JP2001097494A - 飲料用ディスペンサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 希釈率の設定変更が容易な飲料用ディスペン
サを提供すること。 【解決手段】 本発明飲料用ディスペンサは、シロップ
を充填させた容器に接続されたチューブ７をローラでし
ごき、そのチューブ７内にあるシロップを送り出して吐
出するチューブポンプ１０を備え、そのチューブポンプ
１０によって吐出されたシロップを母機から供給される
希釈水と混合させて作った飲料を提供するものであっ
て、希釈水を吐出するノズル１２と母機とを結ぶ希釈水
ライン１９上に配管された定流量弁２２と、シロップの
種類に応じた希釈率データを入力するための設定操作部
３７を備え、希釈率データに基づいてチューブポンプ１
０の回転数を制御する制御手段３０とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シロップと希釈水
とを同一容器に吐出してシロップを適正な希釈率で希釈
させて作った飲料を販売する飲料用ディスペンサに関
し、更に詳細には、適正な希釈率でシロップを希釈させ
るためのシロップと希釈水との吐出量の設定を簡易なも
のとした飲料用ディスペンサに関する。

【０００２】

【従来の技術】ジュースなどの飲料を提供するサービス
には、濃縮した原液であるシロップを冷水や炭酸水など
の希釈水と混合してジュースを作る飲料用ディスペンサ
が利用されている。そうした飲料用ディスペンサには、
充填させたタンク内を加圧してシロップを吐出するシロ
ップタンク方式の他に、チューブによって導いたシロッ
プをチューブポンプによってしごきながらシロップを吐
出するＢＩＢ（バッグインボックス）方式のものがあ
る。ＢＩＢ方式の飲料用ディスペンサは、主にファース
トフード店などで利用される小型のものである。ここ
で、図５は、そのようなＢＩＢ方式の飲料用ディスペン
サを示す正面図であり、特に表扉２を開けた状態を示し
たものである。

【０００３】飲料用ディスペンサ４１は、上部の容器収
納庫３内にシロップを充填した容器（ＢＩＢ）４が納め
られている。容器４は、シロップが充填されたビニール
袋を収納した箱体であり、シロップを導くようにビニー
ル袋に接続されたチューブ７がボックスから外へ伸ばさ
れたものである。容器収納庫３の下には、容器４からシ
ロップを所定量吐出するための送出部５が設けられてい
る。送出部５では、容器４から出されたチューブ７が取
り付けられ、チューブポンプ１０がモータによって回転
してローラ９によってチューブ７がしごかれると、その
チューブ７内のシロップが押し流されるよう構成されて
いる。

【０００４】ここで、図６は、飲料用ディスペンサ４１
を簡略化して示したブロック図である。チューブ７の注
出口近傍には図５に示すようにノズル１２が設けられ、
図６に示す母機１６より希釈水ライン１９を通って供給
された冷水や炭酸水などの希釈水が、そのノズル１２か
ら吐出されるように構成されている。送出部５の下方
は、チューブ７及びノズル１２直下のトレー１５上にカ
ップが置けるようになっている。そこで、チューブ７や
ノズル１２からシロップ及び希釈水がそれぞれ吐出され
ると、トレー１５上の図示しないカップ内で混合され、
オレンジジュースなどの飲料が作られる。

【０００５】ところで、飲料の販売量は、カップの大き
さが決まっていないため、それぞれの大きさに合わせた
量の飲料を作る必要がある。また、シロップにはジュー
スの種類によって濃淡があり、全てが同一の希釈率でよ
いわけではない。そのため、飲料用ディスペンサ４１
は、シロップがそれぞれに異なった希釈率で希釈水と混
ぜ合わされ、その混合量が所定の販売量になるように、
吐出されるシロップと希釈水の量を調整することができ
るようになっている。具体的には、飲料用ディスペンサ
４１は、図６に示すように希釈水ライン１９の途中にフ
ローレギュレータ１７が設けられ、これを調整すること
によって希釈水の流れる単位時間当たりの流量が設定さ
れて所定量の希釈水が吐出される。一方、飲料用ディス
ペンサ４１は、チューブポンプ１０のモータの回転数
を、不図示の調節ボリュームによって調整することがで
きるようように構成され、その調整によって単位時間当
たりの流量が設定されて所定量のシロップが吐出され
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従って、飲料用ディス
ペンサ４１が販売する飲料を変更する場合には、フロー
レギュレータ１７とチューブポンプ１０の調節ボリュー
ムとを調整しなければならなかった。このような調整作
業は人が行っていたため、手間や時間を要する煩わしい
ものであった。また、飲料用ディスペンサ４１が置かれ
るのは、母機１６も含めて一般的に設置スペースに余裕
のない狭い場所が多いため、フローレギュレータ１７の
調整を行う作業スペースも狭くなってしまう場合が多
く、取り扱いが困難であった。更に、圧力変動などによ
って希釈水の単位時間当たりの流量に変化が生じた場
合、シロップはチューブポンプ１０の回転数が一定であ
るため、希釈水が増減することによって吐出量にバラツ
キが生じ、適切な販売量が供給できなくなり、希釈率が
狂ってしまって飲料の味を損なうことになる。

【０００７】そこで、本発明は、かかる課題を解決すべ
く、希釈率の設定が容易な飲料用ディスペンサを提供す
ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明飲料用ディスペン
サは、シロップを充填させた容器に接続されたチューブ
をローラでしごき、そのチューブ内にあるシロップを送
り出して吐出するチューブポンプを備え、そのチューブ
ポンプによって吐出されたシロップを母機から供給され
る希釈水と混合させて作った飲料を提供するものであっ
て、希釈水を吐出するノズルと前記母機とを結ぶ希釈水
ライン上に配管された定流量弁と、シロップの種類に応
じた希釈率データを入力するための設定操作部を備え、
希釈率データに基づいて前記チューブポンプの回転数を
制御する制御手段とを有することを特徴とする。よっ
て、本発明の飲料用ディスペンサは、母機から供給され
る希釈水をディスペンサ内で定流量化して単位時間当た
り一定流量の希釈水をノズルから吐出し、設定操作部で
入力した希釈率データに従った所定の希釈率になるよう
に、チューブポンプの回転数が制御されてシロップが単
位時間当たりに一定量吐出される。従って、販売する飲
料が変わった場合にでも、希釈水の流量を調整する必要
はなく、シロップは希釈率データを設定変更するだけで
吐出量が制御されるため、従来のような煩わしい作業を
行う必要がなくなり、希釈率の設定が容易となった。

【０００９】また、本発明の飲料用ディスペンサは、前
記定流量弁の２次側に配管された流量センサを有し、前
記制御手段は、流量センサからの検出信号に基づいて前
記チューブポンプの回転数を調整することを特徴とす
る。よって、定流量弁の２次側流量に変動が生じて希釈
水の吐出量が増減した場合にでも、制御手段が流量セン
サからの流量データに基づいてチューブポンプの回転数
を調整し、シロップの吐出量を増減させることによって
適切な希釈率でシロップと希釈水とを混合させることが
できる。従って、味の品質を保った飲料を提供すること
ができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係る飲料用ディス
ペンサの一実施の形態について図面を参照して説明す
る。本実施の形態の飲料用ディスペンサも、前記従来例
のものと同様にＢＩＢ式を採用したものである。従っ
て、装置の基本構造は図５に示すものであり、容器４か
らチューブ７に導かれたシロップがチューブポンプ１０
によって押し流されて吐出し、ノズル１２からは母機１
６によって作られた冷水や炭酸水などの希釈水が吐出さ
れる。ここで、図１は、本実施の形態の飲料用ディスペ
ンサ１を簡略化して示したブロック図である。飲料用デ
ィスペンサ１は、図示するように希釈水を供給する母機
１６からの希釈水ライン１９に接続され、その希釈水ラ
イン１９には、定流量弁２２と流量センサ２３とがディ
スペンサ本体内に設けられて配管されている。従って、
この飲料用ディスペンサ１は、従来のように希釈水の流
量を変更することはせず、常に一定の流量になるように
構成されている。

【００１１】そして、本実施の形態の飲料用ディスペン
サ１は、シロップ側の吐出量のみを調整するように構成
されている。図２は、飲料用ディスペンサ１のシステム
ブロック図を示したものである。飲料用ディスペンサ１
には、シロップや希釈水の吐出を制御する制御回路３０
が搭載されており、その制御回路３０は、図示するよう
に流量センサ２３からの検出信号を受信し、またバルブ
１８やチューブポンプ１０を駆動させる不図示のモータ
へ駆動信号を送るように、信号線でそれぞれに接続され
ている。制御回路３０にはマイコンが使用され、ＣＰＵ
３１を中心に設定操作部３７から入力される希釈率デー
タを一時記憶する記憶部３２と、チューブポンプ１０の
回転数を制御する制御信号を出力する出力部３３と、販
売条件を入力するための販売操作部３８からの信号を受
ける販売検出部３４と、流量センサ２３から送られる検
出信号を受ける流量検出部３５とが設けられたものであ
る。

【００１２】設定操作部３７は、図示しないが、例えば
図５に示す飲料用ディスペンサ１の表扉２に隠された部
分に設けられた操作パネルであり、希釈率や販売量など
のデータを入力できるように構成されたものである。販
売量は、シロップと希釈水とを混合させて作る飲料の総
量である。一方、販売操作部は、これも図示しないが、
例えば販売信号を入力するために図５に示す飲料用ディ
スペンサ１の表扉２表面に設けられた操作パネルなどで
ある。

【００１３】そこで、このような構成からなる飲料用デ
ィスペンサ１では、次のようにして飲料の販売が行われ
る。先ず、飲料用ディスペンサ１は、シロップの種類に
対応した販売量と希釈率との初期設定が行われる。その
ため、当該希釈率に基づく吐出を行うための希釈率デー
タの入力をオペレータが設定操作部３７で行う。具体的
には、販売する飲料の総量である販売量や、シロップの
種類に応じたシロップと希釈水との吐出量の比率（希釈
率）といった希釈率データのデータ入力が行われる。そ
して、希釈率が設定された飲料用ディスペンサ１は、利
用者によって外部に設けられた販売操作部３８の販売ス
イッチが押されると、入力された希釈率データに基づい
てシロップ及び希釈水が吐出される。

【００１４】そこで、利用者によって販売スイッチが押
された飲料用ディスペンサ１では（図２参照）、制御回
路３０からの開信号によってバルブ１８が開いて希釈水
である冷水又は炭酸水がノズル１２から吐出される。バ
ルブ１８が開いて希釈水が吐出されると、これと同時に
制御回路３０からの駆動信号によってチューブポンプ１
０が希釈率データに基づく回転数によって回転し、チュ
ーブ７に導かれたシロップがローラ９によってしごかれ
て吐出する。即ち、設定操作部３７から入力された希釈
率データは記憶部３２に記憶され、このデータに基づく
ＣＰＵ３１からの信号が出力部３３からチューブポンプ
１０の駆動モータへと制御信号として発信される。チュ
ーブポンプ１０は、この制御信号によって回転数が制御
され、そして希釈率に対応した単位時間当たり所定量の
シロップが吐出される。

【００１５】図３は、シロップと希釈水との吐出状態を
示したタイムチャートである。特に、図３（ａ）に高希
釈の場合を、そして図３（ｂ）に低希釈の場合について
示しているが、高希釈の場合にはシロップが濃いために
希釈水の比率が大きくなり、低希釈の場合にはシロップ
が薄いために希釈水の比率が小さくなる。シロップと希
釈水は、図示するようにともに単位時間当たりの吐出量
を一定にして吐出しているが、入力された希釈率データ
の希釈率が高い場合には、チューブポンプ１０の回転数
が低くなって単位時間当たりの吐出量が少なくなり（図
３（ａ））、低希釈の場合には回転数が高くなって単位
時間当たりの吐出量が多くなっている（図３（ｂ））。
そして、吐出開始後、流量センサ２３からの流量データ
に基づき、希釈水の吐出流量が所定量に達すると、制御
回路３０からバルブ１８へ閉信号及びチューブポンプ１
０へ駆動停止信号が発信され、同時にシロップと希釈水
との吐出が止められる。

【００１６】ところで、飲料用ディスペンサ１は、供給
側の圧力変化等によって定流量弁２２の２次側流量に変
化が生じた場合、希釈水の吐出量が増減してしまって適
切な希釈率で飲料の販売ができなくなる。そこで、本実
施の形態の飲料用ディスペンサ１では、飲料の販売が行
われている間、希釈水ライン１９を流れる希釈水流量が
定流量弁２２の２次側の流量センサ２３によって検出さ
れ、その検出信号は制御回路３０の流量検出部３５へと
送られ、流量センサ２３からの流量データとしてフィー
ドバックされる。図４は、シロップと希釈水との流量変
化する際の吐出を示したタイムチャートである。

【００１７】即ち、制御回路３０は、流量センサ２３の
検出信号から、例えば１秒毎の希釈水の平均流量を算出
し、その希釈水とシロップとが設定した希釈率になるよ
うに、チューブポンプ１０の回転数を微調整してシロッ
プの吐出量を増減させる。そのため、図４に示すように
希釈水の流量変化に対して１秒遅れでシロップの流量も
追随して変化する。更に、図４（ｂ）で示す飲料の販売
状況を具体的に見てみる。シロップの最初の１秒間（Ａ
Ｂ間）の吐出量は、前回の販売における希釈水の流量デ
ータ、つまり図４（ａ）のＹＺ間の希釈水の流量に基づ
いて設定希釈率から図４（ｂ）に示すＡＢ間の流量が決
定される。その後、希釈水の流量変化に対して１秒遅れ
でシロップの吐出量が調整され、最後、ＥＦ間の希釈水
流量に基づいてＦＧ間のシロップ流量が調整される。

【００１８】そして、このように希釈水が流量を変化さ
せて流れる場合にも、吐出開始後からの希釈水の吐出流
量が所定量に達したところで、制御回路３０からバルブ
１８へ閉信号及びチューブポンプ１０へ駆動停止信号が
発信され、同時にシロップと希釈水との吐出が止められ
る。なお、最初と最後の１秒間では、希釈率に基づく直
接の対応関係はないが、その誤差は極めてわずかである
ためトータルの希釈率になんら問題はなく、作られた飲
料は、常に同じ味の品質の良いものである。

【００１９】従って、本実施の形態の飲料用ディスペン
サ１は、希釈水の吐出量を一定にしてシロップの吐出量
のみをチューブポンプ１０の回転数で調整できるように
し、搭載した制御回路３０の設定操作部３７から希釈率
データを設定入力することによってシロップの種類に応
じた希釈率で飲料を提供するようにしたので、シロップ
の交換に伴う希釈率の設定変更を簡易に行うことができ
るようになった。また、吐出量を常に一定にした希釈水
に流量変化が生じた場合にでも、その値をフィードバッ
クして、所定の希釈率になるようにシロップを吐出させ
るべくチューブポンプ１０の回転数を制御するので、常
に安定した味の飲料を提供することができるようになっ
た。また、このようにシロップと希釈水との希釈率を一
定に保ち、そして希釈水の吐出量が所定量に達したとこ
ろで双方の吐出を止めるようにしたので、常に一定の量
の飲料を供給することができるようになった。

【００２０】なお、本発明は、前記実施の形態のものに
限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で
様々な変更が可能である。また、前記実施の形態では設
定操作部３７への入力によって希釈率を設定していた
が、設置する容器４に充填されたシロップの種類をバー
コード等で検索可能なものとして自動的に希釈率を設定
できるようにしてもよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、希釈水を吐出するノズルと母
機とを結ぶ希釈水ライン上に配管された定流量弁と、シ
ロップの種類に応じた希釈率データを入力するための設
定操作部を備え、希釈率データに基づいてチューブポン
プの回転数を制御する制御手段とを有する構成としたの
で、希釈率の設定変更が容易な飲料用ディスペンサを提
供することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る飲料用ディスペンサの一実施の形
態を簡略化して示したブロック図である。

【図２】飲料用ディスペンサ１のシステムブロック図を
示したものである。

【図３】シロップと希釈水との吐出状態を示したタイム
チャートである。

【図４】シロップと希釈水とが流量変化する際の吐出を
示したタイムチャートである。

【図５】飲料用ディスペンサを示す正面図である。

【図６】従来の飲料用ディスペンサを簡略化して示した
ブロック図である。

【符号の説明】

１ ディスペンサ ４ 容器（ＢＩＢ） ７ チューブ １０ チューブポンプ １２ ノズル １８ バルブ ２２ 定流量弁 ２３ 流量センサ ３０ 制御回路 ３１ ＣＰＵ ３２ 記憶部 ３３ 出力部 ３４ 販売検出部 ３５ 流量検出部 ３７ 設定操作部 ３８ 販売操作部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野本 浩主 愛知県春日井市堀ノ内町850番地 シーケ ーディ株式会社春日井事業所内 Ｆターム(参考） 3E082 AA03 BB01 CC04 CC10 DD05 FF05

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シロップを充填させた容器に接続された
   チューブをローラでしごき、そのチューブ内にあるシロ
   ップを送り出して吐出するチューブポンプを備え、その
   チューブポンプによって吐出されたシロップを母機から
   供給される希釈水と混合させて作った飲料を提供する飲
   料用ディスペンサにおいて、 希釈水を吐出するノズルと前記母機とを結ぶ希釈水ライ
   ン上に配管された定流量弁と、シロップの種類に応じた
   希釈率データを入力するための設定操作部を備え、希釈
   率データに基づいて前記チューブポンプの回転数を制御
   する制御手段とを有することを特徴とする飲料用ディス
   ペンサ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の飲料用ディスペンサに
   おいて、 前記定流量弁の２次側に配管された流量センサを有し、
   前記制御手段は、流量センサからの検出信号に基づいて
   前記チューブポンプの回転数を調整することを特徴とす
   る飲料用ディスペンサ。