JP2001095206A - 扁平型整流子及びその製造方法 - Google Patents

扁平型整流子及びその製造方法

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JP2001095206A
JP2001095206A JP26857999A JP26857999A JP2001095206A JP 2001095206 A JP2001095206 A JP 2001095206A JP 26857999 A JP26857999 A JP 26857999A JP 26857999 A JP26857999 A JP 26857999A JP 2001095206 A JP2001095206 A JP 2001095206A
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peripheral surface
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Ken Yoshida
謙 吉田
Shinya Ashimura
伸哉 芦村
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OOPAKKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボン製の整流子セグメントとコイル接続
用端子を有する金属セグメントとの良好な電気的接続を
実現し、且つ整流子セグメントの金属セグメント及び絶
縁性支持体への強固な固着が得られる。 【解決手段】 絶縁性支持体の少なくとも外周に沿って
コイル接続用端子を有する金属セグメントを相互に絶縁
して固着し、該絶縁性支持体と該金属セグメントで形成
される凹部にカーボンを主成分とする整流子セグメント
を相互に絶縁して固着し、該整流子セグメントのブラシ
摺接面が回転子の軸方向に対して垂直である扁平型整流
子において、該金属セグメントの内周面と該整流子セグ
メントの外周面との間に嵌合隙間を形成し、該嵌合隙間
にバネ性金属板を嵌合することを特徴とする扁平型整流
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料ポンプなどに
使用する小型モータに組み込まれる整流子、特にブラシ
摺接面が回転子の軸方向に対して垂直である扁平型整流
子、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有毒ガス雰囲気中で使用するファ
ンやガソリンの中で用いる燃料ポンプ等の駆動源である
モータに扁平型整流子が使用されており、耐腐食性の観
点から扁平型整流子の整流子セグメント或いはそのブラ
シ摺接面の材質をカーボンとしたものがある。かかる扁
平型整流子として、例えば特開平8−65966号、特
開平7−298559号には、絶縁性支持体の外周にコ
イル接続用端子を有する金属セグメントが固着され、各
金属セグメント及び絶縁性支持体で形成される凹部に各
整流子セグメントが固着された構成が開示されている。
【0003】より詳細には、前記特開平8−65966
号の扁平型整流子は、互いにスリットで絶縁された複数
の整流子片が電気絶縁性支持体に直接固着され、回転子
の軸方向と平行な各整流子片の外周面に、巻き線接続用
端子を持った整流子片接続用金属板が固着されている。
前記整流子片の成形と、その整流子片の電気絶縁性支持
体及び整流子片接続用金属板に対する固着が同時に行わ
れ、高い固着力を有するものである。
【0004】また、前記特開平7−298559号の扁
平型整流子は、各ライザ片に各接続片が連設され、各セ
グメントの外周面に形成された凸部に各接続片に形成さ
れた凹部が係合され、各接続片が各セグメントの外周面
に配されて半田付け部により電気的に接続されており、
ボス部が前記ライザ片を突出させた状態で、前記各接続
片の一部を外周側から包囲している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
8−65966号の扁平型整流子は、整流子片の成形と
前記整流子片の電気絶縁性支持体及び整流子片接続用金
属板への固着を同時に行って製造されるが、そのため整
流子材料として樹脂入りカーボン材料を使用することと
なる。そして、前記樹脂入りカーボン材料を用いると、
電気抵抗が高くなると共にブラシとの摺動抵抗が高くな
り、モータ効率が悪くなるという問題がある。
【0006】また、上記特開平7−298559号の扁
平型整流子は、各接続片が各セグメントの外周面に配さ
れて半田付け部で機械的に結合及び電気的に接続されて
いるが、完成した扁平型整流子をモータに組み込むとき
に行う結線のためのヒュージング作業の際に、ライザ片
周辺が高温となって半田層が溶けて、整流子セグメント
が所定の位置からずれるという問題がある。さらに前記
扁平型整流子は、接続片を形成するための円筒体の形状
が複雑となって、製造コストが高くなるという欠点を有
する。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あって、カーボン製の整流子セグメントとコイル接続用
端子を有する金属セグメントとの良好な電気的接続を実
現し、且つ整流子セグメントの金属セグメント及び絶縁
性支持体への強固な固着が得られると共に、製造コスト
が低減できる扁平型整流子及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。従って、ヒュージング作業時等にお
いて整流子セグメントの位置ズレが起きることを防止で
きる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の扁平型整流子
は、絶縁性支持体の少なくとも外周に沿ってコイル接続
用端子を有する金属セグメントを相互に絶縁して固着
し、該絶縁性支持体と該金属セグメントで形成される凹
部にカーボンを主成分とする整流子セグメントを相互に
絶縁して固着し、該整流子セグメントのブラシ摺接面が
回転子の軸方向に対して垂直である扁平型整流子におい
て、該金属セグメントの内周面と該整流子セグメントの
外周面との間に嵌合隙間を形成し、該嵌合隙間にバネ性
金属板を嵌合することを特徴とする。前記バネ性金属板
を嵌め込んで介在させることにより、カーボンを主成分
とする各整流子セグメントと各金属セグメントとの良好
な或いは完全な電気的接続を実現する。前記絶縁性支持
体としては樹脂製のものを用いると好適である。
【0009】さらに、上記扁平型整流子は、前記カーボ
ンがグラファイト若しくは無定形炭素若しくは両者の混
合材であることを特徴とする。
【0010】また、上記扁平型整流子は、前記金属セグ
メントと前記絶縁性支持体を形状結合で固着しているこ
とを特徴とする。
【0011】また、上記扁平型整流子は、前記整流子セ
グメントと前記絶縁性支持体を接合材、例えば導電性接
着剤を含む接着剤で固着していることを特徴とする。ま
た、上記扁平型整流子は、前記バネ性金属板の少なくと
も一部に導電性接合材を塗布していることを特徴とす
る。例えば、バネ性金属板の両面全部若しくは片面全部
若しくはこれらの面の一部に導電性接着剤を塗布する。
なお前記接合材には半田や鑞なども含まれる。
【0012】そして、本発明の扁平型整流子の製造方法
は、絶縁性支持体のモールド成形時にコイル接続用端子
を有する金属リングの一端側をインサート成形して凹部
を形成する工程、該凹部にカーボンを主成分とする整流
子部を遊挿して該絶縁性支持体に固着する工程、該整流
子部の外周面と該金属リングの内周面との間に形成され
た嵌合隙間にバネ性金属板を嵌合する工程、少なくとも
該整流子部及び該金属リングにスリットを入れて分割
し、相互に絶縁された整流子セグメント及び金属セグメ
ントとするスリット加工を行う工程を有することを特徴
とする。
【0013】また、本発明の扁平型整流子の製造方法
は、絶縁性支持体のモールド成形時にコイル接続用端子
を有する金属リングの一端側をインサート成形して凹部
を形成する工程、該金属リングの内周面に沿ってバネ性
金属板を配置し、該凹部で該バネ性金属板の内側にカー
ボンを主成分とする整流子部を挿入して該絶縁性支持体
に固着する工程、少なくとも該整流子部及び該金属リン
グにスリットを入れて分割し、相互に絶縁された整流子
セグメント及び金属セグメントとするスリット加工を行
う工程を有することを特徴とする。
【0014】上記製造方法においては、必要に応じて該
金属リングのコイル接続用端子の曲げ加工、該絶縁性支
持体の軸孔や該金属リングの内周面の切削加工、該整流
子部のブラシ摺接面の切削加工を行うと好適である。
【0015】
【作用】本発明の扁平型整流子及びその製造方法は、コ
イル接続用端子を有する金属セグメントの内周面とカー
ボンを主成分とする整流子セグメントの外周面との間に
形成された嵌合隙間に、バネ性、導通性、耐食性のある
バネ性金属板を挿入或いは嵌合するため、両者間或いは
絶縁性支持体を含んだ三者間の機械的結合が確実に且つ
安定して行われると共に、両者間の電気的接続が確実に
且つ良好に行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の扁平型整流子及び
その製造方法を図に於ける具体的な実施形態に基づいて
説明する。図1は本発明に係る扁平型整流子の平面図、
図2は図1の扁平型整流子のA−A線縦断面図、図3は
図1の扁平型整流子の下面図である。
【0017】図に於いて扁平型整流子1は、絶縁性支持
体10と、絶縁性支持体10の外周面10eに沿って固
着されたコイル接続用端子20aを有する複数の金属セ
グメント20と、絶縁性支持体10と金属セグメント2
0で形成される凹部40に固着されたカーボンを主成分
とする複数の整流子セグメント30とを有し、金属セグ
メント20及び整流子セグメント30はスリット50で
相互に分割することで絶縁されている。各整流子セグメ
ント30のブラシ摺接面30aは回転子(図示せず)の
軸方向に対して垂直であり、前記ブラシ摺接面30aは
ブラシ(図示せず)と摺動し、コイル接続用端子20a
に接続されたコイル(図示せず)から前記コイルを巻回
した回転子に電流が供給され、回転子が回転する構成で
ある。
【0018】絶縁性支持体10は熱硬化性樹脂等で成形
された略円盤状であり、中心に軸支部10aと軸孔10
bが形成され、前記軸孔10bに図に省略したモータの
回転子軸が挿入されて取り付けられるようになってい
る。また上面には段差を有して面10c、10dが形成
されており、10fは貫通孔である。なお絶縁製支持体
10の中にセグメント毎に設けられた前記貫通孔10f
は、例えば後述する整流子セグメント30を接着剤60
で接合する場合のガス抜けや接着剤60の逃げ場とな
り、整流子セグメント30の固着力を高めることができ
る。
【0019】前記絶縁性支持体10は樹脂等によるモー
ルド成形で形成され、後述するように前記モールド成形
と同時にインサート成形で金属セグメント20の基とな
る金属リングの一端側が絶縁性支持体10の外周面10
eに沿って取り付けられる。なお金属セグメント20は
外周面10eを覆うものでなくともよく、端部が絶縁性
支持体10の外周に食い込んだものや、絶縁性支持体1
0上に一部が位置するもの等、絶縁性支持体10の少な
くとも外周に沿って設けられるものであれば適宜であ
る。
【0020】金属セグメント20は前記金属リングにス
リット50を入れ、複数に分割して形成した略扇形であ
って、前記スリット50は絶縁性支持体10の整流子セ
グメント30との固着面に一部食い込む形で形成され、
隣り合う相互の金属セグメント20はスリット50で電
気的に絶縁されている。前記金属セグメント20には鉤
状のコイル接続用端子20aが外側に形成されていると
共に、内側にはアンカー爪20b、20cが形成されて
おり、前記アンカー爪20b、20cは絶縁性支持体1
0内部に食い込んで、絶縁性支持体10と金属セグメン
ト20が強固に固着している。
【0021】前記アンカー爪20b、20cは前記金属
リングのインサート成形時に絶縁性支持体10内部に食
い込み、外周面10eに沿って金属セグメント20が絶
縁性支持体10と形状結合することとなる。なおアンカ
ー爪20b、20cの他、小突起などを金属セグメント
20或いは前記金属リングに設けて形状結合を行っても
よい。又コイル接続用端子20aは、モータの回転子組
み立て時に回転子のコイルにヒュージングによって結線
される。
【0022】整流子セグメント30は略扇形で、固着側
と反対側である上面にブラシ摺接面30aが形成されて
いると共に、下面には段差30eを有して面30b、3
0cが形成されており、本実施形態では絶縁性支持体1
0のブラシ摺動側の面10c及び段差10gの箇所に整
流子セグメント30の面30b及び段差30eが接着剤
60で固着されている。前記接着剤60による固着箇所
は面10c及び段差10gに限定されず、例えば図4の
二点鎖線に示すように整流子部31の面31b、31c
及び段差31f及び嵌合孔31d内に接着剤60を塗布
し、前記整流子部31の箇所或いは整流子セグメント3
0となった場合における前記箇所と、絶縁性支持体10
における対応箇所を固着する、又は前記箇所の中から選
択した箇所を固着するなど適宜である。
【0023】なお扁平型整流子1は、整流子セグメント
30の下面には段差31fが無い平面状などでもよく、
また金属セグメント20の上面、整流子セグメント30
の上面であるブラシ摺接面30a、絶縁性支持体10の
軸支部10aの上面は面一でなくてもよい等、本発明の
趣旨の範囲内で適宜である。
【0024】前記整流子セグメント30は略円盤状の整
流子部31にスリット50を入れ、複数に分割して形成
されており、前記スリット50は絶縁性支持体10の整
流子セグメント30との固着面に一部食い込む形で形成
され、隣り合う整流子セグメント30相互はスリット5
0で電気的に絶縁されている。
【0025】前記整流子部31は図4に示すように、上
面にブラシ摺接面31aを有し、下面には絶縁性支持体
10の上面に設けられた面10c、10dに対応するよ
うに面31b、31cが設けられている。その中心には
絶縁性支持体10の軸支部10aに嵌合する嵌合孔31
dが形成されている。前記整流子部31は軸支部10
a、面10c、10d及び金属セグメント20の内周面
20dとなる前記金属リングの内周面で囲まれて形成さ
れた凹部40に遊挿して嵌合され、整流子セグメント3
0の外周面30dとなる整流子部31の外周面31eと
金属セグメント20の内周面20dとなる金属リングの
内周面は隙間を介して対向し、その間には嵌合隙間70
が形成されることとなる。なお凹部40の形状は上記断
面コ字形等に限定されるものではなく、例えば金属セグ
メント20と絶縁性支持体10とからなる断面L字形な
ど所要の整流子セグメント30を固着できる形状であれ
ば適宜である。
【0026】前記整流子セグメント30及び整流子部3
1はカーボンを主成分とするが、前記カーボンはグラフ
ァイト或いは無定形炭素或いは両者の混合材とすると好
適であり、この主成分となるカーボンの一部にはカーボ
ン繊維材を混入することもある。また整流子セグメント
30或いは整流子部31を絶縁性支持体10に固着する
際に用いる接着剤60としては、フェノール系或いはエ
ポキシ系接着剤や銀やカーボンなどの導電性材料を混入
させた導電性接着剤を用いる。
【0027】前記嵌合隙間70の幅は特に限定するもの
ではないが、本実施形態では0.1〜0.5mm程度に
形成され、嵌合隙間70には予め所定形状や大きさで設
計して製作した良好なバネ性・導通性・耐食性を備えた
バネ性金属板80が嵌め込まれている。また嵌合隙間7
0は金属セグメント20の内周面20dと整流子セグメ
ント30の外周面30dによって形成され、バネ性金属
板80を嵌合できるものであれば適宜であり、例えば前
記内周面20dと前記外周面30dの高さは全部或いは
一部で同じでなくともよい。前記バネ性金属板80が嵌
合隙間70に嵌め込まれていることで、楔作用を発揮し
て機械的な結合強度を向上できると共に、金属セグメン
ト20及び整流子セグメント30の電気的接続を極めて
良好にすることができる。
【0028】バネ性金属板80の材質や表面処理等は上
記特性など本発明の趣旨の範囲内で適宜であるが、リン
青銅、ベリリウム銅、ステンレスなどの材質が好適であ
り、加えてガソリン液に含有される硫黄などの不純物に
対する耐食性をより高めるため、それらの材質に錫、ニ
ッケル、銅、クロム、金などのメッキを施してもよい。
なお、これらのメッキはコイル接続用端子20aを有す
る金属セグメント20の全面若しくは一部に施してもよ
い。
【0029】前記バネ性金属板80は嵌合隙間70に嵌
め込まれてスリット50を形成される前はリング状であ
り、このリング状バネ性金属板81が嵌合隙間70に嵌
め込まれる前の形状例を図5乃至図9に示す。図5
(a)はリング状のバネ性金属板の第一例を示す平面
図、同図(b)はリング状のバネ性金属板の第一例を示
す断面図、図6は第一例のリング状のバネ性金属板を形
成する前の薄板を示す正面図、図7は第二例のリング状
のバネ性金属板を形成する前の薄板を示す正面図、図8
は第三例のバネ性金属板を示す正面図、図9は第四例の
リング状のバネ性金属板を形成する前の薄板を示す正面
図である。
【0030】リング状バネ性金属板81は薄板82をリ
ング状にしながら嵌め込む際に形成されるもので、第一
例におけるリング状バネ性金属板81は、図5及び図6
に示すように、長方形の平らな薄板82を丸めて形成さ
れ、両端部82m、82nとの間には隙間83が形成さ
れる。薄板82の長手方向の寸法は、薄板82を丸めて
リング状バネ性金属板81を嵌合隙間70に嵌め込む際
に、前記隙間83の寸法が1mm以下となる寸法とする
ことが好ましい。なお前記薄板82は、予め丸め加工し
たものを嵌め込むと嵌め込み後のバネ性が失われ、金属
セグメント20と整流子セグメント30との電気的な接
続が不安定になると同時に、両者への機械的な固着強度
が弱くなるので、予め嵌め込む前に丸める加工は行わな
い。
【0031】第二例に於けるリング状バネ性金属板81
は、図7に示すような長方形の薄板82を嵌合隙間70
へ嵌め込む際に形成されるもので、前記薄板82には下
部に楔形部82aが設けられている。前記楔形部82a
を設けることで、電気的接続が強くなると共に薄板82
をリング状にして嵌挿した際に位置ズレがより起こりに
くくなり、さらに薄板82をリング状にして嵌合隙間7
0に嵌挿する際に、その嵌挿が容易となる。同様に、図
8に示す第三例のバネ性金属板80(薄板82)にも楔
形部82aが設けられているが、本例のバネ性金属板8
0はリング状にして嵌挿するのではなく、各整流子セグ
メント30毎に一枚ずつ嵌挿できる薄板82の形状であ
る。
【0032】第三例のバネ性金属板80に於ける薄板8
2は、図9に示すように、薄板82の下部にエッジ部8
2bが設けられたものである。前記薄板82は、整流子
部31を絶縁性支持体10に接着剤60で固着する前
に、金属セグメント20となる金属リングの内周面に沿
って薄板82をセットして配置し、その後に整流子部3
1を絶縁性支持体10に接着剤60で固着する際に用い
る場合に好適である。前記エッジ部82bの働きによっ
て、整流子部31或いは整流子セグメント30の固着後
に薄板82の位置ズレがより起こりにくくなる。
【0033】次に本発明の扁平型整流子の製造方法につ
いて説明する。図10は図1の扁平型整流子のA−A線
縦断面図に相当する部分における整流子部を遊挿する前
の状態を示す縦断面図、図11は図1の扁平型整流子の
A−A線縦断面図に相当する部分における金属リングを
嵌合する前の状態を示す縦断面図である。
【0034】先ず、図10に示すように、絶縁性支持体
10のモールド成形時或いは同時に、コイル接続用端子
20aを有する金属リングの一端側を、アンカー爪20
b、20cが絶縁性支持体10に食い込むようにインサ
ート成形して固着することで形状結合し、絶縁性支持体
10の軸支部10a、面10c、10d及び金属セグメ
ント20の内周面20dとなる前記金属リングの内周面
で囲まれた凹部40を形成する。その後に金属リングの
コイル接続用端子20aの曲げ加工を行うと共に、絶縁
性支持体10の軸孔10b等や前記金属リングの内周面
等に必要に応じて切削加工を行う。
【0035】その後、図11に示すように、凹部40に
カーボンを主成分とする整流子部31を遊挿して絶縁性
支持体10に接着剤60で固着する。これは図4に示す
ような断面形状の整流子部31の一部表面に、例えば図
示したような二点鎖線部分に接着剤60を塗布し、整流
子部31の嵌合孔31dと絶縁性支持体10の軸支部1
0aを嵌合して前記整流子部31を凹部40に挿入して
固着する。この際に、整流子部31の外周面31eと前
記金属リングの内周面との間に嵌合隙間70が形成され
るように予め設計されている。そして、必要に応じて前
記接着剤60に対して、150℃前後の温度で恒温浴を
行うことで硬化熱処理を施す。
【0036】その後、整流子部31の外周面31eと金
属リングの内周面との間に形成された嵌合隙間70に、
バネ性金属板80となる薄板82をリング状バネ性金属
板81としながら嵌合して挿入する。前記嵌合及び挿入
は、治具などを用いて薄板82を丸めてリング状にしな
がら行う。
【0037】その後、整流子部31のブラシ摺接面31
aに切削加工を施して平滑化すると共に、整流子部31
及び前記金属リングにスリット50を入れて分割し、相
互に絶縁された整流子セグメント30及び金属セグメン
ト20とするスリット加工を行う。例えば、リング状バ
ネ性金属板81が用いられている本製造方法では、整流
子部31のブラシ摺接面31aにスリット加工を加える
と共に、整流子部31及び前記金属リング及びリング状
バネ性金属板81をスリット加工で分割し、金属セグメ
ント20相互及び整流子セグメント30相互及びバネ性
金属板80相互がスリット50で電気的に絶縁される。
以上の工程で本発明の扁平型整流子が得られる。なおバ
ネ性金属板80にはリング状に丸めるものではなく、予
め分割されているものを使用することも可能である。
【0038】また、本発明の扁平型整流子における別の
製造方法について説明する。図12は図1の扁平型整流
子のA−A線縦断面図に相当する部分における金属リン
グを配置した状態を示す縦断面図である。
【0039】先ず、本製造方法においても、絶縁性支持
体10のモールド成形と同時にコイル接続用端子20a
を有する金属リングの一端側をインサート成形して形状
結合し、凹部40を形成する工程と、前記金属リングの
コイル接続用端子20aの曲げ加工を行うと共に、絶縁
性支持体10の軸孔10bや前記金属リングの内周面の
切削加工を必要に応じて行う工程を行うことは同様であ
る。
【0040】その後、上述した製造方法と異なり、前記
金属リングの内周面に沿ってバネ性金属板80となる薄
板82を丸めてリング状バネ性金属板81として配置
し、凹部40でリング状バネ性金属板81の内側にカー
ボンを主成分とする整流子部31を挿入して絶縁性支持
体10に接着剤60で固着する。即ち、整流子部31を
絶縁性支持体10に固着する前に、リング状バネ性金属
板81を前記金属リングの内周面に図12のようにセッ
トし、その後に整流子部31を凹部40に挿入して絶縁
性支持体10に固着する。
【0041】その後、上述した製造方法と同様に、整流
子部31のブラシ摺接面31aの切削加工を行うと共
に、整流子部31及び前記金属リングにスリット50を
入れて分割し、相互に絶縁された整流子セグメント30
及び金属セグメント20とするスリット加工を行う。こ
れにより、整流子部31及び前記金属リング及びリング
状バネ性金属板81をスリット加工で分割し、金属セグ
メント20相互及び整流子セグメント30相互及びバネ
性金属板80相互がスリット50で電気的に絶縁され
る。又本製造方法においても、バネ性金属板80にはリ
ング状に丸めるものではなく、予め分割されているもの
を使用することも可能である。
【0042】なお上記バネ性金属板80或いはリング状
バネ性金属板81は単に嵌合隙間に嵌合してもよいが、
挿入前或いはセット前にその表面の全面若しくは一部に
導電性接着剤を塗布しても好適である。これにより、金
属セグメント20と整流子セグメント30の固着をより
強固にできると共に、両者の電気的接続をより完全にで
きる。前記導電性接着剤を塗布する場合、第一の製造方
法ではリング状バネ性金属板81を挿入後に、第二の製
造方法では整流子部31を挿入後に、恒温浴にて150
℃前後の温度で加熱し、熱硬化処理を施す。
【0043】また、整流子部31或いは整流子セグメン
ト30と絶縁性支持体10との固着に用いる接着剤60
に導電性接着剤を用いると好適である。前記導電性接着
剤によって、例えば整流子部31の一部の面31b、3
1c及び段差31f及び嵌合孔31d内に接着剤60を
塗布し、絶縁性支持体10に整流子部31を挿入する
際、前記接着剤60が整流子部31の外周面31eや金
属リングの内周面に漏れて付着し、金属セグメント20
と整流子セグメント30との電気的接続を阻害すること
を防止できる。
【0044】上述のように本発明の扁平型整流子及びそ
の製造方法は、整流子セグメント30の外周面30dと
金属セグメント20の内周面20dとの間の嵌合隙間7
0にバネ性金属板80を嵌め込み、そのバネ性を利用し
て外周面30dと内周面20dとを確実に接触させ、そ
れを通して整流子セグメント30と金属セグメント20
との電気的接続を完全にするものである。そして、これ
によって従来のメッキ法におけるヒュージング時の整流
子セグメントの位置ズレを防止でき、また従来のモール
ド法における接合抵抗が高くなる問題などの欠点を改善
できる。
【0045】
【発明の効果】本発明の扁平型整流子及びその製造方法
は上記構成であるから、カーボン製の整流子セグメント
とターミナルを有する金属セグメントとの良好な電気的
接続を実現でき、且つ整流子セグメントの金属セグメン
ト及び絶縁性支持体への強固な固着が得られると共に、
より単純化した構造で製造コストが低減できる効果があ
る。従って、ヒュージング作業時等において整流子セグ
メントの位置ズレが起きることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る扁平型整流子の平面図。
【図2】図1の扁平型整流子のA−A線縦断面図。
【図3】図1の扁平型整流子の下面図。
【図4】整流子部の縦断面図。
【図5】(a)リング状のバネ性金属板の第一例を示す
平面図。 (b)リング状のバネ性金属板の第一例を示す断面図。
【図6】第一例のリング状のバネ性金属板を形成する前
の薄板を示す正面図。
【図7】第二例のリング状のバネ性金属板を形成する前
の薄板を示す正面図。
【図8】第三例のバネ性金属板を示す正面図。
【図9】第四例のリング状のバネ性金属板を形成する前
の薄板を示す正面図。
【図10】図1の扁平型整流子のA−A線縦断面図に相
当する部分における整流子部を遊挿する前の状態を示す
縦断面図。
【図11】図1の扁平型整流子のA−A線縦断面図に相
当する部分における金属リングを嵌合する前の状態を示
す縦断面図。
【図12】図1の扁平型整流子のA−A線縦断面図に相
当する部分における金属リングを配置した状態を示す縦
断面図。
【符号の説明】
1 扁平型整流子 10 絶縁性支持体 10e 外周面 20 金属セグメント 20a コイル接続用端子 20d 内周面 30 整流子セグメント 30a ブラシ摺接面 30d 外周面 31 整流子部 40 凹部 50 スリット 60 接着剤 70 嵌合隙間 80 バネ性金属板 81 リング状バネ性金属板 82 薄板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E063 EA03 XA01 5H613 AA01 AA03 BB04 BB07 BB08 BB09 BB15 GA04 GA05 GA06 GA07 GB01 GB02 GB06 GB08 GB09 GB12 GB13 GB17 KK01 KK03 KK04 KK05 KK06 KK07 KK10 PP07 PP08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性支持体の少なくとも外周に沿って
    コイル接続用端子を有する金属セグメントを相互に絶縁
    して固着し、該絶縁性支持体と該金属セグメントで形成
    される凹部にカーボンを主成分とする整流子セグメント
    を相互に絶縁して固着し、該整流子セグメントのブラシ
    摺接面が回転子の軸方向に対して垂直である扁平型整流
    子において、該金属セグメントの内周面と該整流子セグ
    メントの外周面との間に嵌合隙間を形成し、該嵌合隙間
    にバネ性金属板を嵌合することを特徴とする扁平型整流
    子。
  2. 【請求項2】 前記カーボンがグラファイト若しくは無
    定形炭素若しくは両者の混合材であることを特徴とする
    請求項1記載の扁平型整流子。
  3. 【請求項3】 前記金属セグメントと前記絶縁性支持体
    を形状結合で固着していることを特徴とする請求項1又
    は2記載の扁平型整流子。
  4. 【請求項4】 前記整流子セグメントと前記絶縁性支持
    体を接合材で固着していることを特徴とする請求項1、
    2又は3記載の扁平型整流子。
  5. 【請求項5】 前記バネ性金属板の少なくとも一部に導
    電性接合材を塗布していることを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載の扁平型整流子。
  6. 【請求項6】 絶縁性支持体のモールド成形時にコイル
    接続用端子を有する金属リングの一端側をインサート成
    形して凹部を形成する工程、該凹部にカーボンを主成分
    とする整流子部を遊挿して該絶縁性支持体に固着する工
    程、該整流子部の外周面と該金属リングの内周面との間
    に形成された嵌合隙間にバネ性金属板を嵌合する工程、
    少なくとも該整流子部及び該金属リングにスリットを入
    れて分割し、相互に絶縁された整流子セグメント及び金
    属セグメントとするスリット加工を行う工程を有するこ
    とを特徴とする扁平型整流子の製造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁性支持体のモールド成形時にコイル
    接続用端子を有する金属リングの一端側をインサート成
    形して凹部を形成する工程、該金属リングの内周面に沿
    ってバネ性金属板を配置し、該凹部で該バネ性金属板の
    内側にカーボンを主成分とする整流子部を挿入して該絶
    縁性支持体に固着する工程、少なくとも該整流子部及び
    該金属リングにスリットを入れて分割し、相互に絶縁さ
    れた整流子セグメント及び金属セグメントとするスリッ
    ト加工を行う工程を有することを特徴とする扁平型整流
    子の製造方法。
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