JP3745846B2 - 生分解樹脂発泡シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に梱包材として使われる生分解樹脂発泡シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生分解樹脂は水中、土中などで分解するため、昨今のISO14000を中心とした環境対策やプラスチックのゴミ処理問題等の諸問題を解消する樹脂として注目を集めている。特にプラスチック発泡体を多く使用する梱包材分野ではポリスチレン(以下PSという)やポリエチレン(以下PEという)発泡体に代わる新しい発泡材料として注目され、特に、高倍率発泡体とすることにより、緩衝特性が増し、更に製品コストの低下も狙えるために生分解樹脂発泡体の高倍率化が望まれている。
生分解樹脂発泡体に関しては、例えば特開平6−228354、特開平6−16857等で開示されているデンプン系の生分解樹脂発泡体、特開平6−248104等で開示されている合成系の生分解樹脂発泡体等多くが知られている。デンプン系の生分解樹脂発泡体は、高倍率の発泡体が得られるものの、樹脂自体の特性がもろいという欠点からバラ緩衝材には適するが、シート状の緩衝材には適さず、また、合成系の生分解樹脂の発泡体はシートとして充分に使用できる強度を有するが、比較的高倍率の発泡シートとするにはその製造技術に問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、従来の生分解樹脂発泡シートの製造方法は、発泡剤として一般の押し出しガス発泡技術に使われているブタンガスを中心とする炭化水素、あるいはフロン系のガスを使用し、高倍率の発泡シートを押し出し機で製造していた。しかし、ブタン系の炭化水素ガスは可燃性のガスのため発泡体製造設備を防爆設備にしなければならず、発泡体製造後も発泡剤として使用した炭化水素ガスが大気中の空気と置換されるまで燃焼、爆発防止のために保管しなければならず、そのための製品倉庫が必要となる等発泡体製造後の製品管理が必要となる等の問題点があった。 また、フロン系の発泡剤の場合は、現状は代替フロンが使われているが、将来的にはフロン全廃の動きがあり、環境面から使用ができなくなるという問題がある。
【0004】
そこで、発泡剤として、環境に害のない無機ガス、特にその中でも樹脂への溶解度が高い炭酸ガスを用い生分解発泡シートの製造を行うことが最適である。しかし、炭酸ガスを用いた場合、炭酸ガスにはフロンガスなどの発泡剤を用いた場合と比べて蒸発潜熱を奪うことによる樹脂の冷却効果がなく、溶融樹脂からのガス脱離速度が速いため高倍率(およそ5倍以上)の発泡シートを製造するには困難な問題点が多々あった。
例えば、PS樹脂またはPS共重合体の炭酸ガスでの発泡(特開平3−81346、特開平7−196835)はPS樹脂またはPS共重合体が非晶性樹脂のため、軟化点近傍の粘度特性が緩やかであるため10倍以上の高発泡倍率の発泡体を製造することができるが、この技術を、融点近傍で急峻な粘度変化をする結晶性樹脂である生分解樹脂にそのまま適用することはできない。
また、発泡剤として炭酸ガスに水分(または、水分を発生させる添加剤)を混合して、水の蒸発潜熱を利用して気泡を固化させる方法(特開平6−345889,特開平7−26053,特開平7−41592,特開平7−102103)が提案されているが、生分解樹脂はポリエステルのため押し出し成形中に樹脂の加水分解がおこってしまい適用できない。
【0005】
また、装置に工夫をしているものとしては、ダイスに振動を与える方法(特開平6−320598)、ダイス出口を加圧し、加圧された流体中に発泡体を押し出す方法(特開平5−116196)などが提案されているがいずれも実用的な製造方法ではない。また、樹脂組成を変える方法(特開平5−287106,特開平6−254980、特開平7−165966)などが考えられるが、生分解樹脂に他の樹脂を添加すると生分解性能が低下することから生分解樹脂への適用は好ましくない。また、これらいずれの例も、実施例としてはロッド状発泡体の事例を示すにとどまり、発泡シートの押し出し製造方法については開示されていない。
【0006】
一方、発泡シートを押し出し機で製造するガス発泡設備には次の2つがある。その1つは押し出し機2台を連結して、1台目の途中よりガス発泡剤を注入し充分ポリマーとガスを混練し、ガスが混練された樹脂を2台目の押し出し機で充分温度を低下させつつ均温化した状態で成形ダイスより大気へ押し出し発泡させる方法である。2つ目の装置は単軸押し出し機1台で樹脂を混練しつつその途中からガス発泡剤を注入し、ガスが混練された樹脂を成形ダイスより大気へ押し出し発泡させる方法である。前者は、後者に比べて設備投資が大きいという欠点がある。これに対して後者は、一台の押し出し機で製造が可能なため設備面では大きな投資を必要としないが、発泡体製造が前者に比べて難しいという欠点がある。本発明者等は、生分解樹脂高倍率発泡シートを環境に害のない炭酸ガスにて押し出し機1台による従来の製法に従って製造することを試みたが、シート状では2倍程度の発泡体しか得られず高倍率発泡シートが得られなかった。この原因は、発泡剤として使用する炭酸ガスが前述したように冷却効果を有しないうえにフロンやブタンガスに比べて拡散速度が早く、ダイス出口で成長した気泡からのガス抜けが起こりやすいためと判断される。
【0007】
そこで、 本発明者等は、単軸押し出し設備を用いて炭酸ガスによる押し出し発泡で、高倍率発泡シートを製造すべく鋭意研究を進めた結果、次のような現象を見出した。即ち、炭酸ガスを用いて高倍率発泡シートを得るためには多量のガスを樹脂中に注入する必要がある。一方、ダイス出口でのガスの脱離を押さえるため樹脂温度を下げる必要があるが、樹脂温度を下げると樹脂粘度が高くなり、過剰に上昇した樹脂粘度は樹脂圧力の急激な上昇を引き起こすため、スクリューヘッド部の樹脂圧力が上がりすぎ最終的にはガス注入口近傍の樹脂圧力も増加し、結果的にはガス注入量の減少を引き起し、このガス注入量の減少が発泡倍率を低下させていることを突き止めた。この現象はベントタイプのスクリューを用いても同様であった。
以上の結果より、単軸押し出し機にて生分解樹脂の炭酸ガスによる高倍率発泡シートの製造が困難であった理由は、ダイスでの樹脂圧力を高くすることから、その結果としてスクリューヘッド部での樹脂圧力が更に高い圧力となり、注入ガス量が減少していたことが原因であると判断した。
【0008】
樹脂へのガスの溶解性を高めるためには発泡剤の条痕間隔が小さい方がよく、これはせん断量の増加によってより小さくなる。一般には背圧が高くなることによって、せん断量は増加する。従って、背圧が高い方が混合度合いが増すと考えられる。しかし、前述のようにフロンガスやブタンガスを用いた押し出し発泡条件に比べ炭酸ガス発泡で高倍率発泡シートを得るためには、ダイス圧力を高くしなければならないため背圧量も過剰に大きくなってしまい、過剰な背圧の増加は漏洩流の発生、強いてはガス発泡剤の注入量の低下を引き起こすため、高倍率化が難しくなる。
更に、ポリエステル系の生分解樹脂の物性を、炭酸ガスを用いた高倍率発泡シートの製造が可能なポリオレフィン樹脂と比べると粘度が低く、密度が高い。この粘度と密度の比である動粘度が小さいほど背圧流は大きくなる。つまり、ポリエステル系生分解樹脂の炭酸ガスでの押し出しガス発泡では、従来の発泡プロセスでは背圧流が問題にならない条件下でも、過剰の背圧流がおこるため従来の単軸押し出し機による発泡方法では高倍率発泡体を作製するのは難しいと判断される。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたもので、スクリュー型押し出し機のホッパーより供給された生分解樹脂をスクリューにて混練、溶融しつつ前方にフィードし、該溶融樹脂に発泡剤となる炭酸ガスを注入し、ガスを含む前記樹脂をスクリューヘッドからギヤポンプを介して成形ダイスへ供給し、ダイス出口よりガスを含む樹脂を吐出させることにより製造する単軸押し出し機による発泡シートの製造方法において、前記スクリューヘッド部の樹脂圧力をダイス入り口部の樹脂圧力より低くしたことを特徴とする生分解樹脂発泡シートの製造方法である。
【0010】
本発明は押し出し発泡シート製造時の樹脂圧力に着目し、押し出し発泡シート製造時の樹脂圧力をダイス入り口部及びスクリューヘッド部それぞれに独立に所定の範囲で設定する事で上記問題を解決するに至った。独立に制御する方法として、押し出し成形では公知のギヤポンプを押し出し機先端のバレル部とダイスの間に導入した。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を実施する装置で、ホッパー1、スクリュー2とからなる押し出し機A、該押し出し機Aのスクリューヘッド2にアダプター5を介して接続されたギアポンプ6、該ギアポンプ6の出口に接続されたダイス7、該ダイス7の吐出口に接続された冷却マンドレル9とで構成されている。なお、図中3はガス供給口、10は発泡シートである。
【0012】
押し出し機とギヤポンプとを組み合わせてガス発泡シートを製造する技術としてはオレフィン系樹脂発泡体の製造方法(特開平7−178799)やポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法(特開平7−241898)がある。しかしながら、両者ともその目的は、安定した発泡倍率の製品を得るためにギヤポンプを導入しているもので、前者はスクリュー回転数ではなくギヤポンプ回転数にて吐出量を制御するためにギヤポンプを採用し、該ギヤポンプの入り口圧力をモニターし、この圧力変動に応じてギヤの回転数を変化させる技術であり、この方法は従来のギヤポンプ本来の利用目的を応用したものである。また、後者はギヤポンプの歯車の数を増やすことでギヤポンプでの冷却効果を高めるというもので、これは、通常の冷却ゾーンの役割をギヤポンプにて行なわせて樹脂温度の管理を行う技術である。更に、両者の技術ともポリオレフィン系であり、発泡剤の限定は特にないものの実際はフロン系の発泡剤を主とした技術であり、本発明が解決しようとする問題点とはその対象が異なる技術に関するものである。
本発明を実施する手段としてのギヤポンプの挿入は、スクリューヘッド部及びダイス入り口部のそれぞれの樹脂圧力P1 、P2 を独立に制御するために挿入したもので、炭酸ガスを用いた生分解樹脂高倍率発泡シートを得るための条件設定を極めて容易に実現させるためである。
【0013】
スクリューヘッド部及びダイス入り口部のそれぞれの樹脂圧力を独立に条件設定することの意味は以下の通りである。
押し出し機の樹脂溶融ゾーンからスクリューヘッドを経てギヤポンプに至るまでは樹脂温度をその融点より10℃から100℃程度高い温度に設定しガスの拡散速度を早くすると共に、樹脂とガスの混練性をあげる。この時、前述したように炭酸ガスの注入量を確保するためには背圧が過剰にならないような条件設定が必要である。これに対して、ギヤポンプ出口からダイスを経てダイス出口で発泡させるに至るまでの間では、ガスを溶融させた樹脂を充分融点近傍まで冷却すると同時に出口での急峻な圧力低下を引き起こさせ発生気泡数を増加させる事で、ダイス出口での発泡時のガス抜けを防止する必要がある。このため、ダイス入り口の圧力は生分解樹脂の粘度、弾性、炭酸ガスの濃度、樹脂温度などの条件により異なるが、樹脂温度の低下にともなう樹脂粘度の増加を見込んで高圧に設定しておく必要がある。このように、スクリューヘッド部及びダイス入り口部のそれぞれの樹脂圧力を同時に独立に条件設定することにより目的とする高倍率発泡シートを製造することができるのである。
例えばダイス入り口部の樹脂圧力を炭酸ガス注入圧力6MPaで、そのときのガス混入量を約2.5wt%としておよそ20MPa程度に設定したとすると、スクリューヘッド部の樹脂圧力は、上限が背圧による問題の起こらない樹脂圧力でかつ下限がギヤポンプ入り口での内部発泡がおこらない圧力であるおよそ3〜4MPaに設定することがギヤポンプの挿入で可能となり、目的とする高倍率の発泡シートが製造できる。
【0014】
このような条件は、スクリューヘッド部の樹脂圧力P1 よりも、ダイス入り口部樹脂圧力P2 の方を高く設定する事ではじめて実現する。
ダイス入り口部の樹脂圧力とスクリューヘッド部の樹脂圧力の関係は、スクリューヘッド部の樹脂圧力よりダイス入り口部の樹脂圧力の方が5MPa以上高い方が好ましく、更には10MPa以上高いことが好ましい。この差圧が5MPaよりも低くなると例えばダイス入り口部の樹脂圧力が低くなって高倍率化に必要な出口圧力との差が充分に得られず、また、スクリューヘッド部の樹脂圧力が高すぎると背圧の影響でガス混入量が不充分となり、いずれも好ましくない。
これらの問題点を排除して高倍率発泡シートを製造するためにはスクリューヘッド部の樹脂圧力は2MPa〜15MPa、好ましくは3MPa〜10MPaが好ましい。
また、ダイス入り口部の樹脂圧力としては大気に解放したときに充分な圧力低下が得られる10〜30MPa、好ましくは15〜25MPaとすることが好ましい。
上記樹脂圧力に設定する方法としては、樹脂温度、ガス濃度、スクリュー回転数、ギヤポンプ回転数等を制御することで所望の圧力とするが、これは特に規定されるものではなく、結果として上記圧力条件を満たすように適宜設定すればよい。
【0015】
使用する樹脂としては、樹脂物性、生分解特性、発泡体特性、発泡成形性等を総合的に判断すると特に脂肪族ポリエステル系の生分解樹脂が好適である。
発泡剤としては、前述のように生分解樹脂が環境に対して優しいという位置づけから環境に対して害がなく樹脂への溶解度も考慮すると炭酸ガスが好ましい。
添加剤に関しては、特に限定はなく発泡核剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等々を適宜添加してもかまわない。
【0016】
(実施形態)
本発明の実施の形態を以下に示す。図1に示す押し出し機Aのホッパー1から供給された樹脂はスクリュー2により前方にフィードされながら溶融され、ガス供給口3より圧入される炭酸ガスを混練ゾーン4にて充分混合し、アダプター5を経てギヤポンプ6に供給される。ギヤポンプ6では、所望の樹脂圧力が得られるようにギヤの回転により成形ダイス7へ樹脂を送り込む。その後、ガスが溶解した樹脂はダイス出口8から吐出されて発泡し、冷却マンドレル9にて冷却されることにより所望の発泡シート10となる。
【0017】
(実施例1)
樹脂として密度1.26g/cm3 、MFR10の脂肪族ポリエステル生分解樹脂を用いた。まず、該樹脂100部に対して1.6部のタルクをドライブレンドで混ぜ、押し出し機Aのホッパー1に供給した。押し出し機Aは、スクリュー径40mm、L/D=34の単軸押し出し機である。ホッパー1に供給された樹脂は回転数60rpmにて回転するスクリュー2で溶融されつつ進行してガス供給口3より注入される炭酸ガスを混練してスクリューベッド部へと前進する。炭酸ガスの注入圧力は6MPa、スクリューベッド部のバレル設定温度は413Kであった。その後、スクリュー2によりガスが混練された樹脂はギヤポンプ6と押し出し機Aからアダプタ5を経てギヤポンプ6に供給される。このときスクリューヘッド部の樹脂圧力P1 、即ちギヤポンプ入り口部の樹脂圧力は3MPaであった。ギヤポンプ6の回転数は6rpmに設定しダイス側に樹脂を移送する。このときのギヤポンプ設定温度は393Kであった。次に樹脂はギヤポンプから温度388Kに設定されたリップ幅0.5mmのサーキュラーダイス7に送られダイス出口からシート状に大気中に押し出される。ダイス出口で測定した樹脂温度も388Kであり、押し出されたシートは大気中で圧力が開放されるため発泡し、発泡体10となって冷却マンドレル9に引き取られる。このときのダイス入り口部の樹脂圧力P2 は、ダイス入り口で18MPaであった。この時のガス注入量は約2.5wt%であった。以上のようにして発泡倍率8倍の表面状態良好な肉厚1.5mmで幅が約700mmの連続発泡シートを製造することができた。
【0018】
(比較例1)
上記実施例1における製造条件の内、ギヤポンプ回転数を4rpmまで下げて製造を行なったところ、スクリューヘッド部の樹脂圧力は17MPaまで上がり、ダイス入り口部の樹脂圧力は16MPaとなった。この状態で発泡体を作製したところ、発泡倍率2.5倍の発泡シートしか得られなかった。
(比較例2)
更に上記比較例からギヤポンプを取り外して、押し出し機に直接成形ダイスを取り付けた状態で上記と同じ温度条件にて発泡実験を試みた結果、はじめスクリュー回転数を30rpmに設定したにもかかわらず、ダイス入り口部の樹脂圧力が23MPaとなり、これに従属する形でスクリューヘッド部の樹脂圧力も25MPaまで上昇してしまった。その結果としてガス注入口に背圧がかかりガス注入量は、ガス注入圧力が7MPaにも関わらず1.5wt%であった。よって、この状態で60rpmまで回転数を上げることは困難と判断し、実験を打ち切った。このとき得られた発泡シートは、発泡倍率が1.5倍であり良好なものとはいえなかった。
【0019】
(実施例2、3)
上記以外にガス注入圧力を4.5MPaとして実施した結果(実施例2)、ダイスのリップ幅を0.3mmにして実施した結果(実施例3)をそれぞれ表1にに示す。
【表1】
【0020】
【発明の効果】
以上の結果よりスクリューヘッド部の樹脂圧力とダイス入り口部の樹脂圧力を別々に制御することで従来は2倍程度の発泡シートしか得られなかった生分解樹脂発泡シートを9倍まで発泡させることが可能になり、発泡シートとしての特性(緩衝特性、断熱性等)を出すことが可能となった。これにより今まで困難であった生分解発泡シートの製造を極めて容易に行うことが可能となり、生分解樹脂製梱包材を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明を実施するための装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 押し出し機
1 ホッパー
2 スクリュー
3 ガス供給口
5 アダプター
6 ギヤポンプ
7 ダイス
10 発泡シート
Claims (5)
- スクリュー型押し出し機のホッパーより供給された生分解樹脂をスクリューにて混練、溶融しつつ前方にフィードし、該溶融樹脂に発泡剤となる炭酸ガスを注入し、ガスを含む前記樹脂をスクリューヘッドからギヤポンプを介して成形ダイスへ供給し、ダイス出口よりガスを含む樹脂を吐出させることにより製造する単軸押し出し機による生分解樹脂発泡シートの製造方法において、前記樹脂溶融部からスクリューヘッドを経てギアポンプに至るまでは樹脂温度をその融点より10℃から100℃高い温度に設定するとともに、前記ギアポンプ出口からダイスを経てダイス出口で発泡させるまでの間では、ガスを溶融させた樹脂を融点近傍まで冷却し、前記スクリューヘッド部の樹脂圧力をダイス入り口部の樹脂圧力より低くしたことを特徴とする発泡倍率6.5倍以上の結晶性生分解樹脂発泡シートの製造方法。
- ダイス入り口樹脂圧力とスクリューヘッド部の樹脂圧力の差が5MPa以上であることを特徴とする請求項1記載の発泡倍率6.5倍以上の結晶性生分解樹脂発泡シートの製造方法。
- スクリューヘッド部の樹脂圧力が2〜15MPaであることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡倍率6.5倍以上の結晶性生分解樹脂発泡シートの製造方法。
- ダイス入り口部の樹脂圧力が10〜30MPaであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発泡倍率6.5倍以上の結晶性生分解樹脂発泡シートの製造方法。
- 生分解樹脂が脂肪族ポリエステルであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発泡倍率6.5倍以上の結晶性生分解樹脂発泡シートの製造方法。
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