JP2001097951A - 4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドの製造方法、中間体化合物、該化合物の製造方法、およびヒドラジン誘導体の製造方法 - Google Patents

4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドの製造方法、中間体化合物、該化合物の製造方法、およびヒドラジン誘導体の製造方法

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JP2001097951A JP21811299A JP21811299A JP2001097951A JP 2001097951 A JP2001097951 A JP 2001097951A JP 21811299 A JP21811299 A JP 21811299A JP 21811299 A JP21811299 A JP 21811299A JP 2001097951 A JP2001097951 A JP 2001097951A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4-(ヒ゜リシ゛ン-2-イル)ヘ゛ンス゛アルテ゛ヒト゛を安価に製造
する方法の提供。 【解決手段】 新規な、2-(4-フ゛ロモメチルフェニル)ヒ゜リシ゛ン(I)の
塩、2-(4-シ゛フ゛ロモメチルフェニル)ヒ゜リシ゛ン(II)、およびその塩の
うち少なくとも1つを、ヘキサメチレンテトラミンおよび水と反応さ
せることにより、4-(ヒ゜リシ゛ン-2-イル)ヘ゛ンス゛アルテ゛ヒト゛(III)を
安価に製造することができる。(I)の塩、(II)およびそ
の塩は、2-(4-トリル)ヒ゜リシ゛ンの塩(IV)を臭素化剤と反応さ
せることにより得ることができる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4−(ピリジン−
2−イル)ベンズアルデヒドの新規な製造方法、その中
間体化合物である2−(4−ブロモメチルフェニル)ピ
リジンの塩、2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリ
ジン、およびその塩、該中間体化合物の製造方法、並び
に4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドを用い
るN−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−[4
−(ピリジン−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラ
ジンの製造方法に関する。N−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェ
ニルメチリデン]ヒドラジンは、抗HIV薬である後述
の化合物(A)の製造用中間体として有用な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】本発明におけるN−(tert−ブトキ
シカルボニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)
フェニルメチリデン]ヒドラジンは、抗HIV薬である
下式
【0003】
【化11】
【0004】で表される化合物(A)の合成中間体とし
て有用であり、例えばWO97/40029号に記載の
方法により、当該中間体を経由して化合物(A)へと導
くことができる。
【0005】WO97/40029号にはN−(ter
t−ブトキシカルボニル)−N’−[4−(ピリジン−
2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジンの製造方法
として、4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒド
とtert−ブチルカルバゼート[tBuOC(=O)
NHNH2](式中、tBuはtert−ブチルを示
す)とを反応させることによる製造方法が記載されてお
り、4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドは医
薬品の中間体として重要である。
【0006】4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデ
ヒドの製造方法として、例えば特開平3−95157号
公報およびWO97/40029号に、4−ブロモベン
ズアルデヒドジメチルアセタールから調製されたグリニ
ャール試薬と2−ブロモピリジンとを、触媒として
[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニ
ッケル(II)クロライドを用いて反応させる方法が記
載されている。しかしながら、上記の製造方法では反応
試薬である、4−ブロモベンズアルデヒドジメチルアセ
タールおよび2−ブロモピリジンは比較的高価であり、
さらに触媒である[1,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)プロパン]ニッケル(II)クロライドは極めて高
価であり、工業的に入手も困難である。このため、4−
(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドを安価に製造
する方法の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドを安価
に製造し得る方法を提供することである。また、本発明
の目的は、4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒ
ドを製造するための中間体を提供することである。さら
に、本発明の目的は、該中間体を製造する方法を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を行った結果、新規な化合物で
ある、2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジンの
塩、2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジン、お
よびその塩が、2−(4−トリル)ピリジンの塩と臭素
化剤とを反応させることにより得られる製造方法を見出
した。さらに2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジ
ンの塩、2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジ
ン、またはその塩をヘキサメチレンテトラミンおよび水
と反応させることにより、4−(ピリジン−2−イル)
ベンズアルデヒドを安価に製造できる方法を見出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は(1)式(I)
【0010】
【化12】
【0011】で表される2−(4−ブロモメチルフェニ
ル)ピリジンの塩、式(II)
【0012】
【化13】
【0013】で表される2−(4−ジブロモメチルフェ
ニル)ピリジン、およびその塩からなる群より選ばれる
少なくとも1つを、ヘキサメチレンテトラミンおよび水
と反応させることを特徴とする、式(III)
【0014】
【化14】
【0015】で表される4−(ピリジン−2−イル)ベ
ンズアルデヒドの製造方法、(2)式(I)
【0016】
【化15】
【0017】で表される2−(4−ブロモメチルフェニ
ル)ピリジンの塩および/または式(II)
【0018】
【化16】
【0019】で表される2−(4−ジブロモメチルフェ
ニル)ピリジンの塩を、ヘキサメチレンテトラミンおよ
び水と反応させることを特徴とする、式(III)
【0020】
【化17】
【0021】で表される4−(ピリジン−2−イル)ベ
ンズアルデヒドの製造方法、(3)2−(4−ブロモメ
チルフェニル)ピリジンの塩、(4)2−(4−ジブロ
モメチルフェニル)ピリジン、またはその塩、(5)式
(IV)
【0022】
【化18】
【0023】(式中、Xはハロゲン原子またはスルホン
酸残基を表す)で表される2−(4−トリル)ピリジン
の塩を臭素化剤と反応させることを特徴とする、2−
(4−ブロモメチルフェニル)ピリジンの塩、2−(4
−ジブロモメチルフェニル)ピリジン、またはその塩の
製造方法、(6)Xがハロゲン原子である、上記(5)
の製造方法、(7)臭素化剤が臭素であることを特徴と
する、上記(5)の製造方法、(8)上記(1)または
(2)の方法により製造した4−(ピリジン−2−イ
ル)ベンズアルデヒドをヒドラジンと反応させ、式
(V)
【0024】
【化19】
【0025】で表される4−(ピリジン−2−イル)ベ
ンズアルデヒドヒドラゾンとし、さらにこれを式[〔t
BuOC(=O)〕2O](式中、tBuはtert−
ブチルを示す)で表されるジ−tert−ブチルジカー
ボネートと反応させることを特徴とする、式(VI)
【0026】
【化20】
【0027】(式中、tBuはtert−ブチルを示
す)で表されるN−(tert−ブトキシカルボニル)
−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニルメチリ
デン]ヒドラジンの製造方法、および(9)上記(1)
または(2)の方法により製造した4−(ピリジン−2
−イル)ベンズアルデヒドを式[tBuOC(=O)N
HNH2](式中、tBuはtert−ブチルを示す)
で表されるtert−ブチルカルバゼートと反応させる
ことを特徴とする、式(VI)
【0028】
【化21】
【0029】(式中、tBuはtert−ブチルを示
す)で表されるN−(tert−ブトキシカルボニル)
−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニルメチリ
デン]ヒドラジンの製造方法に関する。
【0030】新規な化合物である、2−(4−ブロモメ
チルフェニル)ピリジンの塩、2−(4−ジブロモメチ
ルフェニル)ピリジン、およびその塩の製造において、
2−(4−トリル)ピリジンを塩の形態にせずに臭素化
を行うと、一旦生成した置換ベンジルブロマイドが分子
内にある窒素原子と反応し、目的以外の生成物を得るこ
とになる。そこで、本発明者らは2−(4−トリル)ピ
リジンを塩の形態とし臭素化を行うことにより、2−
(4−ブロモメチルフェニル)ピリジンの塩、2−(4
−ジブロモメチルフェニル)ピリジン、またはその塩
が、目的以外の生成物を生成することなく得られること
を見出した。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に詳細に説
明する。4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒド(II
I)の製造方法 4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドは、2−
(4−ブロモメチルフェニル)ピリジンの塩、2−(4
−ジブロモメチルフェニル)ピリジン、およびその塩の
うち少なくとも1つをヘキサメチレンテトラミンおよび
水と反応させることにより得ることができる。詳細に
は、反応溶媒中、2−(4−ブロモメチルフェニル)ピ
リジンの塩、2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリ
ジン、およびその塩のうち少なくとも1つに、水および
ヘキサメチレンテトラミンを加え、加熱攪拌することに
より、4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドを
得ることができる。また、必要に応じて、塩基性物質
(例えば、酢酸ナトリウムなど)をヘキサメチレンテト
ラミン1molに対して、0.5〜2.0mol加えて
もよい。
【0032】水は、反応試薬以外にも溶媒としても機能
し、反応試薬として、臭素化の出発原料である2−(4
−トリル)ピリジンに対して2〜10倍重量、好ましく
は4〜6倍重量用い、10倍重量を越える量の水は、反
応溶媒として用いることになる。
【0033】水以外の反応溶媒としては、エタノール、
酢酸などが挙げられ、好ましくは酢酸が挙げられる。水
および水以外の反応溶媒の単独溶媒、並びにこれらの混
合溶媒を反応溶媒として用いることができ、好ましい混
合溶媒として酢酸水溶液が挙げられる。反応溶媒の使用
量は臭素化の出発原料である2−(4−トリル)ピリジ
ンに対して、2〜10倍重量、好ましくは4〜7倍重量
である。
【0034】ヘキサメチレンテトラミンの使用量は、臭
素化の出発原料である2−(4−トリル)ピリジンに対
して、等mol〜15倍mol、好ましくは2倍mol
〜10倍mol、より好ましくは3倍mol〜10倍m
olである。
【0035】反応温度は、常温から用いる溶媒の沸点ま
での範囲、好ましくは85〜95℃である。
【0036】反応時間は、1〜8時間、好ましくは1〜
3時間である。
【0037】4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデ
ヒドの単離は、通常の操作、例えば抽出、蒸留、および
カラムクロマトグラフィーなどにより行うことができ
る。例えば、反応後の系内にある酸性物質を中和した
後、抽出することにより4−(ピリジン−2−イル)ベ
ンズアルデヒドが得られる。また抽出後、亜硫酸水素ナ
トリウムなどの亜硫酸水素塩、またはピロ亜硫酸ナトリ
ウムを用いて、水または水と低級アルコールもしくは酢
酸エチルとの混合溶媒中、結晶性の、4−(ピリジン−
2−イル)ベンズアルデヒドのアルカリ金属亜硫酸水素
塩として得ることもできる。得られた4−(ピリジン−
2−イル)ベンズアルデヒドのアルカリ金属亜硫酸水素
塩は、酸性またはアルカリ性の水溶液と接触することに
より、元の4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒ
ドに再生することができ、これを利用して精製すること
ができる。
【0038】2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジ
ン(I)の塩、2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピ
リジン(II)、およびその塩の製造方法 上記の4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドの
製造における原料化合物である2−(4−ブロモメチル
フェニル)ピリジン(以下、モノブロモ体ともいう)の
塩、2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジン(以
下、ジブロモ体ともいう)、およびその塩は新規な化合
物であり、2−(4−トリル)ピリジンの塩と臭素化剤
とを反応させることにより得ることができる。詳細に
は、例えば2−(4−トリル)ピリジンの塩と溶媒との
混合物に、加熱しながら臭素化剤を添加することによ
り、モノブロモ体の塩とジブロモ体の塩を、また必要に
よりジブロモ体の塩を適当に処理して遊離塩基の形態の
ジブロモ体を得ることができる。モノブロモ体の塩とジ
ブロモ体の塩の分離は、再結晶などの精製手段により行
うことができる。あるいは、モノブロモ体の塩とジブロ
モ体の塩の混合物を遊離塩基の形態にした後、カラムク
ロマトグラフィーなどによる精製を行うことによって、
モノブロモ体とジブロモ体とに分離することができる。
臭素化剤を多く用いるとモノブロモ体はジブロモ体へと
変換され、ジブロモ体の生成物中での割合は多くなる。
また、必要に応じて、反応系内に生成する臭化水素酸
を、窒素ガスを導入することにより取り除くことができ
る。2−(4−トリル)ピリジンの塩の形成は、臭素化
の前に調製しておいても、臭素化と同じ反応系内で調製
してもどちらでもよい。
【0039】モノブロモ体の塩およびジブロモ体の塩に
おける塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸
塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−
トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。
【0040】式(IV)におけるXは、ハロゲン原子ま
たはスルホン酸残基を表し、ハロゲン原子としては、好
ましくは塩素および臭素が挙げられ、スルホン酸残基と
しては、好ましくは硫酸、ベンゼンスルホン酸、メタン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの残基が挙げ
られ、Xとしてより好ましくは、塩素、ベンゼンスルホ
ン酸残基が挙げられる。
【0041】2−(4−トリル)ピリジンの塩を形成す
る方法は、特に限定はなく、例えば臭素化の前に調製す
る場合、2−(4−トリル)ピリジンの溶液に無機酸ま
たは有機酸を種々な形態で添加する方法などが挙げられ
る。該反応溶媒は、例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、およびイソプロパノールなどの炭素数1〜
3の低級アルコール溶媒、クロロベンゼンなどのハロゲ
ン化炭化水素系溶媒が挙げられ、好ましくはクロロベン
ゼンが挙げられる。
【0042】該反応溶媒の使用量は、2−(4−トリ
ル)ピリジンに対して、1〜6倍重量、好ましくは3〜
4倍重量である。
【0043】2−(4−トリル)ピリジンの塩形成にお
ける無機酸としては、特に限定はなく、好ましくは塩酸
および臭化水素酸が挙げられる。
【0044】2−(4−トリル)ピリジンの塩形成にお
ける有機酸としては、ベンゼンスルホン酸、メタンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられ、好ま
しくはベンゼンスルホン酸が挙げられる。また、これら
有機酸の水和物または水溶液を使用してもよい。
【0045】該無機酸および有機酸の使用量は、2−
(4−トリル)ピリジンに対して、0.5〜1.5倍m
ol、好ましくは1.0〜1.1倍molである。
【0046】また、2−(4−トリル)ピリジンの塩を
臭素化と同じ反応系内で調製する場合、臭素化の際に発
生する臭化水素酸により2−(4−トリル)ピリジン臭
化水素酸塩を得ることができる。
【0047】上記の様にして得られた2−(4−トリ
ル)ピリジンの塩の臭素化反応について、以下に説明す
る。臭素化反応における臭素化剤として、例えば臭素、
1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N
−ブロモスクシンイミドが挙げられ、好ましくは臭素が
挙げられる。
【0048】該臭素化剤の使用量は、2−(4−トリ
ル)ピリジンに対して、1.0〜3.0倍mol、好ま
しくは1.3〜2.3倍mol、より好ましくは1.4
〜2.3倍molである。
【0049】臭素化反応における反応溶媒として、不活
性溶媒を用いるのが好ましく、具体的にはクロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタンが
挙げられ、好ましくはクロロベンゼンが挙げられる。
【0050】該反応溶媒の使用量は、特に限定はなく、
2−(4−トリル)ピリジン1molに対して、0.2
〜1.0Lであるのが好ましい。
【0051】臭素化反応における反応温度は、常温から
溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは100〜130℃
である。
【0052】臭素化反応における反応時間は、6〜18
時間であり、好ましくは10〜14時間である。
【0053】反応終了後に生成するモノブロモ体および
ジブロモ体は塩の形態をとっており、反応液を中和後、
通常の操作、例えば抽出、およびカラムクロマトグラフ
ィーにより単離すると、塩の形態をとっていないモノブ
ロモ体およびジブロモ体が得られる。しかし、モノブロ
モ体およびジブロモ体を4−(ピリジン−2−イル)ベ
ンズアルデヒドの合成に使用する際には、塩の形態のま
までも使用することができるため、中和や単離の手間が
省かれるという点から、モノブロモ体の塩および/また
はジブロモ体の塩を用いるのが好ましい。4−(ピリジ
ン−2−イル)ベンズアルデヒドの合成にモノブロモ体
の塩および/またはジブロモ体の塩を使用する際には、
反応液から溶媒を留去することなくそのまま次の工程に
使用することができる。
【0054】4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデ
ヒドヒドラゾン(V)の製造方法 4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドヒドラゾ
ンは、4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドと
ヒドラジンとを反応させて製造することができる。詳細
には、例えばヒドラジンを低級アルコールと混合し、こ
れに4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドを攪
拌下にそのまま添加して反応させるか、または有機溶媒
溶液として攪拌下に滴下して反応させることにより行う
ことができる。この反応は、均一系または均一に近い系
で、ヒドラジンを4−(ピリジン−2−イル)ベンズア
ルデヒドに対して過剰に用いて行うのが好ましい。
【0055】ヒドラジンは、4−(ピリジン−2−イ
ル)ベンズアルデヒド1molに対して1〜5倍mo
l、好ましくは1〜3倍mol用いる。また、本発明に
おいてヒドラジンはヒドラジンヒドラートを用いるの
が、経済性および安全性の点から好ましい。
【0056】この反応で用いる低級アルコールとして、
炭素数1〜3のアルコールが挙げられ、具体的には、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ルなどが挙げられる。該低級アルコールの使用量は特に
限定はなく、反応後の液が均一系、または均一に近い系
になる量であればよい。例えば、80%ヒドラジンヒド
ラートに対して、メタノールを1〜10倍重量用いると
よい。
【0057】4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデ
ヒドを溶解する有機溶媒としては、上記炭素数1〜3の
低級アルコール、THFなどのエーテル系溶媒、トルエ
ンなどの芳香族系溶媒、モノクロロベンゼンなどのハロ
ゲン化炭化水素系溶媒が挙げられ、好ましくは低級アル
コールが挙げられる。該有機溶媒としては、操作の煩雑
さの点から前工程で抽出に用いた溶媒を用るのが好まし
い。該有機溶媒の使用量は、4−(ピリジン−2−イ
ル)ベンズアルデヒド1重量部に対して、0.5〜20
重量部、好ましくは3〜10重量部である。
【0058】反応温度は、常温から用いる溶媒の沸点の
温度範囲であり、好ましくは常温から50℃である。
【0059】反応は、4−(ピリジン−2−イル)ベン
ズアルデヒドの滴下終了と同時、または滴下終了後から
3時間程度まで保温をすることにより完結する。反応の
終了後、得られた4−(ピリジン−2−イル)ベンズア
ルデヒドヒドラゾンは、例えばそのまま減圧下に濃縮
後、または特に低級アルコールを留去後、抽出すること
により取り出すことができる。抽出に用いる溶媒とし
て、例えばエーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラ
ンなど)、ハロゲン化芳香族系溶媒(例えば、モノクロ
ロベンゼンなど)が挙げられる。減圧濃縮の際、4−
(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドヒドラゾンの
安定剤として少量のアルカリ金属水酸化物(例えば、水
酸化ナトリウムなど)を加えることが好ましい。
【0060】N−(tert−ブトキシカルボニル)−
N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニルメチリデ
ン]ヒドラジン(VI)の製造方法 N−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−[4−
(ピリジン−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジ
ンは、例えば4−(ピリジン−2−イル)ベンズアル
デヒドヒドラゾンをジ−tert−ブチルジカーボネー
ト[〔tBuOC(=O)〕2O](式中、tBuはt
ert−ブチルを示す)と反応させること(以下、の
方法ともいう)により、または4−(ピリジン−2−
イル)ベンズアルデヒドをtert−ブチルカルバゼー
ト[tBuOC(=O)NHNH 2](式中、tBuは
前記と同義である)と反応させること(以下、の方法
ともいう)により製造することができる。
【0061】の方法について、以下に詳細に説明す
る。の方法によるN−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニルメ
チリデン]ヒドラジンの製造は、下記溶媒中、必要に応
じて有機塩基または無機塩基の存在下で、4−(ピリジ
ン−2−イル)ベンズアルデヒドヒドラゾンをジ−te
rt−ブチルジカーボネートと反応させることにより行
うことができる。有機塩基または無機塩基を反応系に添
加することにより、反応速度を速めることができる。ま
た、ジ−tert−ブチルジカーボネートは、下記溶媒
の溶液として反応系に滴下するのが好ましい。
【0062】この反応で用いられる溶媒として、例えば
テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、モノクロロ
ベンゼン、水、またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、
THFおよびモノクロロベンゼンが好ましい。
【0063】該溶媒の使用量は、反応系の攪拌を容易に
する量であれば特に限定はなく、例えば4−(ピリジン
−2−イル)ベンズアルデヒドヒドラゾンに対して1〜
50倍重量が好ましい。
【0064】ジ−tert−ブチルジカーボネートの使
用量は、4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒド
ヒドラゾンに対して1〜3倍molが好ましい。
【0065】この反応において用いる有機塩基または無
機塩基は、触媒量から4−(ピリジン−2−イル)ベン
ズアルデヒドヒドラゾンに対して3倍molの量で用い
ることができる。該有機塩基としては、例えばトリエチ
ルアミン等の第3級アミンが、該無機塩基としては、水
酸化ナトリウム、および水酸化カリウムなどのアルカリ
金属水酸化物、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムな
どのアルカリ金属の炭酸塩、並びに炭酸水素ナトリウ
ム、および炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸
水素塩が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウムが挙げ
られ、通常水溶液の形態で用いられる。
【0066】反応温度は、常温から溶媒の沸点の範囲で
あり、好ましくは常温から60℃である。
【0067】全反応試薬添加後の反応時間は、30分間
から12時間であり、好ましくは1〜3時間である。
【0068】得られたN−(tert−ブトキシカルボ
ニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニル
メチリデン]ヒドラジンは、洗浄、再結晶、およびカラ
ムクロマトグラフィーなどの公知の方法により単離、精
製することができる。例えば反応液を濃縮後、洗浄する
ことにより精製することができ、また洗浄後、適当な有
機溶媒(例えば、トルエンなど)を用いて再結晶をする
ことにより、さらに精製することができる。
【0069】の方法によるN−(tert−ブトキシ
カルボニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フ
ェニルメチリデン]ヒドラジンの製造は、WO97/4
0029号に記載の方法、またはこれに準ずる方法によ
って行うことができる。の方法によるN−(tert
−ブトキシカルボニル)−N’−[4−(ピリジン−2
−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジンの製造は、下
記溶媒中、4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒ
ドをtert−ブチルカルバゼートと反応させることに
より行うことができる。詳細には、tert−ブチルカ
ルバゼートの溶液に、4−(ピリジン−2−イル)ベン
ズアルデヒドを添加することによりN−(tert−ブ
トキシカルボニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イ
ル)フェニルメチリデン]ヒドラジンを得ることができ
る。また、4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒ
ドは、下記溶媒の溶液として反応系に滴下するのが好ま
しい。
【0070】この反応で用いられる溶媒として、例えば
メタノール、エタノール、アセトニトリル、THFが挙
げられ、好ましくはメタノールが挙げられる。
【0071】該溶媒は、4−(ピリジン−2−イル)ベ
ンズアルデヒドに対して、2〜10倍重量用いるのが好
ましい。
【0072】tert−ブチルカルバゼートの使用量
は、4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドに対
して、1.0〜3.0倍molであり、好ましくは1.
2倍molである。
【0073】反応温度は、室温から70℃であり、好ま
しくは50℃以下である。
【0074】全反応試薬添加後の反応時間は、30分〜
20時間であり、好ましくは2時間以下である。
【0075】得られたN−(tert−ブトキシカルボ
ニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニル
メチリデン]ヒドラジンは、洗浄、再結晶、およびカラ
ムクロマトグラフィーなどの公知の方法により単離、精
製することができる。
【0076】本発明の出発原料である2−(4−トリ
ル)ピリジンの製造方法は、Tetrahedron,
54,1289−1298(1998)などに記載され
ており、例えば電気化学的に得られるトリルジンクハラ
イドを、ニッケル触媒を用いて2−ハロピリジンと反応
させることにより、2−(4−トリル)ピリジンを得る
ことができる。
【0077】本発明の方法により得られたN−(ter
t−ブトキシカルボニル)−N’−[4−(ピリジン−
2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジンは、前述の
抗HIV薬である化合物(A)の合成中間体として有用
であり、例えばWO97/40029号記載の方法によ
り抗HIV薬(A)に誘導することができる。
【0078】次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0079】
【実施例】実施例1 2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジン塩酸塩の製
造 100ml容の4つ口フラスコ内に2−(4−トリル)
ピリジン塩酸塩5.0g(24.3mmol)、および
クロロベンゼン(15ml)を入れ、110〜120℃
に加熱しながら臭素8.5g(53.2mmol)を1
2時間で滴下した。前記の温度範囲で、1時間加熱攪拌
後、反応液を高速液体クロマトグラフィー(以下、HP
LCと略す)で分析した結果、2−(4−ブロモメチル
フェニル)ピリジンが収率64.5%で生成しているこ
とが確認できた。反応液を冷却し、結晶を析出させて濾
取し、少量の冷メタノールで洗浄した。1H−NMR分
析から2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジン塩酸
塩であることを確認した2−(4−ブロモメチルフェニ
ル)ピリジン塩酸塩1 H−NMR(DMSO−d6,ppm)δ:4.83
(s,2H),7.73(d,J=8.0Hz,2
H),7.94−8.02(m,2H),8.05
(d,J=8.0Hz,2H),8.38−8.45
(m,1H),8.54−8.58(m,1H),8.
91(d,J=5.2Hz,1H)
【0080】実施例2 4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドの製造 実施例1で得られた2−(4−ブロモメチルフェニル)
ピリジン塩酸塩の含まれた反応容器に、ヘキサメチレン
テトラミン25.5g(181.9mmol)を酢酸
(25ml)と脱イオン水(25ml)との混合溶媒に
溶解させた混合液を室温で加えた。その後、80〜90
℃の温度範囲で1時間加熱攪拌した。この後、反応液を
HPLCで分析した結果、4−(ピリジン−2−イル)
ベンズアルデヒドが収率79.9%で生成していること
が確認できた。4−(ピリジン−2−イル)ベンズアル
デヒドは、反応系内の酢酸を10M水酸化ナトリウム水
溶液(35ml)を用いて中和後、トルエン(40m
l)で抽出し溶媒を減圧下で留去したのち、次の反応に
用いた。
【0081】実施例3 4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドヒドラゾ
ンの製造 100ml容の4つ口フラスコ内に80%ヒドラジンヒ
ドラート1.5g(24.0mmol)およびメタノー
ル(5ml)を入れ攪拌しながら、実施例2で得られた
4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒド2.19
g(12.0mmol)のメタノール(5ml)溶液
を、25℃で1時間かけて滴下した。さらに25℃で1
時間攪拌した後、反応液をHPLCで分析した結果、4
−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドヒドラゾン
が収率85.1%で生成していることが確認できた。反
応終了後、反応液に1.0M水酸化ナトリウム水溶液
(30ml)を加え、ロータリーエバポレーターを用い
てメタノールを留去した。析出した粗結晶を一部取り出
し乾燥して1H−NMRを測定した結果、4−(ピリジ
ン−2−イル)ベンズアルデヒドヒドラゾンであること
を確認した。残渣にTHF(60ml)を加え、生成物
を抽出し実施例4に用いた。 粗結晶融点:65.7〜67.8℃ IR(KBr)cm-1:3700〜3000,163
6,1590,1468,1432,1394,115
0,1114,924,840,778,742,72
1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ:5.60(s,
2H),7.22(m,1H),7.65(d,2
H),7.74(m,2H),7.78(s,1H),
8.00(d,2H),8.69(d,1H)
【0082】実施例4 N−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−[4−
(ピリジン−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジ
ンの製造 100ml容の4つ口フラスコ内に実施例3で得られた
4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドヒドラゾ
ン2.2g(12.0mmol)、THF(50m
l)、および0.5M水酸化ナトリウム水溶液(10m
l)を入れ、攪拌しながらジ−tert−ブチルジカー
ボネート5.2g(23.8mmol)のTHF(5m
l)溶液を、30℃で20分間で滴下した。その後、反
応液を55〜60℃に加熱し、3時間激しく攪拌した。
この後、反応液をHPLCで分析した結果、N−(te
rt−ブトキシカルボニル)−N’−[4−(ピリジン
−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジンが収率9
3.2%で生成していることが確認できた。減圧濃縮後
の結晶残留物を少量の冷メタノールにより洗浄し、トル
エンを用いて再結晶させ、N−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェ
ニルメチリデン]ヒドラジンを収量2.1gで得た。得
られたN−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−
[4−(ピリジン−2−イル)フェニルメチリデン]ヒ
ドラジンの各種スペクトルデータを以下に示す。 融点:169.2〜171.5℃ IR(KBr)cm-1:3308,1712,161
2,1586,1528,1510,1468,143
4,1394,1360,1310,1246,115
8,7801 H−NMR(CDCl3,ppm)δ:1.55(s,
9H),7.24(m,1H),7.75(m,2
H),7.78(d,2H),7.87(s,1H),
8.00(d,2H),8.16(s,1H),8.7
0(m,1H)
【0083】実施例5 N−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−[4−
(ピリジン−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジ
ンの製造 100ml容の4つ口フラスコ内にtert−ブチルカ
ルバゼート1.87g(14.1mmol)とメタノー
ル(5ml)を入れ、攪拌しながら実施例2で得られた
4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒド2.16
g(11.8mmol)のメタノール溶液(5ml)を
25℃、20分間で滴下した。さらに、50℃で2時間
攪拌後、反応液をHPLCで分析した結果、N−(te
rt−ブトキシカルボニル)−N’−[4−(ピリジン
−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジンが定量的
に生成していることが確認できた。減圧濃縮後の結晶残
留物を少量の冷メタノールにより洗浄し、N−(ter
t−ブトキシカルボニル)−N’−[4−(ピリジン−
2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジンを収量2.
3gで得た。得られたN−(tert−ブトキシカルボ
ニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニル
メチリデン]ヒドラジンの各種スペクトルデータは、実
施例4と同様であった。
【0084】実施例6 2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジンの製造 100ml容の4つ口フラスコ内に2−(4−トリル)
ピリジン5.0g(29.6mmol)、クロロベンゼ
ン(18ml)を加え、110〜120℃に加熱しなが
ら臭素9.4g(59.1mmol)を12時間で滴下
した。前記の温度範囲で、1時間加熱攪拌後、反応液を
HPLCで分析した結果、2−(4−ブロモメチルフェ
ニル)ピリジンが収率60.7%で生成していることが
確認できた。得られた反応液を冷却し、析出した2−
(4−ブロモメチルフェニル)ピリジンの塩を濾別し
た。濾液に5%水酸化ナトリウム水溶液を加え中和し、
水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。クロロベ
ンゼンを減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィ(溶離液:酢酸エチル−ヘキサン)に付すこ
とにより2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジン
を収量1.2gで得た。 1H−NMR分析から、2−
(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジンであることを
確認した。 2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジン1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ:6.70(s,
1H),7.23−7.29(m,1H),7.66−
7.68(d,2H),7.68−7.78(m,2
H),7.98−8.01(d,2H),8.69−
8.71(m,1H)
【0085】実施例7 4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドの製造 実施例6で得られた2−(4−ジブロモメチルフェニ
ル)ピリジン100mg(0.306mmol)を30
mlの4つ口フラスコに入れ、クロロベンゼン(0.1
ml)に溶解した。室温で、ヘキサメチレンテトラミン
192mg(1.37mmol)を酢酸(0.2ml)
と脱イオン水(0.2ml)との混合溶媒に溶解させ加
えた。その後、80℃で1時間加熱攪拌した。この後、
反応液をHPLCで分析した結果、4−(ピリジン−2
−イル)ベンズアルデヒドが生成していることを確認し
た。溶媒を除いた液体クロマトグラフィの面積百分率は
60.0%であった。
【0086】実施例8 4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドの製造 50mlのフラスコ中に、実施例6の方法により得られ
た、2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジンの塩と
2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジンの塩とを
含む反応液(8.9mmol分)を入れ、これをクロロ
ベンゼン(5ml)で懸濁させた。室温で、ヘキサメチ
レンテトラミン6.4g(45.8mmol)を酢酸
(6ml)と脱イオン水(6ml)との混合溶媒に溶解
させ加えた。その後、80℃で1時間加熱攪拌した。こ
の後、反応液をHPLCで分析した結果、4−(ピリジ
ン−2−イル)ベンズアルデヒドが生成していることを
確認した。溶媒を除いた液体クロマトグラフィの面積百
分率は70.0%であった。
【0087】実施例9 2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジンベンゼンス
ルホン酸塩、および2−(4−ジブロモメチルフェニ
ル)ピリジンベンゼンスルホン酸塩の製造 水分離器を取りつけた300ml容の4つ口フラスコ内
に2−(4−トリル)ピリジン20.0g(0.118
mol)、クロロベンゼン(100ml)、およびベン
ゼンスルホン酸1水和物20.82g(0.118mo
l)を仕込み、加熱した。90℃付近から水が水分離器
に留出してきた。このまま水を留出しながら、塔頂の温
度が131℃に達するまで加熱を続けた。次に、この反
応マスに、臭素26.4g(0.165mol)を12
0〜130℃で8時間かけて滴下した。その後、前記の
温度範囲で4時間加熱攪拌後、反応液をHPLCで分析
した結果、2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジン
が収率68.89%、2−(4−ジブロモメチルフェニ
ル)ピリジンが収率19.49%で生成していることが
確認できた。この反応マスはこのまま次の反応に用い
た。また、1H−NMR分析から、2−(4−ブロモメ
チルフェニル)ピリジンベンゼンスルホン酸塩、および
2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジンベンゼン
スルホン酸塩の生成を確認した。 2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジンベンゼンス
ルホン酸塩1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ:4.575
(s,2H),7.03−7.05(m,1H),7.
35−7.42(m,3H),7.63(d,J=8H
z,2H),7.80−7.87(m,2H),7.8
8−8.05(m,1H),7.99(d,J=8H
z,2H),8.21−8.24(m,1H),8.5
0−8.56(m,1H) 2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジンベンゼン
スルホン酸塩1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ:6.886
(s,1H),7.03−7.05(m,1H),7.
35−7.42(m,3H),7.63(d,J=8H
z,2H),7.8−8.07(m,1H),7.88
−8.07(m,1H),7.99(d,J=8Hz,
2H),8.21−8.24(m,1H),8.49−
8.6(m,1H)
【0088】実施例10 4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドの製造 実施例9で得られた2−(4−ブロモメチルフェニル)
ピリジンベンゼンスルホン酸塩および2−(4−ジブロ
モメチルフェニル)ピリジンベンゼンスルホン酸塩を含
有する反応容器に、室温で、ヘキサメチレンテトラミン
33.08g(0.236mol)、酢酸ナトリウム1
9.36g(0.236mol)と脱イオン水80ml
との混合溶液を加えた。その後、90〜95℃で3時間
加熱攪拌した。反応終了後、反応液に20%水酸化ナト
リウム水溶液50gを添加して中和し、クロロベンゼン
層をHPLCで分析した結果、4−(ピリジン−2−イ
ル)ベンズアルデヒドが収率81.8%で生成している
ことが確認できた。
【0089】
【発明の効果】本発明により、N−(tert−ブトキ
シカルボニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)
フェニルメチリデン]ヒドラジンの合成中間体である4
−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドを、新規な
化合物である、2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリ
ジンの塩、2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジ
ン、またはその塩を経由して安価に製造することができ
る。これにより、N−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニルメ
チリデン]ヒドラジンから、例えばWO97/4002
9号記載の方法により、化合物(A)に誘導でき、結果
として安価に、且つ容易に抗HIV薬を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新宅 哲也 大阪市西淀川区歌島3丁目1番21号 住化 ファインケム株式会社総合研究所内 (72)発明者 梅本 欣秀 大阪市西淀川区歌島3丁目1番21号 住化 ファインケム株式会社総合研究所内 (72)発明者 板谷 信重 大阪市西淀川区歌島3丁目1番21号 住化 ファインケム株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4C055 AA01 BA02 BA08 BA13 BA18 BA29 BB17 CA01 DA01 FA07 FA11 FA15 FA32 FA37

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表される2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジン
    の塩、式(II) 【化2】 で表される2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジ
    ン、およびその塩からなる群より選ばれる少なくとも1
    つを、ヘキサメチレンテトラミンおよび水と反応させる
    ことを特徴とする、式(III) 【化3】 で表される4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒ
    ドの製造方法。
  2. 【請求項2】 式(I) 【化4】 で表される2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリジン
    の塩および/または式(II) 【化5】 で表される2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピリジ
    ンの塩を、ヘキサメチレンテトラミンおよび水と反応さ
    せることを特徴とする、式(III) 【化6】 で表される4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒ
    ドの製造方法。
  3. 【請求項3】 2−(4−ブロモメチルフェニル)ピリ
    ジンの塩。
  4. 【請求項4】 2−(4−ジブロモメチルフェニル)ピ
    リジン、またはその塩。
  5. 【請求項5】 式(IV) 【化7】 (式中、Xはハロゲン原子またはスルホン酸残基を表
    す)で表される2−(4−トリル)ピリジンの塩を臭素
    化剤と反応させることを特徴とする、2−(4−ブロモ
    メチルフェニル)ピリジンの塩、2−(4−ジブロモメ
    チルフェニル)ピリジン、またはその塩の製造方法。
  6. 【請求項6】 Xがハロゲン原子である、請求項5記載
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 臭素化剤が臭素であることを特徴とす
    る、請求項5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の方法により製造
    した4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドをヒ
    ドラジンと反応させ、式(V) 【化8】 で表される4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒ
    ドヒドラゾンとし、さらにこれを式[〔tBuOC(=
    O)〕2O](式中、tBuはtert−ブチルを示
    す)で表されるジ−tert−ブチルジカーボネートと
    反応させることを特徴とする、式(VI) 【化9】 (式中、tBuはtert−ブチルを示す)で表される
    N−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−[4−
    (ピリジン−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジ
    ンの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載の方法により製造
    した4−(ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒドを式
    [tBuOC(=O)NHNH2](式中、tBuはt
    ert−ブチルを示す)で表されるtert−ブチルカ
    ルバゼートと反応させることを特徴とする、式(VI) 【化10】 (式中、tBuはtert−ブチルを示す)で表される
    N−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−[4−
    (ピリジン−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジ
    ンの製造方法。
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