JP2001151794A - 9−(2,3−アンハイドロ−β−D−リクソフラノシル)−プリン誘導体の製造法 - Google Patents

9−(2,3−アンハイドロ−β−D−リクソフラノシル)−プリン誘導体の製造法

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JP2001151794A
JP2001151794A JP33524899A JP33524899A JP2001151794A JP 2001151794 A JP2001151794 A JP 2001151794A JP 33524899 A JP33524899 A JP 33524899A JP 33524899 A JP33524899 A JP 33524899A JP 2001151794 A JP2001151794 A JP 2001151794A
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carbon atoms
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alkyl group
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Masaki Takai
正樹 高井
Shuji Ichikawa
修治 市川
Yasuhiro Wada
康裕 和田
Takeshi Nakato
毅 中藤
Machiko Narita
真知子 成田
Yuji Okago
祐二 大篭
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 医薬、農薬等の中間合成原料として有用な9
−(2,3−アンハイドロ−β−D−リクソフラノシ
ル)−プリン誘導体の、効率よい製造法の提供。 【解決手段】 一般式(1)で表わされる9−(2,3
−アンハイドロ−β−D−リクソフラノシル)−プリン
誘導体を、対応する3−ヒドロキシ−2−硫酸塩に強塩
基を反応させて製造する方法。 〔式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7
〜40のアラルキル基など、Baseは基(3)又は基
(4)を、表わす。〕 〔式中、R2は−NR1112(R11及びR12は水素、炭
素数1〜20のアルキル基などを示す)、ハロゲンな
ど、R3は水素、−NR1112、又はハロゲン、R4はO
又はS、R5は−NR1112又はハロゲンを表わす。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、9−(2,3−ア
ンハイドロ−β−D−リクソフラノシル)−プリン誘導
体の製造法に関するものである。本発明によれば、医
薬、農薬等の中間体として有用な9−(2,3−アンハ
イドロ−β−D−リクソフラノシル)−プリン誘導体
が、効率よく製造できる。
【0002】
【従来の技術】最近、エイズや日和見感染症を含めた多
くのウイルス性疾患の治療に、核酸系抗ウイルス薬が多
く使用されている。しかし、その薬物としての性能は、
抗ウイルススペクトルおよび副作用を勘案すると、必ず
しも満足すべきものではないため、多くの新規な核酸系
抗ウイルス薬が現在治療薬として開発中である。これら
の製造に際しては、天然型の核酸あるいは天然型の糖質
を原料として合成する方法が一般的である。しかしなが
ら現状、多工程、低収率であるため工業的な製造方法と
しては満足いくものではない。かかる核酸系抗ウイルス
薬の効率的な製造の為には、合成中間体として特定の部
位に保護基又は官能基が導入された、ヌクレオシド誘導
体の効率的合成法の開発が望まれている。
【0003】本発明の方法で製造される9−(2,3−
アンハイドロ−β−D−リクソフラノシル)−プリン誘
導体は、上記のようなヌクレオシド誘導体の合成中間体
として有用な化合物である。その合成に関しては、たと
えば、Robins M.J.らによりアラビノーズ誘
導体から合成できることが知られている(J.Org.
Chem.、56巻、3410〜3413頁、(199
1))。しかし、アラビノーズ誘導体は高価であるこ
と、および、この方法は、トリフェニルホスフィン、D
EAD(ジエチルアゾジカルボキシレート)というよう
な高価な試薬を必要とすることから、工業的に満足でき
る方法では無かった。また、同じくRobins M.
J.らにより、アデノシンより誘導される9−(2,3
−アンハイドロ−β−D−リボフラノシル)−プリン誘
導体を原料として用いる方法が示されている(J.Or
g.Chem.、39巻、1564〜1570頁、(1
974))。しかし、この方法も多工程を必要とする上
に、収率も満足できるものでは無かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】医薬、農薬等の中間体
として有用な、9−(2,3−アンハイドロ−β−D−
リクソフラノシル)−プリン誘導体の効率的な製造法を
提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(2)
で表わされる化合物を強塩基の存在下反応させることを
特徴とする一般式(1)で表わされる9−(2,3−ア
ンハイドロ−β−D−リクソフラノシル)−プリン誘導
体の製造法、にある。
【0006】
【化3】
【0007】〔一般式(2)及び(1)において、R1
及びBaseはそれぞれに共通であって、R1は炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数7〜40のアラルキル
基、炭素数6〜30のアリール基、−SiR789
(ここでR7、R8、R9はそれぞれ独立して炭素数1〜
20のアルキル基及び炭素数6〜40のアリール基から
選ばれる基を表わす)、またはR10CO基(ここでR10
は、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数6〜40の
アリール基から選ばれる基を表わす)を表わし、Bas
eは基(3)または基(4)を表わし、Mは水素、アル
カリ金属、4級アンモニウム塩、または4級ホスホニウ
ム塩を表わす。
【0008】
【化4】
【0009】基(3)及び基(4)において、R2は−
NR1112(R11及びR12はそれぞれ独立に水素、炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40のアラルキル
基、または炭素数2〜40のアシル基を表わす)、ハロ
ゲン、アルコキシ基、または−SR13(R13は炭素数1
〜20のアルキル基または炭素数6〜40のアリール基
を表わす)を表わし、R3は水素、−NR1112(R11
及びR12はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数7〜40のアラルキル基、または炭素数
2〜40のアシル基を表わす)、またはハロゲンを表わ
し、R4は酸素原子または硫黄原子を表わし、R5は−N
1112(R11及びR12はそれぞれ独立に水素、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数7〜40のアラルキル
基、または炭素数2〜40のアシル基を表わす)、また
はハロゲンを表わす。〕
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、上記一般式(2)で表
わされる化合物を、強塩基の存在下反応させて上記一般
式(1)で表わされる9−(2,3−アンハイドロ−β
−D−リクソフラノシル)−プリン誘導体を製造する方
法である。上記一般式(2)及び(1)で表わされる化
合物において、R1はそれぞれに共通の置換基であっ
て、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40のア
ラルキル基、炭素数6〜30のアリール基、−SiR7
89基(ここでR7、R8、R9はそれぞれ独立して炭
素数1〜20のアルキル基及び炭素数6〜40のアリー
ル基から選ばれる基を表わす)、またはR10CO基(こ
こでR10は、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数6
〜40のアリール基から選ばれる基を表わす)を表わ
す。
【0011】上記炭素数1〜20のアルキル基として
は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、
n−ドデシル等があげられる。炭素数7〜40のアラル
キル基としては、ベンジル、p−メチルベンジル、トリ
フェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチ
ル、ビス(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、ト
リス(p−メトキシフェニル)メチル等があげられる。
炭素数6〜30のアリール基としてはフェニル、トリ
ル、ナフチル等が挙げられる。−SiR789基とし
ては、トリメチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチ
ルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル等が挙
げられる。R10CO基としてはアセチル、ベンゾイル、
ピバロイル等が挙げられる。これらの中でもR1は好ま
しくは、上記炭素数7〜40のアラルキル基、およびR
10CO基である。より好ましくは、ベンジル、トリフェ
ニルメチル、アセチル、ベンゾイルである。
【0012】Mは水素、アルカリ金属、4級アンモニウ
ム塩、または4級ホスホニウム塩を表わす。アルカリ金
属としては、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、セシウムが挙げられる。4級アンモニウム塩として
は、R14151617Nで表わされ、R14、R15、R16
およびR17はそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基、ま
たは炭素数6〜40のアリール基を表わし、それぞれ互
いに異なっていても良い。具体的にはテトラメチルアン
モニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラフェニル
アンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム等が挙げ
られる。4級ホスホニウム塩としてはR14151617
Pで表わされ、R14、R15,R16およびR17はそれぞれ
上記したものと同義である。具体的にはテトラメチルホ
スホニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラフェニ
ルホスホニウム、デシルトリメチルホスホニウム等が挙
げられる。上記一般式(2)及び(1)で表わされる化
合物において、Baseはそれぞれに共通の置換基であ
って、下記一般式でそれぞれ表わされる基(3)または
基(4)を表わす。
【0013】
【化5】
【0014】上記基(3)および基(4)においてR2
は−NR1112(R11、R12はそれぞれ独立に水素、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40のアラルキ
ル基、または炭素数2〜40のアシル基を表わす)、ハ
ロゲン、アルコキシ基、−SR13(R13は炭素数1〜2
0のアルキル基、または炭素数6〜40のアリール基を
表わす。)を表わす。
【0015】炭素数1〜20のアルキル基としては、具
体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オク
チル、n−ドデシル等が挙げられる。炭素数7〜40の
アラルキル基としては、ベンジル、p−メチルベンジ
ル、トリフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェ
ニルメチル、ビス(p−メトキシフェニル)フェニルメ
チル、トリス(p−メトキシフェニル)メチル等が挙げ
られる。炭素数2〜40のアシル基としてはアセチル、
ベンゾイル、ピバロイル等が挙げられる。ハロゲンとし
てはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。アルコ
キシ基としては、−ORで表わされ、Rは炭素数1〜1
0の炭化水素基が好ましく、具体的には、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、オクチル、シクロヘキシル、フ
ェニル等が挙げられる。R13の炭素数1〜20のアルキ
ル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシ
ル、n−オクチル、n−ドデシル等が挙げられる。炭素
数6〜40のアリール基としてはフェニル、トリル、ナ
フチル等が挙げられる。好ましいR2は−NR1112
およびハロゲンである。より好ましくは、アミノ基、ジ
メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリフェニルメチ
ルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ
基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ジベンゾ
イルアミノ基、塩素、臭素である。
【0016】R3は水素、−NR1112(R11、R12
2で規定したものと同義の基がそれぞれ独立して用い
られる)またはハロゲンを表わす。好ましくは、アミノ
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリフェニ
ルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルア
ミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ジベ
ンゾイルアミノ基、塩素、臭素である。R4は酸素、ま
たは硫黄を表わす。
【0017】R5は−NR1112(R11、R12はR2で規
定したものと同義の基がそれぞれ独立して用いられ
る)、またはハロゲンを表わす。好ましくは、アミノ
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリフェニ
ルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルア
ミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ジベ
ンゾイルアミノ基、塩素、臭素である。
【0018】本発明の方法の原料化合物である上記一般
式(2)で表わされる化合物は、アデノシンから公知の
方法で一般式(5)で表わされる環状硫酸エステル化合
物を合成し、これに一般式RMで表わされるアシルオキ
シ化剤を反応させて、一般式(6)で表わされる化合物
を製造し、次いでこの化合物をアルカリで加水分解する
ことにより製造することができる。
【0019】
【化6】
【0020】上記一般式RMのRは、炭素数2〜20の
アシルオキシ基を表わし、これらはアルカンカルボン
酸、シクロアルカンカルボン酸、アリール置換アルカン
カルボン酸、芳香族カルボン酸の陰原子団が使用され
る。これらを例示すると、アルカンカルボン酸由来のア
シロキシ基としては、ホルミルオキシ、アセチルオキ
シ、プロピオイルオキシ、ブチリルオキシ、バレリルオ
キシ、4−メチルバレリルオキシ基等が挙げられる。
【0021】シクロアルカンカルボン酸由来のアシルオ
キシ基としては、例えばベンズ融合モノシクロアルカン
カルボン酸から誘導された、1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−ナフトイルオキシ、2−アセトアミド−1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフトイルオキシ基等
を意味する。アリール置換アルカンカルボン酸から誘導
されたものとしては、例えば、フェニルアセチルオキ
シ、3−フェニルプロピオニル(ヒドロシンナモイルオ
キシ)、4−フェニルブチリルオキシ、(2−ナフチ
ル)アセチルオキシ、4−クロロヒドロシンナモイルオ
キシ、4−アミノヒドロシンナモイルオキシ、4−メト
キシヒドロシンナモイルオキシ基などが挙げられる。
【0022】芳香族カルボン酸、例えば置換されていて
もよい安息香酸またはナフタレンカルボン酸から誘導さ
れたアシルオキシ基であるベンゾイルオキシ、4−クロ
ロベンゾイルオキシ、4−カルボキシベンゾイルオキ
シ、4−(ベンジルカルボニル)ベンゾイルオキシ、1
−ナフトイルオキシ、2−ナフトイルオキシ、6−カル
ボキシ−2−ナフトイルオキシ、6−(ベンジルオキシ
カルボニル)−2−ナフトイルオキシ、3−ベンジルオ
キシ−2−ナフトイルオキシ、3−ヒドロキシ−2−ナ
フトイルオキシ、3−(ベンジルオキシホルムアミド)
−2−ナフトイルオキシ基などが挙げられる。
【0023】Mは前記した一般式(2)で表わされる化
合物と同義であり、水素、アルカリ金属、4級アンモニ
ウム塩、または4級ホスホニウム塩を表わす。アルカリ
金属としては、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリ
ウム、セシウムが挙げられる。4級アンモニウム塩とし
ては、(R144Nを表わし、R14は炭素数1〜20の
アルキル基、または炭素数6〜40のアリール基を表わ
し、4個あるそれぞれのR14は互いに同一でも異なって
いても良い。具体的にはテトラメチルアンモニウム、テ
トラブチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウ
ム、デシルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。4
級ホスホニウム塩としては(R144Pを表わし、R14
は上記したものと同義である。具体的にはテトラメチル
ホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラフェ
ニルホスホニウム、デシルトリメチルホスホニウム等が
挙げられる。
【0024】上記一般式(5)で表わされる化合物に上
記一般式RMで表わされるアシルオキシ化剤を反応させ
て、一般式(6)で表わされる化合物を製造する反応
は、以下の条件下に行うことができる。反応に用いるア
シルオキシ化剤の使用量は、化合物(5)に対してモル
比で1〜10の範囲であることが好ましく、特に1〜3
の範囲であることが好ましい。
【0025】本発明においては、反応系を均一にし反応
速度の向上あるいは反応操作を容易ならしめる等の目的
で、原料の一般式(5)で表わされる化合物は通常溶液
として用いる。用いられる溶媒は、反応に不活性な極性
溶媒であり、例えば、水、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル等の
エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、N−メチルピロリドンもしくは、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブ
タノール、sec−ブタノール、i−ブタノール、te
rt−ブタノール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、トリプロピレングリコール等のアルコール類が例示
できる。好ましい溶媒は、エーテル類、アミド類、アル
コール類であり特に制限はなく経済的に有利なものであ
ればよい。
【0026】反応は、0℃以下でも十分に反応するが、
より反応速度を向上させるために、通常0℃以上で実施
する。反応温度は0〜200℃、好ましくは20〜15
0℃の範囲である。また、反応時間は反応温度にもよる
が、通常0.1〜200時間、好ましくは0.5〜50
時間の範囲である。また、本反応はクラウン化合物等の
包接化合物の共存下で反応を行なうことも可能である。
反応時間を短縮し、反応収率を向上させる場合があるか
らである。これら包接化合物としては、15−クラウン
−5、18−クラウン−6等のクラウンエーテル類、ク
リプタンド類、スフェランド類、さらに類似の作用を示
すポリエチレングリコール等が挙げられる。包接化合物
の使用量は、特に制限されないが、上記化合物(5)に
対して0.001〜1当量、好ましくは0.005〜
0.5当量用いる。
【0027】反応液からの化合物(6)の分離は、晶
析、抽出、吸着、カラム分離等の公知の方法で行うこと
ができる。上記一般式(6)で表わされる化合物をアル
カリで加水分解して、本発明の方法に使用する一般式
(2)で表わされる化合物を製造する際に用いられるア
ルカリとしては、特に制限されるものではなく、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、4級アンモ
ニウム塩、またはホスホニウム塩の水酸化物、アンモニ
ア、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシ
ド等が一般に用いられる。具体的には、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニア、ナトリウムエトキシ
ドやナトリウムメトキシド、カリウムエトキシドやカリ
ウムt−ブトキシド、テトラブチルアンモニウムハイド
ロキサイド等が用いられる。
【0028】加水分解に用いられるアルカリの量は、対
応する原料であるアシルオキシ硫酸化ヌクレオシド誘導
体に対して、モル比で1〜100の範囲であることが好
ましく、特に1〜10の範囲であることが好ましい。本
発明においては、反応系を均一にし反応速度の向上ある
いは反応操作を容易ならしめる等の目的で、原料である
アシルオキシ硫酸化ヌクレオシド誘導体は通常溶液とし
て用いる。用いられる溶媒は、適当な極性溶媒であり、
例えば、水、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
ジオキサン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチル
ピロリドンもしくは、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、se
c−ブタノール、i−ブタノール、tert−ブタノー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピ
レングリコール等のアルコール類が例示できる。好まし
い溶媒は、エーテル類、アミド類、アルコール類であり
特に制限はなく経済的に有利なものであればよい。
【0029】反応は、0℃以下でも十分に反応するが、
より反応速度を向上させるために、通常0℃以上で実施
する。反応温度は0〜200℃、好ましくは20〜15
0℃の範囲である。また、反応時間は反応温度にもよる
が、通常0.1〜200時間、好ましくは0.5〜50
時間の範囲である。反応液からの化合物(2)の分離
は、晶析、抽出、吸着、カラム分離等の公知の方法で行
うことができる。
【0030】上述の様にして得られる一般式(2)で表
わされる化合物から一般式(1)で表わされる9−
(2,3−アンハイドロ−β−D−リクソフラノシル)
−プリン誘導体の製造は、一般式(2)で表わされる化
合物を強塩基の存在下に反応させることにより行うこと
ができる。本発明の方法に用いられる強塩基としては、
水酸基をアニオンに形成できうる塩基であれば特に限定
されないが、アルカリ金属、アルカリ金属水素化物、ア
ルキルアルカリ金属、アルカリ金属アミド、または、グ
リニヤール試薬等が好ましく用いられる。アルカリ金属
としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ
る。アルカリ金属水素化物としては水素化ナトリウム、
水素化リチウム、水素化カリウム等が挙げられる。アル
キルアルカリ金属としては、メチルリチウム、エチルリ
チウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t
−ブチルリチウム、フェニルリチウム等が挙げられる。
アルカリ金属アミドとしては、ナトリウムアミド、カリ
ウムアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソ
プロピルアミド等が挙げられる。グリニヤール試薬とし
ては、メチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウ
ムブロミド、フェニルマグネシウムアイオダイド等が挙
げられる。好ましくはナトリウム、ナトリウムアミド、
水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミドであ
る。
【0031】反応に用いられる強塩基の量は、化合物
(2)に対してモル比で1〜20の範囲であることが望
ましく、特に1〜5の範囲であることが好ましい。本発
明においては、反応系を均一にし反応速度の向上あるい
は反応操作を容易ならしめる等の目的で、原料化合物
(2)は通常溶液として用いる。用いられる溶媒は、反
応に不活性な極性溶媒であれば特に限定されず、例え
ば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリド
ンが例示できる。場合によっては、これらの溶媒を組み
合わせ用いることもできる。好ましい溶媒は、エーテル
類、アミド類である。
【0032】反応は、0℃以下でも十分に反応するが、
より反応速度を向上させるために、好ましくは0℃以
上、通常反応温度は0〜200℃、好ましくは20〜1
50℃の範囲である。また、反応時間は反応温度にもよ
るが、通常0.1〜200時間、好ましくは0.5〜5
0時間の範囲である。得られた一般式(1)で表わされ
る本発明の化合物は、トルエン、ジエチルエーテル、メ
タノール等の化合物(1)の貧溶媒を使用して、晶析に
より単離精製が可能である。また、抽出、吸着、カラム
分離等の方法を用いても良い。本発明の方法で製造され
る一般式(1)で表わされる9−(2,3−アンハイド
ロ−β−D−リクソフラノシル)−プリン誘導体は、優
れた抗エイズ活性を示すロデノシンの中間原料として使
用される。一般式(1)で表わされる化合物からロデノ
シンの合成は、以下の合成経路で製造することができ
る。
【0033】
【化7】
【0034】上記合成経路について説明する。一般式
(1)で表わされる化合物から一般式(7)で表わされ
る化合物へのフッ素化反応は、R.L.Tolman等
〔J.Med.Chem.、15巻、1092頁(19
72)〕およびA.M.Kawasaki等〔J.Me
d.Chem.、36巻、831頁(1993)〕の方
法に準じて製造できる。すなわち、まず3′位をフッ素
化しフルオロヒドリンとした後、生じた水酸基に脱離基
導入後フッ素化する方法である。
【0035】3′位のフッ素化反応は、カリウムフロリ
ド、ナトリウムフロリド、セシウムフロリド、テトラア
ルキルアンモニウムフロリド(この場合、アルキルとし
てはメチル、エチル、プロピルは適当であるが、ブチル
がより好ましい)、また、ピリジニウムポリヒドロジエ
ンフロリド、KHF2、テトラアルキルアンモニウムバ
イフロリド等のポリヒドロジエンフロリドの様なフッ素
供与剤を、少なくとも等モル量、反応条件下で不活性な
溶媒中で反応させることにより行うことができる。
【0036】反応条件は使用するフッ素供与剤により異
なるが、例えばKHF2を用いる場合は以下の条件が例
示される。反応に用いられるKHF2の使用量は特に制
限されないが、通常は原料であるβ−エポキシドに対
し、モル比で1〜30の範囲であることが好ましく、特
に1〜10の範囲であることが好ましい。
【0037】反応に用いる溶媒は反応に不活性な極性溶
媒であり、例えばエチレングリコール、ジエチレングリ
コール等のポリオール類、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、
2,2′−ジメトキシジエチルエーテル、ジメトキシエ
タン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン、N−メチルピロリドンもしくは、アセトニト
リル等のニトリル類が例示できる。好ましい溶媒は、ポ
リオール類、エーテル類であり、特に制限はなく経済的
に有利なものであればよい。
【0038】反応温度は室温〜250℃、好ましくは4
0〜200℃の範囲である。また、反応時間は反応温度
にもよるが、通常0.1〜50時間、好ましくは0.5
〜10時間の範囲である。反応液からのフルオロヒドリ
ンの分離は、晶析、抽出、吸着、カラム分離等の公知の
方法で行うことができる。
【0039】引き続き、得られたフルオロヒドリンの水
酸基にトリフルオロメタンスルホニル基、p−ブロモベ
ンゼンスルホニル基、イミダゾールスルホニル基、p−
トルエンスルホニル基等の脱離基を公知の方法で導入
し、次いでこれに上記のフッ素供与剤を作用させ一般式
(7)で表わされるジフルオリドを製造する。フッ素供
与剤としては、上記の中でもトリ−或いはテトラ−(C
1−C8)アルキルアンモニウムが好ましく、特にテト
ラブチルアンモニウム−フロリドが高い収率で目的物が
生成し好ましい。反応温度は好ましくは0℃から80
℃、反応時間は1〜8時間である。
【0040】反応に用いられるフッ素供与剤の使用量
は、特に制限されるものではなく、通常は対応する原料
であるフルオロヒドリン誘導体に対して、モル比で1〜
30の範囲であることが好ましく、特に1〜5の範囲で
あることが好ましい。反応に用いる溶媒は反応に不活性
な極性溶媒であり、例えば、ジクロロメタン、クロロホ
ルム等の塩素化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエ
チルエーテル、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル等
のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、N−メチルピロリドンもしくは、アセトニトリル等
のニトリル類が例示できる。好ましい溶媒は、塩素化炭
化水素類、エーテル類であり、特に制限はなく経済的に
有利なものであればよい。
【0041】反応温度は−50〜200℃、好ましくは
0〜80℃の範囲である。また、反応時間は反応温度に
もよるが、通常0.1〜100時間、好ましくは1〜8
時間の範囲である。反応液からの化合物(7)の分離
は、晶析、抽出、吸着、カラム分離等の公知の方法で行
うことができる。
【0042】次に得られた一般式(7)で表わされるジ
フルオリド(7)から一般式(8)で表わされるビニル
フロリドへの脱フッ化水素反応は、P.L.Coe等
〔J.Fluorine.Chem.、69巻、19頁
(1994)〕が報告した方法に準じて合成できる。脱
フッ化水素に用いる塩基としては水素化ナトリウム、ナ
トリウムアミド、金属アルコキシド等が挙げられるが、
求核性の少ない金属アルコキシドが好ましい。かかる金
属アルコキシドとしてカリウムt−ブトキシド、ナトリ
ウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド等が挙げ
られる。経済性の見地からカリウムt−ブトキシドが好
ましい。金属アルコキシドの使用量は、基質に対し1〜
5モルの範囲が好ましく、2〜3モルの範囲がより好ま
しい。溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等の脂肪族アルコール類、フェノー
ル、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の不飽和環状炭化水素類、
ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサン等の環状エーテル類、N,N′−ジメチルス
ルホキシド、N,N′−ジメチルホルムアミド等の含窒
素極性溶媒類等が挙げられる。反応温度は−20〜80
℃の範囲であるが、好ましくは20〜40℃の範囲であ
る。
【0043】反応液からの化合物(8)の分離は、晶
析、抽出、吸着、カラム分離等の公知の方法で行うこと
ができる。ビニルフロリド(8)からロデノシンへの水
素化反応および脱保護反応は、A.Maqbool等
〔Tetrahedron.Lett.、39巻、16
57頁(1998)〕によりR1がジメトキシトリチル
基およびR2が水素の例を報告しており既に公知であ
る。水素化触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、亜鉛、アルミニウム、イリジウム、クロム、ス
ズ、鉄、チタン、銅等の金属やその塩類、ロジウム錯
体、ルテニウム錯体、白金錯体等の均一系接触水素添加
用触媒、パラジウム系、白金系、ロジウム系、ルテニウ
ム系、ニッケル系、クロム系等を用いた不均一系接触水
素添加触媒が挙げられる。或いは金属水素化物で還元し
ても良い。
【0044】工業的な見地から、不均一系接触水素添加
用触媒を用いることが好ましい。高い選択性が得られ、
また多くの場合再生可能であるからである。かかる触媒
としては、好ましくはパラジウム系、白金系、ロジウム
系、ルテニウム系、ニッケル系、クロム系等の不均一系
接触水素添加触媒が例示できるが、パラジウム系触媒が
より好ましい。パラジウム系触媒としてはパラジウム−
炭素、パラジウム−硫酸バリウム、パラジウム−炭酸カ
ルシウム等が挙げられるが、パラジウム炭素が特に好ま
しい。
【0045】触媒の使用量は基質に対し、0.1〜10
0重量部の範囲であるが、反応性と経済的な見地より
0.1〜10重量部の範囲がより好ましい。溶媒として
はメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール
等の脂肪族アルコール類、酢酸等が挙げられるが、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の脂
肪族アルコール類が好ましい。
【0046】この反応に用いる圧力条件は常圧〜3kg
/cm2の範囲が挙げられるが、副反応の抑制のために
は常圧がより好ましい。反応温度としては常温〜50℃
の範囲が挙げられるが、やはり選択性の観点から好まし
くは常温である。脱保護反応は導入した保護基に応じ公
知の方法から適宜選択して用いることができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明につき実施例及び参考例を挙げ
て説明するが、その要旨を越えない限りこれらに限定さ
れるものではない。 参考例1 (5′−O−トリチルアデノシンの合成) 窒素置換した200ml容量の四つ口フラスコにアデノ
シン10.0g(37.4mmol)、脱水ピリジン4
0ml及び脱水N,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)40mlを加え撹拌した。トリチルクロライド1
2.52g(45.0mmol)を室温で6回に分けて
添加し、その後、室温で15時間撹拌を続けて反応を行
った。反応終了後、反応液を400mlのイオン交換水
に滴下して晶析した。固体を減圧濾過した後、さらに2
00mlのイオン交換水で2回洗浄し、固体を減圧下乾
燥した。得られた固体をピリジン150mlに80℃ま
で加熱しながら溶解させた後、エタノール300mlを
加え撹拌しながら再結晶を行った。析出した固体を減圧
濾過し、エタノール100mlで2回洗浄した後、50
℃で3時間減圧乾燥し、標題化合物7.90g(収率4
1%)を得た。液体クロマトグラフィーにより分析した
ところ純度は、99%であった。
【0048】参考例2 (2′,3′−O−スルフリル
−5′−O−トリチルアデノシンの合成) 窒素置換した100ml容量の四つ口フラスコに5′−
O−トリチルアデノシン4.00g(7.85mmo
l)、塩化メチレン30ml、トリエチルアミン2.3
8g(23.5mmol)の順に加えた。反応液を氷冷
し、撹拌しながら塩化チオニル1.40g(11.8m
mol)を10分かけて滴下した。滴下終了後1時間撹
拌を続けた後氷浴を外し、さらに室温で1時間撹拌を行
った。反応終了後、イオン交換水30ml及び塩化メチ
レン20mlを加え、分液ロートに移した。分液後、有
機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30ml及びイオ
ン交換水30mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水
の後、溶媒を留去し薄褐色の固体4.16gを得た。続
いて100ml容量のナス型フラスコに得られた固体、
アセトニトリル16ml、塩化メチレン16ml、イオ
ン交換水16ml、塩化ルテニウム0.016g(0.
077mmol)の順に加えた。反応混合物に室温で過
ヨウ素酸ナトリウム2.52g(11.8mmol)を
加え、2.5時間撹拌を行った。反応終了後、塩化メチ
レン20mlを加え、分液ロートに移した。分液後、有
機層を飽和炭酸水素ナトリウム10ml及びイオン交換
水10mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した
後、溶媒を留去し黒色の固体を得た。得られた固体を酢
酸エチルを溶媒としたショートシリカゲルカラムクロマ
トグラフ(直径3cm、高さ10cm)で処理し、溶媒
を留去して標題化合物を薄黒色結晶として4.03g
(収率90%)得た。液体クロマトグラフィーにより分
析したところ純度は、99%であった。
【0049】参考例3 (5′−O−トリチル−3′−
O−アセチル−1′−β−アデニンキシロシド−2′−
硫酸テトラブチルアンモニウム塩) 冷却管、窒素導入管および温度計を付した50mlの4
口フラスコに撹拌子、2′,3′−O−スルフリル−
5′−O−トリチルアデノシン1257mg(2.2m
mol)およびテトラヒドロフラン20mlを仕込み均
一にした。これに酢酸テトラブチルアンモニウム66
3.3mg(2.2mmol)のテトラヒドロフラン溶
液(10ml)を10分間かけて添加した後、内温を6
6℃に昇温した。還流開始後、1時間還流下反応を継続
した。反応器を冷却した後、溶媒を留去し、アルミナク
ロマトグラフィーにより分離精製することにより、5′
−O−トリチル−3′−O−アセチル−1′−β−アデ
ニンキシロシド−2′−硫酸テトラブチルアンモニウム
塩が1440mg(1.65mmol、収率75%)お
よび5′−O−トリチル−2′−O−アセチル−1′−
β−アデニンアラビノシド−3′−硫酸テトラブチルア
ンモニウム塩を298mg(0.34mmol、収率1
6%)得た。
【0050】参考例4 (5′−O−トリチル−1′−
β−アデニンキシロシド−2′−硫酸テトラブチルアン
モニウム塩の合成) 撹拌子をいれた50mlのフラスコに、5′−O−トリ
チル−3′−O−アセチル−1′−β−アデニンキシロ
シド−2′−硫酸テトラブチルアンモニウム塩274.
4mgをメタノール4mLに溶解し、濃アンモニア水2
mLを撹拌下室温で添加した。室温下8時間反応させた
後、クロロホルム10mL、水2mLを加えた。有機相
を分離した後、再度2mLの水で洗浄、引き続き飽和食
塩水3mLで洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、溶媒を留去することにより、5′−O−トリチル
−1′−β−アデニンキシロシド−2′−硫酸テトラブ
チルアンモニウム塩(化合物(2a))157.9mg
を得た。収率61%
【0051】実施例 撹拌子をいれた50mlのフラスコに、水素化ナトリウ
ム20.5mgをDMF 1mLに懸濁した溶液に、化
合物(2a)52.7mgをDMF4mLに溶解した溶
液を撹拌下室温で加えた。そのまま室温で19Hr撹拌
して反応させた。その後、反応液に酢酸エチル8mL、
水4mLを加え分液した。水相を酢酸エチル3mLで2
回抽出した。あわせた有機相を飽和食塩水5mLで洗浄
した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
する事により、9−(2,3−アンハイドロ−5−O−
トリフェニルメチル−β−D−リクソフラノシル)−ア
デニン(化合物(1a))15.5mgを得た。収率4
9.7%であった。
【0052】
【化8】
【0053】H−NMR(CDCl3) δ 3.45 2H m、4.02 2H s、4.2
5 1H t J=6.2Hz、6.18 2H br
s、6.34 1H s、7.2−7.5 15H、
8.11 1H s、8.33 1H s C−NMR(CDCl3) δ 56.55、57.25、62.22、80.9
2、87.11、118.92、127.91、12
8.60、139.51、143.53、149.6
4、153.18、155.55
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、医薬、農薬等の中間合
成原料として有用な9−(2,3−アンハイドロ−β−
D−リクソフラノシル)−プリン誘導体が、効率よく製
造する方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 康裕 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 中藤 毅 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 成田 真知子 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 大篭 祐二 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4C057 AA18 BB02 CC02 CC03 DD01 LL30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(2)で表わされる化合物を強塩
    基の存在下反応させることを特徴とする一般式(1)で
    表わされる9−(2,3−アンハイドロ−β−D−リク
    ソフラノシル)−プリン誘導体の製造法。 【化1】 〔一般式(2)及び(1)において、R1及びBase
    はそれぞれに共通であって、R1は炭素数1〜20のア
    ルキル基、炭素数7〜40のアラルキル基、炭素数6〜
    30のアリール基、−SiR789基(ここでR7、R
    8、R9はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基
    及び炭素数6〜40のアリール基から選ばれる基を表わ
    す)、またはR10CO基(ここでR10は、炭素数1〜2
    0のアルキル基及び炭素数6〜40のアリール基から選
    ばれる基を表わす)を表わし、Baseは基(3)また
    は基(4)を表わし、Mは水素、アルカリ金属、4級ア
    ンモニウム塩、または4級ホスホニウム塩を表わす。 【化2】 基(3)及び基(4)において、R2は−NR11
    12(R11及びR12はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜2
    0のアルキル基、炭素数7〜40のアラルキル基、また
    は炭素数2〜40のアシル基を表わす)、ハロゲン、ア
    ルコキシ基、または−SR13(R13は炭素数1〜20の
    アルキル基または炭素数6〜40のアリール基を表わ
    す)を表わし、R3は水素、−NR1112(R11及びR
    12はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル
    基、炭素数7〜40のアラルキル基、または炭素数2〜
    40のアシル基を表わす)、またはハロゲンを表わし、
    4は酸素原子または硫黄原子を表わし、R5は−NR11
    12(R11及びR12はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜
    20のアルキル基、炭素数7〜40のアラルキル基、ま
    たは炭素数2〜40のアシル基を表わす)、またはハロ
    ゲンを表わす。〕
  2. 【請求項2】 強塩基がアルカリ金属、アルカリ金属水
    素化物、アルカリ金属アミド、アルキルアルカリ金属及
    びグリニヤール試薬から選ばれる請求項1記載の製造
    法。
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