JP2001094185A - 超狭帯域化フッ素レーザ装置 - Google Patents
超狭帯域化フッ素レーザ装置Info
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- JP2001094185A JP2001094185A JP27057099A JP27057099A JP2001094185A JP 2001094185 A JP2001094185 A JP 2001094185A JP 27057099 A JP27057099 A JP 27057099A JP 27057099 A JP27057099 A JP 27057099A JP 2001094185 A JP2001094185 A JP 2001094185A
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- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ダメージの生じ難い光学素子を用いてレーザ
共振器を構成することにより、1ラインのみで発振し、
しかもそのラインの波長幅を約0.2pm程度に狭帯域
化することができる超狭帯域化フッ素レーザ装置を提供
する。 【解決手段】 全反射鏡10と出力鏡エタロン11とで
レーザ共振器が構成されている。頂角αが33度のノー
コートプリズム13a、13bを2個用いた出力鏡エタ
ロン11は、ノーコートプリズム13aへのレーザ光の
入射角がブリュースタ角となるように配置されているの
で、157.6299nmの波長の発振線のみで発振さ
せることができる。出力鏡エタロン11は、2個のノー
コートプリズム13a、13b間の平行なギャップによ
ってエタロンの機能を有すると共に、出力鏡としての機
能も有する。
共振器を構成することにより、1ラインのみで発振し、
しかもそのラインの波長幅を約0.2pm程度に狭帯域
化することができる超狭帯域化フッ素レーザ装置を提供
する。 【解決手段】 全反射鏡10と出力鏡エタロン11とで
レーザ共振器が構成されている。頂角αが33度のノー
コートプリズム13a、13bを2個用いた出力鏡エタ
ロン11は、ノーコートプリズム13aへのレーザ光の
入射角がブリュースタ角となるように配置されているの
で、157.6299nmの波長の発振線のみで発振さ
せることができる。出力鏡エタロン11は、2個のノー
コートプリズム13a、13b間の平行なギャップによ
ってエタロンの機能を有すると共に、出力鏡としての機
能も有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素レーザのレ
ーザ光を発振するレーザチャンバを備え、該レーザチャ
ンバからのレーザ光を狭帯域化して、露光装置へ露光光
源として供給する超狭帯域化フッ素レーザ装置に関す
る。
ーザ光を発振するレーザチャンバを備え、該レーザチャ
ンバからのレーザ光を狭帯域化して、露光装置へ露光光
源として供給する超狭帯域化フッ素レーザ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】リソグラフィ用の露光機に要求される性
能としては、解像度、アライメント精度、処理能力、装
置信頼性など種々のものが存在する。その中でも、パタ
ーンの微細化に直接つながる解像度Rは、R=k・λ/
NA(k:定数、λ:露光波長、NA:投影レンズの開
口数)によって表される。従って良好な解像度を得るた
めには、露光波長λが短い程有利になる。
能としては、解像度、アライメント精度、処理能力、装
置信頼性など種々のものが存在する。その中でも、パタ
ーンの微細化に直接つながる解像度Rは、R=k・λ/
NA(k:定数、λ:露光波長、NA:投影レンズの開
口数)によって表される。従って良好な解像度を得るた
めには、露光波長λが短い程有利になる。
【0003】そこで、従来の露光機においては、水銀ラ
ンプのi線(波長:365nm)や、波長が248nm
のクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザが露光機
光源として利用されている。これらはそれぞれi線露光
機及びKrF露光機と呼ばれており、これらi線露光機
及びKrF露光機で用いられている投影光学系として
は、石英ガラスから成るレンズを多数組み合わせた縮小
投影レンズが広く用いられている。
ンプのi線(波長:365nm)や、波長が248nm
のクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザが露光機
光源として利用されている。これらはそれぞれi線露光
機及びKrF露光機と呼ばれており、これらi線露光機
及びKrF露光機で用いられている投影光学系として
は、石英ガラスから成るレンズを多数組み合わせた縮小
投影レンズが広く用いられている。
【0004】また微細な加工を行うための次世代露光機
として、波長が193nmのアルゴンフッ素(ArF)
エキシマレーザを露光光源に用いた露光機が用いられ始
めており、これはArF露光機と呼ばれる。ArF露光
機では、波長幅が約0.6pmまで狭帯域化されたAr
Fエキシマレーザが用いられており、また縮小投影光学
系には、二種類の材質から成る色消しレンズが用いられ
ている。
として、波長が193nmのアルゴンフッ素(ArF)
エキシマレーザを露光光源に用いた露光機が用いられ始
めており、これはArF露光機と呼ばれる。ArF露光
機では、波長幅が約0.6pmまで狭帯域化されたAr
Fエキシマレーザが用いられており、また縮小投影光学
系には、二種類の材質から成る色消しレンズが用いられ
ている。
【0005】なお、エキシマレーザ装置としては、特開
平11−8431号公報に記載された装置が知られてい
る。この公報に記載されたレーザ装置は、グレーティン
グを用いたライン狭めモジュールによってKrFレーザ
のライン幅を減少(狭帯域化)させ、出力カップラ(出
力鏡に相当)としてのエタロンによって、そのライン幅
をさらに狭帯域化するようにしたものである。
平11−8431号公報に記載された装置が知られてい
る。この公報に記載されたレーザ装置は、グレーティン
グを用いたライン狭めモジュールによってKrFレーザ
のライン幅を減少(狭帯域化)させ、出力カップラ(出
力鏡に相当)としてのエタロンによって、そのライン幅
をさらに狭帯域化するようにしたものである。
【0006】更に上述したArF露光機の次世代のリソ
グラフィ用露光機としては、光源に波長が約157nm
のフッ素レーザを用いたフッ素露光機が検討されてい
る。
グラフィ用露光機としては、光源に波長が約157nm
のフッ素レーザを用いたフッ素露光機が検討されてい
る。
【0007】このフッ素レーザでは、波長と光強度が異
なる2本の発振線(発振ラインとも呼ばれる)があり、
波長はそれぞれ157.5233nmと157.629
9nmであり、各々の発振線の波長幅は1〜2pm程度
であると言われている。
なる2本の発振線(発振ラインとも呼ばれる)があり、
波長はそれぞれ157.5233nmと157.629
9nmであり、各々の発振線の波長幅は1〜2pm程度
であると言われている。
【0008】そのフッ素レーザを露光に利用するには、
一般に強度の大きい波長(157.6299nm)のラ
インのみ1本を選択して用いる(以下、1ライン化とい
う)のが有利とされており、従来においては、その1ラ
イン化には、プリズムが1〜2個用いられている。
一般に強度の大きい波長(157.6299nm)のラ
インのみ1本を選択して用いる(以下、1ライン化とい
う)のが有利とされており、従来においては、その1ラ
イン化には、プリズムが1〜2個用いられている。
【0009】また、フッ素レーザを発振するレーザ装置
においても、エキシマレーザ装置同様に、全反射鏡と出
力鏡とから構成される共振器が備えられている。そし
て、一般に、フッ素レーザは、エキシマレーザよりもゲ
インが高いので、出力鏡の最適反射率は、エキシマレー
ザの場合の20%前後よりも低くなることが知られてい
る。
においても、エキシマレーザ装置同様に、全反射鏡と出
力鏡とから構成される共振器が備えられている。そし
て、一般に、フッ素レーザは、エキシマレーザよりもゲ
インが高いので、出力鏡の最適反射率は、エキシマレー
ザの場合の20%前後よりも低くなることが知られてい
る。
【0010】そこで、一般的には、ノーコートのフッ化
カルシウム板かフッ化マグネシウム板が出力鏡として用
いられている。これらの反射率は、基板の表面と裏面と
でそれぞれ4〜5%の反射率を有するため、両方合わせ
て8〜10%の反射率になっている。
カルシウム板かフッ化マグネシウム板が出力鏡として用
いられている。これらの反射率は、基板の表面と裏面と
でそれぞれ4〜5%の反射率を有するため、両方合わせ
て8〜10%の反射率になっている。
【0011】なお、フッ素レーザの出力鏡の反射率依存
性に関しては、例えば、放電研究、第137巻、第66
頁において示されている。これによると、部分反射膜を
コーティングした出力鏡では、反射率を上げる程、レー
ザ出力が低下することが示されている。
性に関しては、例えば、放電研究、第137巻、第66
頁において示されている。これによると、部分反射膜を
コーティングした出力鏡では、反射率を上げる程、レー
ザ出力が低下することが示されている。
【0012】また、フッ素レーザの2ライン化に関して
は、例えば、「CAN.J.PHYS.VOL.63,
1985,pp217−218」に記載されている。
は、例えば、「CAN.J.PHYS.VOL.63,
1985,pp217−218」に記載されている。
【0013】また、フッ素レーザの1ライン化に関して
は、例えば、「SPIE、24thInternati
onal Symposium on Microlio
thography,Feb.1999.」において実
験結果が報告されている。
は、例えば、「SPIE、24thInternati
onal Symposium on Microlio
thography,Feb.1999.」において実
験結果が報告されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
フッ素露光機では、それまで(すなわちArF露光機ま
で)の露光機で一般に用いられてきたレンズのみによる
屈折型の縮小投影光学系が適用困難になる。
フッ素露光機では、それまで(すなわちArF露光機ま
で)の露光機で一般に用いられてきたレンズのみによる
屈折型の縮小投影光学系が適用困難になる。
【0015】その理由としては、波長が157nmで
は、石英ガラスにおける透過率が極めて低くなり、フッ
化カルシウム等のごく限られた材質しか利用できなくな
る。
は、石英ガラスにおける透過率が極めて低くなり、フッ
化カルシウム等のごく限られた材質しか利用できなくな
る。
【0016】そのため、フッ化カルシウムのみによる単
色レンズを用いて縮小投影レンズを構成した場合には、
フッ素レーザを1ライン化しても狭帯域化は不十分であ
る。そこで実際にはその1ラインに対して、さらにその
1/5程度の波長幅(約0.2pm)まで狭帯域化(以
下、超狭帯域化という)する必要があると言われてい
る。
色レンズを用いて縮小投影レンズを構成した場合には、
フッ素レーザを1ライン化しても狭帯域化は不十分であ
る。そこで実際にはその1ラインに対して、さらにその
1/5程度の波長幅(約0.2pm)まで狭帯域化(以
下、超狭帯域化という)する必要があると言われてい
る。
【0017】しかし従来においては、フッ素レーザの1
ラインを超狭帯域化することが困難であったことから、
縮小投影光学系として、レンズのみによる全屈折型光学
系よりも10倍広い波長幅で利用できるとされている反
射屈折型縮小投影光学系(カタディオプトリク型とも呼
ばれる)を適用する必要があると考えられていた。
ラインを超狭帯域化することが困難であったことから、
縮小投影光学系として、レンズのみによる全屈折型光学
系よりも10倍広い波長幅で利用できるとされている反
射屈折型縮小投影光学系(カタディオプトリク型とも呼
ばれる)を適用する必要があると考えられていた。
【0018】なお従来、フッ素レーザにおいて、1ライ
ン化されたレーザ光を、例えばエタロンを用いて超狭帯
域化することは、下記の理由から困難であった。
ン化されたレーザ光を、例えばエタロンを用いて超狭帯
域化することは、下記の理由から困難であった。
【0019】一般に、エタロンに部分反射膜を施す必要
があるが、フッ素レーザにおける157nmの波長にお
いては、耐光強度の高い部分反射膜を施すことが困難で
あった。
があるが、フッ素レーザにおける157nmの波長にお
いては、耐光強度の高い部分反射膜を施すことが困難で
あった。
【0020】すなわち、波長が157nmの真空紫外域
では、多くの光学材における光の吸収率が高いため、こ
の光学材におけるレーザ光の吸収による温度上昇によ
り、部分反射膜にダメージが生じ易くなるからである。
では、多くの光学材における光の吸収率が高いため、こ
の光学材におけるレーザ光の吸収による温度上昇によ
り、部分反射膜にダメージが生じ易くなるからである。
【0021】しかもフッ素レーザでは、パルス幅が5〜
10nsであり、エキシマレーザの半分程度と短いこと
から、パルスレーザ光のピークパワーが高い。したがっ
て部分反射膜を構成する誘電体多層膜(コーティング
材)においてダメージが生じ易くなる。
10nsであり、エキシマレーザの半分程度と短いこと
から、パルスレーザ光のピークパワーが高い。したがっ
て部分反射膜を構成する誘電体多層膜(コーティング
材)においてダメージが生じ易くなる。
【0022】そこで、本発明の課題は、ダメージの生じ
難い光学素子を用いてレーザ共振器を構成することによ
り、1ラインのみで発振し、しかもそのラインの波長幅
を約0.2pm程度に狭帯域化することができる超狭帯
域化フッ素レーザ装置を提供することにある。
難い光学素子を用いてレーザ共振器を構成することによ
り、1ラインのみで発振し、しかもそのラインの波長幅
を約0.2pm程度に狭帯域化することができる超狭帯
域化フッ素レーザ装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段、作用および効果】上記課
題を達成するため、第1の発明は、フッ素レーザのレー
ザ光を発振するレーザチャンバを備え、該レーザチャン
バからのレーザ光を狭帯域化して、露光装置へ露光光源
として供給する超狭帯域化フッ素レーザ装置において、
前記フッ素レーザにおける波長と光強度の異なる2つの
発振線のうちの予め設定される波長の発振線を有するレ
ーザ光を出射させるべく、頂角が所定の角度を有するウ
エッジ板であって、且つ反射膜のコーティング処理が施
されていない少なくとも2つのプリズムで形成されたエ
タロンを備え、該エタロンが出力鏡として前記レーザチ
ャンバの出力側に配置されていることを特徴とする。
題を達成するため、第1の発明は、フッ素レーザのレー
ザ光を発振するレーザチャンバを備え、該レーザチャン
バからのレーザ光を狭帯域化して、露光装置へ露光光源
として供給する超狭帯域化フッ素レーザ装置において、
前記フッ素レーザにおける波長と光強度の異なる2つの
発振線のうちの予め設定される波長の発振線を有するレ
ーザ光を出射させるべく、頂角が所定の角度を有するウ
エッジ板であって、且つ反射膜のコーティング処理が施
されていない少なくとも2つのプリズムで形成されたエ
タロンを備え、該エタロンが出力鏡として前記レーザチ
ャンバの出力側に配置されていることを特徴とする。
【0024】また、第2の発明は、第1の発明におい
て、前記プリズムは、頂角が26度以上の角度をもって
形成されたウエッジ板であることを特徴とする。
て、前記プリズムは、頂角が26度以上の角度をもって
形成されたウエッジ板であることを特徴とする。
【0025】また、第3の発明は、第1の発明又は第2
の発明において、前記プリズムは、頂角が33度の角度
をもって形成されたウエッジ板であることを特徴とす
る。
の発明において、前記プリズムは、頂角が33度の角度
をもって形成されたウエッジ板であることを特徴とす
る。
【0026】上記第1の発明乃至第3の発明を図1及び
図5を参照して説明する。
図5を参照して説明する。
【0027】図1に示すように、出力鏡エタロン11
は、2枚のノーコートプリズム(部分反射膜のコーティ
ングが施されていないプリズム)13a、13bで構成
されており、これら2つのプリズム間の平行なギャップ
によってエタロンの機能を有すると共に、出力鏡として
の機能も有する。
は、2枚のノーコートプリズム(部分反射膜のコーティ
ングが施されていないプリズム)13a、13bで構成
されており、これら2つのプリズム間の平行なギャップ
によってエタロンの機能を有すると共に、出力鏡として
の機能も有する。
【0028】また、出力鏡エタロン11の2つのプリズ
ム13a、13bは、フッ素レーザにおける波長と光強
度の異なる2つの発振線のうちの予め設定される波長の
発振線(157.6299nmの波長を持つ光強度の強
い発振線)を有するレーザ光を出射させるべく、頂角が
所定の角度をもって形成されたウエッジ板になってい
る。
ム13a、13bは、フッ素レーザにおける波長と光強
度の異なる2つの発振線のうちの予め設定される波長の
発振線(157.6299nmの波長を持つ光強度の強
い発振線)を有するレーザ光を出射させるべく、頂角が
所定の角度をもって形成されたウエッジ板になってい
る。
【0029】スリット14は、フッ素レーザにおいて、
波長が157.6299nmの発振線を有するレーザ光
のみを出力鏡エタロン11へ出射させ、一方、波長が1
57.5233nmの発振線を有するレーザ光を遮光す
るために用いられる。
波長が157.6299nmの発振線を有するレーザ光
のみを出力鏡エタロン11へ出射させ、一方、波長が1
57.5233nmの発振線を有するレーザ光を遮光す
るために用いられる。
【0030】ところで、ビーム半径をa(単位:m
m)、レーザ共振器長(ノーコートプリズム13aと全
反射鏡10との距離)をL(単位:m)とすると、フレ
ネル数NはN=a^2/(Lλ)で表される。この数式
に、フレネル数N=0.4、選択波長λ=157nm、
レーザ共振器長L=2mの各値を代入して演算すると、
ビーム半径a≧0.35mmとなる。
m)、レーザ共振器長(ノーコートプリズム13aと全
反射鏡10との距離)をL(単位:m)とすると、フレ
ネル数NはN=a^2/(Lλ)で表される。この数式
に、フレネル数N=0.4、選択波長λ=157nm、
レーザ共振器長L=2mの各値を代入して演算すると、
ビーム半径a≧0.35mmとなる。
【0031】従って、ビーム幅としては0.7mm以上
でないとレーザ発振しないことになる。すなわち、不所
望のラインの発振をプリズムを用いて抑制するには、レ
ーザ共振器間を1往復するレーザ光がズレる長さXを約
0.7mm以上にすれば良いことになる。
でないとレーザ発振しないことになる。すなわち、不所
望のラインの発振をプリズムを用いて抑制するには、レ
ーザ共振器間を1往復するレーザ光がズレる長さXを約
0.7mm以上にすれば良いことになる。
【0032】従って、図5に示すズレ量とプリズムの頂
角との関係を表す特性から分かるように、頂角αが約2
6度以上のプリズムを用いれば、1ラインのみで発振す
ることになる。
角との関係を表す特性から分かるように、頂角αが約2
6度以上のプリズムを用いれば、1ラインのみで発振す
ることになる。
【0033】すなわち、フッ素レーザにおいて、波長が
157.6299nmの発振線を有するレーザ光のみが
スリット14を通過して出力鏡エタロン11に入射し、
一方、波長が157.5233nmの発振線を有するレ
ーザ光がスリット14により遮光されることにより、波
長が157.6299nmの発振線を有するレーザ光の
みが出力鏡エタロン11のノーコートプリズム13aと
全反射鏡10との間で共振されて、狭帯域化されること
になる。
157.6299nmの発振線を有するレーザ光のみが
スリット14を通過して出力鏡エタロン11に入射し、
一方、波長が157.5233nmの発振線を有するレ
ーザ光がスリット14により遮光されることにより、波
長が157.6299nmの発振線を有するレーザ光の
みが出力鏡エタロン11のノーコートプリズム13aと
全反射鏡10との間で共振されて、狭帯域化されること
になる。
【0034】特に頂角αとして約33度のプリズムを用
いると、入射角θは約57度になり、この入射角度はフ
ッ化カルシウムを母材とした基板のブリュースタ角にな
ることから、プリズム表面での反射損失を抑制すること
ができ、しかも効率良くレーザ発振できる。
いると、入射角θは約57度になり、この入射角度はフ
ッ化カルシウムを母材とした基板のブリュースタ角にな
ることから、プリズム表面での反射損失を抑制すること
ができ、しかも効率良くレーザ発振できる。
【0035】したがって、頂角αが33度のプリズムを
用いた出力鏡エタロン11は、ノーコートプリズム13
aへのレーザ光の入射角がブリュースタ角となるように
配置されている。このため、157.6299nmの波
長の発振線で発振するようになる。
用いた出力鏡エタロン11は、ノーコートプリズム13
aへのレーザ光の入射角がブリュースタ角となるように
配置されている。このため、157.6299nmの波
長の発振線で発振するようになる。
【0036】以上説明したように、第1の発明乃至第3
の発明によれば、出力鏡としてのエタロンを構成するプ
リズムは、フッ素レーザにおける波長と光強度の異なる
2つの発振線のうちの予め設定される波長の発振線(強
い光強度の発振線)を有するレーザ光を出射させるべ
く、26度以上の角度(好ましくは33度の角度)をも
って形成されたウエッジ板であるので、157.629
9nmの波長の発振線のみでレーザ発振させ、且つレー
ザ光を狭帯域化させることができる。
の発明によれば、出力鏡としてのエタロンを構成するプ
リズムは、フッ素レーザにおける波長と光強度の異なる
2つの発振線のうちの予め設定される波長の発振線(強
い光強度の発振線)を有するレーザ光を出射させるべ
く、26度以上の角度(好ましくは33度の角度)をも
って形成されたウエッジ板であるので、157.629
9nmの波長の発振線のみでレーザ発振させ、且つレー
ザ光を狭帯域化させることができる。
【0037】また、第4の発明は、フッ素レーザのレー
ザ光を発振するレーザチャンバを備え、該レーザチャン
バからのレーザ光を狭帯域化して、露光装置へ露光光源
として供給する超狭帯域化フッ素レーザ装置において、
エタロンが前記レーザチャンバの出力側に配置される出
力鏡として設けられ、前記エタロンは、フッ化カルシウ
ムで形成された2枚の基板で構成され、かつ該2枚の基
板における向かい合う各々の内面にフッ化マグネシウム
がコーティングされていることを特徴とする。
ザ光を発振するレーザチャンバを備え、該レーザチャン
バからのレーザ光を狭帯域化して、露光装置へ露光光源
として供給する超狭帯域化フッ素レーザ装置において、
エタロンが前記レーザチャンバの出力側に配置される出
力鏡として設けられ、前記エタロンは、フッ化カルシウ
ムで形成された2枚の基板で構成され、かつ該2枚の基
板における向かい合う各々の内面にフッ化マグネシウム
がコーティングされていることを特徴とする。
【0038】上記第4の発明を図6及び図7を参照して
説明する。
説明する。
【0039】図6に示すように、出力鏡エタロン15は
フッ化カルシウム(CaF2)から成る2つの基板16
a、16bで構成されるエアギャップエタロンである。
これら基板16aと基板16bとの間には所定のギャッ
プ長とすべく3本のスペーサが介在されている(図6で
は、2本のスペーサ17a、17bを示し、残りの1本
のスペーサは省略している)。
フッ化カルシウム(CaF2)から成る2つの基板16
a、16bで構成されるエアギャップエタロンである。
これら基板16aと基板16bとの間には所定のギャッ
プ長とすべく3本のスペーサが介在されている(図6で
は、2本のスペーサ17a、17bを示し、残りの1本
のスペーサは省略している)。
【0040】出力鏡エタロン15では、基板16a、1
6bの内側の研磨面に、フッ化マグネシウム(MgF
2)の膜18a、18bがコーティングされており、こ
れらコーティング膜の厚さは波長の1/4になってい
る。
6bの内側の研磨面に、フッ化マグネシウム(MgF
2)の膜18a、18bがコーティングされており、こ
れらコーティング膜の厚さは波長の1/4になってい
る。
【0041】波長157.6nmにおいては、フッ化カ
ルシウムの屈折率は約1.558であり、フッ化マグネ
シウムは約1.464であることが知られている。
ルシウムの屈折率は約1.558であり、フッ化マグネ
シウムは約1.464であることが知られている。
【0042】そこで、基板(フッ化カルシウム)の屈折
率よりも低い値の屈折率を有するフッ化マグネシウム
を、この基板にコーティングすることにより、減反射コ
ーティングとして機能する。そして、このような基板に
おいては、コーティング膜の厚さが波長の1/4である
ため、最も反射率が低くなる。
率よりも低い値の屈折率を有するフッ化マグネシウム
を、この基板にコーティングすることにより、減反射コ
ーティングとして機能する。そして、このような基板に
おいては、コーティング膜の厚さが波長の1/4である
ため、最も反射率が低くなる。
【0043】その反射率Rsは約2.5%となり、ま
た、出力鏡エタロン15全体としての最大の反射率RM
AXは、RMAX=1−{(1−Rs)/(1+R
s)}^2の数式にRs=2.5%を代入して演算する
ことにより得られる値、つまり約9.5%になる。
た、出力鏡エタロン15全体としての最大の反射率RM
AXは、RMAX=1−{(1−Rs)/(1+R
s)}^2の数式にRs=2.5%を代入して演算する
ことにより得られる値、つまり約9.5%になる。
【0044】したがって、出力鏡エタロン15を用いる
ことで、広く知られているように、一般的なフッ素レー
ザ装置の出力鏡の最適反射率(8〜10%)と同等にな
ることから、狭帯域化されるだけでなく、効率よくレー
ザ発振させることができる。
ことで、広く知られているように、一般的なフッ素レー
ザ装置の出力鏡の最適反射率(8〜10%)と同等にな
ることから、狭帯域化されるだけでなく、効率よくレー
ザ発振させることができる。
【0045】すなわち、図7に示した出力鏡エタロン1
5の反射率特性から分かるように、実線で示される波長
依存性を有する反射率カーブの極大値が約9.5%にな
っている。
5の反射率特性から分かるように、実線で示される波長
依存性を有する反射率カーブの極大値が約9.5%にな
っている。
【0046】以上説明したように、第4の発明によれ
ば、出力鏡としてのエタロンの最大反射率を、フッ素レ
ーザにおける出力鏡の最適な反射率である8〜10%の
範囲内に抑制することができ、よってレーザ光を狭帯域
化させつつ、効率よくレーザ発振させることができる。
ば、出力鏡としてのエタロンの最大反射率を、フッ素レ
ーザにおける出力鏡の最適な反射率である8〜10%の
範囲内に抑制することができ、よってレーザ光を狭帯域
化させつつ、効率よくレーザ発振させることができる。
【0047】さらに、第5の発明は、フッ素レーザのレ
ーザ光を発振するレーザチャンバを備え、該レーザチャ
ンバからのレーザ光を狭帯域化して、露光装置へ露光光
源として供給する超狭帯域化フッ素レーザ装置におい
て、エタロンが前記レーザチャンバの出力側に配置され
る出力鏡として設けられ、前記エタロンは、前記フッ素
レーザにおける波長と光強度の異なる2つの発振線のう
ち、光強度の強い発振線の中心波長が自己のエタロンの
反射率の極大近傍に位置するときに、当該強い発振線よ
りも光強度が弱い発振線の中心波長が自己のエタロンの
反射率の極小近傍に位置すべく、隣接する極大または極
小の反射率での選択波長の差の値を有する周期的波長選
択素子で形成されていることを特徴とする。
ーザ光を発振するレーザチャンバを備え、該レーザチャ
ンバからのレーザ光を狭帯域化して、露光装置へ露光光
源として供給する超狭帯域化フッ素レーザ装置におい
て、エタロンが前記レーザチャンバの出力側に配置され
る出力鏡として設けられ、前記エタロンは、前記フッ素
レーザにおける波長と光強度の異なる2つの発振線のう
ち、光強度の強い発振線の中心波長が自己のエタロンの
反射率の極大近傍に位置するときに、当該強い発振線よ
りも光強度が弱い発振線の中心波長が自己のエタロンの
反射率の極小近傍に位置すべく、隣接する極大または極
小の反射率での選択波長の差の値を有する周期的波長選
択素子で形成されていることを特徴とする。
【0048】次に、上記第5の発明を図8及び図9を参
照して説明する。
照して説明する。
【0049】図8に示す出力鏡エタロン40における周
期的波長の波調差FSRは、波長をλ(単位:nm)、
媒体(空気中)の屈折率をn、2つのプリズムのギャッ
プ間隔をd(単位:mm)とした場合、FSR=λ^2
/(2nd)で表される。
期的波長の波調差FSRは、波長をλ(単位:nm)、
媒体(空気中)の屈折率をn、2つのプリズムのギャッ
プ間隔をd(単位:mm)とした場合、FSR=λ^2
/(2nd)で表される。
【0050】ここで、出力鏡エタロン40においてはギ
ャップ間d=12.3mmに設定されているので、フッ
素レーザの波長λ=157nm、空気中の屈折率n≒1
とした場合に、FSR=λ^2/(2nd)にこれらの
値を代入して演算すると、出力鏡エタロン20における
2つの選択波長の波長差(FSR)は約1.01pmに
なる。
ャップ間d=12.3mmに設定されているので、フッ
素レーザの波長λ=157nm、空気中の屈折率n≒1
とした場合に、FSR=λ^2/(2nd)にこれらの
値を代入して演算すると、出力鏡エタロン20における
2つの選択波長の波長差(FSR)は約1.01pmに
なる。
【0051】したがって、図9に示すように、2ライン
の波長差106.6pmをFSRで割った値は、10
6.6/1.01=105.5となる。
の波長差106.6pmをFSRで割った値は、10
6.6/1.01=105.5となる。
【0052】このように、2本の発振線の波長差10
6.6pmをFSRで割った値の小数部が約0.5にな
るようなFSRのエタロンを用いれば良い。
6.6pmをFSRで割った値の小数部が約0.5にな
るようなFSRのエタロンを用いれば良い。
【0053】これにより、波長157.6299nmの
強い発振線で発振するように、この発振線の中心波長を
反射率の極大値に合わせると、波長157.5233n
mの弱い発振線では、この発振線の中心波長が反射率の
極小値に位置することから、発振が抑制される。
強い発振線で発振するように、この発振線の中心波長を
反射率の極大値に合わせると、波長157.5233n
mの弱い発振線では、この発振線の中心波長が反射率の
極小値に位置することから、発振が抑制される。
【0054】以上説明したように、第5の発明によれ
ば、波長157.6299nmの強い発振線の中心波長
が反射率の極大値に位置するときに、波長157.52
33nmの弱い発振線の中心波長が反射率の極小値に位
置するので、当該強い発振線のみでレーザ発振させるこ
とができ、しかも当該弱い発振線でのレーザ発振を抑制
することができる。
ば、波長157.6299nmの強い発振線の中心波長
が反射率の極大値に位置するときに、波長157.52
33nmの弱い発振線の中心波長が反射率の極小値に位
置するので、当該強い発振線のみでレーザ発振させるこ
とができ、しかも当該弱い発振線でのレーザ発振を抑制
することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して説明する。
面を参照して説明する。
【0056】図1は本実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置100の構成を示す構成図である。
レーザ装置100の構成を示す構成図である。
【0057】本実施形態においては、全反射鏡と出力鏡
とで構成されるレーザ共振器における出力鏡としてエタ
ロンを用いる点と、このエタロンを構成する光学素子
(プリズム)は、頂角が26度以上の角度(好ましくは
33度の角度)で且つ部分反射膜のコーティング処理が
施されていないウエッジ板で形成されている点とが、本
発明の特徴とする部分である。
とで構成されるレーザ共振器における出力鏡としてエタ
ロンを用いる点と、このエタロンを構成する光学素子
(プリズム)は、頂角が26度以上の角度(好ましくは
33度の角度)で且つ部分反射膜のコーティング処理が
施されていないウエッジ板で形成されている点とが、本
発明の特徴とする部分である。
【0058】また、本実施形態では、フッ素レーザにお
いては、出力鏡としての光学素子での反射率が約10
(8〜10)%程度あれば、フィードバックが掛かりレ
ーザ発振するという、フッ素レーザの特性を十分に認識
した上で、出力鏡としてのエタロンを実現したものであ
る。
いては、出力鏡としての光学素子での反射率が約10
(8〜10)%程度あれば、フィードバックが掛かりレ
ーザ発振するという、フッ素レーザの特性を十分に認識
した上で、出力鏡としてのエタロンを実現したものであ
る。
【0059】さて、図1に示すように、超狭帯域化フッ
素レーザ装置100では、全反射鏡10と出力鏡エタロ
ン11とでレーザ共振器が構成されており、そのレーザ
共振器間にレーザチャンバ12が配置されている。
素レーザ装置100では、全反射鏡10と出力鏡エタロ
ン11とでレーザ共振器が構成されており、そのレーザ
共振器間にレーザチャンバ12が配置されている。
【0060】出力鏡エタロン11は、2個のノーコート
プリズム(部分反射膜のコーティングが施されていない
プリズム)13a、13bで構成されており、これら2
つのプリズム間の平行なギャップによってエタロンの機
能を有すると共に、出力鏡としての機能も有する。
プリズム(部分反射膜のコーティングが施されていない
プリズム)13a、13bで構成されており、これら2
つのプリズム間の平行なギャップによってエタロンの機
能を有すると共に、出力鏡としての機能も有する。
【0061】これら2つのノーコートプリズム13a、
13bの間には、所定のギャップ長とすべくスペーサが
介在されている。このスペーサによりこれらのスペーサ
の間隔が一定に維持されるようになっている。
13bの間には、所定のギャップ長とすべくスペーサが
介在されている。このスペーサによりこれらのスペーサ
の間隔が一定に維持されるようになっている。
【0062】また、出力鏡エタロン11の2つのノーコ
ートプリズム13a、13bは、フッ素レーザにおける
波長と光強度の異なる2つの発振線のうちの予め設定さ
れる波長の発振線(157.6299nmの波長を持つ
光強度の強い発振線)を有するレーザ光を出射させるべ
く、頂角が所定の角度をもって形成されたウエッジ板に
なっている。
ートプリズム13a、13bは、フッ素レーザにおける
波長と光強度の異なる2つの発振線のうちの予め設定さ
れる波長の発振線(157.6299nmの波長を持つ
光強度の強い発振線)を有するレーザ光を出射させるべ
く、頂角が所定の角度をもって形成されたウエッジ板に
なっている。
【0063】レーザチャンバ12と出力鏡エタロン11
との間にはスリット14が配置されており、このスリッ
ト14は、詳細については後述するが、フッ素レーザに
おいて、波長が157.6299nmの発振線を有する
レーザ光のみを出力鏡エタロン11へ通過させ、一方、
波長が157.5233nmの発振線を有するレーザ光
を遮光するために用いられる。
との間にはスリット14が配置されており、このスリッ
ト14は、詳細については後述するが、フッ素レーザに
おいて、波長が157.6299nmの発振線を有する
レーザ光のみを出力鏡エタロン11へ通過させ、一方、
波長が157.5233nmの発振線を有するレーザ光
を遮光するために用いられる。
【0064】係る構成の超狭帯域化フッ素レーザ装置1
00においては、レーザチャンバ12から発振されたレ
ーザ光が、全反射鏡10に当たり全反射されて、再度、
レーザチャンバ12に戻りここを通過して出力鏡エタロ
ン11に入射すると、詳細については後述するが全反射
鏡10と出力鏡エタロン11との間で、スリット14を
通過した波長が157.6299nmの発振線を有する
レーザ光の共振が発生して狭帯域化され、さらに1ライ
ン化される。
00においては、レーザチャンバ12から発振されたレ
ーザ光が、全反射鏡10に当たり全反射されて、再度、
レーザチャンバ12に戻りここを通過して出力鏡エタロ
ン11に入射すると、詳細については後述するが全反射
鏡10と出力鏡エタロン11との間で、スリット14を
通過した波長が157.6299nmの発振線を有する
レーザ光の共振が発生して狭帯域化され、さらに1ライ
ン化される。
【0065】このため、出力鏡エタロン11からは、1
ライン化され狭帯域化されたレーザ光L10、つまり波
長が157.6299nmの発振線で、波長幅が約0.
2pmのレーザ光が出射される。
ライン化され狭帯域化されたレーザ光L10、つまり波
長が157.6299nmの発振線で、波長幅が約0.
2pmのレーザ光が出射される。
【0066】次に、本発明の特徴である出力鏡エタロン
11について詳細に説明する。
11について詳細に説明する。
【0067】一般にガラスにおけるノーコート(無コー
ティング)の面では、表面でフレネル反射と呼ばれるよ
うに、垂直入射の場合、4〜5%の反射がある。そこ
で、2個のノーコートプリズム13a、13bから構成
される出力鏡エタロン11では、図2に示すように、反
射率が0〜17%の間で周期的に変化する。これによっ
て反射率が高いところで、フィードバックが掛かり、選
択的にレーザ発振させることができる。
ティング)の面では、表面でフレネル反射と呼ばれるよ
うに、垂直入射の場合、4〜5%の反射がある。そこ
で、2個のノーコートプリズム13a、13bから構成
される出力鏡エタロン11では、図2に示すように、反
射率が0〜17%の間で周期的に変化する。これによっ
て反射率が高いところで、フィードバックが掛かり、選
択的にレーザ発振させることができる。
【0068】ここで、出力鏡エタロン11の特徴につい
て図3を参照して説明する。図3にに示す様に、出力鏡
であるエタロンを構成するノーコートプリズム13aの
頂角α(単位:度)、ノーコートプリズム13aと全反
射鏡10との距離をL(単位:m)、ノーコートプリズ
ム13aへのレーザ光の入射角度をθ(単位:度)、ノ
ーコートプリズム13aを構成する母材の屈折率をnと
すると、ノーコートプリズム13aから全反射鏡10へ
進んだ選択波長λ1のレーザ光が、元のノーコートプリ
ズム13aの同一地点へ戻る場合、選択しない波長λ2
のレーザ光に関しては、全反射鏡10で反射してノーコ
ートプリズム13aに戻る位置は、下記の数式(1)に
示される値「X」(単位:mm)だけズレることにな
る。
て図3を参照して説明する。図3にに示す様に、出力鏡
であるエタロンを構成するノーコートプリズム13aの
頂角α(単位:度)、ノーコートプリズム13aと全反
射鏡10との距離をL(単位:m)、ノーコートプリズ
ム13aへのレーザ光の入射角度をθ(単位:度)、ノ
ーコートプリズム13aを構成する母材の屈折率をnと
すると、ノーコートプリズム13aから全反射鏡10へ
進んだ選択波長λ1のレーザ光が、元のノーコートプリ
ズム13aの同一地点へ戻る場合、選択しない波長λ2
のレーザ光に関しては、全反射鏡10で反射してノーコ
ートプリズム13aに戻る位置は、下記の数式(1)に
示される値「X」(単位:mm)だけズレることにな
る。
【0069】 X=2L*(Sinα/Cosθ)*(dn/dλ)*Δλ ・・・(1) ただし、dn/dλは屈折率の波長分散を表し、Δλは
2本のライン(発振線)の波長λ1と波長λ2との差を
表す。
2本のライン(発振線)の波長λ1と波長λ2との差を
表す。
【0070】一方、フッ素レーザの利得は、一般に15
%/cmであると言われており、放電長をZ(単位:
m)とすると、レーザ発振が開始される条件は、レーザ
共振器間を一往復した光の強度が100%を越える場合
であるため、全反射鏡10の反射率を100%と仮定す
ると、レーザ発振開始条件は下記の数式(2)で表され
る。
%/cmであると言われており、放電長をZ(単位:
m)とすると、レーザ発振が開始される条件は、レーザ
共振器間を一往復した光の強度が100%を越える場合
であるため、全反射鏡10の反射率を100%と仮定す
ると、レーザ発振開始条件は下記の数式(2)で表され
る。
【0071】 15*Z*2(1−D/100)^2*R=100(%) ・・・(2) 但し、Rは出力鏡の反射率であり、Dは回折損失であ
り、^はべき剰である。
り、^はべき剰である。
【0072】ところで、一般的なフッ素レーザでは、放
電長は約1mであり、出力鏡の反射率は約8%(これ
は、ノーコートの基板を用いた一般的なフッ素レーザの
場合の表面と裏面のフレネル反射の和である)であるた
め、上記数式(2)より、回折損失Dとしては35%以
下にしないと、TEM00モードでレーザ発振しないこ
とになる。なお、TEM00モードとは、レーザ光のビ
ーム質を左右するモードにおける最も基本的なモードの
ことである。
電長は約1mであり、出力鏡の反射率は約8%(これ
は、ノーコートの基板を用いた一般的なフッ素レーザの
場合の表面と裏面のフレネル反射の和である)であるた
め、上記数式(2)より、回折損失Dとしては35%以
下にしないと、TEM00モードでレーザ発振しないこ
とになる。なお、TEM00モードとは、レーザ光のビ
ーム質を左右するモードにおける最も基本的なモードの
ことである。
【0073】そのとき、フレネル数Nは、図4に示す回
折損失とフレネル数との関係を表した特性より、約0.
4となる。
折損失とフレネル数との関係を表した特性より、約0.
4となる。
【0074】ここで、ビーム半径をa(単位:mm)、
レーザ共振器長(ノーコートプリズム13aと全反射鏡
10との距離)をL(単位:m)とすると、フレネル数
Nは下記の数式(3)で表される。
レーザ共振器長(ノーコートプリズム13aと全反射鏡
10との距離)をL(単位:m)とすると、フレネル数
Nは下記の数式(3)で表される。
【0075】 N=a^2/(Lλ) ・・・(3) ただし、λはノーコートプリズム13aから全反射鏡1
0へ進んだ選択波長(単位:nm)を表し、^はべき剰
を表す。
0へ進んだ選択波長(単位:nm)を表し、^はべき剰
を表す。
【0076】ここで、レーザ共振器長L=2mとした場
合に、上記数式(3)に各値を代入して演算すると、ビ
ーム半径a≧0.35mmとなる。従って、ビーム幅と
しては0.7mm以上でないとレーザ発振しないことに
なる。
合に、上記数式(3)に各値を代入して演算すると、ビ
ーム半径a≧0.35mmとなる。従って、ビーム幅と
しては0.7mm以上でないとレーザ発振しないことに
なる。
【0077】すなわち、不所望のラインの発振をプリズ
ムを用いて抑制するには、レーザ共振器間を1往復する
レーザ光がズレる長さXを約0.7mm以上にすれば良
い。
ムを用いて抑制するには、レーザ共振器間を1往復する
レーザ光がズレる長さXを約0.7mm以上にすれば良
い。
【0078】従って、図5に示すズレ量とプリズムの頂
角との関係を表す特性から分かるように、頂角αが約2
6度以上のプリズムを用いれば、1ラインのみで発振す
ることになる。
角との関係を表す特性から分かるように、頂角αが約2
6度以上のプリズムを用いれば、1ラインのみで発振す
ることになる。
【0079】すなわち、フッ素レーザにおいて、波長λ
1が157.6299nmの発振線を有するレーザ光の
みがスリット14を通過して出力鏡エタロン11に入射
し、一方、波長λ2が157.5233nmの発振線を
有するレーザ光がスリット14により遮光されるこによ
り、波長λ1が157.6299nmの発振線を有する
レーザ光のみが出力鏡エタロン11のノーコートプリズ
ム13aと全反射鏡10との間で共振されて、狭帯域化
されることになる。
1が157.6299nmの発振線を有するレーザ光の
みがスリット14を通過して出力鏡エタロン11に入射
し、一方、波長λ2が157.5233nmの発振線を
有するレーザ光がスリット14により遮光されるこによ
り、波長λ1が157.6299nmの発振線を有する
レーザ光のみが出力鏡エタロン11のノーコートプリズ
ム13aと全反射鏡10との間で共振されて、狭帯域化
されることになる。
【0080】特に頂角αとして約33度のプリズムを用
いると、入射角θは約57度になり、この入射角度はフ
ッ化カルシウムを母材とした基板のブリュースタ角にな
ることから、プリズム表面での反射損失を抑制すること
ができ、しかも効率良くレーザ発振できる。
いると、入射角θは約57度になり、この入射角度はフ
ッ化カルシウムを母材とした基板のブリュースタ角にな
ることから、プリズム表面での反射損失を抑制すること
ができ、しかも効率良くレーザ発振できる。
【0081】したがって、本実施形態においては、頂角
αが33度のノーコートプリズムが用いられ、このノー
コートプリズムを用いた出力鏡エタロン11は、図1に
示したように、ノーコートプリズム13aへのレーザ光
の入射角がブリュースタ角θBとなるように配置されて
いる。このため、157.6299nmの波長λ1の発
振線のみで発振されるようになる。
αが33度のノーコートプリズムが用いられ、このノー
コートプリズムを用いた出力鏡エタロン11は、図1に
示したように、ノーコートプリズム13aへのレーザ光
の入射角がブリュースタ角θBとなるように配置されて
いる。このため、157.6299nmの波長λ1の発
振線のみで発振されるようになる。
【0082】このように、本実施形態においては、ノー
コートの基板を合わせた面をエタロンとする出力鏡にお
いて、反射率が約8%以上になれば十分発振し、反射率
がより高い波長で先に発振が開始されることから、その
波長でレーザ発振が集中し、波長の狭帯域化が起こる。
コートの基板を合わせた面をエタロンとする出力鏡にお
いて、反射率が約8%以上になれば十分発振し、反射率
がより高い波長で先に発振が開始されることから、その
波長でレーザ発振が集中し、波長の狭帯域化が起こる。
【0083】しかも、レーザ共振器内のレーザ光が入射
する面では、大きな角度(ブリュースタ角)で入射する
ようになるため、反射率が低くなり、損失が低減され
る。
する面では、大きな角度(ブリュースタ角)で入射する
ようになるため、反射率が低くなり、損失が低減され
る。
【0084】さらに、レーザが共振する区間は、全反射
鏡10と出力鏡エタロン11におけるノーコートプリズ
ム13aのノーコートプリズム13bと対面している表
面(図1の下側の表面)であることから、出力鏡エタロ
ン11を構成する2個のプリズムのうち、1個のプリズ
ム13aがレーザ共振器内部に配置されることになる。
鏡10と出力鏡エタロン11におけるノーコートプリズ
ム13aのノーコートプリズム13bと対面している表
面(図1の下側の表面)であることから、出力鏡エタロ
ン11を構成する2個のプリズムのうち、1個のプリズ
ム13aがレーザ共振器内部に配置されることになる。
【0085】したがって、これはプリズムによる波長分
散の効果も合わせ持つことになり、フッ素レーザを1ラ
イン化するための新たなプリズムを用いなくとも1ライ
ン化の作用が生じる。すなわち、2本の発振線のうち、
強い1本の発振線のみでレーザ発振させることができ
る。
散の効果も合わせ持つことになり、フッ素レーザを1ラ
イン化するための新たなプリズムを用いなくとも1ライ
ン化の作用が生じる。すなわち、2本の発振線のうち、
強い1本の発振線のみでレーザ発振させることができ
る。
【0086】なお、特に確実に1ライン化させるため
に、出力鏡エタロン11を構成するプリズム13a、1
3bの頂角として20度以上の角度、好ましくは33度
のものを用いたものである。これにより、選択しないも
う一方のライン(発振線)におけるレーザ発振を抑制す
ることができる。
に、出力鏡エタロン11を構成するプリズム13a、1
3bの頂角として20度以上の角度、好ましくは33度
のものを用いたものである。これにより、選択しないも
う一方のライン(発振線)におけるレーザ発振を抑制す
ることができる。
【0087】ところで、従来においては、フッ素レーザ
における出力鏡としては、ノーコートの平行平板が用い
られていた。その理由としては、部分反射コーティング
がダメージを生じ易いだけでなく、4〜5%のフレネル
反射が平行平板の表面と裏面との2面において生じるた
め、出力鏡としての反射率が8〜10%になるからであ
る。
における出力鏡としては、ノーコートの平行平板が用い
られていた。その理由としては、部分反射コーティング
がダメージを生じ易いだけでなく、4〜5%のフレネル
反射が平行平板の表面と裏面との2面において生じるた
め、出力鏡としての反射率が8〜10%になるからであ
る。
【0088】すなわち、フッ素レーザでは、出力鏡にお
いて一般に約10%の反射率があると、フィードバック
が掛かり、効率良くレーザ発振することでがきる。
いて一般に約10%の反射率があると、フィードバック
が掛かり、効率良くレーザ発振することでがきる。
【0089】そこで、本発明においても、このようなフ
ッ素レーザの特性を十分に認識した上で、上述したよう
な出力鏡エタロン11を用いるようにしている。
ッ素レーザの特性を十分に認識した上で、上述したよう
な出力鏡エタロン11を用いるようにしている。
【0090】すなわち、出力鏡エタロン11において
は、部分反射膜が用いられていないので、ダメージが生
じる可能性は極めて低くなっている。ただし、エタロン
を形成するプリズム面での反射率は5%弱と低いことか
ら、エタロンの反射特性は、図2に示したように、最高
の反射率でも約17%と、エキシマレーザ等における最
適な反射率20〜30%に比べると低い。
は、部分反射膜が用いられていないので、ダメージが生
じる可能性は極めて低くなっている。ただし、エタロン
を形成するプリズム面での反射率は5%弱と低いことか
ら、エタロンの反射特性は、図2に示したように、最高
の反射率でも約17%と、エキシマレーザ等における最
適な反射率20〜30%に比べると低い。
【0091】しかし上述したように、フッ素レーザでは
約10%の反射があると、フィードバックが掛かり、効
率良くレーザ発振することから、出力鏡エタロン11を
用いても十分レーザ発振し、しかも反射率が高い波長か
ら先にレーザ発振が開始され、一度発振すると、その波
長でレーザ発振が集中するため、狭帯域化されることに
なる。
約10%の反射があると、フィードバックが掛かり、効
率良くレーザ発振することから、出力鏡エタロン11を
用いても十分レーザ発振し、しかも反射率が高い波長か
ら先にレーザ発振が開始され、一度発振すると、その波
長でレーザ発振が集中するため、狭帯域化されることに
なる。
【0092】なお、この実施形態において、出力鏡エタ
ロン11における2つのノーコートプリズム13a、1
3bの間隔が所定のギャップ長とすべくスペーサにより
固定される形態を示したが、これに限定されることな
く、2つのノーコートプリズム13a、13bの間に圧
電素子を介在させ、これらのプリズム間隔を、所定のギ
ャップ長とすべく、圧電素子への印加電圧を調整するこ
とで可変するようにしても良い。
ロン11における2つのノーコートプリズム13a、1
3bの間隔が所定のギャップ長とすべくスペーサにより
固定される形態を示したが、これに限定されることな
く、2つのノーコートプリズム13a、13bの間に圧
電素子を介在させ、これらのプリズム間隔を、所定のギ
ャップ長とすべく、圧電素子への印加電圧を調整するこ
とで可変するようにしても良い。
【0093】これによって、圧電素子への印可電圧を調
整することで、ギャップ長の変化に伴って可変する選択
波長を調整することが可能になる。
整することで、ギャップ長の変化に伴って可変する選択
波長を調整することが可能になる。
【0094】また、この実施形態において、出力鏡エタ
ロンを、レーザ光を取り出すための出力鏡として利用し
ているが、これに限定されることなく、この出力鏡エタ
ロンを全反射鏡側にも利用して、レーザ光を2つの方向
から取り出すように構成しても良い。またこの場合、い
ずれか一方の出力鏡エタロン(周期的波長選択素子)の
選択波長の波長差FSR(Free Spectrum Range=自由
スペクトル範囲)を狭くしても良い。
ロンを、レーザ光を取り出すための出力鏡として利用し
ているが、これに限定されることなく、この出力鏡エタ
ロンを全反射鏡側にも利用して、レーザ光を2つの方向
から取り出すように構成しても良い。またこの場合、い
ずれか一方の出力鏡エタロン(周期的波長選択素子)の
選択波長の波長差FSR(Free Spectrum Range=自由
スペクトル範囲)を狭くしても良い。
【0095】係る構成によれば、レーザ共振器の両端が
出力鏡エタロンになることで、この共振器間にエタロン
が2個配置されるようになるため、狭帯域化の効果が2
倍になり、一層狭い波長のレーザ光を発生させることが
できる。
出力鏡エタロンになることで、この共振器間にエタロン
が2個配置されるようになるため、狭帯域化の効果が2
倍になり、一層狭い波長のレーザ光を発生させることが
できる。
【0096】なお、上述したようにレーザ共振器間にエ
タロンが2個配置される構成の場合には、2本のビーム
としてレーザ光が取り出されるが、この場合は、これら
のレーザ光を平行に合わせて露光機本体に導けばよい。
つまり、露光機本体では、一般にビーム強度分布を均一
化する光学系が含まれるため、たとえ元が2本のビーム
であっても、均一な強度分布の1本のビームになるた
め、露光に際しては全く問題はない。
タロンが2個配置される構成の場合には、2本のビーム
としてレーザ光が取り出されるが、この場合は、これら
のレーザ光を平行に合わせて露光機本体に導けばよい。
つまり、露光機本体では、一般にビーム強度分布を均一
化する光学系が含まれるため、たとえ元が2本のビーム
であっても、均一な強度分布の1本のビームになるた
め、露光に際しては全く問題はない。
【0097】しかし、これに対して、例えば、レーザ光
1点に集光するような用途において、2本の平行なビー
ムを用いると、集光点は2つに分かれてしまうため好ま
しくはない。ところが、この超狭帯域化フッ素レーザ装
置は特に露光光源として利用されることから、2本のビ
ームとしてレーザ光を発生させても構わない。
1点に集光するような用途において、2本の平行なビー
ムを用いると、集光点は2つに分かれてしまうため好ま
しくはない。ところが、この超狭帯域化フッ素レーザ装
置は特に露光光源として利用されることから、2本のビ
ームとしてレーザ光を発生させても構わない。
【0098】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、頂角αが33度のノーコートプリズムを2個用いた
出力鏡エタロン11は、ノーコートプリズム13aへの
レーザ光の入射角がブリュースタ角となるように配置さ
れているので、157.6299nmの波長の発振線の
みで発振させることができる。
ば、頂角αが33度のノーコートプリズムを2個用いた
出力鏡エタロン11は、ノーコートプリズム13aへの
レーザ光の入射角がブリュースタ角となるように配置さ
れているので、157.6299nmの波長の発振線の
みで発振させることができる。
【0099】また、出力鏡エタロン11の構成要素とし
てのプリズムは、部分反射膜がコーティングされていな
いので、ダメージが生じ難く、よってフッ素レーザの1
ラインをダメージの生じ難い光学素子(エタロン)を用
いて、波長幅を約0.2pm程度まで狭帯域化すること
ができ、しかも、プリズムを新たに用いずに1ライン化
も達成することができる。
てのプリズムは、部分反射膜がコーティングされていな
いので、ダメージが生じ難く、よってフッ素レーザの1
ラインをダメージの生じ難い光学素子(エタロン)を用
いて、波長幅を約0.2pm程度まで狭帯域化すること
ができ、しかも、プリズムを新たに用いずに1ライン化
も達成することができる。
【0100】[第2の実施の形態]図6は、第2の実施
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置における出力鏡
エタロン15の構成を示す構成図である。
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置における出力鏡
エタロン15の構成を示す構成図である。
【0101】この実施形態の出力鏡エタロン15を用い
た超狭帯域化フッ素レーザ装置は、図1に示した超狭帯
域化フッ素レーザ装置100の構成において、出力鏡エ
タロン11を削除し、出力鏡エタロン15を追加した構
成になている。なお、図6においては出力鏡エタロン1
5のみを示している。
た超狭帯域化フッ素レーザ装置は、図1に示した超狭帯
域化フッ素レーザ装置100の構成において、出力鏡エ
タロン11を削除し、出力鏡エタロン15を追加した構
成になている。なお、図6においては出力鏡エタロン1
5のみを示している。
【0102】本実施形態は、出力鏡エタロンの最大反射
率を、フッ素レーザにおける出力鏡の最適な反射率であ
る8〜10%の範囲内に抑制して、レーザ光を狭帯域化
させると共に、第1の実施形態の超狭帯域化フッ素レー
ザ装置100と比較して、効率よくレーザ発振させるよ
うにしたものである。
率を、フッ素レーザにおける出力鏡の最適な反射率であ
る8〜10%の範囲内に抑制して、レーザ光を狭帯域化
させると共に、第1の実施形態の超狭帯域化フッ素レー
ザ装置100と比較して、効率よくレーザ発振させるよ
うにしたものである。
【0103】次に、出力鏡エタロンの最大反射率を8〜
10%の反射率の範囲内に抑制できる原理について説明
する。
10%の反射率の範囲内に抑制できる原理について説明
する。
【0104】出力鏡エタロン11の反射率は、図2に示
したように、波長(相対波長)に対して周期的に変化す
るが、反射率の最大値RMAXは、エタロンを構成する
2枚の基板の向かい合った面の反射率をRsとすると、
数式(4)で表される。
したように、波長(相対波長)に対して周期的に変化す
るが、反射率の最大値RMAXは、エタロンを構成する
2枚の基板の向かい合った面の反射率をRsとすると、
数式(4)で表される。
【0105】 RMAX=1−{(1−Rs)/(1+Rs)}^2 ・・・(4 ) ただし、^はべき剰を表す。
【0106】このRMAXは、一般のエタロンにおける
広く知られる透過率Tを表わした下記の数式(5)にお
ける極小値を、「1.0」から差し引いた値である。
広く知られる透過率Tを表わした下記の数式(5)にお
ける極小値を、「1.0」から差し引いた値である。
【0107】 T=(1−R)^2/{(1−R)^2+4Rsin^2(δ/2)} ・・・(5) ただし、Rはエタロン内面の反射率を表し、δはエタロ
ンの間隔と波長とで定まる位相差を表し、^はべき剰を
表す。
ンの間隔と波長とで定まる位相差を表し、^はべき剰を
表す。
【0108】上記数式(5)これによると、フッ素レー
ザの波長157.6nmにおいて高い透過率を有するフ
ッ化カルシウムを2枚の基板として出力鏡エタロンを構
成すると、波長157.6nmにおけるフレネル反射
(表面反射)は約4.7%である。したがって出力鏡エ
タロンの最大反射率RMAXは約17%になる。
ザの波長157.6nmにおいて高い透過率を有するフ
ッ化カルシウムを2枚の基板として出力鏡エタロンを構
成すると、波長157.6nmにおけるフレネル反射
(表面反射)は約4.7%である。したがって出力鏡エ
タロンの最大反射率RMAXは約17%になる。
【0109】そこで、本実施形態では、波長を超狭帯域
化させたまま、レーザ出力を向上させるために、出力鏡
エタロン15を構成する2枚の基板の向かい合う内面
に、フッ化マグネシウムをコーティングし、これによっ
て、ノーコートのフッ化カルシウムから成る光学材を用
いた出力鏡エタロン11に比べて、最大反射率を約9.
5%まで下げることができる。
化させたまま、レーザ出力を向上させるために、出力鏡
エタロン15を構成する2枚の基板の向かい合う内面
に、フッ化マグネシウムをコーティングし、これによっ
て、ノーコートのフッ化カルシウムから成る光学材を用
いた出力鏡エタロン11に比べて、最大反射率を約9.
5%まで下げることができる。
【0110】次に、最大反射率を約17%から約9.5
%まで下げることのできる根拠について説明する。
%まで下げることのできる根拠について説明する。
【0111】フッ化カルシウムから成る光学材にフッ化
マグネシウムをコーティングする場合、フッ化カルシウ
ムの屈折率をn1(=1.558:フッ化カルシウムに
おける波長約158nmでの屈折率)、フッ化マグネシ
ウムの屈折率をn2(=1.464:フッ化マグネシウ
ムにおける波長約158nmでの屈折率)とすると、n
1>n2であるため、これはいわゆる減反射コーティン
グ(以下、ARコーティングという)になる。
マグネシウムをコーティングする場合、フッ化カルシウ
ムの屈折率をn1(=1.558:フッ化カルシウムに
おける波長約158nmでの屈折率)、フッ化マグネシ
ウムの屈折率をn2(=1.464:フッ化マグネシウ
ムにおける波長約158nmでの屈折率)とすると、n
1>n2であるため、これはいわゆる減反射コーティン
グ(以下、ARコーティングという)になる。
【0112】このARコーティングを施した場合の反射
率RARは、下記の数式(6)に上記各値を代入して演
算することにより得られる値、つまり約2.5%にな
る。
率RARは、下記の数式(6)に上記各値を代入して演
算することにより得られる値、つまり約2.5%にな
る。
【0113】 RAR={(n1−n2^2)/(n1+n2^2)}^2 ・・・(6 ) ただし、^はべき剰を表す。
【0114】このRAR≒2.5%の値は、広く知られ
ているように膜厚が波長の1/4の場合である。また、
膜厚が波長の1/4以外では、この値(2.5%)より
も高くなるものの、フッ化マグネシウムのコーティング
を施さないフッ化カルシウムの光学材でも、その表面反
射である反射率は約4.7%が最大値となる。
ているように膜厚が波長の1/4の場合である。また、
膜厚が波長の1/4以外では、この値(2.5%)より
も高くなるものの、フッ化マグネシウムのコーティング
を施さないフッ化カルシウムの光学材でも、その表面反
射である反射率は約4.7%が最大値となる。
【0115】上述したことから、出力鏡エタロン15の
最大反射率RMAXは、上記数式(4)にRs=2.5
%を代入して演算すると、9.5%となる。
最大反射率RMAXは、上記数式(4)にRs=2.5
%を代入して演算すると、9.5%となる。
【0116】したがって、出力鏡エタロン15の最大反
射率RMAX≒9.5%は、ノーコートのフッ化カルシ
ウムから成る基板を用いた出力鏡エタロン11の最大反
射率約17%と比較して、フッ素レーザにおける出力鏡
の最適な反射率である8〜10%の範囲に入ることか
ら、狭帯域化されるだけでなく、効率よくレーザ発振さ
せることが可能になる。
射率RMAX≒9.5%は、ノーコートのフッ化カルシ
ウムから成る基板を用いた出力鏡エタロン11の最大反
射率約17%と比較して、フッ素レーザにおける出力鏡
の最適な反射率である8〜10%の範囲に入ることか
ら、狭帯域化されるだけでなく、効率よくレーザ発振さ
せることが可能になる。
【0117】次に、出力鏡エタロン15の詳細について
図6を参照して説明する。
図6を参照して説明する。
【0118】出力鏡エタロン15はフッ化カルシウム
(CaF2)から成る2つの基板16a、16bで構成
されるエアギャップエタロンである。これら基板16a
と基板16bとの間には所定のギャップ長とすべく3本
のスペーサが介在されている(図6では、2本のスペー
サ17a、17bを示し、残りの1本のスペーサは省略
している)。これらのスペーサにより、基板16aと基
板16bとの間隔は一定に維持されることになる。
(CaF2)から成る2つの基板16a、16bで構成
されるエアギャップエタロンである。これら基板16a
と基板16bとの間には所定のギャップ長とすべく3本
のスペーサが介在されている(図6では、2本のスペー
サ17a、17bを示し、残りの1本のスペーサは省略
している)。これらのスペーサにより、基板16aと基
板16bとの間隔は一定に維持されることになる。
【0119】出力鏡エタロン15では、基板16a、1
6bの内側の研磨面に、フッ化マグネシウム(MgF
2)の膜18a、18bがコーティングされており、こ
れらコーティング膜の厚さは波長の1/4になってい
る。
6bの内側の研磨面に、フッ化マグネシウム(MgF
2)の膜18a、18bがコーティングされており、こ
れらコーティング膜の厚さは波長の1/4になってい
る。
【0120】波長157.6nmにおいては、フッ化カ
ルシウムの屈折率は約1.558であり、フッ化マグネ
シウムは約1.464であることが知られている。
ルシウムの屈折率は約1.558であり、フッ化マグネ
シウムは約1.464であることが知られている。
【0121】そこで、基板(フッ化カルシウム)の屈折
率よりも低い値の屈折率を有するフッ化マグネシウム
を、この基板にコーティングすることにより、これは、
減反射コーティングとして機能する。そして、このよう
な基板においては、コーティング膜の厚さが波長の1/
4であるため、最も反射率が低くなる。
率よりも低い値の屈折率を有するフッ化マグネシウム
を、この基板にコーティングすることにより、これは、
減反射コーティングとして機能する。そして、このよう
な基板においては、コーティング膜の厚さが波長の1/
4であるため、最も反射率が低くなる。
【0122】その反射率は、上記数式(6)に上記各反
射率の値を代入して演算することにより得られる値、つ
まり約2.5%となる。そこで、出力鏡エタロン15全
体としての反射率は、上記数式(4)に2.5%を代入
して演算することにより得られる値、つまり約9.5%
になる。
射率の値を代入して演算することにより得られる値、つ
まり約2.5%となる。そこで、出力鏡エタロン15全
体としての反射率は、上記数式(4)に2.5%を代入
して演算することにより得られる値、つまり約9.5%
になる。
【0123】なお、フッ化カルシウムの基板16a、1
6bにコーティングするMgF2膜18a、18bの膜
厚は、特に規定するものではない。すなわち、フッ化カ
ルシウムの基板にフッ化マグネシウムをコーティングす
ると、膜厚に依らずに、反射率が低下するため、この第
2の実施形態の目的である最大反射率の低減を達成する
からである。
6bにコーティングするMgF2膜18a、18bの膜
厚は、特に規定するものではない。すなわち、フッ化カ
ルシウムの基板にフッ化マグネシウムをコーティングす
ると、膜厚に依らずに、反射率が低下するため、この第
2の実施形態の目的である最大反射率の低減を達成する
からである。
【0124】しかし、好ましくは、フッ化マグネシウム
の膜厚は、波長の1/4がよく、この膜厚にすることに
より、いわゆる減反射コーティング(ARコーティン
グ)となり、最大反射率を、最も低い約9.5%にでき
るからである。
の膜厚は、波長の1/4がよく、この膜厚にすることに
より、いわゆる減反射コーティング(ARコーティン
グ)となり、最大反射率を、最も低い約9.5%にでき
るからである。
【0125】したがって、出力鏡エタロン15を用いる
ことで、広く知られているように、一般的なフッ素レー
ザ装置の出力鏡の最適反射率(8〜10%)と同等にな
ることから、狭帯域化されるだけでなく、効率よくレー
ザ発振させることができる。
ことで、広く知られているように、一般的なフッ素レー
ザ装置の出力鏡の最適反射率(8〜10%)と同等にな
ることから、狭帯域化されるだけでなく、効率よくレー
ザ発振させることができる。
【0126】すなわち、図7に示した出力鏡エタロン1
5の反射率特性から分かるように、実線で示される波長
依存性を有する反射率カーブの極大値が約9.5%にな
っている。
5の反射率特性から分かるように、実線で示される波長
依存性を有する反射率カーブの極大値が約9.5%にな
っている。
【0127】また、図7中の点線で示した反射率カーブ
は、図2に示したものと同様のグラフであるが、出力鏡
エタロンをノーコートのフッ化カルシウムの基板で構成
した場合の反射特性であり、この場合の反射率の極大値
は、図2に示した特性と同様に約17%となってしま
う。
は、図2に示したものと同様のグラフであるが、出力鏡
エタロンをノーコートのフッ化カルシウムの基板で構成
した場合の反射特性であり、この場合の反射率の極大値
は、図2に示した特性と同様に約17%となってしま
う。
【0128】この第2の実施形態では、出力鏡エタロン
15の内面にフッ化マグネシウムのコーティングを施す
ことを特徴としているが、フッ化マグネシウムのコーテ
ィングは、以下に説明するように、耐光強度の点で全く
問題はない。
15の内面にフッ化マグネシウムのコーティングを施す
ことを特徴としているが、フッ化マグネシウムのコーテ
ィングは、以下に説明するように、耐光強度の点で全く
問題はない。
【0129】すなわち、フッ化マグネシウムは、真空紫
外域において非常に透過率が高いことが知られており、
しかも本実施形態では一層のみコーティングすることか
ら、コーティング膜におけるレーザ光の吸収は非常に小
さい。したがってフッ化マグネシウムのコーティング膜
にダメージが生じにくく、最大反射率を低下させつつ、
なおかつ耐光強度を維持させることができる。
外域において非常に透過率が高いことが知られており、
しかも本実施形態では一層のみコーティングすることか
ら、コーティング膜におけるレーザ光の吸収は非常に小
さい。したがってフッ化マグネシウムのコーティング膜
にダメージが生じにくく、最大反射率を低下させつつ、
なおかつ耐光強度を維持させることができる。
【0130】因みに、フッ素レーザ用の光学素子におけ
るコーティング膜にダメージが生じ易い理由としては、
(1)レーザ光が極めて短い波長の真空紫外域である。
るコーティング膜にダメージが生じ易い理由としては、
(1)レーザ光が極めて短い波長の真空紫外域である。
【0131】(2)通常の部分反射膜等では何十層もの
多層コーティングを施すため、多層膜の全体としてレー
ザ光を通常3〜10%も吸収し、しかもコーティング膜
自体は基板に比べて遙かに薄いため、レーザ光が通過す
る部分の体積は非常に小さい。
多層コーティングを施すため、多層膜の全体としてレー
ザ光を通常3〜10%も吸収し、しかもコーティング膜
自体は基板に比べて遙かに薄いため、レーザ光が通過す
る部分の体積は非常に小さい。
【0132】という上記2つのことから、膜自体の温度
上昇が大きく、直ぐに融点に達するからである。
上昇が大きく、直ぐに融点に達するからである。
【0133】なお、この第2の実施形態において、出力
鏡エタロン15の基板16a、16bの対向する内面に
フッ化マグネシウムの膜をコーティングするのに加え
て、これら基板16a、16bの外側の面にもフッ化マ
グネシウムの膜をコーティングするようにしても良い。
鏡エタロン15の基板16a、16bの対向する内面に
フッ化マグネシウムの膜をコーティングするのに加え
て、これら基板16a、16bの外側の面にもフッ化マ
グネシウムの膜をコーティングするようにしても良い。
【0134】その利点としては、フッ化マグネシウムの
膜は応力が大きいため、基板の内面のみコーティングす
ると、応力によって基板が反ることがある。そこで基板
の両面に同様の厚みのフッ化マグネシウムの膜をコーテ
ィングすることで、反りが相殺され、基板の平坦度を高
い値に保つことが可能である。
膜は応力が大きいため、基板の内面のみコーティングす
ると、応力によって基板が反ることがある。そこで基板
の両面に同様の厚みのフッ化マグネシウムの膜をコーテ
ィングすることで、反りが相殺され、基板の平坦度を高
い値に保つことが可能である。
【0135】また、第2の実施形態において、出力鏡エ
タロン15における2枚の基板16a、16bの間隔を
所定のギャップ長とすべくスペーサにより一定に維持す
るようにした形態を示したが、これに限定されることな
く、2枚の基板の間に圧電素子を介在させ、これらの基
板間隔を、所定のギャップ長とすべく、圧電素子への印
加電圧を調整することで可変するようにしても良い。
タロン15における2枚の基板16a、16bの間隔を
所定のギャップ長とすべくスペーサにより一定に維持す
るようにした形態を示したが、これに限定されることな
く、2枚の基板の間に圧電素子を介在させ、これらの基
板間隔を、所定のギャップ長とすべく、圧電素子への印
加電圧を調整することで可変するようにしても良い。
【0136】これによって、圧電素子への印可電圧を調
整することで、ギャップ長の変化に伴って可変する選択
波長を調整することが可能になる。
整することで、ギャップ長の変化に伴って可変する選択
波長を調整することが可能になる。
【0137】さらに、第2の実施形態において、出力鏡
エタロンを、レーザ光を取り出すための出力鏡として利
用しているが、これに限定されることなく、この出力鏡
エタロンを全反射鏡側にも利用して、レーザ光を2つの
方向から取り出すように構成しても良い。またこの場
合、いずれか一方の出力鏡エタロン(周期的波長選択素
子)の選択波長の波長差FSR(Free Spectrum Range
=自由スペクトル範囲)を狭くしても良い。
エタロンを、レーザ光を取り出すための出力鏡として利
用しているが、これに限定されることなく、この出力鏡
エタロンを全反射鏡側にも利用して、レーザ光を2つの
方向から取り出すように構成しても良い。またこの場
合、いずれか一方の出力鏡エタロン(周期的波長選択素
子)の選択波長の波長差FSR(Free Spectrum Range
=自由スペクトル範囲)を狭くしても良い。
【0138】係る構成によれば、レーザ共振器の両端が
出力鏡エタロンになることで、この共振器間にエタロン
が2個配置されるようになるため、狭帯域化の効果が2
倍になり、一層狭い波長のレーザ光を発生させることが
できる。
出力鏡エタロンになることで、この共振器間にエタロン
が2個配置されるようになるため、狭帯域化の効果が2
倍になり、一層狭い波長のレーザ光を発生させることが
できる。
【0139】なお、上述したようにレーザ共振器間にエ
タロンが2個配置される構成の場合には、2本のビーム
としてレーザ光が取り出されるが、この場合は、これら
のレーザ光を平行に合わせて露光機本体に導けばよい。
つまり、露光機本体では、一般にビーム強度分布を均一
化する光学系が含まれるため、たとえ元が2本のビーム
であっても、均一な強度分布の1本のビームになるた
め、露光に際しては全く問題はない。
タロンが2個配置される構成の場合には、2本のビーム
としてレーザ光が取り出されるが、この場合は、これら
のレーザ光を平行に合わせて露光機本体に導けばよい。
つまり、露光機本体では、一般にビーム強度分布を均一
化する光学系が含まれるため、たとえ元が2本のビーム
であっても、均一な強度分布の1本のビームになるた
め、露光に際しては全く問題はない。
【0140】しかし、これに対して、例えば、レーザ光
1点に集光するような用途において、2本の平行なビー
ムを用いると、集光点は2つに分かれてしまうため好ま
しくはない。ところが、この超狭帯域化フッ素レーザ装
置は特に露光光源として利用されることから、2本のビ
ームとしてレーザ光を発生させても構わない。
1点に集光するような用途において、2本の平行なビー
ムを用いると、集光点は2つに分かれてしまうため好ま
しくはない。ところが、この超狭帯域化フッ素レーザ装
置は特に露光光源として利用されることから、2本のビ
ームとしてレーザ光を発生させても構わない。
【0141】以上説明したように第2の実施形態によれ
ば、上述した第1の実施形態の作用効果を期待すること
ができることは勿論のこと、第1の実施形態の場合と比
較して、出力鏡エタロンの最大反射率を、フッ素レーザ
における出力鏡の最適な反射率である8〜10%の範囲
内に抑制することができ、よってレーザ光を狭帯域化さ
せつつ、効率よくレーザ発振させることができる。
ば、上述した第1の実施形態の作用効果を期待すること
ができることは勿論のこと、第1の実施形態の場合と比
較して、出力鏡エタロンの最大反射率を、フッ素レーザ
における出力鏡の最適な反射率である8〜10%の範囲
内に抑制することができ、よってレーザ光を狭帯域化さ
せつつ、効率よくレーザ発振させることができる。
【0142】[第3の実施の形態]図8は第3の実施形
態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置200の構成を示
す構成図である。
態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置200の構成を示
す構成図である。
【0143】同図に示す超狭帯域化フッ素レーザ装置2
00は、図1に示した構成において、出力鏡エタロン1
1を出力鏡エタロン20に変更し、スリット14を削除
した構成になっている。なお、同図において、図1に示
した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号
を付している。
00は、図1に示した構成において、出力鏡エタロン1
1を出力鏡エタロン20に変更し、スリット14を削除
した構成になっている。なお、同図において、図1に示
した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号
を付している。
【0144】この実施形態は、基本的には上記第1の実
施形態と同様の動作をするものの、詳細については後述
する出力鏡エタロン20による狭帯域化及び1ライン化
の動作が、第1の実施形態とは異なっている。
施形態と同様の動作をするものの、詳細については後述
する出力鏡エタロン20による狭帯域化及び1ライン化
の動作が、第1の実施形態とは異なっている。
【0145】次に、出力鏡エタロン20について詳細に
説明する。
説明する。
【0146】この出力鏡エタロン20は、フッ素レーザ
における2本の発振線のうち、強い発振線の中心波長が
当該エタロンの反射率の極大近傍に位置するときに、弱
い発振線の中心波長が当該エタロンの反射率の極小近傍
に位置すべく、隣接する極大または極小の反射率での選
択波長の波長差(これは自由スペクトル範囲とも呼ばれ
る)=FSR(Free Spectrum Range)を有する光学素
子(周期的波長選択素子)で構成されている。
における2本の発振線のうち、強い発振線の中心波長が
当該エタロンの反射率の極大近傍に位置するときに、弱
い発振線の中心波長が当該エタロンの反射率の極小近傍
に位置すべく、隣接する極大または極小の反射率での選
択波長の波長差(これは自由スペクトル範囲とも呼ばれ
る)=FSR(Free Spectrum Range)を有する光学素
子(周期的波長選択素子)で構成されている。
【0147】この光学素子としては通常のエタロンが用
いられているが、隣接する2つの選択波長の波長差(以
下、FSRという)の値を有するエタロンを出力鏡とし
て用いた点が、本発明の特徴とする部分である。
いられているが、隣接する2つの選択波長の波長差(以
下、FSRという)の値を有するエタロンを出力鏡とし
て用いた点が、本発明の特徴とする部分である。
【0148】ところで、上記FSRは、下記の数式
(7)で表すことができる。
(7)で表すことができる。
【0149】 FSR=λ^2/(2nd) ・・・(7) ただし、λは波長(単位:nm)を表し、nは媒体(空
気中)の屈折率を表し、dは2つのプリズムのギャップ
間隔(単位:mm)を表し、^はべき剰を表す。
気中)の屈折率を表し、dは2つのプリズムのギャップ
間隔(単位:mm)を表し、^はべき剰を表す。
【0150】出力鏡エタロン40においてはギャップ間
d=12.3mmに設定されているので、フッ素レーザ
の波長λ=157nm、空気中の屈折率n≒1とした場
合に、上記数式(7)にこれらの値を代入して演算する
と、出力鏡エタロン20におけるFSRは約1.01p
mになる。
d=12.3mmに設定されているので、フッ素レーザ
の波長λ=157nm、空気中の屈折率n≒1とした場
合に、上記数式(7)にこれらの値を代入して演算する
と、出力鏡エタロン20におけるFSRは約1.01p
mになる。
【0151】したがって、2ラインの波長差106.6
pm(=157629.9pm−157523.3p
m)をFSRで割った値は、106.6/1.01=1
05.5となる。
pm(=157629.9pm−157523.3p
m)をFSRで割った値は、106.6/1.01=1
05.5となる。
【0152】このように、2本の発振線の波長差10
6.6pmをFSRで割った値の小数部が約0.5にな
るようなFSRの値を持つエタロンを用いれば良い。
6.6pmをFSRで割った値の小数部が約0.5にな
るようなFSRの値を持つエタロンを用いれば良い。
【0153】これにより、波長157.6299nmの
強い発振線で発振するように、この発振線の中心波長を
反射率の極大値に合わせると、波長157.5233n
mの弱い発振線では、この発振線の中心波長が反射率の
極小値に位置することから、発振が抑制される。
強い発振線で発振するように、この発振線の中心波長を
反射率の極大値に合わせると、波長157.5233n
mの弱い発振線では、この発振線の中心波長が反射率の
極小値に位置することから、発振が抑制される。
【0154】すなわち、出力鏡におけるフィードバック
が強い波長の近傍でレーザ発振することから、強い発振
線においてレーザ発振させることができ、しかも弱い発
振線においては、出力鏡でのフィードバックが掛からな
いことから、レーザ発振を抑制することができる。
が強い波長の近傍でレーザ発振することから、強い発振
線においてレーザ発振させることができ、しかも弱い発
振線においては、出力鏡でのフィードバックが掛からな
いことから、レーザ発振を抑制することができる。
【0155】したがって、出力鏡エタロン20からは、
波長157.6299nmの強い発振線で、しかも超狭
帯域化されたレーザ光L20が取り出される。
波長157.6299nmの強い発振線で、しかも超狭
帯域化されたレーザ光L20が取り出される。
【0156】このように、プリズムを用いずに、強い発
振線のみでレーザ発振させながら、その発振線をさらに
狭帯域化することができる。
振線のみでレーザ発振させながら、その発振線をさらに
狭帯域化することができる。
【0157】また、FSRの範囲としては、1ラインの
幅が約1pmと言われていることから、約1.5pm以
下程度であることが望ましい。
幅が約1pmと言われていることから、約1.5pm以
下程度であることが望ましい。
【0158】さらに、上記数式(7)を、ギャップ長d
を求める数式{ギャップ長d=λ^2/(2n・FS
R)}に変形し、この変形した数式にFSR=1.5p
m、フッ素レーザの波長λ=157nm、空気中の屈折
率n≒1を代入し演算して得られるギャップ長よりも、
実際のギャップ長が多少離れていても、2本の発振線の
波長差106.6pmを、上記数式(7)に実際のギャ
ップ長を代入し演算して得られるFSRで割った値の小
数部が0.3〜0.7の範囲に入る場合は、1ライン化
の効果がある。
を求める数式{ギャップ長d=λ^2/(2n・FS
R)}に変形し、この変形した数式にFSR=1.5p
m、フッ素レーザの波長λ=157nm、空気中の屈折
率n≒1を代入し演算して得られるギャップ長よりも、
実際のギャップ長が多少離れていても、2本の発振線の
波長差106.6pmを、上記数式(7)に実際のギャ
ップ長を代入し演算して得られるFSRで割った値の小
数部が0.3〜0.7の範囲に入る場合は、1ライン化
の効果がある。
【0159】なお、この第3の実施形態において、出力
鏡エタロンを、レーザ光を取り出すための出力鏡として
利用しているが、これに限定されることなく、この出力
鏡エタロンを全反射鏡側にも利用して、レーザ光を2つ
の方向から取り出すように構成しても良い。またこの場
合、いずれか一方の出力鏡エタロン(周期的波長選択素
子)の選択波長の波長差FSR(Free Spectrum Range
=自由スペクトル範囲)を狭くしても良い。
鏡エタロンを、レーザ光を取り出すための出力鏡として
利用しているが、これに限定されることなく、この出力
鏡エタロンを全反射鏡側にも利用して、レーザ光を2つ
の方向から取り出すように構成しても良い。またこの場
合、いずれか一方の出力鏡エタロン(周期的波長選択素
子)の選択波長の波長差FSR(Free Spectrum Range
=自由スペクトル範囲)を狭くしても良い。
【0160】係る構成によれば、レーザ共振器の両端が
出力鏡エタロンになることで、この共振器間にエタロン
が2個配置されるようになるため、狭帯域化の効果が2
倍になり、一層狭い波長のレーザ光を発生させることが
できる。
出力鏡エタロンになることで、この共振器間にエタロン
が2個配置されるようになるため、狭帯域化の効果が2
倍になり、一層狭い波長のレーザ光を発生させることが
できる。
【0161】なお、上述したようにレーザ共振器間にエ
タロンが2個配置される構成の場合には、2本のビーム
としてレーザ光が取り出されるが、この場合は、これら
のレーザ光を平行に合わせて露光機本体に導けばよい。
つまり、露光機本体では、一般にビーム強度分布を均一
化する光学系が含まれるため、たとえ元が2本のビーム
であっても、均一な強度分布の1本のビームになるた
め、露光に際しては全く問題はない。
タロンが2個配置される構成の場合には、2本のビーム
としてレーザ光が取り出されるが、この場合は、これら
のレーザ光を平行に合わせて露光機本体に導けばよい。
つまり、露光機本体では、一般にビーム強度分布を均一
化する光学系が含まれるため、たとえ元が2本のビーム
であっても、均一な強度分布の1本のビームになるた
め、露光に際しては全く問題はない。
【0162】しかし、これに対して、例えば、レーザ光
1点に集光するような用途において、2本の平行なビー
ムを用いると、集光点は2つに分かれてしまうため好ま
しくはない。ところが、この超狭帯域化フッ素レーザ装
置は特に露光光源として利用されることから、2本のビ
ームとしてレーザ光を発生させても構わない。
1点に集光するような用途において、2本の平行なビー
ムを用いると、集光点は2つに分かれてしまうため好ま
しくはない。ところが、この超狭帯域化フッ素レーザ装
置は特に露光光源として利用されることから、2本のビ
ームとしてレーザ光を発生させても構わない。
【0163】以上説明したように、第3の実施形態によ
れば、フッ素レーザの出力鏡をエタロンで構成し、且つ
該エタロンのFSRとして、フッ素レーザにおける2本
の発振線のうち、強い発振線(波長157.6299n
m)の中心波長が該エタロンの反射率の極大近傍に位置
するときに、弱い発振線(波長157.5233nm)
の中心波長が該エタロンの反射率の極小近傍に位置する
ようなFSRを採用しているので、強い発振線において
レーザ発振させることができ、しかも弱い発振線におい
ては、出力鏡でのフィードバックが掛からないことか
ら、レーザ発振を抑制することができる。
れば、フッ素レーザの出力鏡をエタロンで構成し、且つ
該エタロンのFSRとして、フッ素レーザにおける2本
の発振線のうち、強い発振線(波長157.6299n
m)の中心波長が該エタロンの反射率の極大近傍に位置
するときに、弱い発振線(波長157.5233nm)
の中心波長が該エタロンの反射率の極小近傍に位置する
ようなFSRを採用しているので、強い発振線において
レーザ発振させることができ、しかも弱い発振線におい
ては、出力鏡でのフィードバックが掛からないことか
ら、レーザ発振を抑制することができる。
【0164】[第4の実施の形態]図10は第4の実施
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置300の構成を
示す構成図である。
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置300の構成を
示す構成図である。
【0165】この超狭帯域化フッ素レーザ装置300
は、発振段と増幅段とを合わせ持つフッ素レーザ装置を
想定している。
は、発振段と増幅段とを合わせ持つフッ素レーザ装置を
想定している。
【0166】発振段は、全反射鏡31と本発明の出力鏡
エタロン32とで共振器が構成されており、この共振器
間にレーザチャンバ33が配置されている。
エタロン32とで共振器が構成されており、この共振器
間にレーザチャンバ33が配置されている。
【0167】出力鏡エタロン32は、上述した第2の実
施形態での出力鏡20と同様の機能を有するものであ
り、この出力鏡エタロン32の2つの選択波長の波長差
(FSR)は、フッ素レーザにおける2本の発振線のう
ち、強い発振線の中心波長が該エタロンの反射率の極大
近傍に位置するときに、弱い発振線の中心波長が該エタ
ロンの反射率の極小近傍に位置するようなFSRの値に
設定されている。
施形態での出力鏡20と同様の機能を有するものであ
り、この出力鏡エタロン32の2つの選択波長の波長差
(FSR)は、フッ素レーザにおける2本の発振線のう
ち、強い発振線の中心波長が該エタロンの反射率の極大
近傍に位置するときに、弱い発振線の中心波長が該エタ
ロンの反射率の極小近傍に位置するようなFSRの値に
設定されている。
【0168】発振段においてレーザ発振させると、出力
鏡エタロン32からレーザ光L30が取り出される。レ
ーザ光L30は、ミラー34a、34bによって折り返
され、ビーム拡大器35を通り、シフトプリズム36を
通ってビームの位置が平行移動し、レーザチャンバ33
を通過する。これによって増幅されたレーザ光L31が
取り出される。これがフッ素露光機に進み、露光に利用
される。
鏡エタロン32からレーザ光L30が取り出される。レ
ーザ光L30は、ミラー34a、34bによって折り返
され、ビーム拡大器35を通り、シフトプリズム36を
通ってビームの位置が平行移動し、レーザチャンバ33
を通過する。これによって増幅されたレーザ光L31が
取り出される。これがフッ素露光機に進み、露光に利用
される。
【0169】図10から分かるように、レーザチャンバ
33内における増幅段の光路内で発生した微弱な光のう
ち、図10で情報に進む光は、シフトプリズム36、ビ
ーム拡大器35を通り、ミラー34bとミラー34aと
で反射して、出力鏡エタロン32に当たる。
33内における増幅段の光路内で発生した微弱な光のう
ち、図10で情報に進む光は、シフトプリズム36、ビ
ーム拡大器35を通り、ミラー34bとミラー34aと
で反射して、出力鏡エタロン32に当たる。
【0170】その際に、そこで正反対に戻されるように
反射するレーザ光は、発振段で発振させる選択波長であ
る。したがって、これが増幅段に再び戻されて強めら
れ、レーザ光L31に含まれても、露光に利用できる。
反射するレーザ光は、発振段で発振させる選択波長であ
る。したがって、これが増幅段に再び戻されて強めら
れ、レーザ光L31に含まれても、露光に利用できる。
【0171】一方、レーザチャンバ33内における増幅
段の光路内で発生した微弱な光のうち、発振段へ向かう
逆方向に進むレーザ光において、不所望の波長のもの
は、出力鏡エタロン32において低反射率を有すること
になる。したがって、ここで反射して増幅段に再び戻っ
て、ASE(Amplified Spontaneous Emission)と呼ば
れるスペクトル幅の広い光の発生に寄与することはな
い。
段の光路内で発生した微弱な光のうち、発振段へ向かう
逆方向に進むレーザ光において、不所望の波長のもの
は、出力鏡エタロン32において低反射率を有すること
になる。したがって、ここで反射して増幅段に再び戻っ
て、ASE(Amplified Spontaneous Emission)と呼ば
れるスペクトル幅の広い光の発生に寄与することはな
い。
【0172】以上説明したように、第4の実施形態によ
れば、発振段においては上記第2の実施形態の作用効果
を期待することができる。
れば、発振段においては上記第2の実施形態の作用効果
を期待することができる。
【0173】すなわち、発振段においては、強い発振線
においてレーザ発振させることができ、しかも弱い発振
線においては、出力鏡でのフィードバックが掛からない
ことから、レーザ発振を抑制することができる。
においてレーザ発振させることができ、しかも弱い発振
線においては、出力鏡でのフィードバックが掛からない
ことから、レーザ発振を抑制することができる。
【0174】また、レーザチャンバ33内における増幅
段の光路内で発生した微弱な光のうち、発振段へ向かう
逆方向に進むレーザ光による上記ASEが発生すること
はない。
段の光路内で発生した微弱な光のうち、発振段へ向かう
逆方向に進むレーザ光による上記ASEが発生すること
はない。
【0175】[第5の実施の形態]図11は、超狭帯域
化レーザ装置を用いたフッ素露光機400の構成を示す
構成図である。
化レーザ装置を用いたフッ素露光機400の構成を示す
構成図である。
【0176】このフッ素露光機400は、大別して、図
1に示した超狭帯域化レーザ装置100と、露光機本体
410とから構成されている。
1に示した超狭帯域化レーザ装置100と、露光機本体
410とから構成されている。
【0177】露光機本体410は、クリーンルーム内の
グレーチング41上に配置されており、超狭帯域化レー
ザ装置100は、グレーチング41の下のフロアー(一
般に床下と呼ばれるフロアー)の床42の上に配置され
ている。
グレーチング41上に配置されており、超狭帯域化レー
ザ装置100は、グレーチング41の下のフロアー(一
般に床下と呼ばれるフロアー)の床42の上に配置され
ている。
【0178】超狭帯域化レーザ装置100から取り出さ
れた波長幅が約0.2pmの強いライン(発振線)のみ
のレーザ光L40は、ミラー43aに反射して上方に進
み、グレーチング41における開口部44を通過して、
露光機本体410内に進む。
れた波長幅が約0.2pmの強いライン(発振線)のみ
のレーザ光L40は、ミラー43aに反射して上方に進
み、グレーチング41における開口部44を通過して、
露光機本体410内に進む。
【0179】レーザ光L40は、レンズ45で絞られ、
さらにフッ化カルシウムから成るガラスロッド46内を
進み、この内部で全反射を繰り返すことで、ビーム強度
分布が均一化されたレーザ光L41として出射される。
さらにフッ化カルシウムから成るガラスロッド46内を
進み、この内部で全反射を繰り返すことで、ビーム強度
分布が均一化されたレーザ光L41として出射される。
【0180】このレーザ光L41は、ミラー43bに反
射して、ビーム整形器47を通ることによりビーム断面
が拡げられ、さらにミラー43cに反射してコンデンサ
レンズ48を通ってレチクル49を照射する。
射して、ビーム整形器47を通ることによりビーム断面
が拡げられ、さらにミラー43cに反射してコンデンサ
レンズ48を通ってレチクル49を照射する。
【0181】レチクル49を出射したレーザ光L42
は、縮小投影レンズ50を通り、ウエハー51に当た
る。すなわち、レチクル49内のパターンが、縮小投影
レンズ50によって、ウエハー51上に転写されること
で、レチクル49でのパターン状に露光される。なお、
ウエハー51はステージ52に搭載されている。
は、縮小投影レンズ50を通り、ウエハー51に当た
る。すなわち、レチクル49内のパターンが、縮小投影
レンズ50によって、ウエハー51上に転写されること
で、レチクル49でのパターン状に露光される。なお、
ウエハー51はステージ52に搭載されている。
【0182】この実施形態のフッ素露光機400では、
縮小投影光学系として、縮小投影レンズ50が用いられ
ており、この縮小投影レンズ50はフッ化カルシウムか
ら成る単色レンズで構成されている。
縮小投影光学系として、縮小投影レンズ50が用いられ
ており、この縮小投影レンズ50はフッ化カルシウムか
ら成る単色レンズで構成されている。
【0183】上述したようにレンズのみの縮小投影光学
系の利用が可能になったのは、超狭帯域化レーザ装置1
00から取り出されるレーザ光L40の波長幅が約0.
2pmと、従来のフッ素レーザの約1/5と狭いため、
縮小投影レンズ50における色収差が無視できるからで
ある。
系の利用が可能になったのは、超狭帯域化レーザ装置1
00から取り出されるレーザ光L40の波長幅が約0.
2pmと、従来のフッ素レーザの約1/5と狭いため、
縮小投影レンズ50における色収差が無視できるからで
ある。
【0184】従って露光機本体410の構成としては、
従来のKrF露光機のものと同等になる。大きな違いと
しては、レンズの材質が石英からフッ化カルシウムに変
更されただけであることから、縮小投影レンズの設計と
しては、従来のものと同様になり、設計に掛かるコスト
を大幅に低減することができる。
従来のKrF露光機のものと同等になる。大きな違いと
しては、レンズの材質が石英からフッ化カルシウムに変
更されただけであることから、縮小投影レンズの設計と
しては、従来のものと同様になり、設計に掛かるコスト
を大幅に低減することができる。
【0185】以上説明したように、第5の実施形態によ
れば、フッ素露光機においては、フッ素レーザ装置(超
狭帯域化フッ素レーザ装置)の価格が大幅に上昇した
り、レーザの効率が大きく悪化することなく、全屈折型
縮小投影光学系を利用することができる。
れば、フッ素露光機においては、フッ素レーザ装置(超
狭帯域化フッ素レーザ装置)の価格が大幅に上昇した
り、レーザの効率が大きく悪化することなく、全屈折型
縮小投影光学系を利用することができる。
【0186】すなわち縮小投影光学系として、従来のK
rF露光機のものと同様な設計にすることができる。つ
まり、シミュレーションツールとしては従来と同様のも
のを用いることができることとなり、短期間で縮小投影
光学系を設計でき、しかも人件費も大幅に削減すること
ができるので、短期間で安価に製品化されたフッ素露光
機を提供することができる。
rF露光機のものと同様な設計にすることができる。つ
まり、シミュレーションツールとしては従来と同様のも
のを用いることができることとなり、短期間で縮小投影
光学系を設計でき、しかも人件費も大幅に削減すること
ができるので、短期間で安価に製品化されたフッ素露光
機を提供することができる。
【図1】図1は第1の実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置100の構成を示す構成図である。
レーザ装置100の構成を示す構成図である。
【図2】図2は出力鏡エタロン11の反射率特性を示す
図である。
図である。
【図3】図3は出力鏡エタロン11の特徴を説明するた
めの図である。
めの図である。
【図4】図4はTEM00モードの回折損失特性を示す
図である。
図である。
【図5】図5はズレ量とプリズムの頂角との関係を表し
た特性を示す図である。
た特性を示す図である。
【図6】図6は第2の実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置に用いられる出力鏡エタロン15の構成を示
す構成図である。
レーザ装置に用いられる出力鏡エタロン15の構成を示
す構成図である。
【図7】図7は出力鏡エタロン150の反斜率特性を示
す図である。
す図である。
【図8】図8は第3の実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置200の構成を示す構成図である。
レーザ装置200の構成を示す構成図である。
【図9】図9は出力鏡エタロン20の特徴を説明するた
めの図である。
めの図である。
【図10】図10は第4の実施形態に係る超狭帯域化フ
ッ素レーザ装置300の構成を示す構成図である。
ッ素レーザ装置300の構成を示す構成図である。
【図11】図11は第5の実施形態に係るフッ素露光機
400の構成を示す構成図である。
400の構成を示す構成図である。
10、31 全反射鏡 11、15、20、32 出力鏡エタロン 12、33 レーザチャンバ 13a、13b ノーコートプリズム 14 スリット 16a、16b フッ化カルシウム(CaF2)基板 17a、17b スペーサ 18a、18b フッ化マグネシウム(MgF2)膜 34a、34b ミラー 35 ビーム拡大器 36 シフトプリズム 100、200、300 超狭帯域化フッ素レーザ装置 400 フッ素露光機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 3/223 Z Fターム(参考) 2H042 CA07 CA17 2H048 GA07 GA13 GA24 GA48 GA61 GA66 5F046 BA04 CA03 CA07 CB02 CB10 CB22 5F071 AA04 DD05 FF08 JJ10 5F072 AA04 FF08 FF09 JJ13 KK06 KK08 KK26 KK30 YY09
Claims (5)
- 【請求項1】フッ素レーザのレーザ光を発振するレーザ
チャンバを備え、該レーザチャンバからのレーザ光を狭
帯域化して、露光装置へ露光光源として供給する超狭帯
域化フッ素レーザ装置において、 前記フッ素レーザにおける波長と光強度の異なる2つの
発振線のうちの予め設定される波長の発振線を有するレ
ーザ光を出射させるべく、頂角が所定の角度を有するウ
エッジ板であって、且つ反射膜のコーティング処理が施
されていない少なくとも2つのプリズムで形成されたエ
タロンを備え、 前記エタロンが出力鏡として前記レーザチャンバの出力
側に配置されていることを特徴とする超狭帯域化フッ素
レーザ装置。 - 【請求項2】前記プリズムは、頂角が26度以上の角度
をもって形成されたウエッジ板であることを特徴とする
請求項1記載の超狭帯域化フッ素レーザ装置。 - 【請求項3】前記プリズムは、頂角が33度の角度をも
って形成されたウエッジ板であることを特徴とする請求
項1又は2記載の超狭帯域化フッ素レーザ装置。 - 【請求項4】フッ素レーザのレーザ光を発振するレーザ
チャンバを備え、該レーザチャンバからのレーザ光を狭
帯域化して、露光装置へ露光光源として供給する超狭帯
域化フッ素レーザ装置において、 エタロンが前記レーザチャンバの出力側に配置される出
力鏡として設けられ、前記エタロンは、 フッ化カルシウムを含む光学材で形成された2枚の基板
で構成され、かつ該2枚の基板における向かい合う各々
の内面にフッ化マグネシウムがコーティングされている
ことを特徴とする超狭帯域化フッ素レーザ装置。 - 【請求項5】フッ素レーザのレーザ光を発振するレーザ
チャンバを備え、該レーザチャンバからのレーザ光を狭
帯域化して、露光装置へ露光光源として供給する超狭帯
域化フッ素レーザ装置において、 エタロンが前記レーザチャンバの出力側に配置される出
力鏡として設けられ、前記エタロンは、 前記フッ素レーザにおける波長と光強度の異なる2つの
発振線のうち、光強度の強い発振線の中心波長が自己の
エタロンの反射率の極大近傍に位置するときに、当該強
い発振線よりも光強度が弱い発振線の中心波長が自己の
エタロンの反射率の極小近傍に位置すべく、隣接する極
大または極小の反射率での選択波長の差の値を有する周
期的波長選択素子で形成されていることを特徴とする超
狭帯域化フッ素レーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27057099A JP2001094185A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 超狭帯域化フッ素レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27057099A JP2001094185A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 超狭帯域化フッ素レーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001094185A true JP2001094185A (ja) | 2001-04-06 |
Family
ID=17488000
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27057099A Withdrawn JP2001094185A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 超狭帯域化フッ素レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001094185A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6594291B1 (en) * | 1999-06-16 | 2003-07-15 | Komatsu Ltd. | Ultra narrow band fluorine laser apparatus and fluorine exposure apparatus |
JP2006073921A (ja) * | 2004-09-06 | 2006-03-16 | Komatsu Ltd | 紫外線ガスレーザ用光学素子及び紫外線ガスレーザ装置 |
-
1999
- 1999-09-24 JP JP27057099A patent/JP2001094185A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6594291B1 (en) * | 1999-06-16 | 2003-07-15 | Komatsu Ltd. | Ultra narrow band fluorine laser apparatus and fluorine exposure apparatus |
JP2006073921A (ja) * | 2004-09-06 | 2006-03-16 | Komatsu Ltd | 紫外線ガスレーザ用光学素子及び紫外線ガスレーザ装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061205 |