JP2001093778A - 金属蒸着フィルムおよびそれを用いたコンデンサ - Google Patents

金属蒸着フィルムおよびそれを用いたコンデンサ

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JP2001093778A JP26518499A JP26518499A JP2001093778A JP 2001093778 A JP2001093778 A JP 2001093778A JP 26518499 A JP26518499 A JP 26518499A JP 26518499 A JP26518499 A JP 26518499A JP 2001093778 A JP2001093778 A JP 2001093778A
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Kazuichi Yuuki
万市 結城
Tadashi Yoshioka
忠司 吉岡
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Toray Industries Inc
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    • H01G4/18Organic dielectrics of synthetic material, e.g. derivatives of cellulose

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐電圧テスト等における不良率を少なくすると
ともに、さらに小型の安全規格に適合したコンデンサに
好適に用いられる金属蒸着フィルム、およびその金属蒸
着フィルムを用いてなるコンデンサを提供する。 【解決手段】高分子フィルムの少なくとも片面に、電極
となる金属蒸着膜部とフリーマージン部にかけ金属蒸着
膜厚さが連続的に低減する境界膜部を設け、かつ保安機
構マージン部を有することを特徴とする金属蒸着フィル
ムで、金属蒸着膜部の表面抵抗は1Ω/□〜15Ω/□
であり、フリーマージン部の表面抵抗は1x1010Ω/
□以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子回路に
用いられるコンデンサ用金属蒸着フィルムコンデンサ、
特にアクロスライン等に用いられるコンデンサ、中でも
落雷時等に突入するサージ電流によってコンデンサが破
壊、発火などをおこすことのないよう規定された各種の
安全規格に適合した安全規格コンデンサに好適に用いら
れる金属蒸着フィルムおよびそれを用いたコンデンサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種家庭用電気機器あるいは電子機器に
は、ラインから入るノズルを除去あるいは機器で発生す
るノイズが電源ラインに入るのを防ぐために、フィルタ
ーコンデンサが使用されている。これらのフィルターコ
ンデンサへは、落雷時等に生じる大きな突入電流が入る
ことがあり、これらの突入電流によってフィルターコン
デンサが破壊や発火することのないように、厳しい試験
を課す規格が各国で規定されている。例えば、UL 1
414、CAS C22.2 NO1、VDE0565
−1、IEC 384−14、SEV 1055、JI
S C5151などであり、さらにNEMKO、SEM
KO、DEMKO、EI、BSなどの規格がある。
【0003】これらは大きな突入電流を想定し、定格電
圧に比べ極めて高い電圧を一定時間かけ、異常あるいは
破壊しないことを規定している。
【0004】従来、これらの規格に適合するため、11
〜12μmのような厚いポリエステルフィルムを用い、
かつ広巾のマージンを有するアルミ蒸着フィルムが用い
られていたが、この対策においても規格に適合するにぎ
りぎりの品質のため、製造工程での不良率が大きいこ
と、具体的には検査工程の耐電圧テストにおいて不良が
発生する率が大きいことが問題であった。一方で、コン
デンサの小型化に対する強い要望があるが、小型化のた
めにフィルム厚みを薄くすると当然不良率が増大し、小
型化に対する技術にいき詰まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐電
圧テスト等における不良率を少なくするとともに、さら
に小型の安全規格に適合したコンデンサに好適に用いら
れる金属蒸着フィルム、およびその金属蒸着フィルムを
用いてなるコンデンサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
せんとするものであり、本発明の金属蒸着フィルムは、
高分子フィルムの少なくとも片面に表面抵抗1Ω/□〜
15Ω/□の電極となる金属蒸着膜部と表面抵抗1x1
10Ω/□以上のフリーマージン部、および該金属蒸着
膜部と該フリーマージン部の間に該金属蒸着膜部より該
フリーマージン部にかけ金属蒸着膜厚が連続的に低減す
る幅0.02〜1mmの境界膜部を有し、かつ該金属蒸
着膜部を分画し、分画された金属蒸着膜部同士、または
該分画された金属蒸着膜部と外部との電気的結合をとる
ための金属蒸着膜部とを電気的に結合するための隘路
部、若しくは分画された金属蒸着膜部同士を結合するた
めの隘路部を有する保安機構マージン部を備えたことを
特徴とするものである。
【0007】本発明の金属蒸着フィルムは、境界膜部の
幅が0.1〜0.5mm、より好ましくは0.2〜0.
3mmであること、フリーマージン部および保安機構マ
ージン部が、オイルで覆われていること、そのオイルが
フッ素オイルまたはシリコーンオイルであること、シリ
コーンオイルがジメチルポリシロキサンオイルまたはメ
チルフェニルシリコーンオイルであること、フッ素オイ
ルの重量平均分子量が800〜5,000、より好まし
くは1,500〜4,200の範囲にあること、さら
に、分画された一つの金属蒸着膜部と該金属蒸着膜部と
隣接した他の一つの分画された金属蒸着膜部とを電気的
に連絡するための隘路部、または分画された一つの金属
蒸着膜部と外部との電気的結合をとるための隘路部が二
つ以上あること、および分画された金属蒸着膜部の形状
が網状であること、を好ましい態様として含んでいる。
【0008】そして、本発明のコンデンサは、上記のい
ずれかに記載の金属蒸着フィルムを用いてなることを特
徴とするもので、特に落雷時等に突入するサージ電流に
よってコンデンサが破壊や発火などを起こすことのない
よう規定された各種の安全規格に適合した安全規格コン
デンサである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の金属蒸着フィルムは、高
分子フィルムの少なくとも片面に電極となる金属蒸着膜
部とフリーマージン部、および該金属蒸着膜部と該フリ
ーマージン部の間に該金属蒸着膜部より該フリーマージ
ン部にかけ金属蒸着膜厚が連続的に低減する境界膜部を
設けてなる基本構造を有している。
【0010】まず、本発明の金属蒸着フィルムを図面に
基づいて説明するが、本発明は本実施態様例に限定され
るものではない。
【0011】図1は、本発明の一実施態様例である金属
蒸着フィルムの概略断面図であり、図2は、図1の概略
平面図を示す。また、図3は、分画された金属蒸着膜部
の形状が網状の未蒸着部で囲まれた形状(以下特殊分画
パターンと称す)であるパターンの概略平面図を示す。
【0012】図1において、金属蒸着フィルム1は、高
分子フィルム2と、その上に形成されたコンデンサの対
電極との電気的絶縁性を保つためのフリーマージン(以
後、マージンと略称することがある)部3と金属蒸着膜
部4、およびフリーマージン部3と金属蒸着膜部4の間
に位置する境界膜部5で構成されている。金属蒸着膜部
4は、コンデンサの端子と電気的結合をとるための部分
と分画された蒸着部分からなっている。境界膜部5の幅
はLで表され、またフリーマージン部3には存在するオ
イル6が図示されている。
【0013】また、図2において、コンデンサの電極と
なる金属蒸着膜部4は、隘路部8を有する保安機構マー
ジン部7によって分画されている。隘路部8は、コンデ
ンサの端子と電気的結合をとるための金属蒸着膜部9と
分画された金属蒸着膜部10の金属蒸着膜同士を電気的
に連絡している。
【0014】図2において、コンデンサの外部との電気
的結合をとるための金属蒸着部の幅a、保安機構マージ
ン部の幅b、保安機構マージン部の幅c、隘路部の幅d
は、コンデンサの容量、定格、分画された部分の面積、
蒸着膜抵抗等を考慮して、適切に保安機能が働くように
設計する。フリーマージン部の幅eは、十分な絶縁が取
れる長さであれば良く、定格電圧により決定する。
【0015】また、図3は分画された金属蒸着膜部が網
状になったパターンを例示しており、ここでは、保安機
構マージン部7、コンデンサの外部との電気的結合をと
るための金属蒸着部への隘路部8、および分画された金
属蒸着膜部間の網状パターンの隘路部11が示されてい
る。このパターンは図3の場合では4角形に設けられて
いる。
【0016】本発明で用いられる高分子フィルム2は、
天然樹脂、半合成樹脂あるいは合成高分子樹脂をフィル
ム状に成形したもので、中でも合成高分子樹脂からなる
高分子フィルムが、耐熱性、機械特性、電気特性および
物理化学的特性の点からより好ましく用いられる。
【0017】好ましい合成高分子樹脂としては、ポリオ
レフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネイ
ト樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポ
リアリレート樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂およ
びポリアリレン樹脂などを挙げることができる。特にポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
カーボネイトおよびポリスチレンが、機械特性および電
気特性の点からより好ましい。中でも、ポリプロピレン
およびポリエチレンテレフタレートが、交流耐電圧(A
C耐電圧)が高いことから特に好ましい。 フィルムの
厚さ、形状等は、フィルムの素材、コンデンサの仕様、
定格等によって異なるため、特に限定されないが、種々
の安全規格テストに耐え得る範囲内であれば、薄い方が
コンデンサの小型化が出来るため好ましい。
【0018】本発明において、金属蒸着膜部4は、金属
を高分子フィルム2上に蒸着することによって形成され
る。
【0019】金属蒸着膜部4を構成する金属としては、
Al、Zn、Cu、Ag、Au、Sn、Niあるいはこ
れらの合金など、導電性を有するものであれば特に限定
されるもないが、Al、Zn、CuおよびSnなどが、
耐コロナ劣化性が少なく好ましく用いられる。金属蒸着
膜部4の膜抵抗は、1〜15Ω/□が好ましく、特に2
〜12Ω/□が良い。膜抵抗が1Ω/□未満の場合は、
弱点部でヒーリングが発生した場合、蒸着膜が厚いが故
に、そのクリアリングに大きなエネルギーを要し、蒸着
金属の飛散が不十分となり、絶縁破壊が発生した弱点部
において十分な絶縁距離が確保できないため、クリアリ
ング不良から絶縁破壊を生じ易い。また、膜抵抗が15
Ω/□を超える場合は、逆に金属が薄いが故に生ずる膜
抵抗変化や、耐電流特性の点から好ましくない。
【0020】本発明の金属蒸着フィルム1においては、
金属蒸着膜部4とフリーマージン部3の間に境界膜部5
を有することが重要である。境界膜部5とは、図1に示
す如く、金属蒸着膜部4からフリーマージン部3にかけ
て、金属蒸着膜部4の蒸着膜の厚みがフリーマージン部
3へ連続的に低減していく状態の部位を指し、光学顕微
鏡で観察した場合、図1のように金属蒸着膜部4の暗い
部分からマージン部3の明るい部分にかけ、幅(L)が
0.02〜1mm、より好ましくはL:0.1〜0.5
mm、特に好ましくはL:0.2〜0.3mmをもっ
て、徐々に暗い部分から明るい部分へ明るさが変化する
領域がある状態の部位を指す。
【0021】従来のコンデンサ用金属蒸着フィルムの場
合、JIS C2319−1977(コンデンサ用メタ
ライズポリエステルフィルム)の4・3耳幅に規定され
ているように、蒸着金属膜の端に連続して不鮮明な箇所
があってはならないとされている。このため、マージン
を形成する従来法としては、蒸着される高分子フィルム
上にマスクとなるマージンと同じ幅のテープをはわせ未
蒸着部(マージン)を形成するテープマージン法が知ら
れており、この方法は、蒸着膜とマージンの境がはっき
りしたマージンが形成されることおよびプレス性が良い
ことから好ましく利用されてきた。また、他の方法とし
ては、蒸着膜に高分子フィルム上にマージンの幅にオイ
ルを蒸着し、オイル部に蒸着膜が付着しないことを利用
したオイルマージン法があるが、この方法の場合は、テ
ープマージン法と同様に、マージンとの境をはっきりさ
せるため(境界膜部5生じさせないため)、特公平3−
59981号公報のごとく、蒸着金属がより付着しにく
いフッ素系オイルが使用されている(特公平3−599
81号公報)。
【0022】本発明は、これら従来の技術とは全く逆に
境界膜部5を設けることによって、逆に安全規格コンデ
ンサのテストにある高い電圧の印加に対しても、破壊、
特にフリーマージン部と金属蒸着膜部の境界における高
分子フィルムの絶縁破壊を防ぎ得ることを見出し、なさ
れたものである。
【0023】境界膜部5は、フリーマージン部となる部
分にオイル塗布量を変えて塗布し、(即ち、金属蒸着膜
部に近い方はオイル塗布量を少なくなるよう)保安機構
マージン部や網状パターンは、その形状に彫刻したロー
ルにオイルをと塗布し、それをフィルムに転写させた
後、Al、Zn或いはその合金等の金属を蒸着し形成す
る。
【0024】本発明の金属蒸着フィルム1においては、
さらに図4に示すごとく、フリーマージン部3がオイル
6で覆われていることが好ましい。オイル6の量はわず
かなため定量化できないが、図4のごとく、金属蒸着フ
ィルム1を巻回または積層してコンデンサとした際の上
下の2枚の金属蒸着フィルム1、1の間のフリーマージ
ン部分が、オイル6で満たされること、より好ましくは
空気の層がないようになることである。この場合、オイ
ル6がコンデンサの含浸オイルと相溶することによって
オイルと含浸オイルによってフリーマージン部3が満た
され、空気の層がなくなることでも良い。つまり、フリ
ーマージン部3にオイルが存在し、コンデンサにしたと
き、金属蒸着フィルム1の間のフリーマージン部分が空
気層のないようにオイルで充満されることが好ましい。
【0025】本発明の金属蒸着フィルムの特徴である境
界膜部を生じさせ、金属蒸着フィルムの間のマージン部
分をオイルで充満させるため、および電気特性の点か
ら、オイルとしては、フッ素オイルまたはシリコーンオ
イルが好ましく用いられる。
【0026】フッ素オイルとしては、側鎖または直鎖タ
イプのパーフルオロアルキルポリエーテルが好ましく、
中でも分子量分布のシャープな側鎖タイプのフッ素オイ
ルが定量塗布でき、より好ましく用いられる。また、シ
リコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサンやメ
チルフェニルシリコーンオイルが好ましく、中でもフェ
ニル・メチル・ジメチル・ポリシロキサンが分子量分布
のシャープなことと、適度な蒸気圧を有することから安
定した塗布ができ、より好ましく用いられる。
【0027】シリコーンオイルとフッ素オイルの選択
は、蒸着金属の種類によって決定することができる。即
ち、蒸着金属がAlの場合は、蒸着金属の付着防止効果
の高いフッ素オイルを選択し、また蒸着金属がZnを主
体とする蒸着金属の場合は、金属の付着防止効果の比較
的低いシリコーンオイルを用いる等のように選択すれば
良い。
【0028】フッ素オイルを用いる場合は、その重量平
均分子量Mwは800〜5,000の範囲のものが好ま
しく、さらにMw:1,500〜4,200のものがよ
り好ましい。Mwが800未満のオイルは、金属蒸着後
に蒸着膜部へのオイルの滲みだしが発生し、プレス性を
阻害する要因となる。また、Mwが5,000を超える
ものは、オイルが高い粘性、低蒸気圧となるため、オイ
ル塗布の際マージンオイルノズルの加熱温度が高くな
り、均一に塗布し難い欠点が生じる場合がある。
【0029】また、本発明でいう保安機構マージン部と
は、誘電体フィルムが絶縁破壊した際、隘路部の蒸着金
属が破断し、絶縁破壊部のみをコンデンサより分離して
他部署への波及をなくするために設けたものである。こ
れを設けることにより、より薄い誘電体フィルムを用い
たコンデンサ設計ができ、コンデンサの小型化を可能と
ならしむるものである。保安機構マージン部の形状およ
び寸法は特に限定されるものではなく、コンデンサの設
計仕様により、適正な形状及び寸法を選択すれば良い。
本発明の保安機構マージン部の形成方法は、特に限定
されないが、特開昭63−114956号公報、特開平
6−136513号公報あるいは特開平4−22550
8号公報の方法のように、蒸着前に保安機構マージン部
の形状を彫刻したロールにオイルを塗布後それをフィル
ムに転写し、蒸着金属の付着を防ぎ、保安機構マージン
部を形成する方法が、多数の隘路部8の形状をより同一
にすることができる上で好ましい。
【0030】一般的なコンデンサ仕様で安全規格の厳し
い交流課電テストを行なった場合、絶縁体フィルムの破
壊はコロナの発生し易いマージン際で頻発するが、本発
明のように境界膜部を設けることでマージン際の破壊は
激減する。この場合、絶縁体フィルムの破壊は、コロナ
の発生し易い部分や、フィルムの絶縁耐力の弱い部分で
発生するが、金属蒸着膜部を分画し、保安機構マージン
部を設けることにより、絶縁破壊を起こした一部分のみ
がコンデンサの機能を失うのみで、他の部分はコンデン
サとして生き残ることができる。
【0031】このように金属蒸着膜部からフリーマージ
ン部にかけ金属蒸着膜厚が連続的に低減する幅0.02
〜1mmの境界膜部を有し、かつ金属蒸着膜部を分画
し、保安機構マージンを具備した金属蒸着フィルムを用
いたコンデンサは、高い耐電圧を有し、かつ破壊が起こ
りにくいため、高い電圧が印加される安全規格コンデン
サに特に適している。
【0032】[物性値の測定および評価方法] (1)境界膜部の幅 蒸着膜とマージン部の界面をNikon社製PROFI
LE PROJECTOR V−12を用い、50倍の
倍率で観察し、Nikon社製 DIGITAL CO
UNTER CM−6Sで読みとった。
【0033】(2)マージン部のオイルの重量平均分子
量(Mw) ゲル浸透クロマトグラフGPC−224(WATER
S)、検出器:示差屈折率検出器R−401(WATE
RS)を用いて測定し、分子量校正はポリスチレンで行
なった。
【0034】(3)マージン部のオイルの有無 XPS(ESCA)でマージン部を観測することによっ
て、オイルの存在を確認できる。
【0035】装置:SSI社製SSX−100−206 励起X線:monochromatized Al K
α1.2線(1486.6ev) 光電子脱出角度(θ):35° エネルギー補正:C1sメインピークの結合エネルギー
値を284.6evに合わせた。
【0036】なお、XPSは感度が良いため汚染による
オイルを検出することがあるが、マージン部がオイルで
覆われている場合は検出されたオイルからの信号が著し
く高く、汚染のオイルとは区別できる。
【0037】(4)耐電圧 完成素子を用い、AC1500V,1分間の電圧を印加
して素子の破壊および容量の変化等を調べた。
【0038】
【実施例】(実施例1、2、比較例1、2)実施例1で
は厚さ6μm、実施例2では厚さ7μmのポリプロピレ
ンフィルムを用い、図2のパターンをもつ、Al蒸着膜
からなる幅630mmの金属蒸着フィルムを作った。フ
リーマージン部3の幅e=2.0mm、分画された金属
蒸着膜部10の面積は945mm2、保安機構マージン
部の幅b=0.45mm、c=0.30mm、隘路部8
は一つの分画された金属蒸着膜部10に2個形成し、か
つ隘路部8の幅a=0.35mmで、隘路部を形作る保
安機構マージン部7の端部は直径0.45mmの半円状
とした。コンデンサの端子と電気的結合をとるための金
属蒸着膜部9の幅a=1.5mmとし、金属蒸着膜部は
総ての部分を6Ω/□とした。またマージン部の形成
は、重量平均分子量Mw=3200のパーフルオロポリ
エーテル(アウジモント(株)製フォンブリンYLVA
C)を用いた。 比較例1では、保安機構マージン部で
分画した部分のない蒸着で、その他は実施例1と同様の
条件で蒸着した。
【0039】比較例2では、厚さ8μmのポリプロピレ
ンフィルムを用い、境界膜部を作らず、かつ分画部分も
ない通常の蒸着で、その仕様は比較例1に準じた。
【0040】これらの蒸着品をスリット後、素子巻きを
行ない、約2μFの素子を作成した。この素子を用い、
105℃、60kg/cm2、6分の条件でプレス後、
メタリコン及びリード端子付けを行なった。この素子を
エポキシ樹脂で外装し、コンデンサを作成した。
【0041】各条件共この素子10個を用い、室温下で
AC1500V,1分間の印加テストを行ない、耐電圧
特性を評価した。これらの評価結果を表1に示す。
【0042】本発明から外れるため、ここでは記載して
いないが、適度な幅の境界膜部のみ、および保安機構マ
ージン部を有するのみの、何れかの特徴を有する金属蒸
着フィルムを用いたコンデンサは、厚さ8μmのフィル
ムでは破壊しないが、厚みを7μm以下に薄くすると総
て破壊する。
【0043】それに対し、フリーマージン部に適度な幅
の境界膜部を有し、かつ保安機構マージン部を有する金
属蒸着フィルムは、厚さを6μmにしても、過酷な耐電
圧試験において破壊しない優れた特性を有していること
が判る。
【0044】
【表1】 (実施例3、比較例3)実施例3では厚さ8μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを用い、蒸着条件およ
び寸法等の仕様は実施例1に準じた。比較例3は11μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、蒸着
条件等は比較例2に準じた。
【0045】これらの蒸着品をスリット後、素子巻きを
行ない、約1μFの素子を作成した。この素子を用い、
120℃、60kg/cm2、6分の条件でプレス後、
メタリコンおよびリード端子付けを行なった。この素子
をエポキシ樹脂で外装し、コンデンサを作成した。
【0046】実施例3、比較例3共にこの素子10個を
用い、室温下でAC1500V,1分間の印加テストを
行ない、耐電圧特性を評価した。これらの評価結果を表
2に示す。
【0047】
【表2】 表2から明らかなように、本発明の金属蒸着フィルムを
用いたコンデンサは、大幅に厚みを薄くしても、過酷な
耐電圧試験において破壊することなく、高い耐電圧を有
する優れた特性を持つことが判る。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、金属蒸着膜部からフリ
ーマージン部にかけ、連続的に低減する幅0.02〜1
mmの境界膜部を設け、かつ保安機構マージン部で金属
蒸着部を分画する金属蒸着フィルムとしたことにより、
これをコンデンサに用いた場合、極めて高い耐電圧を有
する信頼性の高いコンデンサを提供することができ、ひ
いては、コンデンサの小型化に寄与できる。
【0049】また、安全規格コンデンサに課せられる高
電圧印加に対しても、マージン際での破壊が起こらず、
コンデンサの小型化ができ、かつ極めて高い安全性を有
したコンデンサを作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様例である金属蒸着フィル
ムの概略断面図。
【図2】 図1の概略平面図。
【図3】 分画された金属蒸着膜部の形状が網状の未蒸
着部で囲まれた形状であるパターンの概略平面図。
【図4】 本発明の金属蒸着フィルムを巻回または積層
してコンデンサとした際のモデル概略断面図。
【符号の説明】
1:金属蒸着フィルム 2:高分子フィルム 3:フリーマージン部 4:金属蒸着膜部 5:境界膜部 6:オイル 7:保安機構マージン部 8:隘路部 9:コンデンサの外部との電気的結合をとるための金属
蒸着膜部 10:分画された金属蒸着膜部 11:網状パターンの隘路部 a:コンデンサの外部との電気的結合をとるための金属
蒸着部の幅 b:保安機構マージン部の幅 c:保安機構マージン部の幅 d:隘路部の幅 e:フリーマージン部の幅 L:境界膜部の幅

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルムの少なくとも片面に、表
    面抵抗1Ω/□〜15Ω/□の電極となる金属蒸着膜部
    と表面抵抗1x1010Ω/□以上のフリーマージン部、
    および該金属蒸着膜部と該フリーマージン部の間に該金
    属蒸着膜部より該マージン部にかけ金属蒸着膜厚が連続
    的に低減する幅0.02〜1mmの境界膜部を有し、か
    つ該金属蒸着膜部を分画し、分画された金属蒸着膜部同
    士、または該分画された金属蒸着膜部と外部との電気的
    結合をとるための金属蒸着膜部とを電気的に結合するた
    めの隘路部、若しくは分画された金属蒸着膜部同士を結
    合するための隘路部を有する保安機構マージン部を備え
    たことを特徴とする金属蒸着フィルム。
  2. 【請求項2】 境界膜部の幅が0.1〜0.5mmであ
    ることを特徴とする請求項1記載の金属蒸着フィルム。
  3. 【請求項3】 フリーマージン部および保安機構マージ
    ン部が、オイルで覆われていることを特徴とする請求項
    1または2記載の金属蒸着フィルム。
  4. 【請求項4】 オイルがフッ素オイルまたはシリコーン
    オイルであることを特徴とする請求項3記載の金属蒸着
    フィルム。
  5. 【請求項5】 シリコーンオイルがジメチルポリシロキ
    サンオイルまたはメチルフェニルシリコーンオイルであ
    ることを特徴とする請求項4記載の金属蒸着フィルム。
  6. 【請求項6】 フッ素オイルの重量平均分子量が800
    〜5,000の範囲にあることを特徴とする請求項4ま
    たは5記載の金属蒸着フィルム。
  7. 【請求項7】 分画された一つの金属蒸着膜部と該金属
    蒸着膜部と隣接した他の一つの分画された金属蒸着膜部
    とを電気的に連絡するための隘路部、または分画された
    一つの金属蒸着膜部と外部との電気的結合をとるための
    隘路部が二つ以上あることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の金属蒸着フィルム。
  8. 【請求項8】 分画された金属蒸着膜部の形状が網状で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    金属蒸着フィルム。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の金属蒸
    着フィルムを用いてなるコンデンサ。
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