JP2001094089A - 指紋センサ - Google Patents

指紋センサ

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JP2001094089A
JP2001094089A JP27156999A JP27156999A JP2001094089A JP 2001094089 A JP2001094089 A JP 2001094089A JP 27156999 A JP27156999 A JP 27156999A JP 27156999 A JP27156999 A JP 27156999A JP 2001094089 A JP2001094089 A JP 2001094089A
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light
insulating film
photosensor
fingerprint
semiconductor layer
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JP27156999A
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Minoru Fujiwara
実 藤原
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置サイズの薄膜化を図りつつ、指紋等の2
次元画像の検出処理を良好に行うことができる指紋セン
サを提供する。 【解決手段】 指紋センサは、複数のダブルゲート型ト
ランジスタ(群)10Fが、ガラス基板19上にマトリ
クス状に配列して設けられたセンサパネル100Aと、
センサパネル100Aの一面側に配置され、センサパネ
ル100A上面に設けられた検出面20aに載置された
被検出体に均一な単色光を照射する面光源30Aと、を
有して構成され、ダブルゲート型トランジスタ10Fを
構成するブロック絶縁膜14、トップゲート絶縁膜1
5、保護絶縁膜20は、いずれも半導体層11を励起す
る光のピーク波長λよりも光学膜厚が小さくなるよう
に、より望ましくはピーク波長λのときの半分までの強
度の有効感度の波長域の下限波長λ’よりも光学膜厚が
小さくなるように設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指紋センサに関
し、装置構成を薄型化することができる指紋センサに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷物や写真、あるいは、指紋等
の微細な凹凸パターン等を読み取る指紋センサとして、
光電変換素子(フォトセンサ)をマトリクス状に配列し
て構成されるフォトセンサアレイを有する構造のものが
ある。以下、従来の指紋センサとして、指紋読取装置の
構成を図に示して説明する。図10に示す指紋センサ
は、面光源101と、光学プリズム102と、結像光学
系103と、フォトセンサアレイ104とを有して構成
され、光学プリズム102の所定の一面(以下、指紋検
出面という)102a上に接触、載置された指105に
対して、面光源102からの光Lpが斜めに照射され、
その反射光Lrが結像光学系103を介してフォトセン
サアレイ104に入射される。
【0003】ここで、図11に示すように、指紋検出面
102aに照射された光Lpは、指紋105Aの凸部1
05aにおいては、指105の皮膚表層内に透過して吸
収、散乱されるため、フォトセンサアレイ方向(図面右
下方向)への反射光Lrが減衰する。一方、指紋105
Aの凹部105bにおいては、光学プリズム102と凹
部105bの空気層との屈折率の違い及び入射角に基づ
いて、全反射する。これによって、指紋105Aの凹凸
パターンに対応した反射光Lrが、結像光学系103を
介してフォトセンサアレイ104に到達し、明暗情報と
して検出される。
【0004】また、図12に示す指紋センサは、面光源
201と、光ファイバーブロック等の画像伝達素子20
2と、フォトセンサアレイ203とを有して構成され、
画像伝達素子(光ファイバーブロック)202の所定の
指紋検出面202a上に接触、載置された指204に対
して、面光源102からの光が斜めに照射され、その反
射光が光ファイバー群を介してフォトセンサアレイ20
4に入射される。ここで、指紋検出面202aに照射さ
れた光は、図11に示した場合と同様に、指紋の凸部に
おいては減衰し、一方、指紋の凹部においては高い強度
でフォトセンサアレイ203に到達する。これによっ
て、フォトセンサアレイ203により、指紋の凹凸パタ
ーンに対応した明暗情報が検出される。
【0005】また、図13(a)に示す指紋センサは、
面光源301と、フォトセンサアレイ302と、光ファ
イバー集束部材303と、回折格子(又は、マイクロレ
ンズアレイ)304とを有して構成され、面光源301
からの光は、図13(b)に示すように、フォトセンサ
アレイ302の透光性部材及び光ファイバー集束部材3
03を透過して垂直光Lpとなって伝搬し、回折格子3
04により斜めの光に変換された後、上述した図10、
図12に示した従来技術と同様に、回折格子304の上
面に設けられた指紋検出面304aに載置、接触された
指305に対して斜めに照射される。
【0006】ここで、指紋検出面304aに照射された
光は、指紋305Aの凸部305aにおいては乱反射さ
れ、一方、指紋305Aの凹部305bにおいては減衰
する。そして、反射光Lrは、回折格子304により再
び光ファイバー集束部材303を構成する光ファイバー
群の延在方向に変換されて、フォトセンサアレイ302
の受光面側に到達する。これによって、フォトセンサア
レイ203により、指紋305Aの凹凸パターンに対応
した明暗情報が検出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな指紋センサにおいては、次のような問題点を有して
いる。 (イ)図10に示した指紋センサにおいては、指紋検出
面102aに載置された指の指紋画像をフォトセンサア
レイ104上に結像させるためには、光学レンズ等の結
像光学系103が必要であり、光学部品点数が増加して
装置が大型化するという問題を有している。 (ロ)図12に示した指紋センサにおいては、指紋検出
面202aにおける指紋画像が、フォトセンサアレイ2
03に伝搬される際に、光ファイバーブロック202の
傾斜角θに応じて、sinθ倍に縮小されてしまい、指紋
の検出感度が低下するという問題を有している。
【0008】また、上記図10、図12のいずれの構成
においても、指紋の凹凸パターンに応じたコントラスト
の大きい明暗情報を得る目的で、面光源から出た光を所
定の角度で指紋検出面に照射した後、反射光を入射(照
射)方向とは異なる方向に伝搬させているため、光学部
品が3次元的な配置及び形状を有し、指紋センサの実装
サイズが大きくなるという問題を有している。 (ハ)図13に示した指紋センサにおいては、各構成部
材が層状に構成されているため、装置全体の薄型化が可
能となるが、光ファイバー集束部材303の薄型化には
制約があるうえ、光ファイバー集束部材303と回折格
子304間の離間距離によって光の回折を制御している
ため、指紋センサを十分薄型化することができないとい
う問題を有している。また、指紋検出面304aからの
反射光が光ファイバー集束部材303に入射する際の減
衰が大きく、指紋の凹凸パターンに応じたコントラスト
比の大きい明暗情報を得ることができないという問題も
有していた。
【0009】そこで、本発明は、上述した問題点を解決
し、装置サイズの薄膜化を図りつつ、指紋等の2次元画
像の検出処理を良好に行うことができる指紋センサを提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の指紋セン
サは、透光性を有する絶縁性基板の一面側に形成された
フォトセンサと、該フォトセンサを被覆して設けられる
保護絶縁膜と、該保護絶縁膜上面の検出面に載置される
指に所定の検出光を照射する光源と、を備えた指紋セン
サにおいて、前記保護絶縁膜の光学膜厚は、前記フォト
センサの受光感度が最大になる波長より小さいことを特
徴とする。請求項1記載の発明によれば、検出面に指が
載置されている検出時にのみ、光源から照射された光
が、指での反射の前に保護絶縁膜内を伝搬しないように
保護絶縁膜の光学膜厚が設定されているので、指の凹凸
に応じた吸収、反射の前に入射された光が保護絶縁膜内
を伝搬してフォトセンサへ入射することが抑制されて、
誤検出が防止される。
【0011】また、フォトセンサ上の保護絶縁膜の膜厚
を薄く形成することができるので、指紋の凹凸パターン
に応じたコントラストの大きい明暗情報を得ることがで
きるとともに、指紋センサの小型化を図ることができ
る。上記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領
域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、
前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して
形成されたトップゲート電極及びボトムゲート電極と、
を有し、前記チャネル領域に、前記指により反射して入
射する光の量に対応する電荷が発生、蓄積されるように
してもよい。保護絶縁膜上面の検出面に載置される指に
入射された光は指の皮膚表層内で伝搬するので、容易に
半導体層に出射することができる。
【0012】上記のフォトセンサの前記チャネル領域の
上方及び下方に各々に配置された絶縁膜及びトップゲー
ト電極の各光学膜厚が、前記フォトセンサの受光感度が
最大になる波長より小さいと、指に入射される前に、フ
ォトセンサのチャネル領域の上方及び下方に配置された
絶縁膜及びトップゲート電極に入射された、フォトセン
サが受光感度内の波長域の大部分の光は、絶縁膜及びト
ップゲート電極内を伝搬しないので、指の凹部に対応す
るフォトセンサの半導体層に、励起光の入射を防止する
ことができ、誤って検知することがない。そして、この
場合、フォトセンサを大幅に薄膜化して、指紋センサを
小型化することができるとともに、検出画素の高密度化
を図ることができる。
【0013】また、上記フォトセンサは、絶縁性基板上
にマトリクス状に配列され、フォトセンサのトップゲー
ト電極を行方向に接続した第1のゲートライン群と、フ
ォトセンサのボトムゲート電極を行方向に接続した第2
のゲートライン群と、フォトセンサのドレイン電極を列
方向に接続したデータライン群と、を備えたフォトセン
サアレイを構成するものであれば、2次元的な広がりを
有する被検出体の画像をマトリクス状の画素として検出
することができ、指紋の凹凸パターンに対応する画像を
良好に検出することができる。
【0014】そして、上記光源から照射される検出光
は、赤色の波長領域にピークを有し、また、上記フォト
センサは、可視光線の波長領域の光に対して電荷を発生
する受光感度を有し、さらに、前記チャネル領域の上方
及び下方に各々に配置された絶縁膜及びトップゲート電
極の各光学膜厚が、650nm未満に設定されているこ
とにより、人間の皮膚から発光する赤色光の大部分が、
チャネル領域の上方及び下方に各々に配置された絶縁膜
及びトップゲート電極ではほとんど伝搬せず、指の皮膚
表層内のみを良好に伝搬して、例えば、アモルファスシ
リコンからなるチャネル層を有するフォトセンサに入射
し、指紋の凹凸パターンに対応した画像が良好に検出さ
れる。また、フォトセンサ上の保護絶縁膜を650nm
未満に薄く形成することができるので、指紋の凹凸パタ
ーンに応じたコントラストの大きい明暗情報を得ること
ができるとともに、指紋センサの大幅な小型化を図るこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る指紋センサに
適用して良好なフォトセンサについて説明する。本発明
に係る指紋センサに適用されるフォトセンサとしては、
CCD(ChargeCoupled Device)等の固体撮像デバイス
を用いることができる。CCDは、周知の通り、フォト
ダイオードや薄膜トランジスタ(TFT:ThinFilm Tra
nsistor)等のフォトセンサをマトリクス状に配列した
構成を有し、各フォトセンサの受光部に照射された光量
に対応して発生する電子−正孔対の量(電荷量)を、水
平走査回路及び垂直走査回路により検出し、照射光の輝
度を検知している。
【0016】このようなCCDを用いたフォトセンサシ
ステムにおいては、走査された各フォトセンサを選択状
態にするための選択トランジスタを個別に設ける必要が
あるため、検出画素数が増大するにしたがってシステム
自体が大型化するという問題を有している。そこで、近
年、このような問題を解決するための構成として、フォ
トセンサ自体にフォトセンス機能と選択トランジスタ機
能とを持たせた、いわゆる、ダブルゲート構造を有する
薄膜トランジスタ(以下、ダブルゲート型トランジスタ
という)が開発され、システムの小型化、及び、画素の
高密度化を図る試みがなされている。本発明における指
紋センサには、このダブルゲート型トランジスタを良好
に適用することができる。
【0017】以下、ダブルゲート型トランジスタの構造
及び機能について説明する。図1は、ダブルゲート型ト
ランジスタの構造を示す断面図である。図1(a)に示
すように、ダブルゲート型トランジスタ10は、可視光
が入射されると電子−正孔対が生成される真性アモルフ
ァスシリコン(i−a−Si)等を有する半導体層11
と、半導体層11の両端にそれぞれ設けられたnシリ
コン層17、18と、nシリコン層17、18上に形
成されたソース電極12及びドレイン電極13と、半導
体層11の上方(図面上方)にブロック絶縁膜14及び
トップゲート絶縁膜15を介して形成されたトップゲー
ト電極21と、半導体層11の下方(図面下方)にボト
ムゲート絶縁膜16を介して形成されたボトムゲート電
極22と、を有して構成されている。
【0018】なお、図1において、トップゲート電極2
1、トップゲート絶縁膜15、ボトムゲート絶縁膜1
6、及び、トップゲート電極21上に設けられる保護絶
縁膜20は、いずれも半導体層11を励起する可視光に
対し透過率の高い(透光性の高い)材質により構成さ
れ、一方、ボトムゲート電極22は、可視光の透過を遮
断する材質により構成されることにより、図面上方から
入射する照射光(可視光)のみを検知する構造を有して
いる。
【0019】すなわち、ダブルゲート型トランジスタ1
0は、可視光が入射されると電子−正孔対が生成される
半導体層11を共通のチャネル領域として、半導体層1
1、ソース電極12、ドレイン電極13及びトップゲー
ト電極21により形成される上部MOSトランジスタ
と、半導体層11、ソース電極12、ドレイン電極13
及びボトムゲート電極22により形成される下部MOS
トランジスタとからなる2つのMOSトランジスタの組
み合わせた構造が、ガラス基板等の透明な絶縁性基板1
9上に形成されている。そして、このようなダブルゲー
ト型トランジスタ10は、一般に、図1(b)に示すよ
うな等価回路により表される。ここで、TGはトップゲ
ート端子、BGはボトムゲート端子、Sはソース端子、
Dはドレイン端子である。
【0020】次に、上述したダブルゲート型トランジス
タを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムに
ついて、図面を参照して簡単に説明する。図2は、ダブ
ルゲート型トランジスタを2次元配列して構成されるフ
ォトセンサシステムの概略構成図である。図2に示すよ
うに、フォトセンサシステムは、大別して、多数のダブ
ルゲート型トランジスタ10Fをマトリクス状に配列し
たフォトセンサアレイ100Fと、各ダブルゲート型ト
ランジスタ10Fのトップゲート端子TG及びボトムゲ
ート端子BGを各々行方向に接続したトップゲートライ
ン101及びボトムゲートライン102と、トップゲー
トライン101及びボトムゲートライン102に各々接
続されたトップゲートドライバ111及びボトムゲート
ドライバ112と、各ダブルゲート型トランジスタのド
レイン端子Dを列方向に接続したデータライン103
と、データライン103に接続されたコラムスイッチ1
13と、を有して構成される。ここで、φtg及びφbg
は、それぞれ後述するリセットパルスφTn、及び、読
み出しパルスφBnを生成するための基準電圧、φpg
は、プリチャージ電圧Vpgを印加するタイミングを制御
するプリチャージ信号である。
【0021】このような構成において、トップゲートド
ライバ111からトップゲート端子TGに電圧を印加す
ることによりフォトセンス機能が実現され、ボトムゲー
トドライバ112からボトムゲート端子BGに電圧を印
加し、データライン103を介して検出信号をコラムス
イッチ113に取り込んでシリアルデータとして出力
(Vout)することにより選択読み出し機能が実現され
る。
【0022】次に、上述したフォトセンサシステムの駆
動制御方法について、図面を参照して説明する。図3
は、フォトセンサシステムの駆動制御方法を示すタイミ
ングチャートである。図3に示すように、まず、リセッ
ト動作においては、n番目の行のトップゲートライン1
01にパルス電圧(リセットパルス;例えば+15Vの
ハイレベル)φTnを印加して、各ダブルゲート型トラ
ンジスタ10Fの半導体層に蓄積されているキャリヤ
(正孔)を放出する(リセット期間Treset)。
【0023】次いで、光(キャリヤ)蓄積動作において
は、トップゲートライン101にローレベル(例えば=
−15V)のバイアス電圧φTnを印加することによ
り、リセット動作を終了し、光蓄積動作によるキャリヤ
蓄積期間Taがスタートする。キャリヤ蓄積期間Taにお
いては、トップゲート電極側から入射した光量に応じて
チャネル領域にキャリヤが蓄積される。そして、プリチ
ャージ動作においては、キャリヤ蓄積期間Taに並行し
て、データライン103に所定の電圧(プリチャージ電
圧)Vpgを印加し、ドレイン電極13に電荷を保持させ
る(プリチャージ期間Tprch)。
【0024】次いで、読み出し動作においては、プリチ
ャージ期間Tprchを経過した後、ボトムゲートライン1
02にハイレベル(例えば=+10V)のバイアス電圧
(読み出し選択信号;以下、読み出しパルスという)φ
Bnを印加することにより、ダブルゲート型トランジス
タ10FをON状態にする(読み出し期間Tread)。こ
こで、読み出し期間Treadにおいては、チャネル領域に
蓄積されたキャリア(正孔)が逆極性のトップゲートラ
イン101に印加されたバイアス電圧φTn(−15
V)を緩和する方向に働くため、ボトムゲートライン1
02に印加されたバイアス電圧φBnによりnチャネル
が形成され、ドレイン電流に応じてデータライン103
のデータライン電圧VDは、プリチャージ電圧Vpgから
時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
【0025】すなわち、キャリヤ蓄積期間Taにおける
光蓄積状態が暗状態で、チャネル領域に正孔が蓄積(捕
獲)されていない場合には、トップゲートTGに負バイ
アスをかけることによって、ボトムゲートBGの正バイ
アスが打ち消され、ダブルゲート型トランジスタ10F
はOFF状態となり、ドレイン電圧、すなわち、データ
ライン103の電圧VDが、略そのまま保持されること
になる。一方、光蓄積状態が明状態の場合には、チャネ
ル領域に入射光量に応じた正孔が捕獲されているため、
トップゲートTGの負バイアスを打ち消すように作用
し、この打ち消された分だけボトムゲートBGの正バイ
アスによって、ダブルゲート型トランジスタ10FはO
N状態となる。そして、この入射光量に応じたON抵抗
に従って、データライン103の電圧VDは、低下する
ことになる。
【0026】したがって、データライン103の電圧V
Dの変化傾向は、トップゲートTGへのリセットパルス
φTnの印加によるリセット動作の終了時点から、ボト
ムゲートBGに読み出しパルスφBnが印加されるまで
の時間(キャリヤ蓄積期間Ta)に、受光した光量に深
く関連し、蓄積されたキャリヤが少ない場合には緩やか
に低下する傾向を示し、また、蓄積されたキャリヤが多
い場合には急峻に低下する傾向を示す。そのため、読み
出し期間Treadがスタートして、所定の時間経過後のデ
ータライン103の電圧VDを検出することにより、あ
るいは、所定のしきい値電圧を基準にして、その電圧に
至るまでの時間を検出することにより、照射光の光量が
換算される。上述した一連の駆動制御を1サイクルとし
て、n+1番目の行のダブルゲート型トランジスタ10
Fにも同等の処理手順を繰り返すことにより、ダブルゲ
ート型トランジスタ10Fを2次元のセンサシステムと
して動作させることができる。
【0027】次に、本発明に係る指紋センサの実施形態
について、図面を参照して説明する。図4は、本発明に
係る指紋センサの一実施形態を示す要部構成図である。
ここで、上述したダブルゲート型トランジスタと同等の
構成については、同一の符号を付して説明する。図4に
示すように、本実施形態に係る指紋センサは、複数のダ
ブルゲート型トランジスタ(群)10Fが、ガラス基板
19上にマトリクス状に配列して設けられたセンサパネ
ル100Aと、センサパネル100Aの一面側に配置さ
れ、センサパネル100A上面に設けられた検出面20
aに載置された被検出体に均一な単色光を照射する面光
源30Aと、を有して構成されている。
【0028】ダブルゲート型トランジスタ10Fは、図
1に示したものと同様に、真性アモルファスシリコンや
水素化アモルファスシリコン等の半導体層11及びブロ
ック絶縁膜14を挟み、対向して形成されたソース電極
12及びドレイン電極13と、半導体層11とソース電
極12a及びドレイン電極13a各々とのオーミック接
続を実現するためのn+シリコン層17a、18と、半
導体層11の上方にトップゲート絶縁膜15を介して設
けられたトップゲート電極21と、半導体層11の下方
にボトムゲート絶縁膜16を介して設けられたボトムゲ
ート電極22と、トップゲート電極21の上方に設けら
れた保護絶縁膜20と、を有して構成されている。半導
体層11の受光波長域は主に可視光であり、フォトセン
スに有効な有効感度の波長域を、感度が最大のとき(6
50nm程度)の半分になる波長域までとする。つまり
アモルファスシリコンからなる半導体層11の場合、有
効感度の波長域の下限を500nmとし、上限は900
nm程度となる。
【0029】ここで、ボトムゲート電極22、ソース−
ドレイン電極12、13は、遮光性を有する金属薄膜に
より形成されている。ブロック絶縁膜14、トップゲー
ト絶縁膜15、ボトムゲート絶縁膜16、保護絶縁膜2
0は、いずれも半導体層11を励起する可視光に対して
高い透過率を有し、屈折率が1.8〜2.0程度の窒化
シリコンや酸化シリコン等の透明な絶縁膜により形成さ
れている。また、トップゲート電極21aは、屈折率が
2.0〜2.2程度のITO(Indium Tin Oxide:酸化
インジウムスズ)等の透明な導電性材料により形成され
ている。
【0030】また、半導体層11を励起する光に対する
受光感度が最大になる波長をピーク波長λとすると、ブ
ロック絶縁膜14、トップゲート絶縁膜15、保護絶縁
膜20は、いずれも半導体層11を励起する光のピーク
波長λよりも光学膜厚が小さくなるように、より望まし
くは、ピーク波長λのときの半分までの強度の有効感度
の波長域の下限波長λ’よりも光学膜厚が小さくなるよ
うに設定されている。すなわち、各絶縁膜14、15、
20の屈折率nと物理的な膜厚dとの積により表される
各光学膜厚が、半導体層11の励起光の波長λとの関係
において、次式の条件を満たすように設定されている。
詳しくは後述する。 各光学膜厚(n×d) < 励起光のピーク波長(λ) ……(1) より望ましくは、 各光学膜厚(n×d) < 励起光の有効感度の下限波長(λ’)……(2) そして、このようなダブルゲート型トランジスタ10F
を、ガラス基板19上にマトリクス状に配置形成するこ
とにより、フォトセンサアレイ100Fが構成されてい
る。
【0031】一方、面光源30Aは、被検出体に固有の
波長を有する単色光を発光する単色光源31と、透明な
アクリル等の合成樹脂により構成され、単色光源31か
ら発せられ、側面部から入射された光を内部で均一に散
乱させ、センサパネル100Aに照射する導光板32と
を有して構成されている。したがって、本実施形態に係
る指紋センサを指紋読取装置に適用する場合には、単色
光源31として、人体の皮膚の赤味が掛かった色に対応
する波長域を有する赤色光を発光する光源、例えば、L
ED(発光ダイオード)等を用いることが好ましいが、
赤色波長域を含めば上記有効感度の下限から上限までの
連続した波長域を含んでもよい。なお、図4では、説明
の簡略化のため、センサパネル100Aの外部に引き出
すための配線や電極構造については図示を省略した。
【0032】次に、上述した実施形態において、半導体
層11上のブロック絶縁膜14、トップゲート絶縁膜1
5、保護絶縁膜20(以下、透光性絶縁膜と総称する)
の光学膜厚と、励起光の伝搬との関係について、図面を
参照して説明する。図5は、透光性絶縁膜の光学膜厚と
励起光の伝搬との関係を示す概略図である。ここで、上
述したダブルゲート型トランジスタと同等の構成につい
ては、同一の符号を付して、説明を簡略化する。また、
説明及び図示の都合上、センサパネルの断面部分を表す
ハッチングを省略する。
【0033】図5(a)に示すセンサパネル100Aに
おいては、ダブルゲート型トランジスタ10Fの半導体
層11上方に形成される透光性絶縁膜の各々の光学膜厚
が、半導体層11を励起する光(以下、励起光という)
Lcの波長よりも薄くなるように設定されている。この
場合、励起光Lcは、各透光性絶縁膜(14、15、2
0)の内部を伝搬することなく、界面を透過(素通り)
する。このため、励起光Lcが半導体層11に入射され
る確率が低い。一方、図5(b)に示すセンサパネル1
00Aにおいては、透光性絶縁膜の各々の光学膜厚が、
半導体層11の励起光Lcの波長よりも厚くなるように
設定されている。この場合、励起光Lcは、各透光性絶
縁膜(14、15、20)の界面において反射し、絶縁
膜内部を伝搬し、励起光Lcが半導体層11に入射され
る確率が高くなる。
【0034】ところで、保護絶縁膜20上面の検出面2
0aに載置された被検出体の2次元画像を半導体層11
により検出するためには、2次元画像に対応した励起光
が各透光性絶縁膜内を繰り返し反射して伝搬し、半導体
層11に入射する必要がある。例えば、被検出体として
指紋を検出する場合には、指紋の凹凸パターンのうち、
凸部に照射された光が反射して透光性絶縁膜内を伝搬
し、アモルファスシリコンからなる半導体層11に到達
するとともに、凹部に照射された光は、透光性絶縁膜の
界面から凹部の空気層に透過して、減衰し、半導体層1
1に到達しないことにより、指紋の凹凸パターンに対応
した明暗情報が検出される。しかしながら、透光性絶縁
膜の各々の光学膜厚が、励起光Lcの波長よりも長い
と、そこから光が伝搬してしまい、凹部に対応するダブ
ルゲート型トランジスタ10Fの半導体層11にも励起
光が入射されてしまう。
【0035】そこで、本実施形態に係る指紋センサにお
いては、ダブルゲート型トランジスタの半導体層11の
上方に形成される透光性絶縁膜について、検出状態にお
いてのみ、被検出体の2次元画像に対応し、半導体層1
1の励起光となる反射光のうち、有効感度のピーク波長
(λ)及びそれより長い波長域の光が、伝搬して半導体
層11に入射する条件に設定し、より望ましくは、反射
光のうち、励起光の有効感度の下限波長より長い波長域
の光が伝搬して半導体層11に入射する条件に設定す
る。また非検出状態において入射する光は、有効感度の
ピーク波長(λ)以上の長さの波長域の光が、伝搬せず
に透過して半導体層11に到達しないように、より望ま
しくは反射光のうち励起光の有効感度の下限波長以上の
長さの波長域の光が伝搬せずに反射光が半導体層11に
到達しないように設定したことを特徴としている。
【0036】以下に、本実施形態に係る指紋センサを指
紋読取装置に適用した場合の、具体的な構成及びその動
作について、図面を参照して説明する。図6は、本実施
形態に係る指紋センサを指紋読取装置に適用した場合
の、具体的な構成及び指紋非検出時の動作を示す概念図
であり、図7は、本実施形態に係る指紋センサを指紋読
取装置に適用した場合の、指紋検出時の動作を示す概念
図である。ここで、上述したダブルゲート型トランジス
タと同等の構成については、同一の符号を付して、説明
を簡略化する。また、説明及び図示の都合上、指紋読取
装置の断面部分を表すハッチングを省略する。
【0037】図6に示すように、本実施形態に係る指紋
読取装置においては、半導体層11上の透光性絶縁膜を
構成するブロック絶縁膜14、トップゲート絶縁膜1
5、保護絶縁膜20の各々の光学膜厚が650nm未
満、望ましくは、500nm未満に設定されている。こ
こで、被検出体である指に照射される光は、人体固有の
赤味が掛かった波長に対応するLED(図示を省略)か
らの赤色の単色光であり、また、ダブルゲート型トラン
ジスタ10Fの検出感度は、指の皮膚表層において反射
して入射する赤色光の波長領域に、高いピークを有する
可視光領域に設定されている。なお、上記透光性絶縁膜
(14、15、20)のほか、トップゲート電極21及
びボトムゲート絶縁膜16についても、光学膜厚が65
0nm未満、望ましくは、500nm未満にに設定され
ている。
【0038】すなわち、図5に示したダブルゲート型ト
ランジスタ10Fにおいて、ブロック絶縁膜14、トッ
プゲート絶縁膜15、ボトムゲート絶縁膜16、保護絶
縁膜20の各透光性絶縁膜、及び、トップゲート電極2
1は、各々の屈折率をn1、n2、n3、n4、n5、
また、物理的な膜厚をd1、d2、d3、d4、d5と
した場合、次式の条件が満たされるように光学膜厚を設
定する。 n1×d1<650nm ……(3−1) n2×d2<650nm ……(3−2) n3×d3<650nm ……(3−3) n4×d4<650nm ……(3−4) n5×d5<650nm ……(3−5)
【0039】より望ましくは、 n1×d1<500nm ……(4−1) n2×d2<500nm ……(4−2) n3×d3<500nm ……(4−3) n4×d4<500nm ……(4−4) n5×d5<500nm ……(4−5) なお、光源となるLEDの発光波長域は、半導体層11
の受光感度のピーク波長である650nm程度にピーク
強度を有することが望ましく、また、下限が、半導体層
11の有効感度の下限とほぼ同じ500nm程度である
ことが望ましく、上限が、半導体層11の有効感度の上
限とほぼ同じ900nm程度であることが望ましい。
【0040】そして、透光性絶縁膜として用いられるシ
リコン窒化膜の屈折率は、1.8〜2.0であり、透明
電極として用いられるITOの屈折率は、2.0〜2.
2であるので、上記(3−1)〜(3−5)式にこれら
の数値を適用すると、次式のように表され、物理的な膜
厚d1、d2、d3、d4、d5が、概ね500nm
(5000Å)以下に薄膜化される。 1.9×d1<650nm ……(5−1) 1.9×d2<650nm ……(5−2) 1.9×d3<650nm ……(5−3) 1.9×d4<650nm ……(5−4) 2.1×d5<650nm ……(5−5)
【0041】より望ましくは、 1.9×d1<500nm ……(6−1) 1.9×d2<500nm ……(6−2) 1.9×d3<500nm ……(6−3) 1.9×d4<500nm ……(6−4) 2.1×d5<500nm ……(6−5) なおダブルゲート型ダブルゲート型トランジスタ10に
おける上記膜厚d1、d2、d3、d4、d5は、それ
ぞれ100nm、150nm、250nm、200n
m、50nmに設定されており、上記式(6−1)〜
(6−5)を満たしている。
【0042】上述したような指紋読取装置において、図
6に示すように、ダブルゲート型トランジスタ10Fの
各透光性絶縁膜の光学膜厚が、光源から照射される赤色
光の有効感度のピーク波長よりも小さく設定されている
ので、指紋非検出時、すなわち指を検出面20aに載置
しない場合には、臨界角以上の角度で出射される光La
の大半は透光性絶縁膜の界面で反射せず且つ伝搬するこ
となく透過(素通り)するので、半導体層に入射するこ
とが抑制される。
【0043】一方、図7に示すように、指40を指紋検
出面に載置した場合、すなわち、指紋検出時において
は、指40の皮膚表層40Bの半透明層が透光性絶縁膜
に接触することにより、透光性絶縁膜と皮膚表層40B
との間の界面に屈折率の低い空気層がなくなる。そし
て、皮膚表層40Bの厚さは、650nmより厚いた
め、臨界角以上の角度で出射され、指紋40Aの凸部4
0aにおいて内部で入射された赤色光Laは皮膚表層4
0Bを散乱、反射しながら伝搬する。伝搬された光Lb
は、ダブルゲート型トランジスタ10Fの半導体層11
に励起光として入射される。
【0044】また、指紋40Aの凹部40bにおいて
は、照射された赤色光Laは、臨界角以上の角度で出射
されるで、保護絶縁膜20の指紋検出面20aと空気層
との間を界面を通過し、空気層の先の指に到達して皮膚
表層40B内で散乱するが、指の皮膚表層40は空気よ
り屈折率が高いため、ある角度で界面に入射された皮膚
表層40内の光は空気層に抜けにくく凹部に対応するダ
ブルゲート型トランジスタ10Fの半導体層11への入
射が抑制される。凹部において空気層を介し指を透過す
る光は、乱反射を繰り返しながら皮膚表層40内を伝搬
し、指紋検出面20aに接触している凸部に達し、そこ
から保護絶縁膜20を介し凸部に対応するダブルゲート
型トランジスタ10Fの半導体層11に入射される。
【0045】したがって、透光性絶縁膜の光学膜厚を十
分に薄膜化(650nm未満)しても、被検出体である
指紋の凹凸パターンに対応する反射光の励起波長域の大
部分がダブルゲート型トランジスタの半導体層(チャネ
ル層)に入射されて明暗情報が得られ、指紋画像が良好
に検出される。よって、光学膜厚を薄膜化することがで
きるので、指紋の凹凸パターンの明暗情報を高いコント
ラストで得ることができるとともに、指紋読取装置を薄
型化することができる。また、人体(指)の皮膚表層を
検出面に密着して接触することにより、皮膚表層内で、
反射光の伝搬を可能にしているので、例えば、指紋のコ
ピー画像によっては、上記光学膜厚を変化させることが
できず、反射光の伝搬による半導体層への入射が抑制さ
れて、ダミーの誤認識を防止することができる。
【0046】さらに、アモルファスシリコンからなる半
導体層が有効感度の下限波長よりも、透光性絶縁膜の光
学膜厚を薄く形成すると、指紋非検出時の照射光、及
び、指紋読取装置の外部から入射する外光が、有効感度
の下限波長より短い波長域を含んでいて、透光性絶縁膜
内で伝搬したとしても、その波長域は半導体層の励起感
度が悪いので、ダブルゲート型トランジスタによりノイ
ズ程度の小さい電圧変化しか検出されない。この場合、
指紋検出面と半導体層との距離が一層短くなるので、半
導体層への外光の入射がさらに抑制され、ノイズの影響
を十分低減することができ、また半導体層が受光する有
効感度の波長域の幅が広くなるのでより少ない光量でも
半導体層が検知しやすくなる。
【0047】次に、本発明に係る指紋センサの全体構成
について、図面を参照して説明する。図8は、本発明に
係る指紋センサの第1の全体構成例を示す概略図であ
り、図9は、本発明に係る指紋センサの第2の全体構成
例を示す概略図である。ここで、上述した実施形態と同
等の構成については、同一の符号を付して、説明を簡略
化する。第1の全体構成例は、図8(a)、(b)に示
すように、図5に示したセンサパネル100Aと面光源
30Aが、透光性の接着材料50により密着されてい
る。また、面光源30Aを構成する導光板32の対向す
る二辺には、それぞれ個別のLED31a、31bが設
けられ、その他の二辺には、LED31a、31bから
発せられた赤色光Laを導光板32内部で均一に散乱さ
せるための反射シート33a、33b、が設けられてい
る。
【0048】このような構成を有する指紋センサによれ
ば、一対のLED31a、31bから発せられた赤色光
Laは、導光板32内部、及び、センサパネル100A
を構成するガラス基板等の絶縁性基板19内部で繰り返
し反射して均一な照射光が生成され、センサパネル10
0A上面の指紋検出面20aに接触した指(図示を省
略)に均等に照射される。また、第2の全体構成例は、
図9(a)に示すように、センサパネル100Aを構成
するガラス基板等の絶縁性基板19の一面側、あるい
は、両面側に光学プリズム34a、34b及びLED3
1a、31bが設けられている。
【0049】このような構成を有する指紋センサによれ
ば、図9(b)に示すように、LED31a、31bか
ら発せられた赤色光Laは、光学プリズム34a、34
bを介してセンサパネル100Aの絶縁性基板19内部
で繰り返し反射して均一な照射光が生成され、センサパ
ネル100A上面の指紋検出面20aに接触した指40
に均等に照射される。なお、上述した実施形態において
は、フォトセンサとしてダブルゲート型トランジスタを
適用した場合についてのみ説明したが、本発明は、これ
に限定されるものではない。すなわち、上述したフォト
ダイオードやTFT等を適用することができ、これらを
用いた指紋センサにおいて、フォトセンサ上に形成され
る透光性絶縁膜の光学膜厚と検出面からの反射光の波長
との関係が、上記(1)式の関係を満たすものであれ
ば、本発明を良好に適用することができる。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、検出面に
指が載置されている検出時にのみ、光源から照射された
光が、指での反射の前に透光性絶縁膜内を伝搬しないよ
うに透光性絶縁膜の光学膜厚が設定されているので、指
の凹凸に応じた吸収、反射の前に入射された光が透光性
絶縁膜内を伝搬してフォトセンサへ入射することが抑制
されて、誤検出が防止される。また、フォトセンサ上の
透光性絶縁膜の膜厚を薄く形成することができるので、
指紋の凹凸パターンに応じたコントラストの大きい明暗
情報を得ることができるとともに、指紋センサの小型化
を図ることができる。
【0051】上記フォトセンサは、半導体層からなるチ
ャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン
電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に
各々絶縁膜を介して形成されたトップゲート電極及びボ
トムゲート電極と、を有し、チャネル領域に、被検出体
により反射して入射する光の量に対応する電荷が発生、
蓄積される、いわゆる、ダブルゲート型トランジスタで
あってもよく、この場合、フォトセンサを大幅に薄膜化
して、指紋センサを小型化することができるとともに、
検出画素の高密度化を図ることができる。このようなフ
ォトセンサでは、透光性絶縁膜上面の検出面に載置され
る指に入射された光は指の皮膚表層内で伝搬するので、
容易に半導体層に出射することができる。
【0052】上記フォトセンサの前記チャネル領域の上
方及び下方に各々に配置された絶縁膜及びトップゲート
電極の各光学膜厚が、前記フォトセンサの受光感度が最
大になる波長より小さいと、指に入射される前に、フォ
トセンサのチャネル領域の上方及び下方に配置された絶
縁膜及びトップゲート電極に入射された、フォトセンサ
が受光感度内の波長域の大部分の光は、絶縁膜及びトッ
プゲート電極内を伝搬しないので、指の凹部に対応する
フォトセンサの半導体層に、励起光の入射を防止するこ
とができ、誤って検知することがない。
【0053】また、上記フォトセンサは、絶縁性基板上
にマトリクス状に配列され、フォトセンサのトップゲー
ト電極を行方向に接続した第1のゲートライン群と、フ
ォトセンサのボトムゲート電極を行方向に接続した第2
のゲートライン群と、フォトセンサのドレイン電極を列
方向に接続したデータライン群と、を備えたフォトセン
サアレイを構成するものであれば、2次元的な広がりを
有する被検出体の画像をマトリクス状の画素として検出
することができ、指紋の凹凸パターンに対応する画像を
良好に検出することができる。
【0054】そして、上記光源から照射される検出光
は、赤色の波長領域にピークを有し、また、上記フォト
センサは、可視光線の波長領域の光に対して電荷を発生
する受光感度を有し、さらに、上記透光性絶縁膜の膜厚
と該透光性絶縁膜の屈折率との積が、650nmに設定
されていることにより、人間の皮膚から発光する赤色光
が、透光性絶縁膜内を良好に伝搬して、例えば、アモル
ファスシリコンからなるチャネル層を有するフォトセン
サに入射し、指紋の凹凸パターンに対応した画像が良好
に検出される。また、フォトセンサ上の透光性絶縁膜を
650nmに薄く形成することができるので、指紋の凹
凸パターンに応じたコントラストの大きい明暗情報を得
ることができるとともに、指紋センサの大幅な小型化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る指紋センサに適用されるダブルゲ
ート型トランジスタの構造を示す断面図である。
【図2】ダブルゲート型トランジスタを2次元配列して
構成されるフォトセンサシステムの概略構成図である。
【図3】フォトセンサシステムの駆動制御方法を示すタ
イミングチャートである。
【図4】本発明に係る指紋センサの一実施形態を示す要
部構成図である。
【図5】透光性絶縁膜の光学膜厚と励起光の伝搬との関
係を示す概略図である。
【図6】本実施形態に係る指紋センサを指紋読取装置に
適用した場合の、具体的な構成及び指紋非検出時の動作
を示す概念図である。
【図7】本実施形態に係る指紋センサを指紋読取装置に
適用した場合の、指紋検出時の動作を示す概念図であ
る。
【図8】本発明に係る指紋センサの第1の全体構成例を
示す概略図である。
【図9】本発明に係る指紋センサの第2の全体構成例を
示す概略図である。
【図10】従来技術における指紋センサの第1の例を示
す概略図である。
【図11】従来技術における照射光と反射光の関係を示
す概略図である。
【図12】従来技術における指紋センサの第2の例を示
す概略図である。
【図13】従来技術における指紋センサの第3の例を示
す概略図である。
【符号の説明】
10F ダブルゲート型トランジスタ 11 半導体層 12 ソース電極 13 ドレイン電極 14 ブロック絶縁膜 15 トップゲート絶縁膜 16 ボトムゲート絶縁膜 17、18 n+シリコン層 19 絶縁性基板 20 保護絶縁膜 20a 検出面 21 トップゲート電極 22 ボトムゲート電極 30A 面光源 31 単色光源 32 導光板 100A センサパネル 100F フォトセンサアレイ
フロントページの続き Fターム(参考) 4C038 FF01 FG01 4M118 AA10 AB01 BA05 CA11 CA32 CB06 FB03 FB09 FB13 GA02 GA03 GB15 GD11 5B047 AA25 BA02 BB04 BC01 BC04 BC14 5F088 AA09 AB05 BA15 BB10 DA03 FA09 GA02 HA12 KA08 LA03 5F089 BA03 BA10 BC01 BC05 BC09 CA20 DA20 FA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する絶縁性基板の一面側に形
    成されたフォトセンサと、該フォトセンサを被覆して設
    けられる保護絶縁膜と、該保護絶縁膜上面の検出面に載
    置される指に所定の検出光を照射する光源と、を備えた
    指紋センサにおいて、 前記保護絶縁膜の光学膜厚は、前記フォトセンサの受光
    感度が最大になる波長より小さいことを特徴とする指紋
    センサ。
  2. 【請求項2】 前記保護絶縁膜は窒化シリコンからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の指紋センサ。
  3. 【請求項3】 前記フォトセンサは、半導体層からなる
    チャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイ
    ン電極と、前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁
    膜を介して形成されたトップゲート電極及びボトムゲー
    ト電極と、を有し、 前記チャネル領域に、前記指により反射して入射する光
    の量に対応する電荷が発生、蓄積されることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の指紋センサ。
  4. 【請求項4】 前記フォトセンサの前記チャネル領域の
    上方及び下方に各々に配置された絶縁膜及びトップゲー
    ト電極の各光学膜厚が、前記フォトセンサの受光感度が
    最大になる波長より小さいことを特徴とする請求項3記
    載の指紋センサ。
  5. 【請求項5】 前記フォトセンサの前記半導体層は、ア
    モルファスシリコンを有することを特徴とする請求項3
    又は4に記載の指紋センサ。
  6. 【請求項6】 前記フォトセンサは、前記絶縁性基板上
    にマトリクス状に配列され、前記フォトセンサの前記ト
    ップゲート電極を行方向に接続した第1のゲートライン
    群と、前記フォトセンサの前記ボトムゲート電極を行方
    向に接続した第2のゲートライン群と、前記フォトセン
    サの前記ドレイン電極を列方向に接続したデータライン
    群と、を備えたことを特徴とする請求項3乃至5のいず
    れかに記載の指紋センサ。
  7. 【請求項7】 前記光源から照射される検出光は、赤色
    の波長領域にピークを有し、また、 前記フォトセンサは、可視光線の波長領域の光に対して
    電荷を発生する受光感度を有し、さらに、 前記チャネル領域の上方及び下方に各々に配置された絶
    縁膜及びトップゲート電極の各光学膜厚が、650nm
    未満に設定されていることを特徴とする請求項1乃至6
    のいずれかに記載の指紋センサ。
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