JP4188748B2 - 多孔成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固液分離膜として利用できる多孔成形体、及びその製造に適した多孔成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続通孔を有する多孔体の製造法として、湿式相転換法が採用されており、樹脂、両溶媒、貧溶媒又は製膜条件を選択することにより、最表面に緻密な孔構造を有し、内部は粗大なボイド構造を有する非対称型の多孔構造が得られることが知られている。
【0003】
しかしこの方法は、樹脂が良溶媒に溶解したドープ溶液の状態から樹脂を析出させて多孔体を形成するために、多孔体における樹脂部分の樹脂の密度が粗になってしまい、その結果得られる多孔体の機械強度が非常に弱く、脆い多孔体しか得られないという問題がある。
【0004】
一方、分離膜としての応用例は極めて少ないが、樹脂に気孔形成剤を混合し、混錬、成形後に気孔形成剤のみを溶媒等で除去することにより多孔体を得る、溶融成形/溶媒抽出法が知られている。
【0005】
特開2001−2825号公報には、気孔形成剤として加工温度で溶融状態になる多価アルコールを用い、多孔度の高い連続通孔性の多孔体を得る方法が提示されている。この方法は、一旦樹脂を溶融状態にしてから構造を形成させるために、樹脂の分子の絡み合いが十分に確保でき、また樹脂の密度も高く出来るため最終的な多孔体の機械強度は前述の湿式相転換法で得られるものと比較すると格段に高くなる。
【0006】
しかし一方では、湿式相転換法で得られる分離膜のように最表面に緻密な孔構造を有し、内部は粗大なボイド構造を有する非対称型の多孔構造を得ることは不可能であった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−2825号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、気孔形成剤を用いて、湿式相転換法を適用した場合と同様な多孔構造を有する成形体を得るものであり、前記した多孔構造の多孔成形体及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性樹脂及び気孔形成剤を含有し、気孔形成剤の含有量が、気孔形成剤の当初使用量の5質量%以下である多孔成形体であり、表面から全体の厚みに対して1/10以上内側の孔の平均孔径D1と、表面の平均孔径D2が、次式(I):D1>2×D2 (I)で示される関係を満たしている多孔成形体を提供する。
【0010】
この多孔成形体中には、下記定義により規定される残存状態の気孔形成剤が必ず存在しているものであり、この残存している気孔形成剤は、製造時に添加され、その後で除去処理されたものの一部が除去されずに残存したものである。「表面」とは、多孔成形体が平面状等の場合には外表面を意味し、管状等の場合には外表面及び内表面を意味する。
【0011】
更に本発明は、熱可塑性樹脂と気孔形成剤を含む樹脂組成物を溶融混錬し、成型加工する工程、
熱可塑性樹脂を溶解させる溶媒S1に浸漬し、熱可塑性樹脂成形体を膨潤させる工程、
熱可塑性樹脂成形体を取り出した後、熱可塑性樹脂は溶解させないが、気孔形成剤は溶解させる溶媒S2に浸漬する工程、
を具備する多孔成形体の製造方法を提供する。
【0012】
この製造方法を適用して得られた多孔成形体中には、気孔形成剤が残存していないものと、気孔形成剤が残存しているものとの両方が含まれる。気孔形成剤が残存しているか、残存していないかは、次の方法により確認することができる。即ち、得られた多孔成形体を、熱可塑性樹脂成分及び気孔形成剤の双方が溶解可能な溶媒に溶解し、1H−NMRにより、気孔形成剤量を定量する。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の多孔成形体の製造に適した多孔成形体の製造方法を、工程ごとに説明する。なお、以下で説明する工程以外にも、当業者において通常なされる工程を付加することができる。
【0014】
第1工程において、熱可塑性樹脂と気孔形成剤を含む樹脂組成物を溶融混錬し、成型加工する。なお、次工程に移行する前に冷却工程を設けることができる。
【0015】
成形体の形状及び大きさは、最終的に得られる多孔成形体の用途等に応じて適宜決定する。
【0016】
溶融混錬方法としては、単軸又は二軸スクリュー押出機、ニーダー、カレンダーロール等の装置を用いて行うことができる。また溶融混錬に先立ち、熱可塑性樹脂を予め凍結粉砕機等で粉体状に予備加工したり、ヘンシェルミキサー、タンブルミキサー、ボールミル等で予備混錬してもよい。
【0017】
成形方法としては、射出成形、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形等が挙げられるが、生産性や加工の容易さから、射出成形、押出成形が好ましい。また、押出成形や射出成形の過程において、又は熱融着等の付加工程の処理過程において、他の基材との積層品として成形することもできる。
【0018】
成形温度は、熱可塑性樹脂の種類、熱可塑性樹脂と気孔形成剤の混合比率、成形方法に応じて設定する。
【0019】
熱可塑性樹脂と気孔形成剤の組み合わせは、次工程以降の処理で用いる溶媒S1、S2の種類に関連して決定する。
【0020】
熱可塑性樹脂は特に制限されるものではなく、ポリスチレン(PS)、耐衝撃ポリスチレン(HIPS)等のスチレン系樹脂;ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース誘導体系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のハロゲン系樹脂;エチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、スチレンブタジエン共重合樹脂(SB、SBS)、スチレンアクリルニトリル共重合樹脂(AS)等の共重合体樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いても良いし、2以上の混合物であっても良い。
【0021】
気孔形成剤は溶媒に可溶なものであれば制限されないが、特に水溶性のものが好ましく、オリゴ糖、常温固体である多価アルコール等が挙げられる。
【0022】
オリゴ糖類(又は小糖類)としては、二糖類(マルトース、イソマルトース、パラチノース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、ゲンチオビノース、コージービオース、ラミナリビオース、メリビオース、ニゲロース、ソホロース等)、三糖類(マルトトリオース、メレチトース、ラフィノース等)、四糖類(スタキオース、セロテトラオース等)、五糖類や六糖類等が好ましい。オリゴ糖は還元型であっても非還元型であっても良いが、熱を加えることを考慮すると、還元型のほうがより好ましい。多価アルコールとしては、常温固体でかつ溶融時に急激な粘度低下を引き起こさないものが望ましく、その観点からペンタエリスリトールが好ましい。これらの気孔形成剤は、単独でも、2以上の混合物であっても良い。なお、気孔形成剤の粘度調整等の目的で、他の水溶性多価アルコールや水溶性単糖類を添加しても良い。
【0023】
気孔形成剤の添加量は、多孔成形体の機械的強度、多孔成形体を分離膜として適用した場合の分離能力、処理時間等に応じて調整することができる。気孔形成剤の添加量は、熱可塑性樹脂と気孔形成剤の合計量中、気孔形成剤の含有量が、好ましくは40〜90質量%、より好ましくは50〜80質量%、更に好ましくは60〜75質量%となる量である。
【0024】
また、熱可塑性樹脂及び気孔形成剤の他にも、多孔成形体の機械的強度、加工性を改善する目的、粘度特性を改良する目的で、他の添加剤を添加しても良い。更に必要に応じて、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、帯電防止剤、ファイバー等の強化剤を含有していても良い。このような添加剤は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましい。
【0025】
次に第2工程において、熱可塑性樹脂を溶解させる溶媒S1に浸漬し、熱可塑性樹脂成形体を膨潤させる。この工程の処理により、成形体の表面を膨潤させることで、次工程の処理において気孔形成剤が除去されやすくなる。
【0026】
溶媒S1は有機溶媒が好ましい。溶媒S1への浸漬時間は、好ましくは1〜300秒、より好ましくは10〜180秒である。溶媒に浸漬する時間が1秒以上であると十分な膨潤状態を作り出すことができ、300秒以下であると熱可塑性樹脂が溶媒中に溶解拡散してしまう。
【0027】
次に第3工程において、熱可塑性樹脂成形体を取り出した後、熱可塑性樹脂は溶解させないが、気孔形成剤は溶解させる溶媒S2に浸漬する。
【0028】
第2工程の処理により、成形体の外表面は膨潤した状態になっており、第3工程の処理により、外表面では熱可塑性樹脂が相転換を起こして微細な孔構造を形成し、同時に気孔形成剤の溶媒S2への溶出に伴い、成形体内部では粗大な孔構造の形成が行われる。
【0029】
溶媒S2は水が好ましく、50〜90℃の温水がより好ましい。溶媒S2への浸漬時間は、成形体に含有されている気孔形成剤の95質量%以上が除去されるに十分な時間であることが好ましい。
【0030】
本発明の製造方法を適用することにより、気孔形成剤を含有しない成形体と、気孔形成剤を含有する多孔成形体が得られる。多孔成形体が気孔形成剤を含有するとき、気孔形成剤の残存量が、気孔形成剤の当初使用量(第1工程における使用量)の5質量%以下の量である。
【0031】
本発明の製造方法を適用して得られた多孔成形体は、湿式相転換法により得られる多孔体と同様に内部に粗大な孔構造、表面に緻密な孔構造を持つ複合型の孔構造を有する。
【0032】
本発明の多孔成形体は、表面から全体の厚みに対して1/10以上内側の孔の平均孔径D1と、表面の平均孔径D2が、次式(I):D1>2×D2 (I)で示される関係を満たしている。多孔成形体を固液分離用の分離膜として適用した場合、前記式(I)を満たすことで、分離性能(例えば、分画分子量)と膜全体の液体透過性能(例えば、透水速度)をバランス良く具備させることができる。
【0033】
多孔成形体を浄水用の分離膜として利用する場合を考慮すると、上記式中のD2は、クリプトスポリジウム(原虫)の分離に十分とされる2μm以下であることが好ましい。
【0034】
本発明の多孔成形体は、空孔率が好ましくは40〜90%、より好ましくは50〜80%、更に好ましくは60〜75%である。
【0035】
本発明の多孔成形体は、空孔率がP%である多孔成形体の引張速度50mm/分のときの引張破断点強度S(JIS K7113準拠のプラスチック成形品の引張試験)が、S>40×(100−P)/100(MPa)(40MPaは、引張速度50mm/分のときの一般的な熱可塑性樹脂の単体での成形品の引張破断点強度を示す。)を満たすことが好ましい。
【0036】
湿式相転換法で得られる多孔体は、熱可塑性樹脂溶液から作製されるため、多孔体内の熱可塑性樹脂の凝集力が弱く、多孔体の機械強度を低下させる。一方、本発明の製造方法を適用して得られた多孔成形体は、溶融混錬工程を含んでいるため、熱可塑性樹脂の分子間の絡み合いが十分に確保されているので、多孔成形体の機械強度の低下がない。
【0037】
本発明の多孔成形体は、平膜、中空糸膜等の様々な形態の膜にすることができる。
【0038】
本発明の多孔成形体は、固液分離用膜として、浄水の膜浄化、工業排水、下水等の浄化処理等の用途に適用できる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。以下で用いた各成分の詳細は次のとおりである。
【0040】
樹脂−1:エチレンビニルアルコール共重合樹脂(クラレ社製のEP−L101B、エチレン含量19.8質量%)
樹脂−2:ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製のHRM63C)
樹脂−3:セルロースアセテートブチレート樹脂(イーストマン製 CAB171−15S)
気孔形成剤−1:オリゴ糖(PO−10,東和化成製)
気孔形成剤−2:ペンタエリスリトール(和光純薬製)
溶媒−1:ジメチルスルホオキシドDMSO(和光純薬製)
溶媒−2:テトラヒドロフラン(和光純薬製)。
【0041】
実施例1〜4、比較例1
(第1工程)
表1に示す組成(質量%表示)の各成分からなる樹脂組成物を、ブラベンダー(東洋精機製ラボプラストミル)により設定温度200℃で5分間溶融混錬した。その後、一旦室温まで冷却した後、プレス機にて200℃、20MPa、3分間の条件で、厚さ1mmの板状に成形した。
【0042】
(第2工程)
プレスした成形品を速やかに30℃、20MPa、3分間の条件で冷却した後、表1の時間、溶媒(S1)に浸漬した。
【0043】
(第3工程)
その後、速やかに60℃の温水(溶媒S2)中に浸漬し、仕込んだ気孔形成剤質量の95%相当の質量減少が確認できるまでそのまま放置し、多孔成形体を得た。
【0044】
実施例1で得られた多孔成形体の外表面及び内部の孔構造(表面から100μmの部分)の走査型電子顕微鏡写真を図1(外表面;4000倍)及び図2(内部構造;500倍)に示し、比較例1で得られた多孔体の外表面の電子顕微鏡写真(2000倍)を図3に示す。表1中の各測定値の測定方法は次のとおりである。
【0045】
(1)多孔成形体の孔径、内部の孔径D1の測定
走査型電子顕微鏡(SEM:日本電子製)を用い、多孔成形体の断面の孔構造を確認した。多孔成形体の孔に連続性がある場合は、独立した孔が存在しない(図1参照)。そこで、100−10,000倍で撮影された多孔体断面の写真から、一つの孔を形成する向かい合わせの樹脂相間の距離が最低になるときの値を孔径とし(例えば、孔が楕円形であるとすると、短径の長さが孔径となる)、厚さ1mmの多孔成形体の外表面より100μm以上内側の断面から100箇所を無作為に抽出して孔径測定を行い、平均孔径として表示した。
【0046】
(2)多孔体の孔径、外表面の孔径D2の測定
孔径D1の測定と同様にして測定した。なお、多孔体表面の孔構造が独立した孔からなる場合には、それぞれの孔の面積を円換算し、このときの計算された直径を孔径とした。100箇所の孔を無作為に抽出して孔径測定を行い、平均孔径として表示した。
【0047】
(3)多孔成形体の機械強度
多孔成形体をJIS K7113準拠の2号ダンベルのサイズに打ち抜き、引張速度50mm/分の引張速度でテンシロンRTA520(東洋精機製)を用いて引張試験を実施し、引張破断点強度を得た。
【0048】
(4)多孔成形体の空孔率の測定
多孔成形体を25℃の純水中に浸漬し、多孔成形体内部からの気泡の発生が認められなくなるまで減圧状態に保った。その後、多孔成形体の重量を測定し、湿潤重量M1を得た。次に多孔成形体を絶乾状態まで乾燥した後に重量を測定し、乾燥重量M2を得た。これらの測定値と水の比重ρ1、多孔体の原料となった熱可塑性樹脂の比重ρ2より、以下の式を用いて空孔率Pを算出した。
【0049】
P=100×{[(M1−M2)/ρ1]/[(M1−M2)/ρ1+M2/ρ2]}
比較例2〜4
表1に示す組成(重量%表示)の各成分からなる樹脂組成物を用い、第2工程の処理をしない他は実施例1〜4、比較例1と同様にして、多孔成形体を得た。
【0050】
比較例5、6
表1に示す組成、温度で熱可塑性樹脂を溶媒(ジメチルスルホキシド)に溶解し、原料ドープを得た。原料ドープを室温に保ったガラス板上に厚さ1mmとなるようにキャストし、1分間放置した後、ガラス板ごと25℃の純水中に浸漬して多孔体を得た。
【0051】
【表1】
【0052】
実施例1〜4では、外表面の孔径(D2)、内部の孔径(D1)、機械強度において申し分ない性能を有する多孔成形体が得られた。
【0053】
比較例1は、溶媒への浸漬時間が長すぎたため、熱可塑性樹脂が溶媒中に溶解、拡散してしまい、結果として多孔成形体の外観、形状を損なってしまった。また、多孔成形体表面に繊維状の熱可塑性樹脂が付着した状態となり、その後の利用は不可能と判断した。
【0054】
比較例2〜4の多孔成形体は、機械強度は良好なものの、全体が均一孔を有するスポンジ構造となり、最表面に緻密な孔構造を形成させることができなかった。
【0055】
比較例5、6の多孔体は、湿式相転換法で作成された多孔体であるため、機械強度が非常に小さかった。
【0056】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、表面に緻密な孔構造を有し、内部は粗大なボイド構造を有する非対称型の多孔構造を有する多孔成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた多孔体の最表面の電子顕微鏡写真(4000倍)。
【図2】 実施例1で得られた多孔体の内部構造の電子顕微鏡写真(500倍)。
【図3】 比較例1で得られた多孔体の最表面の電子顕微鏡写真(2000倍)。
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂及び気孔形成剤を含有し、気孔形成剤の含有量が、気孔形成剤の使用量の5質量%以下である多孔成形体であり、表面から全体の厚みに対して1/10以上内側の孔の平均孔径D1と、表面の平均孔径D2が、次式(I):D1>2×D2 (I)で示される関係を満たしている多孔成形体。
- D2が2μm以下である請求項1記載の多孔成形体。
- 空孔率が40〜90%である請求項1又は2記載の多孔成形体。
- 空孔率がP%である多孔成形体の引張速度50mm/分のときの引張破断点強度S(JIS K7113準拠のプラスチック成形品の引張試験)が、S>40×(100−P)/100(MPa)を満たす請求項1〜3のいずれか1記載の多孔成形体。
- 固液分離用の平膜として使用する請求項1〜4のいずれか1記載の多孔成形体。
- 熱可塑性樹脂と気孔形成剤を含む樹脂組成物を溶融混錬し、成型加工する工程、
熱可塑性樹脂を溶解させる溶媒S1に浸漬し、熱可塑性樹脂成形体を膨潤させる工程、
熱可塑性樹脂成形体を取り出した後、熱可塑性樹脂は溶解させないが、気孔形成剤は溶解させる溶媒S2に浸漬する工程、
を具備する多孔成形体の製造方法。 - S1が有機溶媒、S2が水である請求項6記載の多孔成形体の製造方法。
- 気孔形成剤が、常温固体の多価アルコール及び糖類から選ばれる1又は2以上のものである請求項6又は7記載の多孔成形体の製造方法。
- 気孔形成剤の添加量が、熱可塑性樹脂と気孔形成剤の合計量中、40〜90質量%となる量である請求項6〜8のいずれか1記載の多孔成形体の製造方法。
- 溶媒S2に浸漬する工程において、多孔成形体に含有されている気孔形成剤の95質量%以上を除去する請求項6〜9のいずれか1記載の多孔成形体の製造方法。
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