JP2001095287A - 駆動装置 - Google Patents

駆動装置

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JP2001095287A
JP2001095287A JP26956899A JP26956899A JP2001095287A JP 2001095287 A JP2001095287 A JP 2001095287A JP 26956899 A JP26956899 A JP 26956899A JP 26956899 A JP26956899 A JP 26956899A JP 2001095287 A JP2001095287 A JP 2001095287A
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control
force
speed
liquid
electric motor
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Kunikazu Hyodo
訓一 兵藤
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Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速度制御から力制御へ切換る際の徐行を要
らなくする。 【解決手段】電動モータ3の出力を作動部7に伝達する
際に回転運動を直線運動に変換する変換機構5の後段
に、液体を保持するとともにその液体の圧縮膨張に連動
して直線運動の方向へ伸縮する液体保持部80が導入さ
れる。しかも、制御装置10は、速度検出手段3bの検
出結果Vfを帰還させて行う速度制御および力検出手段
60の検出結果Ffを帰還させて行う力制御を共に電動
モータ3の制御にて行うとともに、その制御中に速度制
御から力制御へ切り換える際に徐行せずに切換を行うよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、帰還制御付き電
動モータを用いた駆動装置に関し、詳しくは、速度制御
から力制御への切換を迅速かつ円滑に行うための技術に
関する。帰還制御付き電動モータとしては、電流帰還を
マイナーループとするサーボモータが典型的なものであ
るが、電流帰還が必須な訳では無く、速度や力に相当す
る物理量を得てそれを電動モータの制御に帰還させてい
れば該当する。
【0002】
【従来の技術】プレスやダイキャストマシーン等におけ
る一部の駆動部では、作動部が駆動されたときにその力
が作動限への到達等にて急増したのを受けて駆動制御を
速度追従から力追従へ自動切換すると好都合な場合があ
り、そのために、速度制御および力制御の可能なサーボ
モータを駆動源に採用するとともに、その駆動力を作動
目的に適合するよう適宜変換して作動部へ伝達するよう
になっている。
【0003】図7に模式図を示すとともに図8に信号波
形も示した駆動装置は、そのようなものの典型例であ
り、作動部が、駆動されて移動する可動部材7aと、そ
の移動を規制する固定部7bとを具えたクランプ機構7
となっている。そして、そのクランプ機構7では、可動
部材7aが前進して固定部7bに当接したところでクラ
ンプを行い、その後、後退するようになっている。
【0004】また、それを駆動するサーボモータ部は、
ドライバ2によって電流駆動される電動モータ3と、ド
ライバ2を介して電動モータ3の回転速度か出力トルク
を制御する制御装置としてのコントローラ1とを具えた
ものであり、その電動モータ3と上記のクランプ機構7
との間には所要の伝動機構が介装されていて、電動モー
タ3の出力がクランプ機構7に伝達されるようになって
いる。この伝動機構には、減速ギヤ4や伝動ベルト等が
必要に応じて適宜設けられるが、それに加えて又はそれ
に代えて、電動モータ3の出力である回転運動を可動部
材7aの進退に必要な直線運動に変換する変換機構も組
み込まれている。そのような変換機構としては、ボール
ナット5aとボールネジ5bとを組み合わせたボールネ
ジ機構などが多用されている。さらに、ボールネジ5b
と可動部材7aとの連結部には、ロードセル6が力検出
手段として介挿されており、ボールネジ機構5を経てク
ランプ機構7へ伝達される力を検出して、その検出結果
である力Ffをコントローラ1へ帰還させるようになっ
ている。
【0005】コントローラ1による電動モータ3の制御
は、電流制御をマイナーループとし速度制御をその外の
フィードバックループとした一般的な速度制御を基本と
したものであり、ドライバ2の出力電流を電流検出部3
aにて検出してコントローラ1へ帰還させるとともに、
電動モータ3の出力軸3cの回転速度を速度検出部3b
にて検出し、その検出結果である速度Vfをコントロー
ラ1へ帰還させて、受けた速度指令Vcに速度Vfを一
致させるような制御信号を生成してドライバ2に送出す
るようになっている。また、コントローラ1には、速度
制御に加えて力制御も行えるように、力指令Fcを受け
るとともにそれにロードセル6からの力Ffを一致させ
るような制御信号を生成してドライバ2に送出するとい
う拡張も施されている。これらの制御は同時に行われる
のでなく何れか選択された方が行われるが、何れも、ド
ライバ2を介して電動モータ3の回転駆動状態を制御す
ることで行われるようになっている。
【0006】さらに、コントローラ1は、電動モータ3
を制御して可動部材7aを前進させる際に、初めは速度
制御を行うが、クランプ時には力制御を行うようになっ
ている。また、クランプ位置を可動部材7aの位置等か
ら一意に確定するのが困難な状況下で使用されるような
場合、速度制御から力制御への切換タイミングを力Ff
に基づいて判定すべく、力Ffが所定の閾値に到達した
か否か等に応じて何れかの制御を選択するようにもなっ
ている。
【0007】そして、このような駆動装置で例えば定速
送り後に定圧制御する場合(図8参照)、速度指令Vc
は、当初その定速送りに対応した一定値で与えられ、途
中から徐行速度に対応した値に下げられる。また、力指
令Fcは、定圧制御等に対応した一定値で与えられる。
そうすると、可動部材7aが前進している間は、一般に
力Ffが閾値より小さいので、速度指令Vcに速度Vf
を追従させる速度制御が有効となって、電動モータ3が
速度指令Vcに対応した高速度で回転し、可動部材7a
がほぼ一定の速度で前進する。
【0008】それから、可動部材7aがクランプ位置に
達すると、固定部7bの反力によって可動部材7aの前
進がほぼ止められるとともに、力Ffが急激に増加し、
これが閾値を超えると、力指令Fcに力Ffを追従させ
る力制御が有効となる。この状態では、電動モータ3の
回転は僅かなものに低下するが、その出力トルクは大き
く、ボールネジ機構5を経てクランプ機構7に伝達され
る力Ffは、力指令Fcに対応したものとなる。こうし
て、速度制御および力制御が共に電動モータ3の制御に
て行われるとともに、速度制御から力制御への切り換え
も制御中に自動で行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の駆
動装置では、速度および力の検出結果をサーボモータ等
の帰還制御付き電動モータの制御装置にフィードバック
することで制御性向上という利点を得た代わりに、伝動
機構の一部にボールネジ機構等の機械式変換機構を導入
する必要が生じるとともに、力検出手段には機械力測定
に適したロードセル等が用いられることとなった。とこ
ろが、そのような機構では、作動部の前進がクランプや
当接等によって止められるまで高速で進行し続けると、
停止時における作動部からの反力による衝撃が大きく
て、変換機構の損傷が激しい。
【0010】このため、そのような大きな衝撃の発生を
避けるべく、速度制御から力制御へ切り換える前に、予
め送り速度を下げて、徐行していた(図8参照)。しか
しながら、上述したように停止位置が変動しがちな応用
もあることから、そのような場合、徐行区間は長めに設
定しておく必要があり、このため、その分だけ処理時間
が延びてしまうという不都合があった。また、力制御へ
の移行タイミングの変動が大きくなるという不都合もあ
った。
【0011】そこで、速度および力の検出結果を共に電
動モータの制御装置へフィードバックするという制御方
式を前提として、その不都合を解消すべく、作動部から
の反力が大きくても変換機構に掛かる衝撃が小さくて済
むように工夫することが技術的な課題となる。この発明
は、このような課題を解決するためになされたものであ
り、速度制御から力制御への切換に際して徐行の要らな
い駆動装置を実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第4の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0013】[第1の解決手段]第1の解決手段の駆動
装置は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、電動モ
ータと、その出力を作動部に伝達する伝動機構と、この
伝動機構の一部として設けられ前記電動モータの回転運
動を直線運動に変換する変換機構と、この変換機構を経
て前記作動部へ伝達される力を検出する力検出手段と、
前記電動モータについて又はその出力を伝達された他の
部材についてその速度を検出する速度検出手段と、前記
速度検出手段の検出結果を帰還させて行う速度制御およ
び前記力検出手段の検出結果を帰還させて行う力制御を
共に前記電動モータの制御にて行うとともにその制御中
に前記速度制御から前記力制御へ切り換えることも行う
制御装置とを備えた駆動装置において、液体を保持する
とともにその液体の圧縮膨張に連動して前記直線運動の
方向へ伸縮する液体保持部が、前記伝動機構の一部とし
て前記変換機構の後段に設けられている、というもので
ある。
【0014】ここで、「液体の圧縮膨張に連動して伸
縮」とは、圧縮膨張による液体の体積変化量に対応した
分だけ伸縮するという意味であり、流量制御弁やサーボ
バルブ等を用いて液体量を増減させることで可動させる
如きものは除かれる。
【0015】このような第1の解決手段の駆動装置にあ
っては、速度および力の検出結果が共に制御装置へフィ
ードバックされるので、そのことによる制御性の良さを
享受することができるが、そればかりでなく、作動部が
急停止等して大きな反力が発生したとしても、作動部と
変換機構との間に液体保持部が介在していて、その液体
が或る程度であれば圧縮等するので、変換機構に掛かる
瞬時的な衝撃は可成り緩和される。
【0016】これにより、かなり高速のまま進行し続け
て当接等にて突然止められるような駆動を行ったとして
も、変換機構の損傷は無いか少なくて済むこととなる。
なお、液体保持部は、衝撃吸収時を含めて伝動時に液体
を封止してさえいれば足りるので、液体流による圧力制
御等を行う他の手法と異なり、液体の劣化や管理の煩わ
しさも無く、コストもかからない。したがって、この発
明によれば、速度制御から力制御への切換に際して徐行
の要らない駆動装置を実現することができる。
【0017】[第2の解決手段]第2の解決手段の駆動
装置は(、出願当初の請求項2に記載の如く)、上記の
第1の解決手段の駆動装置であって、前記力検出手段が
前記液体の圧力を検出するものである、というものであ
る。
【0018】このような第2の解決手段の駆動装置にあ
っては、液体保持部と圧力計等との連通状態が確保でき
れば、必要な力の検出が行えるので、ロードセル等を用
いる場合に比べて、圧力計の選定や配置などの自由度が
向上する。また、液体が液体保持部に封止されているこ
とから、動圧の影響がほとんど無いので、より正確な検
出結果が得られる。これにより、液体保持部の導入に便
乗して力検出関連の設計容易性ばかりか検出確度も向上
することとなる。したがって、この発明によれば、速度
制御から力制御への切換に際して徐行の要らない駆動装
置を容易かつ的確に実現することができる。
【0019】[第3の解決手段]第3の解決手段の駆動
装置は(、出願当初の請求項3に記載の如く)、上記の
第1,第2の解決手段の駆動装置であって、ピストン及
び小径のロッドを収めるとともにそのピストンの両側を
連通させた液圧シリンダが前記液体保持部に設けられて
いる、というものである。
【0020】このような第3の解決手段の駆動装置にあ
っては、液体保持部における液体が圧縮等するとその体
積変化をシリンダ内のロッドの体積で補償するようにピ
ストン及びロッドがシリンダ内を移動する。これによ
り、膨張圧縮力の大きさと液体保持部の伸縮量との対応
関係をシリンダの長さだけでなくピストン径とロッド径
との違い等によっても調節できることとなるので、ラム
シリンダ等を用いた場合に比べて、設計自由度が高くな
る。したがって、この発明によれば、速度制御から力制
御への切換に際して徐行の要らない駆動装置を容易に実
現することができる。
【0021】[第4の解決手段]第4の解決手段の駆動
装置は(、出願当初の請求項4に記載の如く)、上記の
第1〜第3の解決手段の駆動装置であって、液体容器
と、この液体容器と前記液体保持部との連通遮断を切り
換える切換手段とを備えていて、前記制御装置が、前記
速度制御および前記力制御を行っているときには前記切
換手段の切換状態を遮断側にさせるとともにその前に又
は後でその切換状態を連通側にさせるようになってい
る、というものである。
【0022】このような第4の解決手段の駆動装置にあ
っては、速度制御や力制御の行われているとき、液体保
持部と液体容器との連通が遮断されているので、液体
は、液体保持部に封止されて、衝撃を緩和する。そし
て、衝撃等の無い他のタイミングで液体保持部と液体容
器とが連通させられるが、そのときには、前の連通時か
らそのときまでの時間に温度変化等で液体の体積が変化
した分しか、液体は流れない。すなわち、環境による変
化分だけが補償される。しかも、そのような補償に必要
な液体量は僅かである。
【0023】この僅かな補償により、液体の圧力状態そ
して液体保持部の伸縮量が確実に初期状態に戻されるの
で、作動状況が常に安定する。しかも、液体容器は、極
めて小さなもので足りる。したがって、この発明によれ
ば、速度制御から力制御への切換に際して徐行しなくて
も損傷せず而も動作状態の安定している駆動装置を実現
することができる。しかも、液体を使用しても不所望な
大型化は回避することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明の駆動装置について、これを実施するための具体
的な形態を、以下の第1〜第3実施例により説明する。
図1〜図4に示した第1実施例は、上述した第1〜第4
の解決手段を具現化したものであり、図5(a)に示し
た第2実施例、及び図5(b)に示した第3実施例は、
その変形例である。なお、それらの図示等に際しては、
簡明化のため、発明の説明に必要な又は好都合な要素を
示し、付随的・補助的なフレームや締結具等の他の要素
は図示を割愛した。また、油圧配管は細線で図示し、そ
れとの区別のために、電気信号線は細い長破線で図示し
た。さらに、従来と同様の構成要素には同一の符号を付
して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、
従来例との相違点を中心に説明する。
【0025】
【第1実施例】本発明の駆動装置の第1実施例につい
て、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図
1は、その構造を示す模式図である。
【0026】この駆動装置が既述した従来例のものと相
違するのは、コントローラ1が一部改変されてコントロ
ーラ10になった点と、ボールネジ機構5と作動部7と
の連結部へロードセル6に代えて圧力計60の付いた油
圧シリンダユニット80が導入された点と、それに付加
して液体補償手段90も導入された点である。
【0027】油圧シリンダユニット80は、図示しない
スラスト軸受等の支持手段によってボールネジ5b及び
可動部材7aと同じ方向に往復動等の直線移動可能なシ
リンダ81と、それに組み込まれたピストン82と、こ
れより小径のロッド83とを具えた片ロッドタイプのも
のであり、シリンダ81の両端近傍に設けられたポート
同士が油圧配管84によって連通接続されていて、シリ
ンダ81内腔に保持されている油(液体)がピストン8
2の両側を自由に行き来しうるようになっている。ま
た、ロッド83の突出端部がボールネジ5bに連結され
ていて、ロッド83はボールネジ5bと共に進退する。
さらに、シリンダ81の両端部のうちロッド83と反対
側のところは可動部材7aに連結されていて、シリンダ
81は可動部材7aと共に進退するようになっている。
【0028】液体補償手段90は、小容量の油タンク9
1(液体容器)と、油圧配管84から延びてタンク91
に至る分岐配管93と、この分岐配管93に介挿接続さ
れた電磁切換弁92とを具えたものであり、この電磁切
換弁92には適宜の例えば2位置2ポートの油圧弁で常
閉タイプのもの等が用いられていて、電気信号である切
換制御信号Sを受けたときだけシリンダ81とタンク9
1とが連通するようになっている。
【0029】圧力計60は、ストレインゲージやアンプ
等を一体的に纏めた一般的な油圧用プレッシャーセンサ
が使用可能であり、シリンダ81に直接取り付けても良
く、適宜の配管やホースを介在させて別のところに置い
ても良いので、設計が楽であり、さらにコスト面でも有
利である。この圧力計60にて検出したシリンダ81内
の圧力は力Ffとして適宜のシールドケーブル等を介し
てコントローラ10へ送出されるようになっている。
【0030】コントローラ10は、改造等の容易なソフ
トウェアサーボを実現すべく、適宜な入出力回路等の付
加されたマイクロプロセッサシステムとなっており、そ
のプログラム処理によって、適切な電流制御や速度制御
さらには力制御のために必要な演算を行って、ドライバ
2に与える電流指令を生成するようになっている。な
お、その制御手法には、周知のPID制御を適用したも
のや、d−q変換を利用したもの(特開平10−291
241号公報など参照)等が、何れか単独で或いは適宜
組み合わせて採用されている。
【0031】その処理内容がプログラム変更等によって
従来と相違するようになった点は、往路の制御において
速度制御から力制御へ切り換える前に見込みで行ってい
た速度指令Vcの下降・低下を止めたことと、往復完了
時に切換制御信号Sを電磁切換弁92へ送出するように
なったことである。なお、切換制御信号Sの送出時には
ロッド83等を後退させる向きに僅かな駆動力を出すよ
う電動モータ3を制御することも併せて行うようになっ
ている。
【0032】また、他の構成要素についても詳述する
と、電動モータ3には、ブラシレスDCサーボモータや
誘導モータの何れも使用可能であり、ブラシレスDCサ
ーボモータでは永久磁石同期モータ等が用いられ、誘導
モータではかご形誘導モータが多用される。ドライバ2
には、大パワーを効率良く出せて制御性も良い3相電圧
形PWMインバータ等が好まれ、電流検出部3aには、
応答性に優れ精度も良いホール素子等が多用され、速度
検出部3bには、光の断続に基づくエンコーダなど、各
種の速度センサが、用いられる。
【0033】この第1実施例の駆動装置について、その
使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図2
は、可動部材7a等が固定部7bの方へ前進する往路に
おける駆動状態の変化を示す一連の模式図であり、図3
は、可動部材7a等が逆方向に後退する復路における駆
動状態の変化を示す一連の模式図である。また、図4
は、往路における典型的な速度変化および圧力変化を示
す信号波形例である。
【0034】ここでも、往路では定速送り後に定圧制御
を行う場合を例に挙げて説明する。可動部材7a等が初
期位置まで後退している状態から動作を開始するものと
するが(図2(a)参照)、この場合、速度指令Vc
は、その定速送りに対応した一定値で与えられ(図4
(a)参照)、速度制御中に下げられることは無い。こ
の点、従来と異なる。これに対し、力指令Fcは、従来
同様、定圧制御等に対応した一定値で与えられる(図4
(b)参照)。また、切換制御信号Sは未だ送出されな
いので、電磁切換弁92が閉止状態で、シリンダ81内
の油は封止されている。
【0035】そうすると、電動モータ3が回転しこれに
応じてボールネジ5bと油圧シリンダユニット80と可
動部材7aとが纏まって前進する(図2(b)参照)。
そして、可動部材7aが前進している間は、力Ffが閾
値より小さいので(図4(b)参照)、速度指令Vcに
速度Vfを追従させる速度制御が有効となって、電動モ
ータ3が速度指令Vcに対応した高速度で回転し、可動
部材7aがほぼ一定の速度で前進する(図4(a)参
照)。その際、可動部材7aは徐行することなく等速で
前進し続ける。
【0036】それから、可動部材7aがクランプ位置に
達すると、固定部7bの反力によって可動部材7aの前
進がほぼ止められるとともに、力Ffが急激に増加し、
これが閾値を超えると、力指令Fcに力Ffを追従させ
る力制御が有効となる(図4(a)参照)。その際、シ
リンダ81内の油が圧縮されて、油の体積が少しだけ減
少することから、その減少分を補う長さの分だけロッド
83がシリンダ81内に入り込むので、可動部材7a及
びシリンダ81が急停止しても、ロッド83及びボール
ネジ5bは僅かではあっても更に前進して(図2(c)
参照)、それから停止する。これにより、ボールネジ5
bに掛かる衝撃は緩和される。
【0037】そして、この状態では、電動モータ3の回
転は僅かなものに低下するが、その出力トルクは大き
く、ボールネジ機構5を経てクランプ機構7に伝達され
る力Ffは、力指令Fcに対応したものとなる。こうし
て、速度制御および力制御が共に電動モータ3の制御に
て行われるとともに、速度制御から力制御への切り換え
も制御中に自動で行われる。しかも、その切換前の徐行
が無くなって処理時間が短縮されている。
【0038】次に、復路について述べる。電動モータ3
を逆回転させると、ボールネジ5bと油圧シリンダユニ
ット80と可動部材7aとが纏まって後退するが(図3
(a)参照)、油温変化等によって油圧シリンダユニッ
ト80内の油の体積が変化して当初と異なって来ると、
ボールネジ5b等が初期位置に戻っても、ロッド83と
シリンダ81との相対位置にずれが残ってしまう(図3
(b)参照)。そのずれは通常わずかだが(図では強調
して示している)、好ましくはないので、最後に、コン
トローラ10から電磁切換弁92へ切換制御信号Sが送
出されるとともに、コントローラ10からドライバ2へ
逆回転向きの小さな値の電流指令が出される。
【0039】すると、油圧シリンダユニット80内の油
封止が解除されて、シリンダ81とロッド83とのずれ
が解消されるとともに、それに伴う余分な又は不足の油
がシリンダ81とタンク91との間で融通される(図3
(c)参照)。その量はほんの少しに過ぎない。こうし
て、簡便に初期化がなされ、それによって、衝撃緩衝用
に介在させた液体に起因する僅かな変動まで的確に解消
される。
【0040】
【第2実施例】図5(a)に要部を示した駆動装置が上
述した第1実施例のと相違するのは、電磁切換弁92が
漏れの少ないチェック弁タイプの電磁切換弁になった点
である。このチェック弁は、例えばスプール表面に楔形
の切欠を形成しておく等のことで、切換制御信号Sに応
じて閉止状態から連通状態に切り替わる際に徐々に開度
を上げて円滑に圧抜きが行えるようになっている。
【0041】この場合、シリンダ81内の圧力がタンク
91内の圧力を下回ると直ちにタンク91からシリンダ
81へ油が補給されることから、タンク91内が負圧に
なることが無いので、負圧による不所望な気泡発生等を
確実に而も容易に防止することができる。
【0042】
【第3実施例】図5(b)に要部を示した駆動装置が上
述した第1実施例のと相違するのは、油圧シリンダユニ
ット80が両ロッドタイプになった点と、ピストン両側
の連通がピストンに形成された貫通穴によって達成され
ている点である。
【0043】この場合、両ロッド化により、膨張圧縮力
の大きさと液体保持部の伸縮量との対応関係がピストン
の断面積と両ロッドの断面積の差に基づいて調節できる
こととなるので、力の掛かるロッド83を太くしても、
他方のロッドでその面積増加分を相殺することで、ピス
トン径を変えないで済み、そのため、設計自由度が一段
と高くなる。また、貫通穴の形成によって、油圧配管8
4が要らなくなるので、構造も簡素になる。
【0044】
【他の変形例】図6(a)に模式図を示した駆動装置
は、電磁切換弁92に3位置のものが採用されていて、
ピストン82の進退時にはピストン82の進行側の油圧
にしか高圧がかからないようにするとともに、初期化の
ときにはピストン82の両側をタンク91に連通させる
ことができるようになっている。また、 図6(b)や
同図(c)に模式図を示した駆動装置は、ピストン82
の両側のうちロッド側すなわち後退側を常にタンク91
に連通させることで、後退と初期化とが一緒に行われる
ようになったものである。
【0045】
【その他】なお、上記実施例では、作動部がクランプ機
構の場合を述べたが、この発明の応用は、クランプ工程
に限らず、速度追従から力追従へ自動切換する制御を行
う装置であって、作動部に生じる力または伝達される力
が作動限への到達等によって衝撃的に急増するような駆
動が必要なものであれば、可能であり、有益である。例
えば、プレス装置やダイキャストマシーンの他、ガラス
用成形機や,射出成形機,圧入部品装着装置,移載装
置,ロボットアーム等、種々の分野への応用が可能であ
る。
【0046】また、液体は、油圧が普及しており使い易
いが、油圧に限られるもので無く、例えばアプリケーシ
ョンの特質や制約事項等にもよるが、水や、化学合成さ
れた液体、異種液体の混合液、粉粒材の混入液などを用
いても良い。さらに、液体補償手段90による初期化
も、往復駆動の終了後に限らず、復路の途中で後退しな
がら行っても良い。そのほうが処理効率が向上する。あ
るいは、駆動の前にしても良く、前後に行うようにして
も良く、間欠的にしか行わないようにしても良い。
【0047】コントローラ10は、力指令Fcや速度指
令Vcを内部で生成しても良い。また、その処理は、マ
イクロプロセッサによるプログラム処理に限られるもの
で無く、適宜のハードウェアロジック等にて具体化して
も良く、幾つかのソフトウェアと幾つかの個別ハードウ
ェアとで具体化しても良く、さらにはマイクロプロセッ
サが複数個含まれていても良い。
【0048】上記実施例では、定速送り後に定圧制御を
行う場合を述べたが、定速制御や定圧制御は制御方法の
一例に過ぎない。この発明は、それに限られるもので無
く、制御目標を可変する制御等についても適用が可能で
あり、例えば可変速送りや可変の力制御を行う場合につ
いても、速度指令Vcや力指令Fcは適宜変化するが、
有効に機能する。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段の駆動装置にあっては、液体保持部を
介在させて変換機構に掛かる衝撃を緩和するようにした
ことにより、速度制御から力制御への切換に際して徐行
の要らない駆動装置を実現することができたという有利
な効果が有る。
【0050】また、本発明の第2の解決手段の駆動装置
にあっては、導入した液体保持部を利用して力検出を行
うようにしたことにより、力検出関連の設計容易性ばか
りか検出確度も向上し、その結果、速度制御から力制御
への切換に際して徐行の要らない駆動装置を容易かつ的
確に実現することができるようになったという有利な効
果を奏する。
【0051】さらに、本発明の第3の解決手段の駆動装
置にあっては、膨張圧縮力と伸縮量との対応関係をロッ
ド径等によっても調節しうるようにしたことにより、速
度制御から力制御への切換に際して徐行の要らない駆動
装置を容易に実現することができるようになったという
有利な効果が有る。
【0052】また、本発明の第4の解決手段の駆動装置
にあっては、液体が環境変化分だけ補償されるようにし
たことにより、小さな液体容器でも確実に液体保持部の
伸縮量を初期化でき、その結果、速度制御から力制御へ
の切換に際して徐行しなくても損傷せず而も安定してい
る駆動装置を実現することができたという有利な効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動装置の第1実施例について、その
構造を示す模式図である。
【図2】 その駆動状態(往路)の変化を示す模式図で
ある。
【図3】 その駆動状態(復路)の変化を示す模式図で
ある。
【図4】 その速度変化および圧力変化の典型例であ
る。
【図5】(a)は、本発明の駆動装置の第2実施例につ
いての要部模式図であり、(b)は、本発明の駆動装置
の第3実施例についての要部模式図である。
【図6】本発明の駆動装置について、その他変形例の模
式図である。
【図7】従来の駆動装置についての模式図である。
【図8】 その速度変化および圧力変化の典型例であ
る。
【符号の説明】
1 コントローラ(帰還制御回路、制御装置) 2 ドライバ(PWMインバータ、電流出力回路、電力
変換回路) 3 電動モータ(永久磁石同期モータ、かご形誘導モー
タ) 3a 電流検出部(ホールCT、ホール素子、絶縁ア
ンプ) 3b 速度検出部(タコジェネレータ、レゾルバ、エ
ンコーダ) 3c 出力軸(回転駆動部材) 4 減速ギヤ(ベルト、チェーン、回転伝達部材、伝動
機構) 5 ボールネジ機構(伝動機構における機械式の変換機
構) 5a ボールナット(回転運動部) 5b ボールネジ(進退部材、直線運動部) 6 ロードセル(力検出部) 7 クランプ機構(作動部) 7a 可動部材(可動部、反力発生部) 7b 固定部(固定部材、反力発生部) 10 コントローラ(制御回路、制御装置) 60 圧力計(反力検出、作用力検出、伝達力検出、力
検出部) 80 油圧シリンダユニット(液圧シリンダ部、液体保
持部) 81 シリンダ 82 ピストン 83 ロッド 84 油圧配管(連通部材) 90 液体補償手段(液体保持部初期化手段) 91 タンク(液体容器) 92 電磁切換弁(切換手段) 93 分岐配管(油圧配管)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J069 AA50 EE63 5H570 AA23 BB09 DD03 DD08 FF01 GG01 GG06 HB07 HB16 LL02 LL12 LL40 5H607 AA01 BB01 BB06 BB09 BB14 BB26 CC07 CC09 DD02 DD07 DD18 EE02 EE14 EE17 EE31 EE52 HH02 HH03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動モータと、その出力を作動部に伝達す
    る伝動機構と、この伝動機構の一部として設けられ前記
    電動モータの回転運動を直線運動に変換する変換機構
    と、この変換機構を経て前記作動部へ伝達される力を検
    出する力検出手段と、前記電動モータについて又はその
    出力を伝達された他の部材についてその速度を検出する
    速度検出手段と、前記速度検出手段の検出結果を帰還さ
    せて行う速度制御および前記力検出手段の検出結果を帰
    還させて行う力制御を共に前記電動モータの制御にて行
    うとともにその制御中に前記速度制御から前記力制御へ
    切り換えることも行う制御装置とを備えた駆動装置にお
    いて、液体を保持するとともにその液体の圧縮膨張に連
    動して前記直線運動の方向へ伸縮する液体保持部が、前
    記伝動機構の一部として前記変換機構の後段に設けられ
    ていることを特徴とする駆動装置。
  2. 【請求項2】前記力検出手段が前記液体の圧力を検出す
    るものであることを特徴とする請求項1記載の駆動装
    置。
  3. 【請求項3】前記液体保持部は、ピストン及び小径のロ
    ッドを収めるとともにそのピストンの両側を連通させた
    液圧シリンダが設けられたものであることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載された駆動装置。
  4. 【請求項4】液体容器と、この液体容器と前記液体保持
    部との連通遮断を切り換える切換手段とを備え、前記制
    御装置は、前記速度制御および前記力制御を行っている
    ときには前記切換手段の切換状態を遮断側にさせるとと
    もにその前に又は後で連通側にさせるものであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載された
    駆動装置。
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