JP2001223422A - 超狭帯域化レーザ装置及び狭帯域化レーザ装置 - Google Patents
超狭帯域化レーザ装置及び狭帯域化レーザ装置Info
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- JP2001223422A JP2001223422A JP2000033819A JP2000033819A JP2001223422A JP 2001223422 A JP2001223422 A JP 2001223422A JP 2000033819 A JP2000033819 A JP 2000033819A JP 2000033819 A JP2000033819 A JP 2000033819A JP 2001223422 A JP2001223422 A JP 2001223422A
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- light
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 レーザ発振されたフッ素レーザのレーザ光を
効率よく超狭帯域化すると共に、該超狭帯域化されたレ
ーザ光の中心波長の安定化を図ることのできる超狭帯域
化レーザ装置を提供する。 【解決手段】 エタロン5は、フッ素ドープの合成石英
から成る厚さ約5mmのウエッジ板で形成された基板6
a、6bを有している。フッ素ドープの合成石英では、
波長157.6nmにおける透過率が1cm当たり約9
0%と高いため、エタロン5の挿入による挿入損失は約
10%と小さく、ゲインの高いフッ素レーザは十分レー
ザ発振する。したがって、エタロン5によって、シング
ルライン化されたレーザ光について、そのスペクトルの
中心波長の変動を抑制することができ、しかも超狭帯域
化することができる。
効率よく超狭帯域化すると共に、該超狭帯域化されたレ
ーザ光の中心波長の安定化を図ることのできる超狭帯域
化レーザ装置を提供する。 【解決手段】 エタロン5は、フッ素ドープの合成石英
から成る厚さ約5mmのウエッジ板で形成された基板6
a、6bを有している。フッ素ドープの合成石英では、
波長157.6nmにおける透過率が1cm当たり約9
0%と高いため、エタロン5の挿入による挿入損失は約
10%と小さく、ゲインの高いフッ素レーザは十分レー
ザ発振する。したがって、エタロン5によって、シング
ルライン化されたレーザ光について、そのスペクトルの
中心波長の変動を抑制することができ、しかも超狭帯域
化することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超狭帯域化レーザ
装置及び狭帯域化レーザ装置に関し、特に、フッ素レー
ザを超狭帯域化する超狭帯域化レーザ装置およびフッ素
レーザを狭帯域化する狭帯域化レーザ装置に関する。
装置及び狭帯域化レーザ装置に関し、特に、フッ素レー
ザを超狭帯域化する超狭帯域化レーザ装置およびフッ素
レーザを狭帯域化する狭帯域化レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リソグラフィ用の露光機に要求される性
能としては、解像度、アライメント精度、処理能力、装
置信頼性など種々のものが存在する。その中でも、パタ
ーンの微細化に直接つながる解像度Rは、R=k・λ/
NA(k:定数、λ:露光波長、NA:投影レンズの開
口数)によって表される。従って良好な解像度を得るた
めには、露光波長λが短い程有利になる。
能としては、解像度、アライメント精度、処理能力、装
置信頼性など種々のものが存在する。その中でも、パタ
ーンの微細化に直接つながる解像度Rは、R=k・λ/
NA(k:定数、λ:露光波長、NA:投影レンズの開
口数)によって表される。従って良好な解像度を得るた
めには、露光波長λが短い程有利になる。
【0003】そこで、従来の露光機においては、水銀ラ
ンプのi線(波長:365nm)や、波長が248nm
のクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザが露光機
光源として利用されている。これらはそれぞれi線露光
機及びKrF露光機と呼ばれている。
ンプのi線(波長:365nm)や、波長が248nm
のクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザが露光機
光源として利用されている。これらはそれぞれi線露光
機及びKrF露光機と呼ばれている。
【0004】このi線露光機では水銀ランプをそのまま
発光させているが、KrF露光機の光源として用いられ
ているエキシマレーザでは、発振するレーザ光の波長幅
が約0.6pmまで狭帯域化する装置が用いられてい
る。その理由としては、波長幅が広いと、露光機の投影
光学系として用いられる石英レンズにおいて色収差が生
じ、その色収差は波長が短いほど大きくなるからであ
る。
発光させているが、KrF露光機の光源として用いられ
ているエキシマレーザでは、発振するレーザ光の波長幅
が約0.6pmまで狭帯域化する装置が用いられてい
る。その理由としては、波長幅が広いと、露光機の投影
光学系として用いられる石英レンズにおいて色収差が生
じ、その色収差は波長が短いほど大きくなるからであ
る。
【0005】なお、一般にレーザ装置から波長幅の狭い
レーザ光を発振させることを狭帯域化と呼んでいる。エ
キシマレーザなどのレーザを狭帯域化させる手法として
は、プリズムを用いた方式、回折格子を用いた方式、あ
るいはエタロンと呼ばれる光学素子を用いた方式、及び
これらを組み合わせた方式が広く利用されている。
レーザ光を発振させることを狭帯域化と呼んでいる。エ
キシマレーザなどのレーザを狭帯域化させる手法として
は、プリズムを用いた方式、回折格子を用いた方式、あ
るいはエタロンと呼ばれる光学素子を用いた方式、及び
これらを組み合わせた方式が広く利用されている。
【0006】なお、狭帯域化に関しては、例えば、「C
AN.J.PHYS.VOL.63,1985,pp.
214−219」に記載されている。
AN.J.PHYS.VOL.63,1985,pp.
214−219」に記載されている。
【0007】また微細な加工を行うための次世代露光機
として、波長が193nmのアルゴンフッ素(ArF)
エキシマレーザを露光光源に用いた露光機が用いられ始
めており、これはArF露光機と呼ばれる。
として、波長が193nmのアルゴンフッ素(ArF)
エキシマレーザを露光光源に用いた露光機が用いられ始
めており、これはArF露光機と呼ばれる。
【0008】ArF露光機では、縮小投影光学系には、
通常、石英と蛍石の二種の材質から成る色消しレンズが
用いられる。
通常、石英と蛍石の二種の材質から成る色消しレンズが
用いられる。
【0009】更に上述したArF露光機の次世代のリソ
グラフィ用露光機としては、より微細な加工を行うため
に、光源に波長が約157nmのフッ素レーザを用いた
フッ素露光機が検討されている。
グラフィ用露光機としては、より微細な加工を行うため
に、光源に波長が約157nmのフッ素レーザを用いた
フッ素露光機が検討されている。
【0010】このフッ素レーザでは、波長と光強度が異
なる2本の発振線(発振ラインとも呼ばれる)があり、
波長はそれぞれλ2=157.5233nmとλ1=1
57.6299nmであり、それぞれの発振線の波長幅
(半値幅)は約1pmであると言われている。
なる2本の発振線(発振ラインとも呼ばれる)があり、
波長はそれぞれλ2=157.5233nmとλ1=1
57.6299nmであり、それぞれの発振線の波長幅
(半値幅)は約1pmであると言われている。
【0011】そのフッ素レーザを露光に利用するには、
一般に強度の大きい波長(λ1=157.6299n
m)の発振線のみ1本を選択して用いる(以下、シング
ルライン化という)のが有利とされている。従来におい
ては、そのシングルライン化には、プリズムが2、3個
用いられている。
一般に強度の大きい波長(λ1=157.6299n
m)の発振線のみ1本を選択して用いる(以下、シング
ルライン化という)のが有利とされている。従来におい
ては、そのシングルライン化には、プリズムが2、3個
用いられている。
【0012】一方、このようなフッ素レーザを露光光源
として用いるフッ素露光機では、それまで(すなわちA
rF露光機まで)の露光機で一般に用いられてきたレン
ズのみによる屈折型の縮小投影光学系が適用困難にな
る。
として用いるフッ素露光機では、それまで(すなわちA
rF露光機まで)の露光機で一般に用いられてきたレン
ズのみによる屈折型の縮小投影光学系が適用困難にな
る。
【0013】その理由としては、波長157nmでは、
一般に紫外域での透過率が高いとされている合成石英に
おいても、透過率が1cm当たり約10%以下と非常に
低くなるため、合成石英も利用できなくなる。従って、
従来においては、フッ素レーザ用の光学部材としては、
フッ化カルシウムのみが利用されていた。
一般に紫外域での透過率が高いとされている合成石英に
おいても、透過率が1cm当たり約10%以下と非常に
低くなるため、合成石英も利用できなくなる。従って、
従来においては、フッ素レーザ用の光学部材としては、
フッ化カルシウムのみが利用されていた。
【0014】なお、フッ化カルシウム(CaF2)、石
英(SiO2)などの各種光学材の透過率特性に関して
は、例えば「光アライアンス 、1999,5 原稿N
oOA01−04A、pp.誌上パネルディスカッショ
ン、F2レーザーによるリソグラフィ、笹子 勝 著」に
記載されている(例えば同文献の図4参照)。
英(SiO2)などの各種光学材の透過率特性に関して
は、例えば「光アライアンス 、1999,5 原稿N
oOA01−04A、pp.誌上パネルディスカッショ
ン、F2レーザーによるリソグラフィ、笹子 勝 著」に
記載されている(例えば同文献の図4参照)。
【0015】ところが、フッ化カルシウムのみによる単
色レンズを用いて縮小投影レンズを構成した場合、フッ
素レーザをシングルライン化しても狭帯域化は不充分で
あり、その1ラインに対して、さらにその1/3〜1/
4の波長幅0.2〜0.3pm以下まで狭帯域化する必
要があると言われている。なお、この場合の狭帯域化を
以下、超狭帯域化と称することとする。
色レンズを用いて縮小投影レンズを構成した場合、フッ
素レーザをシングルライン化しても狭帯域化は不充分で
あり、その1ラインに対して、さらにその1/3〜1/
4の波長幅0.2〜0.3pm以下まで狭帯域化する必
要があると言われている。なお、この場合の狭帯域化を
以下、超狭帯域化と称することとする。
【0016】この要望に対処すべく従来の手法として
は、フッ素レーザの1ラインに対する超狭帯域化が困難
であったことから、縮小投影光学系として、レンズのみ
による全屈折型光学系よりも10倍広い波長幅で利用で
きるとされている反射屈折型縮小投影光学系(これはカ
タディオプトリク型とも呼ばれる)を適用する必要があ
ると考えられていた。
は、フッ素レーザの1ラインに対する超狭帯域化が困難
であったことから、縮小投影光学系として、レンズのみ
による全屈折型光学系よりも10倍広い波長幅で利用で
きるとされている反射屈折型縮小投影光学系(これはカ
タディオプトリク型とも呼ばれる)を適用する必要があ
ると考えられていた。
【0017】また、従来のレーザ装置においては、レー
ザを超狭帯域化させる種々の手法の中で、2枚の反射鏡
を向かい合わせた構造であるエタロンと呼ばれる光学素
子を用いる手法が広く利用されている。ここで、エタロ
ンを用いる手法に関しては、エタロンをレーザ共振器間
に配置する手法(このエタロンはイントラキャビティエ
タロンと呼ばれる)と、レーザ共振器を構成する出力鏡
の代わりにエタロンを用いる方式(このエタロンはエタ
ロン出力鏡と呼ばれる。)とがある。
ザを超狭帯域化させる種々の手法の中で、2枚の反射鏡
を向かい合わせた構造であるエタロンと呼ばれる光学素
子を用いる手法が広く利用されている。ここで、エタロ
ンを用いる手法に関しては、エタロンをレーザ共振器間
に配置する手法(このエタロンはイントラキャビティエ
タロンと呼ばれる)と、レーザ共振器を構成する出力鏡
の代わりにエタロンを用いる方式(このエタロンはエタ
ロン出力鏡と呼ばれる。)とがある。
【0018】このエタロン出力鏡では、レーザ共振器間
に配置する通常のエタロン(つまりイントラキャビティ
エタロン)に対して、選択波長が当該エタロンの特性の
反対になる。
に配置する通常のエタロン(つまりイントラキャビティ
エタロン)に対して、選択波長が当該エタロンの特性の
反対になる。
【0019】すなわち、イントラキャビティエタロンの
場合は、当該エタロンにおける最大透過波長が選択波長
(すなわち、レーザ発振させる波長)になるのに対し
て、エタロン出力鏡では、当該エタロン出力鏡における
最大反射波長において共振するため、その波長でレーザ
発振し易い(すなわち選択波長となる)ことが知られて
いる。
場合は、当該エタロンにおける最大透過波長が選択波長
(すなわち、レーザ発振させる波長)になるのに対し
て、エタロン出力鏡では、当該エタロン出力鏡における
最大反射波長において共振するため、その波長でレーザ
発振し易い(すなわち選択波長となる)ことが知られて
いる。
【0020】したがって、エタロン出力鏡を用いる狭帯
域化手法のものは、回折格子を用いたり、イントラキャ
ビティエタロンを用いる手法のものと比べて、レーザ出
力の損失が少ない特徴がある。
域化手法のものは、回折格子を用いたり、イントラキャ
ビティエタロンを用いる手法のものと比べて、レーザ出
力の損失が少ない特徴がある。
【0021】その理由としては、エタロン出力鏡におけ
る反射光がレーザ共振器中へのフィードバックになり、
一方、当該エタロン出力鏡を透過する透過光が外部に取
り出されるので、エタロン自体における吸収が無けれ
ば、原理的にレーザ光の出力損失は無いからである。
る反射光がレーザ共振器中へのフィードバックになり、
一方、当該エタロン出力鏡を透過する透過光が外部に取
り出されるので、エタロン自体における吸収が無けれ
ば、原理的にレーザ光の出力損失は無いからである。
【0022】このようなエタロン出力鏡に関しては、
「レーザーハンドブック、レーザー学会編、オーム社発
行、第1版第1刷、第347頁」に記載されている。な
お、そこではエタロン出力鏡のことを共振反射鏡と呼ん
でいる。
「レーザーハンドブック、レーザー学会編、オーム社発
行、第1版第1刷、第347頁」に記載されている。な
お、そこではエタロン出力鏡のことを共振反射鏡と呼ん
でいる。
【0023】ところで、近年、光学部材として、合成石
英で形成されたものの他に、波長が157.6nmにお
いても高い透過率を有するフッ素ドープの合成石英で形
成されたものが知られている。
英で形成されたものの他に、波長が157.6nmにお
いても高い透過率を有するフッ素ドープの合成石英で形
成されたものが知られている。
【0024】このフッ素ドープの合成石英に関しては、
例えば、「Applied Physics Lette
rs, Vol.74, No.19, 1999,P
P.2755−2757」に記載されている。
例えば、「Applied Physics Lette
rs, Vol.74, No.19, 1999,P
P.2755−2757」に記載されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、露光光
源としてのフッ素レーザを出力するレーザ装置におい
て、レーザ発振されたフッ素レーザをシングルライン化
し狭帯域化する上記従来の種々の手法では、大別して、
シングルライン化されたレーザ光をさらに狭帯域化(つ
まり超狭帯域化)することは困難であるという第1の問
題点と、シングルライン化の効率が低いという第2の問
題点があった。
源としてのフッ素レーザを出力するレーザ装置におい
て、レーザ発振されたフッ素レーザをシングルライン化
し狭帯域化する上記従来の種々の手法では、大別して、
シングルライン化されたレーザ光をさらに狭帯域化(つ
まり超狭帯域化)することは困難であるという第1の問
題点と、シングルライン化の効率が低いという第2の問
題点があった。
【0026】次に、この第1及び第2の問題点について
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0027】[第1の問題点=フッ素レーザについての
超狭帯域化の困難性]すなわち、超狭帯域化の手法とし
て、一般に広く用いられているエタロンを用いる場合、
エタロンを構成する基板には、波長157nmにおいて
透過率が高い最も代表的な光学材であるフッ化カルシウ
ム(CaF2)を用いていた。
超狭帯域化の困難性]すなわち、超狭帯域化の手法とし
て、一般に広く用いられているエタロンを用いる場合、
エタロンを構成する基板には、波長157nmにおいて
透過率が高い最も代表的な光学材であるフッ化カルシウ
ム(CaF2)を用いていた。
【0028】ところが、フッ化カルシウムは光学材の中
では比較的脆いため、研磨が困難であり、一般にλ/2
0からλ/40(ただしλ=633nm)程度の面精度
までしか得られない。
では比較的脆いため、研磨が困難であり、一般にλ/2
0からλ/40(ただしλ=633nm)程度の面精度
までしか得られない。
【0029】すなわち、フッ化カルシウムで形成された
基板においては、波長157nmではλ/5〜λ/10
程度の低い面精度となるので、詳細については後述する
エタロンのトータルフィネスが低くなって、この157
nmの波長を持つレーザ光を十分超狭帯域化することが
できなかった。
基板においては、波長157nmではλ/5〜λ/10
程度の低い面精度となるので、詳細については後述する
エタロンのトータルフィネスが低くなって、この157
nmの波長を持つレーザ光を十分超狭帯域化することが
できなかった。
【0030】また、フッ化カルシウムで形成された基板
では、上述したように面精度が低いので、エタロン内部
で何度も反射する間に、波面が非常に大きく乱れてしま
い、散乱損失が大きくなる。
では、上述したように面精度が低いので、エタロン内部
で何度も反射する間に、波面が非常に大きく乱れてしま
い、散乱損失が大きくなる。
【0031】従って、上述したエタロンにおける最大透
過率が低下するため、最大透過波長においてレーザ発振
させてもレーザ出力が低下し、効率よく超狭帯域化する
ことができないことがあった。
過率が低下するため、最大透過波長においてレーザ発振
させてもレーザ出力が低下し、効率よく超狭帯域化する
ことができないことがあった。
【0032】次に、エタロンのトータルフィネスについ
て説明する。
て説明する。
【0033】エタロンの性能を定めるトータルフィネス
Ftは、反射膜の反射率から定まる反射フィネスFrと基
板の面精度から定まるフラットネスフィネスFfとか
ら、数式(1)のように表される。
Ftは、反射膜の反射率から定まる反射フィネスFrと基
板の面精度から定まるフラットネスフィネスFfとか
ら、数式(1)のように表される。
【0034】 1/(Ft^2)≒1/(Fr^2)+1/(Ff^2) ・・・(1) ここで、反射フィネスFr=π*R^0.5/(1−
R)(Rは反射率)で表され、フラットネスフィネスF
fは、面精度がλ/mの場合、Ff=m/2で表される。
R)(Rは反射率)で表され、フラットネスフィネスF
fは、面精度がλ/mの場合、Ff=m/2で表される。
【0035】従来のエタロンでは、面精度はλ/5程度
(すなわちヘリウム−ネオン(He−Ne)レーザの波
長633nmにおいて約λ/20程度)であったため、
フラットネスフィネスFf≒3となる。そして、反射フ
ィネスFrが高くなるように反射率Rを上げた場合で
も、トータルフィネスFtはFf以下であるため、実際に
は1〜2と低かった。
(すなわちヘリウム−ネオン(He−Ne)レーザの波
長633nmにおいて約λ/20程度)であったため、
フラットネスフィネスFf≒3となる。そして、反射フ
ィネスFrが高くなるように反射率Rを上げた場合で
も、トータルフィネスFtはFf以下であるため、実際に
は1〜2と低かった。
【0036】このため、上記従来のエタロンにおける選
択波長の波長差(自由スペクトル範囲とも呼ばれる)で
あるFSR(以下、この波長差をFSRという)を1.
5pmとしても、当該エタロンから出射されるフッ素レ
ーザのレーザ光は0.5〜0.8pm程度までしか超狭
帯域化されなかった。
択波長の波長差(自由スペクトル範囲とも呼ばれる)で
あるFSR(以下、この波長差をFSRという)を1.
5pmとしても、当該エタロンから出射されるフッ素レ
ーザのレーザ光は0.5〜0.8pm程度までしか超狭
帯域化されなかった。
【0037】しかも、エタロンを構成する基板の面精度
が低いため、ここでの散乱損失が大きく、これによって
レーザ出力が低下することがあった。
が低いため、ここでの散乱損失が大きく、これによって
レーザ出力が低下することがあった。
【0038】なお、FSRに関しては、半値幅約1pm
と言われているフッ素レーザの1ラインを狭くするに
は、少なくとも1pmより大きくする必要があり、好ま
しくは、約3pmのライン全幅以上にする必要がある。
と言われているフッ素レーザの1ラインを狭くするに
は、少なくとも1pmより大きくする必要があり、好ま
しくは、約3pmのライン全幅以上にする必要がある。
【0039】ところが、実際に超狭帯域化されるレーザ
光の波長幅は、FSRを(Ft+1)で割った値程度に
しかならない(すなわち、Ft=1の場合は、透過率の
周期がサインカーブのように、高くなる部分と低くなる
部分とが交互に表れるため、FSRの半分程度にしか狭
帯域化されない)ので、トータルフィネスFtが低い場
合は、FSRは出来るだけ狭く設定しておく方が有利に
なる。
光の波長幅は、FSRを(Ft+1)で割った値程度に
しかならない(すなわち、Ft=1の場合は、透過率の
周期がサインカーブのように、高くなる部分と低くなる
部分とが交互に表れるため、FSRの半分程度にしか狭
帯域化されない)ので、トータルフィネスFtが低い場
合は、FSRは出来るだけ狭く設定しておく方が有利に
なる。
【0040】ところで、フッ化カルシウムの基板から成
る従来のエタロンを用いた場合には、超狭帯域化された
レーザ光の中心波長の安定性にも問題があった。
る従来のエタロンを用いた場合には、超狭帯域化された
レーザ光の中心波長の安定性にも問題があった。
【0041】すなわち、フッ化カルシウムは熱膨張係数
が24×10−6であり、石英の熱膨張係数≒5.5×
10−7と比較して約40倍も大きいので、対向する2
枚の基板は、エタロン中を通過するレーザ光を吸収する
ことによる温度上昇に伴って膨張する。
が24×10−6であり、石英の熱膨張係数≒5.5×
10−7と比較して約40倍も大きいので、対向する2
枚の基板は、エタロン中を通過するレーザ光を吸収する
ことによる温度上昇に伴って膨張する。
【0042】例えば、図17に示すように、複数のスペ
ーサSPを介して所定の距離が維持されているフッ化カ
ルシウムから成る2枚の基板90a、90bを有する一
般のエタロンにレーザ光を通過させた場合には、これら
2枚の基板90a、90bにおいて、レーザ光の吸収に
起因する温度上昇による膨張(図中点線で示される形
状)が生じて、2枚の基板90a、90bの間隔dが狭
くなっていく。
ーサSPを介して所定の距離が維持されているフッ化カ
ルシウムから成る2枚の基板90a、90bを有する一
般のエタロンにレーザ光を通過させた場合には、これら
2枚の基板90a、90bにおいて、レーザ光の吸収に
起因する温度上昇による膨張(図中点線で示される形
状)が生じて、2枚の基板90a、90bの間隔dが狭
くなっていく。
【0043】したがって、上記2枚の基板間で共振する
レーザ光のレーザ波長(すなわち定在波)が短くなって
いくため、上記エタロンにおいて共振する波長が変化す
ることになる。この結果、超狭帯域化されて取り出され
るレーザ光のスペクトルの中心波長が変化することがあ
った。
レーザ光のレーザ波長(すなわち定在波)が短くなって
いくため、上記エタロンにおいて共振する波長が変化す
ることになる。この結果、超狭帯域化されて取り出され
るレーザ光のスペクトルの中心波長が変化することがあ
った。
【0044】また、仮に何らかの手法によって超狭帯域
化が達成されるとしても、超狭帯域化されたレーザ光の
中心波長を正確に安定化させることができないという問
題点もあった。
化が達成されるとしても、超狭帯域化されたレーザ光の
中心波長を正確に安定化させることができないという問
題点もあった。
【0045】すなわち、エタロン等の光学素子を用い
て、フッ素レーザのレーザ光を0.2〜0.3pm程度
の波長幅まで超狭帯域化できたとしても、そのレーザ光
の発振ラインの中心波長は、元の約1pmの波長幅の間
で変動することがあるので、その中心波長を長期間安定
化する必要がある。
て、フッ素レーザのレーザ光を0.2〜0.3pm程度
の波長幅まで超狭帯域化できたとしても、そのレーザ光
の発振ラインの中心波長は、元の約1pmの波長幅の間
で変動することがあるので、その中心波長を長期間安定
化する必要がある。
【0046】これに関して、KrFエキシマレーザやA
rFエキシマレーザなどの従来のエキシマレーザ装置で
は、レーザ光と、絶対波長が既知の基準光源からの光と
をエタロンを用いて相対的にレーザの波長を計測するモ
ニターエタロン(エタロンを用いてレーザ光と基準光の
両方を測定する手法)が広く利用されていたが、後述す
る理由により、このモニターエタロンの手法を、フッ素
レーザに対して適用することは困難であった。
rFエキシマレーザなどの従来のエキシマレーザ装置で
は、レーザ光と、絶対波長が既知の基準光源からの光と
をエタロンを用いて相対的にレーザの波長を計測するモ
ニターエタロン(エタロンを用いてレーザ光と基準光の
両方を測定する手法)が広く利用されていたが、後述す
る理由により、このモニターエタロンの手法を、フッ素
レーザに対して適用することは困難であった。
【0047】すなわち、モニターエタロンにおけるエタ
ロンを構成する2枚の基板においては、平行平板を用い
る方式(平行平面キャビティと呼ばれる。)と、凹面鏡
を向かい合わせる方式(共焦点凹面キャビティと呼ばれ
る。)とがあるが、通常、共焦点凹面キャビティが使わ
れる場合が多い。
ロンを構成する2枚の基板においては、平行平板を用い
る方式(平行平面キャビティと呼ばれる。)と、凹面鏡
を向かい合わせる方式(共焦点凹面キャビティと呼ばれ
る。)とがあるが、通常、共焦点凹面キャビティが使わ
れる場合が多い。
【0048】そこで、エタロンのFSRを、例えば、フ
ッ素レーザの1ラインの全幅に等しい約3pmとすると
(なお、モニターエタロンでは、測定するラインの全幅
より大きいFSRのエタロンを使う必要がある)、共焦
点凹面キャビティでは2枚の基板の間隔dは(共焦点凹
面キャビティの場合は、間隔d=λ^2/(4*FSR)で表さ
れる)約2mmとなるため、曲率半径約1mmの凹面基
板を精度良く製作する必要があるが、これは現実には極
めて不可能であった。
ッ素レーザの1ラインの全幅に等しい約3pmとすると
(なお、モニターエタロンでは、測定するラインの全幅
より大きいFSRのエタロンを使う必要がある)、共焦
点凹面キャビティでは2枚の基板の間隔dは(共焦点凹
面キャビティの場合は、間隔d=λ^2/(4*FSR)で表さ
れる)約2mmとなるため、曲率半径約1mmの凹面基
板を精度良く製作する必要があるが、これは現実には極
めて不可能であった。
【0049】一方、平行平面キャビティでは、高い平面
度が要求されるが、フッ化カルシウムを基板に用いた従
来のエタロンでは、上述したように面精度が低く、約3
以上の高いトータルフィネスを有するエタロンを実現す
ることが困難である。
度が要求されるが、フッ化カルシウムを基板に用いた従
来のエタロンでは、上述したように面精度が低く、約3
以上の高いトータルフィネスを有するエタロンを実現す
ることが困難である。
【0050】上述したことから、上記従来のモニターエ
タロンでは、FSR=3pmの場合は、分解能はせいぜ
い1pmになるため、0.2〜0.3pm程度の波長幅
まで超狭帯域化されたラインを正確にモニターすること
は不可能であった。
タロンでは、FSR=3pmの場合は、分解能はせいぜ
い1pmになるため、0.2〜0.3pm程度の波長幅
まで超狭帯域化されたラインを正確にモニターすること
は不可能であった。
【0051】従って、従来のモニターエタロンでは、フ
ッ素レーザについて、超狭帯域化されたレーザ光の中心
波長を正確に安定化させることができない。
ッ素レーザについて、超狭帯域化されたレーザ光の中心
波長を正確に安定化させることができない。
【0052】[第2の問題点=フッ素レーザのシングル
ライン化の低効率]また、第2の問題点としては、フッ
素レーザのレーザ光に対するシングルライン化の効率が
低いことにあった。
ライン化の低効率]また、第2の問題点としては、フッ
素レーザのレーザ光に対するシングルライン化の効率が
低いことにあった。
【0053】図18は、従来のシングルライン化フッ素
レーザ装置900の構成図を示している。
レーザ装置900の構成図を示している。
【0054】このフッ素レーザ装置900は、出力鏡9
2と全反射鏡93とで構成されるレーザ共振器中に、レ
ーザチャンバ91および2つのプリズム94a、94b
が配置された構成になっている。
2と全反射鏡93とで構成されるレーザ共振器中に、レ
ーザチャンバ91および2つのプリズム94a、94b
が配置された構成になっている。
【0055】レーザチャンバ91によってレーザ発振さ
れたレーザ光が、2つのプリズム94a、94bを透過
して、出力鏡92と全反射鏡93との間で共振すること
により、これらプリズム94a、94bの分散作用(す
なわち、波長の差による屈折率の差)によって、レーザ
共振器間を共振するレーザ光がシングルライン化され
る。
れたレーザ光が、2つのプリズム94a、94bを透過
して、出力鏡92と全反射鏡93との間で共振すること
により、これらプリズム94a、94bの分散作用(す
なわち、波長の差による屈折率の差)によって、レーザ
共振器間を共振するレーザ光がシングルライン化され
る。
【0056】このように、従来のシングルライン化フッ
素レーザ装置では、シングルライン化のために、一般に
プリズムを2、3個用いる手法が広く用いられてきた。
素レーザ装置では、シングルライン化のために、一般に
プリズムを2、3個用いる手法が広く用いられてきた。
【0057】ところが、図18に示すように、レーザ共
振器間に2つのプリズム94a、94bを挿入しなけら
ばならず、レーザ共振器長(すなわち出力鏡92から全
反射鏡93までの距離)が長くなってしまい、その結
果、レーザ出力が40%〜60%も低下してしまうとい
う問題点があった。
振器間に2つのプリズム94a、94bを挿入しなけら
ばならず、レーザ共振器長(すなわち出力鏡92から全
反射鏡93までの距離)が長くなってしまい、その結
果、レーザ出力が40%〜60%も低下してしまうとい
う問題点があった。
【0058】なお、一般にレーザ装置では、レーザ光が
増幅される部分をそのままにして、レーザ共振器長のみ
を長くすると、レーザ出力が低下していくことは広く知
られている。
増幅される部分をそのままにして、レーザ共振器長のみ
を長くすると、レーザ出力が低下していくことは広く知
られている。
【0059】そこで、本発明の第1の課題は、レーザ発
振されたフッ素レーザのレーザ光を効率よく超狭帯域化
すると共に、該超狭帯域化されたレーザ光の中心波長の
安定化を図ることのできる超狭帯域化レーザ装置を提供
することにある。
振されたフッ素レーザのレーザ光を効率よく超狭帯域化
すると共に、該超狭帯域化されたレーザ光の中心波長の
安定化を図ることのできる超狭帯域化レーザ装置を提供
することにある。
【0060】また、本発明の第2の課題は、フッ素レー
ザにおける2本の発振線のレーザ光について効率よくシ
ングルライン化することができる超狭帯域化レーザ装置
を提供することにある。
ザにおける2本の発振線のレーザ光について効率よくシ
ングルライン化することができる超狭帯域化レーザ装置
を提供することにある。
【0061】また、本発明の第3の課題は、超狭帯域化
されたフッ素レーザのレーザ光のスペクトルを正確に計
測し、この計測結果を基に当該レーザ光の中心波長の安
定化を図ることのできる超狭帯域化レーザ装置を提供す
ることにある。
されたフッ素レーザのレーザ光のスペクトルを正確に計
測し、この計測結果を基に当該レーザ光の中心波長の安
定化を図ることのできる超狭帯域化レーザ装置を提供す
ることにある。
【0062】また、本発明の第4の課題は、エタロンを
用いて超狭帯域化させる場合において該超狭帯域化され
るレーザ光の中心波長の安定化を図ることのできる超狭
帯域化レーザ装置を提供することにある。
用いて超狭帯域化させる場合において該超狭帯域化され
るレーザ光の中心波長の安定化を図ることのできる超狭
帯域化レーザ装置を提供することにある。
【0063】さらに、本発明の第5の課題は、フッ素レ
ーザにおける2本の発振線のレーザ光について、少ない
部品点数によっても効率よくシングルライン化すること
ができる狭帯域化レーザ装置を提供することにある。
ーザにおける2本の発振線のレーザ光について、少ない
部品点数によっても効率よくシングルライン化すること
ができる狭帯域化レーザ装置を提供することにある。
【0064】
【課題を解決するための手段、作用および効果】上記第
1の課題を達成するため、第1の発明では、出力鏡と全
反射鏡とで構成される光共振器中に配置されフッ素レー
ザをレーザ発振するレーザチャンバと、該レーザチャン
バからレーザ発振され前記光共振器間で共振するレーザ
光における特定の波長を有するレーザ光のみを狭帯域化
する狭帯域化素子とを有する超狭帯域化レーザ装置にお
いて、前記狭帯域化素子は、フッ素ドープの石英で形成
された基板を有するエタロンであることを特徴とする。
1の課題を達成するため、第1の発明では、出力鏡と全
反射鏡とで構成される光共振器中に配置されフッ素レー
ザをレーザ発振するレーザチャンバと、該レーザチャン
バからレーザ発振され前記光共振器間で共振するレーザ
光における特定の波長を有するレーザ光のみを狭帯域化
する狭帯域化素子とを有する超狭帯域化レーザ装置にお
いて、前記狭帯域化素子は、フッ素ドープの石英で形成
された基板を有するエタロンであることを特徴とする。
【0065】また、第2の発明では、第1の発明におい
て、前記狭帯域化素子は、フッ素ドープの石英で形成さ
れた2枚の基板を有するエアギャップエタロンであっ
て、該2枚の基板において、互いに対向する面に反射膜
がコーティングされていると共に、該2枚の基板におけ
る当該反射膜がコーティングされる面とは反対側の面に
フッ化マグネシウムがコーティングされていることを特
徴とする。
て、前記狭帯域化素子は、フッ素ドープの石英で形成さ
れた2枚の基板を有するエアギャップエタロンであっ
て、該2枚の基板において、互いに対向する面に反射膜
がコーティングされていると共に、該2枚の基板におけ
る当該反射膜がコーティングされる面とは反対側の面に
フッ化マグネシウムがコーティングされていることを特
徴とする。
【0066】次に、第1及び第2の発明について図1お
よび図2を参照して説明する。
よび図2を参照して説明する。
【0067】図1に示すように、超狭帯域化フッ素レー
ザ装置100では、フッ素(F2)ガスを含んだ混合ガ
スが封入されているレーザチャンバ1をその長手方向の
両側から挟むように、出力鏡2と全反射鏡3とで光共振
器が構成されている。この光共振器間におけるレーザチ
ャンバ1と全反射鏡3との間には、プリズム4a、4b
が配置されている。これらプリズム4a、4bによっ
て、レーザ光のビーム幅が拡大されると共に、当該レー
ザ光のシングルライン化が行われる。
ザ装置100では、フッ素(F2)ガスを含んだ混合ガ
スが封入されているレーザチャンバ1をその長手方向の
両側から挟むように、出力鏡2と全反射鏡3とで光共振
器が構成されている。この光共振器間におけるレーザチ
ャンバ1と全反射鏡3との間には、プリズム4a、4b
が配置されている。これらプリズム4a、4bによっ
て、レーザ光のビーム幅が拡大されると共に、当該レー
ザ光のシングルライン化が行われる。
【0068】エタロン(いわゆるイントラキャビティエ
タロン)5は、エアギャップエタロンであり、フッ素ド
ープの合成石英から成る厚さ約5mmのウエッジ板で形
成された2枚の基板6a、6bを有している。
タロン)5は、エアギャップエタロンであり、フッ素ド
ープの合成石英から成る厚さ約5mmのウエッジ板で形
成された2枚の基板6a、6bを有している。
【0069】フッ素ドープの合成石英は、波長157.
6nmにおける透過率が1cm当たり約90%と高いた
め、光共振器へのエタロン5の挿入による挿入損失は約
10%と小さい。このため、当該光共振器においては、
ゲインの高いフッ素レーザは十分レーザ発振する。
6nmにおける透過率が1cm当たり約90%と高いた
め、光共振器へのエタロン5の挿入による挿入損失は約
10%と小さい。このため、当該光共振器においては、
ゲインの高いフッ素レーザは十分レーザ発振する。
【0070】また、石英はフッ化カルシウムと比較し
て、熱膨張率が1/40と小さいので、基板6a、6b
の厚さを同一とした場合には、基板6a、6bのギャッ
プ間隔の変化量を小さくできるので、フッ化カルシウム
の基板を用いた場合よりも、中心波長の変動を小さくで
きる。
て、熱膨張率が1/40と小さいので、基板6a、6b
の厚さを同一とした場合には、基板6a、6bのギャッ
プ間隔の変化量を小さくできるので、フッ化カルシウム
の基板を用いた場合よりも、中心波長の変動を小さくで
きる。
【0071】基板6aと基板6bにおける対向する面に
は、図2に示すように、約50%の反射率を有する反射
膜22a、22bがコーティングされている。このた
め、反射フィネスFrは4.44となり、トータルフィ
ネスFtは約4になる。従って、エタロン5のFSR
(選択波長の波長差)を1.5pmにする場合、出力鏡
2からは、約0.3pmの波長幅のレーザ光L2が発振
される。
は、図2に示すように、約50%の反射率を有する反射
膜22a、22bがコーティングされている。このた
め、反射フィネスFrは4.44となり、トータルフィ
ネスFtは約4になる。従って、エタロン5のFSR
(選択波長の波長差)を1.5pmにする場合、出力鏡
2からは、約0.3pmの波長幅のレーザ光L2が発振
される。
【0072】また、この反射膜がコーティングされた面
とは反対側の面には、図2に示すように、フッ化マグネ
シウム膜23a、23bがコーティングされている。こ
のようにフッ化マグネシウム23a、23bをコーティ
ングしている理由は、表面の反射(フレネル反射)を防
止するためであるが、フッ化カルシウムを基板に用いた
従来のエタロンの場合に比べて、減反射の効果が高まる
からである。
とは反対側の面には、図2に示すように、フッ化マグネ
シウム膜23a、23bがコーティングされている。こ
のようにフッ化マグネシウム23a、23bをコーティ
ングしている理由は、表面の反射(フレネル反射)を防
止するためであるが、フッ化カルシウムを基板に用いた
従来のエタロンの場合に比べて、減反射の効果が高まる
からである。
【0073】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、フッ素ドープの石英で形成された基板を有するエタ
ロンを使用して超狭帯域化するようにしているので、一
般の合成石英で形成された基板を用いた従来のエタロン
では実現不可能であった157nmの波長の光を透過さ
せることができ、しかもフッ化カルシウムで形成された
基板を用いたエタロンでは実現不可能であった面精度
(波長157nmではλ/25〜λ/30)を高くする
ことができることとなり、よって10以上のトータルフ
ィネスのエタロンを実現して、波長が157nmのフッ
素レーザのレーザ光を超狭帯域化することができる。
ば、フッ素ドープの石英で形成された基板を有するエタ
ロンを使用して超狭帯域化するようにしているので、一
般の合成石英で形成された基板を用いた従来のエタロン
では実現不可能であった157nmの波長の光を透過さ
せることができ、しかもフッ化カルシウムで形成された
基板を用いたエタロンでは実現不可能であった面精度
(波長157nmではλ/25〜λ/30)を高くする
ことができることとなり、よって10以上のトータルフ
ィネスのエタロンを実現して、波長が157nmのフッ
素レーザのレーザ光を超狭帯域化することができる。
【0074】また、第2の発明によれば、エアギャップ
エタロンの2枚の基板において、互いに対向する面に反
射膜がコーティングされているので、この反射膜の反射
率に応じて決定される反射フィネスと、フッ素ドープの
石英の基板の面精度に応じて決定されるフラットネスフ
ィネスとから定まるトータルフィネスを向上させること
ができる。これによって、エアギャップエタロンの選択
波長の波長差(FSR)を適宜な値に設定することによ
り、約0.3pmの波長幅のレーザ光を発振させること
が可能となる。
エタロンの2枚の基板において、互いに対向する面に反
射膜がコーティングされているので、この反射膜の反射
率に応じて決定される反射フィネスと、フッ素ドープの
石英の基板の面精度に応じて決定されるフラットネスフ
ィネスとから定まるトータルフィネスを向上させること
ができる。これによって、エアギャップエタロンの選択
波長の波長差(FSR)を適宜な値に設定することによ
り、約0.3pmの波長幅のレーザ光を発振させること
が可能となる。
【0075】また、エアギャップエタロンの2枚の基板
において、上記反射膜がコーティングされている面とは
反対側の面にフッ化マグネシウムがコーティングされて
いるので、波長が157nmのレーザ光を入射する場合
であっても、基板表面の反射(フルネル反射)を抑制
し、レーザ出力を向上させることができる。
において、上記反射膜がコーティングされている面とは
反対側の面にフッ化マグネシウムがコーティングされて
いるので、波長が157nmのレーザ光を入射する場合
であっても、基板表面の反射(フルネル反射)を抑制
し、レーザ出力を向上させることができる。
【0076】また、上記第2の課題を達成するため、第
3の発明では、第1の発明において、前記狭帯域化素子
は、フッ素ドープの石英で形成された2枚の基板を有す
るエアギャップエタロンであって、当該2枚の基板は、
自己の基板内部での共振作用により前記特定の波長のレ
ーザ光を選択できる厚さをもって形成された第1の基板
と、該第1の基板との間で前記特定の波長のレーザ光を
共振させることにより当該レーザ光を狭帯域化させる第
2の基板とから構成されていることを特徴とする。
3の発明では、第1の発明において、前記狭帯域化素子
は、フッ素ドープの石英で形成された2枚の基板を有す
るエアギャップエタロンであって、当該2枚の基板は、
自己の基板内部での共振作用により前記特定の波長のレ
ーザ光を選択できる厚さをもって形成された第1の基板
と、該第1の基板との間で前記特定の波長のレーザ光を
共振させることにより当該レーザ光を狭帯域化させる第
2の基板とから構成されていることを特徴とする。
【0077】次に、第3の発明を図6乃至図8を参照し
て説明する。
て説明する。
【0078】図6に示すように、エタロン34(上記狭
帯域化素子に対応)は、157nmの波長の光を透過さ
せ、かつ約741(Knoop Number)の硬度でフッ化カル
シウムと比較して硬いフッ素ドープの合成石英で形成さ
れる2枚の基板を有し、しかも2枚の基板のうち1枚の
基板については厚さが0.1mm程度になっている。
帯域化素子に対応)は、157nmの波長の光を透過さ
せ、かつ約741(Knoop Number)の硬度でフッ化カル
シウムと比較して硬いフッ素ドープの合成石英で形成さ
れる2枚の基板を有し、しかも2枚の基板のうち1枚の
基板については厚さが0.1mm程度になっている。
【0079】また、図7に示すように、基板50a、5
0bの対向する面には反射率が約50%の反射膜52
a、52bがコーティングされており、また、基板50
a(上記第2の基板に対応)の外面(反射膜がコーティ
ングされている面とは反対側の面)には減反射(AR)
コーティングとしてフッ化マグネシウムが蒸着されてい
る。
0bの対向する面には反射率が約50%の反射膜52
a、52bがコーティングされており、また、基板50
a(上記第2の基板に対応)の外面(反射膜がコーティ
ングされている面とは反対側の面)には減反射(AR)
コーティングとしてフッ化マグネシウムが蒸着されてい
る。
【0080】一方、基板50b(上記第1の基板に対
応)は約0.1mmと非常に薄い平行平板になってお
り、しかも、基板50bの外面(反射膜がコーティング
されている面とは反対の面)には上記ARコーティング
ではなく、反射膜52cがコーティングされている。そ
の結果、基板50bは、ソリッドエタロンとして機能す
ることになる。
応)は約0.1mmと非常に薄い平行平板になってお
り、しかも、基板50bの外面(反射膜がコーティング
されている面とは反対の面)には上記ARコーティング
ではなく、反射膜52cがコーティングされている。そ
の結果、基板50bは、ソリッドエタロンとして機能す
ることになる。
【0081】エタロンの透過率の周期であるFSRは、
FSR=λ^2/(2・n・d)の数式で表される。た
だし、λは波長、nは基板間に満たされる気体の屈折
率、dは基板間隔である。
FSR=λ^2/(2・n・d)の数式で表される。た
だし、λは波長、nは基板間に満たされる気体の屈折
率、dは基板間隔である。
【0082】ここで、λ=157.6299nm、n≒
1.0の場合に、d=0.1mmとすると、ソリッドエ
タロンでは、FSRは71pmになる。
1.0の場合に、d=0.1mmとすると、ソリッドエ
タロンでは、FSRは71pmになる。
【0083】この71pmは、強いラインの波長λ1=
157.6299nmと、弱いラインの波長λ2=15
7.5233nmとの波長差=106.6pmの2/3
に相当する。
157.6299nmと、弱いラインの波長λ2=15
7.5233nmとの波長差=106.6pmの2/3
に相当する。
【0084】このことは、図8に示す基板50b(ソリ
ッドエタロン)の透過特性から分かるように、波長λ1
が最大透過波長になるようにエタロン34を設定する
と、波長λ2は最小透過波長に位置する、ことを意味す
る。
ッドエタロン)の透過特性から分かるように、波長λ1
が最大透過波長になるようにエタロン34を設定する
と、波長λ2は最小透過波長に位置する、ことを意味す
る。
【0085】したがって、波長λ1のレーザ光のみを効
率よく発振させると、波長λ2のレーザ光の発振を抑制
することができ、シングルライン化が行われる。
率よく発振させると、波長λ2のレーザ光の発振を抑制
することができ、シングルライン化が行われる。
【0086】また、2枚の基板50a、50bのギャッ
プ間の共振作用を利用して、基板50bによってシング
ルライン化されたレーザ光を超狭帯域化する。
プ間の共振作用を利用して、基板50bによってシング
ルライン化されたレーザ光を超狭帯域化する。
【0087】以上説明したように、第3の発明によれ
ば、2枚の基板のうち、1枚の基板の内部での共振作用
を利用してシングルライン化を効率良く実現することが
できると共に、2枚の基板のギャップ間の共振作用を利
用して、該シングルライン化されたレーザ光を超狭帯域
化することができる。
ば、2枚の基板のうち、1枚の基板の内部での共振作用
を利用してシングルライン化を効率良く実現することが
できると共に、2枚の基板のギャップ間の共振作用を利
用して、該シングルライン化されたレーザ光を超狭帯域
化することができる。
【0088】また、上記第3の課題を達成するため、第
4の発明では、所定のガスレーザをレーザ発振するレー
ザチャンバと、該レーザチャンバからレーザ発振された
レーザ光における特定の波長を有するレーザ光のみを狭
帯域化する狭帯域化素子と、フッ素ドープの石英で形成
された基板を有する光学素子であって、前記狭帯域化素
子によって狭帯域化された前記特定の波長を有するレー
ザ光と、狭帯域化されていない前記特定の波長を有する
レーザ光とを透過させるエタロンとを具備し、前記エタ
ロンを透過したレーザ光のスペクトルを検出して、前記
狭帯域化されたレーザ光のスペクトルの中心波長と前記
狭帯域化されていないレーザ光の中心波長との差が許容
範囲になるように、前記狭帯域化素子の共振波長を制御
するようにしたことを特徴とする。
4の発明では、所定のガスレーザをレーザ発振するレー
ザチャンバと、該レーザチャンバからレーザ発振された
レーザ光における特定の波長を有するレーザ光のみを狭
帯域化する狭帯域化素子と、フッ素ドープの石英で形成
された基板を有する光学素子であって、前記狭帯域化素
子によって狭帯域化された前記特定の波長を有するレー
ザ光と、狭帯域化されていない前記特定の波長を有する
レーザ光とを透過させるエタロンとを具備し、前記エタ
ロンを透過したレーザ光のスペクトルを検出して、前記
狭帯域化されたレーザ光のスペクトルの中心波長と前記
狭帯域化されていないレーザ光の中心波長との差が許容
範囲になるように、前記狭帯域化素子の共振波長を制御
するようにしたことを特徴とする。
【0089】次に、第4の発明について図6及び図9を
参照して説明する。
参照して説明する。
【0090】図6に示すように、回転ステージ46に設
置されているエタロン44(上述した光学素子に対応)
を構成する2枚の基板45a、45bは、フッ素ドープ
の合成石英から成っている。合成石英は、硬度が高いた
め研磨による面精度を高くできるので、本実施形態で
は、λ/140(ただしλ=633nm)の面精度の基
板が用いられている。なお、λ=157.6nmにおい
ては面精度は約λ/35になる。
置されているエタロン44(上述した光学素子に対応)
を構成する2枚の基板45a、45bは、フッ素ドープ
の合成石英から成っている。合成石英は、硬度が高いた
め研磨による面精度を高くできるので、本実施形態で
は、λ/140(ただしλ=633nm)の面精度の基
板が用いられている。なお、λ=157.6nmにおい
ては面精度は約λ/35になる。
【0091】一方、基板45aと基板45bとが対向す
る面には、波長157.6nmにおいて約90%の反射
膜(全反射膜)が施されている。
る面には、波長157.6nmにおいて約90%の反射
膜(全反射膜)が施されている。
【0092】ところで、エタロン44では、約90%の
高い反射率を有する反射膜が、λ/35(λ≒157n
m)の面精度の基板上にコーティングされているので、
トータルフィネスFtは約15になる。すなわち、エタ
ロンのFSRを3pmにした場合、約0.2pmの分解
能でスペクトルを検出できる。
高い反射率を有する反射膜が、λ/35(λ≒157n
m)の面精度の基板上にコーティングされているので、
トータルフィネスFtは約15になる。すなわち、エタ
ロンのFSRを3pmにした場合、約0.2pmの分解
能でスペクトルを検出できる。
【0093】したがって、超狭帯域化されたフッ素レー
ザのレーザ光のスペクトルをエタロン44を用いてモニ
ターすることにより、そのスペクトルの中心波長を約
0.2pmの分解能で測定することができる。
ザのレーザ光のスペクトルをエタロン44を用いてモニ
ターすることにより、そのスペクトルの中心波長を約
0.2pmの分解能で測定することができる。
【0094】エタロン44からのレーザ光の光量を検出
するパワーモニター47においては、図9に示すよう
に、超狭帯域化されたレーザ光L33と、狭帯域化され
ていないレーザ光L41が合成されたレーザ光L35の
スペクトルを検出していることになる。
するパワーモニター47においては、図9に示すよう
に、超狭帯域化されたレーザ光L33と、狭帯域化され
ていないレーザ光L41が合成されたレーザ光L35の
スペクトルを検出していることになる。
【0095】ここで、レーザ光L33のスペクトルの中
心波長と、レーザ光L41のスペクトルの中心波長とが
一致していない場合、つまり、図9に示すように、突き
出したプロファイルが、広いプロファイルの中央に位置
していない場合は、レーザ光L41の広いスペクトルは
物理的に定まったものであるため、このプロファイルの
中央(中心波長=絶対波長)に、レーザ光L33のスペ
クトルの中心波長が位置するように、エタロン34(上
記狭帯域化素子に対応)の設置角度を微調整すれば良
い。
心波長と、レーザ光L41のスペクトルの中心波長とが
一致していない場合、つまり、図9に示すように、突き
出したプロファイルが、広いプロファイルの中央に位置
していない場合は、レーザ光L41の広いスペクトルは
物理的に定まったものであるため、このプロファイルの
中央(中心波長=絶対波長)に、レーザ光L33のスペ
クトルの中心波長が位置するように、エタロン34(上
記狭帯域化素子に対応)の設置角度を微調整すれば良
い。
【0096】以上説明したように、第4の発明によれ
ば、フッ素ドープの石英で形成された基板を有するエタ
ロンを用いてレーザ光のスペクトルをモニターするよう
にしているので、フッ素レーザのレーザ光のスペクトル
を高分解能で検出することが可能となる。
ば、フッ素ドープの石英で形成された基板を有するエタ
ロンを用いてレーザ光のスペクトルをモニターするよう
にしているので、フッ素レーザのレーザ光のスペクトル
を高分解能で検出することが可能となる。
【0097】また、上記第4の課題を達成するために、
第5の発明では、全反射鏡と出力鏡とで構成される光共
振器と、該光共振器間に配置されるエタロンおよびレー
ザチャンバとを有し、該レーザチャンバからレーザ発振
されたレーザ光における特定の波長を有するレーザ光の
みを前記光共振器間において共振させると共に、該共振
されるレーザ光を前記エタロンによって狭帯域化する超
狭帯域化レーザ装置において、前記エタロンにおいて反
射する前記レーザ光の光量を検出し、該検出した光量が
最小となるように前記エタロンの共振波長を制御する制
御手段とを具備したことを特徴とする。
第5の発明では、全反射鏡と出力鏡とで構成される光共
振器と、該光共振器間に配置されるエタロンおよびレー
ザチャンバとを有し、該レーザチャンバからレーザ発振
されたレーザ光における特定の波長を有するレーザ光の
みを前記光共振器間において共振させると共に、該共振
されるレーザ光を前記エタロンによって狭帯域化する超
狭帯域化レーザ装置において、前記エタロンにおいて反
射する前記レーザ光の光量を検出し、該検出した光量が
最小となるように前記エタロンの共振波長を制御する制
御手段とを具備したことを特徴とする。
【0098】次に、第5の発明について図1及び図5を
参照して説明する。
参照して説明する。
【0099】制御装置11は、パワーモニター9からの
モニタ結果(光量)に基づいて、信号線10bを介して
回転ステージ7を回動制御することにより、エタロン5
を僅かながら回動させながら、レーザ光L4の出力を測
定する。
モニタ結果(光量)に基づいて、信号線10bを介して
回転ステージ7を回動制御することにより、エタロン5
を僅かながら回動させながら、レーザ光L4の出力を測
定する。
【0100】これによってエタロン5の設定角度に対す
るレーザ光L4の出力値(光量)が測定され、この結
果、エタロン5の設定角度に対する測定出力値(相対
値)の特性グラフ(プロファイル曲線)が取得できる。
このプロファイル曲線を示すデータは、制御装置11の
メモリ上に展開される。なお、設定角度は、エタロン5
の予め設定される基準位置から回転ステージ7を回動さ
せたときの回転角度θに対応し、また、プリズム4aか
らのレーザ光がエタロンに入射する入射角にも対応して
いる。
るレーザ光L4の出力値(光量)が測定され、この結
果、エタロン5の設定角度に対する測定出力値(相対
値)の特性グラフ(プロファイル曲線)が取得できる。
このプロファイル曲線を示すデータは、制御装置11の
メモリ上に展開される。なお、設定角度は、エタロン5
の予め設定される基準位置から回転ステージ7を回動さ
せたときの回転角度θに対応し、また、プリズム4aか
らのレーザ光がエタロンに入射する入射角にも対応して
いる。
【0101】ところで、パワーモニター9において受光
されるレーザ光L4の光量は、エタロン5の反射率に依
存し、エタロン5において最小反射率のときに最小とな
る。
されるレーザ光L4の光量は、エタロン5の反射率に依
存し、エタロン5において最小反射率のときに最小とな
る。
【0102】この場合、レーザ光L4のパワーが最小と
いうことは、図5(c)に示すスペクトル分布における
谷の部分が、常に図5(a)に示すスペクトル分布の中
心波長に合うようになるということを意味する。これ
は、エタロン5の最大透過率(及び最小反射率)に対応
する波長(最大透過波長)が図5(a)に示すスペクト
ル分布の中心波長に合うようになることを意味する。
いうことは、図5(c)に示すスペクトル分布における
谷の部分が、常に図5(a)に示すスペクトル分布の中
心波長に合うようになるということを意味する。これ
は、エタロン5の最大透過率(及び最小反射率)に対応
する波長(最大透過波長)が図5(a)に示すスペクト
ル分布の中心波長に合うようになることを意味する。
【0103】これによって、エタロン5の最大透過波長
とスペクトルの中心波長とが一致しているレーザ光L3
の中心波長が安定化されるので、光共振器を往復するレ
ーザ光L3が増幅して、出力鏡2から取り出されるレー
ザ光L2の中心波長も安定化されることになる。
とスペクトルの中心波長とが一致しているレーザ光L3
の中心波長が安定化されるので、光共振器を往復するレ
ーザ光L3が増幅して、出力鏡2から取り出されるレー
ザ光L2の中心波長も安定化されることになる。
【0104】具体的には、制御装置11は、上記プロフ
ァイル曲線を示す情報を基に、レーザ光L4の光量が最
小となっている時の設定角度になるように回転ステージ
7を回動制御すれば良い。
ァイル曲線を示す情報を基に、レーザ光L4の光量が最
小となっている時の設定角度になるように回転ステージ
7を回動制御すれば良い。
【0105】なお、ここでは、パワーモニター9及び制
御装置10によって上記制御手段が構成されている。
御装置10によって上記制御手段が構成されている。
【0106】以上説明したように、第5の発明によれ
ば、いわゆるイントラキャビティエタロンにおいて反射
するレーザ光の光量が最小となるように、当該エタロン
の共振波長を制御するようにしているので、基準光源を
用いることなく、狭帯域化されたレーザ光の中心波長を
安定化することができる。
ば、いわゆるイントラキャビティエタロンにおいて反射
するレーザ光の光量が最小となるように、当該エタロン
の共振波長を制御するようにしているので、基準光源を
用いることなく、狭帯域化されたレーザ光の中心波長を
安定化することができる。
【0107】また、第6の発明では、全反射鏡と出力鏡
としてのエタロンとで構成される光共振器と、該光共振
器中に配置されるレーザチャンバとを有し、前記レーザ
チャンバからレーザ発振されたレーザ光を前記光共振器
によって共振させると共に、該共振されるレーザ光を前
記エタロンによって狭帯域化する超狭帯域化レーザ装置
において、前記光共振器間で共振するレーザ光に含まれ
るS偏光の光量を検出する検出手段と、該検出手段によ
って検出される光量が最大となるように前記エタロンの
共振波長を制御する制御手段とを具備したことを特徴と
する。
としてのエタロンとで構成される光共振器と、該光共振
器中に配置されるレーザチャンバとを有し、前記レーザ
チャンバからレーザ発振されたレーザ光を前記光共振器
によって共振させると共に、該共振されるレーザ光を前
記エタロンによって狭帯域化する超狭帯域化レーザ装置
において、前記光共振器間で共振するレーザ光に含まれ
るS偏光の光量を検出する検出手段と、該検出手段によ
って検出される光量が最大となるように前記エタロンの
共振波長を制御する制御手段とを具備したことを特徴と
する。
【0108】さらに、第7の発明では、第6の発明にお
いて、前記レーザ発振されたレーザ光の光軸に対しブリ
ュースタ角をもって前記光共振器間に配置される光学部
材を更に具備し、前記検出手段は、前記光学部材におい
て反射するS偏光の光量を検出するようにしたことを特
徴とする。
いて、前記レーザ発振されたレーザ光の光軸に対しブリ
ュースタ角をもって前記光共振器間に配置される光学部
材を更に具備し、前記検出手段は、前記光学部材におい
て反射するS偏光の光量を検出するようにしたことを特
徴とする。
【0109】次に、第6及び第7の発明について図12
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【0110】エタロン出力鏡73から取り出されるレー
ザ光L71の中心波長の安定化について説明する。
ザ光L71の中心波長の安定化について説明する。
【0111】フッ素レーザは、エキシマレーザなど他の
紫外域のガスレーザの中でも特に利得が大きいので、光
共振器間をあまり往復しなくても、往復する光が強めら
れてレーザ発振が始まる。エタロン出力鏡73からレー
ザチャンバ71へ進行し、ウインドウ72bに到達する
レーザ光には、P偏光とS偏光の両方が含まれる。そし
て、ブリュースタカットされているウインドウ72bに
おいては、S偏光はその両面で合計約34%反射するも
のの、P偏光は0%である。
紫外域のガスレーザの中でも特に利得が大きいので、光
共振器間をあまり往復しなくても、往復する光が強めら
れてレーザ発振が始まる。エタロン出力鏡73からレー
ザチャンバ71へ進行し、ウインドウ72bに到達する
レーザ光には、P偏光とS偏光の両方が含まれる。そし
て、ブリュースタカットされているウインドウ72bに
おいては、S偏光はその両面で合計約34%反射するも
のの、P偏光は0%である。
【0112】このため、エタロン出力鏡73で反射した
レーザ光(S偏光)の約34%は、図12に示すレーザ
光S1のように、レーザチャンバ71のウインド72b
で反射する。この反射したレーザ光S1はパワーモニタ
ー78(上記検出手段に対応)に入射し、そのパワーが
モニターされる。
レーザ光(S偏光)の約34%は、図12に示すレーザ
光S1のように、レーザチャンバ71のウインド72b
で反射する。この反射したレーザ光S1はパワーモニタ
ー78(上記検出手段に対応)に入射し、そのパワーが
モニターされる。
【0113】このモニター結果を示す信号が、パワーモ
ニター78から制御装置79(上記制御手段に対応)へ
送信されると、制御装置79は、受信した信号に基づい
て気密ボックス76のピストン77を移動制御する。
ニター78から制御装置79(上記制御手段に対応)へ
送信されると、制御装置79は、受信した信号に基づい
て気密ボックス76のピストン77を移動制御する。
【0114】ところで、超狭帯域化フッ素レーザ装置4
00では、図13に示したエタロン出力鏡73の反射特
性から分かるように、エタロン出力鏡73における最大
反射波長を中心にレーザ発振する。従って、効率良くレ
ーザ発振させるには、望所の波長に最大反射波長を合わ
せる必要がある。
00では、図13に示したエタロン出力鏡73の反射特
性から分かるように、エタロン出力鏡73における最大
反射波長を中心にレーザ発振する。従って、効率良くレ
ーザ発振させるには、望所の波長に最大反射波長を合わ
せる必要がある。
【0115】そこで、具体的には、上述したように気密
ボックス76内の圧力を調整して、レーザ光S1の光量
が常時最大になるように、エタロン出力鏡73の選択波
長を調整している。これにより、エタロン出力鏡73の
選択波長が、レーザ光S1のスペクトルの中心波長と一
致するようになる。
ボックス76内の圧力を調整して、レーザ光S1の光量
が常時最大になるように、エタロン出力鏡73の選択波
長を調整している。これにより、エタロン出力鏡73の
選択波長が、レーザ光S1のスペクトルの中心波長と一
致するようになる。
【0116】以上説明したように、第6の発明によれ
ば、光共振器間で共振するレーザ光に含まれるS偏光
(一般的には露光としては利用されない)の光量を検出
し、この検出結果に応じてエタロンの共振波長を制御す
るようにしているので、基準光源を用いることなく、狭
帯域化されたレーザ光の中心波長を安定化することがで
きる。
ば、光共振器間で共振するレーザ光に含まれるS偏光
(一般的には露光としては利用されない)の光量を検出
し、この検出結果に応じてエタロンの共振波長を制御す
るようにしているので、基準光源を用いることなく、狭
帯域化されたレーザ光の中心波長を安定化することがで
きる。
【0117】また、第7の発明によれば、ブリュースタ
角をもって配置された光学部材に反射したS偏光の光量
を検出し、この検出結果に応じてエタロンの共振波長を
制御するようにしているので、基準光源を用いることな
く、狭帯域化されたレーザ光の中心波長を安定化するこ
とができ、しかも、露光として利用されるP偏光は前記
光学部材に反射しないので、当該P偏光の出力を損なう
ことなく、狭帯域化されたレーザ光の中心波長を安定化
することができる。
角をもって配置された光学部材に反射したS偏光の光量
を検出し、この検出結果に応じてエタロンの共振波長を
制御するようにしているので、基準光源を用いることな
く、狭帯域化されたレーザ光の中心波長を安定化するこ
とができ、しかも、露光として利用されるP偏光は前記
光学部材に反射しないので、当該P偏光の出力を損なう
ことなく、狭帯域化されたレーザ光の中心波長を安定化
することができる。
【0118】さらに、上記第5の課題を達成するため、
第8の発明では、出力鏡と全反射鏡とで構成される光共
振器中に配置されフッ素レーザをレーザ発振するレーザ
チャンバと、該レーザチャンバからレーザ発振され前記
光共振器間で共振するレーザ光における特定の波長を有
するレーザ光のみを選択する波長選択素子とを有する狭
帯域化レーザ装置において、前記波長選択素子は、フッ
素ドープの石英で形成された基板を有するソリッドエタ
ロンであることを特徴とする。
第8の発明では、出力鏡と全反射鏡とで構成される光共
振器中に配置されフッ素レーザをレーザ発振するレーザ
チャンバと、該レーザチャンバからレーザ発振され前記
光共振器間で共振するレーザ光における特定の波長を有
するレーザ光のみを選択する波長選択素子とを有する狭
帯域化レーザ装置において、前記波長選択素子は、フッ
素ドープの石英で形成された基板を有するソリッドエタ
ロンであることを特徴とする。
【0119】次に、第8の発明について図11を参照し
て説明する。
て説明する。
【0120】狭帯域化フッ素レーザ装置300では、フ
ッ素(F2)ガスを含んだ混合ガスが封入されているレ
ーザチャンバ61の長手方向の両側に配置された出力鏡
62と全反射鏡63とで光共振器が構成されている。ま
た、レーザチャンバ61と全反射鏡63との間に、2つ
のエタロン(いわゆるソリッドエタロン)64a、64
bが配置されている。エタロン64a、64bは共にフ
ッ素ドープの合成石英から成る厚さが0.1mmの薄板
で形成されており、コーティングは施されていない。
ッ素(F2)ガスを含んだ混合ガスが封入されているレ
ーザチャンバ61の長手方向の両側に配置された出力鏡
62と全反射鏡63とで光共振器が構成されている。ま
た、レーザチャンバ61と全反射鏡63との間に、2つ
のエタロン(いわゆるソリッドエタロン)64a、64
bが配置されている。エタロン64a、64bは共にフ
ッ素ドープの合成石英から成る厚さが0.1mmの薄板
で形成されており、コーティングは施されていない。
【0121】2枚のエタロン64a、64bでは、共に
フッ素レーザにおける2本の発振線の内、157.62
99nmの波長λ1においては高い透過率を有するよう
に設定されており、その結果、157.5233nmの
波長λ2においては最低透過率になっている。これによ
って波長λ2のレーザ光のレーザ発振が抑制され、波長
λ1のレーザ光のみがレーザ発振されて、シングルライ
ン化が達成される。
フッ素レーザにおける2本の発振線の内、157.62
99nmの波長λ1においては高い透過率を有するよう
に設定されており、その結果、157.5233nmの
波長λ2においては最低透過率になっている。これによ
って波長λ2のレーザ光のレーザ発振が抑制され、波長
λ1のレーザ光のみがレーザ発振されて、シングルライ
ン化が達成される。
【0122】以上説明したように、第8の発明によれ
ば、光共振器、レーザチャンバ、及びソリッドエタロン
の少ない部品点数によっても、フッ素レーザにおける強
い発振線をシングルライン化することができる。また、
光共振器長(出力鏡と全反射鏡間の距離)を必要最小限
に抑制することができると共に、レーザ出力の大幅な低
下を抑制することができる。
ば、光共振器、レーザチャンバ、及びソリッドエタロン
の少ない部品点数によっても、フッ素レーザにおける強
い発振線をシングルライン化することができる。また、
光共振器長(出力鏡と全反射鏡間の距離)を必要最小限
に抑制することができると共に、レーザ出力の大幅な低
下を抑制することができる。
【0123】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して説明する。
面を参照して説明する。
【0124】この実施形態では、フッ素レーザをレーザ
発振し、このレーザ発振されたレーザ光についてシング
ルライン化および超狭帯域化する超狭帯域化フッ素レー
ザ装置を想定している。
発振し、このレーザ発振されたレーザ光についてシング
ルライン化および超狭帯域化する超狭帯域化フッ素レー
ザ装置を想定している。
【0125】ここで、シングルライン化とは、フッ素レ
ーザにおける波長λ1=157.6299nmを有する
発振線、および波長λ2=157.5233nmを有す
る発振線のうちの、波長λ1=157.6299nmを
有する発振線を選択し、該発振線のレーザ光を利用する
ことである。
ーザにおける波長λ1=157.6299nmを有する
発振線、および波長λ2=157.5233nmを有す
る発振線のうちの、波長λ1=157.6299nmを
有する発振線を選択し、該発振線のレーザ光を利用する
ことである。
【0126】また、超狭帯域化とは、上記シングルライ
ン化により得られた発振線のレーザ光の波長幅を0.2
〜0.3pm程度まで狭帯域化することである。
ン化により得られた発振線のレーザ光の波長幅を0.2
〜0.3pm程度まで狭帯域化することである。
【0127】本発明においては、超狭帯域化するための
光学素子(狭帯域化素子)として、フッ素ドープの合成
石英板を基板とするエタロンを用いている。
光学素子(狭帯域化素子)として、フッ素ドープの合成
石英板を基板とするエタロンを用いている。
【0128】このエタロンの基板にフッ素ドープの合成
石英板を用いる理由としては、大別して、(1)高いト
ータルフィネスFtのエタロンの実現が容易であるこ
と、(2)超狭帯域化されたレーザ光の中心波長の変動
を抑制できること、(3)基板によって吸収されるレー
ザ光の割合を抑制できること、である。
石英板を用いる理由としては、大別して、(1)高いト
ータルフィネスFtのエタロンの実現が容易であるこ
と、(2)超狭帯域化されたレーザ光の中心波長の変動
を抑制できること、(3)基板によって吸収されるレー
ザ光の割合を抑制できること、である。
【0129】次に、これらの理由の根拠について順に説
明する。
明する。
【0130】(1)高いトータルフィネスFtのエタロ
ンの実現が容易である点 通常の合成石英は、波長157nmの光をほとんど透過
させないのに対し、フッ素ドープの合成石英板は、波長
157nmにおいては、1cm当たり90%以上の透過
率を有する。
ンの実現が容易である点 通常の合成石英は、波長157nmの光をほとんど透過
させないのに対し、フッ素ドープの合成石英板は、波長
157nmにおいては、1cm当たり90%以上の透過
率を有する。
【0131】また、通常の合成石英は硬度が約741
(Knoop Number)であり、硬度が約158のフッ化カル
シウムに比べて5倍近くも高く、極めて硬いことから、
研磨によって一般にλ/100〜λ/120程度の面精
度(波長157nmにおいてはλ/25〜λ/30)が
得られるということは広く知られている。
(Knoop Number)であり、硬度が約158のフッ化カル
シウムに比べて5倍近くも高く、極めて硬いことから、
研磨によって一般にλ/100〜λ/120程度の面精
度(波長157nmにおいてはλ/25〜λ/30)が
得られるということは広く知られている。
【0132】したがって、フッ素ドープの合成石英板を
エタロンの基板に用いることにより、フラットネスフィ
ネスFfを約12〜15程度にすることができ、これに
よって10以上の高いトータルフィネスFtのエタロン
を容易に実現することができる。よって、十分な超狭帯
域化が可能になる。
エタロンの基板に用いることにより、フラットネスフィ
ネスFfを約12〜15程度にすることができ、これに
よって10以上の高いトータルフィネスFtのエタロン
を容易に実現することができる。よって、十分な超狭帯
域化が可能になる。
【0133】(2)超狭帯域化されたレーザ光の中心波
長の変動を抑制できる点 石英はフッ化カルシウムと比べて熱膨張率が約1/40
と小さいので、波長157nmにおける透過率がフッ化
カルシウムより多少大きい場合でも、後述する理由によ
り、石英で形成されたエタロンを用いて超狭帯域化した
場合の当該レーザ光の中心波長の変動は、フッ化カルシ
ウムで形成されたエタロンを用いた場合と比較して約1
/4も小さくなる。
長の変動を抑制できる点 石英はフッ化カルシウムと比べて熱膨張率が約1/40
と小さいので、波長157nmにおける透過率がフッ化
カルシウムより多少大きい場合でも、後述する理由によ
り、石英で形成されたエタロンを用いて超狭帯域化した
場合の当該レーザ光の中心波長の変動は、フッ化カルシ
ウムで形成されたエタロンを用いた場合と比較して約1
/4も小さくなる。
【0134】この中心波長の変動の要因としては、エタ
ロンのギャップ間に満たされる気体がレーザ光の熱によ
って温度上昇することに起因して、光路長が変化しエタ
ロンでの選択波長が変化するという点、また、エタロン
の基板自体の温度上昇によって該基板が膨張し、ギャッ
プ間隔が狭くなることに起因して、光路長が変化しエタ
ロンでの選択波長が変化するという点などが挙げられ
る。なお、後者の場合は、基板の材質の違いによる要因
として捕らえることができる。
ロンのギャップ間に満たされる気体がレーザ光の熱によ
って温度上昇することに起因して、光路長が変化しエタ
ロンでの選択波長が変化するという点、また、エタロン
の基板自体の温度上昇によって該基板が膨張し、ギャッ
プ間隔が狭くなることに起因して、光路長が変化しエタ
ロンでの選択波長が変化するという点などが挙げられ
る。なお、後者の場合は、基板の材質の違いによる要因
として捕らえることができる。
【0135】次に、基板の材質の違いによる要因に起因
する中心波長の変動を、石英で形成されたエタロンを用
いることにより抑制できるということを説明する。
する中心波長の変動を、石英で形成されたエタロンを用
いることにより抑制できるということを説明する。
【0136】図17に示したように、基板の厚みをt、
ギャップ間隔をdとすると、ギャップ間隔の変化量Δd
は、基板が2枚あるため、基板の厚みの変化量Δtの半
分の2倍であるため、Δtと等しくなる。
ギャップ間隔をdとすると、ギャップ間隔の変化量Δd
は、基板が2枚あるため、基板の厚みの変化量Δtの半
分の2倍であるため、Δtと等しくなる。
【0137】このΔtは、熱膨張率をα、基板の上昇温
度をΔTとした場合、数式(2)で表される。
度をΔTとした場合、数式(2)で表される。
【0138】 Δd=Δt=t・α・ΔT ・・・(2) 一方、ΔTは、レーザ光が通過する部分のみが温度上昇
するものと仮定し、レーザ光の吸収による熱量をQ、基
板の比熱をcとした場合、数式(3)で表される。
するものと仮定し、レーザ光の吸収による熱量をQ、基
板の比熱をcとした場合、数式(3)で表される。
【0139】 ΔT=Q/(M・c) ・・・(3) ここで、Mはレーザ光が通過する部分の基板の質量であ
る。
る。
【0140】熱量Qは、レーザパワーをP、レーザ光の
照射時間をτ、レーザ光の吸収率をγとした場合、数式
(4)で表される。
照射時間をτ、レーザ光の吸収率をγとした場合、数式
(4)で表される。
【0141】 Q=P・τ・t・γ ・・・(4) 基板中でレーザ光が通過する部分の質量Mは、レーザ光
のビーム断面積をS、密度をρとした場合、数式(5)
で表される。
のビーム断面積をS、密度をρとした場合、数式(5)
で表される。
【0142】 M=S・t・ρ ・・・(5) そして、上記数式(3)〜(5)を基に上記数式(2)
を変形すると、ギャップ間隔の変化量Δdは、数式
(6)で表される。
を変形すると、ギャップ間隔の変化量Δdは、数式
(6)で表される。
【0143】 Δd=α・P・τ・t・γ/(S・ρ・c) ・・・(6) なお、上記数式(5)において、レーザ光の照射条件
(レーザパワー、ビーム断面積、及びレーザ照射時間)
に依存しない材質による比例定数は、α・γ/(ρ・c)
であるが、この比例定数に関して、フッ化カルシウムの
場合(KCaF2とする)は、α≒24×10−6、γ≒1
%/cm、ρ≒3.18g/cm3、c≒0.85J/
gCの各値を用いると、KCaF2≒8.9×10−8とな
る。
(レーザパワー、ビーム断面積、及びレーザ照射時間)
に依存しない材質による比例定数は、α・γ/(ρ・c)
であるが、この比例定数に関して、フッ化カルシウムの
場合(KCaF2とする)は、α≒24×10−6、γ≒1
%/cm、ρ≒3.18g/cm3、c≒0.85J/
gCの各値を用いると、KCaF2≒8.9×10−8とな
る。
【0144】一方、石英の場合では、比例定数(KSiO2
とする)は、α≒5.5×10−7、γ≒10%/c
m、ρ≒2.2g/cm3、c≒0.77J/gCの各
値を用いると、KSiO2≒3.3×10−8となる。
とする)は、α≒5.5×10−7、γ≒10%/c
m、ρ≒2.2g/cm3、c≒0.77J/gCの各
値を用いると、KSiO2≒3.3×10−8となる。
【0145】したがって、本発明のように、フッ素ドー
プの合成石英を基板に用いる場合は、フッ化カルシウム
を基板に用いる場合に比べて、同じ厚みの基板を用いて
も、ギャップ間の変化量Δdは0.37倍となり小さく
なる。すなわち、ギャップ間隔の変化に起因する中心波
長の変化量は0.37倍となり小さくなる。
プの合成石英を基板に用いる場合は、フッ化カルシウム
を基板に用いる場合に比べて、同じ厚みの基板を用いて
も、ギャップ間の変化量Δdは0.37倍となり小さく
なる。すなわち、ギャップ間隔の変化に起因する中心波
長の変化量は0.37倍となり小さくなる。
【0146】しかも、上記数式(6)から分かるよう
に、Δdは基板の厚みtに比例するので、基板の厚みt
が小さければ、ギャップ間隔の変化量Δdも小さくな
る。
に、Δdは基板の厚みtに比例するので、基板の厚みt
が小さければ、ギャップ間隔の変化量Δdも小さくな
る。
【0147】この点に関して、石英(フッ素ドープの合
成石英)は、硬度が高いことから薄く加工することが容
易であり、例えば、2〜3mmが限界のフッ化カルシウ
ムに対して、0.1mm程度まで薄く加工することがで
きる。このように石英を用いた基板は、フッ化カルシウ
ムを用いた基板と比較して、1/10〜1/20程度ま
で薄くすることができるので、Δdを、0.37倍と
(1/10〜1/20)とを乗じた値まで小さくするこ
とができる。
成石英)は、硬度が高いことから薄く加工することが容
易であり、例えば、2〜3mmが限界のフッ化カルシウ
ムに対して、0.1mm程度まで薄く加工することがで
きる。このように石英を用いた基板は、フッ化カルシウ
ムを用いた基板と比較して、1/10〜1/20程度ま
で薄くすることができるので、Δdを、0.37倍と
(1/10〜1/20)とを乗じた値まで小さくするこ
とができる。
【0148】したがって、石英を基板に用いる場合は、
フッ化カルシウムを基板に用いる場合に比べて、ギャッ
プ間隔の変化(変化量Δd)に起因する中心波長の変化
量を、0.03〜0.02まで小さくすることが可能で
ある。
フッ化カルシウムを基板に用いる場合に比べて、ギャッ
プ間隔の変化(変化量Δd)に起因する中心波長の変化
量を、0.03〜0.02まで小さくすることが可能で
ある。
【0149】(3)基板によって吸収されるレーザ光の
割合を抑制できる点 石英の基板を用いた場合は、フッ化カルシウムの基板を
用いた場合と比較して、フッ素ドープの合成石英の波長
157nmにおける透過率はフッ化カルシウムに比べて
1/10程度と低いが、基板を1/10〜1/20にも
薄くできるので、基板によって吸収されるレーザ光の割
合を、同程度か、あるいはそれ以下に低減させることが
できる。
割合を抑制できる点 石英の基板を用いた場合は、フッ化カルシウムの基板を
用いた場合と比較して、フッ素ドープの合成石英の波長
157nmにおける透過率はフッ化カルシウムに比べて
1/10程度と低いが、基板を1/10〜1/20にも
薄くできるので、基板によって吸収されるレーザ光の割
合を、同程度か、あるいはそれ以下に低減させることが
できる。
【0150】さて、この実施形態では、上述したような
フッ素ドープの合成石英およびこの合成石英を利用した
エタロンの光学特性を十分認識した上で、超狭帯域化レ
ーザ装置を具現化している。
フッ素ドープの合成石英およびこの合成石英を利用した
エタロンの光学特性を十分認識した上で、超狭帯域化レ
ーザ装置を具現化している。
【0151】図1は、本発明の実施形態に係る超狭帯域
化フッ素レーザ装置100の構成を示す構成図である。
化フッ素レーザ装置100の構成を示す構成図である。
【0152】超狭帯域化フッ素レーザ装置100では、
フッ素(F2)ガスを含む混合ガスが封入されているレ
ーザチャンバ1をその長手方向の両側から挟むように、
出力鏡2と全反射鏡3とで光共振器が構成されている。
フッ素(F2)ガスを含む混合ガスが封入されているレ
ーザチャンバ1をその長手方向の両側から挟むように、
出力鏡2と全反射鏡3とで光共振器が構成されている。
【0153】この光共振器間におけるレーザチャンバ1
と全反射鏡3との間には、2つのプリズム4a、4bが
配置されている。これらプリズム4a、4bによって、
レーザ光のビーム幅が拡大されると共に、当該レーザ光
のシングルライン化が行われる。
と全反射鏡3との間には、2つのプリズム4a、4bが
配置されている。これらプリズム4a、4bによって、
レーザ光のビーム幅が拡大されると共に、当該レーザ光
のシングルライン化が行われる。
【0154】プリズム4aと全反射鏡3との間のビーム
が拡げられているレーザ光の光路の所定の位置に、エタ
ロン(いわゆるイントラキャビティエタロン)5が配置
されている。エタロン5は、フッ素ドープの合成石英か
ら成る厚さ約5mmのウエッジ板で形成された2枚の基
板6a、6bを有するエアギャップエタロンになってい
る。また、エタロン5は回転ステージ7に設置されてい
る。
が拡げられているレーザ光の光路の所定の位置に、エタ
ロン(いわゆるイントラキャビティエタロン)5が配置
されている。エタロン5は、フッ素ドープの合成石英か
ら成る厚さ約5mmのウエッジ板で形成された2枚の基
板6a、6bを有するエアギャップエタロンになってい
る。また、エタロン5は回転ステージ7に設置されてい
る。
【0155】なお、エタロン5は本発明の特徴部分であ
るので、その詳細については後述することとする。
るので、その詳細については後述することとする。
【0156】図1中点線で示すレーザ光の光路のように
エタロン5を透過せずに反射したレーザ光L4を、パワ
ーモニター9へ案内すべく、ミラー8が配置されてい
る。このミラー8は、レーザ光L4を、露光機本体側
(図示せず)へ導かれる超狭帯域化されたレーザ光L2
とは分離して、パワーモニター9に入射させている。
エタロン5を透過せずに反射したレーザ光L4を、パワ
ーモニター9へ案内すべく、ミラー8が配置されてい
る。このミラー8は、レーザ光L4を、露光機本体側
(図示せず)へ導かれる超狭帯域化されたレーザ光L2
とは分離して、パワーモニター9に入射させている。
【0157】パワーモニター9は、ミラー8に反射した
レーザ光L4のパワー(光量)を常時モニターすると共
に、このモニタ結果(レーザ光L4のパワーを示す信
号)を、信号線10aを介して制御装置11へ送信す
る。
レーザ光L4のパワー(光量)を常時モニターすると共
に、このモニタ結果(レーザ光L4のパワーを示す信
号)を、信号線10aを介して制御装置11へ送信す
る。
【0158】制御装置11は、パワーモニター9からの
パワーを示す信号を基に、レーザ光L4のパワーが常に
最小値を保つように、信号線10bを介して回転ステー
ジ7を回動制御する。
パワーを示す信号を基に、レーザ光L4のパワーが常に
最小値を保つように、信号線10bを介して回転ステー
ジ7を回動制御する。
【0159】次に、エタロン5の詳細について図2及び
図3を参照して説明する。
図3を参照して説明する。
【0160】エタロン5は、図2に示すように基板6a
と基板6bとは複数のスペーサ(たとえば3本のスペー
サ、図2では、スペーサ21a、21bのみ示されてい
る)によって、これらの基板のギャップ間隔が一定で平
行になるように固定されている。
と基板6bとは複数のスペーサ(たとえば3本のスペー
サ、図2では、スペーサ21a、21bのみ示されてい
る)によって、これらの基板のギャップ間隔が一定で平
行になるように固定されている。
【0161】基板6aと基板6bとが対向する面(内
面)には、約50%の反射率を有する反射膜22a、2
2bがコーティングされており、また、この反射膜がコ
ーティングされた面とは反対側の面(外面)には、フッ
化マグネシウム膜23a、23bがコーティングされて
いる。
面)には、約50%の反射率を有する反射膜22a、2
2bがコーティングされており、また、この反射膜がコ
ーティングされた面とは反対側の面(外面)には、フッ
化マグネシウム膜23a、23bがコーティングされて
いる。
【0162】エタロン5の基板6a、6bを構成するフ
ッ素ドープの合成石英は、波長157.6nmにおける
透過率が1cm当たり約90%と高いため、上記光共振
器間へのエタロン5の挿入による挿入損失は約10%と
小さい。このため、当該光共振器においては、ゲインの
高いフッ素レーザは十分レーザ発振する。
ッ素ドープの合成石英は、波長157.6nmにおける
透過率が1cm当たり約90%と高いため、上記光共振
器間へのエタロン5の挿入による挿入損失は約10%と
小さい。このため、当該光共振器においては、ゲインの
高いフッ素レーザは十分レーザ発振する。
【0163】また、合成石英は、硬度が約741(Knoo
p Number)であるので、量産レベルの研磨においても、
λ/100〜λ/120程度(ただしHe−Neレーザ
の波長λ=633nmの場合)の高い面精度が得られる
ため、エタロン5の基板6a、6bは、λ/120程度
の面精度になっている。なお、この場合、λ=157.
6nmにおいては、波長が633nmの波長の約1/4
であるため、面精度は、約λ/30になる。
p Number)であるので、量産レベルの研磨においても、
λ/100〜λ/120程度(ただしHe−Neレーザ
の波長λ=633nmの場合)の高い面精度が得られる
ため、エタロン5の基板6a、6bは、λ/120程度
の面精度になっている。なお、この場合、λ=157.
6nmにおいては、波長が633nmの波長の約1/4
であるため、面精度は、約λ/30になる。
【0164】ところで、エタロン5の性能を定めるトー
タルフィネスFtは、上述した数式(1)つまり、1/
(Ft^2)≒1/(Fr^2)+1/(Ff^2)で
表され、この数式において、反射フィネスFr=π*R
^0.5/(1−R)(Rは反射率)で表され、フラッ
トネスフィネスFf=m/2(面精度がλ/mの場合)
で表される。
タルフィネスFtは、上述した数式(1)つまり、1/
(Ft^2)≒1/(Fr^2)+1/(Ff^2)で
表され、この数式において、反射フィネスFr=π*R
^0.5/(1−R)(Rは反射率)で表され、フラッ
トネスフィネスFf=m/2(面精度がλ/mの場合)
で表される。
【0165】上述したようにエタロン5の2枚の基板6
a、6bの対向する面に約50%の反射率を有する反射
膜22a、22bがコーティングされているので、反射
フィネスFrは4.44となり、トータルフィネスFt
は約4になる。すなわち、エタロン5のFSR(選択波
長の波長差)を1.5pmにする場合、出力鏡2から
は、約0.3pm(=FSR/(Ft+1)=1.5p
m/(4+1))の波長幅のレーザ光L2が発振され
る。
a、6bの対向する面に約50%の反射率を有する反射
膜22a、22bがコーティングされているので、反射
フィネスFrは4.44となり、トータルフィネスFt
は約4になる。すなわち、エタロン5のFSR(選択波
長の波長差)を1.5pmにする場合、出力鏡2から
は、約0.3pm(=FSR/(Ft+1)=1.5p
m/(4+1))の波長幅のレーザ光L2が発振され
る。
【0166】本実施形態においてはエタロン5の反射率
は約50%であるが、90%程度の反射率を有する一般
のエタロンに比べて低い反射率である理由としては、上
述したようにトータルフィネスFtが4程度でレーザ光
が十分に超狭帯域化されるからである。
は約50%であるが、90%程度の反射率を有する一般
のエタロンに比べて低い反射率である理由としては、上
述したようにトータルフィネスFtが4程度でレーザ光
が十分に超狭帯域化されるからである。
【0167】また、反射率が高くなると、エタロン5を
構成する2枚の基板6a、6b間において高い光強度に
なるため、反射膜22a、22bがダメージを生じ易く
なるということも理由の1つである。つまり、エタロン
5においては、レーザ光が2枚の基板6a、6b間で何
度も共振するため、エタロン外部のレーザ光の光強度よ
りも高くなる。このため、約50%と比較的低い反射率
の反射膜22a、22bをコーティングすることによ
り、これらの反射膜のダメージが生じ難くなっている。
構成する2枚の基板6a、6b間において高い光強度に
なるため、反射膜22a、22bがダメージを生じ易く
なるということも理由の1つである。つまり、エタロン
5においては、レーザ光が2枚の基板6a、6b間で何
度も共振するため、エタロン外部のレーザ光の光強度よ
りも高くなる。このため、約50%と比較的低い反射率
の反射膜22a、22bをコーティングすることによ
り、これらの反射膜のダメージが生じ難くなっている。
【0168】このようなエタロン5の透過率特性を図3
に示す。この図3において、横軸は相対波長(単位:p
m)を表し、縦軸はエタロンの透過率(単位:%)を表
し、実線で示した曲線は本発明に係るエタロン(エタロ
ン5)の透過率特性を表し、点線で示した曲線は従来の
エタロン(フッ化カルシウムで形成された基板を用いた
エタロン)の透過率特性を表している。
に示す。この図3において、横軸は相対波長(単位:p
m)を表し、縦軸はエタロンの透過率(単位:%)を表
し、実線で示した曲線は本発明に係るエタロン(エタロ
ン5)の透過率特性を表し、点線で示した曲線は従来の
エタロン(フッ化カルシウムで形成された基板を用いた
エタロン)の透過率特性を表している。
【0169】図3から明らかなように、エタロン5の最
大透過率は、例えば相対波長が0pmにおいて約80%
になっている。このように最大透過率が100%になら
ない理由としては、エタロン5における反射膜6a、6
bによる吸収損失と、基板5a、5bの表面散乱による
損失(散乱損失)が生じるからである。
大透過率は、例えば相対波長が0pmにおいて約80%
になっている。このように最大透過率が100%になら
ない理由としては、エタロン5における反射膜6a、6
bによる吸収損失と、基板5a、5bの表面散乱による
損失(散乱損失)が生じるからである。
【0170】これに対して、フッ化カルシウムから成る
基板に、上記同様に約50%の反射膜をコーティングし
た従来のエタロンでは、上述したように面精度がλ/5
程度しか得られないので、散乱損失が大きくなり、その
結果、図3中点線で示した透過率特性の如く、透過率が
全体に低下し、例えば相対波長が0pmにおける最大透
過率が50%以下になってしまう。
基板に、上記同様に約50%の反射膜をコーティングし
た従来のエタロンでは、上述したように面精度がλ/5
程度しか得られないので、散乱損失が大きくなり、その
結果、図3中点線で示した透過率特性の如く、透過率が
全体に低下し、例えば相対波長が0pmにおける最大透
過率が50%以下になってしまう。
【0171】したがって、本実施形態のように、面精度
の高い基板から成るエタロンを用いることにより、エタ
ロンの最大透過率が約30%も向上するので(従来と比
較して1.6倍)、従来と比較して、超狭帯域化の効果
が向上すると共に、レーザ出力も増加することになる。
の高い基板から成るエタロンを用いることにより、エタ
ロンの最大透過率が約30%も向上するので(従来と比
較して1.6倍)、従来と比較して、超狭帯域化の効果
が向上すると共に、レーザ出力も増加することになる。
【0172】ところで、本実施形態では、図2に示した
ようにエタロン5の基板6a、6bの外側にフッ化マグ
ネシウム23a、23bをコーティングしている。
ようにエタロン5の基板6a、6bの外側にフッ化マグ
ネシウム23a、23bをコーティングしている。
【0173】その理由は、表面の反射(フレネル反射)
を防止するためであるが、フッ化カルシウムを基板に用
いた従来のエタロンの場合に比べて、減反射の効果が高
まるからである。
を防止するためであるが、フッ化カルシウムを基板に用
いた従来のエタロンの場合に比べて、減反射の効果が高
まるからである。
【0174】すなわち、減反射コーティング(一般にA
Rコーティングと呼ばれる)を単層で行うには、基板の
屈折率n1よりも低い屈折率n2の材質のものを波長の
1/4の厚さをもって当該基板に蒸着すればよいが、理
想的には、屈折率n2=√(n1)の膜が好ましい。
Rコーティングと呼ばれる)を単層で行うには、基板の
屈折率n1よりも低い屈折率n2の材質のものを波長の
1/4の厚さをもって当該基板に蒸着すればよいが、理
想的には、屈折率n2=√(n1)の膜が好ましい。
【0175】ここで、本実施形態の如くフッ素ドープの
合成石英を基板6a、6bに用いている場合、波長15
7nmにおける当該合成石英の屈折率n1は約1.66
であるので、屈折率n2=√(n1)≒1.29とな
る。このため、屈折率n2≒1.29の材質のものを基
板6a、6bに蒸着するのが好ましい。
合成石英を基板6a、6bに用いている場合、波長15
7nmにおける当該合成石英の屈折率n1は約1.66
であるので、屈折率n2=√(n1)≒1.29とな
る。このため、屈折率n2≒1.29の材質のものを基
板6a、6bに蒸着するのが好ましい。
【0176】一方、波長157nmにおいて透過性を有
し、屈折率が低い代表的なフッ化マグネシウムは屈折率
が約1.46であるため、これは、屈折率n2≒1.2
9の材質(理想的な材質)に近いものであり、実際には
残留反射率は約1.6%である。
し、屈折率が低い代表的なフッ化マグネシウムは屈折率
が約1.46であるため、これは、屈折率n2≒1.2
9の材質(理想的な材質)に近いものであり、実際には
残留反射率は約1.6%である。
【0177】これに対し、従来の如く基板がフッ化カル
シウムの場合、屈折率n1は波長157nmにおいて約
1.56であるので、屈折率n2≒1.25の材質のも
のを蒸着するのが好ましいことになる。ところが、上述
したように屈折率が低い代表的なフッ化マグネシウム
は、屈折率が約1.46であるため、理想的な材質から
多少離れており、実際には残留反射率は約2.5%にな
る。
シウムの場合、屈折率n1は波長157nmにおいて約
1.56であるので、屈折率n2≒1.25の材質のも
のを蒸着するのが好ましいことになる。ところが、上述
したように屈折率が低い代表的なフッ化マグネシウム
は、屈折率が約1.46であるため、理想的な材質から
多少離れており、実際には残留反射率は約2.5%にな
る。
【0178】上述したように、フッ素ドープの合成石英
を基板に用いたエタロン5では、フッ化カルシウムを基
板に用いた従来のエタロンに比べて、反射損失が約1%
(≒2.5−1.6)低下し、これに伴ってレーザ出力
は向上する。
を基板に用いたエタロン5では、フッ化カルシウムを基
板に用いた従来のエタロンに比べて、反射損失が約1%
(≒2.5−1.6)低下し、これに伴ってレーザ出力
は向上する。
【0179】次に、超狭帯域化フッ素レーザ装置100
における波長安定化の手法について、図1、図4及び図
5を参照して説明する。
における波長安定化の手法について、図1、図4及び図
5を参照して説明する。
【0180】エタロン5の反射率特性は、図4に示すよ
うに、図3に示した透過率特性とは反対になる。エタロ
ン5を透過するレーザ光は、その中心波長と、図4に示
すエタロン5の最小反射率(図3に示す最大透過率)に
おける波長とが一致しているのが、中心波長の安定化と
いう点で好ましい。
うに、図3に示した透過率特性とは反対になる。エタロ
ン5を透過するレーザ光は、その中心波長と、図4に示
すエタロン5の最小反射率(図3に示す最大透過率)に
おける波長とが一致しているのが、中心波長の安定化と
いう点で好ましい。
【0181】ところで、超狭帯域化フッ素レーザ装置1
00のレーザチャンバ1において発生する超狭帯域化さ
れていないレーザ光は、レーザ光L1におけるプリズム
4bの方向に進行する(図1参照)。
00のレーザチャンバ1において発生する超狭帯域化さ
れていないレーザ光は、レーザ光L1におけるプリズム
4bの方向に進行する(図1参照)。
【0182】したがって、このレーザ光L1のスペクト
ルは、図5(a)に示すように、半値幅が約1pmとな
っている。
ルは、図5(a)に示すように、半値幅が約1pmとな
っている。
【0183】このレーザ光L1がエタロン5を透過する
と、この透過したレーザ光L3は、エタロン5により超
狭帯域化されるため(図1参照)、スペクトルは図5
(b)に示すような分布となる。
と、この透過したレーザ光L3は、エタロン5により超
狭帯域化されるため(図1参照)、スペクトルは図5
(b)に示すような分布となる。
【0184】一方、レーザ光L1がエタロン5に当たっ
て反射するレーザ光(図1中点線で示されるレーザ光参
照)のスペクトルは、図4に示した特性での反射率と、
図5(a)に示したスペクトルとを掛け合わせたもので
あり、結果的に、図5(c)に示すような中央部の強度
が低い分布になる。
て反射するレーザ光(図1中点線で示されるレーザ光参
照)のスペクトルは、図4に示した特性での反射率と、
図5(a)に示したスペクトルとを掛け合わせたもので
あり、結果的に、図5(c)に示すような中央部の強度
が低い分布になる。
【0185】ところで、超狭帯域化されていないレーザ
光L1のスペクトル(図5(a)参照)の中心波長は、
物理的に定まった一定のもの(絶対波長)であるので、
エタロン5の特性がずれると仮定した場合には、図5
(c)に示すスペクトル分布における強度が低い谷の部
分が、0pmの相対波長の位置から左右にずれることに
なる。その結果、図5(c)に示すスペクトル分布にお
ける2つの山の片方が高くなり、レーザ光L4のパワー
(光量)が増加することになる。
光L1のスペクトル(図5(a)参照)の中心波長は、
物理的に定まった一定のもの(絶対波長)であるので、
エタロン5の特性がずれると仮定した場合には、図5
(c)に示すスペクトル分布における強度が低い谷の部
分が、0pmの相対波長の位置から左右にずれることに
なる。その結果、図5(c)に示すスペクトル分布にお
ける2つの山の片方が高くなり、レーザ光L4のパワー
(光量)が増加することになる。
【0186】したがってレーザ光L4のパワーを最小に
なるように制御することで、図5(c)に示すスペクト
ル分布における谷の部分が、常に図5(a)に示すスペ
クトル分布の中心波長に合うようになる。これは、エタ
ロン5の最大透過率(及び最小反射率)における波長
(最大透過波長)が図5(a)に示すスペクトル分布の
中心波長に合うようになることを意味する。
なるように制御することで、図5(c)に示すスペクト
ル分布における谷の部分が、常に図5(a)に示すスペ
クトル分布の中心波長に合うようになる。これは、エタ
ロン5の最大透過率(及び最小反射率)における波長
(最大透過波長)が図5(a)に示すスペクトル分布の
中心波長に合うようになることを意味する。
【0187】これによって、エタロン5の最大透過波長
とスペクトルの中心波長とが一致しているレーザ光L3
の中心波長が安定化されるので、光共振器を往復するレ
ーザ光L3が増幅されて、出力鏡2から取り出されるレ
ーザ光L2の中心波長も安定化されることになる。
とスペクトルの中心波長とが一致しているレーザ光L3
の中心波長が安定化されるので、光共振器を往復するレ
ーザ光L3が増幅されて、出力鏡2から取り出されるレ
ーザ光L2の中心波長も安定化されることになる。
【0188】具体的には、このような中心波長の安定化
は、次のようにして実現することができる。
は、次のようにして実現することができる。
【0189】図1を参照して説明すると、制御装置11
は、パワーモニター9からのモニタ結果(光量を示す信
号)に基づいて、信号線10bを介して回転ステージ7
を回動制御することにより、エタロン5を僅かながら回
動させながら、レーザ光L4の出力を測定する。
は、パワーモニター9からのモニタ結果(光量を示す信
号)に基づいて、信号線10bを介して回転ステージ7
を回動制御することにより、エタロン5を僅かながら回
動させながら、レーザ光L4の出力を測定する。
【0190】これによってエタロン5の設定角度に対す
るレーザ光L4の出力値(光量)が測定され、この結
果、エタロン5の設定角度に対する測定出力値(相対強
度)の特性グラフ(プロファイル曲線)が取得できる。
このプロファイル曲線を示すデータは、制御装置11の
メモリ上に展開される。なお、設定角度は、エタロン5
の予め設定される基準位置から回転ステージ7を回動さ
せたときの回転角度θに対応し、また、プリズム4aか
らのレーザ光がエタロンに入射する入射角にも対応して
いる。
るレーザ光L4の出力値(光量)が測定され、この結
果、エタロン5の設定角度に対する測定出力値(相対強
度)の特性グラフ(プロファイル曲線)が取得できる。
このプロファイル曲線を示すデータは、制御装置11の
メモリ上に展開される。なお、設定角度は、エタロン5
の予め設定される基準位置から回転ステージ7を回動さ
せたときの回転角度θに対応し、また、プリズム4aか
らのレーザ光がエタロンに入射する入射角にも対応して
いる。
【0191】ところで、パワーモニター9において受光
されるレーザ光L4の光量は、エタロン5の反射率に依
存し、またエタロン5において最小反射率のときに最小
となる。
されるレーザ光L4の光量は、エタロン5の反射率に依
存し、またエタロン5において最小反射率のときに最小
となる。
【0192】したがって、制御装置11は、上記プロフ
ァイル曲線を示す情報を基に、レーザ光L4の光量が最
小となっている時の設定角度になるように回転ステージ
7を回動制御すれば良い。
ァイル曲線を示す情報を基に、レーザ光L4の光量が最
小となっている時の設定角度になるように回転ステージ
7を回動制御すれば良い。
【0193】このような回転ステージ7の回動制御(つ
まり中心波長の安定化)は、出力鏡2から出射される超
狭帯域化されたレーザ光L2を露光光源としている露光
装置(図示せず)による露光処理中は勿論のこと、例え
ばこの露光装置におけるウエハーの交換時に、図示しな
い遮光板によって出力鏡2から出射されるレーザ光L2
を遮光した後に実施するようにしても良い。
まり中心波長の安定化)は、出力鏡2から出射される超
狭帯域化されたレーザ光L2を露光光源としている露光
装置(図示せず)による露光処理中は勿論のこと、例え
ばこの露光装置におけるウエハーの交換時に、図示しな
い遮光板によって出力鏡2から出射されるレーザ光L2
を遮光した後に実施するようにしても良い。
【0194】以上説明したように、本実施形態では、超
狭帯域化されるレーザ光の中心波長を安定化させるため
に、エタロンとしてのイントラキャビティエタロン(つ
まりエタロン5)において反射するレーザ光の光量が最
小となるように、該エタロン5における共振波長を制御
するようにしている。
狭帯域化されるレーザ光の中心波長を安定化させるため
に、エタロンとしてのイントラキャビティエタロン(つ
まりエタロン5)において反射するレーザ光の光量が最
小となるように、該エタロン5における共振波長を制御
するようにしている。
【0195】これによって、エタロン5における最大透
過波長が、フッ素レーザの選択されたライン(波長λ1
が157.6299nmの発振線)のスペクトル分布に
おいて最も光強度が高い波長と常に一致するようにな
る。
過波長が、フッ素レーザの選択されたライン(波長λ1
が157.6299nmの発振線)のスペクトル分布に
おいて最も光強度が高い波長と常に一致するようにな
る。
【0196】その理由としては、上述したように、スペ
クトル分布において最も光強度が高い波長(上記波長λ
1)が、エタロン5における反射率が高い波長に合って
くると、反射するレーザ光の光量が増加するからであ
る。
クトル分布において最も光強度が高い波長(上記波長λ
1)が、エタロン5における反射率が高い波長に合って
くると、反射するレーザ光の光量が増加するからであ
る。
【0197】一方、選択されたライン(上記波長λ1の
発振線)のスペクトル分布において最も光強度が高い波
長(上記波長λ1)は物理的に定まった値であるので、
この波長とエタロン5の最大透過波長とが一致すること
により、エタロン5における共振波長が安定化される。
発振線)のスペクトル分布において最も光強度が高い波
長(上記波長λ1)は物理的に定まった値であるので、
この波長とエタロン5の最大透過波長とが一致すること
により、エタロン5における共振波長が安定化される。
【0198】従って、超狭帯域化されるレーザ光L3
(最終的にはレーザ光L2)のスペクトルの中心波長が
安定化される。
(最終的にはレーザ光L2)のスペクトルの中心波長が
安定化される。
【0199】なお、上記実施形態においては、フッ素レ
ーザのレーザ光についての超狭帯域化および中心波長の
安定化について説明したが、本発明はこれに限定される
ことなく、中心波長の安定化についてはフッ素レーザよ
りも波長の長いレーザに適用することができる。
ーザのレーザ光についての超狭帯域化および中心波長の
安定化について説明したが、本発明はこれに限定される
ことなく、中心波長の安定化についてはフッ素レーザよ
りも波長の長いレーザに適用することができる。
【0200】すなわち、フッ素レーザについては上述し
たような超狭帯域化及び中心波長の安定化の手法が有効
であり、また、フッ素レーザよりも波長の長いレーザ、
例えばクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザや、
アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ等のエキシマ
レーザについては、上述したような中心波長の安定化の
手法が有効となる。
たような超狭帯域化及び中心波長の安定化の手法が有効
であり、また、フッ素レーザよりも波長の長いレーザ、
例えばクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザや、
アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ等のエキシマ
レーザについては、上述したような中心波長の安定化の
手法が有効となる。
【0201】この中心波長の安定化の手法は、エタロン
(イントラキャビティエタロン)に反射するレーザ光の
光量が最小となるように、エタロンの共振波長(選択波
長)を制御するという点に特徴があるので、フッ素レー
ザや上記エキシマレーザ等のガスレーザをレーザ発振す
るレーザ装置全てに適用することができる。
(イントラキャビティエタロン)に反射するレーザ光の
光量が最小となるように、エタロンの共振波長(選択波
長)を制御するという点に特徴があるので、フッ素レー
ザや上記エキシマレーザ等のガスレーザをレーザ発振す
るレーザ装置全てに適用することができる。
【0202】この場合、エタロン5の基板6a、6bに
はフッ化カルシウムで形成されたものを用いれば良い
し、また、レーザチャンバ1には、例えば、KrFガス
やArFガス等の所望のガスレーザに応じたレーザガス
を封入すれば良い。
はフッ化カルシウムで形成されたものを用いれば良い
し、また、レーザチャンバ1には、例えば、KrFガス
やArFガス等の所望のガスレーザに応じたレーザガス
を封入すれば良い。
【0203】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、フッ素ドープの合成石英で形成された基板を有する
エタロン5を使用しているので、フッ化カルシウムや一
般の合成石英で形成された基板を有する従来のエタロン
では実現不可能であった、(a)157nmの波長の光
を透過(1cm当たり90%以上の透過率)させ、
(b)しかも面精度(波長157nmではλ/25〜λ
/30)を高くすることができ、10以上のトータルフ
ィネスのエタロンを実現することができる。これによっ
て、フッ素レーザ(波長157nm)のレーザ光の波長
幅をより狭くできることとなり、超狭帯域化することが
できる。
ば、フッ素ドープの合成石英で形成された基板を有する
エタロン5を使用しているので、フッ化カルシウムや一
般の合成石英で形成された基板を有する従来のエタロン
では実現不可能であった、(a)157nmの波長の光
を透過(1cm当たり90%以上の透過率)させ、
(b)しかも面精度(波長157nmではλ/25〜λ
/30)を高くすることができ、10以上のトータルフ
ィネスのエタロンを実現することができる。これによっ
て、フッ素レーザ(波長157nm)のレーザ光の波長
幅をより狭くできることとなり、超狭帯域化することが
できる。
【0204】また、上記エタロン5を用いた場合には、
フッ化カルシウムの基板を用いた従来のエタロンの場合
と比較して、熱膨張率が1/40と小さく、しかも基板
の厚みの変化量Δdの比例的な要素である基板の厚みt
を薄くできるので(1/10〜1/20)、基板の厚み
の変化量Δdを抑制することができる。よってエタロン
5を透過するレーザ光の中心波長の変化量を抑制するこ
とができる。
フッ化カルシウムの基板を用いた従来のエタロンの場合
と比較して、熱膨張率が1/40と小さく、しかも基板
の厚みの変化量Δdの比例的な要素である基板の厚みt
を薄くできるので(1/10〜1/20)、基板の厚み
の変化量Δdを抑制することができる。よってエタロン
5を透過するレーザ光の中心波長の変化量を抑制するこ
とができる。
【0205】さらに、エタロンとしてのイントラキャビ
ティエタロン(つまりエタロン5)において反射するレ
ーザ光の光量が最小となるように、該エタロン5におけ
る共振波長を制御するようにしているので、露光光源と
して利用される超狭帯域化されたレーザ光L2を用いる
ことなく、エタロン5の中心波長の安定化を図ることが
できることとなり、効率良くレーザ出力を得ることがで
きる。
ティエタロン(つまりエタロン5)において反射するレ
ーザ光の光量が最小となるように、該エタロン5におけ
る共振波長を制御するようにしているので、露光光源と
して利用される超狭帯域化されたレーザ光L2を用いる
ことなく、エタロン5の中心波長の安定化を図ることが
できることとなり、効率良くレーザ出力を得ることがで
きる。
【0206】しかも、中心波長を安定化するに際し、従
来において一般に用いられている基準光源を用いること
無く、超狭帯域化されたレーザ光の中心波長を安定化す
ることができるので、当該波長安定化のための構造が簡
単になる利点もある。
来において一般に用いられている基準光源を用いること
無く、超狭帯域化されたレーザ光の中心波長を安定化す
ることができるので、当該波長安定化のための構造が簡
単になる利点もある。
【0207】[第2の実施形態]第2の実施形態では、
詳細については後述するが、大きく分けて、フッ素ドー
プの合成石英の基板を用いた第1のエタロンによってフ
ッ素レーザのレーザ光についてシングルライン化および
超狭帯域化を行うという第1の点と、フッ素ドープの合
成石英の基板を有する第2のエタロンを用いて第1のエ
タロンによって超狭帯域化されたレーザ光のスペクトル
を高分解能に検出するという第2の点に特徴がある。
詳細については後述するが、大きく分けて、フッ素ドー
プの合成石英の基板を用いた第1のエタロンによってフ
ッ素レーザのレーザ光についてシングルライン化および
超狭帯域化を行うという第1の点と、フッ素ドープの合
成石英の基板を有する第2のエタロンを用いて第1のエ
タロンによって超狭帯域化されたレーザ光のスペクトル
を高分解能に検出するという第2の点に特徴がある。
【0208】従って、この第2の実施形態では、フッ素
レーザのレーザ光について超狭帯域化されるレーザ光の
中心波長の安定化を図るという観点からは、上記第1及
び第2の点の特徴を備えた超狭帯域化フッ素レーザ装置
を想定している。
レーザのレーザ光について超狭帯域化されるレーザ光の
中心波長の安定化を図るという観点からは、上記第1及
び第2の点の特徴を備えた超狭帯域化フッ素レーザ装置
を想定している。
【0209】しかし、本発明は、上記第2の点の特徴の
み、すなわち超狭帯域化されたレーザ光のスペクトルを
高分解能に検出するということのみにおいても特徴があ
るので、超狭帯域化についてはフッ化カルシウムの基板
を用いた従来のエタロンによって行い、この超狭帯域化
されたレーザ光のスペクトルを、上記第2のエタロンを
用いてモニターして高分解能に検出する超狭帯域化フッ
素レーザ装置も想定している。
み、すなわち超狭帯域化されたレーザ光のスペクトルを
高分解能に検出するということのみにおいても特徴があ
るので、超狭帯域化についてはフッ化カルシウムの基板
を用いた従来のエタロンによって行い、この超狭帯域化
されたレーザ光のスペクトルを、上記第2のエタロンを
用いてモニターして高分解能に検出する超狭帯域化フッ
素レーザ装置も想定している。
【0210】図6は、第2の実施形態に係る超狭帯域化
フッ素レーザ装置200の構成を示す構成図である。
フッ素レーザ装置200の構成を示す構成図である。
【0211】超狭帯域化フッ素レーザ装置200では、
フッ素(F2)ガスを含んだ混合ガスが封入されている
レーザチャンバ31の長手方向の両側に配置された出力
鏡32と全反射鏡33とで光共振器が構成されており、
レーザチャンバ31と全反射鏡33との間にシングルラ
イン化及び超狭帯域化を実施するエタロン(いわゆるイ
ントラキャビティエタロン)34が配置されている。
フッ素(F2)ガスを含んだ混合ガスが封入されている
レーザチャンバ31の長手方向の両側に配置された出力
鏡32と全反射鏡33とで光共振器が構成されており、
レーザチャンバ31と全反射鏡33との間にシングルラ
イン化及び超狭帯域化を実施するエタロン(いわゆるイ
ントラキャビティエタロン)34が配置されている。
【0212】このエタロン34(上記狭帯域化素子に対
応)は、本発明の特徴部分であるので、詳細については
後述する。
応)は、本発明の特徴部分であるので、詳細については
後述する。
【0213】なお、超狭帯域化フッ素レーザ装置200
では、シングルライン化をするためのプリズムは用いて
いない。
では、シングルライン化をするためのプリズムは用いて
いない。
【0214】レーザチャンバ31によってレーザ発振さ
れたレーザ光が光共振器間(つまり出力鏡32と全反射
鏡33間)で共振することにより、そのレーザ光がエタ
ロン34によってシングルライン化および超狭帯域化さ
れ、この超狭帯域化されたレーザ光が出力鏡32から出
射される。
れたレーザ光が光共振器間(つまり出力鏡32と全反射
鏡33間)で共振することにより、そのレーザ光がエタ
ロン34によってシングルライン化および超狭帯域化さ
れ、この超狭帯域化されたレーザ光が出力鏡32から出
射される。
【0215】こうして超狭帯域化されたレーザ光L31
は、ビームスプリッタ35aに当たり、約95%は透過
してレーザ光L32のように進み、図示しない露光機本
体に導かれ、一方、レーザ光L31のうち約5%はビー
ムスプリッタ35aで反射する。この反射したレーザ光
L33はビーム縮小器36を通り、ここでビーム径が縮
小されて、ビームスプリッタ35bに当たり、ここで反
射する。
は、ビームスプリッタ35aに当たり、約95%は透過
してレーザ光L32のように進み、図示しない露光機本
体に導かれ、一方、レーザ光L31のうち約5%はビー
ムスプリッタ35aで反射する。この反射したレーザ光
L33はビーム縮小器36を通り、ここでビーム径が縮
小されて、ビームスプリッタ35bに当たり、ここで反
射する。
【0216】小型フッ素レーザ装置250においては、
全反射鏡42と出力鏡43がレーザチャンバ41に直接
取り付けられている。出力鏡43から取り出されたレー
ザ光L41はビームスプリッタ35bを透過することに
より、ビームスプリッタ35bに反射するレーザ光L3
3と重ね合わされる。すなわち、超狭帯域化されたレー
ザ光L33と超狭帯域化されていないレーザ光L41と
が合成されて、レーザ光L34となる。このレーザ光L
34は、回転ステージ46に設置されているモニター用
のエタロン44に入射する。
全反射鏡42と出力鏡43がレーザチャンバ41に直接
取り付けられている。出力鏡43から取り出されたレー
ザ光L41はビームスプリッタ35bを透過することに
より、ビームスプリッタ35bに反射するレーザ光L3
3と重ね合わされる。すなわち、超狭帯域化されたレー
ザ光L33と超狭帯域化されていないレーザ光L41と
が合成されて、レーザ光L34となる。このレーザ光L
34は、回転ステージ46に設置されているモニター用
のエタロン44に入射する。
【0217】このエタロン44(上記光学素子に対応)
は、本発明の特徴部分であるので、その詳細については
後述する。
は、本発明の特徴部分であるので、その詳細については
後述する。
【0218】パワーモニター47は、エタロン44を透
過するレーザ光L35のパワー(光量)を測定する。
過するレーザ光L35のパワー(光量)を測定する。
【0219】遮光板48aは、レーザ光L33がビーム
スプリッタ35bに入射しないように遮光するためのも
のであり、遮光板48bは、レーザ光L41がビームス
プリッタ35bに入射しないように遮光するためのもの
である。
スプリッタ35bに入射しないように遮光するためのも
のであり、遮光板48bは、レーザ光L41がビームス
プリッタ35bに入射しないように遮光するためのもの
である。
【0220】次に、本発明に係るエタロン34の詳細に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0221】第2の実施形態では、エタロン34は、1
57nmの波長の光を透過させ、かつ約741(Knoop
Number)の硬度でフッ化カルシウムと比較して硬いフッ
素ドープの合成石英で形成される2枚の基板を有し、し
かも2枚の基板のうち1枚の基板については厚さが0.
1mm程度になっている。
57nmの波長の光を透過させ、かつ約741(Knoop
Number)の硬度でフッ化カルシウムと比較して硬いフッ
素ドープの合成石英で形成される2枚の基板を有し、し
かも2枚の基板のうち1枚の基板については厚さが0.
1mm程度になっている。
【0222】すなわち、エタロン34は、エアギャップ
エタロンであり、図7に示すように、フッ素ドープの石
英から形成された2枚の基板50a、50bを有し、こ
れら基板50a、50bは複数のスペーサ51a、51
b(ここでは、3本のスペーサを用いているが、3本目
のスペーサは図示せず)によって基板間が一定になるよ
うに固定されている。
エタロンであり、図7に示すように、フッ素ドープの石
英から形成された2枚の基板50a、50bを有し、こ
れら基板50a、50bは複数のスペーサ51a、51
b(ここでは、3本のスペーサを用いているが、3本目
のスペーサは図示せず)によって基板間が一定になるよ
うに固定されている。
【0223】また、基板50a、50bの対向する面に
は反射率が約50%の反射膜52a、52bがコーティ
ングされており、また、基板50a(上記第2の基板に
対応)の外面(反射膜がコーティングされている面とは
反対の面)には減反射(AR)コーティングとしてフッ
化マグネシウムが蒸着されている。
は反射率が約50%の反射膜52a、52bがコーティ
ングされており、また、基板50a(上記第2の基板に
対応)の外面(反射膜がコーティングされている面とは
反対の面)には減反射(AR)コーティングとしてフッ
化マグネシウムが蒸着されている。
【0224】エタロン34は、図2に示した第1の実施
形態におけるエタロン5と比較して、2枚の基板のう
ち、1枚の基板50b(上記第1の基板に対応)が、約
0.1mmと非常に薄い平行平板になっている。さら
に、基板50bの外面(反射膜がコーティングされてい
る面とは反対の面)には上記ARコーティングではな
く、反射膜52cがコーティングされている。その結
果、基板50bは、ソリッドエタロンとして機能するこ
とになる。
形態におけるエタロン5と比較して、2枚の基板のう
ち、1枚の基板50b(上記第1の基板に対応)が、約
0.1mmと非常に薄い平行平板になっている。さら
に、基板50bの外面(反射膜がコーティングされてい
る面とは反対の面)には上記ARコーティングではな
く、反射膜52cがコーティングされている。その結
果、基板50bは、ソリッドエタロンとして機能するこ
とになる。
【0225】なお、エタロン34における薄い基板50
bには、その両面に反射膜52a、52cが施されるこ
とになるが、その結果、後述する理由により、新たな効
果としてエタロンのトータルフィネスが悪化することは
ない。
bには、その両面に反射膜52a、52cが施されるこ
とになるが、その結果、後述する理由により、新たな効
果としてエタロンのトータルフィネスが悪化することは
ない。
【0226】すなわち、基板50bのように薄い基板を
エタロンに用いる際に、仮に片面のみに反射膜を施した
り、基板の両面に仕様の異なる膜を施した場合には、膜
を基板に蒸着することによって生じる応力により、該基
板がたわむことがある。その結果、マクロ的な平坦度が
低下するため、トータルフィネスが低下することがあっ
た。
エタロンに用いる際に、仮に片面のみに反射膜を施した
り、基板の両面に仕様の異なる膜を施した場合には、膜
を基板に蒸着することによって生じる応力により、該基
板がたわむことがある。その結果、マクロ的な平坦度が
低下するため、トータルフィネスが低下することがあっ
た。
【0227】これに対して、本実施形態のエタロン34
における薄い基板50bには、両面ともに反射率が約5
0%の反射膜52a、52cが施されており、これによ
って応力に差が生じることはないので、基板50bがた
わむことはない。
における薄い基板50bには、両面ともに反射率が約5
0%の反射膜52a、52cが施されており、これによ
って応力に差が生じることはないので、基板50bがた
わむことはない。
【0228】ここで、この基板50b(ソリッドエタロ
ン)によるシングルライン化について説明する。
ン)によるシングルライン化について説明する。
【0229】エタロンの透過率の周期であるFSRは、
数式(7)で表される。
数式(7)で表される。
【0230】 FSR=λ^2/(2・n・d) ・・・(7) ただし、λは波長、nは基板間に満たされる気体の屈折
率、dは基板間隔である。
率、dは基板間隔である。
【0231】ここで、λ=157.6299nm、n≒
1.0の場合に、d=0.1mmとすると、ソリッドエ
タロンでは、FSRは71pmになる。
1.0の場合に、d=0.1mmとすると、ソリッドエ
タロンでは、FSRは71pmになる。
【0232】この71pmは、強いラインの波長λ1=
157.6299nmと、弱いラインの波長λ2=15
7.5233nmとの波長差=106.6pmの2/3
に相当する。
157.6299nmと、弱いラインの波長λ2=15
7.5233nmとの波長差=106.6pmの2/3
に相当する。
【0233】このことは、図8に示す基板50b(ソリ
ッドエタロン)の透過特性から分かるように、波長λ1
が最大透過波長になるようにエタロン34を設定する
と、波長λ2は最小透過波長に位置する、ことを意味す
る。
ッドエタロン)の透過特性から分かるように、波長λ1
が最大透過波長になるようにエタロン34を設定する
と、波長λ2は最小透過波長に位置する、ことを意味す
る。
【0234】したがって、波長λ1のレーザ光のみを効
率よく発振させると、波長λ2のレーザ光の発振を抑制
することができ、シングルライン化が行われる。すなわ
ち強い発振線の波長157.6299nmを最大透過率
に対応する波長(つまり共振波長)に合わせると、弱い
発振線の波長157.5233nmは最小透過率に対応
する波長(共振波長から半波長ずれる場合)に合うよう
になって、弱い発振線が発振しにくくなり、シングルラ
イン化が行える。
率よく発振させると、波長λ2のレーザ光の発振を抑制
することができ、シングルライン化が行われる。すなわ
ち強い発振線の波長157.6299nmを最大透過率
に対応する波長(つまり共振波長)に合わせると、弱い
発振線の波長157.5233nmは最小透過率に対応
する波長(共振波長から半波長ずれる場合)に合うよう
になって、弱い発振線が発振しにくくなり、シングルラ
イン化が行える。
【0235】なお、上述したようなシングルライン化
は、原理的には、2本の発振線の波長差106.6pm
を、エタロンのFSRで割った値の小数部が約0.5に
なればよい。因みに、上記の場合においては、106.
6pmをFSR(71pm)で割った値は約1.5とな
り、その小数部は0.5である。
は、原理的には、2本の発振線の波長差106.6pm
を、エタロンのFSRで割った値の小数部が約0.5に
なればよい。因みに、上記の場合においては、106.
6pmをFSR(71pm)で割った値は約1.5とな
り、その小数部は0.5である。
【0236】ただし、実際にエタロンのFSRが2本の
発振線の波長差に比べてあまり小さくなると、波長λ1
が最大透過波長になるように保つ安定化が難しくなる。
したがって、本実施形態では、FSRは、71pmと、
オーダー的に波長差と同等の大きさになるように設定し
ている。
発振線の波長差に比べてあまり小さくなると、波長λ1
が最大透過波長になるように保つ安定化が難しくなる。
したがって、本実施形態では、FSRは、71pmと、
オーダー的に波長差と同等の大きさになるように設定し
ている。
【0237】また、このように波長差と同等の数十pm
程度のFSRとなるようなソリッドエタロンでは、厚さ
が約0.1mm前後と薄くしなければならないが、フッ
化カルシウムから成る従来の基板では実現不可能であっ
たのに対し、本実施形態では、基板の材質にフッ素ドー
プの合成石英から成る基板を用いているので実現するこ
とが可能である。しかもシングルライン化も同時に達成
することが可能である。
程度のFSRとなるようなソリッドエタロンでは、厚さ
が約0.1mm前後と薄くしなければならないが、フッ
化カルシウムから成る従来の基板では実現不可能であっ
たのに対し、本実施形態では、基板の材質にフッ素ドー
プの合成石英から成る基板を用いているので実現するこ
とが可能である。しかもシングルライン化も同時に達成
することが可能である。
【0238】このようにして基板50bによってシング
ルライン化されたレーザ光を、さらに2枚の基板50
a、50bのギャップ間の共振作用によって、超狭帯域
化を行っている。
ルライン化されたレーザ光を、さらに2枚の基板50
a、50bのギャップ間の共振作用によって、超狭帯域
化を行っている。
【0239】次に、本発明に係るエタロン44について
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0240】図6に示すエタロン44を構成する2枚の
基板45a、45bは、フッ素ドープの合成石英で形成
されている。
基板45a、45bは、フッ素ドープの合成石英で形成
されている。
【0241】上述したような、合成石英は、硬度が高い
ため研磨による面精度を高くできるので、本実施形態で
は、λ/140(ただしλ=633nm)の面精度の基
板が用いられている。なお、λ=157.6nmにおい
ては面精度は約λ/35になる。
ため研磨による面精度を高くできるので、本実施形態で
は、λ/140(ただしλ=633nm)の面精度の基
板が用いられている。なお、λ=157.6nmにおい
ては面精度は約λ/35になる。
【0242】一方、基板45aと基板45bとが対向す
る面には、波長157.6nmにおいて約90%の反射
膜が施されている。なお、この反射膜は、波長157.
6nmのフッ素レーザにおいて、通常、全反射膜と呼ば
れるものであり、特に部分反射膜として設計された膜で
はない。
る面には、波長157.6nmにおいて約90%の反射
膜が施されている。なお、この反射膜は、波長157.
6nmのフッ素レーザにおいて、通常、全反射膜と呼ば
れるものであり、特に部分反射膜として設計された膜で
はない。
【0243】その理由としては、フッ素レーザ用の反射
膜としては、反射率が約90%の全反射膜が広く用いら
れているため、本実施形態においても、その全反射膜を
利用したものである。しかも、波長157.6nmにお
ける部分反射膜を実現することは極めて困難であるから
である。
膜としては、反射率が約90%の全反射膜が広く用いら
れているため、本実施形態においても、その全反射膜を
利用したものである。しかも、波長157.6nmにお
ける部分反射膜を実現することは極めて困難であるから
である。
【0244】ところで、エタロン44では、上述したよ
うに約90%の高い反射率を有する反射膜が、λ/35
(λ≒157nm)の面精度の基板上にコーティングさ
れているので、トータルフィネスFtは約15になる。
すなわち、エタロンのFSRを3pmにした場合、約
0.2pm{=FSR/(Ft+1)=3pm/(15
+1)}の分解能でスペクトルを検出できる。
うに約90%の高い反射率を有する反射膜が、λ/35
(λ≒157nm)の面精度の基板上にコーティングさ
れているので、トータルフィネスFtは約15になる。
すなわち、エタロンのFSRを3pmにした場合、約
0.2pm{=FSR/(Ft+1)=3pm/(15
+1)}の分解能でスペクトルを検出できる。
【0245】したがって、超狭帯域化されたフッ素レー
ザのレーザ光のスペクトルを、エタロン44を用いてモ
ニターすることにより、そのスペクトルの中心波長を約
0.2pmの分解能で測定することができる。
ザのレーザ光のスペクトルを、エタロン44を用いてモ
ニターすることにより、そのスペクトルの中心波長を約
0.2pmの分解能で測定することができる。
【0246】なお、従来においては、フッ素レーザ用の
光学材として、波長157nmにおいて1cm当たり約
99%以上の高い透過率を有する光学材であるフッ化カ
ルシウムが広く用いられていたが、仮に、これを用いて
エタロンを構成した場合、面精度は通常λ/20(λ=
633nm)であり、高くてもλ/40(λ=633n
m)であるので、波長157nmでは、面精度はλ/1
0が限度である。従って、フラットネスフィネスFfは
最高で5になるので、トータルフィネスFtは5未満し
か得られなかった。
光学材として、波長157nmにおいて1cm当たり約
99%以上の高い透過率を有する光学材であるフッ化カ
ルシウムが広く用いられていたが、仮に、これを用いて
エタロンを構成した場合、面精度は通常λ/20(λ=
633nm)であり、高くてもλ/40(λ=633n
m)であるので、波長157nmでは、面精度はλ/1
0が限度である。従って、フラットネスフィネスFfは
最高で5になるので、トータルフィネスFtは5未満し
か得られなかった。
【0247】したがって、FSRを3pmと小さくして
も、0.6pmより悪い分解能しか得られず、波長幅が
約0.3pm前後に超狭帯域化されたスペクトルの中心
波長を正確に測定することは不可能であった。
も、0.6pmより悪い分解能しか得られず、波長幅が
約0.3pm前後に超狭帯域化されたスペクトルの中心
波長を正確に測定することは不可能であった。
【0248】次に、超狭帯域化フッ素レーザ装置200
から取り出されるレーザ光L31の中心波長を安定化す
る手法を、図9を参照して説明する。
から取り出されるレーザ光L31の中心波長を安定化す
る手法を、図9を参照して説明する。
【0249】図9は、パワーモニター47における受光
量のエタロン44の設置角度に依存する変化を示したも
のである。
量のエタロン44の設置角度に依存する変化を示したも
のである。
【0250】エタロン44の設置角度は、回転ステージ
46によって常に変化されており、これによってエタロ
ン44における最大透過波長が変化する。
46によって常に変化されており、これによってエタロ
ン44における最大透過波長が変化する。
【0251】したがって図9に示す受光量の変化要因
は、エタロン44における最大透過波長の変化に対応す
るので、図9に示すグラフはエタロン44に入射するレ
ーザ光L34のスペクトルを表すことになる。
は、エタロン44における最大透過波長の変化に対応す
るので、図9に示すグラフはエタロン44に入射するレ
ーザ光L34のスペクトルを表すことになる。
【0252】一方、レーザ光L34は、レーザ光L33
とレーザ光L41との合成ビームであるので、超狭帯域
化されたレーザ光のスペクトルと狭帯域化されていない
場合のスペクトルとが加算されたスペクトルになる。し
たがって、レーザ光L34のスペクトルは、図9に示す
分布のように、広いスペクトルを有するプロファイルの
中で突き出すような形状となる。
とレーザ光L41との合成ビームであるので、超狭帯域
化されたレーザ光のスペクトルと狭帯域化されていない
場合のスペクトルとが加算されたスペクトルになる。し
たがって、レーザ光L34のスペクトルは、図9に示す
分布のように、広いスペクトルを有するプロファイルの
中で突き出すような形状となる。
【0253】ここで、超狭帯域化されたレーザ光L33
のスペクトルの中心波長と、超狭帯域化されていないレ
ーザ光L41のスペクトルの中心波長とが一致している
場合には、図9に示すように、突き出したプロファイル
が、広いプロファイルの中央に位置するようになる。
のスペクトルの中心波長と、超狭帯域化されていないレ
ーザ光L41のスペクトルの中心波長とが一致している
場合には、図9に示すように、突き出したプロファイル
が、広いプロファイルの中央に位置するようになる。
【0254】仮に、レーザ光L33のスペクトルの中心
波長と、レーザ光L41のスペクトルの中心波長とが一
致していない場合、つまり、図9に示すように、突き出
したプロファイルが、広いプロファイルの中央に位置し
ていない場合は、レーザ光L41の広いスペクトルは物
理的に定まったものであるため、このプロファイルの中
央(中心波長=絶対波長)に、レーザ光L33のスペク
トルの中心波長が位置するように、エタロン34の設置
角度を微調整すれば良い。
波長と、レーザ光L41のスペクトルの中心波長とが一
致していない場合、つまり、図9に示すように、突き出
したプロファイルが、広いプロファイルの中央に位置し
ていない場合は、レーザ光L41の広いスペクトルは物
理的に定まったものであるため、このプロファイルの中
央(中心波長=絶対波長)に、レーザ光L33のスペク
トルの中心波長が位置するように、エタロン34の設置
角度を微調整すれば良い。
【0255】なお、本実施形態においては、図6には図
示されていないが、図1に示した第1の実施形態と同様
に、制御装置(図示せず)が、パワーモニター47から
のモニター結果(光量を示す信号)に基づいて、エタロ
ン34が設置された回転ステージ(図示せず)を回動制
御することにより、レーザ光L31のスペクトルの中心
波長が安定化される。
示されていないが、図1に示した第1の実施形態と同様
に、制御装置(図示せず)が、パワーモニター47から
のモニター結果(光量を示す信号)に基づいて、エタロ
ン34が設置された回転ステージ(図示せず)を回動制
御することにより、レーザ光L31のスペクトルの中心
波長が安定化される。
【0256】次に、上述したような中心波長の安定化手
法とは異なる他の安定化手法について、図10を参照し
て説明する。
法とは異なる他の安定化手法について、図10を参照し
て説明する。
【0257】上述した安定化手法では、レーザ光L33
とレーザ光L41とを同時にエタロン44に入射させる
ようにしているが、他の安定化手法では、これらのレー
ザ光を時間的に別々にエタロン44に入射させるように
している。
とレーザ光L41とを同時にエタロン44に入射させる
ようにしているが、他の安定化手法では、これらのレー
ザ光を時間的に別々にエタロン44に入射させるように
している。
【0258】すなわち、図6において遮光板48aのみ
を図中矢印A1で示される方向に移動させてレーザ光L
33を遮光すると、パワーモニター47にはエタロン4
4を介してレーザ光L41のみが入射されるので、図1
0(a)に示すようなレーザ光L41の広いスペクトル
のみが観測される。
を図中矢印A1で示される方向に移動させてレーザ光L
33を遮光すると、パワーモニター47にはエタロン4
4を介してレーザ光L41のみが入射されるので、図1
0(a)に示すようなレーザ光L41の広いスペクトル
のみが観測される。
【0259】一方、図6において、遮光板48aを元の
位置に戻し、かつ遮光板48bのみを図中矢印A2で示
される方向に移動させてレーザ光L41を遮光すると、
パワーモニター47にはエタロン44を介してレーザ光
L33のみが入射されるので、図10(b)に示すよう
なレーザ光L33の狭いスペクトルのみが観測される。
位置に戻し、かつ遮光板48bのみを図中矢印A2で示
される方向に移動させてレーザ光L41を遮光すると、
パワーモニター47にはエタロン44を介してレーザ光
L33のみが入射されるので、図10(b)に示すよう
なレーザ光L33の狭いスペクトルのみが観測される。
【0260】従って、図10(a)、(b)に示される
それぞれのプロファイルの中心波長をλa、及びλbと
すると、中心波長λbが、常時、中心波長λaと同じ位
置に来るように、エタロン34の設置角度を微調整すれ
ばよい。この設置角度の微調整は、上記図9に示したス
ペクトルを基にエタロン34を微調整する方法と同一で
ある。
それぞれのプロファイルの中心波長をλa、及びλbと
すると、中心波長λbが、常時、中心波長λaと同じ位
置に来るように、エタロン34の設置角度を微調整すれ
ばよい。この設置角度の微調整は、上記図9に示したス
ペクトルを基にエタロン34を微調整する方法と同一で
ある。
【0261】上述したように高いトータルフィネスを有
するエタロン44をモニターに用いることにより、超狭
帯域化されたレーザ光L31(最終的にはレーザ光L3
2)の中心波長を常時安定化することができる。
するエタロン44をモニターに用いることにより、超狭
帯域化されたレーザ光L31(最終的にはレーザ光L3
2)の中心波長を常時安定化することができる。
【0262】なお、本実施形態では、エタロン34及び
エタロン44は共にフッ素ドープの合成石英で形成され
た2枚の基板を有しているが、本発明はこれに限定され
ることなく、次のようにしても良い。
エタロン44は共にフッ素ドープの合成石英で形成され
た2枚の基板を有しているが、本発明はこれに限定され
ることなく、次のようにしても良い。
【0263】すなわち、図6の構成において、エタロン
34を、フッ化カルシウムから形成される2枚の基板か
ら構成されるエタロン(従来と同様のエタロン)に変更
し、また図1に示した第1の実施形態と同様に2つのプ
リズムを追加した構成とし、しかも、これらの光学部材
を、図1に示したような配置関係で配置する。
34を、フッ化カルシウムから形成される2枚の基板か
ら構成されるエタロン(従来と同様のエタロン)に変更
し、また図1に示した第1の実施形態と同様に2つのプ
リズムを追加した構成とし、しかも、これらの光学部材
を、図1に示したような配置関係で配置する。
【0264】これにより、上記2つのプリズム及びエタ
ロンによって、フッ素レーザのレーザ光についてのシン
グルライン化および超狭帯域化が行われる。そして、こ
の超狭帯域化されたレーザ光のスペクトルを、フッ素ド
ープの合成石英で形成された基板を有するエタロン44
を用いてモニターする。
ロンによって、フッ素レーザのレーザ光についてのシン
グルライン化および超狭帯域化が行われる。そして、こ
の超狭帯域化されたレーザ光のスペクトルを、フッ素ド
ープの合成石英で形成された基板を有するエタロン44
を用いてモニターする。
【0265】この場合、エタロン44においては、上述
したように約90%の高い反射率を有する反射膜が、λ
/35(λ≒157nm)の面精度の基板上にコーティ
ングされているので、トータルフィネスFtは約15と
なり、エタロンのFSRを3pmにした場合、約0.2
pm(=FSR/(Ft+1))の分解能でスペクトル
を検出できる。
したように約90%の高い反射率を有する反射膜が、λ
/35(λ≒157nm)の面精度の基板上にコーティ
ングされているので、トータルフィネスFtは約15と
なり、エタロンのFSRを3pmにした場合、約0.2
pm(=FSR/(Ft+1))の分解能でスペクトル
を検出できる。
【0266】以上説明したように、第2の実施形態によ
れば、フッ素ドープの合成石英で形成された2枚の基板
を有するエタロン34のうち、1枚の基板50b(いわ
ゆるソリッドエタロン)ついては約0.1mmの厚さを
もって形成しているので、当該基板50bの内部での共
振作用を利用してシングルライン化を効率良く実現する
ことができると共に、2枚の基板50a、50bのギャ
ップ間の共振作用を利用して超狭帯域化を行うことがで
きる。
れば、フッ素ドープの合成石英で形成された2枚の基板
を有するエタロン34のうち、1枚の基板50b(いわ
ゆるソリッドエタロン)ついては約0.1mmの厚さを
もって形成しているので、当該基板50bの内部での共
振作用を利用してシングルライン化を効率良く実現する
ことができると共に、2枚の基板50a、50bのギャ
ップ間の共振作用を利用して超狭帯域化を行うことがで
きる。
【0267】すなわち、エアギャップエタロンであるエ
タロン34においてシングルライン化及び超狭帯域化を
実現することができる。
タロン34においてシングルライン化及び超狭帯域化を
実現することができる。
【0268】また、第2の実施形態に係るエタロン34
を用いる場合には、2枚の基板のうち1枚の基板が約
0.1mmの厚さであるので、エタロン34自身も薄く
することができる。しかも、シングルライン化及び超狭
帯域化を実現することができるので、シングルライン化
のための光学部材が不必要となる。従って、第1の実施
形態と比較して、光共振器長(出力鏡32と全反射鏡3
3間)を大幅に延ばすことなく、該光共振器を構成でき
るので、レーザ出力の低下を抑制することができる。
を用いる場合には、2枚の基板のうち1枚の基板が約
0.1mmの厚さであるので、エタロン34自身も薄く
することができる。しかも、シングルライン化及び超狭
帯域化を実現することができるので、シングルライン化
のための光学部材が不必要となる。従って、第1の実施
形態と比較して、光共振器長(出力鏡32と全反射鏡3
3間)を大幅に延ばすことなく、該光共振器を構成でき
るので、レーザ出力の低下を抑制することができる。
【0269】さらに、第2の実施形態によれば、フッ素
ドープの合成石英板を基板とするエタロン、すなわち高
いフィネスのエタロンを用いて、レーザ光のスペクトル
をモニターするようにしているので、フッ素レーザ(波
長157nm)のレーザ光のスペクトルを正確に計測す
ることができる。すなわち、波長幅が約0.3pmに超
狭帯域化されたレーザ光を、上述したように約0.2p
mの分解能でスペクトルを検出することができるので、
当該レーザ光の中心波長を確実に安定化することができ
る。
ドープの合成石英板を基板とするエタロン、すなわち高
いフィネスのエタロンを用いて、レーザ光のスペクトル
をモニターするようにしているので、フッ素レーザ(波
長157nm)のレーザ光のスペクトルを正確に計測す
ることができる。すなわち、波長幅が約0.3pmに超
狭帯域化されたレーザ光を、上述したように約0.2p
mの分解能でスペクトルを検出することができるので、
当該レーザ光の中心波長を確実に安定化することができ
る。
【0270】[第3の実施形態]図11は、第3の実施
形態に係る狭帯域化フッ素レーザ装置300の構成を示
す構成図である。
形態に係る狭帯域化フッ素レーザ装置300の構成を示
す構成図である。
【0271】狭帯域化フッ素レーザ装置300では、フ
ッ素(F2)ガスを含む混合ガスが封入されているレー
ザチャンバ61の長手方向の両側に配置された出力鏡6
2と全反射鏡63とで光共振器が構成されている。ま
た、レーザチャンバ61と全反射鏡63との間に、2つ
のエタロン(いわゆるソリッドエタロン)64a、64
bが配置されている。
ッ素(F2)ガスを含む混合ガスが封入されているレー
ザチャンバ61の長手方向の両側に配置された出力鏡6
2と全反射鏡63とで光共振器が構成されている。ま
た、レーザチャンバ61と全反射鏡63との間に、2つ
のエタロン(いわゆるソリッドエタロン)64a、64
bが配置されている。
【0272】エタロン64a、64bは共にフッ素ドー
プの合成石英から成る厚さが0.1mmの薄板で形成さ
れており、コーティングは施されていない。また、これ
ら2枚のエタロン64a、64bは、基板内部での共振
作用によりシングルライン化を行う。
プの合成石英から成る厚さが0.1mmの薄板で形成さ
れており、コーティングは施されていない。また、これ
ら2枚のエタロン64a、64bは、基板内部での共振
作用によりシングルライン化を行う。
【0273】すなわち、2枚のエタロン64a、64b
では、共にフッ素レーザにおける2本の発振線の内、1
57.6299nmの波長λ1においては高い透過率を
有するように設定されており、その結果、157.52
33nmの波長λ2においては最低透過率になってい
る。これによって波長λ2のレーザ光のレーザ発振が抑
制され、波長λ1のレーザ光のみがレーザ発振されて、
シングルライン化が達成される。
では、共にフッ素レーザにおける2本の発振線の内、1
57.6299nmの波長λ1においては高い透過率を
有するように設定されており、その結果、157.52
33nmの波長λ2においては最低透過率になってい
る。これによって波長λ2のレーザ光のレーザ発振が抑
制され、波長λ1のレーザ光のみがレーザ発振されて、
シングルライン化が達成される。
【0274】この実施形態では、エタロン64a、64
bは共にノーコートであるため、反射フィネスが低い。
そのため、2枚のエタロン64a、64bを用いること
により、波長λ2における透過率を低くしている。
bは共にノーコートであるため、反射フィネスが低い。
そのため、2枚のエタロン64a、64bを用いること
により、波長λ2における透過率を低くしている。
【0275】以上説明したように、第3の実施形態によ
れば、極めて薄い基板から成るエタロンを挿入するだけ
でシングルライン化を実現することができるので、光共
振器長(出力鏡62と全反射鏡63間の距離)を、図1
8に示した従来のフッ素レーザ装置900の場合と比較
して大幅に短くすることができ(レーザチャンバ61よ
り多少長い距離)、よってレーザ出力の大幅な低下を抑
制することができる。
れば、極めて薄い基板から成るエタロンを挿入するだけ
でシングルライン化を実現することができるので、光共
振器長(出力鏡62と全反射鏡63間の距離)を、図1
8に示した従来のフッ素レーザ装置900の場合と比較
して大幅に短くすることができ(レーザチャンバ61よ
り多少長い距離)、よってレーザ出力の大幅な低下を抑
制することができる。
【0276】これに対し、図18に示した従来のフッ素
レーザでは、シングルライン化を行うためには、2枚の
プリズム94a、94bを光共振器間に挿入する必要が
あるので、仮にレーザチャンバ91と上記レーザチャン
バ61とが同一の長さであったとしても、光共振器長
(出力鏡92と全反射鏡93間の距離)が長くなり、レ
ーザ出力が低下していた。
レーザでは、シングルライン化を行うためには、2枚の
プリズム94a、94bを光共振器間に挿入する必要が
あるので、仮にレーザチャンバ91と上記レーザチャン
バ61とが同一の長さであったとしても、光共振器長
(出力鏡92と全反射鏡93間の距離)が長くなり、レ
ーザ出力が低下していた。
【0277】また、第3の実施形態によれば、光共振
器、レーザチャンバの他に、2枚のソリッドエタロンの
みの、少ない部品点数によっても、フッ素レーザの2本
の発振線をシングルライン化することができる。
器、レーザチャンバの他に、2枚のソリッドエタロンの
みの、少ない部品点数によっても、フッ素レーザの2本
の発振線をシングルライン化することができる。
【0278】[第4の実施形態]第4の実施形態では、
レーザ発振されるフッ素レーザのレーザ光にはS偏光が
含まれているということに着目したものである。
レーザ発振されるフッ素レーザのレーザ光にはS偏光が
含まれているということに着目したものである。
【0279】すなわち、一般にフッ素レーザにおいて
は、エキシマレーザなど他の紫外域のガスレーザに比べ
て利得が大きいため、レーザチャンバのウインドウにブ
リュースタ板を用いても、発振するレーザ光は100%
の直線偏光(これをP偏光とする)とはならず、多少の
S偏光が含まれる。例えば、光共振器内部に、ここを往
復するレーザ光が通過するようにブリュースタ板を配置
すると、S偏光はこのブリュースタ板の片面で約17%
反射し、両面で合計約34%も反射する。
は、エキシマレーザなど他の紫外域のガスレーザに比べ
て利得が大きいため、レーザチャンバのウインドウにブ
リュースタ板を用いても、発振するレーザ光は100%
の直線偏光(これをP偏光とする)とはならず、多少の
S偏光が含まれる。例えば、光共振器内部に、ここを往
復するレーザ光が通過するようにブリュースタ板を配置
すると、S偏光はこのブリュースタ板の片面で約17%
反射し、両面で合計約34%も反射する。
【0280】ところで、このS偏光の光量が最大になる
条件は、エタロン出力鏡からレーザチャンバの方向に戻
されるS偏光の光量が最大になる場合であり、これは、
エタロン出力鏡における反射率の最大値に対応する波長
(最大反射波長)に、P偏光のスペクトルの中心波長が
位置する場合である。
条件は、エタロン出力鏡からレーザチャンバの方向に戻
されるS偏光の光量が最大になる場合であり、これは、
エタロン出力鏡における反射率の最大値に対応する波長
(最大反射波長)に、P偏光のスペクトルの中心波長が
位置する場合である。
【0281】上述したことから、ブリュースタ板で反射
するS偏光の光量を最大にすべく、エタロン出力鏡にお
ける選択波長を調整することにより、選択波長が安定化
されることになる。
するS偏光の光量を最大にすべく、エタロン出力鏡にお
ける選択波長を調整することにより、選択波長が安定化
されることになる。
【0282】次に、上述した技術思想を実現するための
具体的な装置について説明する。
具体的な装置について説明する。
【0283】図12は、第4の実施形態に係る超狭帯域
化フッ素レーザ装置400の構成を示す構成図である。
化フッ素レーザ装置400の構成を示す構成図である。
【0284】超狭帯域化フッ素レーザ装置400では、
フッ素(F2)ガスを含む混合ガスが封入されているレ
ーザチャンバ71の長手方向の両側に配置されたエタロ
ン出力鏡73と全反射鏡74とで光共振器が構成されて
いる。
フッ素(F2)ガスを含む混合ガスが封入されているレ
ーザチャンバ71の長手方向の両側に配置されたエタロ
ン出力鏡73と全反射鏡74とで光共振器が構成されて
いる。
【0285】レーザチャンバ71の長手方向の対向する
部位にそれぞれ取り付けられているウインドウ72a、
72bは、ブリュースタカット(光軸に対して約57度
の角度で斜めに取り付けられていることを示す)になっ
ている。
部位にそれぞれ取り付けられているウインドウ72a、
72bは、ブリュースタカット(光軸に対して約57度
の角度で斜めに取り付けられていることを示す)になっ
ている。
【0286】また、ウインドウ72a、72bは、波長
が157.6nmの短波長の真空紫外光を透過させる材
質であるフッ化カルシウム(CaF2)で形成されてい
る。同様の理由で、ウインドウ72a、72bをフッ化
マグネシウム(MgF2)で形成するようにしても良
い。
が157.6nmの短波長の真空紫外光を透過させる材
質であるフッ化カルシウム(CaF2)で形成されてい
る。同様の理由で、ウインドウ72a、72bをフッ化
マグネシウム(MgF2)で形成するようにしても良
い。
【0287】レーザチャンバ71と全反射鏡74との間
に配置された2つのプリズム75a、75bは、レーザ
チャンバ71からレーザ発振されたレーザ光をシングル
ライン化するものである。
に配置された2つのプリズム75a、75bは、レーザ
チャンバ71からレーザ発振されたレーザ光をシングル
ライン化するものである。
【0288】エタロン出力鏡73は、気密ボックス76
内に収納されており、この気密ボックス76内の圧力に
応じた波長のレーザ光を選択し、2つのプリズム75
a、75bによってシングルライン化されたレーザ光を
超狭帯域化する。
内に収納されており、この気密ボックス76内の圧力に
応じた波長のレーザ光を選択し、2つのプリズム75
a、75bによってシングルライン化されたレーザ光を
超狭帯域化する。
【0289】気密ボックス76には、このボックス内に
封入された乾燥窒素の圧力を調整するためのピストン7
7が備わっている。
封入された乾燥窒素の圧力を調整するためのピストン7
7が備わっている。
【0290】パワーモニター78(上記検出手段に対
応)は、レーザチャンバ71のウインドウ72bで反射
するS偏光であるレーザ光S1のパワー(光量)を測定
し、この測定結果を制御装置79へ通知する。
応)は、レーザチャンバ71のウインドウ72bで反射
するS偏光であるレーザ光S1のパワー(光量)を測定
し、この測定結果を制御装置79へ通知する。
【0291】制御装置79(上記制御手段に対応)は、
パワーモニター78からの測定結果を基に、ピストン7
7を移動制御する。
パワーモニター78からの測定結果を基に、ピストン7
7を移動制御する。
【0292】次に、エタロン出力鏡73から取り出され
るレーザ光L71の中心波長の安定化について説明す
る。
るレーザ光L71の中心波長の安定化について説明す
る。
【0293】フッ素レーザは、エキシマレーザなど他の
紫外域のガスレーザの中でも特に利得が大きいので、光
共振器間をあまり往復しなくても、往復する光が強めら
れてレーザ発振が始まる。その結果、レーザチャンバ7
1の両側のウインドウ72a、72bがブリュースタカ
ットになっている場合でも、ここで損失を被るS偏光も
ある程度の出力まで増幅される。
紫外域のガスレーザの中でも特に利得が大きいので、光
共振器間をあまり往復しなくても、往復する光が強めら
れてレーザ発振が始まる。その結果、レーザチャンバ7
1の両側のウインドウ72a、72bがブリュースタカ
ットになっている場合でも、ここで損失を被るS偏光も
ある程度の出力まで増幅される。
【0294】従って、エタロン出力鏡73からレーザチ
ャンバ71へ進行し、ウインドウ72bに到達するレー
ザ光には、P偏光とS偏光の両方が含まれることにな
る。
ャンバ71へ進行し、ウインドウ72bに到達するレー
ザ光には、P偏光とS偏光の両方が含まれることにな
る。
【0295】そして、ブリュースタカットされているウ
インドウ72bにおいては、S偏光はその両面で合計約
34%反射するものの、P偏光は0%である。
インドウ72bにおいては、S偏光はその両面で合計約
34%反射するものの、P偏光は0%である。
【0296】このため、エタロン出力鏡73で反射した
レーザ光(S偏光)の約34%は、図12に示すレーザ
光S1のように、レーザチャンバ71のウインドウ72
bで反射する。この反射したレーザ光S1はパワーモニ
ター78に入射し、そのパワーがモニターされる。
レーザ光(S偏光)の約34%は、図12に示すレーザ
光S1のように、レーザチャンバ71のウインドウ72
bで反射する。この反射したレーザ光S1はパワーモニ
ター78に入射し、そのパワーがモニターされる。
【0297】このモニター結果を示す信号が、パワーモ
ニター78から制御装置79へ送信されると、制御装置
79は、受信した信号に基づいて気密ボックス76のピ
ストン77を移動制御する。
ニター78から制御装置79へ送信されると、制御装置
79は、受信した信号に基づいて気密ボックス76のピ
ストン77を移動制御する。
【0298】すなわち、ピストン77の位置が移動され
ることにより、気密ボックス76内に満たされた乾燥窒
素の圧力が調整され、この調整された圧力に応じてエタ
ロン出力鏡73の選択波長が調整される。
ることにより、気密ボックス76内に満たされた乾燥窒
素の圧力が調整され、この調整された圧力に応じてエタ
ロン出力鏡73の選択波長が調整される。
【0299】ところで、超狭帯域化フッ素レーザ装置4
00では、図13に示したエタロン出力鏡73の反射特
性から分かるように、エタロン出力鏡73における最大
反射波長を中心にレーザ発振する。
00では、図13に示したエタロン出力鏡73の反射特
性から分かるように、エタロン出力鏡73における最大
反射波長を中心にレーザ発振する。
【0300】従って、効率良くレーザ発振させるには、
所望の波長に最大反射波長を合わせる必要がある。そこ
で、具体的には、上述したように気密ボックス76内の
圧力を調整して、レーザ光S1の光量が常時最大になる
ように、エタロン出力鏡73の選択波長を調整してい
る。
所望の波長に最大反射波長を合わせる必要がある。そこ
で、具体的には、上述したように気密ボックス76内の
圧力を調整して、レーザ光S1の光量が常時最大になる
ように、エタロン出力鏡73の選択波長を調整してい
る。
【0301】これによって、エタロン出力鏡73の選択
波長が、レーザ光S1のスペクトルの中心波長と一致す
るようになる。このレーザ光S1のスペクトルの中心波
長は、図14のスペクトル分布に示すように、物理的に
定まった絶対波長であるので、エタロン出力鏡73の選
択波長が安定化される。
波長が、レーザ光S1のスペクトルの中心波長と一致す
るようになる。このレーザ光S1のスペクトルの中心波
長は、図14のスペクトル分布に示すように、物理的に
定まった絶対波長であるので、エタロン出力鏡73の選
択波長が安定化される。
【0302】上述したように、本実施形態では、光共振
器間で発生するレーザ光のうち、S偏光を利用して超狭
帯域化されるレーザ光の中心波長の安定化を実現してい
るので、P偏光に関しては全く損失がない。
器間で発生するレーザ光のうち、S偏光を利用して超狭
帯域化されるレーザ光の中心波長の安定化を実現してい
るので、P偏光に関しては全く損失がない。
【0303】なお、超狭帯域化フッ素レーザ装置400
から取り出されるレーザ光L71においては、S偏光も
数%含まれるが、大部分がP偏光であるので、図示しな
い露光機本体内における種々の光学系においては、P偏
光に対して損失が少ないような設計になっており、S偏
光はさらに低下することが多い。
から取り出されるレーザ光L71においては、S偏光も
数%含まれるが、大部分がP偏光であるので、図示しな
い露光機本体内における種々の光学系においては、P偏
光に対して損失が少ないような設計になっており、S偏
光はさらに低下することが多い。
【0304】従って、実際に露光に利用されるレーザ光
の大部分はP偏光であるので、本実施形態のように、S
偏光を用いて中心波長の安定化を実施しても、実際の露
光を考慮した場合には、露光に利用されるレーザ光は全
く損失が生じない。
の大部分はP偏光であるので、本実施形態のように、S
偏光を用いて中心波長の安定化を実施しても、実際の露
光を考慮した場合には、露光に利用されるレーザ光は全
く損失が生じない。
【0305】また、本実施形態では、S偏光であるレー
ザ光S1を取り出すために、ブリュースタ板が必要であ
るが、図12に示したようにレーザチャンバ71のウイ
ンドウ72bを利用することにより、余計にブリュース
タ板を用いる必要がないのも特徴である。
ザ光S1を取り出すために、ブリュースタ板が必要であ
るが、図12に示したようにレーザチャンバ71のウイ
ンドウ72bを利用することにより、余計にブリュース
タ板を用いる必要がないのも特徴である。
【0306】なお、本実施形態では、上述したようにS
偏光を取り出すためにブリュースタ板(光学部材)を用
いているが、これは、入射角がブリュースタ角において
は、S偏光はブリュースタ板の両面で合計約34%反射
するものの、P偏光は0%で反射はしないので、光共振
器間で共振させるP偏光については損失させること無
く、S偏光の光量をモニターするためだからである。
偏光を取り出すためにブリュースタ板(光学部材)を用
いているが、これは、入射角がブリュースタ角において
は、S偏光はブリュースタ板の両面で合計約34%反射
するものの、P偏光は0%で反射はしないので、光共振
器間で共振させるP偏光については損失させること無
く、S偏光の光量をモニターするためだからである。
【0307】したがって、レーザ光L71(つまりP偏
光)のスペクトルの中心波長を安定化させるという観点
からは、S偏光を反射させる光学部材を、例えばエタロ
ン出力鏡とレーザチャンバ間に、P偏光の反射が例えば
約1%前後となるような入射角例えば45度あるいは6
5度をもって配置するようにしても良い。
光)のスペクトルの中心波長を安定化させるという観点
からは、S偏光を反射させる光学部材を、例えばエタロ
ン出力鏡とレーザチャンバ間に、P偏光の反射が例えば
約1%前後となるような入射角例えば45度あるいは6
5度をもって配置するようにしても良い。
【0308】この場合、エタロン出力鏡73から出射さ
れる超狭帯域化されたレーザ光L71は多少損失が発生
するものの、S偏光の光量に基づいてレーザ光L71の
スペクトルの中心波長は安定化される。
れる超狭帯域化されたレーザ光L71は多少損失が発生
するものの、S偏光の光量に基づいてレーザ光L71の
スペクトルの中心波長は安定化される。
【0309】さらに、この場合において、中心波長の安
定化のためのエタロン出力鏡73の共振波長の制御を下
記のようなタイミングで実施することにより、P偏光の
損失は、実際に露光に利用されるレーザ光L71に影響
を与えることはない。
定化のためのエタロン出力鏡73の共振波長の制御を下
記のようなタイミングで実施することにより、P偏光の
損失は、実際に露光に利用されるレーザ光L71に影響
を与えることはない。
【0310】すなわち、上述した光学部材を移動制御可
能にすると共に、エタロン出力鏡73から出射されるレ
ーザ光L71を遮光する遮光板を新たに配置し、この遮
光板を移動制御可能とする。
能にすると共に、エタロン出力鏡73から出射されるレ
ーザ光L71を遮光する遮光板を新たに配置し、この遮
光板を移動制御可能とする。
【0311】そして、上記レーザ光L71を露光光源と
する図示しない露光機本体における例えばウエハー交換
時に、上記光学部材を移動制御して、所定の位置からエ
タロン出力鏡73からのレーザ光を反射させる位置に移
動させると共に、上記遮光板を移動制御して、所定の位
置からレーザ光L71を遮光する位置に移動させた後、
上記光学部材に反射するS偏光の光量をパワーモニター
78によって検出し、この光量が最大になるようにエタ
ロン出力鏡73の共振波長を制御するようにしても良
い。
する図示しない露光機本体における例えばウエハー交換
時に、上記光学部材を移動制御して、所定の位置からエ
タロン出力鏡73からのレーザ光を反射させる位置に移
動させると共に、上記遮光板を移動制御して、所定の位
置からレーザ光L71を遮光する位置に移動させた後、
上記光学部材に反射するS偏光の光量をパワーモニター
78によって検出し、この光量が最大になるようにエタ
ロン出力鏡73の共振波長を制御するようにしても良
い。
【0312】以上説明したように、第4の実施形態によ
れば、光共振器間で共振するレーザ光に含まれるS偏光
の光量が最大になるようにエタロン出力鏡の共振波長を
制御するようにしているので、該S偏光と依存関係にあ
る当該レーザ光に含まれるP偏光の光量を最大、つまり
エタロン出力鏡の選択波長を超狭帯域化されていないレ
ーザ光のスペクトルの中心波長(絶対波長)に合わせる
ことができ、よって超狭帯域化されるレーザ光の中心波
長の安定化を図ることができる。
れば、光共振器間で共振するレーザ光に含まれるS偏光
の光量が最大になるようにエタロン出力鏡の共振波長を
制御するようにしているので、該S偏光と依存関係にあ
る当該レーザ光に含まれるP偏光の光量を最大、つまり
エタロン出力鏡の選択波長を超狭帯域化されていないレ
ーザ光のスペクトルの中心波長(絶対波長)に合わせる
ことができ、よって超狭帯域化されるレーザ光の中心波
長の安定化を図ることができる。
【0313】また、上記S偏光の光量を検出するにはブ
リュースタ板の光学部材が必要であるが、このブリュー
スタ板の代替として、レーザチャンバ71にブリュース
タカットされたウインドウを用いているので、余分なブ
リュースタ板を用いる必要がなく、部品コストを抑制す
ることができる。
リュースタ板の光学部材が必要であるが、このブリュー
スタ板の代替として、レーザチャンバ71にブリュース
タカットされたウインドウを用いているので、余分なブ
リュースタ板を用いる必要がなく、部品コストを抑制す
ることができる。
【0314】さらに、超狭帯域化されるレーザ光のS偏
光の光量に基づいて、当該レーザ光の中心波長を安定化
しているので、従来において一般に用いられている基準
光源を用いる必要はないこととなり、よって当該波長安
定化のための構造が簡単になる利点もある。
光の光量に基づいて、当該レーザ光の中心波長を安定化
しているので、従来において一般に用いられている基準
光源を用いる必要はないこととなり、よって当該波長安
定化のための構造が簡単になる利点もある。
【0315】[第5の実施形態]図15は、第5の実施
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置500の構成を
示す構成図である。
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置500の構成を
示す構成図である。
【0316】超狭帯域化フッ素レーザ装置500では、
フッ素(F2)ガスを含む混合ガスが封入されているレ
ーザチャンバ81の長手方向の両側に配置されたエタロ
ン出力鏡83aとエタロン出力鏡83bとで光共振器が
構成されている。
フッ素(F2)ガスを含む混合ガスが封入されているレ
ーザチャンバ81の長手方向の両側に配置されたエタロ
ン出力鏡83aとエタロン出力鏡83bとで光共振器が
構成されている。
【0317】レーザチャンバ81の長手方向の対向する
部位にそれぞれ取り付けられているウインドウ82a、
82bは、図12に示した第4の実施形態におけるレー
ザチャンバ71の場合と同様に、ブリュースタカットに
なっている。
部位にそれぞれ取り付けられているウインドウ82a、
82bは、図12に示した第4の実施形態におけるレー
ザチャンバ71の場合と同様に、ブリュースタカットに
なっている。
【0318】2つのエタロン出力鏡83a、83b、2
つの気密ボックス84a、84b、2つのピストン85
a、85b、2つのパワーモニター86a、86b、及
び2つの制御装置87a、87bは、それぞれ図12に
示した第4の実施形態におけるエタロン出力鏡73、気
密ボックス76、ピストン77、パワーモニター78、
及び制御装置79と同様の機能を有している。
つの気密ボックス84a、84b、2つのピストン85
a、85b、2つのパワーモニター86a、86b、及
び2つの制御装置87a、87bは、それぞれ図12に
示した第4の実施形態におけるエタロン出力鏡73、気
密ボックス76、ピストン77、パワーモニター78、
及び制御装置79と同様の機能を有している。
【0319】係る構成の超狭帯域化フッ素レーザ装置5
00においては、レーザチャンバ81からレーザ発振さ
れたレーザ光は、上記光共振器間で共振することによ
り、エタロン出力鏡83aおよびエタロン出力鏡83b
によって超狭帯域化され、これらエタロン出力鏡83
a、83bの両方から出射される。これによって超狭帯
域化されたレーザ光L81、L82が取り出される。
00においては、レーザチャンバ81からレーザ発振さ
れたレーザ光は、上記光共振器間で共振することによ
り、エタロン出力鏡83aおよびエタロン出力鏡83b
によって超狭帯域化され、これらエタロン出力鏡83
a、83bの両方から出射される。これによって超狭帯
域化されたレーザ光L81、L82が取り出される。
【0320】次に、エタロン出力鏡83a、83bそれ
ぞれの選択波長の調整について説明する。
ぞれの選択波長の調整について説明する。
【0321】最初に、エタロン出力鏡83aに当たって
反射するS偏光であるレーザ光S81は、レーザチャン
バ81のウインドウ82aで反射して、パワーモニター
86aに入射し、ここでパワーが検出される。この検出
されたレーザ光S81のパワーを示す信号がパワーモニ
ター86aから制御装置87aへ送信されると、制御装
置87aは、受信したパワーを示す信号に基づいて、気
密ボックス84aのピストン85aを移動制御する。
反射するS偏光であるレーザ光S81は、レーザチャン
バ81のウインドウ82aで反射して、パワーモニター
86aに入射し、ここでパワーが検出される。この検出
されたレーザ光S81のパワーを示す信号がパワーモニ
ター86aから制御装置87aへ送信されると、制御装
置87aは、受信したパワーを示す信号に基づいて、気
密ボックス84aのピストン85aを移動制御する。
【0322】これによって、ピストン85aの位置が移
動されるので、気密ボックス84a内に満たされた乾燥
窒素の圧力が調整され、この調整された圧力に応じてエ
タロン出力鏡83aの選択波長が調整される。
動されるので、気密ボックス84a内に満たされた乾燥
窒素の圧力が調整され、この調整された圧力に応じてエ
タロン出力鏡83aの選択波長が調整される。
【0323】一方、エタロン出力鏡83bに当たって反
射するS偏光であるレーザ光S82は、レーザチャンバ
81のウインドウ82bで反射して、パワーモニター8
6bに入射し、ここでパワーが検出される。この検出さ
れたレーザ光S82のパワーを示す信号がパワーモニタ
ー86bから制御装置87bへ送信されると、制御装置
87bは、受信したパワーを示す信号に基づいて、気密
ボックス84bのピストン85bを移動制御する。
射するS偏光であるレーザ光S82は、レーザチャンバ
81のウインドウ82bで反射して、パワーモニター8
6bに入射し、ここでパワーが検出される。この検出さ
れたレーザ光S82のパワーを示す信号がパワーモニタ
ー86bから制御装置87bへ送信されると、制御装置
87bは、受信したパワーを示す信号に基づいて、気密
ボックス84bのピストン85bを移動制御する。
【0324】この場合も、上記同様に、ピストン85b
の移動後の位置に応じて、気密ボックス84b内に満た
された乾燥窒素の圧力が変化するのに伴って、エタロン
出力鏡83bの選択波長も変化する。つまり、エタロン
出力鏡83bの選択波長が調整される。
の移動後の位置に応じて、気密ボックス84b内に満た
された乾燥窒素の圧力が変化するのに伴って、エタロン
出力鏡83bの選択波長も変化する。つまり、エタロン
出力鏡83bの選択波長が調整される。
【0325】上述したように、本実施形態では、2個の
エタロン出力鏡のそれぞれで反射するS偏光をそれぞれ
別々にモニターすることにより、2個のエタロン出力鏡
における選択波長を独立に調整している。これが可能に
なったのは、S偏光を測定するようにしたからであり、
このS偏光はブリュースタウインドウ(ブリュースタカ
ットされたウインドウ)において約34%も反射するか
らである。
エタロン出力鏡のそれぞれで反射するS偏光をそれぞれ
別々にモニターすることにより、2個のエタロン出力鏡
における選択波長を独立に調整している。これが可能に
なったのは、S偏光を測定するようにしたからであり、
このS偏光はブリュースタウインドウ(ブリュースタカ
ットされたウインドウ)において約34%も反射するか
らである。
【0326】以上説明したように、第5の実施形態によ
れば、レーザチャンバの長手方向の両側に配置された2
つのエタロン出力鏡それぞれから超狭帯域化されたレー
ザ光を取り出すことができ、しかも各々のエタロン出力
鏡から出射されるレーザ光の中心波長を独立して安定化
することができる。
れば、レーザチャンバの長手方向の両側に配置された2
つのエタロン出力鏡それぞれから超狭帯域化されたレー
ザ光を取り出すことができ、しかも各々のエタロン出力
鏡から出射されるレーザ光の中心波長を独立して安定化
することができる。
【0327】[第6の実施形態]図16は、第6の実施
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置600の構成を
示す構成図である。
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置600の構成を
示す構成図である。
【0328】超狭帯域化フッ素レーザ装置600では、
フッ素(F2)ガスを含む混合ガスが封入されているレ
ーザチャンバ801の長手方向の両側に配置された出力
鏡802と全反射鏡803とで光共振器が構成されてお
り、また、レーザチャンバ801と全反射鏡803との
間にエタロン805が配置されている。
フッ素(F2)ガスを含む混合ガスが封入されているレ
ーザチャンバ801の長手方向の両側に配置された出力
鏡802と全反射鏡803とで光共振器が構成されてお
り、また、レーザチャンバ801と全反射鏡803との
間にエタロン805が配置されている。
【0329】エタロン805は、フッ素ドープの合成石
英で形成された2枚の基板806a、806bを有して
おり、透過するレーザ光を超狭帯域化する。このエタロ
ン805は、図2に示したエタロン5と同様のコーティ
ングが施されている。
英で形成された2枚の基板806a、806bを有して
おり、透過するレーザ光を超狭帯域化する。このエタロ
ン805は、図2に示したエタロン5と同様のコーティ
ングが施されている。
【0330】また、レーザチャンバ801とエタロン8
05との間には2枚のレンズ804a、804bが配置
されており、さらに、これらレンズ804a、804b
によって形成される焦点の位置に、光軸に対し所定の角
度をもってピンホール板807が配置されている。詳細
については後述するが、レンズ804a、804bおよ
びピンホール板807によってシングルライン化を行っ
ている。
05との間には2枚のレンズ804a、804bが配置
されており、さらに、これらレンズ804a、804b
によって形成される焦点の位置に、光軸に対し所定の角
度をもってピンホール板807が配置されている。詳細
については後述するが、レンズ804a、804bおよ
びピンホール板807によってシングルライン化を行っ
ている。
【0331】なお、本実施形態では、レンズ804aの
焦点距離の方が、レンズ804bの焦点距離よりも長く
なるように設定されている。このため、レーザチャンバ
801側のレーザ光L810よりも、エタロン805を
通過する際のレーザ光の方がビーム幅が広くなってい
る。
焦点距離の方が、レンズ804bの焦点距離よりも長く
なるように設定されている。このため、レーザチャンバ
801側のレーザ光L810よりも、エタロン805を
通過する際のレーザ光の方がビーム幅が広くなってい
る。
【0332】これにより、エタロン805の基板806
a、806bにおけるレーザ光強度(単位面積当たりの
レーザ光のパルスエネルギーあるいはピークパワー)が
低くなり、特に基板806a、806bの内面に施され
た反射膜にダメージが生じ難くなっている。
a、806bにおけるレーザ光強度(単位面積当たりの
レーザ光のパルスエネルギーあるいはピークパワー)が
低くなり、特に基板806a、806bの内面に施され
た反射膜にダメージが生じ難くなっている。
【0333】また、上述したようにレンズ804aの焦
点距離を長くしているのは、不所望のレーザ光L840
を分離し易くするためでもある。
点距離を長くしているのは、不所望のレーザ光L840
を分離し易くするためでもある。
【0334】なお、本実施形態におけるピンホール板8
07の材質としては、レーザ光の照射による温度上昇が
生じても変形しにくい材質がよく、例えば、シリコンカ
ーバイト(SiC)、アルミニウム(Al)、あるいは銅
(Cu)等のように、レーザ光に対する反射率や融点の
高い金属等が好ましい。
07の材質としては、レーザ光の照射による温度上昇が
生じても変形しにくい材質がよく、例えば、シリコンカ
ーバイト(SiC)、アルミニウム(Al)、あるいは銅
(Cu)等のように、レーザ光に対する反射率や融点の
高い金属等が好ましい。
【0335】パワーモニター808は、ピンホール板8
07で反射したレーザ光のパワー(光量)をモニター
し、このモニタ結果(パワーを示す信号)を信号線80
9aを介して制御装置810へ送信する。
07で反射したレーザ光のパワー(光量)をモニター
し、このモニタ結果(パワーを示す信号)を信号線80
9aを介して制御装置810へ送信する。
【0336】制御装置810は、パワーモニター808
からのパワーを示す信号に基づいて、信号線809bを
介して、エタロン805が設置されている回転ステージ
811を回動制御する。
からのパワーを示す信号に基づいて、信号線809bを
介して、エタロン805が設置されている回転ステージ
811を回動制御する。
【0337】次に、この実施形態でのシングルライン化
について説明する。
について説明する。
【0338】レーザチャンバ801内で発生するレーザ
光L810のうち、レンズ804bの方向へ進むもの
は、エタロン805に達することになるが、こうしてエ
タロン805に達したレーザ光のうち、エタロン805
における基板806bの内面の反射面で反射するもの
は、図中点線で示されるように、光共振器間を往復する
レーザ光とは僅かに隔たった角度で進むので、レンズ8
04aを通過して、ピンホール板807の穴を通過する
ことはできない。
光L810のうち、レンズ804bの方向へ進むもの
は、エタロン805に達することになるが、こうしてエ
タロン805に達したレーザ光のうち、エタロン805
における基板806bの内面の反射面で反射するもの
は、図中点線で示されるように、光共振器間を往復する
レーザ光とは僅かに隔たった角度で進むので、レンズ8
04aを通過して、ピンホール板807の穴を通過する
ことはできない。
【0339】このように、エタロン805の反射面で戻
される不所望のレーザ光(157.5233nmの波長
λ2)を、光共振器間を往復する所望のレーザ光(15
7.6299nmの波長λ1)と分離することができ
る。すなわち、波長λ1のレーザ光のみを選択すること
ができ、シングルライン化が達成できる。
される不所望のレーザ光(157.5233nmの波長
λ2)を、光共振器間を往復する所望のレーザ光(15
7.6299nmの波長λ1)と分離することができ
る。すなわち、波長λ1のレーザ光のみを選択すること
ができ、シングルライン化が達成できる。
【0340】そして、このようにしてシングルライン化
されたレーザ光が上記光共振器間を共振することによ
り、このレーザ光がエタロン805によって超狭帯域化
され、出力鏡802からレーザ光L820として取り出
される。
されたレーザ光が上記光共振器間を共振することによ
り、このレーザ光がエタロン805によって超狭帯域化
され、出力鏡802からレーザ光L820として取り出
される。
【0341】次に、超狭帯域化フッ素レーザ装置600
における波長安定化の手法について説明する。
における波長安定化の手法について説明する。
【0342】超狭帯域化フッ素レーザ装置600では、
上述したように、エタロン805における基板806b
の内面の反射面で反射したレーザ光は、図16中点線で
示されるようにレンズ804aを通過して、ピンホール
板807の穴を通過することができないので、レーザ光
L840のように、ピンホール板807で反射して、パ
ワーモニター808によって受光される。
上述したように、エタロン805における基板806b
の内面の反射面で反射したレーザ光は、図16中点線で
示されるようにレンズ804aを通過して、ピンホール
板807の穴を通過することができないので、レーザ光
L840のように、ピンホール板807で反射して、パ
ワーモニター808によって受光される。
【0343】パワーモニター808では、受光したレー
ザ光L840のパワー(光量)をモニターし、このモニ
ター結果(光量を示す信号)を信号線809aを介して
制御装置810へ送信する。
ザ光L840のパワー(光量)をモニターし、このモニ
ター結果(光量を示す信号)を信号線809aを介して
制御装置810へ送信する。
【0344】ところで、レーザ光L840は、図1に示
した第1の実施形態におけるレーザ光L4と同様に、超
狭帯域化するエタロンの反射面で反射され、超狭帯域化
されていないレーザ光である。従って、レーザ光L84
0は、図5(c)に示した第1の実施形態におけるレー
ザ光L4のスペクトル分布と同様になる。
した第1の実施形態におけるレーザ光L4と同様に、超
狭帯域化するエタロンの反射面で反射され、超狭帯域化
されていないレーザ光である。従って、レーザ光L84
0は、図5(c)に示した第1の実施形態におけるレー
ザ光L4のスペクトル分布と同様になる。
【0345】また、パワーモニター808において受光
されるレーザ光L840の光量は、エタロン805の反
射率に依存するので、エタロン805において最小反射
率のときに光量が最小となる。
されるレーザ光L840の光量は、エタロン805の反
射率に依存するので、エタロン805において最小反射
率のときに光量が最小となる。
【0346】このため、超狭帯域化されるレーザ光のス
ペクトルの中心波長はエタロン805において最小反射
率(及び最大透過率)に対応する波長(最大透過波長)
と一致しているのが好ましい。
ペクトルの中心波長はエタロン805において最小反射
率(及び最大透過率)に対応する波長(最大透過波長)
と一致しているのが好ましい。
【0347】従って、レーザ光L840の光量が最小と
いうことは、超狭帯域化されるレーザ光のスペクトルの
中心波長と上記最小反射率(及び最大透過率)に対応す
る波長(換言すれば、図5(a)に示したスペクトルの
中心波長(絶対波長)に対応するレーザ光L810のス
ペクトルの中心波長)とが一致し、超狭帯域化されるレ
ーザ光のスペクトルの中心波長が安定した状態であると
いうことを意味する。
いうことは、超狭帯域化されるレーザ光のスペクトルの
中心波長と上記最小反射率(及び最大透過率)に対応す
る波長(換言すれば、図5(a)に示したスペクトルの
中心波長(絶対波長)に対応するレーザ光L810のス
ペクトルの中心波長)とが一致し、超狭帯域化されるレ
ーザ光のスペクトルの中心波長が安定した状態であると
いうことを意味する。
【0348】そこで、レーザ光L840のパワーを示す
信号を受信した制御装置810は、この信号を基に、レ
ーザ光L840のパワーが常に最小にすべく、信号線8
09bを介して回転ステージ811を回動制御する。
信号を受信した制御装置810は、この信号を基に、レ
ーザ光L840のパワーが常に最小にすべく、信号線8
09bを介して回転ステージ811を回動制御する。
【0349】これによって、エタロン805の設定角度
が調整されることになり、エタロン805を通過する超
狭帯域化されたレーザ光の中心波長が安定化される。
が調整されることになり、エタロン805を通過する超
狭帯域化されたレーザ光の中心波長が安定化される。
【0350】本実施形態の特徴としては、上述したよう
に、エタロンの反射面で戻される不所望のレーザ光を、
光共振器間を往復する所望のレーザ光と分離する際に、
レンズで集光させた焦点近傍に配置したピンホール板8
07を利用しているということである。
に、エタロンの反射面で戻される不所望のレーザ光を、
光共振器間を往復する所望のレーザ光と分離する際に、
レンズで集光させた焦点近傍に配置したピンホール板8
07を利用しているということである。
【0351】これによって、所望のレーザ光のみがピン
ホール板807の穴を通過すればよいため、不所望のレ
ーザ光と所望のレーザ光とのなす角の角度が小さくて
も、分離し易くなっている。
ホール板807の穴を通過すればよいため、不所望のレ
ーザ光と所望のレーザ光とのなす角の角度が小さくて
も、分離し易くなっている。
【0352】そのため、エタロン805を設置する際
に、その反射面の法線と光軸とのなす角の角度を小さく
できる。この結果、詳細については後述するが、エタロ
ン805の角度ずれによる中心波長のずれを小さくでき
る。
に、その反射面の法線と光軸とのなす角の角度を小さく
できる。この結果、詳細については後述するが、エタロ
ン805の角度ずれによる中心波長のずれを小さくでき
る。
【0353】次に、こうした中心波長のずれを小さくで
きる根拠について説明する。
きる根拠について説明する。
【0354】すなわち、エタロンのギャップ間で共振す
る波長λのレーザ光の光路と、エタロンの反射面の法線
とのなす角をθとし、この角度がΔθずれたときの共振
波長Λは、数式(8)で表される。
る波長λのレーザ光の光路と、エタロンの反射面の法線
とのなす角をθとし、この角度がΔθずれたときの共振
波長Λは、数式(8)で表される。
【0355】Λ≒λ・cos(θ)/cos(θ+Δθ) ・・
・(8)この数式(8)は、エタロンの反射面の法線
は、光軸に平行に近い程(すなわちθが0に近づく
程)、Δθの大きさによるΛの変化が小さくなり、波長
の安定性が高くなることを意味している。
・(8)この数式(8)は、エタロンの反射面の法線
は、光軸に平行に近い程(すなわちθが0に近づく
程)、Δθの大きさによるΛの変化が小さくなり、波長
の安定性が高くなることを意味している。
【0356】ただし、上記法線と光軸とが全く平行にな
ると、反射面で反射したレーザ光が光軸に沿って正反対
の方向に進むことになるため、全反射鏡として機能して
しまい、エタロンとしての超狭帯域化の機能を果たさな
くなる。
ると、反射面で反射したレーザ光が光軸に沿って正反対
の方向に進むことになるため、全反射鏡として機能して
しまい、エタロンとしての超狭帯域化の機能を果たさな
くなる。
【0357】また、本実施形態においては、レンズ80
4a、804bによって形成される焦点の位置にピンホ
ール板807を配置して、これらレンズ804a、80
4bによって光共振器間のレーザ光L810を一度集光
させるようにしているので、ピンホール板807の穴を
通過することができる拡がり角を有するレーザ光のみが
強められ、このレーザ光が超狭帯域化されたレーザ光L
820となって出力鏡802から光共振器外部へ取り出
される。
4a、804bによって形成される焦点の位置にピンホ
ール板807を配置して、これらレンズ804a、80
4bによって光共振器間のレーザ光L810を一度集光
させるようにしているので、ピンホール板807の穴を
通過することができる拡がり角を有するレーザ光のみが
強められ、このレーザ光が超狭帯域化されたレーザ光L
820となって出力鏡802から光共振器外部へ取り出
される。
【0358】このため、ピンホール板807の穴を小さ
くすることにより、レーザ光L820のビーム拡がり角
を小さくでき、エタロン805によって超狭帯域化され
る効果を向上させることができる。
くすることにより、レーザ光L820のビーム拡がり角
を小さくでき、エタロン805によって超狭帯域化され
る効果を向上させることができる。
【0359】その理由としては、エタロン805を通過
するレーザ光のビーム拡がり角が大きくなると、エタロ
ン805のギャップ間で往復する距離が、レーザビーム
を形成する無数の光線のそれぞれに対して異なっていく
ので、エタロン805における共振波長に幅を有するよ
うになり、超狭帯域化の効果が悪化する。
するレーザ光のビーム拡がり角が大きくなると、エタロ
ン805のギャップ間で往復する距離が、レーザビーム
を形成する無数の光線のそれぞれに対して異なっていく
ので、エタロン805における共振波長に幅を有するよ
うになり、超狭帯域化の効果が悪化する。
【0360】しかし、本実施形態のように、光共振器間
に2枚のレンズ804a、804bとピンホール板80
7とを配置することにより、光共振器間に発生するレー
ザ光L810のビーム拡がり角が小さくなり、エタロン
805による超狭帯域化の効果が高まる。
に2枚のレンズ804a、804bとピンホール板80
7とを配置することにより、光共振器間に発生するレー
ザ光L810のビーム拡がり角が小さくなり、エタロン
805による超狭帯域化の効果が高まる。
【0361】なお、本実施形態では、図16には図示さ
れていないが、レンズ804a、804bを、これらの
レンズの設置位置が光軸に沿って微調整できるようにZ
ステージ上に設置するようにしている。
れていないが、レンズ804a、804bを、これらの
レンズの設置位置が光軸に沿って微調整できるようにZ
ステージ上に設置するようにしている。
【0362】その理由としては、光共振器内で発生する
レーザ光によって、レンズ804a、804bが温度上
昇することがあり、その結果、焦点距離が僅かに変化す
ることがあるので、その変化分を補正するためである。
レーザ光によって、レンズ804a、804bが温度上
昇することがあり、その結果、焦点距離が僅かに変化す
ることがあるので、その変化分を補正するためである。
【0363】また、上述したようにレンズ804a、8
04bの設置位置が光軸上で調整できる構造を備えてい
るので、詳細については後述するように、フッ素レーザ
の2本の発振線を自由に選択できる。
04bの設置位置が光軸上で調整できる構造を備えてい
るので、詳細については後述するように、フッ素レーザ
の2本の発振線を自由に選択できる。
【0364】すなわち、波長が僅かに異なる2本の発振
線に対して、レンズ804a、804bの焦点距離は僅
かに異なっている。それは、レンズ804a、804b
を構成する光学材の屈折率が、一般に波長依存性を有す
るからである。このため、それぞれの発振線に対して、
レンズ804aとレンズ804bとの間隔の最適値が存
在する。従って、何れかの発振線に最適な間隔にレンズ
804a、804bを設定すると、もう一方の発振線に
おいては、平行なビームを入射させても平行でなくな
り、光共振器間を共振できなくなって発振しにくくな
る。
線に対して、レンズ804a、804bの焦点距離は僅
かに異なっている。それは、レンズ804a、804b
を構成する光学材の屈折率が、一般に波長依存性を有す
るからである。このため、それぞれの発振線に対して、
レンズ804aとレンズ804bとの間隔の最適値が存
在する。従って、何れかの発振線に最適な間隔にレンズ
804a、804bを設定すると、もう一方の発振線に
おいては、平行なビームを入射させても平行でなくな
り、光共振器間を共振できなくなって発振しにくくな
る。
【0365】以上説明したように、第6の実施形態によ
れば、出力鏡と全反射鏡とで構成される光共振器中に、
2枚のレンズと、これらのレンズによって形成された焦
点に対応する位置にピンホール板と、これらのレンズ外
に設けられるエタロンとを設置するようにしているの
で、下記のような利点がある。
れば、出力鏡と全反射鏡とで構成される光共振器中に、
2枚のレンズと、これらのレンズによって形成された焦
点に対応する位置にピンホール板と、これらのレンズ外
に設けられるエタロンとを設置するようにしているの
で、下記のような利点がある。
【0366】(1)所望のレーザ光をピンホールの穴に
通過させるようにしているので、該所望のレーザ光の光
軸と、エタロンからの反射光(不所望のレーザ光)の光
軸との成す角が僅かにずれた角度でも、不所望のレーザ
光を分離し易くなる。
通過させるようにしているので、該所望のレーザ光の光
軸と、エタロンからの反射光(不所望のレーザ光)の光
軸との成す角が僅かにずれた角度でも、不所望のレーザ
光を分離し易くなる。
【0367】(2)エタロンの反射面の法線を光軸に平
行に近づける(法線と光軸との成す角の角度を0に近づ
ける)ことができるので、エタロンの設置角度の変動に
対して超狭帯域化されるレーザ光の中心波長の変動を小
さくできる。
行に近づける(法線と光軸との成す角の角度を0に近づ
ける)ことができるので、エタロンの設置角度の変動に
対して超狭帯域化されるレーザ光の中心波長の変動を小
さくできる。
【0368】(3)エタロンに入射する際のビーム径を
大きくできるため、ビーム拡がり角を小さくでき、エタ
ロンによる狭帯域化の効果を向上させることができる。
大きくできるため、ビーム拡がり角を小さくでき、エタ
ロンによる狭帯域化の効果を向上させることができる。
【0369】(4)エタロンに入射する際のレーザ光の
ビーム断面積を広くすることができるため、エタロンに
おける反射膜にダメージが生じ難くなり、エタロンの寿
命を延ばすことができる。
ビーム断面積を広くすることができるため、エタロンに
おける反射膜にダメージが生じ難くなり、エタロンの寿
命を延ばすことができる。
【0370】(5)シングルライン化を行う場合に、フ
ッ素レーザにおける2本の発振線の何れでも自由に選択
することができる。
ッ素レーザにおける2本の発振線の何れでも自由に選択
することができる。
【図1】図1は第1の実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置100の構成を示す構成図である。
レーザ装置100の構成を示す構成図である。
【図2】図2は超狭帯域化フッ素レーザ装置100にお
けるエタロン5の構成を示す構成図である。
けるエタロン5の構成を示す構成図である。
【図3】図3はエタロン5の透過特性を示すグラフであ
る。
る。
【図4】図3はエタロン5の反射特性を示すグラフであ
る。
る。
【図5】図5は第1の実施形態における波長安定化を説
明するための図である。
明するための図である。
【図6】図6は第2の実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置200の構成を示す構成図である。
レーザ装置200の構成を示す構成図である。
【図7】図7は超狭帯域化フッ素レーザ装置200にお
けるエタロン34の構成を示す構成図である。
けるエタロン34の構成を示す構成図である。
【図8】図8はエタロン34における基板50bの透過
特性を示すグラフである。
特性を示すグラフである。
【図9】図9は第2の実施形態におけるパワーモニター
47での受光量を示すグラフである。
47での受光量を示すグラフである。
【図10】図10は第2の実施形態におけるパワーモニ
ター47での受光量を示すグラフである。
ター47での受光量を示すグラフである。
【図11】図11は第3の実施形態に係る狭帯域化フッ
素レーザ装置300の構成を示す構成図である。
素レーザ装置300の構成を示す構成図である。
【図12】図12は第4の実施形態に係る超狭帯域化フ
ッ素レーザ装置400の構成を示す構成図である。
ッ素レーザ装置400の構成を示す構成図である。
【図13】図13は超狭帯域化フッ素レーザ装置400
におけるエタロン出力鏡73の反射特性を示すグラフで
ある。
におけるエタロン出力鏡73の反射特性を示すグラフで
ある。
【図14】図14は第4の実施形態におけるS偏光であ
るレーザ光S1のスペクトルを示すグラフである。
るレーザ光S1のスペクトルを示すグラフである。
【図15】図15は第5の実施形態に係る超狭帯域化フ
ッ素レーザ装置500の構成を示す構成図である。
ッ素レーザ装置500の構成を示す構成図である。
【図16】図16は第6の実施形態に係る超狭帯域化フ
ッ素レーザ装置600の構成を示す構成図である。
ッ素レーザ装置600の構成を示す構成図である。
【図17】図17はエタロンの温度上昇による影響を説
明するための説明図である。
明するための説明図である。
【図18】図18は従来のシングルライン化フッ素レー
ザ装置900を示す構成図である。
ザ装置900を示す構成図である。
【符号の説明】 1、31、61、71、81、801 ・・・レーザチ
ャンバ 2、32、62、802 ・・・出力鏡 3、33、63、74、803 ・・・全反射鏡 5、34、44、64a、64b、805 ・・・エタ
ロン 6a、6b、45a、45b、50a、50b、806
a、806b・・・基板 7、46、811 ・・・回転ステージ 8 ・・・ミラー 9、47、78、86a、86b、808 ・・・パワ
ーモニター 11、79、87a、87b、810 ・・・制御装置 22a、22b、52a、52b、52c ・・・反射
膜 23a、23b、53 ・・・フッ化マグネシウム膜 35a、35b ・・・ビームスプリッタ 36 ・・・ビーム縮小器 72a、72b、82a、82b ・・・ウインドウ 73、83a、83b ・・・エタロン出力鏡 76、84a、84b ・・・気密ボックス 77、85a、85b ・・・ピストン 804a、804b ・・・レンズ 807 ・・・ピンホール板
ャンバ 2、32、62、802 ・・・出力鏡 3、33、63、74、803 ・・・全反射鏡 5、34、44、64a、64b、805 ・・・エタ
ロン 6a、6b、45a、45b、50a、50b、806
a、806b・・・基板 7、46、811 ・・・回転ステージ 8 ・・・ミラー 9、47、78、86a、86b、808 ・・・パワ
ーモニター 11、79、87a、87b、810 ・・・制御装置 22a、22b、52a、52b、52c ・・・反射
膜 23a、23b、53 ・・・フッ化マグネシウム膜 35a、35b ・・・ビームスプリッタ 36 ・・・ビーム縮小器 72a、72b、82a、82b ・・・ウインドウ 73、83a、83b ・・・エタロン出力鏡 76、84a、84b ・・・気密ボックス 77、85a、85b ・・・ピストン 804a、804b ・・・レンズ 807 ・・・ピンホール板
Claims (8)
- 【請求項1】出力鏡と全反射鏡とで構成される光共振器
中に配置されフッ素レーザをレーザ発振するレーザチャ
ンバと、該レーザチャンバからレーザ発振され前記光共
振器間で共振するレーザ光における特定の波長を有する
レーザ光のみを狭帯域化する狭帯域化素子とを有する超
狭帯域化レーザ装置において、 前記狭帯域化素子は、 フッ素ドープの石英で形成された基板を有するエタロン
であることを特徴とする超狭帯域化レーザ装置。 - 【請求項2】前記狭帯域化素子は、 フッ素ドープの石英で形成された2枚の基板を有するエ
アギャップエタロンであって、該2枚の基板において、
互いに対向する面に反射膜がコーティングされていると
共に、該2枚の基板における当該反射膜がコーティング
される面とは反対側の面にフッ化マグネシウムがコーテ
ィングされていることを特徴とする請求項1記載の超狭
帯域化レーザ装置。 - 【請求項3】前記狭帯域化素子は、 フッ素ドープの石英で形成された2枚の基板を有するエ
アギャップエタロンであって、当該2枚の基板は、自己
の基板内部での共振作用により前記特定の波長のレーザ
光を選択できる厚さをもって形成された第1の基板と、
該第1の基板との間で前記特定の波長のレーザ光を共振
させることにより当該レーザ光を狭帯域化させる第2の
基板とから構成されていることを特徴とする請求項1記
載の超狭帯域化レーザ装置。 - 【請求項4】所定のガスレーザをレーザ発振するレーザ
チャンバと、 前記レーザチャンバからレーザ発振されたレーザ光にお
ける特定の波長を有するレーザ光のみを狭帯域化する狭
帯域化素子と、 フッ素ドープの石英で形成された基板を有する光学素子
であって、前記狭帯域化素子によって狭帯域化された前
記特定の波長を有するレーザ光と、狭帯域化されていな
い前記特定の波長を有するレーザ光とを透過させるエタ
ロンとを具備し、 前記エタロンを透過したレーザ光のスペクトルを検出し
て、前記狭帯域化されたレーザ光のスペクトルの中心波
長と前記狭帯域化されていないレーザ光の中心波長との
差が許容範囲になるように、前記狭帯域化素子の共振波
長を制御するようにしたことを特徴とする超狭帯域化レ
ーザ装置。 - 【請求項5】全反射鏡と出力鏡とで構成される光共振器
と、該光共振器間に配置されるエタロンおよびレーザチ
ャンバとを有し、該レーザチャンバからレーザ発振され
たレーザ光における特定の波長を有するレーザ光のみを
前記光共振器間において共振させると共に、該共振され
るレーザ光を前記エタロンによって狭帯域化する超狭帯
域化レーザ装置において、 前記エタロンにおいて反射する前記レーザ光の光量を検
出し、該検出した光量が最小となるように前記エタロン
の共振波長を制御する制御手段とを具備したことを特徴
とする超狭帯域化レーザ装置。 - 【請求項6】全反射鏡と出力鏡としてのエタロンとで構
成される光共振器と、該光共振器中に配置されるレーザ
チャンバとを有し、前記レーザチャンバからレーザ発振
されたレーザ光を前記光共振器によって共振させると共
に、該共振されるレーザ光を前記エタロンによって狭帯
域化する超狭帯域化レーザ装置において、 前記光共振器間で共振するレーザ光に含まれるS偏光の
光量を検出する検出手段と、 前記検出手段によって検出される光量が最大となるよう
に前記エタロンの共振波長を制御する制御手段とを具備
したことを特徴とする超狭帯域化レーザ装置。 - 【請求項7】前記レーザ発振されたレーザ光の光軸に対
しブリュースタ角をもって前記光共振器間に配置される
光学部材を更に具備し、 前記検出手段は、前記光学部材において反射するS偏光
の光量を検出するようにしたことを特徴とする請求項6
記載の超狭帯域化レーザ装置。 - 【請求項8】出力鏡と全反射鏡とで構成される光共振器
中に配置されフッ素レーザをレーザ発振するレーザチャ
ンバと、該レーザチャンバからレーザ発振され前記光共
振器間で共振するレーザ光における特定の波長を有する
レーザ光のみを選択する波長選択素子とを有する狭帯域
化レーザ装置において、 前記波長選択素子は、 フッ素ドープの石英で形成された基板を有するソリッド
エタロンであることを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000033819A JP2001223422A (ja) | 2000-02-10 | 2000-02-10 | 超狭帯域化レーザ装置及び狭帯域化レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000033819A JP2001223422A (ja) | 2000-02-10 | 2000-02-10 | 超狭帯域化レーザ装置及び狭帯域化レーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001223422A true JP2001223422A (ja) | 2001-08-17 |
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ID=18558246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000033819A Pending JP2001223422A (ja) | 2000-02-10 | 2000-02-10 | 超狭帯域化レーザ装置及び狭帯域化レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001223422A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006049839A (ja) * | 2004-07-06 | 2006-02-16 | Komatsu Ltd | 高出力ガスレーザ装置 |
JP2010050299A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Gigaphoton Inc | 偏光純度制御装置及びそれを備えたガスレーザ装置 |
JP4492539B2 (ja) * | 2003-09-29 | 2010-06-30 | 株式会社ニコン | 液浸型光学系及び投影露光装置、並びにデバイス製造方法 |
-
2000
- 2000-02-10 JP JP2000033819A patent/JP2001223422A/ja active Pending
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US8891574B2 (en) | 2008-08-22 | 2014-11-18 | Gigaphoton Inc. | Polarization purity control device and gas laser apparatus provided with the same |
US8902948B2 (en) | 2008-08-22 | 2014-12-02 | Gigaphoton Inc. | Polarization purity control device and gas laser apparatus provided with the same |
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