JP2001090155A - 人体洗浄装置 - Google Patents

人体洗浄装置

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JP2001090155A JP29123899A JP29123899A JP2001090155A JP 2001090155 A JP2001090155 A JP 2001090155A JP 29123899 A JP29123899 A JP 29123899A JP 29123899 A JP29123899 A JP 29123899A JP 2001090155 A JP2001090155 A JP 2001090155A
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    • E03D9/08Devices in the bowl producing upwardly-directed sprays; Modifications of the bowl for use with such devices ; Bidets; Combinations of bowls with urinals or bidets; Hot-air or other devices mounted in or on the bowl, urinal or bidet for cleaning or disinfecting
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B1/00Nozzles, spray heads or other outlets, with or without auxiliary devices such as valves, heating means
    • B05B1/02Nozzles, spray heads or other outlets, with or without auxiliary devices such as valves, heating means designed to produce a jet, spray, or other discharge of particular shape or nature, e.g. in single drops, or having an outlet of particular shape
    • B05B1/08Nozzles, spray heads or other outlets, with or without auxiliary devices such as valves, heating means designed to produce a jet, spray, or other discharge of particular shape or nature, e.g. in single drops, or having an outlet of particular shape of pulsating nature, e.g. delivering liquid in successive separate quantities ; Fluidic oscillators
    • B05B1/083Nozzles, spray heads or other outlets, with or without auxiliary devices such as valves, heating means designed to produce a jet, spray, or other discharge of particular shape or nature, e.g. in single drops, or having an outlet of particular shape of pulsating nature, e.g. delivering liquid in successive separate quantities ; Fluidic oscillators the pulsating mechanism comprising movable parts

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズル移動を伴うことなく洗浄範囲の2次元
的な拡大をもたらす新たな吐水方式を提供する。 【解決手段】 ノズルヘッド170は、吐水孔31の直
下に、小径連通路163を介して連通する洗浄水渦室1
71を有する。洗浄水渦室171は、傾斜した内周壁を
有する中空室とされていおり、この洗浄水渦室171に
は、ヘッド流路34が偏心して接続されている。洗浄水
渦室171の内部にヘッド流路34から流入した洗浄水
は、矢印SYで示すように洗浄水渦室内周壁に沿って旋
回しつつ吐水孔31から吐水され、螺旋状(コーン状)
の旋回吐水形態を採る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄水を吐水孔か
ら人体に吐水する人体洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の人体洗浄装置、例えば人体局部
を洗浄する局部洗浄装置は、人体局部を洗浄水で清潔に
できることから急速に普及している。近年では、ただ単
に洗浄水を吐水するだけではなく、洗浄水の吐水形態の
多様化が図られている。例えば、吐水孔を有するノズル
に流体素子を組み込み、この流体素子により洗浄水の吐
水方向をノズルに対して前後方向或いは左右方向に切り
換えるようなことが行われている。そして、このように
吐水方向を切り換えることで、吐水された洗浄水を浴び
る領域(洗浄領域)を拡大させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、流体素
子による吐水方向の切換は、その構造上、ノズル前後方
向或いはノズル左右方向の一方向に限られるため、洗浄
領域は前後或いは左右の直線的な拡大に留まる。よっ
て、洗浄範囲を2次元的、例えば略円形状に拡大するに
は、ノズル自体の前後或いは左右移動を組み合わせなけ
ればならない。ノズル自体を移動させるにはノズル駆動
モータの駆動を伴うので、洗浄範囲の拡大に際しては、
常時、モータ駆動の分だけ余分にエネルギを消費するこ
とになる。
【0004】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、ノズル移動を伴うことなく洗浄範囲の
2次元的な拡大をもたらす新たな吐水方式を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の人
体洗浄装置は、洗浄水をノズルの吐水孔から人体に吐水
する人体洗浄装置であって、前記吐水孔に洗浄水を給水
する給水手段と、給水された洗浄水に前記吐水孔の軸心
回りの旋回力を付与して、洗浄水を前記吐水孔へ導き、
前記旋回力を持った状態で洗浄水を前記吐水孔から吐水
させる旋回付与手段とを備えることを特徴とする。
【0006】上記構成を有する本発明の人体洗浄装置で
は、吐水孔からは、吐水孔軸心回りの旋回力を持ったま
ま洗浄水が吐水されるので、洗浄水は、この旋回力成分
により吐水孔軸周りに旋回しつつ吐水される(以下、こ
のような吐水を旋回吐水という)。この旋回吐水の旋回
力は、給水洗浄水に付与されることから、吐水孔並びに
これを有するノズルの移動を要しない。よって、ノズル
移動を伴うことなく洗浄水を旋回吐水でき、洗浄範囲を
旋回で定まる2次元的な形状に拡大できる。
【0007】上記の構成を有する本発明の人体洗浄装置
は、以下の種々の態様を採ることもできる。即ち、前記
旋回付与手段を、前記給水洗浄水に付与する前記旋回力
の程度を可変とする可変手段を有するものとすることが
できる。こうすれば、旋回力程度の可変を通して、旋回
吐水による洗浄範囲を広狭設定できる。
【0008】前記旋回付与手段を、前記吐水孔に連通す
るよう前記ノズルに形成された旋回付与室と、該旋回付
与室に流入した洗浄水が前記旋回付与室の内壁面に沿っ
て旋回するよう、前記旋回付与室に洗浄水を導入する導
入手段とを有するものとすることができる。この導入手
段は、前記旋回付与室に偏心して連通し、前記旋回付与
室に洗浄水を流入する偏心管路を有するものとすること
ができる。こうすれば、導入手段により旋回付与室に洗
浄水を導入するだけで、給水洗浄水に旋回付与室の内壁
面に沿った旋回力を付与して旋回吐水を図ることができ
る。よって、旋回力付与に当たってモータ等の特別な電
気機器を要しないので、省エネルギー化を図ることがで
きる。この場合、旋回力程度を可変とするには、旋回付
与室に導入する洗浄水の流速(偏心管路流速)を可変と
すればよい。
【0009】また、ノズルに2つ以上の吐水孔を設ける
場合には次のようにすればよい。まず、各吐水孔は、ノ
ズルの略中心軸軸線上に並べて配置する。そして、各吐
水孔に対応する旋回付与室を吐水孔の並びに沿って設置
し、各旋回付与室に連通する偏心管路は、前記のノズル
中心軸を中心に左右に配設する。こうすれば、左右配置
した偏心管路の間隔を狭くするよう近接配置できるの
で、ノズルはもとより吐水孔形成部分であるノズルヘッ
ドもコンパクト化できる。勿論、各旋回付与室に連通す
る偏心管路をノズル中心軸を中心に上下に配設すること
もできる。
【0010】また、前記旋回付与室にその軸心を指向し
て連通し、前記旋回付与室に洗浄水を流入する軸心指向
管路を備えるものとし、前記可変手段を、前記偏心管路
と前記軸心指向管路における洗浄水流量を調整する調整
手段を有するものとすることができる。こうすれば、偏
心管路と軸心指向管路の流量比で旋回付与室における洗
浄水挙動がほぼ決まるので、この流量比の調整を通し
て、旋回力程度の可変並びに洗浄範囲の広狭設定を行う
ことができる。
【0011】また、前記旋回力が付与された洗浄水が前
記吐水孔から吐水される前に、洗浄水に空気を混入する
空気混入手段を有するものとすることができる。こうす
れば、上記した旋回吐水による利点に加え、洗浄水への
空気混入に伴う効果、例えば、洗浄水水量の低減やこれ
を通した節水化、並びに、洗浄感の多様化等を図ること
ができる。
【0012】更に、上記した本発明の人体洗浄装置とそ
の種々の態様において、下記の態様を採ることができ
る。即ち、前記可変手段は、前記給水手段からの給水洗
浄水に前記給水手段の給水圧力を中心とした脈動波を発
生する脈動波発生手段であるものとすることができる。
こうすれば、旋回吐水洗浄水の高圧力吐水を間欠的にし
か起こさないので、上記した旋回吐水による利点に加
え、洗浄時において洗浄水水量を低減できる。しかも、
旋回の為の流速を周期的に変更することができそれによ
り洗浄範囲を広げることが可能となる。
【0013】また、前記可変手段は、前記給水手段から
の給水洗浄水の流れに周期的な変動を生じさせる変動発
生手段であるものとすることができる。こうすれば、給
水洗浄水の流れに変動を生じさせ、この変動が生じた洗
浄水の流れの状態で洗浄水を旋回させつつ吐水孔から吐
水でき、その際の洗浄水吐水を周期的なものとする。
【0014】ところで、この態様のように、洗浄水の流
れに変動を起こしこの洗浄水を吐水孔から吐水すると、
周期的な洗浄水吐水は次のような形態となる。吐水孔か
らの吐水洗浄水は、吐水孔に導かれた洗浄水の流れの状
態が反映される。吐水孔に一律な流れ(連続流)で洗浄
水が導かれれば、吐水孔からは洗浄水は連続的に吐水さ
れ、連続流の吐水形態となる。しかし、流れに変動を来
して洗浄水が吐水孔に導かれると、この変動が反映した
周期的な吐水形態となる。よって、吐水孔には脈動流の
状態で洗浄水が導かれ、吐水孔からの吐水形態は、洗浄
水の旋回状況を起こしつつ、脈動流が反映して吐水水量
が増減するような脈動をもつものとなる。このような吐
水形態を瞬間的に捕らえると、後に詳述するように、吐
水水量が多い時に吐水された洗浄水が水塊となって、こ
の水塊が吐水水量が少ないときに吐水された洗浄水で繋
がったようなものとなる。このように脈動をもって吐水
されると、即ち脈動流として洗浄水が吐水されると、同
じ流量の連続流と比べて、洗浄面に当たる力、つまり瞬
間の圧力ピーク値は大きくなる。よって、脈動流とする
ことにより連続流より少ない水量で同程度の洗浄強度を
得ることができるという利点が、洗浄水の旋回吐水に伴
う上記の利点に加えて得ることができる。また、所望の
洗浄強度を得るのに少ない水量で済むので、次のような
利点がある。更に旋回の為の流速を周期的に変更するこ
とができそれにより洗浄範囲を広げることが可能とな
る。
【0015】一般に、人体局部を洗浄する人体洗浄装
置、即ち局部洗浄装置では、洗浄水が局部に当たる際の
不快感を緩和するために、温水化した洗浄水を吐水す
る。よって、上記のように少ない水量であれば、洗浄水
を所定温度まで温水化するに必要な熱源の容量を小さく
することができ、高い節電効果を得ることができる。換
言すれば、小型で小容量のヒータを用いれば済むので、
温水化機構の小型化、延いては装置そのものの小型化を
も図ることができる。
【0016】このように洗浄水の流れに変動を起こすに
当たり、給水洗浄水の流れに流量ゼロの状況を生じさせ
ないようにすることもできる。こうすれば、洗浄水の流
れが瞬間的にでも遮断された状況を起こさないようにで
きるので、給水洗浄水の系において水撃の発生を回避で
きる、或いは微弱な水撃しか発生させないようにでき
る。この結果、間欠的な洗浄水吐水に伴う不具合、詳し
くは洗浄水の系に含まれる配管や管路内弁等の機器の損
傷や劣化、或いはビビリ音等の異音や不用意な振動とい
った不具合を解消或いは軽減できる。また、洗浄水の流
れに流量ゼロの状況を生じさせないで洗浄水の流れに変
動を起こしこの洗浄水を吐水孔から吐水すると、既述し
た周期的な洗浄水の吐水形態を、流量ゼロの状況が生じ
ないことから、より確実に上記の脈動流のものとでき
る。つまり、吐水孔からの吐水形態は、流量ゼロの状況
が無いまま吐水水量が増減するような脈動をもつものと
なる。しかも、このような脈動をもって旋回しつつ洗浄
水を吐水することができる。
【0017】前記変動発生手段を、前記給水洗浄水の流
れに生じさせる変動周期を変更する変更手段を有するも
のとしたり、前記変更手段を前記変動周期を規則的或い
は不規則的に変更する手段を有するものとすることがで
きる。こうすれば、変動周期の変更により脈動流での洗
浄水吐水の様子を変更できるので、この脈動流での洗浄
水吐水に基づく洗浄感や洗浄強度が規則的或いは不規則
的に変化する。よって、洗浄感や洗浄強度の多様化に有
益である。
【0018】また、脈動流での洗浄水吐水を受けること
による刺激感も変化する。よって、この刺激感が規則的
に変化すれば、脈動流での洗浄水吐水を人体局部に当て
ることで刺激の規則変化を与えることができ、マッサー
ジ効果による排便の促進を図ることができる。
【0019】一方、この刺激が不規則的に変化すれば、
刺激の変化の様子を予測しにくいことから、洗浄時の単
調感を緩和できると共に、後述のように無意識下での局
部洗浄の際の排便促進を図ることができる。
【0020】前記変動発生手段は、前記給水洗浄水の流
れの変動を、前記変動が生じた洗浄水の流れの状態での
洗浄水吐水に基づく吐水状態変化を人体が刺激変化とし
て認識しないように誘起する変動誘起手段を有するもの
とすることができる。また、前記変動誘起手段は、前記
洗浄水の流れの変動を、人体が周期的な刺激を刺激変化
として認識できる周波数よりも高い周波数で誘起する誘
起手段を有するものとすることができる。こうすれば、
上記したように脈動流での洗浄水吐水に基づく吐水状態
変化やこの脈動流での洗浄水吐水とするための流れの変
動を、人体が刺激変化として認識しないようにできる。
よって、脈動流での洗浄水吐水であるために瞬間瞬間の
吐水洗浄水が呈する水塊が繋がった吐水状態であること
や、水塊が次々と人体表皮に当たっているということを
人体に感じさせないまま、洗浄水の流れに変動を起こす
ことができる。このため、脈動流での洗浄水吐水であっ
ても、使用者にはあたかも連続した流れで洗浄水吐水を
受けているような感じを与えることができる。従って、
脈動流での洗浄水吐水を、洗浄水による連続的な洗浄が
求められる通常のお尻洗浄やビデ洗浄にも好適に用いる
ことができ、違和感や不快感を与えることがない。
【0021】そして、この洗浄水の流れの変動とは独立
に洗浄水流量を低減できる。よって、洗浄水流量を低減
しても脈動流での洗浄水吐水に基づく洗浄感や快適感を
維持できることから、節水の実効性をより高めることが
できる。
【0022】脈動流での洗浄水吐水に基づく吐水状態変
化を人体が認識しないよう誘起するに当たっては、次の
ような手法を採ることができる。脈動流での洗浄水吐水
の周期が約0.3秒程度の周期であると、脈動流の洗浄
水吐水を受けることによる刺激変化を人体が比較的明確
に認識することができるから、上記の脈動流の洗浄水吐
水の周期、即ちこのような吐水を引き起こすための洗浄
水の流れの変動を約0.2秒以下の短周期で起きるよう
にすることが好ましい。脈動流での洗浄水吐水が約3H
z以下の周波数でなされると、その刺激変化を人体が明
確に認識することができ、これを越える周波数であると
刺激変化として認識できない。つまり、刺激変化を認識
するに当たっては不感帯領域(不感帯周波数)がある。
よって、吐水状態変化を人体が認識しないようにするに
は、上記の洗浄水の流れの変動を不感帯周波数に含まれ
る約5Hz以上の周波数で起きるようにすることが好ま
しい。そして、この変動を商用電源の周波数で起こせ
ば、こうした変動を起こすための機器の制御が容易とな
り好ましい。
【0023】この場合、本願にいう人体が刺激変化とし
て認識しないようにすることの意味は、刺激変化として
認識させないようにすることを意図的に起こすことであ
る。よって、局部洗浄の際の便意促進のために何らかの
刺激変化(例えば、温度変化や流量変化に基づく刺激変
化)を人体に認識させるマッサージ洗浄と対比すれば、
刺激変化を認識させる認識させないという点で相違する
ものの、意図的な吐水制御を行う点では共通する。つま
り、ここで述べる刺激変化は、どのような形態の洗浄水
吐水であっても洗浄水吐水を行う上で或いは洗浄水吐水
を継続する上で必然的に生じる刺激変化、例えば単に吐
水を連続しているだけで必然的に起きるような周波数・
周期の刺激変化を含むものではない。
【0024】ところで、洗浄水の着水箇所(洗浄領域)
は、例えば局部洗浄にあっては、肛門や女性局部となる
が、これらの局部はデリケートな表皮部分であり、痔疾
患や生理等により刺激に対して過敏な場合がある。しか
も、局部によって過敏となる程度は異なる。よって、上
記した不感帯領域を約5Hz以上の周波数領域に固定す
るのではなく、洗浄対象局部に応じて最低周波数を調整
するようにすることもできる。更には、この不感帯領域
のうちの低周波数領域では、使用者は、通常ならば局部
洗浄に際して刺激変化を認識しないが、痔疾患や生理等
により、この低周波数領域での洗浄水吐水に刺激変化を
僅かに認識するようなことが起き得る。よって、この低
周波数領域を不感帯領域の境界領域として設定し、この
境界領域以上の周波数領域を確実な不感帯領域とするよ
うにすることもできる。なお、刺激変化に対する認識を
確実に起こさないようにするために、次のようにするこ
ともできる。つまり、上記した境界領域を上記約5Hz
から約60Hzもしくは約80Hzまでに設定し、この
周波数領域の境界領域を越える周波数領域を確実な不感
帯領域とする。
【0025】上記した変動を起こすための前記変動発生
手段を、前記給水経路の一部をなすシリンダと、該シリ
ンダ内で往復動し、その往復動により洗浄水の流れに脈
動を起こして洗浄水を前記シリンダ下流に圧送するプラ
ンジャと、該プランジャを往復駆動させる電磁ソレノイ
ドと、該電磁ソレノイドを励磁制御する制御手段と、前
記シリンダに設けられ、下流側への洗浄水の通過を許容
する逆止弁とを有するものとすることができる。こうす
れば、電磁ソレノイドの励磁制御を通してプランジャを
シリンダ内で往復動させ、これにより脈動を洗浄水の流
れに起こして洗浄水を脈動流の状態で圧送することがで
きる。しかも、下流側ににしか逆止弁を備えず、シリン
ダの上流側には逆止弁を有しないので、脈動流での圧送
時に、プランジャの移動状況によらずにシリンダ内に洗
浄水を常時導いて洗浄水を圧送する。よって、特段の構
成やプランジャ移動制御を用いなくても、脈動流での洗
浄水圧送に際して流量ゼロの状況を起こさないようにで
きる。
【0026】また、この記電磁ソレノイドをデューティ
比制御して励磁制御し、洗浄水の設定吐水量或いは設定
洗浄強度に基づいてデューティ比を変更するものとする
ことができる。こうすれば、電磁ソレノイドの励磁のデ
ューティ比制御を通して吐水量調整や洗浄強度調整を行
うことができる。
【0027】なお、洗浄水への旋回付与に先立って、洗
浄水にその流れに変動を起こすに際しては、次のように
することもできる。即ち、前記吐水孔に至る給水経路に
おいて洗浄水の流れを約5Hz以上の周波数で断続さ
せ、該断続が生じた洗浄水の流れの状態で洗浄水を旋回
付与手段に導く用にすることもできる。こうすれば、吐
水孔からの吐水は断続流での洗浄水吐水となるが、その
周波数は約5Hz以上という上記した不感帯周波数であ
る。よって、断続流での洗浄水吐水を受ける使用者に
は、洗浄水が断続して人体表皮に当たっているというこ
とを感じさせないようにできる。このため、間欠的な吐
水の一形態である断続流での洗浄水吐水であっても、使
用者にはあたかも連続した流れで洗浄水吐水を受けてい
るような感じを与えることができる。従って、このよう
な断続流での洗浄水吐水を、洗浄水による連続的な洗浄
が求められる通常のお尻洗浄やビデ洗浄にも好適に用い
ることができ、違和感や不快感を与えることがない。
【0028】こうした断続吐水手段の好適な態様として
は、上記周波数で断続流とすることができる手段であれ
ば、各種の態様をとることができ、たとえば、給水経路
の開閉を行うオンオフ弁や、流量型電磁ポンプなどによ
り実現することができ、また、断続により増減する水量
は、完全に0〜100%まで増減するほか、断続を体感
でき、しかも節水に効果のある範囲であればよく、たと
えば、10〜100%の範囲で増減する態様や、時間に
応じて断続する水量を可変とする態様をとることができ
る。そして、断続の周波数を商用電源の周波数とすれ
ば、上記弁・ポンプ等の制御が容易となる。
【0029】前記給水経路を流れる洗浄水を所定圧に加
減圧調整する調圧手段を、前記断続吐水手段により洗浄
水の流れに断続が生じた箇所より上流の前記給水経路に
有するものとすることができる。こうすれば、断続流の
洗浄水吐水を行うに際して、洗浄水の圧力を加減圧調圧
した上で洗浄水の流れに断続を生じさせる。給水経路を
流れる洗浄水の圧力は洗浄水水量に影響を及ぼすので、
断続発生前での洗浄水圧力の加減圧調圧を通して、断続
流での洗浄水吐水の吐水量を調整できる。
【0030】
【発明の他の態様】本発明は、次のような他の態様を採
ることもできる。即ち、前記ノズルは、複数の前記吐水
孔を異なる吐水対象ごとに有し、前記給水手段は、前記
吐水孔ごとに洗浄水を給水し、前記旋回付与手段は、前
記吐水孔ごとの給水洗浄水に前記旋回力を付与するよう
にされているものとすることができる。また、前記吐水
孔を有するノズルを複数有し、各ノズルを異なる吐水対
象ごとに備え、前記旋回付与手段を前記各ノズルの吐水
孔ごとに備えるものとすることができる。
【0031】こうすれば、異なる吐水対象(局部洗浄で
はお尻やビデ)に洗浄水を旋回吐水して、各吐水対象を
広い洗浄範囲で洗浄できる。この場合、異なる吐水対象
ごとに、洗浄水の旋回程度やその可変範囲を異なるよう
に設定できる。例えば、局部洗浄装置においてお尻洗浄
よりビデ洗浄の方が、旋回程度を大きくして洗浄範囲を
広くするようにしてもよい。こうすれば、生理時のビデ
洗浄等にあっては、広範囲の洗浄を受けることにより、
洗浄充足感を増すことができる。
【0032】このように吐水対象ごとに洗浄水を旋回吐
水するに当たり、旋回に先立って洗浄水流れに乱れを起
こすようにすることもできる。即ち、前記変動或いは前
記断続を生じさせた洗浄水の供給先を、前記吐水孔ごと
の前記旋回付与手段のいずれかに切り替えるようにした
り、前記各ノズルごとの前記旋回付与手段のいずれかに
切り替えるようにすることができる。こうすれば、異な
る吐水対象に脈動流或いは断続流の状態で洗浄水を旋回
吐水して、各吐水対象を洗浄できる。しかも、各吐水対
象の洗浄時には、上記したように洗浄感の多様化等をも
たらすことができる。この場合、異なる吐水対象ごとに
脈動流或いは断続流の周波数を設定できる。例えば、既
述した境界領域も考慮して、局部洗浄装置においてお尻
洗浄では約71Hz、柔らか洗浄で約71Hz、ビデ洗
浄では約83Hzのように周波数を変更するというよう
に、各種の洗浄形態の特性に合わせて周波数を設定して
もよい。
【0033】さらに、他の好適な態様として、脈動流或
いは断続流での洗浄水吐水を指令する指令手段と、該指
令手段からの信号により発生する脈動流或いは断続流の
周波数を変更するとともに、該周波数を少なくとも被洗
浄面に着水するときに約5Hz以上(不感帯周波数)に
なるように制御する周波数制御部とを備える構成をとる
ことができる。この態様の一例として、人体を洗浄しな
い期間、たとえば洗浄開始の初期や洗浄終了後における
吐水孔周辺洗浄のためのノズル洗浄の期間や、ノズル自
体を掃除する際には脈動流や断続流としないで、被洗浄
面に着水するときだけに脈動流や断続流の不感帯周波数
になる構成をとることができる。また、人体洗浄の開始
前にノズル洗浄を行なう場合において、このノズル洗浄
のときに周波数が不感帯周波数より小さい脈動流や断続
流を生成しておき、その後の被洗浄面への着水時に周波
数を不感帯周波数域まで上昇させる構成をとることによ
り、脈動流や断続流による快適な洗浄を確実に行なうこ
とができる。
【0034】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る人体洗浄装置
を人体局部を洗浄する局部洗浄装置に適用した実施の形
態を実施例に基づき説明する。図1は、第1実施例の局
部洗浄装置300の概略構成を表すブロック図、図2
は、この局部洗浄装置300が有する洗浄ノズルのノズ
ルヘッド170を説明するため内部構造を透視して概略
的に表した概略斜視図である。
【0035】図1に示すように、局部洗浄装置300
は、外部の給水源側から、給水ユニット302と熱交換
ユニット304と流調弁306とを備える。そして、こ
の流調弁306で流量調整された洗浄水を洗浄ノズル3
08に送り込み、当該ノズルから洗浄水を後述のように
吐水する。この洗浄ノズル308は、ノズル駆動モータ
310により、装置本体内の待機位置からお尻又はビデ
の各洗浄位置まで進退するよう構成されている。局部洗
浄装置300は、電子制御装置312を備え、図示しな
い洗浄ボタン等の操作に応じて、この電子制御装置31
2により、ノズル進退駆動、洗浄水給水並びに止水、洗
浄水の温水化、流調弁制御等を行う。
【0036】給水源(水道管)から送られた洗浄水(水
道水)は、給水ユニット302に導かれ、このユニット
の有するストレーナでのごみ等の捕捉を経て、下流の熱
交換ユニット304に至る。なお、給水ユニット302
は、その管路に図示しない逆止弁、調圧のための調圧弁
並びに管路開閉のための電磁弁を備える。よって、電磁
弁による回路開放時を受けて、洗浄水は、調圧弁により
所定圧力(1次圧:約0.098MPa{約1.0kg
f/cm2 })に調圧された状態で、瞬間加熱方式の熱
交換ユニット304に流入する。なお、給水ユニット3
02から熱交換ユニット304に至る間の管路には、リ
リーフ弁(図示省略)が配設されており、不用意な管路
内圧力の上昇回避が図られている。
【0037】熱交換ユニット304は、内蔵ヒータへの
通電を介して通過洗浄水を瞬間的に温水化するよう構成
されている。なお、内蔵ヒータまたはその近傍に、その
異常加熱を機械的に遮断する図示しないバイメタルスイ
ッチや温度ヒューズが装着されている。
【0038】この場合、熱交換ユニット304は、流入
・流出洗浄水の温度を図示しない水温センサで検出しつ
つ、内蔵ヒータで洗浄水を設定温度の洗浄水に温水化す
る。そして、このようにして温水化された洗浄水は、流
調弁306により流量調整を受けた上で、洗浄ノズル3
08に送られる。なお、熱交換ユニット304には、空
焚き防止のためのフロートスイッチや、洗浄ノズル側か
らの洗浄水逆流を防止するためのバキュームブレーカが
設置されている。
【0039】次に、洗浄ノズル308について説明す
る。図2に示すように、洗浄ノズル308は、流調弁6
5からの洗浄水が通過するヘッド流路34をノズルヘッ
ド170部分にまで有する。このノズルヘッド170
は、吐水孔31の直下に、当該吐水孔と小径連通路16
3を介して連通する洗浄水渦室171を有する。なお、
小径連通路163を設けることなく、吐水孔31と洗浄
水渦室171を直接連通するようにすることもできる。
また、小径連通路163を吐水孔31とする、即ち、吐
水孔31を略同一の円筒形状とすることもできる。
【0040】洗浄水渦室171は、底部ほど大径とされ
小径連通路163の側に行くほど傾斜した内周壁を有す
る中空室とされている。そして、この洗浄水渦室171
には、ヘッド流路34が図示するように偏心して接続さ
れている。よって、この洗浄水渦室171の内部にヘッ
ド流路34から流入した洗浄水は、図中矢印SYで示す
ように上記の大径部内周壁および傾斜内周壁に沿って旋
回する。そして、このようにして洗浄水渦室171にて
旋回した洗浄水は、小径連通路163を通過し吐水孔3
1から吐水される。
【0041】このようにして吐水された洗浄水は、この
洗浄水自体が有する旋回力の影響を受け、図中に模式的
に示すように螺旋状(コーン状)の旋回吐水形態を採
る。つまり、こうした洗浄水の旋回吐水形態は、中空の
図示するコーン形状KSが吐水洗浄水で形成されている
ものとなる。
【0042】本実施例では、洗浄水渦室171で洗浄水
に旋回力を付与し、螺旋状(コーン状)の旋回吐水形態
で洗浄水を吐水して、洗浄範囲の拡大を図っている。そ
して、この洗浄範囲の拡大に際し、吐水孔31は勿論の
ことこの吐水孔31を有する洗浄ノズル308の移動を
要しない。よって、ノズル移動を伴うことなく、洗浄範
囲を容易に拡大できる。
【0043】上記の洗浄水の旋回力は洗浄水渦室171
への洗浄水の流入速度(洗浄水速度)で定まり、この流
入速度は洗浄水渦室171における洗浄水の旋回程度を
規定する。よって、洗浄水渦室171への洗浄水流入速
度(洗浄水速度)を調整することで、本実施例では流調
弁65により流量調整を行うことで、螺旋状の旋回吐水
形態での螺旋の広がり程度を種々調整できる。しかも、
ヘッド流路34から洗浄水渦室171に偏心させて洗浄
水を流入させるだけで、上記したように旋回吐水形態を
採ることができ、この際に、モータ等の特別な電気機器
を要しない。よって、省エネルギー化に有益である。
【0044】螺旋の広がり程度は洗浄面積を左右するこ
とから、本実施例によれば、洗浄面積を調整できる。よ
って、旋回吐水による多様な洗浄面積での局部洗浄が可
能であり、広範囲の洗浄面積による洗浄充足感や、狭い
範囲で旋回吐水を受けることによる刺激感、延いては浣
腸感を付与することができる。
【0045】また、洗浄面積の広狭繰り返しを、旋回吐
水における旋回程度(螺旋の広がり程度)を大小繰り返
す、具体的には、洗浄水速度を大小繰り返し制御するこ
とで、実現できる。よって、洗浄面積の広狭繰り返しに
よる洗浄感の多様化や、マッサージ効果を得ることもで
きる。なお、洗浄水速度を、流調弁調整以外の手法で種
々変更することも可能である。
【0046】次に、旋回吐水される洗浄水に空気混入を
図る実施例(第2実施例)について説明する。図3は、
この第2実施例のノズルヘッド170Aを説明するため
内部構造を透視して概略的に表した概略斜視図である。
【0047】図3に示すように、この第2実施例のノズ
ルヘッド170Aは、上記のノズルヘッド170と同
様、ヘッド流路34が偏心して接続された洗浄水渦室1
71を備える。このノズルヘッド170Aは、小径連通
路163を洗浄水渦室171と吐水孔31を繋ぐオリフ
ィス163Aとして備え、その上流に外気巻き込み室1
62とこれに連通する外気導入通路164を備える。つ
まり、ノズルヘッド170Aは、外気巻き込み室162
を挟んでオリフィス163Aと吐水孔31とを対向配置
させ、外気導入通路164から外気巻き込み室162へ
の外気導入するよう構成する。よって、このノズルヘッ
ド170Aでは、オリフィス163Aの通過洗浄水を駆
動流体とし外気導入通路164からの空気を被駆動流体
とすると共に、吐水孔31をスロートとするいわゆるジ
ェットポンプが構成されていることになる。なお、洗浄
水渦室171の形状等は、ノズルヘッド170で説明し
た通りである。
【0048】このノズルヘッド170Aであっても、洗
浄水渦室171にヘッド流路34から偏心して流入した
洗浄水は、図中矢印SYで示すように上記の傾斜した内
周壁に沿って旋回する。そして、このように旋回した洗
浄水は、オリフィス163Aを通過し外気巻き込み室1
62を経てスロート(吐水孔31)から吐水する際に多
量の空気を巻き込んだ状態で吐水される。
【0049】このようにして吐水された洗浄水は、ノズ
ルヘッド170の場合と同様に、旋回力の影響を受けて
螺旋状の旋回吐水形態を採る。そして、この旋回吐水形
態を採る洗浄水は、図示するように空気を自然吸気によ
り混入した状態で吐水される。既述したように、洗浄水
速度は、洗浄水の旋回程度を規定し、空気混入程度をも
規定する。よって、洗浄水渦室171への洗浄水流入速
度(洗浄水速度)を調整することで、洗浄面積の広狭の
みならず空気混入程度をも種々調整できる。このため、
第2実施例によれば、多様な洗浄面積での吐水や多様な
空気混入量の吐水が可能であり、より心地よい洗浄感・
柔らか感等を付与することができる。
【0050】この第2実施例では、オリフィス163A
が洗浄水の吐水方向と同一方向で設けられているので、
水勢の減衰を抑制できる。また、ジェットポンプとして
の作用により、空気巻き込み量を増大させることができ
る。よって、空気量増大の分だけ洗浄水水量の低減がで
き、節水化の実効性をより高めることができると共に、
よりやわらかな感じの洗浄感をもたらすことができる。
更に、オリフィス163Aと洗浄水吐水方向とが同一方
向であるため、オリフィス下流に管路の曲がりがない。
よって、この管路曲がり部での洗浄水の衝突が起きない
ので、その分、エネルギロスが無く流速の低下を招かな
い。
【0051】なお、図3は洗浄水の吐水の様子を瞬間的
に示しているが、この状態が連続して起きているので、
実際の吐水形態は、図2で示したものとほぼ同様であ
り、中空のコーン形状KSが吐水洗浄水で形成されてい
るものとなる。
【0052】ここで、第2実施例のノズルヘッド170
Aにおける空気混入能力について説明する。
【0053】図4は、ノズルヘッド170Aと対比する
比較例ノズルヘッド161を模式的に表した模式図であ
る。図示するように、比較例ノズルヘッド161は、洗
浄水渦室171を有しない点以外はノズルヘッド170
Aと同様の構成を備え、オリフィス163Aや外気導入
通路164並びにスロートとしての吐水孔31によりジ
ェットポンプを構成している。
【0054】この第2実施例のノズルヘッド170Aと
上記の比較例ノズルヘッド161について、オリフィス
径S1とスロート径S2の面積比(S2/S1)を種々
変更して空気巻き込み量を測定した。この空気巻き込み
量を水に対する空気の比(空気混入率%)として表して
それぞれのノズルヘッドについてグラフ化したところ、
図5に示すような結果を得た。即ち、渦室を有しない上
記の比較例ノズルヘッド161では、1〜4の面積比範
囲で、40〜80%という空気巻き込み量とできる。し
かし、ノズルヘッド170Aでは、この比較例ノズルヘ
ッド161に比べ、約1.3〜2倍程度、空気巻き込み
量を増大でき、節水化の実効性の向上・柔らかな洗浄感
の付与の観点から更に有利である。そして、この面積比
を1.2〜3程度にすることが、空気巻き込み量増大の
点で好ましい。なお、空気巻き込み量は、次のように測
定した。即ち、空気吸込口に熱線式の微少空気流量計を
接続して空気流量を直接測定し、この空気流量とノズル
への給水流量とから空気混入率を演算し、これを空気巻
き込み量として、図5のグラフを得た。
【0055】また、図6に示すように、ノズルヘッド1
70Aでは、コーン形状KSの吐水形態を採っているこ
とから、このノズルヘッド170Aからの吐水は、被洗
浄部分の中心を取り囲むようにこの被洗浄部分に着水す
る。よって、被洗浄部分の汚れをコーン形状KSの中に
閉じ込めた状態での洗浄が可能となり、洗浄効果を高め
ることができる。また、このコーン形状KSの吐水形態
では、洗浄水が単に拡散吐水しているのではなく、コー
ン外壁に沿った洗浄水の回転(旋回)が起きている。こ
のため、コーンの内部に図中白抜き矢印で示す空気の巻
き込みが起こり、被洗浄部分着水部の略中心部に、着水
洗浄水が略柱状に垂れ下がった垂れ下がり部KSCが形
成される。よって、被洗浄部分を取り囲むよう着水して
洗浄しつつ、この垂れ下がり部KSCでも被洗浄部分中
央を洗浄できる。なお、図2に示すノズルヘッド170
でも同様である。
【0056】図2、図3に示すノズルヘッド170、1
70Aは、既存の局部洗浄装置と同様に、ただ単に洗浄
水を連続流の状態で各ノズルヘッドに導くだけで、螺旋
状の旋回吐水形態や空気混入吐水を実現できる。そし
て、流量調整弁等による通常の流量調整を行った連続流
の洗浄水をこれらノズルヘッドに給水するだけで、多様
な洗浄面積での吐水や多様な空気混入量の吐水が可能で
あり、より心地よい洗浄感・柔らか感等を付与すること
ができる。つまり、上記のノズルヘッド170、170
Aによれば、連続流での吐水を行う既存の局部洗浄装置
のノズルヘッドと交換等するだけで、心地よい洗浄感や
柔らか感等を付与できるよう既存装置を簡単に改良する
ことができる。
【0057】また、このノズルヘッド170、170A
によれば、次のような利点がある。吐水孔から洗浄水を
吐水して被洗浄面に着水させた場合、その洗浄水の及ぼ
す力Fは、次の式で表される。なお、ρは洗浄水密度、
Vは吐水速度、Qは吐水量、Sは吐水孔開口面積を示
す。 F=ρ・V・Q=ρ・(Q2 /S)
【0058】ノズルヘッド170、170Aでの吐水形
態では、吐水孔31から洗浄水が吐水する際に洗浄水は
旋回しつつ吐水してコーン状KSをなしている。よっ
て、吐水孔開口の洗浄水通過の様子は、開口部全域から
洗浄水が通過して吐水されているのではなく、開口部中
心には洗浄水がなく壁面に沿って環状に洗浄水が通過し
て吐水されている状態となる。このため、ノズルヘッド
170、170Aでは、吐水孔を洗浄水が通過する際の
実吐水孔面積S1は、吐水孔壁面に沿った環状形状の面
積となり、吐水孔開口面積Sよりも小さくなる。よっ
て、吐水孔から単純に洗浄水を吐水したときの力Fとコ
ーン形状KSの吐水形態の時の力F1とを比べると、F
1は次式で表されS>S1であることから、F1>Fと
なる。 F1=ρ・(Q2 /S1)
【0059】しかも、ノズルヘッド170Aでは、吐水
洗浄水に空気を混入させているので、空気混入の分だけ
洗浄水が占める面積は少なくなるので、上記した実吐水
孔面積S1はより小さくなり、F1は大きくなる。従っ
て、ノズルヘッド170Aによれば、同じ吐水量Qでも
洗浄水の及ぼす力F1を大きくできるので、局部洗浄に
必要とされるこの力Fを得るのに少ない吐水量で済むこ
とになる。この力Fを、単に線束を細め流速を上げて増
そうとすると線が細く痛いと感じるのだが、旋回力を付
与し旋回吐水形態で洗浄水を吐水することで、局部に当
たるポイントが短時間でずれていくので、線束を細め流
速を上げたにも拘わらず、痛さを感じない
【0060】このように実吐水孔面積S1を小さくして
力F1を大きくすることの主要因は、洗浄水に旋回を与
えて吐水することである。よって、洗浄水に旋回を与え
て吐水することだけでも、つまり、ノズルヘッド170
を採用することだけでも、節水の実効性を高めることが
できる。そして、上記のように空気混入するノズルヘッ
ド170Aでは、空気混入吐水とすることで柔らか感を
高めることができる。従って、ノズルヘッド170Aに
よれば、節水を図った上で柔らか感を発揮できる吐水を
実行できる。
【0061】また、このノズルヘッド170Aに、空気
ポンプ等を用いて強制的に空気を混入するようにするこ
ともできる。例えば、オリフィス163Aを、多孔質の
筒状体で構成し、この筒状体オリフィスにその外側から
内部通路に強制的に空気を混入する。こうすれば、空気
混入量が増大するので、より一層の柔らか感をもたらす
ことができる。なお、この場合には空気ポンプを旋回力
の程度を可変とする可変手段として利用できる。即ち、
空気混入量を増すことで水が通過する実質流路を狭め、
流速を早くすることができるので空気ポンプの出力を調
整すれば流速は可変出来る。
【0062】次に、第3実施例について説明する。この
実施例では、洗浄ノズルをお尻洗浄用とビデ洗浄用に別
々に備える。図7は、第3実施例の局部洗浄装置300
Aの概略構成を示すブロック図である。図示するよう
に、この局部洗浄装置300Aは、流調弁306の下流
に流路切換弁307を備え、この切換弁により洗浄ノズ
ル308A、308Bのいずれかに流調済み洗浄水を供
給する。ノズル駆動モータ310は、お尻洗浄用の洗浄
ノズル308Aを待機位置とお尻洗浄位置に亘って進退
させ、ビデ洗浄用の洗浄ノズル308Bを待機位置とビ
デ洗浄位置に亘って進退させるように構成されている。
なお、流調と流路切換を同時に行う流調切換弁を上記の
両弁に替えて用いることもできる。
【0063】洗浄ノズル308A、308Bは、空気混
入を行わないノズルヘッド170を有するものとするこ
とは勿論、空気混入を行うノズルヘッド170Aを有す
るものとすることができる。或いは、一方の洗浄ノズル
を空気混入を行わないノズルヘッド170を有するもの
とし、他方の洗浄ノズルを空気混入を行うノズルヘッド
170Aを有するものとしてもよい。
【0064】この第3実施例によれば、お尻・ビデとい
う異なる吐水対象に別々の洗浄ノズルにて洗浄水を旋回
吐水して、各吐水対象を広い洗浄範囲で洗浄できる。こ
の場合、お尻洗浄よりビデ洗浄の方が、旋回程度を大き
くして洗浄範囲を広くするようにしてもよい。こうすれ
ば、生理時のビデ洗浄等にあっては、広範囲の洗浄を受
けることにより、洗浄充足感を増すことができる。そし
て、洗浄ノズルごとでは、同じ洗浄範囲、即ち同じ洗浄
水流速で各ノズルの洗浄水渦室171に洗浄水を導けば
よいことから、ノズルごとの流速制御が容易となる。
【0065】次に、ノズルヘッド170、170Aで説
明した洗浄水渦室171を利用した旋回吐水の他の実施
例(第4実施例)について説明する。この第4実施例
は、単一の洗浄ノズルにお尻洗浄用の吐水孔とビデ洗浄
用の吐水孔を有し、お尻・ビデの洗浄に際して、既述し
た旋回吐水形態での洗浄水吐水を行う点に特徴がある。
図8は、第4実施例の局部洗浄装置320の概略構成を
示すブロック図、図9は、この他の実施例のノズルヘッ
ド200の模式的な構成を説明するための要部概略断面
図、図10は、そのX方向概略斜視図、図11は、ノズ
ルヘッド200の底部蓋210の斜視図である。
【0066】図8に示すように、第4実施例の局部洗浄
装置320は、給水ユニット302等に加え、洗浄ノズ
ル24と、当該ノズル端部に一体に装着された流路切換
弁71を有する。洗浄ノズル24は、ノズル内に後述の
3つの流路を備え、各流路を経てお尻或いはビデにノズ
ルヘッド200の各吐水孔から洗浄水を吐水する。流路
切換弁71は、いわゆるディスク式の切換弁であり、ノ
ズル内の3つの流路の内の1つを開放することで、流調
済みの洗浄水をその開放流路に導くよう構成されてい
る。
【0067】図9および図10に示すように、このノズ
ルヘッド200は、通常のお尻洗浄・お尻の柔らか洗浄
・ビデ洗浄の各吐水孔31〜33を、ヘッド上面に装着
される上蓋202に有する。この上蓋202は、着脱自
在とされており、各吐水孔31〜33の孔径が異なるも
のが種々用意されているので、各吐水孔の孔径の組み合
わせを複数選択可能である。上蓋202の下面には、上
記の各吐水孔に連通するエアーギャップ室204が形成
されており、このエアーギャップ室204に、吐水孔ご
とのヘッド流路が次のように接続されている。
【0068】お尻吐水用の第1ヘッド流路34は、エア
ーギャップ室204に直接接続され、その流路末端をお
尻吐水孔31に対向させている。柔らか吐水用の第2ヘ
ッド流路35とビデ吐水用の第3ヘッド流路36は、図
9および図10に示すように、ノズル下端側に形成さ
れ、ノズルヘッドにおいては、ノズルヘッド下端に底部
蓋210を水密に装着することで形成される。第2ヘッ
ド流路35と第3ヘッド流路36は、ノズルヘッド内に
形成され底部蓋210の装着により密閉空間とされる柔
らか洗浄水渦室206とビデ洗浄水渦室208にそれぞ
れ偏心接続されている。この場合、図10に示すよう
に、第2ヘッド流路35は柔らか洗浄水渦室206にノ
ズルヘッド右方から達し、このヘッド流路からの洗浄水
は、接続口206aから渦室内に偏心して入り込む。第
3ヘッド流路36はビデ洗浄水渦室208にノズルヘッ
ド左方から達し、このヘッド流路からの洗浄水は、接続
口208aから渦室内に偏心して入り込む。この両渦室
は、既述した洗浄水渦室171と同様に、底部ほど大径
とされこの底部からその上端のオリフィス207、20
9まで傾斜した内周壁を有する。
【0069】また、底部蓋210およびヘッド先端部に
は、上記したエアーギャップ室204に連通し当該ギャ
ップ室に空気導入を図るための外気導入通路212が空
けられている。このため、第1〜第3ヘッド流路34〜
36からエアーギャップ室204を経てそれぞれの吐水
孔に向けて洗浄水が吐水される際、このエアーギャップ
室204にて外気導入通路212からの空気巻き込みを
起こす。そして、柔らか吐水とビデ吐水にあっては、そ
れぞれの渦室での洗浄水旋回を起こして、その旋回した
洗浄水は、オリフィス207、209を通過しエアーギ
ャップ室204を経てスロート(柔らか吐水孔32、ビ
デ吐水孔33)から吐水する際に多量の空気を巻き込ん
だ状態で吐水される。よって、お尻吐水孔31による通
常のお尻洗浄時には、空気混入を図った状態での洗浄水
吐水が行われ、柔らか吐水孔32又はビデ吐水孔33に
よる柔らか洗浄とビデ洗浄の際には、空気混入と洗浄水
旋回とを図った状態で吐水することができる。そして、
各洗浄の際には、空気混入および洗浄水の旋回吐水で得
られる上記の効果を奏することができる。なお、図9で
は説明のために、この外気導入通路212を断面図にお
いてノズル先端側に描画したが、図10に示すように吐
水孔間に位置するようヘッド下面から空けるようにする
こともできる。
【0070】更に、このノズルヘッド200では、底部
蓋210に、ビデ洗浄水渦室208の底部中央に位置す
る立設板213を設けた。この立設板213は、ビデ洗
浄水渦室208に入り込むので、当該渦室の中央付近の
旋回洗浄水に干渉する。よって、この立設板213の高
さや幅等の寸法調整により、ビデ洗浄水渦室内の洗浄水
の旋回状態(旋回量)をコントロールすることができ
る。立設板213が無い場合には、流量が少ない際に旋
回力が不安定になり飛び散りが多かったが、この立設板
213を設けることで、小流量の際にも安定した旋回力
を得ることができ、飛び散りを少なくすることができ
る。また、旋回状態のコントロールにより、空気巻き込
み量がほぼ同じ状態でビデ吐水を毎回実施できる。
【0071】ここで、ノズルヘッド200におけるヘッ
ド流路とノズル内流路について説明する。図12および
図13は、ノズルヘッド200と洗浄ノズル24の要部
の分解斜視図である。
【0072】図示するように、ノズルヘッド200は、
筒状の洗浄ノズル24先端に、シール体240を介在さ
せた状態で位置決めして組み付けられる。これら部材の
位置決めは、ノズル先端外周並びにシール体周縁の溝2
41に、ノズルヘッド200内壁の凸条242を嵌め込
むことで行われる。
【0073】ノズルヘッド200は、上記した第1〜第
3のヘッド流路34〜36を、これら流路が二等辺三角
形の各頂点に位置するようにして備える。この場合、第
2、第3のヘッド流路35、36が底辺の両端に位置す
る。洗浄ノズル24は、図12に示すように、その先端
部に接続管部34a〜36aを有し、各接続管部は、上
記の第1〜第3のヘッド流路34〜36の位置関係に倣
って形成されている。洗浄ノズル24は、先端部分にお
いて、この接続管部34a〜36aに連通するノズル先
端流路34b〜36bを有し、筒状部にあっては、3分
割されたノズル流路34c〜36cを有する。シール体
240は、上記の第1〜第3のヘッド流路34〜36並
びにノズル先端流路34b〜36bにそれぞれ嵌合する
よう両端に突出したシール筒状体243を備え、このシ
ール筒状体で各流路34b〜36b間およびノズルヘッ
ド200と洗浄ノズル24間をシールする。なお、ノズ
ルヘッド200は、図示しない係合爪を係合凹部等に嵌
め込むことで洗浄ノズル先端に固定される。
【0074】ノズル先端流路34b〜36bとノズル流
路34c〜36cは、その断面形状が異なっているが、
洗浄ノズル24は樹脂成型品であるので、それぞれのノ
ズル流路とノズル先端流路を支障なく連通形成できる。
この場合、ノズル流路34c〜36cに、断面が円弧状
の板材245(図13参照)をノズル流路湾曲壁に密着
させて挿入すれば、ノズル流路面積を狭くして洗浄水の
流速を高めることができる。よって、柔らか吐水孔32
およびビデ吐水孔33によるお尻の柔らか洗浄とビデ洗
浄において、洗浄水の旋回程度を高めて広い範囲の洗浄
を行うことができ、洗浄充足感を与えることができる。
【0075】次に、第5実施例について説明する。この
第5実施例は、洗浄範囲の広狭調整に特徴がある。図1
4は、第5実施例のノズルヘッド220を説明するため
内部構造を透視して概略的に表した概略斜視図である。
【0076】図示するように、ノズルヘッド220は、
上記のノズルヘッド170Aと同様、外気巻き込み室1
62、オリフィス163A、スロートとしての吐水孔2
21並びに外気導入通路164で構成されたジェットポ
ンプを有し、オリフィス163Aの下方に洗浄水渦室1
71を有する。そして、洗浄水のノズル給水経路とし
て、洗浄水渦室171に偏心して接続された偏心経路2
22と、当該渦室にその軸心を指向して接続された軸心
指向経路223とを有する。また、この両経路に独立し
て洗浄水を給水する図示しない洗浄水給水ユニットを有
する。この洗浄水給水ユニットは、軸心指向経路223
のみへの洗浄水給水、軸心指向経路223と偏心経路2
22の両経路への洗浄水同時給水が可能であり、その給
水の際には各経路ごとの流量Q1、Q2の流量調整を行
うよう構成されている。なお、洗浄水給水ユニットを偏
心経路222にのみ給水するようにすれば、既述したノ
ズルヘッド170Aと同一となる。
【0077】ここで、上記したノズルヘッド220から
洗浄水を吐水した際の吐水の様子について説明する。
【0078】まず、軸心指向経路223のみに洗浄水を
給水した場合には、洗浄水は、洗浄水渦室171にその
軸心を指向して流入する。このようにして流入した洗浄
水は、渦室内でほとんど旋回することなくオリフィス1
63Aを追加し、外気巻き込み室162通過時に空気を
巻き込んでスロート(吐水孔221)から吐水される。
そして、この場合には、渦室内での洗浄水旋回が起きな
いことから、次のような吐水状況となる。
【0079】外気巻き込み室162での空気巻き込み
量は、洗浄水旋回有りの場合より少なくなるので、柔ら
か感は小さくなる。 吐水形態はコーン状KSとはならずほぼ円柱状のまま
のものとなる。このため、図14に示すように狭い洗浄
面積SMaを、空気混入量が少なく円柱状をした洗浄水
水柱で強く洗浄できる。また、吐水形態が円柱状と細い
ことから、洗浄水をお尻洗浄の際に強制的に肛門内に張
り込ませることもでき、いわゆる浣腸効果を奏すること
ができる。上記した現象は、軸心指向経路223と偏心
経路222の両経路に洗浄水を同時に給水し、軸心指向
経路223の流量Q1と偏心経路222の流量Q2がQ
1>>Q2の場合でも起きる。
【0080】その一方、軸心指向経路223の流量Q1
と偏心経路222の流量Q2とを調整しつつこれら両経
路に洗浄水を同時に給水した場合は、次のようになる。
流量Q1と流量Q2をQ2>>Q1の関係で調整した場
合は、偏心経路222から給水された流量大の洗浄水が
渦室内挙動を決定するので、両経路から渦室内に流入し
た洗浄水は、図中矢印SYで示すように渦室内で旋回す
る。よって、この旋回により、外気巻き込み室162
での空気巻き込み量は多くなり、十分な柔らか感をもっ
た吐水とすることができる。吐水形態はコーン状KS
となるので、図14に示すように広い洗浄面積SMc
を、空気混入量が多いために十分な水量感を与えつつ洗
浄できる。なお、コーン状KSの吐水形態であることか
ら、図6で説明した洗浄感や洗浄効果を発揮することが
できる。
【0081】そして、流量Q1と流量Q2を、Q2がQ
1に近づくよう調整した場合は、渦室内挙動に及ぼす偏
心経路222からの洗浄水の影響が小さくなる。よっ
て、このように流量調整をした場合は、両経路から渦室
内に流入した洗浄水は、図中矢印SYで示すように渦室
内で旋回するものの、旋回程度が小さくなり、次のよう
になる。
【0082】この旋回程度が小さくなる分、外気巻き
込み室162での空気巻き込み量は減少するので、柔ら
か感は少しずつ薄れる吐水となる。 吐水形態はコーン状KSであるものの、旋回程度に応
じて、図14に示すように洗浄面積SMbは狭くなり、
空気混入量も少なくなる。もっとも、軸心指向経路単独
での洗浄水給水時に比べれば、十分な柔らか感や水量感
を得ることができる。
【0083】従って、このノズルヘッド220によれ
ば、上記の両経路からの同時給水とその際の各経路の流
量調整とにより、空気混入量、吐水強さ、洗浄面積並び
に柔らか感を種々調節した洗浄水吐水を実現することが
できる。また、軸心指向経路223のみからの洗浄水給
水を行うことで、特定の空気混入量、吐水強さ、洗浄面
積と、浣腸効果を得ることができる。なお、軸心指向経
路223のみからの洗浄水給水を行う際に流量調整を行
えば、流量に応じて空気混入量、吐水強さ、洗浄面積を
変更することができる。
【0084】このようにノズルヘッド220では柔らか
感等を上記のように調節できることから、次のように構
成することもできる。図示しないお尻洗浄ボタンが操作
されて通常のお尻洗浄が所望される際には、軸心指向経
路223のみからの洗浄水給水を行うようにする。そし
て、水勢調整ボタンの操作に応じて流量調整を行うよう
にする。この通常のお尻洗浄の場合は、調整水勢に制限
を設けて、円柱状の洗浄水水柱が極端に細くならないよ
うにして、不用意に浣腸効果を起きないようにすること
が好ましい。浣腸効果を発揮することが所望される場合
には、通常のお尻洗浄とは別に浣腸ボタン等を設け、当
該ボタンが操作されたときに、洗浄水水柱を細くして浣
腸効果を発揮するようにする。
【0085】また、柔らか洗浄ボタンとビデ洗浄ボタン
を設け、柔らか洗浄ボタンが操作されれば、軸心指向経
路223の流量Q1と偏心経路222の流量Q2とを調
整しつつこれら両経路に洗浄水を同時に給水することと
し、その際、Q2とQ1が所定範囲で近似するよう両流
量を調整するようにする。その一方、ビデ洗浄ボタンが
操作されれば、両経路に洗浄水を同時に給水しつつ、そ
の際、Q2がQ1に対して十分大きくなるよう両流量を
調整するようにする。なお、Q2とQ1が近似している
所定範囲と、Q2がQ1に対して十分大きくなっている
範囲とにおいて、流量変更できるようにし、柔らか洗浄
・ビデ洗浄の洗浄時に水勢設定ボタンで水勢を調整でき
るようにする。なお、これを周期的に繰り返すことも可
能である。この場合周期は一定周期でもランダム周期で
も良い。こうすることで、新たな洗浄感やマッサージ効
果等が得られる。
【0086】以上説明したように、第5実施例のノズル
ヘッド220によれば、単独の吐水孔で浣腸効果の有
無、柔らか感等の調整が可能となり、お尻・柔らか・ビ
デといった異なる洗浄を、これら各洗浄に求められる異
なる洗浄感を充足しつつ行うことができる。そして、単
独の吐水孔でよいことから、ノズルヘッドの小型化、延
いては装置の小型化・携帯化を図ることができる。
【0087】次に、上記したように旋回吐水を実行可能
な洗浄ノズルへの洗浄水給水に特徴がある実施例につい
て説明する。図15は、第6実施例の局部洗浄装置の概
略構成を水路系を中心に表したブロック図、図16は、
この水路系に配設されたアキュムレータ73の概略構成
を示す断面図、図17は、同じく水路系に配設された波
動発生機器74の構成を表す断面図である。また、図1
8は、この波動発生機器74による洗浄水の流れの様子
を説明する説明図、図19は、波動発生機器74の設置
の様子を模式的に表した模式図、図20は、制御系の概
略構成を表すブロック図である。
【0088】本実施例の局部洗浄装置10は、図示しな
い遠隔操作装置や本体袖部等のボタン操作に応じた洗浄
動作・乾燥動作等を行うため、以下の水路系構成並びに
制御系構成を有する。図15に示すように、本局部洗浄
装置の水路系は、図示しない外部の給水源側から、入水
側弁ユニット50と熱交換ユニット60と流調弁65と
波動発生ユニット70とを備える。そして、この波動発
生ユニット70から洗浄ノズル24の流路切換弁71を
経て洗浄ノズル24に洗浄水が、波動発生ユニット70
による変動を保ったまま案内され、当該ノズルから後述
のように洗浄水が吐水される。これら各ユニットは、波
動発生ユニット70を挟んだ上流側・下流側給水管路で
接続されている。即ち、入水側弁ユニット50と熱交換
ユニット60は、上流側給水管路51で接続され、波動
発生ユニット下流の流路切換弁71は、下流側給水管路
72で接続されている。
【0089】上流側給水管路51は、本局部洗浄装置に
給水源(水道管)から洗浄水(水道水)を直接給水すべ
く入水側弁ユニット50に配管されている。この上流側
給水管路51に導かれた洗浄水は、入水側弁ユニット5
0のストレーナ52でのごみ等の捕捉を経て、逆止弁5
3、調圧弁54に流れ込む。そして、調圧弁下流の電磁
弁55にて管路が開かれると、洗浄水は、調圧弁54で
所定の圧力(1次圧:約0.098MPa{約1.0k
gf/cm2 })に調圧された状態で、瞬間加熱方式の
熱交換ユニット60に流入する。このように調圧を受け
て流入する洗浄水流量は、約300〜600cc/mi
n程度となるようにされている。なお、上流側給水管路
51を、便器洗浄用の洗浄水を貯留する洗浄水タンク
(図示省略)から分岐して入水側弁ユニット50に配管
することもできる。
【0090】この入水側弁ユニット50から熱交換ユニ
ット60に至る間の上流側給水管路51には、リリーフ
弁56を介在させた第1洗浄水導出管路56aが配設さ
れている。この第1洗浄水導出管路56aは、リリーフ
弁上流側の管路圧力が何らかの原因で上昇してリリーフ
弁56により管路が開かれると、上流側給水管路51内
の洗浄水を外部に導出する。これにより、上流側給水管
路51、延いては熱交換ユニット60における熱交換部
内圧の上昇を回避できるので、熱交換部の変形や収縮・
膨張による疲労を回避でき好ましいばかりか、必要以上
に高い耐圧性能を有する熱交換部とする必要がない。
【0091】上記の第1洗浄水導出管路56aは、その
末端が脱臭用吸気口や局部乾燥用排気口に向くよう配設
されている。よって、この導出管路から導出された洗浄
水は、これら吸気口や排気口或いは下ケースに形成され
たトイに吐水される。この吸気口や排気口やトイは、便
器ボール部に臨んでいることから、ボール部に配設され
た汚物の飛散水を浴びて汚れることがある。しかし、吸
気口や排気口やトイは上記の導出管路からの洗浄水によ
り洗浄されるので、衛生面や清潔感の観点から好まし
い。なお、導出管から吐水された洗浄水は、便器ボール
部に流れ落ちるので、便器周辺を汚すようなことがな
い。
【0092】上記した入水側弁ユニット下流の熱交換ユ
ニット60は、ヒータ61を内蔵する熱交換部62を備
える。このヒータ61は、熱応答性が良好なタングステ
ン−モリブデンを用いたものであり、次のようにして製
造されている。まず、タングステン−モリブデンのペー
ストで、ヒータパターンをセラミックシートにスクリー
ン印刷し、このセラミックシートを円筒セラミックに巻
付け、焼結する。こうすることで、ヒータ61は、ヒー
タパターンを絶縁層で絶縁して形成した円筒状セラミッ
クヒータとして構成される。そして、通電用の電極部に
はNiめっきしたコバール電極を用い、このコバール電
極をヒータパターンにロー付け固定する。また、こうし
てできた円筒形状のヒータにガラス溶着にて取付フラン
ジ固定し、ヒータ61とされる。このようにヒータ61
を熱応答性が良好なものとしたので、熱交換部62はこ
のヒータ61による洗浄水の瞬間加熱が可能な容量であ
ればよくなり、熱交換部、延いては熱交換ユニット全体
の小型化が可能である。また、熱交換ユニット60の構
造が簡略となるので、組み付け工数の低減、低コスト化
といった製造上の利点がある。なお、ヒータ61または
その近傍に、その異常加熱を機械的に遮断する図示しな
いバイメタルスイッチや温度ヒューズが装着されてい
る。
【0093】この熱交換ユニット60は、熱交換部62
へ流入する洗浄水の温度と熱交換部62から流出する洗
浄水の温度を入水温センサSS16aと出水温センサS
S16bで検出しつつ、ヒータ61で洗浄水を設定温度
の洗浄水に温水化する。そして、このようにして温水化
された洗浄水は、流調弁65により流量調整を受けた上
で、後述の波動発生ユニット70に流入する。この場
合、熱交換ユニット60を発泡材等の断熱材で被覆すれ
ば、断熱材による洗浄水保温効果と相俟って、洗浄水温
水化のヒータの消費電力を削減できる。つまり、省エネ
効果が高まる。
【0094】また、この熱交換ユニット60は、熱交換
部内水位を検出するフロートスイッチSS18を有す
る。このフロートスイッチは、ヒータ61が水没する所
定の水位以上になるとその旨の信号を出力するよう構成
されている。そして、電子制御装置80はこの信号を入
力している状況下でヒータ61を通電制御するので、水
没していないヒータ61に通電してしまうとういような
事態、いわゆるヒータの空焚きを回避する。なお、熱交
換ユニット60のヒータ61は、後述する電子制御装置
80によってフィード・フォワード制御とフィードバッ
ク制御を組合わせながら最適に制御される。
【0095】更に、この熱交換ユニット60は、熱交換
部62からの洗浄水出口、即ち、熱交換部下流の管路の
熱交換部接続箇所に、バキュームブレーカ63を備え
る。このバキュームブレーカ63は、管路内に大気を導
入して熱交換部下流の管路内の洗浄水を断ち切り、熱交
換部下流側からの洗浄水逆流を防止する。
【0096】波動発生ユニット70は、その上流側から
アキュムレータ73と、波動発生機器74とを有する。
このアキュムレータ73は、図16に示すように、波動
発生機器74より上流の上流側給水管路51に接続され
たハウジング73aと、ハウジング内のダンパ室73b
に配置されたダンパ73cと、このダンパに付勢力を及
ぼすスプリング73dとを有する。よって、アキュムレ
ータ73は、波動発生機器74の上流において、上流側
給水管路51の水撃を低減する。このため、熱交換部6
2の洗浄水温度分布に及ぼす水撃の影響を緩和でき、吐
水洗浄水の温度を安定化することができる。
【0097】この場合、アキュムレータ73は、波動発
生機器74に近接配置したり当該機器と一体的に配置す
ることが、後述するようにこの波動発生機器74で発生
された脈動を上流側に伝播することを速やかにかつ効果
的に回避できる観点から好ましい。この場合、アキュム
レータ73は、ダンパ73cとこれを付勢するスプリン
グ73dの無い単なる空気室としてのダンパ室73bを
有するだけの構成や、上流側給水管路51を一部上方に
意図的に膨張させたようなエアー溜まりとして形成する
こともできる。
【0098】波動発生機器74は、図17に示すよう
に、上流側・下流側給水管路51、72に接続されるシ
リンダ74aにプランジャ74bを摺動自在に備える。
そして、このプランジャ74bを電磁コイル(脈動発生
コイル)74cの励磁制御により上流側・下流側に進退
させる。プランジャ74bは、脈動発生コイル74cの
励磁により図示する原位置(プランジャ原位置)から下
流側に移動するが、コイル励磁が消えると、復帰スプリ
ング74eの付勢力を受けて原位置に復帰する。この
際、緩衝スプリング74dでプランジャ74bの動作が
緩衝される。
【0099】プランジャ74bは、その内部に鋼球とス
プリングからなる逆止弁74fを有するので、プランジ
ャ原位置から下流側への移動の際には、シリンダ74a
内の洗浄水を加圧して下流側給水管路72に押し流す。
この際、プランジャ原位置は一定であることから、一定
量の洗浄水が下流側給水管路72に送られることにな
る。その後、原位置に復帰する際には、逆止弁74fを
経てシリンダ74a内に洗浄水が流れ込むので、次回の
プランジャ74bの下流側移動により、改めて一定量の
洗浄水が下流側給水管路72に送られることになる。し
かも、プランジャ74bの原位置復帰の際には、プラン
ジャ下流側、即ち下流側給水管路72の洗浄水の引き込
みが起きるので、この波動発生機器74は、プランジャ
74bの往復動に伴って圧力が周期的に上下変動する脈
動を引き起こし、洗浄水を脈動流の状態で下流側給水管
路72に流す。
【0100】この場合、波動発生ユニット70には上流
側給水管路51を経て上記の1次圧の洗浄水が給水され
ている。よって、上記したようにプランジャ74bの原
位置復帰の間に逆止弁74fを経てシリンダ74a内に
流れ込んだ洗浄水は、逆止弁74fによる圧力損失や下
流側の洗浄水の引き込みの影響を受けて1次圧のままで
はないものの、下流側給水管路72に送られる。
【0101】この様子を図でもって表すと、図18に示
すように、洗浄水は、波動発生ユニットへの導入水圧P
inを中心に脈動した圧力で波動発生機器74から下流
側給水管路72、延いては洗浄ノズル24に送られて後
述するように局部に吐水される。しかも、波動発生機器
74からその下流に送られる洗浄水圧は、上記のように
プランジャ74bの原位置復帰の際の逆止弁74fを経
たシリンダ74a内への洗浄水流れ込みにより、ゼロと
なることはない。この洗浄水圧の脈動推移は、洗浄水流
量の推移に反映する。この場合、脈動の中心となる上記
の導入水圧Pinは調圧弁54にて調圧されるので、脈
動を図18に示す軌跡のまま上下にシフトしたものとで
きる。そして、洗浄水圧の脈動推移は洗浄水流量の推移
に反映するので、脈動をシフトさせれば、吐水量自体を
上下に調整できる。
【0102】この図18に見られる脈動周期MTは、脈
動発生コイル74cの励磁周期に同期し、この励磁周期
の変更制御を通して後述のように種々設定可能である。
しかも、洗浄水の脈動流発生にプランジャ74b往復動
のためのコイル励磁だけで済むので、波動発生機器74
の構成を簡単にすることができる。
【0103】また、本実施例では、図15に示すよう
に、波動発生機器74を熱交換ユニット60の熱交換部
62の下流に配置したので、脈動流とされた洗浄水は、
給水管路より大径であるために脈動減衰を起こし易い熱
交換部を通過することが無い。よって、下流側給水管路
72、延いては洗浄ノズル24には、熱交換部による脈
動減衰の影響を受けることがない状態で、脈動流の洗浄
水を送り込むことができる。
【0104】更に、この波動発生機器74の設置に際し
ては、いわゆる防振ゴムを介在させた。よって、この防
振ゴムによる制振作用により、脈動発生に伴う振動を抑
制できると共に、振動による異音発生も抑制できる。こ
の場合、波動発生機器74を、金属等の高比重の粉体物
や粒状物を混合することで高比重化された樹脂プレート
(図示省略)に設置し、この樹脂プレートを防振ゴムを
介在させて本体部の底面プレートに配置することもでき
る。こうすれば、振動源質量を波動発生機器74と樹脂
プレートの和として大きくしたこと自体で、脈動発生に
伴う振動を起きにくくできることに加えて、防振ゴムに
よる制振作用により制振を図ることができる。
【0105】このように振動源質量を大きくするに当た
って、上記したような高比重の樹脂プレートに波動発生
機器74を設置することに替えて、本局部洗浄装置が有
する質量の大きな部材やユニットにこの波動発生機器7
4を設置することもできる。こうすれば、樹脂プレート
を必要としないので、部材数低減によるコスト低下とい
った製造上の利点があり、装置の小型化も図ることがで
きる。また、波動発生機器74と樹脂プレートとの間に
も防振ゴムを配設すれば、この防振ゴムと樹脂プレート
下面の防振ゴムとで、図19に示すような2自由度系の
振動絶縁のダンパ機構を構成できる。このため、振動緩
和に効果的なバネ常数k1、k2や減衰係数c1、c2
とできるように防振ゴムを選定することで、高い制振効
果を発揮することができ、便座等への振動伝播を効果的
に回避できる。なお、このような制振により、振動に伴
う異音の発生も効果的に抑制できる。
【0106】また、波動発生機器74と熱交換部62と
の間にアキュムレータ73を配置していることと相俟っ
て、熱交換部62に不要な脈動圧を与えることが無い。
このため、熱交換部内圧の不用意な上昇を回避できるの
で、熱交換部の変形や収縮・膨張による疲労を回避でき
好ましいばかりか、必要以上に高い耐圧性能を有する熱
交換部とする必要がない。
【0107】本実施例では、上記の水路系を構成するに
当たり、次のようにした。即ち、上流側・下流側給水管
路51、72の両給水管路を高硬度の可撓性配管とする
と共に、上記の下流側給水管路72の硬度を上流側給水
管路51より大きくした。また、これら管路と上記各ユ
ニットの配管接続部にカプラ方式の継手を用いた。更
に、各ユニットを近接配置して、ユニット間の給水管路
長を短くした。これらの結果、給水管路自体の伸縮、膨
張・収縮が起き難くなり、この伸縮に伴う脈動減衰の影
響を抑制できるので、脈動減衰を低減した状態で、脈動
流の洗浄水を洗浄ノズル24に送り込むことができる。
特に、波動発生機器74と流路切換弁71の近接配置を
図ったので、この間の下流側給水管路72を洗浄水が通
過する際の脈動減衰は、下流側給水管路72が高硬度の
可撓性配管であることと相俟って、より効果的に抑制で
きる。この場合、上流側・下流側給水管路51、72の
両給水管路を次のようにすることができる。例えば、こ
の両給水管路を同一材料の高硬度の可撓性配管とし、下
流側給水管路72の配管壁を上流側給水管路51より厚
くすることで、両給水管路に硬度の大小が生じるように
することができる。また、両給水管路の材料自体に硬度
の大小があるものを用いることもできる。
【0108】本実施例の局部洗浄装置の制御系は、図2
0に示すように、マイクロコンピュータを主要機器とす
る電子制御装置80を中心に構成されている。この電子
制御装置80は、上記した着座センサ、入水出水温セン
サ等の各種センサやフロートスイッチ、転倒検知センサ
SS30、洗浄水量センサSS14からの信号の他、遠
隔操作装置における洗浄ボタン等の種々の操作ボタン並
びにツマミの操作状況を、入力回路を介して有線もしく
は無線(光信号)で入力する。この場合、洗浄水量セン
サは、下流側給水管路72における洗浄水量を検出し、
その検出結果を電子制御装置80に出力する。転倒検知
センサSS30は、本局部洗浄装置の傾き状態を検知し
てその結果を電子制御装置80に出力する。
【0109】この電子制御装置80は、入力した上記信
号に基づいて、入水側弁ユニット50の電磁弁開閉弁制
御、熱交換ユニット60のヒータ通電制御、流調弁制
御、本体表示部の表示制御、局部乾燥用の乾燥ヒータや
ファンモータ等を含む乾燥部79の通電制御、臭気除去
用のオゾナイザーや吸引ファンモータ等を含む脱臭部
(図示省略)および室内暖房用のヒータやファンモータ
等を含む暖房部(図示省略)の通電制御を実行する他、
上記信号に基づいて、後述のノズル装置40のノズル駆
動モータ制御、脈動発生コイル74cの励磁制御を通し
た脈動周波数制御を実行する。この脈動周波数制御につ
いては後に詳述する。なお、局部乾燥用の乾燥ヒータを
室内暖房用のヒータと共用したり、局部乾燥用のファン
モータを臭気除去用や室内暖房用のファンモータと共用
したりすることもできる。
【0110】次に、本実施例の局部洗浄装置10が有す
るノズル装置40について説明する。図21は、ノズル
装置40を表す概略斜視図、図22は、図21における
22−22線概略断面図、図23は、洗浄ノズル24の
進退の様子を説明するための説明図である。
【0111】ノズル装置40は、局部洗浄装置10の本
体部に収納設置される。このノズル装置40は、本体部
に固定設置されるベース41と、このベース上面の架台
41aに組み込み配設されたノズル駆動モータ42と、
このモータの正逆回転を前後動に変換して洗浄ノズル2
4に伝達する伝達機構43と、ベース上面に立設され洗
浄ノズル24を便器ボール部側で摺動自在に保持するノ
ズル保持部41bと、洗浄ノズル24を後述のノズル進
退軌道に沿って案内する案内レール部44とを有する。
【0112】伝達機構43は、ノズル駆動モータ42の
回転軸に固定された駆動プーリ43aと、上記のノズル
進退軌道に沿った前後の従動プーリ43bと、これらプ
ーリに掛け渡されたタイミングベルト43cと、当該ベ
ルトにテンションを与えるテンションローラ43dとを
有する。タイミングベルト43cは、洗浄ノズル24の
筒状部24aから延びたベルト把持体24bを介して、
当該ノズルと係合・固定されている。よって、この洗浄
ノズル24は、タイミングベルト43cの正逆回転に応
じて前後に進退駆動する。
【0113】案内レール部44は、図23に示す円弧状
のノズル進退軌道45と同心に湾曲形成されており、洗
浄ノズル24の下方に位置するよう設置されている。そ
して、この案内レール部44は、図22に示すように、
洗浄ノズル24の後端側下方の軌道把持体24cを介し
て当該ノズルと係合されている。この軌道把持体24c
は、案内レール部44のレール部左右を上下に把持し、
レール把持箇所に、上記のノズル進退軌道45と同じ曲
率半径の軌道把持面とされた把持部24dを有する。こ
の把持部24dは、レール部に対しての摺動性と振動吸
収機能を備え、含油、WAX配合等の材料配合処理を経
たゴム系材料、或いは、テフロンコート、ハロゲン処
理、梨地処理等の表面処理を経たゴム系材料を用いて製
造されている。よって、後述するように波動発生機器7
4から脈動流の洗浄水が洗浄ノズルに流れ込み、この洗
浄ノズルに脈動流に起因する振動が起きても、その振動
の他の部材への伝播を防止できる。このため、振動に伴
う異音の発生も抑制できる。
【0114】また、便器ボール部側のノズル保持部41
bは、洗浄ノズル24を摺動自在に保持する。よって、
洗浄ノズル24は、タイミングベルト43cにより前後
に進退駆動する際、案内レール部44に沿って前後に進
退駆動し、その移動軌跡は円弧状のノズル進退軌道45
と一致する。この場合、洗浄ノズル24にあっても、そ
の筒状部24aは、このノズル進退軌道45と同じ曲率
半径で軸方向に沿って湾曲形成されている。このため、
洗浄ノズル24は、円弧状のノズル進退軌道45と一致
して、本体部内の待機位置HPと便器ボール部内の洗浄
位置(お尻洗浄位置AWP、ビデ洗浄位置VWP)との
間を前後に進退駆動する。なお、ノズル保持部41b
は、洗浄ノズルの摺動抵抗を低減するため、ノズル外壁
と一部しか接触しないようにされている。そして、この
接触箇所に、上記配合処理や表面処理を受けて摺動性と
振動吸収機能を発揮するゴム系材料の部材を配置すれ
ば、上記した振動伝播の防止効果と異音発生の回避効果
を高めることができる。
【0115】この結果、図23に示すように、待機位置
HPの洗浄ノズル24を、その軸方向に亘って便器上面
に近づくよう、ノズル装置40に装着できる。よって、
便器上面からの洗浄ノズル後端高さ(ノズル高さ)を、
円柱状の洗浄ノズルを傾斜した直線軌道に沿って進退さ
せる場合より低くできる。従って、このノズル高さの低
減の分だけ本体部を低くでき、局部洗浄装置自体を小型
化することができる。また、ノズルの進出によってノズ
ルヘッド上面の角度が変わって当該ヘッドからの洗浄水
吐水角度が変わるので、少ないノズル移動で洗浄範囲を
大きく移動することができる。具体的には、後述のムー
ブ洗浄の際のノズル往復動範囲を狭くしても、ムーブ洗
浄に求められる洗浄範囲に亘って洗浄水を吐水できる。
或いは、お尻洗浄位置AWPからビデ洗浄位置VWPま
でのノズル移動距離が短くても、洗浄水による洗浄箇所
をお尻からビデに変更できる。なお、上記した洗浄ノズ
ル24を直線管路形状とすると共に、ノズル進退軌道4
5をも直線軌道とし、ノズルを直線軌道に沿って進退さ
せることもできる。
【0116】この実施例のノズル装置40では、既述し
たように洗浄ノズル24と案内レール部44が上下に重
なる位置関係を採ることから、幅方向についてコンパク
ト化できる。よって、このノズル装置40と波動発生機
器74とのより一層の近接配置が可能となるので、下流
側給水管路72における脈動減衰の抑制効果を高めるこ
とができる。また、このノズル装置40の設置に際して
は、ベース41(図21参照)を防振ゴムを介在させて
本体部の底面プレートに配置した。よって、このノズル
装置40に脈動に伴う振動が伝播しても、防振ゴムによ
る制振作用によりこの振動を効果的に抑制できると共
に、振動による異音発生も抑制できる。
【0117】次に、この第6実施例の洗浄ノズル24の
周辺構成について説明するが、洗浄ノズル自体は、湾曲
形状をなす以外、ノズルヘッド構成や流路構成等におい
て、図9ないし図13で説明した洗浄ノズルと同じであ
る。図24は、この洗浄ノズル24が有する流路切換弁
71の構成を説明するための要部概略断面図、図25
は、この流路切換弁71の要部の分解斜視図である。
【0118】図21、図22および図24に示すよう
に、流路切換弁71は、洗浄ノズル24の後端に位置す
る。そして、波動発生機器74から送られた脈動流の洗
浄水の給水先を、洗浄ノズル24のお尻洗浄用、やわら
か洗浄用およびビデ洗浄用の各ノズル流路に切り換える
べく以下の構成を有する。
【0119】流路切換弁71は、後述の切換機構を内蔵
したケーシング71aを備える。そして、この流路切換
弁71は、ケーシング71aを洗浄ノズル24の筒状部
24aの後端端面に溶着することで、洗浄ノズル24と
一体とされている。よって、洗浄ノズル24と共に上記
したように軌道に沿って進退する。
【0120】ケーシング71aには、ノズル側から、ノ
ズル内の各流路と連通した連通孔を有するステータ71
bと、流路切換のために回転しステータ71bの各連通
孔を択一的に開放するロータ71cと、このロータ71
cに回転を伝達するためのカップリング71dと、この
カップリング71dを回転自在に収納するハウジング7
1eと、ロータ71cをステータ71bに向けて付勢す
るスプリング71fとを有する。図25に示すように、
ステータ71bの各連通孔71g〜71iは、ロータ7
1cに面する側では等分に開口され、ノズル側では、図
22に示すノズル内流路、即ち、お尻洗浄用ノズル流路
の第1ノズル流路34c、やわらか洗浄用ノズル流路の
第2ノズル流路35c、ビデ洗浄用ノズル流路の第3ノ
ズル流路36cの各流路に連通するよう空けられてい
る。つまり、この各連通孔は、洗浄ノズル後端における
上記の各ノズル流路の開口部の並びに併せて配置されて
いる。なお、上記の第1〜第3ノズル流路34c〜36
cは、ノズル先端のノズルヘッド200(図9〜図13
参照)まで、筒状部24aの長手方向に亘って区画形成
されている。
【0121】ロータ71cは、ステータ71b上面に等
分に開口した上記各連通孔の一つを開放できる切欠71
jを有し、この切欠71jを連通孔開口と重ねることで
その連通孔を開放する。この場合、ロータ71cは、切
欠71jを隣り合う連通孔間に位置させることで、各連
通孔を遮蔽できるようにされている。つまり、切欠71
jが隣り合う連通孔開口間にある位置からロータ71c
が僅かに回転すれば、連通孔を介して上記の各ノズル内
流路に洗浄水を送り込める。なお、ノズル内に残存した
水の排出(水抜き)の便のため、このロータ71cを総
ての連通孔開口と重なることもできる切欠を有するよう
にして、水抜き時には、この切欠により総ての連通孔を
開口させることもできる。
【0122】カップリング71dは、流路切換弁71の
有する駆動モータ71kの回転軸に装着され、スリット
71mに回転軸ピン71nを位置させる。また、このカ
ップリング71dは、回転キー71qをロータ71cの
スリット71rに位置させている。よって、駆動モータ
71kが正逆回転すると、その回転は、回転軸ピンにて
カップリング71dに、回転キー71qにてロータ71
cに伝達される。そして、ロータ71cの回転により切
欠71jが上記したように各連通孔のうちの一つを選択
的に開放するので、選択された連通孔に対応するノズル
流路に、波動発生機器74からの脈動流の洗浄水が給水
される。
【0123】この場合、波動発生機器74からの洗浄水
は、下流側給水管路72(図15参照)並びに流路切換
弁71のケーシング71aに設けた接続継手71sを経
てこの流路切換弁71に流れ込む。この接続継手71s
に波動発生機器74から下流側給水管路72を接続する
に当たっては、波動発生機器74を接続継手71sより
下方側に配置する等の処置を採って、下流側給水管路途
中にエアー溜まりができないようにした。このため、波
動発生機器74から流路切換弁71まで脈動流の洗浄水
が達する間においては、エアー溜まりが無いことと上記
したように管路が高硬度のものであることから、脈動の
減衰をより効果的に抑制できる。また、波動発生機器7
4で脈動流とされた洗浄水がノズル装置40に至るまで
の管路は、この波動発生機器74と流路切換弁71まで
の下流側給水管路72だけである。そして、この下流側
給水管路72が周囲の部材と接触を起こし得る場所に
は、防振ゴム等の緩衝材を配置した。具体的には、周囲
の部材側に防振ゴムを装着したり、給水管路に防振ゴム
を巻き付けたりした。よって、下流側給水管路72が上
記したように高硬度のものであることと相俟って、脈動
の減衰をより効果的に抑制できる。
【0124】この流路切換弁71のケーシング等の各部
材は、ポリフェニレンサルファイド(略称PPS)、ポ
リアセタール(略称POM)、ポリブチレンテレフタレ
ート(略称PBT)、ガラス繊維強化ポリブチレンテレ
フタレート(略称GF・PBT)等の耐久性・耐熱性に
富むエンジニアリングプラスチックを用いて形成されて
いる。よって、流路切換弁内の洗浄水流路は、高強度の
管路として機能するので、管路伸縮による脈動減衰を招
かない。そして、波動発生機器74からの脈動流洗浄水
をノズル流路に給水するに際しては、流路切換弁71が
洗浄ノズル24と一体とされその間に配管が無いことも
相俟って、脈動の減衰をほとんど起こすことがない。ま
た、上記したように給水先を切り換えるに際しては、ロ
ータ71cの回転を利用しているので、ダイアフラム等
の弾性体の弾発を利用した流路切換弁に比べて、脈動の
減衰をより効果的に抑制できる。
【0125】この流路切換弁71によれば、次のような
利点がある。流路切換弁71は、波動発生機器74では
なくその下流の洗浄ノズル24に一体とされ、脈動流の
発生に伴って振動源となりうる波動発生機器74から切
り離されている。よって、振動源をこの波動発生源だけ
とすることができる。また、流路切換弁71は、洗浄ノ
ズル24と一体に進退するが、駆動モータ71kはその
コイル巻線部分が樹脂モールドされているので、洗浄位
置への進出時に洗浄水が駆動モータ71kに飛散しても
モータ駆動に支障はない。更に、ノズル装置40に至る
下流側給水管路72を1本にできるので、管路がノズル
進退時の負荷となる程度を低減できる。よって、ノズル
駆動モータ42に対する負荷トルクを低減できる。
【0126】上記したように、流路切換弁71(図21
参照)が洗浄水の給水先を、ノズル後端にて、第1ない
し第3ノズル流路34c〜36cのいずれかに切り換え
ると、洗浄水は、その切り換えられたノズル流路並びに
ヘッド流路を経て、お尻・柔らか・ビデの各吐水孔から
吐水される。この場合、波動発生機器74から脈動流の
洗浄水が給水されるので、各吐水孔からは、脈動の性質
を持った洗浄水吐水がなされ、柔らか洗浄とビデ洗浄に
あっては、洗浄水渦室171による旋回付与により、旋
回吐水の状態も同時に起きる。
【0127】ノズルヘッド200の上記各吐水孔31〜
33は、お尻吐水孔31が最もその孔径が小さく、ビデ
吐水孔33とやわらか吐水孔32はこのお尻吐水孔より
孔径が大きくされている。このため、図示しない遠隔操
作装置の水勢強弱設定ボタンにより水勢が一定に設定さ
れている状況下であれば、各吐水孔からの洗浄水の吐水
速度は、お尻吐水孔31が最も速く、ビデ吐水孔33と
やわらか吐水孔32ではお尻吐水孔31より遅くなる。
このように吐水速度が遅いやわらか吐水孔32を用いる
やわらか洗浄は、お尻吐水孔31での通常のお尻洗浄の
場合より、吐水から受ける洗浄感を吐水速度が遅い分だ
け少なくとも柔らかなものとする。
【0128】次に、この実施例の局部洗浄装置10によ
る洗浄水吐水の特長について、お尻洗浄を例に採り説明
する。図26は、洗浄水吐水に際して脈動を発生させる
波動発生機器74の脈動発生コイル74cの励磁の様子
を説明する説明図、図27は、波動発生機器74から流
出する洗浄水の水量および流速を示すタイミングチャー
ト、図28は、ノズルヘッド200のお尻吐水孔31か
らの洗浄水吐水の様子を模式的に説明する説明図であ
る。
【0129】電子制御装置80は、脈動発生コイル74
cを励磁して波動発生機器74にて脈動を発生させるに
当たり、パルス状の信号を出力する。そして、このパル
ス信号を、脈動発生コイル74cに接続されこれをオン
させるためのスイッチングトランジスタ86(図40参
照)に出力する。よって、脈動発生コイル74cは、パ
ルス信号に従ったスイッチングトランジスタ86のON
・OFFにより繰り返し励磁し、上記したようにプラン
ジャ74bを周期的に往復動させる。これにより、波動
発生機器74からノズルヘッド200の各吐水孔には、
圧力が周期的に上下変動する脈動流の状態で洗浄水が給
水され、この脈動流の洗浄水が各吐水孔から吐出され
る。この際、電子制御装置80は、所定の周波数範囲に
おいて、上記のパルス信号の周波数を可変制御すると共
に、コイル励磁パルスのオンオフをデューティ比制御す
る。これにより、種々の脈動を引き起こすことができ
る。この場合、波動発生機器74で引き起こされた脈動
の圧力を検出する圧力センサをこの波動発生機器74の
直後の下流側に設け、このセンサの検出値によりデュー
ティ比制御にフィードバックをかけることもできる。な
お、このセンサの設置位置は、脈動圧力を反映できる位
置であればその位置は限定されない。例えば、洗浄ノズ
ル近傍に設けたり、波動発生機器74の機構を流用して
この近傍もしくは略一体となって設けてもよい。
【0130】図26に示すように、図18で示した脈動
周期MTを周期T1とし、パルス信号のオン時間をt1
とすると、デューティ比は(t1/T1)×100
(%)で表わされる。図18で示したような圧力の脈動
を起こすと、洗浄水水量は、連続流と比べてデューティ
比で表わされる値まで少なくなる。こうした脈動流の水
量は、図27に示すように、最大流量Qmaxから最小
流量Qminの範囲で増減し、流速についても最大流速
Vmaxから最小流速Vminの範囲で増減することに
なる。なお、この図27において、最小流量Qminお
よび最小流速Vminがゼロとなっていないのは、波動
発生機器74による脈動圧がその最小でも既述したよう
にゼロとなっていないことによる。
【0131】この場合、既述したように導入水圧Pin
を調圧弁54で調整すれば、脈動の上下シフトにより、
図27に示す最大流量Qmaxと最小流量Qmin並び
に最大流速Vmaxと最小流速Vminを上下に調整で
きる。つまり、導入水圧Pinの調圧によっても、吐水
水量の調整を行うことができる。
【0132】従来のように連続流の洗浄水が吐水孔(例
えばお尻吐水孔31)から吐水されると、吐水孔からの
洗浄水は、図28(A)に示すように連続流としての吐
水形態を採る。これに対し、上記のような脈動流の洗浄
水が吐水されると、図28(B)に示すように、離散的
または水塊状態というように表現できる吐水形態を採っ
て洗浄水が吐水される。このように、波動発生機器74
で脈動流とされた洗浄水が、洗浄ノズルの吐水孔から噴
出されると、離散的または水塊状態となる理由につい
て、図27および図29を用いて説明する。
【0133】図29は、脈動流の洗浄水を仮定の吐水孔
30から吐水した場合、その吐水された洗浄水が脈動流
に増幅される過程を説明する説明図である。図27
(A)に示すように、波動発生機器74により洗浄水量
が脈動となると、流速Vも同様に変動して脈動になる。
すなわち、吐水される洗浄水は、その水量が最大流量Q
maxになると、流速も最大速度Vmaxになり、瞬間
の流速および流量が時間とともに変動する。また、図2
7の脈動流の洗浄水の各部位をWp1,Wp2,Wp
3,Wp4,Wp5とすると、この各部位の量はWp1
(≒Wp5)<Wp2(≒Wp4)<Wp3となり、そ
れぞれの流速も、V1(≒V5)<V2(≒V4)<V
3となる。よって、吐水直後から図29の(A)〜
(C)へと移行するにつれて、Wp3はWp2より速度
が大きいから、Wp3はWp2と合体し、さらにWp1
と合体して大きな水塊となる。
【0134】このように最大流速のWp3がその前のW
p2,Wp1と順次合体することにより、大きな塊とな
って、人体局部(洗浄面)に着水することになる。この
洗浄水は、人体局部に当たるときには、衝突エネルギ
(洗浄強度)が大きい水塊状態となっている。この流速
V3は、図27に示す最大流速Vmaxであることか
ら、脈動流で吐水された洗浄水は、合体した水塊の状態
が脈動周期MTごとに現れるような吐水形態で、吐水孔
から吐水されていることになる。しかも、脈動周期でこ
のような現象が起きることから、上記のように最大流速
のWp3の合体を経た水塊は繰り返し現れ、ある吐水タ
イミングでの水塊とその次の吐水タイミングでのWp3
の合体を経た水塊とはほぼ同じ速度(最大速度)で移動
(吐水)されることになる。しかも、このそれぞれの水
塊は、最大流速でのWp3に遅れて吐水されたWp4、
Wp5で繋がれたような状態となる。
【0135】次に、洗浄水をお尻吐水孔31から連続流
として噴出する場合と脈動流として噴出する場合との洗
浄強度の相違について説明する。脈動流は、従来の連続
流と比較して、同一水量で2倍以上の洗浄強度を有す
る。これは、以下の理由と考えられる。質量mの洗浄水
が速度Vで壁面に衝突したときのエネルギEは、式
(1)により表わされる。 E=(1/2)mV2 …(1) また、そのとき壁面に衝突したときの力をfとし、速度
Vの洗浄水流が0まで減速して消滅するまでの時間をΔ
tとすると、エネルギEは、力積により式(2)により
表わされ、さらにそのときの力は、減速度をαとする
と、式(3)により表わされる。 E=fΔt …(2) f=mα …(3)
【0136】図30は、洗浄水流が壁面に衝突する状態
を説明する説明図である。図30において、水塊がW
1、W2、W3の3つの形態となっている場合を想定
し、これらの各々の形態の洗浄水流の洗浄強度について
検討する。ここで、水塊W1は断面積S1で長い形態で
あり、水塊W2は断面積S2がS1の2倍であって短い
形態であり、水塊W3は断面積がS1で長さが水塊W1
の1/2の形態である。これらの形態において、水塊W
1が連続流に相当し、水塊W3が脈動流に相当する。こ
のとき、水塊W1と水塊W2とが壁面に衝突して消滅す
るまでの時間Δt1とΔt2は、Δt1>Δt2とな
る。このことは、式(3)から減速度αが大きく、短時
間で大きな力で水塊が消滅していることを意味し、水塊
W1の力f1と水塊W2の力f2は、f1<f2とな
る。したがって、連続している水塊W1より、短時間で
消滅する水塊W2の方が人体局部に加わる力f2が大き
いことが分かる。このことから、脈動流に相当する水塊
W3は、水塊W1と比べて質量がm/2であるが、力f
3がf1と比べてさほど減少しない。したがって、脈動
流として噴出した場合に、連続流より水量を少なくする
ことができるうえに、人体局部に衝突するときの力はさ
ほど減少することがなく、人体局部に付着している汚れ
を強い力で除去することができる。
【0137】次に、人体局部の洗浄感を表わす指標であ
る洗浄強度と量感との関係を説明する。図31は、お尻
吐水孔31に対向して所定距離Laだけ隔てて圧力セン
サ板Psを設置した状態を説明する説明図である。上記
所定距離Laは、人体局部が洗浄される位置に設定す
る。圧力センサ板Psは、2次元のマトリックス状に検
出部を備え、各検出部の検出値をそれぞれ独立に出力す
るセンサである。このような装置を用いて、洗浄ノズル
24のお尻吐水孔31から洗浄水を吐水させたときの各
検出部から出力される圧力のピーク値を測定した。その
結果を図32に示す。図32は、圧力センサ板Ps上の
位置と圧力のピーク値とを3次元的に表現した説明図で
あり、X−Y平面は圧力センサ板Psの位置、つまり被
検出体の位置を表しており、Z軸は各位置での圧力のピ
ーク値を表している。図32(A)は、吐水孔に至る洗
浄水が流量1.1L/min.の連続流の時の測定結果
であり、図32(B)は吐水孔に至る洗浄水が流量0.
5L/min.の脈動流の時の測定結果を表す。図32
において、洗浄感を左右する要素である洗浄強度は圧力
のピーク値にて表され、一方量感は全体的な圧力分布で
ある山の体積で示される。
【0138】これらを比較すると、図32(B)の脈動
流は、図32(A)の連続流に比べて洗浄水量が半減し
ているにもかかわらず、圧力のピーク値は大幅に増大し
ている。これは被水体への洗浄圧力が大きいことを示し
ており、すなわち洗浄強度が大きいことを示している。
図33は、検出部の1つから検出される検出信号を表わ
すタイミングチャートであり、図33(A)が連続流、
図33(B)が脈動流を示す。脈動流は、連続流に比べ
てピーク値が高く強度が大きいことが分かる。また全体
的な圧力分布である山の体積も図32(A)の連続流に
比べて図32(B)の脈動流の方がはるかに大きい。こ
のように、脈動流の方が連続流と比較して極めて量感が
大きく、洗浄感という官能的な要素を数値に具現化すれ
ば、脈動流による洗浄力が優れていることが分かる。
【0139】このような脈動流による実際の洗浄量を連
続流と比較して調べた結果を図34に示す。図34は、
平均吐水量と洗浄量との関係を示すグラフであり、つま
り人体局部に付着している汚れを洗浄水で落とす際に、
必要とする平均吐水量を示している。図34から分かる
ように、人体局部に付着した洗浄量D1の汚れを落とす
のに、脈動流は、連続流の洗浄水吐水しかできない従来
品に比べ約1/4の水量でよいことが分かった。このよ
うに、脈動流の洗浄水を吐水孔から吐水させる方法によ
り、洗浄強度と使用者の洗浄感を飛躍的に高めることが
できる。
【0140】また、脈動流の洗浄水を吐水すると洗浄強
度が増して人体局部への刺激が大きくなるが、これは次
のように説明できる。一般に、人体表皮の同一箇所に感
知可能な刺激(本実施例では図30に示す水塊W1、W
2、W3の衝突による刺激)が意図的に繰り返し加えさ
れた場合、この繰り返し間隔(本実施例では脈動周期M
T)が長く繰り返し周波数が低いと、人は、この繰り返
された刺激を振動刺激としてその都度感知する。その一
方、繰り返し間隔が短く繰り返し周波数が高いと、人
は、この意図的に繰り返された刺激を振動刺激とは感知
できず、連続的な刺激として感知する。つまり、人体表
皮への繰り返し刺激に対しては、振動刺激としては感知
できない不感帯周波数がある。
【0141】ここで、局部およびその周辺の洗浄におい
て、刺激を受ける人体表皮から見て洗浄水の流量または
流速の大小を繰り返し吐水(以下、繰り返し吐水とい
う)したと仮定すると、吐水からの刺激の大小が繰り返
されることになるので、この繰り返し吐水は洗浄箇所表
皮に振動刺激として現れる。これが約5Hz以上の不感
帯周波数域の繰り返し周波数であると、この意図的な繰
り返し吐水に基づく振動に知覚が追従できなくなる。こ
のため、意図的な繰り返し吐水であるという吐水態様
(脈動流での洗浄水吐水形態)を意識できなくなり、無
用な振動による不快感が減少される。繰り返し吐水の繰
り返し周波数が高まるほど、意図的な繰り返し吐水に基
づく振動に対しての知覚の追従が困難となるので、この
繰り返し周波数が約10Hz以上の繰り返し周波数にな
ると、通常の知覚を有する大多数の人では意図的な繰り
返し吐水に基づく振動に対して知覚がほとんど追従でき
なくなる。よって、意図的な繰り返し吐水であるという
吐水態様(脈動流での洗浄水吐水形態)の認識が困難と
なり、無用な振動による不快感もより減少される。
【0142】また、約15Hz以上の繰り返し周波数で
は、人体表皮の平均的な部位であっても振動認識周波数
を超えるので、通常の知覚を有する大多数の人において
不快感が感じられなくなる。さらに、約20Hz以上の
繰り返し周波数では、人体表皮の敏感な部位であっても
振動認識周波数を超えるので、通常の知覚を有する大多
数の人において連続的で良好な洗浄感を確実に感じるこ
とができる。その上、約30Hz以上の繰り返し周波数
では、人体表皮の神経が特に集中した敏感な部位であっ
ても、振動認識周波数を超えるので、通常の知覚を有す
る大多数の人においてソフトな洗浄感を得ることができ
る。そして、繰り返し周波数を商用周波数と一致させる
(商用周波数50Hz地域では50Hz、商用周波数6
0Hz地域では60Hz)と、駆動が容易となるという
効果も加わる。このように周波数を高くするほど、連続
的な洗浄感をより確実に感じながら洗浄を行うことがで
き、よりソフトな洗浄感を求める使用者に十分対応させ
ることができる。
【0143】この場合、上記した不感帯領域のうちの5
Hz〜20Hzといった低周波数領域では、既述したよ
うに、使用者は、通常ならば局部洗浄に際して刺激変化
を認識しない。しかし、痔疾患や生理等により、この低
周波数領域での洗浄水吐水に刺激変化を僅かに認識する
ようなことが起き得る。よって、低周波数側の領域を不
感帯領域の境界領域として設定し、例えば、上記約5H
zから約60Hzもしくは約80Hzまで領域を境界領
域として設定し、この境界領域以上の周波数領域を確実
な不感帯領域とするようにすることもできる。こうすれ
ば、刺激変化に対する認識を確実に起こさないようにす
ることができる。
【0144】これらのことから、本実施例の脈動流の洗
浄水吐水という意図的な繰り返し吐水を行うに当たり、
繰り返し周波数が高まるほど、意図的な繰り返し吐水に
基づく振動に対しての知覚の追従が困難となる。そし
て、この繰り返し周波数が約10Hz以上の繰り返し周
波数になると、通常の知覚を有する大多数の人では意図
的な繰り返し吐水に基づく振動に対して知覚がほとんど
追従できなくなる。よって、意図的な繰り返し吐水であ
るという吐水態様(脈動流の洗浄水吐水)の認識が困難
となり、本実施例では、図30に示す水塊の衝突を受け
る使用者、即ち通常の知覚を有する大多数の人は、この
水塊の衝突が間欠的であると感知できず、あたかも連続
流の洗浄水であるかのように感じさせることができるの
である。
【0145】図を用いて説明すると次のようになる。図
35は、周波数の増減により洗浄強度が異なる理由を説
明する説明図であり、図35(A)は、図35(B)よ
り同じ洗浄水量でも、脈動周期MTが大きいためにこの
周期で定まる脈動周波数fmt(=1/MT)が小さい
状態を示している。図35(A)と図35(B)とで
は、周期の長短により上記の水塊の合体程度に大小がで
きる。よって、脈動周期MTが大きく脈動周波数の小さ
い図35(A)の場合が、1回の衝突時における水塊の
質量が大きくなって、衝突エネルギが大きくなり、人体
への刺激が強い。すなわち、図35(A)の場合には、
人体は、大きな刺激を1度に受けて強い刺激を感じる。
また、図35(A)のように脈動周波数fmtが上記の
不感帯周波数を下回る或いはこの周波数に近い周波数と
なると、人体は、強い刺激感をその都度感知しながら繰
り返し受けるので、より強い刺激感を感じる。
【0146】その一方、図35(B)のように、脈動周
波数fmtが大きく上記の不感帯周波数内の周波数であ
れば、小さい刺激を上記したように連続的な刺激として
受けるので、刺激をあまり感じない。このことから、同
じ水量であっても、周波数が大きくなり、水塊が大きく
なるほど人体への刺激(洗浄強度)を強く感じることに
なる。図36は、脈動流の脈動周波数および洗浄強度と
人体局部の刺激に伴う不快感との関係を示すグラフであ
る。人体皮膚は、周波数が5Hzを越えると連続流に近
づいて柔らかな洗浄と感じることができ、約30Hzを
越えると、ほとんど連続流との区別がつかなくなる。し
たがって、脈動流の周波数は、5Hz以上であることが
好ましく、さらに波動発生機器74の脈動発生コイル7
4cの励磁制御に商用電源の周波数をそのまま利用する
ことを考慮すると、50〜60Hzを上限とすれば、制
御のための構成を簡単にすることができる。
【0147】この不感帯周波数の観点から、本実施例に
あっては、脈動発生コイル74cの励磁周期、即ち脈動
周期MTをその脈動周波数ftm(=1/MT)が約5
Hz以上の範囲となるよう可変制御することとし、上記
の水塊による人体局部への刺激が連続的な刺激として感
知されるようにした。つまり、洗浄水水塊を人体局部の
洗浄箇所に脈動周期MTで間欠的にしか吐水しないよう
にして洗浄水水量を低減しているにも拘わらず、使用者
には、この洗浄箇所に連続的な洗浄水の吐水を受けてい
るような洗浄感を与えることができる。よって、本実施
例によれば、洗浄水流量を流調弁65により従来の約1
/2〜1/3程度である約500cc/min程度にま
で低減しても、洗浄能力並びに洗浄感を高めることがで
きるので、最大この流量の洗浄水を吐水(給水)するだ
けでよい。つまり、節水の実効性を高めつつ、使用者に
は連続した吐水を受けているような感じを与えることが
できる。
【0148】脈動周波数ftmを上記の不感帯周波数に
設定しても、洗浄水の連続的な吐水から受ける吐水連続
感は、脈動周波数ftmが低いほど薄れがちであるとい
える。よって、脈動周波数ftmを上記範囲内で意図的
に低くして、使用者の洗浄感(刺激感)に僅かな間欠的
な感じを持たせることもできる。
【0149】また、次のように脈動周波数制御とコイル
励磁のデューティ比制御とを行うこともできる。図37
は、洗浄水の脈動流における脈動周波数をお尻洗浄とビ
デ洗浄で異なるようにした制御例を説明する説明図、図
38は、脈動周波数ftmとデューティ比Dtmの制御
例を説明する説明図である。
【0150】図37に示すように、お尻洗浄の際とやわ
らか・ビデ洗浄の際の脈動周期MTA、MTVに大小を
設け、それぞれの脈動周波数ftmを異なるものとでき
る。しかも、お尻洗浄の際の脈動周波数ftmAをやわ
らか・ビデ洗浄の際の脈動周波数ftmVより低くし
た。この場合、両周波数とも上記した不感帯周波数の範
囲である。例えば、お尻洗浄では50Hz、柔らか洗浄
で60Hz、ビデ洗浄では70Hzのように周波数を変
更することにより、或いは、お尻洗浄では約71Hz、
柔らか洗浄で約71Hz、ビデ洗浄では約83Hzのよ
うに周波数を変更することにより、以下に説明するよう
に、ビデ洗浄などがお尻洗浄より水勢の小さい洗浄形態
となるように周波数を設定してもよい。
【0151】この図37に示すような洗浄対象に応じた
周波数制御により、図35で説明したように、お尻洗浄
時には、図35(A)に近い吐水形態となることから、
充分な刺激感を連続して受けているような洗浄となり、
ハードな洗浄感を得ることができる。また、やわらか・
ビデ洗浄時には、図35(B)の吐水形態となることか
ら、比較的弱い刺激感を連続して受けているような洗浄
となり、ソフトな洗浄感を得ることができる。特に、や
わらか・ビデ洗浄では、脈動周波数ftmを高くするこ
とで間欠的な刺激感を与えないようにするので、ソフト
な洗浄感をより連続的なものとできる。しかも、このよ
うな多様な洗浄感を達成するに当たって、既述したよう
に流量低減を図ることができる。
【0152】また、図中に点線或いは一点鎖線で示すよ
うに、脈動周波数ftmをそれぞれの洗浄で同一として
おいて、各洗浄で、デューティ比Dtmを変更制御する
ことができる。デューティ比Dtmはコイル励磁力、即
ち波動発生機器74におけるプランジャ74bの移動速
度並びに移動量を定めるので、脈動の振幅を増減制御で
きる。よって、図27に示した洗浄水量と流速をデュー
ティ比Dtmに応じて制御できる。この結果、各洗浄
で、図35に示した水塊質量を変更制御でき、ハード・
ソフトの洗浄感でありながら、刺激感の強弱調整と洗浄
力調整を行うことができる。しかも、流速変更に基づい
て、水勢の強弱をも調整できる。換言すれば、使用者の
所望する洗浄感や水勢を脈動流のデューティ比制御や周
波数制御で確保できることから、既述したように洗浄水
水量の大幅な低減を図ることができる。しかも、このデ
ューティ比制御と周波数制御の両制御は、流調弁65に
よる流量調整とは無関係なため、流調弁65での流量調
整では調整できないような水勢調整を、上記両制御を通
して実現できる。つまり、デューティ比制御と周波数制
御により、流調弁65の流量調整を補完できる。そし
て、流調弁65による流量調整を通した水勢等の調整と
上記両制御を通した水勢等の調整の併用により、きめ細
かな水勢等の調整を行うことができる。
【0153】図38に示すように、脈動周波数ftmを
制御したり、脈動周波数ftmとデューティ比Dtmを
同時に制御することもできる。即ち、図38(a)に示
すように、洗浄継続中の各洗浄期間TA、TB、TC・
・・において、デューティ比Dtmを値DtmLとして
おき、それぞれの洗浄期間で脈動周波数ftmを増減制
御する。例えば、図示するように、脈動周波数ftmを
ftmS、ftmM、ftmL(ftmS<ftmM<
ftmL)のいずれかの値に可変制御する。或いは、2
段階や4段階以上、もしくは無段階に増減制御してもよ
い。こうすれば、ハード・ソフトの洗浄感の洗浄期間ご
との推移や刺激感の強弱推移を図ることができ、洗浄感
の多様化を図ることができる。
【0154】また、周波数が相違すれば、上記の水塊の
衝突の連続間隔が異なることから、水塊の衝突で得られ
る水勢の強弱も周波数制御で調整できる。しかも、この
周波数制御は、流調弁による流量調整とは無関係なた
め、流調弁での流量調整では調整できないような水勢調
整を、周波数制御を通して実現できる。つまり、周波数
制御により、流調弁の流量調整を補完できる。そして、
流調弁による流量調整を通した水勢等の調整と周波数制
御を通した水勢等の調整の併用により、きめ細かな水勢
等の調整を行うことができる。
【0155】この場合、各洗浄期間は同じ時間間隔であ
ってもよく、洗浄期間ごとに異なる時間間隔であっても
よい。しかも、異なる時間間隔とする場合には、時間間
隔が規則的に変わってもよく、不規則的に変わってもよ
い。例えば、時間間隔をtS、tM、tL(tS<tM
<tL)とした場合、tS→tM→tL→tS→tM・
・・のように規則的に変化してもよく、tL→tS→t
S→tM→tL→tM・・・のように不規則的に変化し
てもよい。なお、このような不規則的な時間間隔変化
は、乱数発生プログラムをロードして、その発生した乱
数に応じて各時間間隔を定めるようにすればよい。
【0156】また、図38(b)に示すように、洗浄継
続中の各洗浄期間TA、TB、TC・・・において、デ
ューティ比Dtmを増減制御する。例えば、図示するよ
うに、デューティ比DtmをDtmS、DtmM、Dt
mL(DtmS<DtmM<DtmL)のいずれかの値
に可変制御する。或いは、2段階や4段階以上、もしく
は無段階に増減制御してもよい。加えて、脈動周波数f
tmを上記したように各洗浄期間ごとに増減制御する。
こうすれば、洗浄感をより一層多様化することができ
る。この場合であっても、各洗浄期間を同じ時間間隔と
したり、規則的或いは不規則的に変更してもよい。
【0157】次に、上記構成を有する本実施例の局部洗
浄装置10が実行する洗浄動作について説明する。図3
9は、この実施例の局部洗浄装置の洗浄動作を表すタイ
ムチャートである。
【0158】図示するように、本局部洗浄装置は、図示
しない便座に使用者が着座して着座センサSS10(図
20参照)がオンすると、このオン信号を受けて、ま
ず、入水側弁ユニット50の電磁弁55(図15参照)
を開弁制御する。これにより、装置内への洗浄水の給水
が開始されるので、洗浄に先立つ洗浄水の予備的昇温の
ためにヒータ61をフル通電する。なお、着座直後にな
された電磁弁オンにより給水された洗浄水は、図示しな
い配管を通して、便器ボール部に排出されたり、ノズル
ヘッド表面に排出されてヘッド掃除に用いられたりす
る。
【0159】こうして着座直後になされた給水・温水化
は、センサオンから所定時間経過後、或いは、出水温セ
ンサSS16bが所定温度(例えば、局部洗浄時の温水
温度より2〜3度程度低い温度)を検出した時点で停止
される。つまり、電磁弁の閉弁、ヒータの通電低減(例
えば、フル通電の2%程度)を行い、その後の洗浄ボタ
ンの操作を待機する。このように着座後の短時間のヒー
タフル通電その後の通電低減を行って、洗浄水を予備的
に温水化しその温度を維持するので、その後の局部洗浄
時にはヒータの急速な通電制御を必要としない。また、
既述したように本実施例では洗浄水流量の低減効果が高
いことから、ヒータ通電に際して省電力化を図ることが
できる。
【0160】その後、洗浄ボタン、例えばお尻洗浄ボタ
ンSWbがオンされると、電磁弁55を開弁制御してお
尻洗浄のための洗浄水給水を行うと共に、ヒータ61を
フル通電する。ヒータ61は、停止ボタンSWaが操作
されるまで継続してフル通電とされる。電磁弁の閉弁に
ついては後述する。
【0161】この電磁弁55の開弁により、局部洗浄に
先立って、ノズルヘッド200を自己洗浄するノズル前
洗浄を行う。つまり、電磁弁55の開弁に続いて、洗浄
ノズル24での洗浄水給水先を流路切換弁71によりお
尻流路に切り換え、次いで流調弁65により洗浄水の給
水流量を設定する。これにより、調整された流量の洗浄
水が洗浄ノズル24に送られてお尻吐水孔31から吐水
される。この際、洗浄ノズル24は待機位置にあり、ノ
ズルヘッド200はノズル保持部41b先端のチャンバ
41c(図21参照)で覆われているので、このチャン
バ41cでの跳ね返り水によりノズルヘッド200が洗
浄される。このノズル前洗浄における通水により、ヒー
タのフル通電によって既に適正な温度に温水化済みの洗
浄水が、ノズルヘッド200に至る間の管路に行き渡
る。
【0162】このため、後述する本洗浄開始当初から、
適正温度の洗浄水を局部に吐水でき、低温洗浄水の吐水
による不快感を与えることがない。また、流調弁65よ
り下流側の流路切換弁71の流路切換を先に行い、その
後に流調弁65の流量設定を行う。よって、流路切換弁
71を洗浄水の水圧がほとんどかかっていない無負荷状
態に近い状態で駆動できるので、その駆動モータ71k
に過負荷をかけることが無く好ましい。なお、このノズ
ル前洗浄時にあっても、波動発生機器74を駆動して脈
動流の洗浄水でノズルヘッド200を自己洗浄するよう
にすることもできる。この場合、コイルの脈動周波数f
tmは、不感帯領域内であっても不感帯領域外であって
もよい。
【0163】このノズル前洗浄は、所定時間経過した時
点で停止される。つまり、図示するように、まず、上流
側の流調弁65を止水状態として洗浄ノズル24の側に
洗浄水が流れないようにする。その後に、流路切換弁7
1を止水して、ノズル前洗浄を停止する。このように、
ノズル前洗浄の停止時にあっても、流路切換弁71を無
負荷状態に近い状態で駆動できるので、その駆動モータ
71kに過負荷をかけることが無く好ましい。
【0164】このノズル前洗浄に続いては、ノズル装置
40のノズル駆動モータ42を正転駆動制御して、洗浄
ノズル24をお尻洗浄位置に待機位置から進出させる。
このノズル進出の間にも、電磁弁は開弁状態にあり、こ
の際に給水される洗浄水は図示しない管路から便器ボー
ル部に捨て水される。なお、この捨て水のための管路
を、流調切換弁とした流調弁65に接続し、当該弁にて
管路切換を行ってもよい。また、この捨て水を機能水
(遊離塩素水)を生成する図示しない機能水ユニットに
供給し、この生成した機能水をチャンバ41cから吐水
されるようにすることもできる。こうすれば、この機能
水により、洗浄ノズル24の筒状部24aをノズル進出
の際に殺菌洗浄することができる。
【0165】このノズル進出までの動作においては、操
作された洗浄ボタンに応じて流路切換弁の切換先、洗浄
ノズルの進出先(ビデであればビデ洗浄位置)が異なる
だけであり、やわらか洗浄ボタンやビデ洗浄ボタンにつ
いても同様である。
【0166】こうして洗浄位置への洗浄ノズル24の進
出が完了すると、局部の本洗浄(お尻洗浄、やわらか洗
浄、ビデ洗浄)を操作ボタンに応じて実行する。図示す
るようにお尻洗浄では、お尻吐水孔31からの脈動流の
洗浄水吐水を開始すべく、以下のソフトスタートを行
う。まず、流路切換弁71をお尻流路に切り換え、次い
で流調弁65により、その際の流量を設定済みの設定水
勢に対応した流量までゼロから漸増調整する。なお、設
定水勢対応の流量より所定量だけ少量の流量からこの設
定水勢対応流量に漸増調整するようにすることもでき
る。
【0167】このソフトスタートでは、波動発生機器7
4による脈動流の生成も開始する。つまり、電子制御装
置80はパルス信号を出力して脈動発生コイル74cを
繰り返し励磁し、プランジャ74bを往復動させる。こ
れにより、既述したように脈動流を発生させる。お尻洗
浄であれば、図37に示すようにビデ・やわらか洗浄よ
り小さな脈動周波数ftmで、コイル励磁を繰り返す。
このコイル励磁にあっても、パルス信号のデューティ比
Dtmを設定済みの設定水勢に応じたデューティ比に徐
々に近づくよう漸増制御する。こうしたソフトスタート
により、設定水勢が大きい場合であっても、吐水量が少
なく、かつ、小さなデューティ比Dtmに基づいた脈動
流であるソフトな吐水から徐々に設定水勢の吐水とでき
るので、使用者に違和感や不快感を与えることが無く好
ましい。こうしたソフトスタートが完了すれば、設定水
勢での吐水が、脈動流の洗浄水の吐水で行われ、本洗浄
に移行する。この本洗浄では、その後に水勢が変更設定
されれば、この変更された水勢となるように流調弁65
での流量調整や波動発生機器74での脈動流制御(デュ
ーティ比制御、脈動周波数制御)がなされる。
【0168】ところで、一般に、低流量の洗浄水を流量
調整する際、流量の細かな調整はその調整精度の信頼性
に欠ける。このことは、水勢を流量調整で行う従来の局
部洗浄装置では低流量化を実現できない理由の一つであ
る。しかしながら、この実施例の局部洗浄装置では、脈
動流制御(デューティ比制御、脈動周波数制御)を通し
て既述したように水勢調整ができることから、低減した
洗浄水流量でありながら、きめ細かく水勢調整できると
いう利点がある。よって、本実施例の局部洗浄装置10
では、最低水勢に近い水勢から最大水勢に近い水勢に大
きく変更設定されたような場合は、流量調整と脈動調整
を併用して実施し、その他の場合には、脈動流制御で水
勢調整を図るようにした。つまり、水勢変更程度を水勢
強弱設定ボタンSWhu、SWhdの操作状況から読み
取り、その結果に応じて脈動流制御(デューティ比制
御、脈動周波数制御)を行う。具体的には、水勢強設定
されれば、デューティ比Dtmを増大制御する、或いは
脈動周波数ftmを低減制御する、もしくはこの両者の
制御を併用する。水勢弱設定はこの逆である。
【0169】この際、波動発生機器74に至る実際の洗
浄水流量を図示しない流量センサで検出し、この検出流
量と水勢変更設定量とに基づいて脈動流制御(デューテ
ィ比制御、脈動周波数制御)を行うので、より細かな水
勢調整が可能である。この場合、圧力センサを流量セン
サとして代用したり、流量設定に関与するスイッチ等か
らの信号などにより間接的にその流量を検出してもよ
い。また、流量センサは波動発生機器74の上流に配置
する構成のほかに、洗浄水水量が検出できる位置にあれ
ばどこに配置されてもよく、各ユニットのレイアウトに
応じて配置すれば製品のコンパクト化を図ることができ
る。
【0170】本洗浄は、停止ボタンの操作により次のよ
うに終了し、その後、ノズル後退・ノズル後洗浄が行わ
れる。即ち、停止ボタンが操作されると、そのボタンO
N信号を受けて、ノズルからのお尻洗浄吐水を停止すべ
く、まず、流調弁65で流量をゼロとし、次いで、流路
切換弁71の止水並びにコイル励磁のパルス信号の出力
停止、ヒータの通電低減を行う。このヒータ通電低減
は、着座センサSS10がオフとなるまで維持される。
よって、洗浄水は着座センサオフとなるまでの間に亘っ
て不用意にその温度が低下せず、適正温度よりわずかに
低い上記温度に保温される。このため、便座に着座した
まま局部洗浄が繰り返された場合には、速やかに洗浄水
を適正温度に温水化でき、好ましい。また、このお尻洗
浄吐水停止の際も、流調弁・流路切換弁の順に弁駆動し
て、流路切換弁を無負荷状態に近い状態で駆動できるの
で、その駆動モータ71kに過負荷をかけることが無く
好ましい。なお、上記の本洗浄(お尻洗浄本洗浄)は、
使用者が便座から離れて着座センサSS10が停止ボタ
ン操作以前にオフしたり、お尻洗浄中にやわらか・ビデ
の各洗浄ボタンが操作された場合にも同様に終了する。
【0171】流路切換弁71が止水となると、ノズル装
置40のノズル駆動モータ42を逆転駆動制御して、洗
浄ノズル24を待機位置に後退復帰させる。このノズル
後退の際、電磁弁55は開弁状態にあり、この間の給水
洗浄水は既述したように捨て水等される。そして、この
給水洗浄水を機能水ユニットにて機能水とし、これをチ
ャンバ41cから吐水すれば、機能水により、ノズル後
退の際にあっても洗浄ノズル24の筒状部24aを殺菌
洗浄することができる。
【0172】洗浄ノズル24が待機位置に復帰すると、
ノズル後洗浄を開始すべく、流路切換弁71をお尻流路
に切り換え、次いで流調弁65により、その際の流量を
設定する。これにより、調整された流量の洗浄水が待機
位置にある洗浄ノズル24に送られてお尻吐水孔31か
ら吐水されるので、ノズル前洗浄と同様に、チャンバ4
1cでの跳ね返り水によりノズルヘッド200が洗浄さ
れる。なお、上記したように機能水をノズル後退時にか
けるものであれば、このノズル後洗浄における通水によ
り、ノズル後退時にノズル ヘッド200にかけられた
機能水は洗い流される。このノズル後洗浄にあっても、
流調弁・流路切換弁の順に弁駆動して、流路切換弁71
を無負荷状態に近い状態で駆動できるので、その駆動モ
ータ71kに過負荷をかけることが無く好ましい。
【0173】このノズル後洗浄が所定時間行われると、
次回以降の局部洗浄に備えるべく、電磁弁55を閉弁制
御して、局部洗浄装置10への洗浄水給水を停止する。
その後、流調弁65より下流の給水管路並びに流路切換
弁71、洗浄ノズル24に残留する洗浄水を排出する。
つまり、上記の電磁弁55の閉弁を受けて、波動発生機
器74の脈動発生コイル74cを小さなデューティ比D
tmで繰り返し励磁し、プランジャ74bを往復動させ
る。この場合、脈動周波数ftmは低周波数でよい。こ
のようにプランジャ74bが往復動している際、波動発
生機器74には洗浄水が給水されていないが、プランジ
ャ74bの往復動により、上流側の洗浄水のシリンダ7
4a内への吸込、その吸い込んだ洗浄水の送り出しがな
される。よって、上記の給水管路等に残存している洗浄
水は、プランジャ74bの送り出す洗浄水により徐々に
下流に送られ、流路切換弁71の切換流路(この場合
は、お尻流路)を経て、待機位置のノズルのお尻吐水孔
から便器ボール部に排出される。こうして、残存洗浄水
の排出が完了すると、流調弁65並びに流路切換弁71
の止水により、一連のお尻洗浄動作を終了する。なお、
このノズル後退以降の動作においては、操作された洗浄
ボタンに応じて流路切換弁71の切換先、洗浄ノズル2
4の進出先(ビデであればビデ洗浄位置)が異なるだけ
であり、やわらか洗浄ボタンやビデ洗浄ボタンについて
も同様である。
【0174】本実施例では、波動発生機器74を用いた
残存洗浄水の排出を完了させるに際し、次のようにし
た。
【0175】波動発生機器74の脈動発生コイル74c
を通電励磁してプランジャ74bを移動させると、この
プランジャ74bの移動に伴ってコイルには逆起電力が
発生し、通電電流が一旦減少するいわゆるボトム現象が
起きる。このボトム現象はコイルを流れる電流の波形と
して現れるので、電流波形とプランジャ74bの移動の
様子とは相関関係にある。ところで、上記した残存洗浄
水排出の際に脈動発生コイル74cを励磁させた状況を
考えると、残存洗浄水が完全に排出された前後では、プ
ランジャ74bのシリンダ74a内に洗浄水がある状況
下でのプランジャ移動と、洗浄水がない空の状況下での
プランジャ移動が起きる。シリンダ74a内の洗浄水
は、プランジャ74bの移動抵抗として働くので、コイ
ル励磁を同一条件化(本実施例では、同一デューティ比
Dtm)で行えば、洗浄水がない空の状況下では、それ
以前よりプランジャ74bは速く移動する。よって、シ
リンダ74a内に洗浄水がある状況下でのプランジャ移
動から洗浄水がない空の状況下でのプランジャ移動に推
移した時点、即ち残存洗浄水が完全に排出された時に
は、ボトム現象の発現の様子が変化する。よって、本実
施例の局部洗浄装置10では、このボトム現象をボトム
検知回路81(図20参照)で検知して残存洗浄水の排
出完了を検出し、上記したように流路切換弁71の止水
を経て一連のお尻洗浄動作を終了するようにした。
【0176】図40は、脈動発生コイル74cについて
のボトム検知回路81の一例を表す回路図、図41は、
脈動発生コイル74cの通電励磁の際の電流波形の様子
を説明するための説明図である。
【0177】図40に示すように、ボトム検知回路81
は、コンパレータ82とコンデンサ83と抵抗84を有
し、この抵抗84とコンデンサ83とでCRフィルタ回
路からなる遅延回路を構成して備える。CRフィルタ回
路は入力した信号を抵抗84とコンデンサ83とで定ま
る遅延程度で遅延して出力する。よって、このボトム検
知回路81は、マイナス側端子に入力される入力信号
(通電電流を反映して検出抵抗85に発生する電圧)と
この入力信号を遅延した遅延信号とを、コンパレータ8
2での演算処理に処す。これにより、このボトム検知回
路81からは、プランジャ74bの移動完了を表すパル
ス状の信号(ボトム検出信号)が以下のようにして電子
制御装置80に出力される。
【0178】ノズル後洗浄の完了後、脈動発生コイル7
4cのスイッチングトランジスタ86には、図示する所
定周期(デューティ比Dtm一定)のパルス信号が出力
され、各パルスに対応してコイルに通電が開始される。
あるパルスに着目すると、時間の経過と共に脈動発生コ
イル74cに流れる電流は上昇する。そして、パルスに
よる通電開始から所定時間経過すると、プランジャ74
bは移動を始め、このプランジャ74bの移動に伴って
脈動発生コイル74cには逆起電力が発生するので、図
41に実線で示すように、通電電流が一旦減少するボト
ム現象が起きる。この電流波形(原信号波形)が電圧と
してコンパレータ82のマイナス側端子に入力される。
一方、プラス側端子には、図中点線で示すような遅延信
号がCRフィルタ回路で生成されて入力される。このた
め、コンパレータ82ではこれら信号がその入力端子の
極性を考慮して演算されるので、図示するようにパルス
状の信号が生成される。
【0179】このパルス状の信号(ボトム検知信号)
は、上記のスイッチングトランジスタ86に出力された
各パルスに対応して生成され、電子制御装置80に上記
所定周期で入力される。ところが、上記したように、残
存洗浄水が完全に排出された時には、プランジャ74b
の移動速度が速いことから、この時のボトム検知信号
は、それ以前と異なる周期で入力されることになる。よ
って、この信号入力の状況から、電子制御装置80は残
存水排出完了を判断して、それ以降のパルス出力を停止
し、一連のお尻洗浄動作を終了させる。なお、このよう
なボトム検知結果により残存水排出を完了させるほか、
残存水排出のためのコイル励磁から所定時間経過した時
点でパルス出力を停止してコイル励磁を止め、洗浄動作
を終了させることもできる。
【0180】本実施例の局部洗浄装置10では、以下の
ようにしてムーブ洗浄を行うことができる。例えば、洗
浄ノズル24をセンタ位置を中心に前後往復動させなが
ら、ノズル位置に応じて脈動周波数ftm或いはデュー
ティ比Dtmを変更制御する。この際、センタ位置周辺
では、脈動周波数ftmを高めてソフト感・連続感を高
め、前進端と後退端近傍では、脈動周波数ftmを低く
してハード感を強調させることができる。また、デュー
ティ比Dtmもセンタ位置周辺で小さくすれば、ソフト
感を強調できる。この逆に、センタ位置周辺では、脈動
周波数ftmを低くしてハード感と刺激感を高め、前進
端と後退端近傍では、脈動周波数ftmを高くしてソフ
ト感を強調させることができる。
【0181】本実施例の局部洗浄装置では、以下のよう
にしてマッサージ洗浄を行うことができる。マッサージ
洗浄期間を同じ時間間隔の洗浄期間TA、TB、TC・
・・の繰り返しとしてこの時間間隔をマッサージ周期と
し(Dtmは固定、例えばDtm=DtmL)、図38
(a)に示すように、このマッサージ周期で脈動周波数
ftmを規則的に増減制御する。例えば、脈動周波数f
tmをftmS→ftmM→ftmL→ftmM→ft
mS・・・(ftmS<ftmM<ftmL)のように
マッサージ周期ごとに規則的に変化させる。また、ft
mS→ftmM→ftmL→ftmS→ftmM・・・
のようにすることもできる。或いは、このような脈動周
波数ftmの規則的な増減制御に加え、図38(b)に
示すように、同じ時間間隔の洗浄期間TA、TB、TC
・・・の各マッサージ周期ごとに、デューティ比Dtm
を規則的に可変制御する。例えば、デューティ比Dtm
をDtmL→DtmM→DtmS→DtmM→DtmL
・・・(DtmS<DtmM<DtmL)のように洗浄
期間ごとに規則的に変化させる。また、DtmS→Dt
mM→DtmL→DtmS→DtmM・・・のようにす
ることもできる。或いは、脈動発生コイル74cへ脈動
周波数ftmで洗浄期間TA間通電し、その後の洗浄期
間TAでは脈動発生コイル74cへの通電を停止した洗
浄を行い、その繰り返しとしてこの時間間隔をマッサー
ジ周期とすることでも良い。
【0182】このマッサージ周期は、その逆数で定まる
周波数が既述した不感帯周波数範囲外(約5Hz未満)
となるようにされている。これにより、上記したように
デューティ比Dtmや脈動周波数ftmに伴う洗浄感や
刺激感の推移は、使用者に明確に感知される。よって、
吐水から受ける洗浄感や刺激感を規則的に繰り返し使用
者に与えることができると共に、その規則的な繰り返し
も種々の形態を採ることができる。また、デューティ比
Dtmを増大制御して刺激を高めたときに、脈動周波数
ftmを低減制御すれば刺激の連続感が薄れるので、強
い刺激を強調できる。よって、刺激感の強弱を増幅で
き、排便を促進することができる。
【0183】また、上記したマッサージ洗浄において、
各洗浄期間TA、TB、TC・・・をそれぞれ異なるも
のとする。こうすれば、それぞれの洗浄期間でのデュー
ティ比Dtm或いは脈動周波数ftmに伴った刺激の認
知時間を変化させるので、刺激感の受け方が多様化し、
より効果的に排便感を促すことができる。また、音楽や
光、臭い(アロマテラピー)などの五感と同期させるこ
とにより、リラックスできる空間を提供でき、ひいては
排便感をさらに促すことができる。
【0184】本実施例の局部洗浄装置10では、吐水か
ら受ける洗浄感や刺激感を不規則的に変化させて安らぎ
感や心地よさなどを与えるゆらぎ洗浄を以下のようにし
て行うことができる。ゆらぎ洗浄期間を同じ時間間隔の
洗浄期間TA、TB、TC・・・の繰り返しとしてこの
時間間隔をゆらぎ周期とし、デューティ比Dtmや脈動
周波数ftmもしくはその両者を、このゆらぎ周期で不
規則的に増減制御する。例えば、デューティ比Dtmや
脈動周波数ftmを不規則変化させるに際して、乱数発
生プログラムをロードして乱数を発生させ、得られた乱
数でデューティ比Dtmや脈動周波数ftmを定める。
このようにすれば、デューティ比Dtmは、DtmS→
DtmM→DtmS→DtmS→DtmL→DtmS・
・・のように、脈動周波数ftmは、ftmM→ftm
S→ftmM→DtmL→DtmS→DtmL・・・の
ように一定のゆらぎ周期で推移する。或いは、この両者
が無関係に推移する。
【0185】このようにしてデューティ比Dtm或いは
脈動周波数ftmの推移に伴って、その吐水から受ける
洗浄感や刺激感は不規則的に変化する。この場合、デュ
ーティ比Dtm或いは脈動周波数ftmに伴う洗浄感や
刺激感が変化する上記のゆらぎ周期についても、このゆ
らぎ周期の逆数で定まる周波数fがマッサージ周期TM
の場合と同様の周波数(約5Hz未満)となるようにさ
れている。これにより、上記したようにデューティ比D
tmや脈動周波数ftmに伴う洗浄感や刺激感の推移
は、使用者に明確に感知される。そして、この推移する
洗浄感や刺激感は各ゆらぎ周期ごとに異なり、洗浄感や
刺激感の推移も不規則的であることから、使用者は、こ
のゆらぎ洗浄により、強弱の刺激を不規則的に受けるこ
とになる。これにより、刺激変化推移の予測困難性か
ら、次の利点がある。
【0186】排便のために肛門を開いたり閉じたりする
内肛門括約筋は、自立神経系による不随意筋であり、無
意識下で収縮・弛緩する。上記したマッサージ洗浄で
は、刺激感を左右する周期が規則的に変化するため、長
期に亘ってこのマッサージ洗浄が継続されると、周期変
化のタイミングが脳に予測されてしまうことがある。こ
のため、周期変化に伴う刺激変化推移も予測されること
になり、交感神経優位の状態となって内肛門括約筋の収
縮を招くことがある。その反面、周期が不規則的に変化
するゆらぎ洗浄では、周期変化のタイミングが予測され
難いので、周期変化に伴う刺激変化推移も予測されない
ことになる。このため、副交感神経優位の状態となって
無意識下で内肛門括約筋の弛緩を引き起こしやすい。こ
の結果、上記のゆらぎ洗浄によれば、より効果的に排便
を促進できる。
【0187】また、このゆらぎ洗浄を排便後の局部洗浄
のために行うと、デューティ比Dtmや脈動周波数ft
mの変更に伴う強弱刺激の予測が困難であることから、
局部洗浄時の単調感をより一層解消できる。
【0188】また、上記したゆらぎ洗浄において、各洗
浄期間TA、TB、TC・・・をそれぞれ異なるものと
する。こうすれば、それぞれの洗浄期間でのデューティ
比Dtm或いは脈動周波数ftmに伴った刺激の認知時
間を変化させるので、刺激感の予測がより困難となる。
よって、更に効果的に排便を促すことができる。また、
音楽や光、臭い(アロマテラピー)などの五感と同期さ
せることにより、リラックスできる空間を提供でき、ひ
いては排便感をさらに促すことができる。
【0189】また、上記したデューティ比Dtmや脈動
周波数ftmの推移幅や、これらの推移タイミングを定
める上記のゆらぎ周期或いは瞬間流量等の物理量のパワ
ースペクトルが、心拍数等の人体の生体リズムや自然界
のリズムと同様に、周波数の逆数に比例したものとする
こともできる。こうすれば、使用者にリラックス感を与
えることが可能となるため副交感神経優位となり、内肛
門括約筋の弛緩を引き起こし、排便の促進効果が高ま
る。
【0190】上記した本実施例の局部洗浄装置10によ
れば、上記したほか、次のような利点がある。まず第1
に、波動発生機器74の上流に設けたアキュムレータ7
3により、次の利点がある。図42は、アキュムレータ
73により得られる効果を説明するための説明図であ
る。
【0191】波動発生機器74を駆動して上記した脈動
流の洗浄水を吐水中に、上流側給水管路51(図15参
照)の圧力(1次圧力)と、波動発生機器74の下流側
の下流側給水管路72の圧力(2次圧力)を測定するこ
とにした。そして、アキュムレータ73を波動発生機器
74の上流に設けない状態での1次圧を、流調弁65の
下流で測定した。また、アキュムレータ73を図15に
示すように設けた場合の1次圧を、流調弁下流、即ちア
キュムレータ上流で測定した。その結果を図42に示
す。
【0192】アキュムレータ73を本実施例の波動発生
機器74の管路上流に組み込むと、アキュムレータ73
としての本来の機能である水撃低減を上流側給水管路5
1において発揮できることに加え、以下の利点がある。
即ち、図42に示すように、波動発生機器74による脈
動流生成の際に、上流側給水管路51における1次圧力
の圧力変動を効果的に抑制できる。よって、既述した水
撃抑制による熱交換部62の洗浄水温度分布の乱れ回避
と、この1次圧力変動抑制による熱交換部62の洗浄水
温度分布の乱れ回避とを図ることができる。従って、熱
交換部62では温度分布に乱れが無い状態でヒータ61
による温水化を図ることができるので、ヒータ制御を簡
略化できると共に、洗浄水温度の均一化を応答性良く図
ることができる。しかも、波動発生機器74の発生させ
る脈動流は、アキュムレータ73により1次圧が蓄圧さ
れ2次側で増幅された状態となるので、波動発生機器7
4の低能力化や小型化を図ることができる。加えて、ア
キュムレータ73による圧力増幅を得られる分、波動発
生機器74では圧力変動生成(脈動生成)に要するエネ
ルギが少なくなり、省電力化を図ることもできる。な
お、アキュムレータ73を波動発生機器74に近接配置
したり当該機器と一体的に配置するようにしたが、流調
弁65に近接配置したり当該機器と一体的に配置するこ
ともできる。
【0193】また、この実施例の局部洗浄装置10で
は、洗浄水の流れに周期的な変動を与えて洗浄水を吐水
するに当たり、プランジャ74bの往復動を利用した波
動発生機器74を用い、この波動発生機器74で発生さ
せる脈動流を、流量ゼロの状況が現れないようにした。
よって、管路における洗浄水の流れが遮断される状況を
発生させないので、水撃が発生しにくくなる。このた
め、波動発生機器74を始めとする水路系構成機器を耐
水撃性が高いものとする必要がなくなり、構成・構造の
簡略化や小型化、延いては樹脂化を図ることができる。
【0194】また、波動発生機器74では、プランジャ
74bの往復動により脈動を発生させるに際し、上記の
ように流量ゼロの状況を発現させないので、洗浄水吐出
側に逆止弁74f等の止水構造を必要としない。このた
め、より一層の構成・構造の簡略化や小型化を図ること
ができる。そして、このように小型化を図ることができ
ることから、波動発生機器74の設置場所の自由度が高
まると共に、質量の大きな他の部材への取付や一体化が
簡便化する。
【0195】更に、脈動流の洗浄水吐水の際に流量ゼロ
の洗浄水吐水の状況を起こさないので、以下の利点があ
る。脈動周波数が不感帯周波数領域内(約5Hz以上)
であっても、吐水を受ける使用者の刺激の連続感は、こ
の脈動周波数がこの不感帯周波数領域の下限に近づくほ
ど薄れがちとなるといえる。しかし、上記のように流量
ゼロの洗浄水吐水状況を起こさないので、この刺激の連
続感を薄れにくくできる。よって、波動発生機器74に
よる脈動流の洗浄水吐水では、脈動周波数の調整範囲を
不感帯領域の下限近くにまで広げることができ、広範囲
の脈動周波数調整により、洗浄感や水勢の多様化を図る
ことができる。
【0196】また、この実施例の局部洗浄装置10で
は、お尻洗浄・やわらか洗浄・ビデ洗浄で洗浄動作の終
了時に、上記したように波動発生機器74を駆動してプ
ランジャ74bを往復動させ、残存洗浄水を強制的に排
出するようにした。よって、流調弁65から洗浄ノズル
24のノズル ヘッド200までに亘る管路の水抜きが
完全に行われる。このため、残存水の凍結を確実に回避
できる。このような水抜きのために波動発生機器74を
駆動する際、脈動発生コイル74cのデューティ比Dt
mを小さくし脈動周波数ftmを低周波数としたので、
プランジャ74bを定速かつ弱い力で移動させるに過ぎ
ず、プランジャ74bをシリンダ74a端部に高速かつ
強い力で衝突させない。このため、プランジャ74bの
打音を低減できる。更に、既述したように流路切換弁7
1を水抜き時に各ノズル流路の総ての連通孔を開口させ
るようにすれば、洗浄ノズル24における総ての流路で
水抜きできる。
【0197】加えて、この実施例の局部洗浄装置10で
は、既述したように、使用者には連続した吐水を受けて
いるような感じを与えつつ洗浄水水量(吐水量)を低減
して節水の実効性を高めた。このため、所望温度まで洗
浄水をヒータ61で加熱するための消費電力の低減を図
ることができる。すなわち、一般にトイレ室内のコンセ
ントの限界容量は15Aである。しかし、従来トイレで
使用される既存の局部洗浄装置では、瞬間式の熱交換器
の温水ヒータ容量を、寒冷期でも充分な温度、充分な時
間の吐水を可能にするために2500ワット程度に設定
している。このヒータ容量の低減を図るために洗浄水に
空気を強制的に混入させて洗浄水量を低減させることが
行われているが、このようにしても、少なくとも100
0ワット以上のヒータ容量が必要であった。このため、
このようなヒータ容量を有する局部洗浄装置をトイレ室
内のコンセントに差すと、コンセントの限界容量に近づ
くため、他の電気機器が接続できないという問題があっ
た。そればかりでなく、局部洗浄装置に設けられた温風
乾燥機能や室内暖房機能などを同時に作動させると総合
的なヒータ容量は大きくなる。よって、これらの機能が
同時に作動したときは、何れかのヒータ通電を停止する
などの措置を取らなければならないといった問題もあっ
た。
【0198】また、ホテルや施設などは複数の局部洗浄
装置を設置する必要があるものの、消費電力の上限のた
めに設置できないといった問題があった。しかしなが
ら、この実施例の局部洗浄装置10によれば、波動発生
機器74により脈動を発生させ、この脈動の脈動周波数
ftm並びにデューティ比Dtmの制御を通して、洗浄
水水量の大幅な減少および消費電力の低減が図れ、上述
したような電源の問題の解決も図ることができる。
【0199】上記した実施例の局部洗浄装置10では、
波動発生機器74に至る洗浄水流量を図示しない流量セ
ンサで検出している。よって、既述したように、このセ
ンサの検出流量を用いた脈動流制御(デューティ比制
御、脈動周波数制御)による細かな水勢調整が可能であ
るほか、以下の利点がある。即ち、電子制御装置80
は、電磁弁55の不良等により過度の流量が発生した時
や断水などの異常発生時に、この流量センサからの検出
信号を受けて、波動発生機器74の駆動停止、ヒータ6
1への通電停止、洗浄ノズル24の待機位置復帰等の動
作を行なう。こうすれば、プランジャ74bの空打ちに
よる打音の発生を回避したり、ヒータ61の空だきを回
避等できる。
【0200】また、この第6実施例では、柔らか・ビデ
の洗浄に際して、上記したように脈動流での洗浄水を洗
浄水渦室171に導いて、洗浄水に旋回力を付与する。
よって、柔らか・ビデの洗浄に際しては、脈動流での洗
浄水吐水、空気混入および洗浄水旋回で得られる上記の
効果を奏することができる。また、脈動流では周期的に
流速が変化するため、旋回力も周期的に変動する。従っ
て、図2若しくは図3に図示したコーン形状KS範囲内
で螺旋の広がり程度も周期的に変動する。従ってコーン
形状KS内で適度に洗浄水を分散させることができ、局
部を満遍なく洗浄することが可能となる。
【0201】次に、上記した局部洗浄装置10の変形例
について説明する。なお、以下の説明において、上記し
た実施例と同一の部材については同一の部材名とその符
号をそのまま用い、同一の機能を果たす部材については
同一の部材名を用いることとする。
【0202】既述した脈動流の洗浄水吐水において、流
量を一定にしたまま流速を可変制御するよう変形でき
る。図43は、この脈動吐水において、流量を一定にし
たままで流速vmを減速制御(vm2→vm3)した一
例を示したものである。なお、図において、t2、t3
(>t2)は、波動発生機器のコイル励磁のための通電
時間を表し、T2は波動発生機器にて発生させる脈動の
脈動発生周期を、Vは脈動発生器の脈動発生コイル74
cへの通電をON・OFFするためにスイッチングトラ
ンスへ印加される電圧、換言すればコイル励磁電圧を表
す。また、図において、(a)はパルス信号のデューテ
ィ比の様子を、(b)は電圧V−時間の関係を、(c)
は吐水される洗浄水の流速vm−時間の関係を、それぞ
れ表している。この図43を用いて、脈動吐水において
流量を一定にしたままで流速を上げる制御を説明する。
【0203】脈動発生装置が脈動発生コイル74cとこ
のコイルで駆動するプランジャ74bで構成される時、
流量は駆動されるプランジャ74bのストローク長に応
じて、流速はプランジャ74bの駆動速度、即ちプラン
ジャ74bの吸引力に応じてそれぞれ規定される。ま
ず、減速すべきとして、脈動発生コイル74cへ通電さ
れる電圧V(即ち脈動発生コイル74cへ流れる電流)
を小さくする(V3→V2;(b)参照)。これによ
り、プランジャ74bの吸引力は低下して流速は低下す
る。この際、電圧変更の前後でデューティ比が同じであ
れば、プランジャ74bの駆動速度の低減分だけプラン
ジャ74bのストローク長が短くなり、流量は低減す
る。よって、流量の低減を招いても流速を減速するだけ
でよい場合は、上記したようにデューティ比一定で電圧
を低減するだけでより。流速の増速の場合は、この逆と
なる。
【0204】その一方、流量の変化を来すことなく流速
のみ加減速するには、次のように制御する。減速制御の
場合は、上記したストローク長の短縮、即ち流量不足を
補うべく、デューティ比を大きくする(t2/T2→t
3/T2;(a)参照)。こうしてデューティ比が大き
くされると、コイル励磁期間も長くなるので、プランジ
ャ74bを正規のストローク分だけ駆動でき、プランジ
ャ74bのストローク長を一定に保つことができる。よ
って、流量を一定としたまま、流速のみを減速できる。
この現象は、流速と時間の関係を示す左右のグラフ
(c)において、1周期間の面積S2が等しいことから
も説明できる。増速制御の場合は、この逆となる。もち
ろんこの他に、プランジャ74bのストローク限界にて
常時脈動を発生している場合においては駆動ストローク
長が変わらないため流量は変化せず、脈動発生コイル7
4cへの印加電圧もしくは通電電流を制御するだけで、
流量一定かつ流速可変の制御が可能となる。
【0205】次に、上記した実施例の局部洗浄装置10
の別の変形例について説明する。
【0206】図44は、変形例の局部洗浄装置100が
有する水路系構成を表すブロック図、図45は、他の変
形例の局部洗浄装置110が有する水路系構成を表すブ
ロック図、図46は、これら変形例の流調切換弁75の
概略構成を一部破断して示す概略構成図である。図47
は、また別の変形例の局部洗浄装置120が有する水路
系構成を表すブロック図である。図48は、この水路系
に配置された流調切換弁77の構成を表す断面図、図4
9は、この断続弁を有する変形例の局部洗浄装置の水路
系における水圧を説明する説明図である。図50は、ま
た別の変形例の局部洗浄装置が有する水路系構成を表す
ブロック図である。である。
【0207】(1)図44に示するように、この変形例
の局部洗浄装置100では、アキュムレータ73と波動
発生機器74とを有する波動発生ユニット70を、熱交
換ユニット60の下流に備え、この波動発生ユニット7
0の下流に流調切換弁75を有する。この流調切換弁7
5は、洗浄ノズル24とは別体で構成され、洗浄ノズル
24の上記各ノズル流路(お尻洗浄用、やわらか洗浄用
およびビデ洗浄用の各ノズル流路)のいずれかに洗浄水
の給水先を切り換えると共に、切り換えた各流路に流す
洗浄水流量を調整する。よって、この流調切換弁75
で、洗浄ノズル24における各ノズル流路の給水切換、
並びに各流路への洗浄水流量調整を行うことができる。
このため、上記の実施例では、洗浄ノズル24への流量
調整を行う流調弁65と、洗浄ノズル24の各ノズル流
路の切換を行う流路切換弁71の二つの弁を用いていた
が、この変形例では、一つの流調切換弁75で済む。よ
って、部品点数減少により組み付け工数の低減、コスト
低減等の製造上の利点がある。しかも、通常のお尻洗浄
にあっては、脈動流での洗浄水吐水と空気混入で得られ
る上記の効果を、柔らか・ビデの洗浄に際しては、脈動
流での洗浄水吐水、空気混入および洗浄水旋回で得られ
る上記の効果を奏することができる。
【0208】また、この局部洗浄装置100では、波動
発生ユニット70下流の流路、即ち、波動発生ユニット
70から流調切換弁75までの流路と流調切換弁75か
ら洗浄ノズル24までの流路である下流側給水管路72
を、波動発生ユニット70より上流の上流側給水管路5
1より高硬度の可撓性配管とした。よって、流調切換弁
75を洗浄ノズル24から離したものであっても、給水
管路自体の伸縮、膨張・収縮を起き難くでき、この伸縮
に伴う脈動減衰の影響を抑制できる。このため、この変
形例にあっても、流路における脈動減衰を低減して、脈
動流の洗浄水を洗浄ノズル24に送り込むことができ
る。
【0209】(2)図45に示す他の変形例の局部洗浄
装置110では、お尻用とビデ用で別々の洗浄ノズルを
備え、各ノズルを上記の変形例の流調切換弁75に接続
させている。そして、この流調切換弁75は、図2や図
3で説明したノズルヘッド170、170Aを有するお
尻用洗浄ノズル114とビデ用洗浄ノズル116と接続
され、これら各洗浄ノズルごとのノズル流路(お尻洗浄
用ノズル流路およびビデ洗浄用ノズル流路)に洗浄水の
給水先を切り換えると共に、切り換えた各流路に流す洗
浄水流量を調整する。
【0210】お尻用、ビデ用の洗浄ノズル114、11
6は、ノズル装置112に装着されている。このノズル
装置112は、上記各洗浄ノズルを別々に待機位置から
それぞれの洗浄位置に進退するよう構成され、電子制御
装置80によって駆動制御される。このように、お尻用
とビデ用で別々の洗浄ノズルを有する局部洗浄装置11
0であっても、上記したように、脈動周波数ftm並び
にデューティ比Dtmの制御を通して、節水の実効性を
高めたまま、多様な洗浄感や水勢を設定できる。また、
上記の局部洗浄装置100と同様に、波動発生ユニット
70下流の下流側給水管路72を上流側給水管路51よ
り高硬度の可撓性配管とすることで、お尻用とビデ用で
別々の洗浄ノズルを有する局部洗浄装置110にあって
も、流路における脈動減衰を低減して、脈動流の洗浄水
をお尻用とビデ用の各洗浄ノズルに送り込むことができ
る。しかも、通常のお尻洗浄・ビデ洗浄に際しては、脈
動流での洗浄水吐水、空気混入および洗浄水旋回で得ら
れる上記の効果を奏することができる。なお、お尻用洗
浄ノズル114については、洗浄水渦室171を有しな
いものとすることもできる。
【0211】これら変形例の流調切換弁75は、例え
ば、図46のようなドラム式の流調切換弁とすることが
できる。この流調切換弁75では、ドラムケーシング7
5aの内部に、ドラム75bを回転(正逆回転)自在に
有する。このドラム表面には、各給水口ごとに給水溝7
5cが形成されており、ドラムの各給水溝と給水口との
重なり程度を調整して、給水先の切り換えと、切り換え
た給水先への給水流量を調整する。このドラム式の流調
切換弁75によれば、ダイアフラム等の弾性体の弾発を
利用した切換弁に比べて、脈動の減衰をより効果的に抑
制できる。
【0212】また、お尻用洗浄ノズル114とビデ用洗
浄ノズル116を備えるものにあって、お尻用・ビデ用
のいずれかの洗浄ノズルをやわらか洗浄用の吐水孔とそ
のためのノズル流路を有するものにできる。更に、やわ
らか洗浄用の洗浄ノズルを上記両洗浄ノズルと別に有す
るものとできる。こうすれば、柔らか洗浄に際して、脈
動流での洗浄水吐水、空気混入および洗浄水旋回で得ら
れる上記の効果を奏することができる。
【0213】(3)図47に示す変形例の局部洗浄装置
120は、断続流での洗浄水吐水を行う点に特徴があ
る。即ち、給水されてきた洗浄水の加圧とその下流での
洗浄水流の断続を図って洗浄水の流れを、瞬間的には流
量がゼロとなる断続流とする点に特徴がある。即ち、こ
の変形例の局部洗浄装置120は、その水路系におい
て、熱交換ユニット60の下流側に、加圧機器122と
流調弁124と断続流発生ユニット126とを備え、流
路切換弁71を経て洗浄ノズル24から洗浄水を吐水す
る。
【0214】加圧機器122は、ラインポンプ等の加圧
ポンプを備えており、熱交換ユニット60から供給され
る洗浄水を加圧して下流の上記機器に供給する。そし
て、この加圧機器122は、調圧弁54で調圧された約
0.13MPa{1.3kgf/cm2 }の1次圧を約
0.2MPa{約2kgf/cm2 }まで高めるポンプ
容量を備えている。なお、この調圧弁54による調圧圧
力(約0.13MPa{1.3kgf/cm2 })は、
従来品とほぼ同じである。
【0215】断続流発生ユニット126は、その上流側
からアキュムレータ73と、流路を断続する断続弁12
8とを有する。断続弁128は、図48に示すように、
モータ128aで、バルブ体128bをハウジング12
8cの内部で回転させる。そして、この断続弁128
は、内部のバルブ体流路128dを、モータ128aの
回転周期に併せてバルブ流路128eと連通させて流路
を断続させる。これにより、断続弁128は、加圧機器
122で加圧された洗浄水流を断続した出力(断続流)
とし、断続流の洗浄水を洗浄ノズル24に給水する。こ
の断続流の生成の様子を図でもって説明すると、次のよ
うになる。
【0216】図49に示すように、給水源からの給水圧
がPwであると、洗浄水は、調圧弁54により約0.1
3MPa{1.3kgf/cm2 }まで圧力が下げられ
て加圧機器122に至り、この加圧機器122で約0.
2MPa{約2kgf/cm 2 }まで昇圧される。そし
て、この洗浄水は、断続弁128による周期的な洗浄水
流の断続を受けて断続流とされ、洗浄ノズル24から吐
水される。この際の断続流の断続周期DTは、断続弁1
28のモータ回転周期の2倍であることから、電子制御
装置80によるモータ128aの回転制御を通して可変
制御可能である。そして、この変形例では、断続周期D
Tで規定される周波数(断続周波数)が既述した不感帯
周波数範囲(5Hz以上、好ましくは10〜100H
z)となるようにされている。従って、流路の断続を経
て得られた断続流の洗浄水を洗浄ノズル24から吐水す
るこの変形例にあっても、既述した実施例と同様に洗浄
水吐水の周波数制御により、洗浄水水量が一定であって
も、洗浄感の多様化や水勢調整を行うことができる。ま
た、洗浄水水量の調整を併用すれば洗浄水流速も変更で
きることから、より一層の洗浄感の多様化ときめ細かな
水勢調整を行うことができる。また、周波数制御により
既述したように水勢調整が可能であることから、洗浄水
水量の不足が起きても、使用者の所望する水勢を確保す
ることができる。換言すれば、使用者の所望する洗浄感
や水勢を断続流の周波数制御で確保できることから、既
述したように洗浄水水量の大幅な低減を図ることができ
る。
【0217】この変形例によれば、脈動流に替わる断続
流での洗浄水吐水、空気混入および洗浄水旋回で得られ
る上記の効果に加え、次の利点がある。図48に示すよ
うに、断続弁128は、バルブ体流路128dの開口部
に傾斜部128fを有する。この傾斜部128fは、バ
ルブ体128bがバルブ流路128eを遮蔽側に回転す
る際に、バルブ流路128eを徐々に閉める機能を果た
す。よって、断続流生成のための断続弁駆動の際に、こ
の弁駆動に伴う流路遮断時の水撃の発生を抑制できる。
【0218】また、この変形例では、図49に示すよう
に、加圧機器122で昇圧して得た圧力(約0.2MP
a{約2kgf/cm2 })を最高圧力とし、断続弁1
28による断続で圧力がこの最高圧力から降下する断続
流としている。よって、加圧機器122による昇圧圧力
を上下にシフトさせれば、この断続流をも既述した脈動
流の場合と同様(図18参照)上下にシフトして、流量
調整することができる。
【0219】(4)図50に示す他の変形例の局部洗浄
装置130では、加圧機器122と断続流発生ユニット
126により、洗浄水を加圧して断続流の洗浄水とす
る。また、お尻用とビデ用の洗浄ノズル114、116
をノズル装置112により進退させ、流調切換弁75で
ノズルへの流路切換並びに流量調整を行う。そして、流
量調整を経た上で、上記の断続流の洗浄水をお尻・ビデ
の各洗浄ノズルから吐水する。このように、お尻用とビ
デ用の別々の洗浄ノズル114、116を有するものに
あって断続流の洗浄水をそれぞれ吐水するように構成す
ることもできる。
【0220】このほか、上記の実施例或いは各変形例の
局部洗浄装置は、次のように変形することもできる。 (1)脈動流の洗浄水とするに当たり、既述した波動発
生機器74を用いたが、脈動出力を得ることのできるポ
ンプ、例えば、ギヤポンプやトロコイドポンプ等を用い
ることができる。この場合には、これらポンプの回転数
制御を通して脈動周波数を可変制御し、水勢等の調整を
行うことができる。また、波動発生機器74をAC駆動
としてその位相角制御を行い、上記した実施例における
デューティ比制御と同様に、水勢等の調整を行うように
することもできる。 (2)また、流路の断続を介して断続流の洗浄水とする
断続弁128を、ソレノイドを用いたソレノイド弁や、
給水口のポペットを前後させて給水口の開閉させ流路断
続を行うポペット式の弁であってもよい。
【0221】(3)また、洗浄水の加圧並びにその後の
断続流化に、ラインポンプからなる加圧ポンプを有する
加圧機器122と断続弁128を用い、この両者を別体
の構成とした。しかし、これに限らず、洗浄水を加圧し
かつ断続できる構成とすればよい。図51は、更に別の
変形例の洗浄ノズル175を説明する説明図、図52
は、この変形例の洗浄ノズル175で用いたソレノイド
ポンプ176の概略構成を説明する説明図である。
【0222】図示するように、このソレノイドポンプ1
76は、吸入側逆止弁176aと吐出側逆止弁176b
を有する通常の流量型電磁ポンプである。そして、この
ソレノイドポンプ176は、電磁ソレノイド176cを
励磁してプランジャ176dを進退させることにより、
ポンプ室176eから断続流化された加圧水を得る弁で
ある。通常のソレノイドポンプは、吸入側・吐出側の逆
止弁に挟まれたプランジャの進退に伴う流体の断続をな
くして平滑な圧とするためにアキュームレータを併用す
る。しかし、この変形例のソレノイドポンプ176は、
アキュームレータを用いないで圧力の断続をそのまま利
用して、電磁ソレノイドの励磁電圧に同期した断続周期
を得ることができる。この実施の形態によれば、加圧部
および断続部を1つのソレノイドポンプ176により実
現することができるので、構成を簡単にすることができ
る。この場合であっても上記の電磁コイルの励磁周期、
即ち断続周期は、その周波数が既述した不感帯周波数範
囲となるようにされている。
【0223】(4)また、洗浄水の加圧並びにその後の
断続流化に加圧機器122と断続弁128を用い、図4
9に示すように、調圧弁の調圧圧力を最大圧力として圧
力の周期的変動の起きる断続流としたが、調圧弁の調圧
圧力を最小圧力として圧力の周期的な変動が起きた断続
流とすることもできる。こうすれば、水道等の給水源自
体の圧力がもともと低い場合であっても、既述した通り
の断続流の洗浄水で吐水できる。
【0224】(5)更に、上記した実施例およびその変
形例では、波動発生機器74等の駆動を停止すること
で、従来と同様の連続流による洗浄水吐水が可能であ
る。よって、遠隔操作装置や本体の袖部等に脈動流吐水
の入り切りを選択できるボタンを設け、当該ボタンの操
作に応じて、即ち、使用者の好みに応じて、脈動流の洗
浄水による吐水形態での局部洗浄と、連続流の洗浄水に
よる従来と同じ吐水形態を選択できるようにすることも
できる。
【0225】(6)また、熱交換ユニット60の熱交換
部62の出湯側に緩衝貯湯槽を設け、これをアキュムレ
ータ73に代用して用いてもよい。この緩衝貯湯槽の構
成としては、熱交換部62より高い水位となるように配
置された槽を備え、この槽にフロートスイッチSS18
とバキュームブレーカ63を設置する。この緩衝貯湯槽
は、その下流側から熱交換部に伝播する圧力変動をアキ
ュムレータとほぼ同様に吸収する。よって、この緩衝貯
湯槽によっても、変動吸収により熱交換部内の温度分布
の乱れを抑制して熱交換部内の温度を均一にすることが
でき、温度の制御特性を安定させている。なお、緩衝貯
湯槽内には、温水を混ぜることを促進する混合板や混合
通路を設けて、その圧力変動の吸収作用を一層高めても
よい。また、緩衝貯湯槽を熱交換ユニットと一体とし
て、その内部に混合板などを設置してもよい。
【0226】(7)また、熱交換ユニット60への入水
温度を検出するために、入水温センサを用いる代わり
に、ヒータ61に供給した通電量に基づいて、たとえ
ば、ヒータへ供給される通電量の微分値に基づいて算出
してもよい。これにより、入水温センサが不要となり、
構成を簡単にできる。入水温センサSS16aおよび出
水温センサSS113は、熱交換部内の温水の温度を反
映する箇所であれば、熱交換部内ばかりか、熱交換ユニ
ットの前後に設けることもできる。
【0227】なお、上記の実施例および各変形例におい
て、ノズルヘッドにおけるお尻洗浄・柔らか洗浄・ビデ
洗浄の各ヘッド流路を上下に並べて形成することもでき
る。こうすれば、洗浄ノズルの幅方向を狭くでき、ノズ
ル装置を始めとする種々の機器やユニットを近接配置で
き、装置の小型化を図ることができる。この場合、上下
のヘッド流路に併せて洗浄ノズルにおいても、ノズル流
路を上下に形成することもできる。また、ノズルヘッド
を、上記の各ヘッド流路を有するベースに上記の各吐水
孔を有するヘッドカバーを装着する構成とし、ベースと
ヘッドカバーの間に、外気導入孔を設けるようにするこ
ともできる。
【0228】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0229】例えば、熱交換ユニット60を、螺旋状の
ニクロム線からなるヒータ61を小容量の熱交換部62
に内蔵したものとしたが、次のようにすることもでき
る。即ち、ヒータ61を積層円筒セラミックヒータとす
れば、漏電検知回路や過熱防止回路を焼成前生シートに
ペースト印刷して、各回路を焼成によりヒータ表面に形
成できる。よって、外部に漏電検知・漏電保護回路が不
要となると共に、バイメタル等の過熱防止機器も不要と
なる。そして、積層化と機器省略により、熱交換ユニッ
ト60の小型化を図ることができる。また、ヒータ61
を、高周波電流に連動した磁束変化により抵抗体に電磁
誘導を起こしてこの抵抗体をジュール熱で発生させる電
磁誘導加熱ヒータとすることもできる。こうすれば、熱
交換部内でヒータ61を水没配置する必要がないので、
漏電保護回路が不要となり、その分、小型化ができる。
更に、ヒータ形状の自由度が高いので、ヒータ61を蛇
行水路に沿った形状等とすることができ、効率よく洗浄
水を温水化できる。
【0230】また、熱交換ユニット60を、瞬間式では
なく貯湯式とすることもできる。こうすれば、所定温度
の洗浄水の連続吐水時間を長くすることができる。ま
た、熱交換部内洗浄水の温水化を深夜等の便器未使用時
に実施でき、その際には低消費電力のヒータ61を用い
ることができる。こうすれば、局部洗浄装置全体として
の最大消費電力を低減できるので、既設のトイレに局部
洗浄装置を設置するような場合に、屋内配線容量不足を
招いたり容量契約の変更を来すようなことが少なくな
る。更にノズルを電動式としたが、水圧式ノズルとすれ
ば、ノズル駆動用モータをなくすことが出来、比較的安
価とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の局部洗浄装置300の概略構成を
表すブロック図である。
【図2】この局部洗浄装置300が有する洗浄ノズルの
ノズルヘッド170を説明するため内部構造を透視して
概略的に表した概略斜視図である。
【図3】第2実施例のノズルヘッド170Aを説明する
ため内部構造を透視して概略的に表した概略斜視図であ
る。
【図4】ノズルヘッド170Aと対比する比較例ノズル
ヘッド161を模式的に表した模式図である。
【図5】ノズルヘッド170Aと比較例ノズルヘッド1
61についての空気の巻き込み特性を示すグラフであ
る。
【図6】このノズルヘッド170Aからの洗浄水の吐水
の様子を模式的に示す説明図である。
【図7】第3実施例の局部洗浄装置300Aの概略構成
を示すブロック図である。
【図8】第4実施例の局部洗浄装置320の概略構成を
示すブロック図である。
【図9】ノズルヘッド200の模式的な構成を説明する
ための要部概略断面図である。
【図10】ノズルヘッド200のX方向概略斜視図であ
る。
【図11】ノズルヘッド200の底部蓋210の斜視図
である。
【図12】ノズルヘッド200と洗浄ノズル24の要部
の概略分解斜視図である。
【図13】図12と異なる方向から見たノズルヘッド2
00と洗浄ノズル24の要部の概略分解斜視図である。
【図14】第5実施例のノズルヘッド220を説明する
ため内部構造を透視して概略的に表した概略斜視図であ
る。
【図15】第6実施例の局部洗浄装置の概略構成を水路
系を中心に表したブロック図である。
【図16】この水路系に配設されたアキュムレータ73
の概略構成を示す断面図である。
【図17】同じく水路系に配設された波動発生機器74
の構成を表す断面図である。
【図18】この波動発生機器74による洗浄水の流れの
様子を説明する説明図である。
【図19】波動発生機器74の設置の様子を模式的に表
した模式図である。
【図20】制御系の概略構成を表すブロック図である。
【図21】ノズル装置40を表す概略斜視図である。
【図22】図21における22−22線概略断面図であ
る。
【図23】洗浄ノズル24の進退の様子を説明するため
の説明図である。
【図24】この洗浄ノズル24が有する流路切換弁71
の構成を説明するための要部概略断面図である。
【図25】この流路切換弁71の要部の分解斜視図であ
る。
【図26】洗浄水吐水に際して脈動を発生させる波動発
生機器74の脈動発生コイル74cの励磁の様子を説明
する説明図である。
【図27】波動発生機器74から流出する洗浄水の水量
および流速を示すタイミングチャートである。
【図28】ノズル ヘッド200のお尻吐水孔31から
の洗浄水吐水の様子を模式的に説明する説明図である。
【図29】脈動流の洗浄水を仮定の吐水孔30から吐水
した場合、その吐水された洗浄水が脈動流に増幅される
過程を説明する説明図である。
【図30】洗浄水流が壁面に衝突する状態を説明する説
明図である。
【図31】お尻吐水孔31に対向して所定距離Laだけ
隔てて圧力センサ板Psを設置した状態を説明する説明
図である。
【図32】圧力センサ板Ps上の位置と圧力のピーク値
とを3次元的に表現した説明図である。
【図33】検出部の1つから検出される検出信号を表わ
すタイミングチャートである。
【図34】平均吐水量と洗浄量との関係を示すグラフで
ある。
【図35】周波数の増減により洗浄強度が異なる理由を
説明する説明図である。
【図36】脈動流の脈動周波数および洗浄強度と人体局
部の刺激に伴う不快感との関係を示すグラフである。
【図37】洗浄水の脈動流における脈動周波数をお尻洗
浄とビデ洗浄で異なるようにした制御例を説明する説明
図である。
【図38】脈動周波数ftmとデューティ比Dtmの制
御例を説明する説明図である。
【図39】この実施例の局部洗浄装置の洗浄動作を表す
タイムチャートである。
【図40】脈動発生コイル74cについてのボトム検知
回路81の一例を表す回路図である。
【図41】脈動発生コイル74cの通電励磁の際の電流
波形の様子を説明するための説明図である。
【図42】アキュムレータ73により得られる効果を説
明するための説明図である。
【図43】この脈動吐水において、流量を一定にしたま
まで流速vmを減速制御(vm2→vm3)した一例を
示したものである。
【図44】変形例の局部洗浄装置100が有する水路系
構成を表すブロック図である。
【図45】他の変形例の局部洗浄装置110が有する水
路系構成を表すブロック図である。
【図46】これら変形例の流調切換弁75の概略構成を
一部破断して示す概略構成図である。
【図47】また別の変形例の局部洗浄装置120が有す
る水路系構成を表すブロック図である。
【図48】この水路系に配置された断続弁128の構成
を表す断面図である。
【図49】この断続弁を有する変形例の局部洗浄装置の
水路系における水圧を説明する説明図である。
【図50】また別の変形例の局部洗浄装置130が有す
る水路系構成を表すブロック図である。
【図51】更に別の変形例の洗浄ノズル175を説明す
る説明図である。
【図52】この変形例の洗浄ノズル175で用いたソレ
ノイドポンプ176の概略構成を説明する説明図であ
る。
【符号の説明】
10…局部洗浄装置 24…洗浄ノズル 24a…筒状部 24b…ベルト把持体 24c…軌道把持体 24d…把持部 30…吐水孔 31…お尻吐水孔(吐水孔) 32…柔らか吐水孔 33…ビデ吐水孔 34…第1ヘッド流路 35…第2ヘッド流路 36…第3ヘッド流路 34a…接続管部 40…ノズル装置 41…ベース 41a…架台 41b…ノズル保持部 41c…チャンバ 42…ノズル駆動モータ 43…伝達機構 43a…駆動プーリ 43b…従動プーリ 43c…タイミングベルト 43d…テンションローラ 44…案内レール部 45…ノズル進退軌道 50…入水側弁ユニット 51…上流側給水管路 52…ストレーナ 53…逆止弁 54…調圧弁 55…電磁弁 56…リリーフ弁 56a…第1洗浄水導出管路 60…熱交換ユニット 61…ヒータ 62…熱交換部 63…バキュームブレーカ 65…流調弁 70…波動発生ユニット 71…流路切換弁 71a…ケーシング 71b…ステータ 71c…ロータ 71d…カップリング 71e…ハウジング 71f…スプリング 71g…連通孔 71j…切欠 71k…駆動モータ 71m…スリット 71n…回転軸ピン 71q…回転キー 71r…スリット 71s…接続継手 72…下流側給水管路 73…アキュムレータ 73a…ハウジング 73b…ダンパ室 73c…ダンパ 73d…スプリング 74…波動発生機器 74a…シリンダ 74b…プランジャ 74c…電磁コイル(脈動発生コイル) 74d…緩衝スプリング 74e…復帰スプリング 74f…逆止弁 75…流調切換弁 75a…ドラムケーシング 75b…ドラム 75c…給水溝 77…流調切換弁 79…乾燥部 80…電子制御装置 81…ボトム検知回路 82…コンパレータ 83…コンデンサ 84…抵抗 85…検出抵抗 86…スイッチングトランジスタ 100…局部洗浄装置 110…局部洗浄装置 112…ノズル装置 114…お尻用洗浄ノズル 116…ビデ用洗浄ノズル 120…局部洗浄装置 122…加圧機器 124…流調弁 126…断続流発生ユニット 128…断続弁 128a…モータ 128b…バルブ体 128c…ハウジング 128d…バルブ体流路 128e…バルブ流路 128f…傾斜部 130…局部洗浄装置 161…比較例ノズルヘッド 162…外気巻き込み室 163…小径連通路 163A…オリフィス 164…外気導入通路 170…ノズルヘッド 170A…ノズルヘッド 171…洗浄水渦室 175…洗浄ノズル 176…ソレノイドポンプ 176a…吸入側逆止弁 176b…吐出側逆止弁 176c…電磁ソレノイド 176d…プランジャ 176e…ポンプ室 200…ノズルヘッド 202…上蓋 204…エアーギャップ室 206…洗浄水渦室 206a…接続口 207…オリフィス 208…ビデ洗浄水渦室 208a…接続口 210…底部蓋 212…外気導入通路 213…立設板 220…ノズルヘッド 222…偏心経路 223…軸心指向経路 240…シール体 241…溝 242…凸条 243…シール筒状体 300A…局部洗浄装置 300…局部洗浄装置 302…給水ユニット 304…熱交換ユニット 306…流調弁 307…流路切換弁 308…洗浄ノズル 308A…洗浄ノズル 308B…洗浄ノズル 310…ノズル駆動モータ 312…電子制御装置 320…第4の局部洗浄装置 S1…オリフィス径 S2…スロート径 SS16a…入水温センサ SS16b…出水温センサ SS18…フロートスイッチ SS30…転倒検知センサ SS14…洗浄水量センサ HP…待機位置 AWP…お尻洗浄位置 VWP…ビデ洗浄位置 Ps…圧力センサ板 SS10…着座センサ SS113…出水温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 稔 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 筒井 治雄 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 柳瀬 理典 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D038 JA00 JA03 JA05 JB05 JF00 JH12

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄水をノズルの吐水孔から人体に吐水
    する人体洗浄装置であって、 前記吐水孔に洗浄水を給水する給水手段と、 給水された洗浄水に前記吐水孔の軸心回りの旋回力を付
    与して、洗浄水を前記吐水孔へ導き、前記旋回力を持っ
    た状態で洗浄水を前記吐水孔から吐水させる旋回付与手
    段とを備えることを特徴とする人体洗浄装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の人体洗浄装置であって、 前記旋回付与手段は、前記給水洗浄水に付与する前記旋
    回力の程度を可変とする可変手段を有する、人体洗浄装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の人体洗浄装
    置であって、 前記旋回付与手段は、 前記吐水孔に連通するよう前記ノズルに形成された旋回
    付与室と、 該旋回付与室に流入した洗浄水が前記旋回付与室の内壁
    面に沿って旋回するよう、前記旋回付与室に洗浄水を導
    入する導入手段とを有する、人体洗浄装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の人体洗浄装置であって、 前記導入手段は、前記旋回付与室に偏心して連通し、前
    記旋回付与室に洗浄水を流入する偏心管路を有する、人
    体洗浄装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の人体洗浄装置であって、 前記旋回付与室にその軸心を指向して連通し、前記旋回
    付与室に洗浄水を流入する軸心指向管路を備え、 前記可変手段は、前記偏心管路と前記軸心指向管路にお
    ける洗浄水流量を調整する調整手段を有する、人体洗浄
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の人体洗浄装置において、
    ノズルに少なくとも2つの吐水孔を設け、該吐水孔をノ
    ズルの略中心上に配すると共に、前記軸心指向管路を左
    右に設けたことを特徴とする人体洗浄装置
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6いずれか記載の
    人体洗浄装置であって、 前記旋回力が付与された洗浄水が前記吐水孔から吐水さ
    れる前に、洗浄水に空気を混入する空気混入手段を有す
    る、人体洗浄装置。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の人体洗浄装置であって、 前記可変手段は、前記給水手段からの給水洗浄水に前記
    給水手段の給水圧力を中心とした脈動波を発生する脈動
    波発生手段である、人体洗浄装置。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の人体洗浄装置であって、 前記可変手段は、前記給水手段からの給水洗浄水の流れ
    に周期的な変動を生じさせる変動発生手段である、人体
    洗浄装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の人体洗浄装置におい
    て、 前記変動発生手段は、前記給水洗浄水の流れに生じさせ
    る変動周期を変更する変更手段を有する、人体洗浄装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の人体洗浄装置であっ
    て、 前記変更手段は、前記変動周期を規則的に変更する手段
    を有する、人体洗浄装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の人体洗浄装置であっ
    て、 前記変更手段は、前記変動周期を不規則的に変更する手
    段を有する、人体洗浄装置。
  13. 【請求項13】 請求項9ないし請求項12いずれか記
    載の人体洗浄装置であって、 前記変動発生手段は、前記給水洗浄水の流れの変動を、
    前記変動が生じた洗浄水の流れの状態での洗浄水吐水に
    基づく吐水状態変化を人体が刺激変化として認識しない
    ように誘起する変動誘起手段を有する、人体洗浄装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の人体洗浄装置であっ
    て、 前記変動誘起手段は、前記洗浄水の流れの変動を、人体
    が周期的な刺激を刺激変化として認識できる周波数より
    も高い周波数で誘起する誘起手段を有する、人体洗浄装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項9ないし請求項14いずれか記
    載の人体洗浄装置であって、 前記変動発生手段は、 前記給水経路の一部をなすシリンダと、 該シリンダ内で往復動し、その往復動により洗浄水の流
    れに脈動を起こして洗浄水を前記シリンダ下流に圧送す
    るプランジャと、 該プランジャを往復駆動させる電磁ソレノイドと、 該電磁ソレノイドを励磁制御する制御手段と、 前記シリンダに設けられ、下流側への洗浄水の通過を許
    容する逆止弁とを有する、人体洗浄装置。
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