JP2001097977A - 包摂超分子錯体のホスト化合物および包摂超分子錯体 - Google Patents

包摂超分子錯体のホスト化合物および包摂超分子錯体

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】フラーレン類などの電子受容体を包摂する新規
な包摂超分子錯体、およびこのための新規なホスト化合
物を提供する。 【解決手段】 上記の式で表される、包摂超分子錯体のホスト化合物。
(式中、Xは、メチレン基、炭素数1−5のアルキル基
によって置換された一置換または二置換メチレン基、置
換若しくは未置換アリール基によって置換された一置換
または二置換メチレン基、酸素原子、硫黄原子、アミノ
基、炭素数1−5のアルキル基によって置換されたアミ
ノ基、または置換若しくは未置換のアリール基によって
置換されたアミノ基を表す。R1 、R2 は、水素、ハロ
ゲン原子、炭素数1−14のアルキル基を表す。R3
は、炭素数1−14のアルキリデン基、アルケニリデン
基またはアルキニリデン基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラーレン類など
の電子受容体を包摂する新規な包摂超分子錯体、および
このための新規なホスト化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】C60フラーレン等のフラーレン類は、全
共役ナノ分子であり、電子受容体としての性質を有して
いることから、特異な機能の発現が期待されている。C
60フラーレンを機能材料として利用する際には、C60
ラーレンに官能基を付加するか、あるいはホスト化合物
中に包摂して包摂超分子錯体を作製することが有効と考
えられており、世界中で研究が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現在までのと
ころ、フラーレン類を包摂する、構造が明確な包摂超分
子錯体の報告例は極めて少ない。その上、構造的に安定
であり、言い換えるとホスト化合物とフラーレン類との
相互作用が強力であるような包摂超分子錯体は、ほとん
ど知られていない。C60フラーレンを包摂するホスト化
合物としては、カリックスアレーンやシクロデキストリ
ンが知られてはいるが、これらのホスト化合物を使用し
たC60フラーレンの包摂超分子錯体は、十分な安定性を
有していない。このため、電子的、光学的に機能を発現
する段階まで至っていない。
【0004】本発明の課題は、従って、フラーレン類等
の電子受容体を包摂する包摂超分子錯体において、電子
受容体とホスト化合物との相互作用が強力であり、有機
溶媒中でも高い収率で容易に包摂超分子錯体を生成し、
構造的に安定な包摂超分子錯体を提供することである。
【0005】また、本発明の課題は、こうした包摂超分
子錯体を提供可能な、種々の電子受容体と安定な錯体を
生成し得るホスト化合物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式で
表されることを特徴とする、包摂超分子錯体のホスト化
合物に係るものである。
【化2】 (Xは、メチレン基、炭素数1−5のアルキル基(直鎖
または分枝鎖)によって置換された一置換または二置換
メチレン基、置換若しくは未置換アリール基によって置
換された一置換または二置換メチレン基、酸素原子、硫
黄原子、アミノ基、炭素数1−5のアルキル基(直鎖ま
たは分枝鎖)によって置換されたアミノ基、または置換
若しくは未置換のアリール基によって置換されたアミノ
基を表す。Xの置換位置はフェニル基のオルト位、メタ
位またはパラ位である。R1 、R2 は、水素、ハロゲン
原子、炭素数1−14のアルキル基を表す。R3 は、炭
素数1−14のアルキリデン基、アルケニリデン基また
はアルキニリデン基を表す。)
【0007】好ましくは、Xが酸素である。また、好ま
しくは、R1 が炭素数1−5のアルキル基であり、特に
好ましくはメチル基またはエチル基である。
【0008】好ましくは、R2 が炭素数1−8のアルキ
ル基であり、更に好ましくは、R2が炭素数1−6の直
鎖アルキル基である。また、好ましくは、R3 が炭素数
4−10のアルキリデン基、アルケニリデン基またはア
ルキニリデン基であり、更に好ましくは、炭素数4−1
0のアルキリデン基またはアルキニリデン基であり、特
に好ましくは、ヘキサメチレン基である。
【0009】特に好ましい化合物は以下のとおりであ
る。 (イ)Xがエーテル酸素であり、R1 がメチル基であ
り、R2 がヘキシル基であり、R3 がヘキサメチレン基
である。 (ロ)Xがエーテル酸素であり、R1 がエチル基であ
り、R2 がエチル基であり、R3 がヘキサメチレン基で
ある。
【0010】また、本発明は、前記のホスト化合物と、
このホスト化合物中に包摂されている、有機化合物から
なる電子受容体とを備えていることを特徴とする、包摂
超分子錯体に係るものである。この包摂超分子錯体の一
般式を下記に示す(Aは電子受容体である)。
【化3】
【0011】電子受容体は、前記のホスト化合物の空間
内に包摂可能な分子の大きさを持った電子受容性の有機
化合物であれば、特に限定されない。しかし、特に好適
であるのは、ビピリジンおよびフラーレン類である。フ
ラーレン類とは、炭素数33−100のCn(n=33
−100)の構造式を有する炭素化合物である。ここで
nは50−80が特に好ましく、C60フラーレンまたは
70フラーレンが一層好ましい。
【0012】C60フラーレンの包摂超分子錯体を下記に
示す。
【化4】
【0013】本発明のホスト化合物は、次の特徴を有す
る。即ち、本発明者は、電子受容体であるフラーレン類
と、電子供与体である亜鉛ポルフィリンとの非共有結合
性相互作用を注目した。そして、本発明者は、2個の亜
鉛ポルフィリンをR3 鎖によって連結することで前記の
二量体を作製し、ホスト化合物を設計した。このホスト
化合物の中へ電子受容体の包摂を試みたところ、電子受
容体と2つの亜鉛ポルフィリンとの非共有結合性相互作
用によって、電子受容体が安定化されることを発見し
た。この安定性は、前記の特有の非共有結合性の相互作
用と、ホスト化合物が有する高度の対称性とに起因する
ものである。
【0014】本発明のホスト化合物は、従来類例のな
い、驚くべく高い錯形成定数を有しており、ベンゼン等
の有機溶媒中で極めて容易にほぼ定量的に包摂超分子錯
体を生成する。生成した包摂超分子錯体は安定であっ
て、アルミナカラムクロマトクラフィーなどの通常法に
よって原料から容易に分離できる。また、各種のスペク
トルによる分析結果から、電子受容体と2つの亜鉛ポル
フィリンとの間には、それぞれ強い非共有結合性の相互
作用が働いていることが確認されている。
【0015】本発明の包摂超分子錯体は、極めて安定で
あり、かつ電子受容体と電子供与体との相互作用が強い
ので、新規な電荷移動錯体として、電子材料、光学材料
として利用できる。
【0016】以下、更に具体的に本発明を説明する。本
発明者は、下記の化学式に示す(2)の化合物を水素添
加し、(1)の亜鉛ポルフィリン二量体を作製した。
【化5】
【0017】そして、(1)のベンゼン溶液をC60フラ
ーレンと混合したところ、溶液の色が明るい赤紫色から
暗赤色へと著しく変化した。(1)とC60フラーレンと
の混合物の電子線吸収スペクトルを測定したところ、
(1)のソーレー吸収バンドは410.5nmから41
7.5nmへとシフトした。これは(1)とフラーレン
との相互作用を示している(図1参照)。
【0018】等mol量の(1)とC60フラーレンとの
混合物を、ベンゼンを溶媒としてアルミナTLCに供す
ると、Rf=0.13に単一のスポットのみが観察され
た。(1)に対応するRf=0.72のスポットと、C
60フラーレンに対応する0.85のスポットとは観測さ
れなかった。一方、(1)またはC60フラーレンが過剰
に存在する場合には、それに対応するスポットが、Rf
=0.13のスポットと共に観測された。これらの観測
結果から、(1)とC60フラーレンとは、極めて安定な
1:1錯体を生成していることが分かる。更に、錯体
は、アルミナを使用したカラムクロマトグラフィーによ
って容易に分離できた。
【0019】(1)とフラーレンとのベンゼン溶液(2
5℃)を、種々の混合比率で混合してジョブのプロット
を得たところ、(1)とフラーレンとが等mol量にな
ったところで、410.5nmで吸収変化が極大になっ
た。更に、(1)とC60フラーレンとのTHF溶液をE
SI−MSに供したところ、m/z=2785.89お
よび1393.12に分布中心があった。これは、
(1)とC60フラーレンとの間の1:1錯体の一価陽イ
オンおよび二価陽イオンに対応している。
【0020】(1)とC60フラーレンとの錯形成定数を
ベンゼン中で測定したところ、6.7×105-1
あった。これは、現在のところ、C60フラーレンの有機
溶媒中における錯形成定数としては最大であり、従来よ
りも一桁高い。
【0021】ホスト化合物(1)は、溶液中では、その
柔軟なスペーサー部分(R3 )のために、配座異性体の
混合物として存在していた。1 H−NMRの結果による
と、メゾ水素とβ−メチル水素との共鳴のために、δ1
0.60−9.57ppmと、3.07−2.67pp
mとに、それぞれ、二組の3本のシングレット信号が現
れた。1 H−NMR飽和プロファイルの示すところによ
ると、こうした配座異性体は、互いに、NMRのタイム
スケールよりも遅い速度で、互いに変換している。
【0022】一方、等mol量の4,4’−ビピリジン
を(1)の溶液へ添加すると、1 H−NMRのスペクト
ルはもっと単純になり、一本のメゾ水素(δ10.5
3)とベータ−メチル水素(δ=3.06)とを示し
た。ビピリジンのダブレットシグナル(δ8.79およ
び7.05)は、3.42ppmおよび2.09ppm
へとシフトした。従って、ビピリジンが2つの亜鉛ポル
フィリンの間に包摂されていることが分かる。
【0023】等mol量のC60フラーレンを、(1)の
溶液へと添加しても、1 H−NMRのスペクトルには同
様の変化が生じた。即ち、メゾ水素およびβ−メチル水
素の共鳴によってシングレットの信号がδ10.32p
pmおよび2.87ppmに現れた。これらの結果も、
(1)とC60フラーレンとの1:1錯体が生成している
ことを示している。更に、この錯体の溶液に対して、等
mol量の4,4’−ビピリジンを添加すると、C60
ラーレンが定量的に放出され、(1)と4,4’−ビピ
リジンとの錯体が生成した。
【0024】(1)とC60フラーレンとの錯体につい
て、30℃で13CNMRスペクトルを測定したところ、
60に起因する一本の信号がδ140.10ppmに現
れた。遊離のC60フラーレンにおいては、δ=143.
21ppmに現れるので、シフトしていることが分か
る。このようなシフトは、亜鉛ポルフィリンのπ電子雲
の遮蔽作用および/または電子的作用の結果である。
【0025】塩化メチレン中で等mol量の(1)とC
60フラーレンとを混合した後、サイクリックボルタメト
リーを測定したところ、−1.11V(vs.Fc/F
+)で最初の還元波が生じた。遊離のC60フラーレン
の酸化還元電位の測定値は、−1.05Vである。従っ
て、C60フラーレンは、(1)と錯体化すると、還元を
受けにくくなる。これは、包摂超分子錯体中で、(1)
とC60フラーレンとの間で、π電子雲の相互作用の存在
を示す。
【0026】なお、本発明者は、(1)とC70フラーレ
ンとの錯体も合成し、上記と同様の結果を得た。また、
Xがエーテル酸素であり、R1 がエチル基であり、R2
がエチル基であり、R3 がヘキサメチレン基であるホス
ト化合物についても、上記と同様の結果を得た。
【0027】下記の合成スキームに従って、(1)の化
合物を合成した。
【化6】
【0028】[5,15−ビス(3’−メトキシフェニ
ル)−2,8,12,18−テトラヘキシル−3,7,
13,17−テトラメチルポルフィン(A)の合成]ビ
ス(3−ヘキシル−4−メチル−2−ピロリル)メタン
(770mg、2.25mmol)と、3−メトキシベ
ンズアルデヒド(306mg、2.25mmol)との
混合物のアセトニトリル溶液(50ml)に対して、ト
リクロル酢酸(110mg、0.67mmol)のアセ
トニリトル溶液(10ml)を添加し、得られた混合物
を終夜室温で窒素下で攪拌した。次いで、p−クロラニ
ル(2.21g、8.99mmol)のTHF溶液(4
0ml)を添加し、混合物を5時間攪拌した。反応混合
物から溶媒を留去し、残留物をアルミナカラムクロマト
グラフィーに供し、シリカクロマトグラフィーに供し
た。溶媒は塩化メチレンである。最初のフラクションを
回収し、塩化メチレン/メタノール中で再結晶した。紫
色の結晶が得られた(748mg、収率73%)。以下
は物理化学的性質である。
【0029】1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ 10.22 (s, 2H, meso-H), 7.69-7.59 (m, 8H, Ar),
3.97 (t, 8H, J = 7.7 Hz, CH2C5H11), 3.94 (s, 6
H, OCH3), 2.55 (s, 12H, CH3), 2.23-2.12 (m,8H,
CH2CH2C4H9), 1.77-1.66 (m, 8H, (CH2)2CH2C3H7), 1.
49-1.28 (m, 16H,(CH2)3(CH2)2Me), 0.88 (t, 12H, J =
7.7 Hz, (CH2)5CH3), -2.43 (br. s,2H, NH); FAB-MS m/z 916 (MH+).
【0030】[5,15−ビス(3’−ヒドロキシフェ
ニル)−2,8,12,18−テトラヘキシル−3,
7,13,17−テトラメチルポルフィンの亜鉛錯体
(B)の合成]上記の(A)(705mg、0.77m
mol)の塩化メチレン溶液(85ml)を、−78℃
に保持し、BBr3 (3.86g、15.4mmol)
の塩化メチレン溶液(30ml)を、窒素雰囲気下で激
しく攪拌しながら滴下した。次いで、反応混合物を室温
で5時間静置し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注
いだ。有機相を分離し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を留去した。この残留物のクロロホルム溶液へ
と酢酸亜鉛を添加し、混合物を5時間室温で攪拌した。
反応混合物を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を
留去し、(B)を得た(赤紫色結晶、570mg、収率
78%)。以下に物理化学的性質を示す。
【0031】1H NMR (270MHz, CDCl3) 10.14 (s, 2H, meso-H), 7.70-7.26 (m, 8H, Ar), 5.08
(s, 2H, OH), 3.93 (t,8H, J = 7.8 Hz, CH2C5H11),
2.53 (s, 12H, CH3), 2.22-2.10 (m, 8H, CH2CH2C4H9),
1.78-1.67 (m, 8H, (CH2)2CH2C3H7), 1.51-1.32 (m, 1
6H,(CH2)3(CH2)2Me), 0.90 (t, 12H, J =7.3 Hz, (CH
2)5CH3); FAB-MS m/z 948 (M+).
【0032】[5,15−ビス(3’−プロパルギロキ
シフェニル)−2,8,12,18−テトラヘキシル−
3,7,13,17−テトラメチルポルフィンの亜鉛錯
体(C)の合成](B)(570mg、0.60mmo
l)と炭酸セシウム(489mg、1.50mmol)
のDMF(8ml)懸濁液へ、臭化プロパルギル(28
0mg、2.40mmol)のDMF溶液(4ml)を
添加し、混合物を終夜室温で攪拌した。次いで、この反
応混合物を水中へ注ぎ、塩化メチレンで抽出した。溶媒
を留去した後、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ
ーに供した(塩化メチレンとヘキサンとの1:1混合溶
媒を使用した)。(C)が紫色の結晶として得られた
(580mg、94%)。以下は物理化学的性質であ
る。
【0033】1H NMR (270MHz, CDCl3) δ 10.18 (s, 2H, meso-H), 7.72-7.39 (m, 8H, Ar),
4.84 (d, 4H,J = 2.5 Hz, 三重結合に隣接するCH2 ),3.
95 (t, 8H, J = 7.7 Hz, CH2C5H11), 2.53 (s, 12H, CH
3), 2.51 (t, 2H, J = 2.5 Hz,アセチレン水素),2.22-
2.11 (m, 8H, CH2CH2C4H9), 1.78-1.67 (m, 8H, (CH2)2
CH2C3H7), 1.48-1.29 (m, 16H, (CH2)3(CH2)2Me), 0.90
(t, 12H, J =7.3 Hz, (CH2)5CH3); FAB-MS: m/z 1024 (M+).
【0034】[環状二量体(2)の合成]上記スキーム
に示す(2)を合成した。(C)(68mg、0.06
6mmol)の塩化メチレン溶液(100ml)へ、塩
化銅(462mg、4.67mmol)およびN,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMED
A)(542mg、4.67mmol)を添加し、混合
物を4時間空気中で室温で攪拌した。この反応混合物を
水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残
留物をプレパラティブ薄層シリカゲルクロマトグラフィ
ーに供し(溶媒はクロロホルム)、(2)とTMEDA
とを含む三番目のフラクションを回収し、HCl/メタ
ノールで処理した。次いで、反応混合物を飽和炭酸水素
ナトリウムの水溶液、水で洗浄し、酢酸亜鉛と共に室温
で攪拌した。5時間後、反応混合物を水洗し、硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶媒を留去し、(2)を得た(30m
g、44%)。(2)は配座異性体があるので、1
NMRスペクトルは複雑であったため、TMEDAと錯
体化することでスペクトルを単純化した。
【0035】1H NMR (270 MHz, C6D6 : TMEDAを含む) δ 10.24 (s, 4H, meso-H), 7.72-7.36 (m, 16H, A
r), 4.73 (s, 8H, 三重結合に隣接するCH2), 4.12-
3.94 (m, 16H, CH2C5H11), 2.76 (s, 24H, CH3),2.23
(m, 16H, CH2CH2C4H9), 1.84 (m, 16H, (CH2)2CH2C3H
7), 1.65-1.36 (m, 32H, (CH2)3(CH2)2Me), 1.17 (t, 2
4H, J =7.1 Hz, (CH2)5CH3), -3.30 and -4.99 FAB-HRMS m/z calcd for C132H156O4N8Zn2 (M+) 2045.0832, found 2045.0815; UV-vis (C6H6): λmax (log ε) 336.5 (4.61), 411.0 (5.66), 542.0 (4.55), 576.0
(4.39) nm.
【0036】[環状二量体(1)の合成](2)(24
4mg、0.12mmol)のTHF溶液(200m
l)へ、10%Pd/C(330mg)を添加し、懸濁
液を水素中で2日間室温で攪拌し、次いで濾過した。こ
の濾液から溶媒を留去し、乾燥し、残留物を塩化メチレ
ン/アセトニトリルによって再結晶し、(1)を赤紫色
の結晶として得た(218mg、89%)。以下は物理
化学的性質である。
【0037】FAB-HRMS m/z calcd for C132H172O4N8Zn2 (M+) 2061.2084, found 2061.2063; UV-vis (C6H6):λ max(logε) 340.5 (4.62), 410.5 (5.83), 540.5 (4.57), 575.0
(4.39) nm.
【0038】前述したように、(1)のホスト化合物
は、ベンゼン等の各種の有機溶媒中で、4,4’−ヒピ
リジン、C60フラーレン、C70フラーレン等と定量的に
錯体を形成した。
【0039】以下は、(1)のホスト化合物、および一
部の包摂超分子錯体の、1 H NMRスペクトルのプロ
ファイルである(270MHz、C66 、25℃)。 [(1)のホスト化合物]δ 10.60-9.57 (s x 3, 4H,
meso-H ), 8.19-7.63 (m, 16H, Ar), 4.19-3.92 (m, 2
4H, CH2C5H11 および OCH2 ), 3.07-2.67 (s x 3, 24
H, CH3 ), 2.45-2.31(m, 16H, CH2CH2C4H9 ), 1.85-0.9
5(m, 88H, (CH2)2(CH2)3CH3 and OCH2(CH2)2).
【0040】[(1)と4, 4’−ビピリジンとの包摂
超分子錯体] 10.53 (s, 4H, meso-H ), 8.17-7.72 (m,16H, Ar), 4.2
1-4.11 (m, 16H, CH2C5H11 ), 4.04 (t, 8H, OCH2 ),
3.42 および 2.09 (d x 2, 4H, J = 6.2 Hz, bpy), 3.0
6 (s, 24H, CH3 ), 2.42 (m, 16H, CH2CH2C4H9 ),1.95-
1.05 (m, 88H, (CH2)2(CH2)3CH3and OCH2(CH2)2).
【0041】[(1)とC60フラーレンとの包摂超分子
錯体] 0.32 (s, 4H, meso-H ), 8.15-7.35 (m,16H, Ar), 4.10
(m, 16H, CH2C5H11),3.93 (t, 8H, J =6.6 Hz, OCH2
), 2.87 (s, 24H, CH3), 2.37 (m, 16H, CH2CH2C4H9
),1.94-1.16 (m, 88H, (CH2)2(CH2)3CH3 および OCH2
(CH2)2
【図面の簡単な説明】
【図1】 25℃でベンゼン中において、(1)とC60
フラーレンとの分光学的な滴定の結果を示す。
【図2】 (1)とC60フラーレンとの混合物のTHF
溶液のESI−MSスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田代 健太郎 神奈川県横浜市栄区若竹町47−21 (72)発明者 坂本 茂 東京都台東区鳥越2−13−4 (72)発明者 山口 健太郎 千葉県千葉市稲毛区天台3−7−2 Fターム(参考) 4C050 PA05 PA06 4C055 AA01 BA01 CA01 DA08 DA25 EA01 GA02 4H048 AA01 AB80 AB99 VA20 VA32 VA66 VB10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で表されることを特徴とす
    る、包摂超分子錯体のホスト化合物。 【化1】 (Xは、メチレン基、炭素数1−5のアルキル基によっ
    て置換された一置換または二置換メチレン基、置換若し
    くは未置換アリール基によって置換された一置換または
    二置換メチレン基、酸素原子、硫黄原子、アミノ基、炭
    素数1−5のアルキル基によって置換されたアミノ基、
    または置換若しくは未置換のアリール基によって置換さ
    れたアミノ基を表す。Xの置換位置はフェニル基のオル
    ト位、メタ位またはパラ位である。R1 、R2 は、水
    素、ハロゲン原子、炭素数1−14のアルキル基を表
    す。R3 は、炭素数1−14のアルキリデン基、アルケ
    ニリデン基またはアルキニリデン基を表す。)
  2. 【請求項2】 Xが酸素であることを特徴とする、請求
    項1記載のホスト化合物。
  3. 【請求項3】 R1 が炭素数1−5のアルキル基を表す
    ことを特徴とする、請求項1または2記載のホスト化合
    物。
  4. 【請求項4】 R1 がメチル基またはエチル基であるこ
    とを特徴とする、請求項3記載のホスト化合物。
  5. 【請求項5】 R2 が炭素数1−8のアルキル基を表す
    ことを特徴とする、請求項1−4のいずれか一つの請求
    項に記載のホスト化合物。
  6. 【請求項6】 R2 が炭素数1−6の直鎖アルキル基で
    あることを特徴とする、請求項5記載のホスト化合物。
  7. 【請求項7】 R3 が炭素数4−10のアルキリデン
    基、アルケニリデン基またはアルキニリデン基を表すこ
    とを特徴とする、請求項1−6のいずれか一つの請求項
    に記載のホスト化合物。
  8. 【請求項8】 請求項1−7のいずれか一つの請求項に
    記載のホスト化合物と、このホスト化合物中に包摂され
    ている、有機化合物からなる電子受容体を備えているこ
    とを特徴とする、包摂超分子錯体。
  9. 【請求項9】 前記電子受容体がフラーレンであること
    を特徴とする、請求項8記載の包摂超分子錯体。
  10. 【請求項10】 前記フラーレンがC60フラーレンまた
    はC70フラーレンであることを特徴とする、請求項9記
    載の包摂超分子錯体。
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