JP2001094387A - Sawデバイス及びその製造方法 - Google Patents

Sawデバイス及びその製造方法

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JP2001094387A JP26423899A JP26423899A JP2001094387A JP 2001094387 A JP2001094387 A JP 2001094387A JP 26423899 A JP26423899 A JP 26423899A JP 26423899 A JP26423899 A JP 26423899A JP 2001094387 A JP2001094387 A JP 2001094387A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面実装可能な小型で高精度なSAWデバイ
ス及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 圧電基板21上に形成されたすだれ状電
極23と、前記すだれ状電極23に電気的に接続された
引き出し電極22を有する弾性表面波素子20と、前記
弾性表面波素子20を封止するため、前記圧電基板にお
ける前記すだれ状電極23の形成面上に接着部材40を
介して接合されていて、前記引き出し電極22にあたる
部位に切り欠き部31が形成されているキャップ30
と、前記キャップ30の表面30aに形成されており、
前記引き出し電極22と電気的に接続されている外部電
極部50とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SAWデバイス及
びその製造方法の改良、特に、表面実装することができ
るSAWデバイス及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図7は従来のSAW(Surface
Acoustic Wave:弾性表面波)デバイスの
一例を示す構成図であり、図7を参照してSAWデバイ
ス1について説明する。
【0003】図7のSAWデバイス1は、弾性表面波素
子(以下「SAWチップ」という)2、キャップ3、外
部電極部4、引き出し電極5等を有している。SAWチ
ップ2は、SAW共振子やSAWフィルタ等であって、
たとえば水晶板等からなる圧電基板の表面にすだれ状電
極等が形成されている。キャップ3は、弾性表面波素子
2を封止するものであって、一端面3a側から他端面3
b側にわたって外部電極部4が形成されている。外部電
極部4にはSAWチップ2の引き出し電極5が接合され
ていて、SAWチップ2は、外部電極部4を介して外部
と電気的に接続される。
【0004】また、図8は従来のSAWデバイスの別の
一例を示す構成図であり、図8を参照してSAWデバイ
ス6について説明する。
【0005】図8のSAWデバイス6はSAWチップ
7、キャップ8、外部電極部9等を有している。SAW
チップ7は、圧電基板にすだれ状電極等が形成されたも
のであって、表面に半田バンプ7aが形成されている。
キャップ8には、スルーホール8aが形成されており、
キャップ8の一面8b側からスルーホール8aを通って
他面側8cに導電部材からなる外部電極部9が形成され
ている。そして、一面8b側の外部電極部9には半田バ
ンプ7aが接合されていて、他面8c側の外部電極部9
は外部と電気的に接続される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したSA
Wデバイス1、6には以下の問題がある。
【0007】まず、SAWチップ2、7を導通させるた
めの外部電極部4、9は、それぞれキャップ3、8に予
め形成しておく必要があり、キャップ3、8を製造する
際の工程数が多くなり、時間がかかるとともにコストが
高くなってしまうという問題がある。
【0008】また、図7及び図8のSAWデバイス1、
6において、SAWチップ2、7の封止工程と外部電極
部4、9とSAWチップ2、7の接続工程が同時に行わ
れている。このため、封止を行いながら、かつ、引き出
し電極5もしくは半田バンプ7aが正確に外部電極部9
上に位置決めされなければならず、SAWデバイス1、
6の製造が困難であるという問題がある。
【0009】さらに、図7のSAWデバイス1において
は、キャップ3の側面にも外部電極部4が形成されてい
るため、ウェハ状態で形成されている複数のキャップ3
をダイシングしてから、それぞれ外部電極部4を形成す
る必要がある。このため、短時間で多くのキャップ3を
製造することができないという問題がある。
【0010】また、外部電極4、9は、封止の際の高温
に耐えられる材質で形成されなければならないという問
題がある。さらにキャップ3に形成された外部電極4、
9の一部が剥離し、すだれ状電極をショートさせるとい
う問題がある。
【0011】そこで、本発明の目的は、上記課題を解消
して、表面実装可能な小型で高精度なSAWデバイス及
びその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、圧電
基板上に形成されたすだれ状電極と、前記すだれ状電極
に電気的に接続された引き出し電極を有する弾性表面波
素子と、前記弾性表面波素子を封止するため、前記圧電
基板における前記すだれ状電極の形成面上に接着部材を
介して接合されていて、前記引き出し電極にあたる部位
に切り欠き部が形成されているキャップと、前記キャッ
プの表面に形成されており、前記引き出し電極と前記切
り欠き部を介して電気的に接続されている外部電極部と
を有するSAWデバイスを特徴とする。
【0013】請求項1の構成によれば、キャップには弾
性表面波素子の引き出し電極を露出するように切り欠き
部が形成されている。また、引き出し電極から切り欠き
部を介してキャップの表面に外部電極部が形成されてい
る。すなわち、引き出し電極と外部電極部は電気的に接
続されている状態となる。従って、SAWデバイスは外
部電極部に導電性接着剤やはんだ等を用いて基板に表面
実装することが可能となる。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記切り欠き部は前記キャップの角部に形成されて
いるとともに、前記引き出し電極は前記圧電基板の角部
に形成されているSAWデバイスを特徴とする。
【0015】請求項2の構成によれば、SAWデバイス
が熱膨張したときに圧電基板とキャップの接合面におけ
る角部の部位に応力が集中する。このとき、角部に切り
欠き部を設けることで角部への応力の集中を防止するこ
ととなる。
【0016】請求項3の発明は、請求項1乃至請求項2
のいずれかの構成において、前記外部電極部は、導電薄
膜によって形成されているSAWデバイスを特徴とす
る。
【0017】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項2
のいずれかの構成において、前記外部電極部は、前記切
り欠き部に導電部材を充填するとともに、前記キャップ
の表面に導電部材を塗布して形成されるSAWデバイス
を特徴とする。
【0018】請求項3及び請求項4の構成によれば、外
部電極部は引き出し電極からキャップ表面まで導電薄膜
もしくは導電部材を充填する事により形成される。よっ
て、キャップ表面に形成された外部電極部と引き出し電
極が導通することとなる。
【0019】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
のいずれかの構成において、前記接着部材は前記キャッ
プを前記弾性表面波素子の表面に接触させないような厚
みを有しているSAWデバイスを特徴とする。
【0020】請求項5の構成によれば、弾性表面波素子
がキャップにより封止させた場合、圧電基板の表面に形
成されたすだれ状電極にキャップが接触しないような厚
みを有している。これにより、キャップが圧電基板の表
面に接触する事によるSAWデバイス特性の変化を防止
する。
【0021】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
のいずれかの構成において、前記圧電基板には、前記接
着部材との接合部位に接合電極部が形成されているSA
Wデバイスを特徴とする。
【0022】請求項6の構成によれば、圧電基板におけ
る接着部材との接合部位に接合電極部が形成されてい
て、この接合電極部が圧電基板と接着部材との接合強度
を向上させることとなる。
【0023】請求項7の発明によれば、請求項6の構成
において、前記接合電極部は、電気的に接地されている
請求項6に記載のSAWデバイスを特徴とする。
【0024】請求項7の構成によれば、接合電極部が電
気的に接地されることで、信号の入出力端子である外部
電極間に信号の漏洩経路が形成されるのを防止するとと
もに、外部からのノイズの影響を抑えることとなる。
【0025】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7
のいずれかの構成において、前記キャップは、前記圧電
基板とほぼ同一の線膨張係数を有するSAWデバイスを
特徴とする。
【0026】また、請求項9の発明は、請求項8のいず
れかの構成において、前記キャップは、前記圧電基板と
同一の材料から形成されているSAWデバイスを特徴と
する。
【0027】また、請求項10の発明は、請求項1乃至
請求項9の構成において、前記圧電基板は、水晶からな
るSAWデバイスを特徴とする。
【0028】請求項8乃至請求項10の構成によれば、
圧電基板とキャップがほぼ同一の線膨張係数を有する材
料から形成されている。従って、SAWデバイスが熱膨
張したときに熱膨張による歪みがほとんどなくなる。
【0029】請求項11の発明は、請求項1乃至請求項
10の構成において、前記接着部材は、低融点ガラスか
らなるSAWデバイスを特徴とする。
【0030】請求項12の発明は、請求項1乃至請求項
11のいずれかの構成において、前記弾性表面波素子
は、弾性表面波共振子であるSAWデバイスを特徴とす
る。
【0031】請求項13の発明は、請求項1乃至請求項
11のいずれかの構成において、前記弾性表面波素子
は、弾性表面波フィルタであるSAWデバイスを特徴と
する。請求項14の発明は、請求項1乃至請求項11の
いずれかの構成において、前記弾性表面波素子は、弾性
表面波コンボルバであるSAWデバイスを特徴とする。
【0032】請求項15の発明は、圧電基板上にすだれ
状電極と前記すだれ状電極に電気的に接続されている引
き出し電極を有する弾性表面波素子を形成するととも
に、前記引き出し電極を露出させるための切り欠き部を
形成したキャップに接着部材を塗布して、前記弾性表面
波素子と前記キャップを接合することにより封止して、
前記引き出し電極と電気的に接続するように、前記キャ
ップの表面に外部電極部を形成するSAWデバイスの製
造方法を特徴とする。
【0033】請求項15の構成によれば、圧電基板上に
すだれ状電極と引き出し電極を有する弾性表面波素子が
形成される。一方、弾性表面波素子を封止するためのキ
ャップに切り欠き部が形成されるとともに接着部材が塗
布される。その後、弾性表面波素子がキャップにより封
止され、キャップの表面に引き出し電極と電気的に接続
するように外部電極部が形成される。
【0034】このように、弾性表面波素子を封止する工
程と外部電極部の形成が別工程で行われるため、簡単な
工程でSAWデバイスが製造されることになる。また、
キャップ形成工程において外部電極部を形成する工程を
行う必要がなくなるため、キャップ側に外部電極部を形
成する際に発生する異物がSAWデバイス内に入ること
がない。さらに、キャップ形成工程で外部電極部を形成
しないようにすることでキャップの材質に制限がなくな
り、SAWデバイスに最適のキャップ材質を選択する事
ができる。また、引き出し電極と外部電極部の電気的接
続は、キャップの表面側から切り欠き部を介して外部電
極部を形成することにより行われるため、ウェハ状態で
の多数個のSAWデバイスの製造を行うことができる。
【0035】請求項16の発明は、請求項15の構成に
おいて、前記外部電極部は、前記引き出し電極及び前記
キャップの表面に導電薄膜を成膜して形成されるSAW
デバイスの製造方法を特徴とする。
【0036】また、請求項17の発明は、請求項15の
構成において、前記外部電極部は、前記引き出し電極及
び前記キャップの表面に導電部材をスクリーン印刷して
形成されるSAWデバイスの製造方法を特徴とする。
【0037】請求項16及び請求項17の構成によれ
ば、外部電極部は引き出し電極上及びキャップ表面上に
導電薄膜もしくは導電部材をスクリーン印刷する事によ
り形成される。これにより、キャップ表面に形成される
外部電極部と引き出し電極の導通性を図ることができ
る。
【0038】請求項18の発明は、請求項15乃至請求
項17のいずれかの構成において、前記外部電極部は、
前記引き出し電極の表面をエッチングした後に形成され
るSAWデバイスの製造方法を特徴とする。
【0039】請求項18の構成によれば、引き出し電極
が形成された直後に、引き出し電極の表面に酸化膜が形
成される場合がある。このとき、引き出し電極の表面を
エッチングした後外部電極部を形成することによって表
面の酸化膜が除去され、引き出し電極と外部電極部との
電気的接続を向上させる。
【0040】請求項19の発明は、請求項15乃至請求
項18のいずれかの構成において、前記圧電基板には、
前記接着部材が接合される部位に接合電極部が形成され
るSAWデバイスの製造方法を特徴とする。
【0041】請求項19の構成によれば、圧電基板には
接合電極部が形成されていて、この接合電極部は弾性表
面波素子をキャップにより封止するため接着部材を圧電
基板に接合させた際、接着部材と圧電基板との接合強度
を向上させるものである。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0043】図1は、本発明のSAWデバイスの使用形
態の一例を示す概略斜視図を示しており、図1を参照し
てSAWデバイス10について説明する。図1のSAW
デバイス10は、たとえばプリント配線板等からなる基
板100に対して、半田等の導電性接着剤101により
表面実装されて電気的に接続されている。
【0044】図2と図3は、本発明のSAWデバイスの
好ましい実施の形態を示す断面図及び概略斜視図であ
り、図2及び図3を参照してSAWデバイス10につい
て説明する。
【0045】図2及び図3のSAWデバイス10は、S
AWチップ20、キャップ30、接着部材40、外部電
極部50等から構成されている。図3のSAWチップ2
0は、たとえばSAW共振子、SAWフィルタもしくは
SAWコンコルバ等であって、圧電基板21、引き出し
電極22、すだれ状電極(以下、「IDT(Inter
digital Transducer)」という)2
3、反射器24等を有している。
【0046】圧電基板21はたとえば水晶板からなって
いて、その表面にたとえばアルミニウムからなる引き出
し電極22、IDT23、反射器24等が薄膜形成技術
によって形成されている。引き出し電極22は、すだれ
状電極23と電気的に接続されていて、IDT23と電
気信号の送受信を行うものである。また、引き出し電極
22はたとえば圧電基板21の角部に設けられている。
【0047】IDT23は、引き出し電極22から電気
信号が供給されると圧電効果によって弾性表面波(SA
W)を励振するとともに、励振された弾性表面波を電気
信号に変換して出力する機能を有している。反射器2
4、24はIDT23を挟むように形成されていて、I
DT23から出力した弾性表面波を反射器24、24内
に閉じこめる機能を有している。
【0048】圧電基板21上には、SAWチップ20を
封止するためのキャップ30が、たとえば低融点ガラス
からなる接着部材40によって接合されている。ここ
で、接着部材40の厚さDは、図2に示すようにSAW
チップ20の機能面とキャップ30が接触しない厚さに
なっている。これにより、キャップ30がSAWチップ
20の機能面と接触することによるSAWチップ20の
特性変化を防止することができる。
【0049】また、キャップ30は、圧電基板21とほ
ぼ同一の線膨張係数を有しているものであって、好まし
くは圧電基板21と同一の材質であるたとえば水晶板か
らなっている。これにより、SAWチップ20とキャッ
プ30が熱膨張により変形した場合、圧電基板21とキ
ャップ30の線膨張係数が同一となるため、圧電基板2
0がほとんど歪むことがなく、熱によるSAWチップ2
0の特性変化を最小限に抑えることができる。
【0050】図3のキャップ30の引き出し電極22の
形成されている部位、すなわちキャップ30の角部に
は、切り欠き部31が形成されている。ここで、引き出
し電極22及び切り欠き部31を角部に形成したのは以
下の理由による。圧電基板21及びキャップ30が熱膨
張した際、圧電基板21とキャップ30の接合面の角部
に応力が集中する。そこで、引き出し電極22及び切り
欠き部31を圧電基板21及びキャップ30の角部にそ
れぞれ設けることで応力の集中を防止して、SAWチッ
プ20とキャップ30の接合強度を向上させることがで
きる。
【0051】また、圧電材料は一般に脆性材料であるの
で、圧電材料からなるキャップ30の角部は熱膨張がな
くても欠けやクラックが生じやすい。そこで、問題が生
じやすい部分を予め切り欠いておくことによって、応力
集中や欠けやクラックを防止できる。また、SAWデバ
イス10がSAWフィルタである場合、切り欠き部31
を隅(角部)に設けると、入力端子と出力端子との距離
が大きくなるので、直達波を防止することができる。さ
らに、キャップ30の隅(角部)に切り欠き部31を形
成すると、ウェハ状態において、同時に4つのキャップ
30の切り欠き部31を形成することになるので加工効
率が向上する。
【0052】キャップ30の表面30aには外部電極部
50が形成されていて、外部電極部50は引き出し電極
22と電気的に接続されている。具体的には、外部電極
部50を形成する際には、引き出し電極22、切り欠き
部31の側面31a及びキャップ30の表面30aに対
して薄膜形成もしくはスクリーン印刷することにより形
成される。従って、図3に示すように、キャップ30の
表面30aに形成されている外部電極部50は、引き出
し電極22と電気的に接続されていることとなる。
【0053】そしてこの外部電極部50は、図1及び図
2に示すように導電性接着部材101によって基板10
0の図示しない電極に接続され、SAWチップ20と基
板100とが電気的に接続されるようになる。すなわ
ち、SAWデバイスと基板100をワイヤボンディング
で基板と電気的に接続する必要がなく、外部電極部50
を用いて表面実装することができる。
【0054】次に、図4及び図5は本発明のSAWデバ
イスの製造方法の好ましい実施の形態を示す工程図であ
り、図4と図5を参照してSAWデバイスの製造方法に
ついて説明する。
【0055】まず図4(A)において、たとえば水晶板
からなる圧電基板21が用意され、図4(B)におい
て、この圧電基板21に引き出し電極22、IDT2
3、反射器24等が薄膜形成技術によって形成される。
【0056】一方、図4(C)において、たとえば圧電
基板21と同一の材料からなるキャップ30が用意さ
れ、図4(D)において、たとえば角部に切り欠き部3
1が形成される。そして、図4(E)において、硬化後
に厚さDとなるように厚さD’(>D)でキャップ30
の上に接着部材40が塗布される。
【0057】その後、図4(F)において、SAWチッ
プ20とキャップ30が接合され封止される。このと
き、引き出し電極22は切り欠き部31から露出された
状態となる。そして、図4(G)において、キャップ3
0の上からスパッタリングによる導電薄膜の形成、もし
くはスクリーン印刷による導電部材の塗布等によって外
部電極部50が形成され、SAWデバイス10が完成す
る。なお、スクリーン印刷で外部電極部50が形成され
る場合、切り欠き部31に導電部材が充填されるように
なる。
【0058】さらに、引き出し電極22上に外部電極部
50を形成する前に、真空中で引き出し電極22の表面
がエッチングされ、その後真空中でスパッタリングや真
空蒸着等により外部電極部50が形成されるようにして
もよい。これは、引き出し電極22を形成するアルミニ
ウムが空気に触れると、引き出し電極22の表面が酸化
してアルミナ(Al)膜が形成されてしま
う。従って、引き出し電極22の表面に形成されたアル
ミナ膜を除去するとともに、引き出し電極22にアルミ
ナ膜が形成されない状態で外部電極部50を形成するこ
とで、引き出し電極22と外部電極部50の導通性を向
上させる事ができる。
【0059】このように、図4(F)のSAWチップ2
0と封止する工程と、図4(G)の外部電極部50を形
成する工程を別々にする事によって、簡単な製造工程で
SAWデバイス10を製造して、歩留まりの向上及び製
造コストの削減を実現することができる。また、SAW
チップ20を封止する前にキャップ30側に外部電極部
50を設ける必要がないため、キャップ30の材質に制
限がなくなり、SAWデバイス10の特性を生かす材質
を使うことで、SAWデバイス10の特性を向上させる
ことができる。さらに、SAWチップ20を封止する前
にキャップ30に対して外部電極部50を形成する必要
がないので、SAWチップ20の表面にショート防止の
ための保護膜を設ける必要がなく、製造プロセスを簡略
化でき、製造コストを削減することができる。
【0060】また、図4の工程によりSAWデバイス1
0を製造することによって、ウェハ状態で多数個の同時
処理を行うことができる。具体的には、図5は、ウェハ
状態で図4と同一の工程でSAWデバイス10を製造す
る様子を示す工程図であり、図5を参照して説明する。
まず、図5(A)と図5(B)におけるSAWチップ2
0の製造工程及び図5(C)〜図5(E)におけるキャ
ップ30の製造工程がウェハ状態で行われる。このと
き、切り欠き部31はキャップ30の角部に形成される
ように加工するため、1回の切り欠き部形成作業で、4
つのキャップ30の切り欠き部31を形成することがで
きる。
【0061】その後、図5(F)において、ウェハ状態
のままSAWチップ20がキャップ30により封止さ
れ、図5(G)において、所定の位置にそれぞれ外部電
極部50が形成される。このとき、切り欠き部31はキ
ャップ30の角部に形成されるように加工されているた
め、1回の外部電極部50の形成作業で、4つのSAW
デバイス10に対して外部電極部50を形成することが
できる。その後、図5(H)において、それぞれのSA
Wデバイス10にダイシングすることによって、複数の
SAWデバイス10が同時に製造されることとなる。
【0062】図6は本発明のSAWデバイスの別の実施
の形態を示す概略斜視図であり、図6を参照してSAW
デバイス60について説明する。なお、図6のSAWデ
バイス60において図1のSAWデバイス10と同一の
構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省
略する。
【0063】図6のSAWデバイス60が図1のSAW
デバイス10と異なる点は、圧電基板21上に接合電極
部61が形成されている点である。接合電極部61は、
たとえば引き出し電極22、IDT23及び反射器24
と同一の材料であるアルミニウムからなっていて、キャ
ップ30に塗布された接着部材40にあたる部位に形成
されている。ここで、たとえば低融点ガラスからなる接
着部材40は、水晶との接合強度よりもアルミニウムと
の接合強度の方が大きい。従って、圧電基板21と接着
部材40が接合する部位に接合電極部61を設けること
によって、圧電基板21とキャップ30との接合強度の
向上を図ることができる。また、好ましくは、この接合
電極部61は、接着部材40と接合する面積の90
(%)以上になるように形成されることが望ましい。
【0064】さらに、好ましくは、接合電極部61には
図示しないグランド引き出し電極が電気的に接続されて
いて、接合電極部61が電気的に接地(グランド)され
ていることが望ましい。これにより、接合電極部61が
電気的に浮いている状態にならないため、信号の入出力
端子である外部電極間に信号の漏洩経路が形成されるの
を防止して、SAWデバイスのアイソレーションを高め
ることができる。また、IDT23の外周面側にグラン
ドされている接合電極部61が存在することで、外来の
ノイズがSAWデバイス60に及ぼす影響を抑えること
ができる。
【0065】本発明は、上記実施の形態に限定されず、
特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うこ
とができる。
【0066】例えば、図3としてSAWデバイス10の
一例として、圧電基板21にIDT23が1つだけ形成
されているSAWチップ20について言及しているが、
IDT23が2つ以上形成されているSAWチップであ
ってもよい。
【0067】また、図3のSAWチップ20において、
引き出し電極22は圧電基板21上に2つだけ形成され
ているが、圧電基板21にIDT23が2つ以上形成さ
れている場合には、IDT23の電極の数だけ引き出し
電極22を設けることとなる。このとき、キャップ30
の切り欠き部31も引き出し電極22に該当する部位に
形成されることとなる。また、図3において引き出し電
極22及び切り欠き部31は角部に形成されているが、
角部以外の部位に引き出し電極22及び切り欠き部31
を形成するようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、キャップには弾性表面
波素子の引き出し電極を露出するように切り欠き部を形
成して、キャップの表面に引き出し電極と電気的に接続
している外部電極部を形成することで、SAWデバイス
をたとえばプリント配線板等の基板に表面実装すること
ができる。
【0069】また、弾性表面波素子をキャップにより封
止する工程と、外部電極部を形成する工程を分けること
により、高精度で表面実装可能なSAWデバイスを容易
に量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSAWデバイスの好ましい使用形態を
示す概略斜視図。
【図2】本発明のSAWデバイスの好ましい実施の形態
を示す断面図。
【図3】本発明のSAWデバイスの好ましい実施の形態
を示す概略斜視図。
【図4】本発明のSAWデバイスの製造方法の好ましい
実施の形態を示す工程図。
【図5】本発明のSAWデバイスの製造方法におけるウ
ェハ状態での製造の様子を示す工程図。
【図6】本発明のSAWデバイスの別の実施の形態を示
す概略斜視図。
【図7】従来のSAWデバイスの一例を示す構成図。
【図8】従来のSAWデバイスの別の一例を示す構成
図。
【符号の説明】
10、60 SAWデバイス 20 SAWチップ 21 圧電基板 22 引き出し電極 23 IDT(すだれ状電極) 30 キャップ 30a キャップ表面 31 切り欠き部 40 接着部材 50 外部電極部 61 接合電極部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板上に形成されたすだれ状電極
    と、前記すだれ状電極に電気的に接続された引き出し電
    極を有する弾性表面波素子と、 前記弾性表面波素子を封止するため、前記圧電基板にお
    ける前記すだれ状電極の形成面上に接着部材を介して接
    合されていて、前記引き出し電極にあたる部位に切り欠
    き部が形成されているキャップと、 前記キャップの表面に形成されており、前記引き出し電
    極と前記切り欠き部を介して電気的に接続されている外
    部電極部とを有することを特徴とするSAWデバイス。
  2. 【請求項2】 前記切り欠き部は前記キャップの角部に
    形成されているとともに、前記引き出し電極は前記圧電
    基板の角部に形成されている請求項1に記載のSAWデ
    バイス。
  3. 【請求項3】 前記外部電極部は、導電薄膜によって形
    成されている請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の
    SAWデバイス。
  4. 【請求項4】 前記外部電極部は、前記切り欠き部に導
    電部材を充填するとともに、前記キャップの表面に導電
    部材を塗布して形成される請求項1乃至請求項2のいず
    れかに記載のSAWデバイス。
  5. 【請求項5】 前記接着部材は、前記キャップを前記弾
    性表面波素子の表面に接触させないような厚みを有して
    いる請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のSAWデ
    バイス。
  6. 【請求項6】 前記圧電基板には、前記接着部材との接
    合部位に接合電極部が形成されている請求項1乃至請求
    項5のいずれかに記載のSAWデバイス。
  7. 【請求項7】 前記接合電極部は、電気的に接地されて
    いる請求項6に記載のSAWデバイス。
  8. 【請求項8】 前記キャップは、前記圧電基板とほぼ同
    一の線膨張係数を有する請求項1乃至請求項7のいずれ
    かに記載のSAWデバイス。
  9. 【請求項9】 前記キャップは、前記圧電基板と同一の
    材料から形成されている請求項8に記載のSAWデバイ
    ス。
  10. 【請求項10】 前記圧電基板は、水晶からなる請求項
    1乃至請求項9のいずれかに記載のSAWデバイス。
  11. 【請求項11】 前記接着部材は、低融点ガラスからな
    る請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のSAWデ
    バイス。
  12. 【請求項12】 前記弾性表面波素子は、弾性表面波共
    振子である請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の
    SAWデバイス。
  13. 【請求項13】 前記弾性表面波素子は、弾性表面波フ
    ィルタである請求項1乃至請求項11のいずれかに記載
    のSAWデバイス。
  14. 【請求項14】 前記弾性表面波素子は、弾性表面波コ
    ンボルバである請求項1乃至請求項11のいずれかに記
    載のSAWデバイス。
  15. 【請求項15】 圧電基板上にすだれ状電極と前記すだ
    れ状電極に電気的に接続されている引き出し電極を有す
    る弾性表面波素子を形成するとともに、前記引き出し電
    極を露出させるための切り欠き部を形成したキャップに
    接着部材を塗布して、 前記弾性表面波素子と前記キャップを接合することによ
    り封止して、 前記引き出し電極と電気的に接続するように、前記キャ
    ップの表面に外部電極部を形成することを特徴とするS
    AWデバイスの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記外部電極部は、前記引き出し電極
    及び前記キャップの表面に導電薄膜を成膜して形成され
    る請求項15に記載のSAWデバイスの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記外部電極部は、前記引き出し電極
    及び前記キャップの表面に導電部材をスクリーン印刷し
    て形成される請求項15に記載のSAWデバイスの製造
    方法。
  18. 【請求項18】 前記外部電極部は、前記引き出し電極
    の表面をエッチングした後に形成される請求項15乃至
    請求項17のいずれかに記載のSAWデバイスの製造方
    法。
  19. 【請求項19】 前記圧電基板には、前記接着部材が接
    合される部位に接合電極部が形成される請求項15乃至
    請求項18のいずれかに記載のSAWデバイスの製造方
    法。
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