張させ、樹脂混合物中に連続微細空孔を形成させ
る、樹脂多孔体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルター、吸着
材、吸音材料及び触媒担持体などとして利用可能な、樹
脂多孔体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】ろ過性、吸着性、機能材料の担持性、音や
衝撃の緩和性等の特性を付与するために空孔を内部に有
した、樹脂多孔体は公知である。こうした樹脂多孔の製
造方法としては、例えば、特開平11−60791号公
報に、ポリエチレンに可塑剤を使用し、相分離構造を形
成した後に、アルコールなどで可塑剤を除去し、ポリエ
チレンの多孔フィルムを製造する方法が開示されてい
る。上記公報記載の、相分離構造の一方を溶剤などで除
去することによって連続した微細な孔を有する多孔フィ
ルムを製造する方法は、安定に多孔化でき、よく用いら
れる技術である。
【0003】しかしながら、可塑剤の除去に用いる有機
溶剤による大気汚染や、作業環境の問題、あるいは除去
後の廃液処理等の問題があった。また、一旦添加した物
質を再び除去するため製造効率がよいとは言いがたい。
また、延伸等によって発泡体に亀裂を生じさせ連続気孔
を形成させる従来技術もあるが、強制的に気孔を形成す
るためその形状の均一性に問題があり、また得られる製
品の強さも更に改善を要するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
樹脂多孔体の問題点に鑑みてなされたもので、その目的
は、廃液などの処理が不要で、樹脂多孔体を容易に、か
つ効率よく製造することが可能な樹脂多孔体の製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の発明にかかる樹脂
多孔体の製造方法は、樹脂(A)及び(B)の少なくと
も一方を高圧下でガスに暴露してガスを溶解した後に樹
脂(A)及び(B)を混合し、又は、樹脂(A)及び
(B)の混合物を高圧下でガスに暴露してガスを溶解
し、前記得られた樹脂混合物中に溶解しているガスを急
激に膨張させ、樹脂混合物中に連続微細空孔を形成させ
る、樹脂多孔体の製造方法とした。また、本発明の請求
項2に記載の発明にかかる樹脂多孔体の製造方法は、ガ
スが超臨界状態である請求項1に記載の樹脂多孔体の製
造方法とした。
【0006】本発明においてガスとは、常温、常圧で気
体状態の有機ないしは無機物質であって、高温・高圧で
樹脂への溶解性が良好で、樹脂を劣化させないものであ
れば、特に限定されず使用できる。常温・常圧で気体状
態のため使用後、容易に樹脂組成物から除去することが
可能である。
【0007】火災・爆発等の危険性がなく、また環境へ
の悪影響が少なく、作業者の健康に対して安全で、回収
が不要なガスが好ましい。このようなガスとして、例え
ば二酸化炭素、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸
素等の無機ガスや、フロンガス、低分子量の炭化水素等
の有機ガスが挙げられ、用いる樹脂によく溶解するもの
が好ましく選択される。より火災等の危険性がなく安全
で、環境への悪影響も少なく、尚かつ安価なガスとして
二酸化炭素、窒素が好ましく用いられる。二酸化炭素は
樹脂に対する溶解度が高く、かつ火災等の危険性もなく
安全で、特に好適に用いることができるガスである。
【0008】本発明においては、樹脂(A)及び(B)
の混合物中に、ガスが溶解されているため、ガスが可塑
剤として働き、通常の加熱によるだけでは成形が困難な
溶融粘度の高い樹脂、あるいは熱分解しやすい樹脂も使
用することが可能となる。
【0009】本発明において、上記ガスが溶解された樹
脂混合物を得るに際し、ガスの溶解の時期は、樹脂
(A)及び(B)の混合前でも良く、混合後でも良く、
場合によっては混合中でも良い。すなわち、樹脂(A)
及び(B)の少なくとも一方を高圧下でガスに暴露して
ガスを溶解した後に樹脂(A)及び(B)を混合して樹
脂混合物を得ても良く、又は、樹脂(A)及び(B)の
混合物を高圧下でガスに暴露してガスを溶解して樹脂混
合物を得ても良い。
【0010】樹脂(A)及び(B)の混合物を得るに
は、樹脂(A)及び(B)を加熱溶融すると共に、通常
は、剪断力を与えて、樹脂(A)及び(B)を均一に混
練・分散させる。混練機としては、押出機型混練機、高
速二軸連続ミキサー、バンバリミキサー羽型混練機、ミ
キシングロール等、従来公知の混練機の使用が可能であ
る。樹脂(A)及び(B)の混合物又は混練物をガスに
暴露してガスを樹脂中へ溶解するには、迅速に行うため
に、高圧下で実施することを要し、好ましくは高温及び
高圧下で実施する。ガスを溶解させる方法・装置として
は、特に限定されないが、バッチ式の容器でもよいし、
ライン式の連続混合機内に上記ガスを導入して溶解させ
ても構わない。
【0011】ガスの供給はガスボンベから直接供給して
もよいし、加圧ポンプ等を用いてより高圧にして供給す
ることもできる。また、樹脂混合物にガスを溶解させる
容器、機器は、シールされて密閉されていることが好ま
しい。ガスが漏れて、大気中に抜けるのを防ぐ。
【0012】高圧とは、ガスを樹脂混合物に短時間で充
分な量だけ溶解させることが可能な圧力のことで、使用
する樹脂及びガスによって異なり、任意に設定できる
が、(ガスの臨界圧力−3MPa )以上の圧力が好まし
い。(ガスの臨界圧力−3MPa )未満では、ガスの溶
解に時間がかかり、また溶解量が少なくガスを急激に膨
脹させる時、充分樹脂を押し広げることができず気孔率
の高い多孔体を得ることが困難となる。
【0013】また、高温とは樹脂が充分に軟化し、ガス
を短時間で溶解させることが可能な温度で、使用する樹
脂及びガスによって異なり、任意に設定できる。ガスの
臨界温度以上であればより好ましい。上記の温度以下で
はガスの溶解に時間が長くかかり過ぎ、効率が悪く好ま
しくない。
【0014】ガスは超臨界状態であるのが特に好まし
い。なお、超臨界状態とは、臨界温度かつ臨界圧力以上
の状態をいう。たとえば、ガスが二酸化炭素の場合、臨
界温度は30.9℃、臨界圧力は7.4MPa、窒素の
場合臨界温度は−146.9℃、臨界圧力は3.4MP
aである。
【0015】また、ガスを樹脂混合物中に供給後、十分
な量のガスを溶解させるため、上記温度・圧力は一定時
間保たれることが好ましい。また、上記温度・圧力を越
えて保つ時間は、熱可塑性樹脂の種類、ガスの種類、あ
るいは溶解時の条件により異なり、適当な時間を選択す
る必要がある。
【0016】樹脂混合物中へのガスの溶解量は、樹脂の
溶融粘度を必要量減少できる量であればよく、樹脂の種
類、ガスの種類によって適宣選択することができるが、
樹脂100重量部に対し3〜50重量部のガスを溶解さ
せることが好ましい。また、ガスの溶解は飽和状態であ
ることが好ましいが、必ずしも飽和状態である必要は無
い。
【0017】また、本発明においては、続いて樹脂混合
物中に溶解しているガスを急激に膨脹させ、樹脂混合物
中に連続微細空孔を形成させる。本発明者らはガスを溶
解させた樹脂(A)及び(B)の混合物を、一方の樹脂
(A)の溶融粘度が低く、かつ一方の樹脂(B)の溶融
粘度が高くなる条件でガスを急激に膨脹させることによ
って、選択的に低粘度の樹脂(A)がガスによって押し
広げられ、その抜け跡が微細な孔の連続空孔を形成して
樹脂の多孔体が得られることを見出した。以下、ガスが
樹脂混合物中に溶解している状態で、樹脂(A)及び
(B)の内、相対的により低粘度の樹脂を樹脂(A)、
より高粘度の樹脂を樹脂(B)とする。
【0018】ガスによって微細空孔を形成させるため、
従来の方法のように有機溶剤などによって一方の相を除
去する工程が不要で簡易であり、また、廃液が発生せず
環境を汚染する恐れがない。
【0019】本発明において樹脂は(A)、(B)の2
種が最低限必要であるが、3種以上でも構わない。本発
明において用いられる上記樹脂としては、特に限定され
ず、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA等のポリオ
レフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリス
チレン樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系
プラスチック、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹
脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノー
ル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂
等の熱硬化性樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、
ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
スルホン、液晶ポリエステル等のエンジニアリングプラ
スチックなどが挙げられる。
【0020】これらの樹脂は、常温で固体であることが
好ましく、より好ましくは、50℃以上の温度でも溶融
状態とならない樹脂であることが、最終的に得られる樹
脂多孔体の耐熱性が高くなる点で好ましい。より好まし
くは100℃以上である。また、樹脂(A)はガスを急
激に膨脹させるとき、低粘度でガスにより押し広げられ
なければならないため、熱可塑性樹脂であることが、安
定に製造するために好ましい。
【0021】本発明においては、上記の樹脂(A)及び
(B)の他に、可塑剤、滑剤、安定剤、アンチブロッキ
ング剤、消泡剤、顔料、染料等の添加剤を本発明の目的
を損なわない程度で配合しても構わない。また、場合に
よっては、可塑剤を一度添加し、その後有機溶剤で除く
等といった公知技術を併せて実施しても構わない。但
し、地球環境の問題や、最終的に得られる製品の中に含
まれる不純物等の問題等からその使用は最小限にとどめ
ることが好ましい。
【0022】本発明においては、樹脂(A)及び(B)
の相溶性は特に限定されないが、選択的に一方の樹脂相
がガスにより押し広げられやすくするために、樹脂
(A)及び(B)の混合物は、互いに一部あるいは全部
が2相に別れて相溶しない、相分離構造を示す配合とな
ることが好ましい。混合時、必ず一方の樹脂は連続相を
形成するが、本発明においては樹脂(A)が連続相であ
ることが好ましく、互いに連続相を形成することがより
好ましい。ガスが存在しない状態での樹脂(A)及び
(B)の相溶状態は、実際にガスが樹脂を押し広げる、
ガスが存在する状態と厳密には異なるが、ガスは相溶化
剤としても機能するため、ガスが存在しない状態で相分
離構造をとるのが、ガス存在状態で相分離構造を取るた
めのの条件となる。
【0023】樹脂(A)及び(B)が相溶する場合、分
子レベルまで互いに絡みあうため、ガスを樹脂混合物中
に溶解した後、ガスを急激に膨脹させても、一方の樹脂
相を選択的にガスが押し広げることが困難で、気孔率の
高い多孔体を得ることが困難となる。従って相分離構造
が好ましい。上記の混合物の相構造は、試料を染色後、
透過電子顕微鏡などにより観察することができる。
【0024】樹脂(A)及び(B)の混合比は特に限定
されず、任意に混合されるが、樹脂(A)及び(B)が
相分離構造を形成する混合比が好ましい。上記好ましい
混合比は選択する樹脂(A)及び(B)の組合せによっ
て異なる。また樹脂(A)及び(B)の混合はガスを溶
解する前、最中、あるいは後のいずれの場合に行われて
もよいが、より微細な相分離構造状態を形成するために
ガスの溶解前に混合されることが好ましい。
【0025】ガスを急激に膨脹させる方法としては、特
に限定されないが、ガスを溶解させた樹脂混合物が存在
する雰囲気の圧力を急激に低下させる方法等が挙げられ
る。具体的には例えば、オートクレーブのような密閉容
器の高圧状態をコックを開放することによって減圧する
方法、高圧状態の押し出し金型から大気中に押し出す方
法、あるいは、高圧状態の射出金型を低圧雰囲気に開放
する方法等が挙げられる。上記押出あるいは射出成形機
としては、特に限定されないが、たとえば、1軸および
2軸以上のスクリュー、あるいはこれらを組み合わせた
成形機で、2軸の場合スクリューの回転方向がそれぞれ
の軸で反対のもの、同じものであっても良く、軸のタイ
プはパラレルタイプでもコニカルタイプでも良い。また
成形機を多段に組み合わせたタンデム方式を用いても良
い。
【0026】高圧状態を急激に低下させる速度は、特に
限定されないが、0.1MPa/秒以上であることが好
ましい。0.1MPa/秒未満では、溶解されたガスと
周囲の大気との圧力差が小さすぎて充分ガスが樹脂を押
し広げることができず、気孔率の高い多孔体を得ること
が難しいからである。
【0027】また、ガスを急激に膨脹させる温度は、特
に限定されないが、樹脂混合物中の樹脂(A)が、ガス
の膨脹によって良好に溝状に押し広げられる程度の低粘
度を維持する温度以上の温度とすることが好ましい。温
度が低すぎると樹脂の溶融粘度が高くなりすぎて、気孔
率の高い多孔体を得ることが難しくなる。但し、あまり
に高温で行うと、ガスの急激膨脹によって一旦形成され
た樹脂混合物中の溝状の連続微細気孔が溶融した樹脂で
再び埋まってしまい好ましくない。従って、上記温度は
使用する樹脂(A)の種類に応じて最適な条件が選択さ
れる。
【0028】また、上記ガスを急激に膨脹させる温度
は、樹脂混合物中の樹脂(B)については、ガスの膨脹
によって過剰には変形しない程度の高粘度を維持する温
度以下の温度とすることが好ましい。すなわち、上記温
度が高すぎると、樹脂(B)が過剰に低粘度化されて、
ガスの膨脹によって過剰に変形し、最終的に得られる樹
脂多孔体の形状が保てず、一旦形成された樹脂混合物中
の溝状の連続微細気孔が溶融した樹脂(B)で再び埋ま
って気孔率が低下したり、粗大な気孔となったりするか
らである。
【0029】得られる樹脂多孔体は、ろ過材、吸着材、
機能材料の担持体等に好適に用いることができる。本発
明においては樹脂混合物に溶解した高圧力状態のガスを
急激に膨脹させるため、熱力学的な不安定さの度合いが
大きく、ガスが膨脹を開始する起点が多く発生するた
め、微細な連続空孔の多孔体が得られる。得られる多孔
体の気孔径は、通常100μm以下となるが、好ましく
は50μm以下、更に好ましくは10μm以下である。
上記気孔径は電子顕微鏡(SEM)など従来公知の方法
によって測定される。
【0030】また、本発明においては樹脂混合物に溶解
した高圧力状態のガスを急激に膨脹させるため、低粘度
となった樹脂(A)が一気に押し広げられ、得られる多
孔体の気孔率も高くなり、気孔率は、通常20体積%以
上である。より好ましくは50体積%以上である。
【0031】また、連続空孔率は50体積%以上、より
好ましくは70体積%以上となる。上記連続空孔率は、
ASTM D 2856の方法に準拠して求められる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】(実施例1)超高分子量ポリエチレン樹脂
(三井化学工業社製 「ハイゼックス ミリオン240
M」、DSCのピーク温度136℃)100重量部、及
び、エチレン−酢酸ビニル樹脂(日本ポリケム社製,
「ノバテックEVA LV660」、DSCのピーク温
度70℃、溶融粘度)100重量部を、150℃のミキ
シングロールにて均一に混練後、150℃、約0.25
kg/cm2 の条件下でプレスし、厚さ1mmのシート
とした。続いて、この樹脂混合物(シート)をオートク
レーブ内の150℃、17MPaの二酸化炭素ガスの雰
囲気下に1時間放置したのち、120℃にてオートクレ
ーブ内の二酸化炭素ガスを17MPa/3秒で、バルブ
を開けることによって圧力を開放し、ガスを急激に膨張
させ、樹脂混合物中に連続微細空孔が形成された樹脂多
孔体を得た。
【0034】すなわち、得られた樹脂多孔体は、図1に
電子顕微鏡観察写真を示した通り、均一な連続微細空孔
を有する多孔構造をしており、ろ過材、吸着材、機能材
料の担時体等に好適に用いることができるものであっ
た。尚、連続空孔率は、ASTM D 2856の方法
に準拠して求め、空孔率は、樹脂多孔体の見かけ密度と
樹脂混合物の真密度とから算出し、更に、空孔径は電子
顕微鏡(SEM)によって測定した。
【0035】(比較例1)超高分子量ポリエチレン樹脂
(三井化学工業社製 「ハイゼックス ミリオン240
M」、DSCのピーク温度136℃)を、実施例1と同
様の条件下でプレスし、厚さ1mmのシートとした。続
いてこのシートをオートクレーブの150℃、17MP
aの二酸化炭素ガスの雰囲気下で1時間放置したのち、
120℃にてオートクレーブ内の二酸化炭素ガスを17
MPa/3秒で、バルブ開けることによって圧力を開放
し、ガスを急激に膨張させ、樹脂混合物中に多数の空孔
が形成された樹脂多孔体を得た。この樹脂多孔体は、発
泡していたが、電子顕微鏡で観察すると気泡構造は独立
気泡であり、連続した多孔構造のものは得られず、ろ過
材、吸着材、機能材料の担時体等に用いるのは困難なも
のであった。
【0036】(比較例2)エチレン−酢酸ビニル樹脂
(日本ポリケム社製 「ノバテックEVA LV66
0」、DSCのピーク温度70℃)を実施例1と同様の
条件下でプレスし、厚さ1mmのシートとした。続いて
このシートをオートクレーブの150℃、17MPaの
二酸化炭素ガスの雰囲気下に1時間放置した。放置のの
ち、120℃にてオートクレーブ内の二酸化炭素ガスを
17MPa/3秒でバルブ開けることによって圧力を開
放し、ガスを急激に膨張させた。得られたものは、電子
顕微鏡で観察すると、わずかに微細な多孔状を有してい
たが、空孔率は5体積%であり、殆ど空孔が無いもので
あり、ろ過材、吸着材、機能材料の担時体等に用いるの
は困難なものであった。
【0037】
【発明の効果】樹脂(A)及び(B)の少なくとも一方
を高圧下でガスに暴露してガスを溶解した後に樹脂
(A)及び(B)を混合し、又は、樹脂(A)及び
(B)の混合物を高圧下でガスに暴露してガスを溶解
し、前記得られた樹脂混合物中に溶解しているガスを急
激に膨張させ、樹脂混合物中に連続微細空孔を形成させ
ることを特徴とする樹脂多孔体の製造方法。本発明の樹
脂多孔体の製造方法は、樹脂(A)及び(B)の少なく
とも一方を高圧下でガスに暴露してガスを溶解した後に
樹脂(A)及び(B)を混合し、又は、樹脂(A)及び
(B)の混合物を高圧下でガスに暴露してガスを溶解
し、前記得られた樹脂混合物中に溶解しているガスを急
激に膨張させ、樹脂混合物中に連続微細空孔を形成させ
るものであるから、本発明によれば、迅速に低コストで
樹脂多孔体を製造することができると共に、従来必要で
あった空孔を形成させるための有機溶剤等による可塑剤
除去の必要がないので、大気汚染や、作業環境の問題、
又は、廃液処理に伴う危険性等の問題を惹起することが
ない。また、得られる樹脂多孔体は、強制的に延伸して
気孔を形成させたものではないので、延伸などによる樹
脂の破断跡などがなく、安定した樹脂強度を発現すると
共に、元々添加する必要がないため、除去しきれない不
純物を含有することがなく、クリーンな多孔体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた樹脂多孔体の電子顕微鏡写
真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/00 C08L 101:00 C08L 101:00 G10K 11/16 D Fターム(参考) 4D006 GA02 KE06Q KE06R KE16Q KE16R MA24 MC09 NA50 4F074 AA17 AA22 AA24 AA32 AA33 AA35 AA48 AA59 AA63 AA64 AA70 AA71 AA78 BA32 BA33 BA86 CB52 CC04Y CC22X CC32Y CC34Y CC46 DA02 DA13 DA43 DA57 4G066 AA43D AC13A AC13B AC13C BA22 FA17 FA20 FA34 FA35 4G069 AA03 AA08 BE01A BE01B BE01C DA05 EA18 FB10 FB77 5D061 AA06 AA25 DD11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂(A)及び(B)の少なくとも一方
    を高圧下でガスに暴露してガスを溶解した後に樹脂
    (A)及び(B)を混合し、又は、樹脂(A)及び
    (B)の混合物を高圧下でガスに暴露してガスを溶解
    し、前記得られた樹脂混合物中に溶解しているガスを急
    激に膨張させ、樹脂混合物中に連続微細空孔を形成させ
    ることを特徴とする樹脂多孔体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ガスが超臨界状態であることを特徴とす
    る請求項1に記載の樹脂微多孔体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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