JP2001091519A - 自動分析装置 - Google Patents

自動分析装置

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JP2001091519A
JP2001091519A JP27033599A JP27033599A JP2001091519A JP 2001091519 A JP2001091519 A JP 2001091519A JP 27033599 A JP27033599 A JP 27033599A JP 27033599 A JP27033599 A JP 27033599A JP 2001091519 A JP2001091519 A JP 2001091519A
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JP27033599A
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English (en)
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Tomoaki Tamura
知明 田村
Tadashi Haga
匡 羽賀
Masaki Akutsu
昌樹 阿久津
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検体を自動的に再検査することが可能な自動
分析装置で、測定結果に対する確認、および試薬起因も
しくは検体起因のデータ変動要因を明確にできる手段を
提供し、また、検査の信頼性および検体素性の明確化の
達成、さらには検査の効率化を達成する。 【解決手段】 装置1は、測定値を予め定めた所定値と
比較し再検査が必要と判断したときに、自動にその検体
を再検査することが可能で、予め装置1内に具備された
検体前処理試薬を用いて該当検体を自動的に前処理して
再検査を実施する。これまで明確化できなかった試薬起
因、検体起因のデータ変動要因を再検により明確にする
手段を提供し、検査結果の信頼性および検体素性の明確
化を達成することを可能にし、検査の効率化、無駄な再
検の削除を実現でき、検査室の経済性向上を達成するこ
とを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動分析装置、よ
り詳しくは、自動で再検査することが可能な自動再検査
機能を有する分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】検体を分析してデータを得る分析装置に
おいて、測定結果に応じて再検査(再検)を実行させる
よう、自動再検査(自動再検)機能を具備せしめるよう
にする技術は、従来既知である。
【0003】たとえば、特開平10−282112号公
報(文献1)や(特開平1−196569号公報(文献
2)には、自動再検を行うに当たり、測定結果に基づ
き、再検時の検体の希釈倍を設定する方法(同文献
1)、再分析項目を新たに設定する方法(同文献2)が
報告されている。要約すると、従来の自動化技術による
再検査は、特異反応の反応力をさらに詳細に定量化した
り、測定の失敗をやり直したりする、というものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、自動再検機
能によると、測定値として、予め設定した正常値を外れ
たデータや異常レベルデータが出現した場合に、それに
応じて、検体を希釈して再検を可能にし、あるいは再分
析項目による再検の実行を可能にする等、適切な自動分
析が期待できるところ、以下のような観点からさらに考
察を進めると、従来の既知の自動再検によっては、そう
したデータ変動要因等の明確化をすることができず、特
に、一層の精密測定、高感度測定が要求されるとき、自
動分析装置としてこれに対応できない場合がある。
【0005】(イ)たとえば、抗原抗体反応を用いる項
目においては、その試薬の組成により、血清中の共存物
質(たとえば、自己抗体やHAMA(ヒト抗マウス抗
体))のような本来の分析すべき物質とは異なる非特異
的反応を引き起こす物質によって真の値を示すことがで
きない場合がある。このような現象においては、たとえ
ば前掲文献のように、単純に検体を希釈したり、通常用
意されているような他の分析項目の測定の実施によって
も原因を明確化できない。このことは、従来の自動分析
技術が、あくまで特異反応が何物にも妨害されないとい
う前提、或いは偽りの反応が決して起こらないか偽りの
反応が有意な結果をもたらさないという前提に立ってい
るからである。これらの前提に立った自動分析装置は、
分析すべき物質以外の物質による偽りの反応を、本来の
分析すべき物質による特異反応と判断した上で、再検査
してしまう。このような偽りの反応が介在すると、実際
には分析すべき物質が存在しなかった場合(たとえば、
存在すること自体が「陽性」と判断されるようなウイル
ス、細菌、アレルギー原因物質、癌遺伝子、毒物等の物
質)や許容範囲であった場合(たとえば、存在すること
自体は許容し得るが存在量が異常に多い場合に「陽性」
と判断されるような酵素、ホルモン、電解質、免疫グロ
ブリン、栄養素等の物質)でも、「陽性」と判断される
可能性がある。誤って「陽性」と判断された健常人、ペ
ット、家畜、食用植物等は、治療等の負担を強いられた
り、院内感染や評判低下等の危険に晒される。
【0006】(ロ)しかるに、市場要求としては、さら
なる精密測定、高感度測定が望まれており、試薬による
非特異反応、共存物質による非特異反応の有無が生じて
いるか否かを容易に確認する手段も求められている。
【0007】(ハ)よって、望ましいのは、検体を自動
的に再検査することが可能な自動分析装置であって、測
定結果に対する確認、および試薬起因もしくは検体起因
のデータ変動要因を明確にできる手段を提供しうること
であり、望ましいのはまた、検査の信頼性および検体素
性の明確化の達成、さらには検査の効率化を達成しうる
ことである。
【0008】以上より、本発明は、上記考察に基づき、
また後述する考察にも基づき、さらに一歩を進めて、検
体を自動的に再検査することが可能な自動分析装置で、
測定結果に対する確認、および試薬起因もしくは検体起
因のデータ変動要因を明確にできる手段を提供しようと
いうものであり、また、検査の信頼性および検体素性の
明確化の達成、さらには検査の効率化を達成しようとい
うものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用、効果】本発明
によって、下記の自動分析装置が提供される。すなわ
ち、測定値を予め定めた所定値と比較し再検査が必要と
判断したときに、自動にその検体を再検査することが可
能な自動分析装置で、分析すべき物質と反応するような
検体前処理試薬を予め装置内に具備し、この検体前処理
試薬を用いて該当検体を自動的に前処理し、再検査を実
施する自動分析装置である。
【0010】本発明においては、該当検体の再検査を単
純にやり直すのではなく、測定結果に対する確認および
該当検体の素性を明確化等することを狙いとし、かつま
た、この操作を検査担当者の手を煩わせることなく自動
で行わしめる。これがため、該装置は、測定値を予め定
めた所定値と比較し再検査が必要と判断する手段、およ
び自動にその検体を再検査する手段とを有して、予め装
置内に具備された検体前処理試薬を用いて該当検体を自
動的に前処理し、再検査を実施する。この前処理検体を
自動的に予め設定された分析項目で再検査を実施するこ
とができ、前処理液は、具体的には、非特異反応を抑制
する、もしくは該当反応物質を中和する物質を含むこと
ができるため、処理方法および前回値との比較により、
得られた測定値の真偽を確認できると共に、その検体中
に含まれる反応系に影響を与える物質を推定することが
できる。
【0011】よって、本発明によれば、これまで明確化
できなかった試薬起因、検体起因のデータ変動要因を再
検により明確にする手段を提供し、検査結果の信頼性お
よび検体素性の明確化を達成することを可能ならしめ
る。加えて、副次的に、検査の効率化(確認試験工数の
削減、追試験数の低減)、無駄な再検の削除(クロスチ
ェック項目の再検査の防止)を実現でき、検査室の経済
性向上をも達成することを可能ならしめる。特に、本来
「陰性」と判断されるべき被験者等が、誤って「陽性」
と判断されるのを迅速に防止できるので、被験者等の負
担や危険を解消できる。
【0012】この場合において、好ましくは、前記再検
査の結果より、該当検体の再検査理由を報告する構成と
して、本発明は好適に実施でき、同様にして、上記のこ
とを実現することを可能ならしめる。
【0013】また、前記再検査の際、測定値と予め定め
た所定値との比較に応じて、再検査時の分析条件を変更
可能な構成として、本発明は好適に実施でき、同様にし
て、上記のことを実現することを可能ならしめる。
【0014】さらにまた、本発明の好適実施例による
と、測定項目は、これを、抗原抗体反応を用いる測定系
として、本発明は好適に実施でき、同様にして、上記の
ことを実現することを可能ならしめる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の装置を詳細に説明する
と、大きく2つの態様が考えられる。その一つの態様
(図1)は、検体および分析用試薬を混合反応させるた
めの分析用反応部と、再検査すべき検体および検体前処
理用試薬を混合させるための前処理反応部と、所要の前
処理反応時間後に前処理反応部から分析用反応部へ前処
理反応させた液体を移すための液体移送手段と、前処理
反応の有無に応じて分析用反応部における分析用試薬に
よる混合反応の結果を測定する測定部とを備えたことを
特徴とする自動分析装置である。ここで、前処理反応部
は、検体と検体前処理用試薬とを反応させる容器を配置
しているが、予め配置された容器の少なくとも一部を前
処理用とし、この容器に検体前処理試薬を供給するよう
にしてもよいし、予め液状または固相状態で検体前処理
試薬を収容させた前処理用容器を、前処理反応部に予め
必要個数だけ配置しておくか必要に応じて順次搬送させ
るようにしてもよい。また、検体前処理試薬は、検体を
予め収容する容器に加えるようにしてもよいし、検体と
同時にまたは前後に容器に供給するようにしてもよい。
場合によっては、検体前処理用試薬を予め収容した容器
に検体を加えるようにしてもよい。また、前処理反応部
としては、反応容器や分注用ノズルが挙げられるが、管
状流路等でもよい。前処理反応に用いる容器やノズル等
は、予め検体前処理用試薬を内面に塗布したり、ビーズ
やフィルタ等の担体に固定したものでもよい。ただし、
前処理反応が適度に進行するまでの間は分析用試薬と共
存しない方が好ましいので、前処理反応部には、分析用
試薬としての固相試薬を収納または塗布しないようにす
る。また、分析用反応部は、前処理用反応部と異なる収
容部分を有するが、別体として配置されたものであって
もよいし、一体的に配置されたものであってもよい。こ
の態様では、前処理反応が適度に進行した後の検体を、
前処理反応部から分析用反応部へと移し替る液体移送手
段が必要となる。検体と検体前処理用試薬が共に液状で
ある場合には、これらの混合液を分析用反応部へ移送す
る。液体移送手段としては、移動可能なアームと、アー
ムに取り付けたノズルと、ノズルに連通した吸排チュー
ブと、吸排チューブに連通したシリンジ等を具備した公
知の分注手段を使用できるが、前処理反応部がノズルや
管状流路の形態を有している場合には、液体移送手段と
組み合わせた構造であってもよい。測定部は、分析する
試薬の種類に応じて適宜の構成が選ばれる。本発明の別
態様(図2)は、検体および分析用試薬を混合反応させ
るとともに再検査すべき検体に対しては予め検体前処理
用試薬と混合反応させてから分析用試薬と混合反応させ
るための分析用反応部と、分析用反応部に対して検体前
処理試薬の有無に応じて時間差を設けて分析用試薬を供
給する試薬供給時機制御部と、前処理反応の有無に応じ
て分析用反応部における分析用試薬による混合反応の結
果を測定する測定部とを備えたことを特徴とする自動分
析装置である。ここで、分析用反応部は、検体および検
体前処理用試薬ならびに分析用試薬を収容可能な容器、
分注ノズル、管状流路等である。分析用反応部には、予
め検体前処理用試薬を収容させた状態で検体を分注して
もよいし、逆に、検体を予め収容させた状態で検体前処
理用試薬を分注するようにしてもよい。分析用反応部に
おいては、予め検体前処理試薬を液状または固相状態で
収容させた容器を配置して分析を行う場合には、検体前
処理試薬を収容した容器を予め必要個数だけ配置してお
くか、必要に応じて順次搬入させる構成にしてもよい。
試薬供給時機制御部は、検体および分析用試薬のみによ
る通常分析と検体および検体前処理試薬ならびに分析用
試薬による再検査の分析とで、検体を収容する分析用反
応部へ異なる時機に分析用試薬を供給するように制御す
るものである。すなわち、分析用反応部が、分注手段に
よって分析用試薬を供給する構成の場合には、検体と検
体前処理用試薬による混合反応が適宜進行した時点で、
分析用試薬を追加分注し、適宜の反応時間後に反応結果
を測定する。また、分析用反応部が、吸引機構と一体化
し得るノズルや浸漬時に所望量の液体を保持し得るキャ
ピラリ、フィルタ等の場合には、分析用反応部を分析用
液体中に侵入させる時機を同様に異ならせる制御を行う
ことにより、分析用反応部への試薬供給時機を制御する
ものである。なお、分析用試薬が、酵素結合試薬を用い
る免疫測定(たとえば、FIA、CLIA、EIA等)
のように段階的に複数の反応を伴う場合には、検体中の
被測定物質と直接反応するリガンドを含まない試薬(た
とえば、酵素活性測定用試薬等)を、分析用反応部に収
容させた状態で前反応を実行したり、検体および検体前
処理用試薬による反応中ないし反応前に供給するように
してもよい。これら、2つの態様は、好ましくは、全体
を制御する制御部と接続し、種々の組み合わせの分析項
目(たとえば、HBs抗原、HIV抗体等の感染症や癌
性タンパク等)を選択的に分析処理させ、出力手段(表
示画面、プリンタ等)によって分析結果を出力するよう
に構成する(図1,2)。以下、本発明の実施の形態を
図面に基づき説明する。図3〜図5は、本発明の一実施
例を示すもので、このうち、図3は、本実施例(第1実
施例)に係る自動分析装置の構成の一例を示し、また、
図4は適用できる反応容器の一例を示し、図5は、通常
検査と、前処理(中和試験)を伴う再検査の一例の説明
に供する図である。
【0016】図3中、1は自動分析装置を示す。本実施
例装置1は、ここでは、反応ターンテーブル10(反応
テーブル)の周囲に、反応容器移送部20、検体供給部
30、第1および第2の試薬供給部40,60、第1お
よび第2の攪拌部50、70、ならびに計測部80を、
それぞれ図示のごとくに配して構成することができる。
【0017】装置1は、さらに、図示しない制御部を備
えると共に、検査の結果得られる分析データ等の各種情
報を知らせるため、たとえばディスプレイ、プリンタ等
の出力手段(図示せず)等を含んで構成することができ
る。これら図示の、または不図示の各構成部分は、本装
置1の制御を司る該制御部の制御のもと、所定の分析項
目(測定項目として、抗原抗体反応を用いる測定系によ
る項目を含む)に応じた順序で動作制御されるものとす
ることができる。ここに、制御部は、装置コントローラ
として、コンピュータを含んで構成され、各種入力情報
の入力検出回路と、演算処理回路(CPU)と、該演算
処理回路で実行される制御プログラム、および各種演算
結果等を記憶格納する記憶回路(RAM、ROM)と、
上記した反応ターンテーブル10を初めとする各機構部
を含む被制御対象への制御用の信号等の送出をする出力
回路等などで構成することができる。
【0018】図3において、反応ターンテーブル10
は、真円状のテーブルで構成され、分析用反応部として
の多数の反応容器11をその外周近くの同一円周上に保
持して所定の動作タイミングで移送するよう、その回転
方向(図中の矢印は、半時計回り方向を示してある)、
回転量等を制御される。
【0019】反応容器移送部20は、反応容器ストッカ
ー21と移送器22とを有する。該ストッカー21の取
り出し位置に位置出しされた反応容器11は、これを移
送器22により反応ターンテーブル10の所定位置に供
給することができる。本実施例では、使用する反応容器
11は、角形のキュベットであり、供給された反応容器
11に、検体、試薬を順番に分注させるようすることが
できる。
【0020】検体供給部30は、反応容器11に検体を
供給する供給部であり、検体を収容した複数の検体容器
31を保持可能な検体保持部32と、先端側にノズル部
を有する分注器(検体分注器)33とを備える構成とす
ることができる。ここでは、検体保持部32が順次搬送
されてきた場合において、分注器33は、該保持部31
上の検体容器31から検体をノズルによって吸引して所
定量分取し、図示のごとくに回動して反応ターンテーブ
ル10上の反応容器11に移送し、検体の分注を行う。
【0021】第1試薬供給部40は、反応容器11に試
薬を供給する供給部である。これは、真円状の試薬ター
ンテーブル(試薬テーブル)41と、先端側にノズル部
を有する分注器(試薬分注器)42とを備える構成のも
のとすることができる。試薬ターンテーブル41上に
は、その外周円周上位置に、所望の複数の分析項目に対
応する各種の所定試薬を収容した試薬収容容器43(第
1試薬収容容器)を保持しておくことができる。ここ
に、第1試薬R1として、酵素標識試薬を配置してある
ものとする。分注器42は、前述した装置制御部による
指示・制御のもと、該当する試薬収容容器43から試薬
を所定量分取して、分注を行うことができる。
【0022】かくて、反応ターンテーブル10が回転し
て、該薬供給部40に臨む対応位置に移送されてきて停
止せしめられた当該反応容器11に、第1試薬供給を行
うことができる。
【0023】反応容器11に試薬を供給する第2試薬供
給部60も、基本的には、第1試薬供給部40と同様の
構成をもって実現でき、真円状の試薬ターンテーブル
(試薬テーブル)61と、先端側にノズル部を有する分
注器(試薬分注器)62とを備える。したがって、試薬
ターンテーブル61の外周円周上位置に、分析項目に対
応する所定の試薬を収容した試薬収容容器63(第2試
薬収容容器)を複数保持しておくことができ、ここで
は、第2試薬R2として、発光試薬を配置してある。分
注器62も同様にして、装置制御部による指示・制御の
もと、該当する試薬収容容器63から試薬を所定量分取
し分注を行うことができる。
【0024】かくて、第1試薬供給部40による第1試
薬分注の後、反応ターンテーブル10の回転に伴い、該
試薬供給部60に臨む対応位置に移送されてきて停止せ
しめられた当該反応容器11に対し第2試薬供給を行う
ことができる。
【0025】ここに、図示例では、該反応容器11は、
第1試薬分注後で第2試薬供給工程に至るまで途中、反
応ターンテーブル10に沿って設けた図示の第1の攪拌
部50によってその容器中の液の攪拌を行うことがで
き、また、該第2試薬供給後、計測部80による測定工
程に移行させる前に、同じく、反応ターンテーブル10
に沿って設けた図示の第2の攪拌部70によってその容
器中の液の攪拌を行うことができる(なお、後述のよう
に、反応容器11に関する固相化を、固相ビーズを利用
する態様で実現する場合には、固相ビーズが、反応ター
ンテーブル10の回転・停止により容器内を移動しうる
結果、その回転・停止に伴って反応液の攪拌がされうる
ので、攪拌のための専用機構として上記攪拌部50,7
0を別途設けることなく、それらは省略することが可能
となる)。
【0026】計測部80は、検体の測定対象物を計測す
る手段で、たとえば、上記酵素標識試薬と発光試薬によ
る発光反応を利用する場合は、反応容器11を反応ター
ンテーブル10上から反応容器移送機構(不図示)によ
り計測部80に移送した後、該計測部において、その酵
素標識試薬(R1)と発光試薬(R2)との発光反応に
基づく発光量の計測を行い、その計測値を得ることがで
きる。しかして、検査が終了し、計測し終わった反応容
器11は、計測部80より除去される。
【0027】以上のごとく、基本的には、検体供給部3
0による検体分注,第1試薬供給部40による第1試薬
分注,第2試薬供給部60による第2試薬分注,計測部
80による計測により検査を実施することができるが、
本実施例では、さらに、かかる機能(通常検査)の他、
これに加えて自動再検査機能を具備させるものとし、こ
こでは、該当検体の再検査を単純にやり直すのではな
く、測定結果に対する確認および該当検体の素性を明確
化することを目的とし、かつこの操作を検査担当者の手
を煩わせることなく自動で行うことができるようにする
べく、本装置1は、上述のごとく計測部80で計測値を
値Y1として得た場合において、その測定値Y1を予め
定めた所定値Ythと比較し再検査が必要と判断したと
きに、自動にその検体を再検査するように、しかもま
た、その際、予め装置1内に具備された検体前処理試薬
を用いて該当検体を自動的に前処理するようにして、再
検査を実施する。
【0028】このため、本実施例装置1にあっては、不
図示の既述の制御部は、測定値Y1を得たとき、さらに
これを所定値Ythと比較し、再検査が必要か否かを判
断する処理をも実行するようにし、該制御部における既
述の記憶回路には、上記所定値Ythに関するデータも
予め格納されていると共に、該比較、判定処理を含め
て、前処理を伴う再度の検査を自動的に遂行させるよう
制御する制御プログラムも予め格納してある。
【0029】ここに、前処理のための試薬に関しては、
図3図示のように、たとえば、前処理用試薬を収容した
前処理用試薬収容容器45を第1試薬供給部40におけ
る試薬ターンテーブル41上に設けて、再検査が必要と
されたときの前処理時に、該ターンテーブル41上から
前処理用試薬分注も行えるようになす。また、前処理用
試薬収容容器45は、これを一以上配置しておくことが
できる。
【0030】図示例では、ターンテーブル41の外周に
は酵素標識試薬R1を配置してあり、前処理用試薬(検
体前処理試薬)を内周側に配置してある態様を示すが、
それらの配置の態様は、図示例のような二重の円ではな
く、同一の円周上に配置するものでもよい。これによっ
ても、反応ターンテーブル10上の反応容器11への必
要な前処理用試薬分注は行え、該試薬供給部40は、前
処理用試薬供給部も兼ねることとなる。このように試薬
供給部40を兼用する構成は、前処理用試薬と酵素標識
試薬R1とが互いに反応しない関係にあることで、これ
ら試薬間のコンタミネーションが実質的に問題にならな
いという事情を巧みに利用したものである。前処理用試
薬と酵素標識試薬R1とを別個のターンテーブルないし
適宜の試薬格納部に配置して、共通の試薬供給部40が
選択的な供給を行うように構成してもよい。なお、前処
理用試薬収容容器45は、第2試薬供給部60における
ターンテーブル61側に配置してもよく、その際、外周
側に発光試薬を、内周側に前処理用試薬を配置する配置
態様でもよいし、それらを同一の円周上に配置する配置
態様でもよく、この場合は、該試薬供給部60が前処理
用試薬供給部も兼ねることとなる。このように試薬供給
部60を兼用する構成は、前処理用試薬と第2試薬(発
光試薬等)とが互いに反応しない関係にあることで、こ
れら試薬間のコンタミネーションが実質的に問題になら
ないという事情を巧みに利用したものである。前処理用
試薬と第2試薬とを別個のターンテーブルないし適宜の
試薬格納部に配置して、共通の試薬供給部60が選択的
な供給を行うように構成してもよい。
【0031】また、ここでは、反応容器11として、通
常検査での反応容器(図4(a))とは別に、前処理で
使用するための反応容器(図4(b))を前処理反応部
として用意し、該前処理用反応容器に対する検体分注と
前処理用試薬分注とによる混合反応(前処理反応)を、
事前に当該反応容器内で行わせると共に、一旦そうして
前処理した後の前処理検体の移し替えのための移し替え
用分注器90を図3図示のごとくに設ける。
【0032】本実施例において、測定値Y1を予め定め
た所定値Ythと比較し再検査が必要と判断する手段
(たとえば、図5(e))、および自動にその検体を再
検査する手段は、上記制御部を含んで構成されると共
に、上記のような前処理用反応容器の反応ターンテーブ
ル10上への供給、該前処理用反応容器に対する検体供
給部30での検体容器31からの検体分注ならびに前処
理用試薬供給部での前処理用試薬収容容器45からの前
処理用試薬分注、移し替え用分注器90による移し替え
用分注なども、該制御部による制御下で実行され、これ
により、装置1内に具備された検体前処理用試薬を用い
て該当検体を自動的に前処理し、前処理検体を自動的に
予め設定された分析項目で再検査を実施する。
【0033】この場合において、好ましくは、装置1の
制御部は、前述の出力手段を通し、さらに、上記再検査
の結果より、該当検体の再検査理由を報告する処理をも
実行し(たとえば、図5(j))、好ましくはまた、上
記再検査の際、測定値Y1と予め定めた所定値Ythと
の比較に応じて、再検査時の分析条件を変更可能な変更
処理をも実行するようになす。
【0034】図4,5以下をも参照してさらに説明する
に、図4(a),(b)に示すように、本実施例では、
使用する反応容器11(角型のキュベット)は、固相化
したものの反応容器11aと、固相化しないものの反応
容器11bとを備えることができる。
【0035】固相化した反応容器11aは、たとえば、
図4(a)のように容器内面(底面および/または側面
下部)に、検体の測定対象物(図5の例、および後記適
用例1では、HBs抗原)と特異的に結合反応する固相
試薬(図5の例、および後記適用例1では、HBs抗
体)を予めコーティングすることによって得ることがで
き、該反応容器11aは、通常の検査工程(図5(a)
〜(d))と、再検査における前処理検体の移し替え以
降で使用する反応容器として用いることができる(図5
(g)〜(i))。一方、固相化しない非固相の反応容
器11bは、図4(b)のように、そうしたコーティン
グが施されていないものである。これにより、該反応容
器11bは、前処理で用いることができ、図5(f)に
例示するような、前処理による中和反応(中和試験)は
そのような非固相のキュベット内で適切に行わせること
ができる。なお、固相化は、上記に限らず、たとえば、
測定対象物と特異的に結合反応する固相試薬をビーズ状
にしたもの(固相ビーズ)を別途用意し、これを検体が
分注される反応容器内に投入することで、実現するよう
な方法を採用してもよい。この場合においては、前述し
た利点のほか、さらに、通常検査でも、前処理の場合で
も、使用反応容器自体として、使用すべきものは、図4
(b)のもの1種類で足りることとなり、部品管理等の
面でも有利となる。
【0036】図3をみると、図5(a)〜(d)の工程
が、検体の通常検査を表し、同図(e)に続く(f)以
降の工程が、再検査必要と判断された場合の、本前処理
を伴う再検査の工程を表す。図5の模式図中、Mxは検
体の測定対象物(たとえば、HBs抗原)によるもの
を、また、RxはMxと特異的に結合反応する固相試薬
(ここでは、HBs抗体)で、反応容器11aに固相化
したものを、それぞれ意味するものとする。
【0037】通常検査では、図(a)のように、使用す
る反応容器11aは、Rx(HBs抗体)で固相化した
ものである。反応容器11aに検体を分注すると、検体
がMx(HBs抗原)を有する場合は、その検体由来の
Mx(HBs抗原)が、図(b)のように、Rx(HB
s抗体)と反応することになる。
【0038】次に、図(c),(d)では、第1および
第2の試薬(R1,R2)分注がなされている。ここで
は、図(c)で、酵素標識試薬分注により、酵素標識試
薬(R1)に関し、図示のような結合が生じ、さらに、
図(d)で発光試薬分注が行われると、発光反応により
図示のように発光試薬(R2)が発光する(陽性)。こ
こに、図(c),(d)のごとくに、発光反応では立体
的に結合したR1でしか発光しない性質を持つ結果、本
例のように検体中に測定対象物Mx(HBs抗原)があ
れば、それは図(d)のような状態(陽性)をもたらす
が、もし、検体中に測定対象物Mx(HBs抗原)が無
いときには立体的に結合しないので発光試薬(R2)は
光らない(陰性)。
【0039】図(a)→(b)→(c)→(d)の工程
で測定結果が得られた後、図(e)の工程で、さらに得
られた測定値Y1を所定値Ythと比較し、再検査が必
要か否かを判断する。その結果、再検査が必要と判断さ
れなかったなら、再検査不要としてそのまま検査を終了
することができる一方、再検査が必要と判断したとき
は、図(f)の工程にすすみ、以下図(f)→(g)→
(h)→(i)により前処理用試薬を用いて該当検体を
自動的に前処理して再検査が行われる。
【0040】ここで、かかる工程における前処理の基本
的な考え方を述べておくと、これは、次のように説明で
きる。本発明に従う前処理で用いる前処理液は、試薬に
よる非特異反応、共存物質による非特異反応の有無が生
じているか否かを確認しうるようにし、得られた測定値
Y1の真偽を確認でき,あるいはまた対象検体中に含ま
れる反応系に影響を与える物質を推定しうるようにする
との点から、事前に、非特異反応を抑制するか、もしく
は該当反応物質を中和する物質を含むものとして選定す
ることができる。
【0041】したがって、たとえば、抗原抗体反応を用
いる測定系でいうなら、抗原検出をする場合、もしくは
抗体検出をする場合に、抗原に対しては抗体を、抗体に
対しては抗原を、それぞれ含有するものを前処理用試薬
として使用することができる。これにより、いわゆる中
和試験(中和反応)によって、該前処理段階で(あえ
て)活性をなくすようにすることができる。
【0042】このようにするのは、もし、たとえば、検
体の抗原(HBs抗原)検査のための測定による結果
(測定値Y1)が、抗原抗体反応で抗原の存在を示すも
のとして得られた場合において(図5(a)〜
(d))、その検体に対する上記前処理によって、事前
に反応(中和)を起こした上で、従って中和させた状態
で、再び検査を実施したところ、その再検査結果(測定
値Y2)が、上記通常検査による抗原の存在を示す旨の
測定結果(測定値Y1;陽性)から、抗原を検出しない
旨の結果への転換(陰性化)がみられたときは(図5
(f)〜(i))、前回の通常検査による測定結果(測
定値Y1)は、確かに,検体由来の抗原(HBs抗原)
の存在によるものであったことの確認ができ、他方、再
検査結果(測定値Y2)が依然として抗原の存在を示す
旨の測定結果(測定値Y1)と等価の結果を示したとき
は、共存物質または非特異的物質の存在によるものであ
ったことの確認ができるとの着想に基礎を置くものであ
る。したがって、上記前処理を伴う再検査の意味すると
ころは、再検査では、わざと反応が起こらないようにし
て(もしくは、起こりにくくなるようにして)、そし
て、そのように起こらないようになった(もしくは、起
こりにくくなるようになった)かどうかを、みることを
意味しており、したがって、該当検体の再検査を単純に
やり直すのではないことを意味する。なお、前処理用試
薬が、分析用試薬との反応を実質的に起こらないように
検体中に含まれる分析すべき物質の殆ど全てと反応して
しまう程に強力または十分量である場合には、再検査に
おいて抗原を検出しない旨の結果が得られる。しかし、
前処理用試薬が、分析すべき物質との全反応量の一部の
割合だけを進行させたり分析すべき物質の反応力を抑制
したりして、分析用試薬との反応量も部分的に残るよう
な少量または脆弱である場合には、再検査において抗原
を検出するが、検出される量が有意に減少された結果が
得られる。
【0043】図5(f)ないし(g)では前処理を行っ
ており、図(f)以降の模式図中、Rpは、上記観点か
ら選定された前処理用試薬で、事前に中和を起こさせる
べく含ましめられたもの(ここでは、HBs抗体)を意
味する。図(f)のように、前処理では非固相の反応容
器11b中に、再検査対象となった該当検体と、前処理
用試薬として中和用試薬(HBs抗体)とが分注され
る。
【0044】ここに、前処理用の反応容器11bは、図
(a)〜(d)の場合のようには固相試薬(Rx)は存
在しない容器であり、前処理に当たっては、反応容器1
1bが反応容器移送部から反応ターンテーブル10上に
供給され、その供給された反応容器11b対して、検体
供給部30による検体容器31からの検体分注と、前処
理用試薬供給部を兼ねた試薬供給部40による試薬ター
ンテーブル41上の前処理用試薬収容容器45からの中
和用試薬分注とが実行される。したがって、ここで、該
当検体が、真に、測定対象物Mx(HBs抗原)を有す
るものであれば、その検体由来のMx(HBs抗原)
は、この前処理段階で、図(f)図示のように、中和用
試薬中のRp(HBs抗体)と反応(中和)することと
なる。
【0045】ここに、再検査の際、測定値Y1と予め定
めた所定値Ythとの比較に応じて、再検査時の分析条
件を変更可能とする処理をも加味しようとするときは、
たとえば、中和試験に適用する中和用試薬(前処理用試
薬)自身の濃度、もしくは分注量を対象とし、これを、
得られた測定結果に応じて変えるようにすることができ
る。具体的には、たとえば、非常に高い測定値Y1であ
った場合は、中和用試薬を多くし、もしくは濃くして適
用するようにし、他方、余り高くはないが「再検査」と
判断された場合には、中和用試薬を少なくし、もしくは
薄めて適用するようにする。よって、測定値Y1の高低
に応じて濃度等を変えるというような分析条件の変更は
有効であり、その分、よりきめ細かで良好な再検査結果
がえられることとなる。なお、中和用試薬の分注量また
は分注濃度を減らすためには、分注装置内のシリンジ等
の分注量制御手段による作動量を選択的に減らすように
するか、或いは適宜の希釈液を収納した希釈液容器を分
注可能な位置に配置した上で分注装置によって中和用試
薬と混合させるように構成するのが好ましい。
【0046】図5中、図(g)の工程に移ると、かかる
混合反応後の状態のものに対して、移し替え用分注器9
0による移し替えが実行される。このとき、図(f)の
工程による前処理のなされた前処理検体の反応容器11
bは、図1中、反応ターンテーブル10の回転により移
し替え用分注器90に至らしめられる(その途中で、攪
拌部50により攪拌を受けさせることができる)が、こ
こに、移し替えに備えて、固相化された反応容器11a
(空の状態)も反応ターンテーブル10上に供給され、
該反応容器11aと、上記前処理検体を有する反応容器
11bとが、反応ターンテーブル10上で互いに隣接し
て配置されるものとして移し替え用分注器90まで移送
される。このような様子は、図5(g)にも模式的に示
される(なお、図1中、移し替え用分注器90近傍にお
いてそれぞれ参照符号(11a),(11b)を付して
示してある)。
【0047】移し替え用分注器90は、当該分注器が、
非固相の反応容器11bに分注され、混合反応(中和)
された検体を、固相した反応容器11aに移し替える分
注器として機能するもので、その先端側に有するノズル
部が図3図示のような軌跡をとるようなものであってよ
い。
【0048】移し替え後は、次のような処理が施される
こととなる。すなわち、前処理後の検体を、まず、図
(g)のように、固相化された反応容器11a側に移し
替るが、ここで、検体に含まれていた検体由来のMx
(HBs抗原)が、すでに前処理で中和反応している
と、かかる中和反応後のものに対しては、図示のごと
く、前記通常の検査工程で生じたような検体分注工程で
のRpとMxとの反応(図(b))をさせないようにな
る。図(g)の右側に示した反応容器11a内部の様子
は、前記図(b)におけるような結合が起こっていない
様子を模式的に表したものである。
【0049】次いで、図(h),(i)において、該反
応容器11a側のものに対し、これを、通常の分析操作
と同様に処理するものとし、ここでは、通常の検査工程
における図(c),(d)の場合と同様に、第1試薬供
給部40による第1試薬(R1)分注,第2試薬供給部
60による第2試薬(R2)分注が順次実施され、さら
には、その後は、同様にして計測部80による測定値Y
2の計測の用に供されることとなる。
【0050】図(h)の工程では、酵素標識試薬分注が
なされている。ここで、すでに図(f)の段階で、すな
わち前処理で中和反応していれば、該中和反応後のもの
に対しては、図(h)図示のごとく、酵素標識試薬(R
1)を分注しても、それによっては、前記通常の検査工
程で生じたような結合(図(c))は起こらない。
【0051】さらに、図(i)の工程では、これに発光
試薬分注がなされている。ここで、真に、検体が検体由
来のMx(HBs抗原)を有するものであって、従って
前処理でMxとRp(中和用試薬中HBs抗体)との中
和反応が生じた結果((図(f),(g))として、上
述のように前記通常の検査工程で生じたような図(c)
による結合をも生じていないと(図(h))、図(i)
図示のごとく、先にも触れたように、R1は立体的に結
合していないので、その発光試薬(R2)は発光しない
(陰性化)。
【0052】よって、ここでは、図示例のごとく、再検
査前の通常検査では陽性と判断されたものが、図(f)
→(g)→(h)→(i)による前処理を伴う再検査の
実施で陰性化されうる。陽性判断の後、再検結果(測定
値Y2)が陰性化されることとなった場合、これは、前
回測定値(Y1;陽性判断)は、確かに、検体由来の測
定対象物Mx(HBs抗原)の存在によるものであるこ
とが明確化されることととなり、図(j)の工程では、
その旨の報告でこれを確認させることもできる。
【0053】かくして本実施例によれば、上述のように
して測定値を予め定めた所定値と比較し、再検査が必要
と判断したときに、自動にその検体を再検査することが
できる共に、その際、予め検体前処理試薬を用いて該当
検体を自動的に前処理して再検査を実施することがで
き、前処理液は、具体的には、非特異反応を抑制する、
もしくは該当反応物質を中和する物質を含むため、処理
方法および前回値との比較により、得られた測定値の真
偽を確認できると共に、その検体中に含まれる反応系に
影響を与える物質を推定することが可能である。これに
より、これまで明確化できなかった試薬起因、検体起因
のデータ変動要因を再検により明確にする手段を提供
し、検査結果の信頼性および検体素性の明確化を達成す
ることのできる本実施例装置1は、明細書冒頭での考察
事項(イ)〜(ハ)の観点からの良好な解決策となり、
さらには、副次的に、検査の効率化、たとえば確認試験
工数の削減や追試験数の低減を実現でき、無駄な再検の
削除、たとえばクロスチェック項目の再検査の防止を実
現でき、検査室の経済性向上をも達成することが可能で
ある。
【0054】以下に、HBsAg検査における確認試
験、検体中のHAMA(ヒト抗マウス抗体)の存在の確
認試験それぞれについての適用例を示す。
【0055】〔適用例1:HBsAg検査における確認
試験〕次に述べるのものは、HBsAg(HBs抗原)
検査における確認試験に適用した例である。 [1−1]:HBsAg試薬およびHBsAg確認用試
薬を用意する。HBsAg確認用試薬の免疫緩衝液中に
はHBs抗体を含有している。 [1−2]:「陽性」と判定された場合に、HBsAg
確認用試薬を用いた再検を実施することが予め設定され
ている。
【0056】(通常検査;図5(a)〜(e)) [1−3]:HBsAgの測定を実施する。 [1−4]:HBsAgが陰性の場合、測定は終了す
る。
【0057】(前処理を伴う再検査;図5(f)〜
(j)) [1−5]:HBsAgが陽性の場合、自動再検手段に
従い、HBsAg確認用試薬による再検が実施される。 [1−6]:HBsAg確認用試薬の免疫緩衝液中には
HBs抗体が含有されているため、検体の前処理反応と
して、検体中のHBsAgと緩衝液中のHBs抗体とが
反応(中和)し、測定値は陰性化される。
【0058】[1−7]:上記再検結果が陰性となった
場合、前回測定値は、確かにHBsAgの存在によるも
のであることが明確化し、また、その陰性化率を求める
ことでHBsAgの力価(抗原の強さ、もしくは量の多
さ)をも明確化できる。
【0059】ここに、陰性化率については、一例とし
て、これを求めるための次式、 {(前回値−再検値)/前回値}×100% より求めることができる。このような式によれば、中和
用試薬が、後続する分析用試薬との反応量を完全にゼロ
とする場合に限らず、反応量を部分的に減少させる場合
にも、再検査による総合判定を可能にする点で好まし
い。この式については、試薬によって、係数をかけた
り、一定の値(たとえば、試薬ブランク値)を引いたり
する等の変更を加えることができる。
【0060】上記再検結果が陽性となった場合、前回測
定値は試薬起因の非特異反応によるものであったことが
明確となり、前回測定値は偽陽性であったことを示せ
る。
【0061】たとえばHBsAgの測定においては、そ
の検出率を上げるため、カットオフ値を極めて低い数値
に設定する傾向が見られるが、検出率も増加する代わり
に、試薬の非特異反応による偽陽性の増加も問題になっ
ている。本測定手段は、このような現象に対応し正確な
測定結果を提供することができる。
【0062】上記例では、HBsAg確認用試薬のみで
全ての再検操作を行っているが、 検体希釈操作のよう
に、HBs抗体液のみが封入されている試薬を用意し、
検体を前処理した後にこの検液を用いてHBsAgの測
定を実施しても同様な結果を得ることができる。
【0063】上記例は、HBsAgに限らず、同様な抗
原および抗体検出系の確認試験に適用可能である。たと
えば項目によっては前処理時間を通常の免疫反応以上に
必要な場合があるが、 その場合は、予め再検指定項目に
おいて、免疫反応を2倍に延長するように予め設定する
ことが可能である。
【0064】〔適用例2:検体中のHAMA(ヒト抗マ
ウス抗体)の存在の確認試験〕次に述べるのものは、検
体中のHAMA(ヒト抗マウス抗体)の存在の確認試験
に適用した例である。 [2−1]:マウス抗体を含有した希釈液を用意する。 [2−2]:予め設定した所定値を超えた検体について
上記[2−1]の希釈液で検体を前処理を行う同項目の
再検を実施することが予め設定されている。
【0065】(通常検査) [2−3]:たとえばCA19−9の測定を実施する。 [2−4]:測定値が所定値以下の場合、測定は終了す
る。
【0066】(前処理を伴う再検査) [2−5]:測定値が所定値をこえる場合、自動再検手
段に従い、再検が実施される。 [2−6]:上記[2−1]の希釈液中にはマウス抗体
が含有されているため、検体の前処理反応として、検体
中のHAMAとマウス抗体とが反応(中和)する。
【0067】[2−7]:上記再検結果が設定希釈倍通
りになった場合、前回測定値は、HAMAの非特異とは
関係ない真値であることを明確化できる。上記再検結果
が設定希釈倍通りにならなかった場合、前回測定値は、
検体中のHAMAが試薬の非特異反応を誘導して生じた
結果であることが明確となり、前回測定値は偽値であっ
たことを示せる。
【0068】たとえば測定に用いられる抗体試薬は、そ
の特異性を上げるため、マウスモノクローナル抗体が用
いられるが、被検者にはマウス抗体と特異的に反応して
しまう因子(HAMA)を持ち合わせている人がいるた
め、測定物質が存在しなくても、HAMAが測定物質と
同様の挙動を示し、偽値が発生することが問題になって
いる。本測定手段は、このような現象に対応し正確な測
定結果を提供することができる。
【0069】上記例では、測定項日を1項目に限定する
ことなく、HAMAの影響が危惧される全ての項目に対
し、一つの前処理液で対応が可能である。
【0070】上記例は、HAMAに限らず、リウマチ因
子のような自己抗体因子の存在の確認にも適用可能であ
る。たとえば項目によっては前処理時間を通常の免疫反
応以上に必要な場合があるが、 その場合は予め再検指定
項目において、免疫反応を2倍に延長するように予め設
定することが可能である。
【0071】なお、図3の装置構成では、第1試薬テー
ブルを(既述した変形例では、第2試薬テーブルを)前
処理試薬テーブルと兼用しようとする形態を示したが、
これに限らず、たとえば前処理テーブルおよび前処理試
薬を別に用意し、前処理後の検体を通常の分析操作と同
様に処理する装置にも、本発明は適応可能である。〔図3の変形例〕 図3の変形例として、同一の非固相キ
ュベットに検体、前処理試薬、R1、R2の順で分注す
るようにすれば、移し替えの手段90は不要となる。ま
た、通常分析においても、非固相キュベットに検体、R
1、R2の順で分注するようにすれば、キュベットも単
純化することができるという利点もある。この場合、図
6に示すように、ビーズ状担体QにRxを固定したもの
を分析用試薬として分注可能に適宜の保持用テーブルに
保持して、前処理試薬とR1の分注の間で且つ前処理試
薬と検体との反応が進んだ時点で、適宜のビーズ移送手
段によって空のキュベットに供給できるようにする。こ
こに、ビーズ状担体とは、粒径1〜5mm程度の沈降性
粒子(ガラス、プラスチック等)でもよいが、液状試薬
であるR1と同一のノズルで分注し易いように、粒径
0.1〜20μmの微粒子(ゼラチン、プラスチック
等)を(所要数)用いるのが好ましい。磁性体含有の微
粒子を用いる場合には、適宜の磁石によって、微粒子を
容器壁面に捕捉した状態で液体を吸引除去するようにす
れば、結合しなかったR1を除くことができるので、上
述したようなホモジニアスな試薬R2の代わりに、ヘテ
ロジニアスな反応系での高感度な分析を実行できる。
【0072】次に、本発明の他の実施例を、図7,8に
より説明する。本実施例(第2実施例)では、図1で示
した第1及び第2の試薬供給部40,60における各試
薬ターンテーブルに相当するものが存在しない一方で、
検体供給部30の分注器先端部の回動軌跡に臨んで前処
理試薬が配されるように、前処理用試薬収容容器を用意
する。
【0073】本実施例は、基本的な構成は第1実施例の
場合と同様であって、第1実施例の変形例と捉えること
もでき、図7中、第1実施例と同一または同様の要素
は、同一の符号を付してある(詳細な説明は省略する
が、第1実施例の記載は、該当する部分は読み替えて本
実施例の説明に取り入れられて、参照され、この点は、
後記例でも、同様とする)。以下、本実施例の要部を説
明する。
【0074】図7をみると、ここでの反応容器は、前記
図4の場合のような単一槽の容器11と異なり、図8に
示すようなカートリッジ12によるタイプのものであっ
て、ここでは、少なくとも3つの槽12A,12B,1
2Cを有する。槽12Aは反応槽とすることができ、該
反応槽は、その内面に、検体の測定対象物Mxと特異的
に結合反応する固相試薬Rx(たとえば前記実施例の場
合と同様、HBs抗体とすることができる)が予めコー
ティングされている。
【0075】また、残りの2槽12B,12Cは予め試
薬を収容した試薬槽とすることができ、ここでは、槽1
2Cを第1試薬(R1)を収容した第1(R1)試薬槽
とし、槽12Bを第2試薬(R2)を収容した第2(R
2)試薬槽としたものを示してある。
【0076】このように、本実施例の自動分析装置1で
は、少なくとも、R1試薬槽12C、R2試薬槽12
B、反応槽12Aが、一体的となった試薬カートリッジ
12を用いる。該カートリッジ12は、ストッカー21
から反応ターンテーブル10上に供給することができ、
反応ターンテーブル10の周囲には、図7のごとく、カ
ートリッジ12内におけるこれら試薬の分注に関して、
試薬R1,R2用の各試薬分注器101,102が配さ
れ、これにより、各試薬槽内の試薬につき、第1試薬R
1、第2試薬R2のこの順で、固相化された反応槽12
Aへ移送するようになす。したがって、本実施例では、
図3の構成で説明したような試薬ターンテーブル41,
61、すなわち前処理用試薬ターンテーブルをも兼ねた
第1試薬ターンテーブル41または第2試薬ターンテー
ブル61のいずれをも設けない構成とすることができ
る。
【0077】しかして、前処理用試薬に関しては、次の
ようにしてこれを装置1内に予め具備せしめる。すなわ
ち、検体供給部30の分注器33′により検体分注が行
われるが、本実施例装置1では、図7図示のごとく、該
分注器33′の先端のノズル部33a′の移動軌跡上
に、前処理用試薬Rp(たとえば前記実施例の場合と同
様、中和用試薬としてのHBs抗体とすることができ
る)を収容した、少なくとも一つの容器を前処理用試薬
収容容器105として配置する構成を採用する。本実施
例での通常の検査工程、前処理を伴う再検査のにつき、
以下に補足的に述べる。
【0078】〔第2実施例での通常検査〕;検体供給部
30の分注器33′によるカートリッジ12の固相化さ
れた反応槽12Aへの検体分注、該カートリッジ12に
おける試薬槽12C、試薬槽12Bからの試薬分注器1
01,102による第1試薬R1,第2試薬Rの反応槽
12Aへの分注、計測部80による計測により、通常の
検査が行える(この場合も、反応ターンテーブル10に
沿って設けた攪拌部50,70の部分では、それらによ
って、当該固相化された反応槽12A内の攪拌が行え
る)。本実施例装置1では、上記の操作が、図5(a)
〜(d)の工程に相当することになる。
【0079】〔第2実施例での前処理を伴う再検査〕
得られた測定値Y1を所定値Ythと比較し、再検査が
必要と判断された場合(図5(e))、本実施例では、
図7に示した同一の構成の試薬カートリッジ12が新た
に反応ターンテーブル上の検体供給部30の対応位置に
供給され、これの固相化された反応槽12Aに対して、
次のような操作で、前処理後の前処理検体が移送され
る。
【0080】まず、検体供給部30の分注器33′は、
上記通常検査ではカートリッジ12の固相化された反応
槽12Aへは検体だけの供給を行うよう機能するもの
の、再検査が行われることとなった場合には、前処理に
あたって、前処理用試薬収容容器105からのその前処
理用試薬分注の用にも用いられるものである。すなわ
ち、分注器33′の先端ノズル部33a′の図示のごと
き回転移動によって、再検査対象の検体容器31から分
注した検体を、反応ターンテーブル10上のカートリッ
ジ12における反応槽12Aへ移送する間、そのノズル
部は、途中で、さらに、前述にごとくその移動軌跡中に
配した前処理用試薬収容容器105内から前処理用試薬
をも吸引する。かくして、検体および前処理用試薬の双
方を該ノズル内で混合させた上で、上記固相化された反
応槽12Aへ向け移動し、当該反応槽12A内へ移送す
ることができる。
【0081】よって、図5の場合のような中和反応(中
和試験)の場合のときなら、この分注器33′が前処理
用反応部として機能してノズル内で混合反応(中和)さ
せた上で、反応槽12A(固相化)に分注することがで
き、本実施例では、かかるノズル内での処理操作が、図
5(f)の工程に相当することになり、専用の移し替え
操作、機構も必要とせず、上記ノズル内で得られた前処
理後検体の反応槽12A(固相化)への分注が、実質的
には、第1実施例での移し替え(図5(g)の工程)に
相当することになる。したがって、本実施例では、図3
の構成で説明したような試薬ターンテーブル41,6
1、すなわち前処理用試薬ターンテーブルをも兼ねた第
1試薬ターンテーブル41または第2試薬ターンテーブ
ル61のいずれをも設けない構成とすることができる
上、図3の移し替え用分注器90も設けないでよく、ま
た、図7の試薬カートリッジ12を1種類使用すれば足
りる。
【0082】しかして、その後は、上記通常検査と同様
に、該カートリッジ12における試薬槽12C、試薬槽
12Bからの試薬分注器101,102による第1試薬
R1,第2試薬Rの反応槽12Aへの分注以降操作を行
えばよく(これが、図5(h),(i)の工程に相当す
る)、こうして、前処理して再検査を実施することがで
きる。
【0083】本実施例(第2実施例)によっても、第1
実施例同様、測定値を予め定めた所定値と比較し、再検
査が必要と判断したときに、自動にその検体を再検査す
ることが可能で、その際、予め装置1内に具備させた検
体前処理試薬を用いて該当検体を自動的に前処理して再
検査を実施することができる。本発明は、このようにし
て実施例することもできる。
【0084】また、本実施例による場合も、前記した
〔HBsAg検査における確認試験〕、および〔検体中
のHAMA(ヒト抗マウス抗体)の存在の確認試験〕が
同様に実施でるきことはいうまでもなく(この点は、後
記例でも同様である)、同様にして、これまで明確化で
きなかった試薬起因、検体起因のデータ変動要因を再検
により明確にする手段を提供し、検査結果の信頼性およ
び検体素性の明確化を達成することができ、また、検査
の効率化(確認試験工数の削減、追試験数の低減)、無
駄な再検の削除(クロスチェック項目の再検査の防止)
を実現でき、検査室の経済性向上をも達成することがで
きる。〔図7の変形例〕 図7の変形例として、ノズル内で反応
させてから分注させるのではなく、カートリッジの反応
槽(ただし、内面コーティングせず)に検体と前処理試
薬を分注してから反応させ、前処理の反応時間後に、図
3の変形例と同様に分注可能とした分析用試薬Rxを追
加分注して、以後、同様にR1、R2の順に分注を行っ
て、上記と同様の測定および判定ならびに表示等を行
う。ここで、本例のようにカートリッジ形の反応容器を
用いる場合には、Rxを収容するための試薬槽もカート
リッジとして一体化することで、再検査の工程を全て同
一のカートリッジ型反応容器内で実行できるようにして
もよい。この構成によれば、ノズル内での反応の間、次
の検体分注ができないとか、多数の分注ノズルを用意し
て連続的に混合反応させてから各ノズルより順次反応容
器へ吐出するとかいった複雑な構成を採らずに済む。
【0085】次に、本発明のさらに他の実施例を図9,
10に示す。本実施例(第3実施例)は、図9に示すご
とくに、図3の試薬ターンテーブル41,61、すなわ
ち前処理用試薬ターンテーブルをも兼ねた第1試薬ター
ンテーブル41または第2試薬ターンテーブル61のい
ずれをも設けない点、および第2実施例の図8の試薬カ
ートリッジ12(図10右部)を使用する点等で、第2
実施例の変形例でもあり、また、図9に示すように移し
替え用分注器90を設ける点、および図10左部に示す
ごとくに、第1実施例の場合に準じ、前処理用として非
固相の反応槽12A′を有するカートリッジ12を予め
用意しておいて、これを使用して一旦前処理した上で、
その前処理後検体を図10右部のカートリッジ12側の
固相化された反応槽12Aへ移し替える点等で、第1実
施例の変形例とも捉えることができる。図9,10中、
第1,第2実施例と同一または同様の要素は、同一の符
号を付してあり、以下、本実施例の要部を説明する。
【0086】本実施例では、第2実施例における検体分
注系での、前処理用試薬収容容器(105)の配置に代
え、これをなくす代わりに、図10左部に示すように、
予め前処理用試薬(Rp)のみを収容させた前処理用試
薬カートリッジ12を、第2実施例での試薬カートリッ
ジ12とともに、使用するものである。ここに、該前処
理用カートリッジ12は、少なくとも、前処理用試薬を
収容する槽(図示例では槽12B)と、固相されていな
い反応槽12A′(前処理用反応用の槽)とを有する構
成とすることができ、第2実施例の3つの槽部分を有す
る試薬カートリッジ12の形態を流用する場合は、残り
の一つの槽部分に相当する部分(図示の場合は槽12
C)は、空の状態としておくことができる。本実施例で
の通常の検査工程、前処理を伴う再検査は、次のように
して行える。
【0087】〔第3実施例での通常検査〕;通常の検査
工程は、図10右部の試薬カートリッジ12を使用し
て、前述した〔第2実施例での通常検査〕の項と同様に
して実施できる。したがって、本実施例装置1でも、か
かる操作が、図5(a)〜(d)の工程に相当すること
になる。
【0088】〔第3実施例での前処理を伴う再検査〕
しかして、再検査が必要と判断された場合(図5
(e))、本実施例では、図10右部の前処理用試薬カ
ートリッジ12が反応ターンテーブル10上に供給さ
れ、また、第1実施例のものと同様、前処理後の移し替
え処理に備えて、新たに図10右部の試薬カートリッジ
12も隣り合うようにして供給することができる。
【0089】しかして、本実施例での前処理において
は、図10に模式的に示すように、検体と、前処理用試
薬カートリッジ12における前処理用試薬収容槽12B
内に予め収容された前処理用試薬とを、当該前処理用試
薬カートリッジ12における非固相の反応槽12A′に
分注し、これにより前処理を実行させることができる。
本実施例では、図5(f)の工程に相当し、混合(中
和)反応させることができる。この場合、前処理用試薬
の当該非固相の反応槽12A′への移送は、図9の3つ
の分注器(33,101、102)のいずれでもよい。
【0090】上記前処後は、前処理のなされた前処理検
体を反応槽12A′中に有する該カートリッジ12は、
反応ターンテーブル10の回転により移し替え用分注器
90に至らしめられ(その途中で、攪拌部50により攪
拌を受けさせることができる)、ここで、移し替え用分
注器90によって、図10にも模式的に示すように、該
カートリッジ12における非固相の反応槽12A′にお
いて混合反応された後(中和反応後)のものは、図10
右部の固相の反応槽12を備えた試薬カートリッジ12
における当該固相の反応槽12Aに移し替られる。本実
施例では、上記処理が、図5(g)の工程に相当するこ
とになる。
【0091】かくして移し替えが行われた後、当該固相
の反応槽12A中に前処理後検体を有する試薬カートリ
ッジ12に対する操作、処理は、第2実施例の場合と同
じである。すなわち、その後は、通常検査と同様に、該
カートリッジ12における試薬槽12C、試薬槽12B
からの試薬分注器101,102による第1試薬R1,
第2試薬Rの反応槽12Aへの分注以降操作を行えばよ
く(図5(h),(i)の工程に相当する)、こうし
て、本実施例でも、前処理して再検査を実施することが
できる。
【0092】本実施例(第3実施例)によっても、第1
実施例、第2実施例同様、測定値を予め定めた所定値と
比較し、再検査が必要と判断したときに、自動にその検
体を再検査する可能で、その際、予め装置1内に具備さ
せた検体前処理試薬を用いて該当検体を自動的に前処理
して再検査を実施することができる。本発明は、このよ
うにして実施例することもできる。
【0093】なお、本発明は、以上の実施の態様に限定
されるものではない。たとえば、上述した例では、免疫
測定を行う分析装置について説明したが、前処理用試薬
および分析用試薬が生化学測定用または遺伝学的測定用
である場合には、免疫測定に限らず、生化学測定、遺伝
学的測定等を適宜単独または組み合わせて実行する分析
装置にも適用できる。本発明を生化学測定に適用する場
合には、たとえば、生化学検査における各種妨害物質や
遺伝子検査における外皮蛋白等による異常反応の有無
を、前処理用試薬によって妨害物質や外皮蛋白による影
響を中和させることにより確認することが可能となる。
また、本発明の第2および第3実施例でも、反応槽の固
相化については、内面への固相試薬のコーティングでは
なく、第1実施例の変形例で述べたような、固相ビーズ
を利用する方法で実現するようにしてもよい。また、前
処理反応による再検結果を、測定後、表示装置の画面お
よび/または印刷用紙上に出力するようにする。このと
き、検体前処理試薬の有無の両方の反応結果を同時に併
記または総合判定させたものを出力するようにするのが
好ましい。また、検体前処理試薬による再検結果を、再
検前の反応結果(検体前処理試薬無しの結果)と比較し
た関係が分かる評価値(たとえば、上述の陰性化率)と
して出力したり、陰性か陽性かを丸や三角等の記号とし
て出力したり、試薬起因による問題か検体起因による問
題かを表現したコメント形式で出力するようにすれば、
オペレータが迅速かつ容易に再検結果を理解できるので
好ましい。また、図5では、立体結合したR1に結合し
たときに発光する試薬をR2としたが、逆に、普段は発
光するが立体結合したR1に結合したときに発光しなく
なる試薬をR2としてもよい。また、分析用試薬は、分
析すべき物質の種類や分析目的等に応じて種々の別態様
の反応原理に変更してもよいし、測定手段も、発光測定
する構成に限らず、試薬の種類に応じて所望の測定方式
で測定するように構成するのが好ましい。また公知技術
に記載されて種々の分析装置の構成に応じて、反応容
器、反応容器の搬送手段、分注手段、攪拌手段、洗浄手
段、恒温手段、ID管理手段、入力装置等を変更、追加
または省略するようにしてもよい。
【0094】また、たとえば、第1実施例と第2実施例
とを組み合わせ、さらに改良したものとして、実施して
もよい。
【0095】この場合は、たとえば第1実施例をベース
として、変更するなら、(1)図3中、ターンテーブル
41上の内周側の前処理用試薬収容容器45の配置形態
についてこれを省略し(外周側の試薬容器の配置構成等
は残すことができる)、それに代えて、図7中の前処理
用試薬収容容器105のような、検体供給部30に関連
させた、配置形態を採用する構成に置き換え、(2)ま
た、図7、図8のような試薬カートリッジタイプのもの
を使用するのではなく、他方、図3,4,5のように固
相と非固相の2種類のものを必要とするものでもなく、
固相化された1種類の、たとえば図4(a)のような単
一の反応槽単独タイプの角型キュベットによるもの1種
類を、これを使用する反応容器となす構成とし、(3)
また、再検査時の検体前処理(中和反応)は、図7の場
合に準じ、図3の検体供給部30の分注器33のノズル
内で混合反応させた上で、上記(2)のような反応容器
に分注する構成として(したがって、前処理後検体の反
応容器→反応容器間の移し替え、反応槽→反応槽間の移
し替えはせずに、したがってまた、図3中から、移し替
え用分注器90は、図7のごとくに、これを取り去る構
成とすることができる)実施できる。
【0096】このような変形例によっても、本発明は実
施し得て、同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一態様の説明に供する図である。
【図2】 本発明の別態様の説明に供する図である。
【図3】 本発明の一実施例に係る自動分析装置の構成
の一例を示す概念図である。
【図4】 同例に適用できる反応容器(角型のキュベッ
ト)の一例を示す図である。
【図5】 通常検査と、前処理(中和試験)を伴う再検
査の一例の説明に供する図である。
【図6】 同例の変形例の説明に供する図である。
【図7】 本発明の他の実施例を示す図である。
【図8】 同例に適用できる反応容器(カートリッジタ
イプ)の一例を示す図である。
【図9】 本発明のさらに他の実施例を示す図である。
【図10】 同例に適用できる反応容器(カートリッジ
タイプ)の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 自動分析装置 10 反応ターンテーブル 11 反応容器 11a 反応容器(固相化した反応容器) 11b 反応容器(固相化されない非固相の反応容器) 12 試薬カートリッジ 12A 反応槽(固相化した反応槽) 12A′ 反応槽(固相化されない非固相の反応槽) 12B,C 試薬槽 20 反応容器移送部 21 反応容器ストッカー 22 移送器 30 検体供給部 31 検体容器 32 検体保持部 33 分注器 33′検体分注器(兼前処理用試薬分注器) 33a′ノズル部 40 第1の試薬供給部(兼前処理用試薬供給部) 41 試薬ターンテーブル 42 分注器 43 第1試薬収容容器 45 前処理用試薬収容容器 50 攪拌部(第1の攪拌部) 60 第2の試薬供給部 61 試薬ターンテーブル 62 分注器 63 第2試薬収容容器 70 攪拌部(第2の攪拌部) 80 計測部 90 移し替え用分注器 101,102 試薬分注器 105 前処理用試薬収容容器 R1 酵素標識試薬 R2 発光試薬
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿久津 昌樹 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2G058 AA08 AA09 BA08 CB04 CB06 CC01 CC08 CD04 EA02 EA04 GA01 GD07 GE02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定値を予め定めた所定値と比較し、再
    検査が必要と判断したときに、自動にその検体を再検査
    することが可能な自動分析装置において、 分析すべき物質と反応するような検体前処理試薬を予め
    装置内に具備し、この検体前処理試薬を用いて該当検体
    を自動的に前処理して再検査を実施することを特徴とす
    る自動分析装置。
  2. 【請求項2】 前記再検査の結果より、該当検体の再検
    査理由を報告する、ことを特徴とする請求項1に記載の
    自動分析装置。
  3. 【請求項3】 前記再検査の際、測定値と予め定めた所
    定値との比較に応じて、再検査時の分析条件を変更可能
    である、ことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装
    置。
  4. 【請求項4】 測定項目が、抗原抗体反応を用いる測定
    系である、ことを特徴とする請求項1に記載の自動分析
    装置。
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