JP2001097900A - シクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の製造法 - Google Patents

シクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の製造法

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JP2001097900A
JP2001097900A JP27158399A JP27158399A JP2001097900A JP 2001097900 A JP2001097900 A JP 2001097900A JP 27158399 A JP27158399 A JP 27158399A JP 27158399 A JP27158399 A JP 27158399A JP 2001097900 A JP2001097900 A JP 2001097900A
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reaction
catalyst
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cycloalkanol
cyclododecanone
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Tokuo Matsuzaki
徳雄 松崎
Takumi Manabe
卓美 真鍋
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エポキシシクロアルカン及び/またはエポキシ
シクロアルケンと水素ガスより対応するシクロアルカノ
ンとシクロアルカノールを高収率で製造する方法を提供
することを課題とするものである。 【解決手段】白金族触媒の存在下、エポキシシクロアル
カン及び/またはエポキシシクロアルケンに水素ガスを
接触させてシクロアルカノンとシクロアルカノールの混
合物を製造する方法において、白金族触媒の担体として
α−アルミナを用いることを特徴とするシクロアルカノ
ンとシクロアルカノール混合物の製造法によって解決さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシクロアルカノンと
シクロアルカノール混合物の製造法に関するものであ
る。例えば、シクロヘキサノンとシクロヘキサノールの
混合物を、シクロドデカノンとシクロドデカノールの混
合物から効率的に製造することができる。シクロヘキサ
ノンとシクロヘキサノールの混合物はカプロラクタムを
製造するための原料として用いられ、シクロドデカノン
とシクロドデカノールの混合物はラウロラクタムを製造
するための原料として用いられる。すなわちシクロドデ
カノンとシクロドデカノールの混合物は脱水素すること
によりシクロドデカノンに変換され、さらにヒドロキシ
ルアミンとの反応によりシクロドデカノンオキシムが合
成される。シクロドデカノンオキシムはベックマン転位
によりラウロラクタムに変換される。ラウロラクタムは
12ナイロン原料として使用される。従って、ラウロラ
クタムの原料となるシクロドデカノン、シクロドデカノ
ールを効率的に製造する方法の提供は産業上有用であ
る。
【0002】
【従来技術】シクロアルカノンとシクロアルカノールの
混合物は、例えば、ホウ酸触媒存在下シクロアルカンの
空気酸化法により製造される。ところで、このような空
気酸化法は、逐次反応であり、反応の際に多くの副生成
物が生成するため、シクロアルカンの転化率は低く抑え
ざるを得なくなり、目的生成物であるシクロアルカノン
とシクロアルカノール混合物の収率は、概して低いとい
うのが現状である。例えば、ホウ酸触媒存在下、シクロ
ドデカンの空気酸化法では、シクロドデカノンとシクロ
ドデカノール混合物の収率は20〜25%と言われてい
る。また、シクロヘキサンの空気酸化法によるシクロヘ
キサノンとシクロヘキサノールの収率は数パーセントで
ある。
【0003】これに対して、エポキシシクロアルカン及
び/またはエポキシシクロアルケンは対応するシクロア
ルケンのエポキシ化反応により、高い収率で製造するこ
とが可能である。よって、このようなエポキシド化合物
をさらに効率的にシクロアルカノンとシクロアルカノー
ルの混合物に変換すれば高い収率で目的物が得られる。
【0004】しかしながら、このようなエポキシシクロ
アルカン及び/またはエポキシシクロアルケンをシクロ
アルカノンとシクロアルカノールの混合物に変換する報
告例はあまり多くない。例えば、J.Mol.Catal.,vol.69,
p.95〜103(1991) には、エポキシシクロドデカジエンの
水添に関する反応が報告されている。その反応事例で
は、エポキシシクロドデカジエンをγ−アルミナ担持パ
ラジウム触媒の存在下、水素ガス1.3MPa、反応温度90℃
で反応させ、シクロドデカノールの収率は20%以下、
シクロドデカノン収率は0%であれる。チタニア担持パ
ラジウム触媒やシリカ担持パラジウム触媒についても報
告されているが、いずれもさらに低いシクロドデカノー
ル収率となっている。第24回“反応と合成の進歩シンポ
ジウム”(1998年、11月5,6日、講演予稿集p.68)には、
C(炭素質)担持パラジウム触媒の存在下でのエポキシシ
クロドデカジエンの水添反応例が報告されているが、シ
クロドデカノールの収率は5%、シクロドデカノンの収
率は0%となっている。このように従来報告例では、エ
ポキシシクロドデカジエンを水素ガスで水添する方法で
のシクロドデカノールとシクロドデカノンの収率は極め
て低い。
【0005】なお類似反応として、エポキシシクロヘキ
サンを水添し、シクロヘキサノールを合成する方法が、
Synthetic Communications,25(15),p.2267-2273(1995)
に報告されている。この文献では、活性炭担持パラジウ
ム触媒の存在下、ギ酸アンモニウム(HCOONH4
でエポキシシクロヘキサンを還元し、シクロヘキサノー
ルが50%、シクロヘキサノンの収率が0%であったと
報告している。しかしながら、この方法では水素源のギ
酸アンモニウム(HCOONH4)が高価であること、
さらにこのような高価な水素源を使用するにも拘わらず
シクロヘキサノールとシクロヘキサノンの混合物の収率
が低いこと等より、ラクタム原料の製造に供するシクロ
アルカノン、シクロアルカノール類の製法としては実用
的な反応技術ではなかった。
【0006】このように、水素源として安価な水素ガス
を用い、エポキシシクロドデカン、エポキシシクロドデ
カジエン及び/またはエポキシシクロドデセンを水添し
高収率でシクロドデカノンとシクロドデカノールの混合
物を合成する技術はいまだに開発されていないのが現状
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、白金族触媒
の存在下、エポキシシクロアルカン及び/またはエポキ
シアルケンと水素ガスより対応するシクロアルカノンと
シクロアルカノールの混合物を高収率で製造する技術を
確立することにある。例えば、エポキシシクロドデカジ
エンと水素ガスよりシクロドデカノンとシクロドデカノ
ールの混合物を高収率で製造する方法を確立することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意研究した結果、白金族触媒の存在下、エポ
キシシクロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケ
ンに水素ガスを接触させてシクロアルカノンとシクロア
ルカノールの混合物を製造する方法において、白金族触
媒の担体としてα−アルミナを用いることにより高収率
でシクロアルカノンとシクロアルカノールの混合物を製
造する方法を見出し、本発明を完成させた。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるエポキシシクロアルカンは、炭素数5〜
20の脂環式飽和炭化水素のエポキシドであり、一部メ
チル基あるいはエチル基で置換されていてもよい。好ま
しくは炭素数6〜12の脂環式炭化水素のエポキシド、
より好ましくは炭素数12の脂環式炭化水素のエポキシ
ドである。また、エポキシシクロアルケンは、炭素数5
〜20の脂環式不飽和炭化水素のエポキシドで、少なく
とも分子内に二重結合を1個以上を有する化合物であ
り、一部メチル基あるいはエチル基で置換されていても
よい。好ましくは炭素数6〜12の脂環式炭化水素のエ
ポキシド、より好ましくは炭素数12の脂環式炭化水素
のエポキシドである。エポキシシクロアルカンとエポキ
シシクロアルケンの具体例としては、エポキシシクロヘ
キサン、エポキシシクロヘキセン、エポキシシクロオク
タン、エポキシシクロオクテン、エポキシシクロドデカ
ン、エポキシシクロドデセン、エポキシシクロドデカジ
エン等のエポキシ化合物を挙げることができる。これら
エポキシ化合物は単独で用いても混合物で用いてもよ
い。また、これらのエポキシ化合物に種々の異性体が存
在する場合、異性体の構造には特に制約されるものでは
ない。
【0010】本発明において使用する白金族触媒とは、
白金族元素であるルテニウム、ロジウム、パラジウム、
オスミニウム、イリジウム、白金から選ばれた少なくと
も1つの元素を不活性支持体に担持した固体触媒、好ま
しくは、パラジウム又はロジウム触媒であり、より好ま
しくはパラジウム触媒である。
【0011】前記不活性支持体としては、α−アルミナ
(以下α−Al23と記載することもある)を触媒担体
とする。触媒担体として用いるα−アルミナは、X線回
折によりα−アルミナ結晶構造の存在が認められるもの
である。ここで用いるα−アルミナ担体にはNa、M
g、Fe、SiO2などが微量含まれる場合があるが、
数%以下であれば触媒性能に大きな影響を与えるもので
はない。アルカリ金属やアルカリ土類金属の含有は触媒
性能に好結果を与える場合もある。
【0012】α−アルミナ担体の表面特性、細孔特性は
特に限定するものではないが、通常、比表面積は20m
2/g以下、好ましくは20m2/g〜1m2/gであ
り、平均細孔径は500〜5000Åのものを用いる。
【0013】このα−アルミナに担持する白金族元素の
担持量は、α−アルミナに対して0.1〜20重量%で
あるのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量
%である。担持量があまりに低いと触媒活性が充分発揮
できない。担持量が多すぎる場合、反応の点においては
特に問題はないが、高価な白金族元素を効率よく使用し
ているとは言い難い。白金族元素の担体上での平均粒径
は、数Å〜数千Åのサイズのものが用いられる。このよ
うな白金族元素は、α−アルミナ担体の全体に担持され
ていてもよいし、内部に担持されていてもよいし、又、
担体の表面部分にリッチに担持されていてもよく担持部
位は特に限定されるものではない。
【0014】エポキシシクロアルカン及び/またはエポ
キシシクロアルケンに水素ガスを接触させるα−アルミ
ナを担体とする白金族触媒の形態は、粉末状であっても
成形したペレット状であってもよい。一般に、粉末状の
α−アルミナ担持パラジウム触媒の場合は、液相懸濁床
触媒反応に供され、成形したペレット状の場合では、固
定床触媒反応に供される。固定床触媒反応としては、条
件によりトリクル反応、液相反応、気相反応などで行う
ことができる。
【0015】液相懸濁床反応に用いる粉末状触媒の場合
では、その粒子径は平均で数μm〜数百μmの触媒を用
いるのが好適である。固定床触媒反応に用いる成形した
ペレット状の場合では、ペレットの平均長さは、1〜1
0mmのサイズのものが好適に用いられる。
【0016】液相懸濁床反応、固定床反応ともに、溶媒
を用いても用いなくても良い。溶媒を用いる場合には、
副生成物の生成など反応に悪影響を及ぼさない溶媒が好
ましい。溶媒としては、例えばアルカン類、エーテル
類、アルコール類、エステル類などがある。溶媒を用い
ることにより反応制御が容易になる場合もある。また、
反応原料にはエポキシド類の他にシクロアルカノン、シ
クロアルカノール等の反応生成物が共存してもよい。
【0017】使用する触媒量は、エポキシシクロアルカ
ン及び/またはエポキシシクロアルケンに対して白金族
触媒が、モル比で1/1000以上となるように、上記
α−アルミナに担持させた白金族触媒を共存させる。
【0018】本発明の反応条件は、使用するエポキシシ
クロアルカン及び/またはエポキシシクロアルケンの種
類および使用割合により多少ことなるが、水素圧1〜1
00kg/cm2、反応温度100〜280℃であり、
好ましくは水素圧1〜50kg/cm2、反応温度10
0〜250℃、あるいは水素圧1〜100kg/c
2、反応温度140〜280℃であり、より好ましく
は水素圧1〜40kg/cm 2、反応温度100〜23
0℃あるいは水素圧5〜90kg/cm2、反応温度1
50〜250℃である。
【0019】水素圧があまりに低い場合や反応温度があ
まりに低い場合では、エポキシ基の水添反応や異性化反
応あるいは二重結合の水添反応が充分に進まず、シクロ
アルカノンとシクロアルカノールの混合物の収率は低
い。水素圧があまりに高い場合や反応温度があまりに高
くなると、高沸物等の副生成物の生成が増大し、シクロ
アルカノンとシクロアルカノールの混合物の収率が低下
する。なお、反応時間、接触時間は特に限定しするもの
ではないが、通常は3時間以内で充分である。
【0020】
【実施例】以下に本発明の技術について具体的な実施例
をもって示すが、本発明はこれら事例に限定されるもの
ではない。
【0021】実施例1 平均粒径が15ミクロンである活性アルミナ粉末を空気
中1300℃、3時間焼成し比表面積が8m2/g、で
あるアルミナ粉末を得た。これはX線回折よりα−Al
23であることが確認された。なお平均細孔径は160
0Åであった。このα−Al23粉末を水に懸濁させα
−Al23に対してパラジウム(Pd)が5wt%にな
るよう所定量の塩化パラジウム(PdCl2)水溶液を
加え攪拌しながら水分を蒸発除去した。これを300℃
で水素還元処理し、α−Al23にPdが5wt%担持
された触媒を調製した。エポキシシクロドデカジエン1
0.0g、シクロヘキサン10.0 g及び上記粉末触媒
0.20 gを容積100mlのオートクレーブに入れ、
水素ガスで9kg/cm2加圧下、撹拌しながら160
℃で1時間反応させた。反応終了後、触媒をろ別し、反
応液をガスクロマトグラフィーで分析したところシクロ
ドデカノールが仕込みエポキシシクロドデカジエンに対
して6モル%の収率で生成していた。シクロドデカノン
は76モル%の収率で生成していた。したがってシクロ
ドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は82%で
あった。なお、このときエポキシシクロドデカンが16
モル%の収率で生成していた。
【0022】実施例2 エポキシシクロドデカジエン10.0 g、シクロヘキサ
ン10.0 g及び実施例1で調製した触媒0.20 gを
容積100 mlのオートクレーブに入れ、水素ガスで5
0kg/cm2加圧下、撹拌しながら200℃で2時間
反応させた。反応終了後、触媒をろ別し、反応液をガス
クロマトグラフィーで分析したところ、シクロドデカノ
ールが仕込みシクロドデカンエポキシドに対して53モ
ル%の収率で生成していた。またシクロドデカノンも2
0モル%の収率で生成していた。したがってシクロドデ
カノールとシクロドデカノンの合計収率は73モル%で
あった。
【0023】実施例3 実施例1と同様な方法でα−Al23にパラジウムが3
wt%担持された触媒を調製した。この触媒を用い実施
例1と同じ条件で反応した。その結果、シクロドデカノ
ールが4モル%の収率で生成していた。またシクロドデ
カノンは71モル%の収率で生成していた。したがって
シクロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は7
5モル%であった。
【0024】実施例4 実施例1と同様にして反応を行い、その後、さらに反応
温度を200℃に、水素圧を50kg/cm2に上げ2
時間反応した。このようにして得られた反応液を触媒ろ
過後分析した結果、シクロドデカノールが18モル%の
収率で生成しシクロドデカノンが75モル%の収率で生
成していた。シクロドデカノールとシクロドデカノンの
合計収率は93モル%であった。
【0025】比較例1 実施例1の触媒調製において活性アルミナを焼成せずそ
のまま使用し、活性アルミナにパラジウムが5wt%担
持された触媒を得た。この触媒を使用して、実施例1と
同様な条件で反応を行った結果、シクロドデカノールの
収率は7モル%であり、またシクロドデカノンの収率は
56モル%であった。したがって、シクロドデカノール
とシクロドデカノンの合計収率は63%であった。
【0026】比較例2 実施例1の触媒調製においてα−Al23粉末の代わり
にマグネシア(MgO)粉末を使用し、マグネシアにパ
ラジウムが5wt%担持された触媒を得た。この触媒を
使用して、実施例1と同様な条件で反応を行った結果、
シクロドデカノールの収率は5モル%であり、またシク
ロドデカノンの収率は47モル%であった。したがっ
て、シクロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率
は52%であった。
【0027】比較例 3 実施例1の触媒調製においてα−Al23粉末の代わり
にチタニア(TiO2)粉末を使用し、チタニアにパラ
ジウムが5wt%担持された触媒を得た。この触媒を使
用して実施例1と同様な条件で反応を行った結果、シク
ロドデカノールの収率は5モル%であり、またシクロド
デカノンの収率は58モル%であった。したがって、シ
クロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は63
モル%であった。
【0028】比較例 4 実施例1の触媒調製においてα−Al23粉末の代わり
にシリカ(SiO2)粉末を使用し、シリカにパラジウ
ムが5wt%担持された触媒を得た。この触媒を使用し
て、実施例1と同様な条件で反応を行った結果、シクロ
ドデカノールの収率は20モル%であり、またシクロド
デカノンの収率は45モル%であった。したがって、シ
クロドデカノールとシクロドデカノンの合計収率は65
モル%であった。
【0029】実施例1から4および比較例1から4の結
果を表1にまとめて示した。
【表1】
【0030】
【発明の効果】エポキシシクロアルカン及び/またはエ
ポキシシクロアルケンと水素ガスを接触させてシクロア
ルカノールとシクロアルカノンの混合物を高収率で製造
する方法は従来知られていなかったが、α−アルミナを
担体とした白金族触媒の存在下、水素圧1〜100kg
/cm2、反応温度100〜280℃の条件で製造すれ
ばシクロアルカノールとシクロアルカノンの混合物が高
収率で得られることが可能となった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月10日(1999.11.
10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシクロアルカノンと
シクロアルカノール混合物の製造法に関するものであ
る。例えば、シクロヘキサノンはシクロヘキサノンとシ
クロヘキサノールの混合物から、シクロドデカノンは
クロドデカノンとシクロドデカノールの混合物から効率
的に製造することができる。シクロヘキサノンとシクロ
ヘキサノールの混合物はカプロラクタムを製造するため
の原料として用いられ、シクロドデカノンとシクロドデ
カノールの混合物はラウロラクタムを製造するための原
料として用いられる。すなわちシクロドデカノンとシク
ロドデカノールの混合物は脱水素することによりシクロ
ドデカノンに変換され、さらにヒドロキシルアミンとの
反応によりシクロドデカノンオキシムが合成される。シ
クロドデカノンオキシムはベックマン転位によりラウロ
ラクタムに変換される。ラウロラクタムは12ナイロン
原料として使用される。従って、ラウロラクタムの原料
となるシクロドデカノン、シクロドデカノールを効率的
に製造する方法の提供は産業上有用である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】実施例2 エポキシシクロドデカジエン10.0 g、シクロヘキサ
ン10.0 g及び実施例1で調製した触媒0.20 gを
容積100 mlのオートクレーブに入れ、水素ガスで5
0kg/cm2加圧下、撹拌しながら200℃で2時間
反応させた。反応終了後、触媒をろ別し、反応液をガス
クロマトグラフィーで分析したところ、シクロドデカノ
ールが仕込みエポキシシクロドデカジエンに対して53
モル%の収率で生成していた。またシクロドデカノンも
20モル%の収率で生成していた。したがってシクロド
デカノールとシクロドデカノンの合計収率は73モル%
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 49/385 C07C 49/385 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白金族触媒の存在下、エポキシシクロアル
    カン及び/またはエポキシシクロアルケンに水素ガスを
    接触させてシクロアルカノンとシクロアルカノールの混
    合物を製造する方法において、白金族触媒の担体として
    α−アルミナを用いることを特徴とするシクロアルカノ
    ンとシクロアルカノール混合物の製造法。
  2. 【請求項2】水素圧が1〜100kg/cm2、反応温
    度が100〜280℃の条件下に反応させる請求項1記
    載のシクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の製
    造法。
  3. 【請求項3】エポキシシクロアルカン及び/またはエポ
    キシシクロアルケンの炭素数が6〜12である請求項1
    または2記載のシクロアルカノンとシクロアルカノール
    混合物の製造法。
  4. 【請求項4】エポキシシクロアルカン及び/またはエポ
    キシシクロアルケンの炭素数が12のエポキシシクロド
    デカン、エポキシシクロドデカジエンおよびエポキシシ
    クロドデセンである請求項3記載のシクロアルカノンと
    シクロアルカノール混合物の製造法。
JP27158399A 1998-12-28 1999-09-27 シクロアルカノンとシクロアルカノール混合物の製造法 Pending JP2001097900A (ja)

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