JP2001089886A - 過硫酸ナトリウムの製造方法 - Google Patents

過硫酸ナトリウムの製造方法

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JP2001089886A
JP2001089886A JP26846099A JP26846099A JP2001089886A JP 2001089886 A JP2001089886 A JP 2001089886A JP 26846099 A JP26846099 A JP 26846099A JP 26846099 A JP26846099 A JP 26846099A JP 2001089886 A JP2001089886 A JP 2001089886A
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anode
sodium persulfate
sodium
electrolysis
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Kenichi Kimizuka
健一 君塚
Shoichiro Kajiwara
庄一郎 梶原
Naoki Kogure
直毅 木暮
Takamitsu Tsuruga
貴光 敦賀
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過硫酸ナトリウムの製造方法を提
供する。 【解決手段】 (1)硫酸及び硫酸アンモニウム
からなる陰極原料、硫酸アンモニウムからなる陽極原料
を電解する工程、(2)硫酸または硫酸と硫酸アンモニ
ウムとからなる陰極原料、硫酸ナトリウム及び硫酸アン
モニウムからなる陽極原料を電解する工程、(3)
(1)工程及び(2)工程より得られた陽極生成液の混
合液と水酸化ナトリウムを反応させる工程、(4)得ら
れた反応生成液から過硫酸ナトリウムを晶析分離する工
程、(5)過硫酸ナトリウムを分離した後の溶液を脱芒
する工程、(6)脱芒後の溶液を(2)工程の原料とし
て再使用する工程からなる過硫酸ナトリウムの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過硫酸ナトリウム
の製造方法に関する。過硫酸ナトリウムは、ポリ塩化ビ
ニルやポリアクリロニトリルの重合開始剤、あるいはプ
リント配線板処理剤として広く工業的に用いられてい
る。
【0002】
【従来の技術】過硫酸ナトリウムの一般的な製造方法と
しては、過硫酸アンモニウムと水酸化ナトリウムを水溶
液中で反応させる方法がある(特開昭51−12269
4号公報)。しかし、非常に長い工程数を必要とし、過
硫酸アンモニウム基準の過硫酸ナトリウム収率が低くな
るので経済的に得策とは言えない。また、特公昭55−
31190号公報には、アンモニウムイオン存在下中性
陽極原料を用いる過硫酸ナトリウムの直接電解法が開示
されている。しかし、過硫酸ナトリウム結晶中の窒素分
は高く、通常求められる製品純度まで向上させるために
は綿密な洗浄が必要となる。
【0003】本発明者らは、硫酸アンモニウムを電解
し、得られた陽極生成液と水酸化ナトリウムとにより過
硫酸ナトリウムを製造する方法を提案した(特開平11
−189888号公報)。この方法によると、電解の電
流効率が高く、窒素をほとんど含まない過硫酸ナトリウ
ムを製造することが出来る。しかしながら、この方法で
は脱芒工程において得られた硫酸ナトリウム水和物の少
なくとも一部を系外へ抜き出す必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における上記したような課題を解決し、工業的に有
利な方法で過硫酸ナトリウムを製造する方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、2種類の電解工
程より得られた陽極生成液の混合液と水酸化ナトリウム
を反応させ、次いで過硫酸ナトリウムの晶析を行うに際
し、晶析母液を脱芒し、得られた硫酸ナトリウム水和物
を陽極原料の一部とすることで、経済的に有利に過硫酸
ナトリウムを製造出来ることを見出し、本発明に到達し
た。
【0006】すなわち、本発明は、(1)硫酸及び硫酸
アンモニウムからなる陰極原料、硫酸アンモニウムから
なる陽極原料を電解する工程、(2)硫酸または硫酸と
硫酸アンモニウムとからなる陰極原料、硫酸ナトリウム
及び硫酸アンモニウムからなる陽極原料を電解する工
程、(3)(1)工程及び(2)工程より得られた陽極
生成液の混合液と水酸化ナトリウムを反応させる工程、
(4)得られた反応生成液から過硫酸ナトリウムを晶析
分離する工程、(5)過硫酸ナトリウムを分離した後の
溶液を脱芒する工程、(6)脱芒後の溶液を(2)工程
の原料として再使用する工程からなることを特徴とする
過硫酸ナトリウムの製造方法に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の第1の電解工程は、陰極
原料として、0〜35重量%の濃度の硫酸アンモニウム
を含有する10〜80重量%の硫酸水溶液を用いる。ま
た、陽極原料として硫酸アンモニウム30〜44重量
%、好ましくは40〜44重量%の水溶液を用いる。こ
の陽極原料は、必要量の分極剤を含むが、分極剤として
は、チオシアン酸塩、シアン化物、シアン酸塩、フッ化
物等が用いられる。上記した濃度範囲以外では、低い電
流効率しか得られず、好ましくない。電解後の陰極生成
液は、アンモニアで中和されて、70〜97重量%が陽
極原料として再使用され、3〜30重量%が第2の電解
工程の陽極原料として用いられる。
【0008】本発明の第2の電解工程は、陽極原料とし
て硫酸ナトリウム15〜32重量%、硫酸アンモニウム
5〜22重量%からなる水溶液を用いる。第2の電解工
程の陽極原料も第1の電解工程と同様に必要量の分極剤
を含む。また、陰極原料として10〜60重量%の硫酸
水溶液を用いる。電解後の陰極生成液は、水酸化ナトリ
ウムまたはアンモニアで中和されて、第2の電解工程の
陽極原料として再使用される。
【0009】ここで第2の電解工程で陽極酸化する硫酸
イオンの量は、第1の電解工程より得られる陽極生成
液中に含まれる硫酸イオンの量と、第2の電解工程よ
り得られる陽極生成液中に含まれる硫酸イオンの量との
総和の少なくとも70%に相当する量とする。即ち、脱
芒工程において除去された硫酸ナトリウム水和物の少な
くとも70%に相当する量を原料として消費すること
で、硫酸ナトリウムを系内で循環させることが可能とな
る。好ましい電気量の比(第1の電解工程への通電量)
/(第2の電解工程への通電量)は、1/1〜5/1の
範囲である。このように第1の電解工程に対する第2の
電解工程の規模を定めることで、工業的に有利に過硫酸
ナトリウムを製造することが出来る。
【0010】第1と第2の電解を行う電解槽は、陽極と
陰極が隔膜で分離された電解槽であれば特に制限はな
く、箱型電槽やフィルタープレス電解槽で良い。箱型電
槽を使用する場合の隔膜は、耐酸化性を有する物であれ
ば特に制限はなく、アルミナ等通常電解に用いられる隔
膜を使用することが出来る。また、フィルタープレス電
解槽を使用する場合の隔膜は、イオン交換膜を使用する
ことが好ましい。
【0011】陽極は白金が好ましいが、炭素等化学的耐
性を持つ電極も使用出来る。陰極は、ジルコニウム、鉛
等が好ましいが、ステンレス等の化学的耐性を持つ電極
も使用出来る。陽極の電流密度は、40〜120A/d
2、好ましくは60〜80A/dm2である。これより
低い電流密度では、低い電流効率しが得られず、これよ
り高い電流密度での実施は可能であるが、ブスバーでの
発熱が大きくなり、特別な給電設備が必要となり経済的
ではない。
【0012】2種類の電解工程から得られた陽極生成液
と水酸化ナトリウム水溶液の反応を行う反応槽は、減圧
下で使用出来れば特に制限はなく、攪拌機を備えたもの
で良い。水酸化ナトリウムの添加量は、陽極生成液中の
プロトン及びアンモニウムイオンからなるカチオンを全
てナトリウムとするのに必要な量であり、反応液のpH
が9〜12になるように添加すれば良い。pHがこれよ
り低いとアンモニアの留出速度が小さくなり、製品中の
窒素分が高くなる。これより高い範囲では過硫酸イオン
の分解が起こりやすくなり結果的に低収率となる。反応
温度は15〜60℃、好ましくは20〜50℃である。
これ以下の温度では、反応速度が遅くなり、これ以上の
温度では、過硫酸イオンが分解し、結果的に低収率とな
る。
【0013】反応圧力は、10〜400Torr、好ま
しくは20〜100Torrである。減圧下で反応を行
うことにより、発生するアンモニアガスの除去を促進さ
せることが出来る。これ以下の圧力では、真空発生動力
に負荷がかかり、経済的に得策ではない。また、これ以
上の圧力では、発生するアンモニアガスの液中への溶解
度が上昇する。反応時間は、30〜60分程度で良く、
これ以上の時間を掛けることは、経済的に得策ではな
い。また、発生するアンモニアガスは、硫酸水溶液によ
り吸収され、第1の電解工程の陰極原料液として再使用
される。
【0014】過硫酸ナトリウムを晶析する工程に用いる
晶析槽は、減圧下で使用出来れば特に制限はなく、攪拌
機を備えたもので良い。好ましくはダブルプロペラ型
(以下DP型という。)のような清澄ゾーンを持つ晶析
槽が良い。このような晶析槽を用いることにより、晶析
工程後の脱芒工程において、晶析槽の液層部の少なくと
も一部を取り出すことが容易となる。晶析槽内の温度は
15〜60℃、好ましくは20〜50℃である。これ以
下の温度では、共存する硫酸ナトリウムの析出が起こり
やすくなり過硫酸ナトリウムの結晶純度が低下する。ま
た、これ以上の温度では、過硫酸ナトリウムの分解量が
多くなり結果的に低収率となる。晶析槽における滞留時
間は、要求する過硫酸ナトリウムの粒径に左右される
が、一般には1〜10時間の範囲内で選択される。要求
される過硫酸ナトリウムの粒径が小さい場合には、これ
以下の時間でも実施することは可能である。
【0015】更に反応工程と晶析工程は、同一槽内で行
うことが出来る。この場合、反応晶析槽は、減圧下で使
用出来れば特に制限はなく、攪拌機を備えたもので良
く、前記のDP型のような清澄ゾーンを持つ晶析槽を用
いることが出来る。
【0016】晶析工程後の過硫酸ナトリウム含有スラリ
ーは、遠心濾過器等の固液分離器により結晶と晶析母液
とに分離される。得られた結晶は、粉体乾燥機を用いて
乾燥して製品化される。晶析母液は、晶析槽又は脱芒槽
へ移送される。脱芒工程は、晶析母液の温度を低下さ
せ、硫酸ナトリウムを水和物とし沈殿・分離する工程で
ある。この処理を行うことにより、晶析槽内部の硫酸ナ
トリウム濃度を一定に保つことが出来、過硫酸ナトリウ
ムと硫酸ナトリウムとの共晶による過硫酸ナトリウム結
晶の純度低下を避けることが可能となる。この処理に
は、通常の冷却晶析槽や真空晶析槽が適用される。な
お、前記晶析工程においてDP型晶析槽を使用した場合
には、清澄液を脱芒処理すれば良い。
【0017】分離する硫酸ナトリウムの量は、反応工程
又は晶析工程の硫酸ナトリウム濃度を一定に保つことが
出来るような量である。すなわち、反応工程の原料とな
る2種類の電解工程の陽極生成液中に含まれる硫酸イオ
ンと当量の硫酸ナトリウムを除去すれば良い。脱芒槽の
温度は5〜30℃、好ましくは15〜25℃である。こ
れ以上の温度では、硫酸ナトリウムの析出が不十分とな
り、製品過硫酸ナトリウムの純度が低下する恐れがあ
る。またこれ以下の温度では、過硫酸ナトリウムの析出
量が多くなり、硫酸ナトリウム中の過硫酸ナトリウム濃
度が上昇する。
【0018】脱芒後の硫酸ナトリウム水和物を分離した
溶液は、先の反応工程および/または晶析工程に再使用
される。分離された硫酸ナトリウム水和物のうち70〜
100重量%は、アンモニアで中和された第1電解工程
の陰極生成液と水酸化ナトリウム又はアンモニアで中和
された第2電解工程の陰極生成液に溶解され、第2の電
解工程の陽極原料として用いられる。そして、分離され
た硫酸ナトリウム水和物のうち0〜30重量%は、廃棄
される。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の電流効率は(生成した過硫酸
イオン(mol)×2)/通電量(F)×100%で表
され、単位通電量当たりに生成した過硫酸イオンの割合
を表す。また、電解電圧は、電極間の電位差であり、濃
度の表示はすべて重量%である。実施例中の平均電流効
率は、2種類の電解工程に通電した電流量を基準とした
相加平均で表した。電解電圧も同様である。
【0020】実施例1 電解槽は、塩化ビニル製を使用した。槽の陽極室と陰極
室はシリコーンゴムシール剤を用いて固定した多孔質中
性アルミナ隔膜板で仕切った。各室には冷却管を挿入し
冷却水を循環させた。陽極は白金とし、陰極は鉛板を用
いた。電解槽は21段のカスケードとし、陽極電流密度
は60A/dm2とした。陽極と陰極は隔膜よりそれぞ
れ約0.5cm離してセットした。電解用の直流は、可
変整流器より得た。
【0021】第1の電解工程 電流値1050Aにおいて、陽極原料を202kg/h
rの速度で供給した。該陽極原料は、硫酸アンモニウム
42.0%、チオシアン酸アンモニウム0.03%の水
溶液であった。陰極原料は213kg/hrの速度で供
給した。該陰極原料は硫酸19.7%、硫酸アンモニウ
ム26.9%の水溶液であった。陽極生成液の回収速度
は191kg/hr、陰極生成液の回収速度は222k
g/hrであった。液組成を滴定により分析したとこ
ろ、陽極生成液組成は、過硫酸アンモニウム41.2
%、硫酸アンモニウム2.9%、硫酸4.8%であっ
た。また、陰極生成液組成は、硫酸アンモニウム41.
1%、硫酸0.7%であった。このときの電流効率は8
4%であり、各セルの平均電解電圧は5.9V、陽極液
平均温度28.7℃、陰極液平均温度は29.2℃であ
った。
【0022】第2の電解工程 電流値656Aにおいて、陽極原料を164kg/hr
の速度で供給した。該陽極原料は、過硫酸ナトリウム
1.1%、硫酸ナトリウム26.7%、硫酸アンモニウ
ム8.9%、チオシアン酸アンモニウム0.03%の水
溶液であった。陰極原料は70.5kg/hrの速度で
供給した。該陰極原料は、硫酸35.8%の水溶液であ
った。陽極生成液の回収速度は154kg/hr、陰極
生成液の回収速度は78.7kg/hrであった。液組
成を滴定により分析したところ、陽極生成液組成は、過
硫酸ナトリウム33.1%、硫酸ナトリウム0%、硫酸
アンモニウム5.5%、硫酸2.5%の水溶液であっ
た。また、陰極生成液組成は、硫酸ナトリウム18.6
%、硫酸アンモニウム7.8%、硫酸1.6%であっ
た。このときの電流効率は80%であり、各セルの平均
電解電圧は6.7V、陽極平均温度29.1℃、陰極平
均温度29.8℃であった。
【0023】過硫酸ナトリウム製造用晶析槽としてDP
型晶析槽を用い、清澄液循環ラインに脱芒設備を設置し
た。該晶析槽には、あらかじめ2種類の電解工程、反応
晶析工程並びに脱芒工程により得られた過硫酸ナトリウ
ム35%、硫酸ナトリウム8%を含有する30℃飽和溶
液1440kg、及び過硫酸ナトリウムの種晶360k
gを入れた。
【0024】第1の電解工程より得られた陽極生成液
(191kg/hr)と第2の電解工程より得られた陽
極生成液(154kg/hr)を前記晶析槽へ連続的に
供給した。また、同時に48%水酸化ナトリウム水溶液
を89.8kg/hrの速度で供給した。真空度20T
orr、温度30℃にて連続濃縮晶析を行った。晶析槽
下部よりスラリーを抜き出し、遠心濾過機により結晶と
晶析母液の分離を行った。該晶析母液は、晶析槽へ循環
し、結晶は乾燥し製品化した。晶析槽での水の濃縮速度
は224kg/hrであり、アンモニアの発生速度は、
15kg/hrであった。過硫酸ナトリウムの生産速度
(乾燥品換算)は131kg/hrであった。
【0025】結晶として取り出された過硫酸ナトリウム
結晶の量は、第1及び第2の電解により生成した過硫酸
イオンと当量であり、純度は99.8%であった。ま
た、結晶中の窒素含量は0.002%であった。晶析槽
内の組成及び結晶量は上記晶析操作前後で変化しなかっ
た。
【0026】DP型晶析槽の清澄液を連続的に抜き出
し、冷却晶析槽に導いた。常圧、18℃にて硫酸ナトリ
ウム水和物を析出させた。冷却晶析槽下部よりスラリー
を抜き出し、遠心濾過機により母液と結晶の分離を行っ
た。母液は晶析槽へ循環させた。結晶の析出速度は6
4.3kg/hrであった。また、硫酸ナトリウム水和
物に含浸されて析出した過硫酸ナトリウムの量は、硫酸
ナトリウム水和物中の濃度として3%であった。
【0027】晶析槽より発生したアンモニアを濃度4
2.6%の硫酸水溶液199kgにより回収した。この
ときの回収率は96.4%であり、回収後の溶液の組成
は、硫酸アンモニウム26.9%、硫酸19.7%であ
り、その量は213kgであった。該溶液は第1の電解
工程の陰極原料と同一組成、同一量であり、そのまま陰
極原料として再利用することが可能であった。
【0028】第1の電解工程の陰極生成液(222kg
/hr)をアンモニアで中和し、濃度42.0%の硫酸
アンモニウム溶液(222kg/hr)を得た。該溶液
の一部にチオシアン酸アンモニウム(0.1kg/h
r)を加え、第1の電解工程の陽極原料(202kg/
hr)として使用した。
【0029】上記第1の電解工程の陰極生成液の残部
(19.3kg/hr)と第2の電解工程の陰極生成液
を48%水酸化ナトリウムで中和した溶液(80.8k
g/hr)及び前記脱芒工程により得られた硫酸ナトリ
ウム水和物(64.3kg/hr)を混合し、更にチオ
シアン酸アンモニウム(0.05kg/hr)を加え、
第2の電解工程の陽極原料(164kg/hr)として
使用した。以上のように、硫酸ナトリウム水和物を系外
へ抜き出すことなく過硫酸ナトリウムを製造できた。
【0030】比較例1 特公昭55−31190号公報に準じ、アンモニウムイ
オン共存下での過硫酸ナトリウムの直接電解法を試み
た。電解槽は実施例と同様の物を用いた。電流値105
0Aにおいて、陽極原料を593kg/hrの速度で供
給した。該陽極原料は、過硫酸ナトリウム20.6%、
硫酸ナトリウム11.8%、硫酸アンモニウム10.0
%、硫酸0%、チオシアン酸アンモニウム0.03%の
水溶液であった。また、陰極原料を183kg/hrの
速度で供給した。該陰極原料は、硫酸27.6%の水溶
液であった。
【0031】電解後、陽極生成液回収速度は574kg
/hr、陰極生成液回収速度は202kg/hrであっ
た。液組成を滴定により分析したところ、陽極生成液組
成は、過硫酸ナトリウム35.0%、硫酸ナトリウム0
%、硫酸アンモニウム8.0%、硫酸1.4%であっ
た。また、陰極生成液組成は、硫酸ナトリウム11.6
%、硫酸アンモニウム6.7%、硫酸5.0%であっ
た。このときの電流効率は80.0%であり、各セルの
平均電解電圧は7.0V、陽極液平均温度33℃、陰極
液平均温度38℃であった。
【0032】電解で得られた陽極生成液(574kg/
hr)と該溶液中の硫酸を中和するのに必要な48%水
酸化ナトリウム水溶液(13.8kg/hr)を混合
し、晶析原料(588kg/hr)とした。過硫酸ナト
リウム製造用晶析槽としてDP型晶析槽を用いた。該晶
析槽には、あらかじめ電解工程、晶析工程により得られ
た過硫酸ナトリウム34.6%、硫酸ナトリウム3.3
%、硫酸アンモニウム13.0%を含有する30℃飽和
水溶液1100kg、及び過硫酸ナトリウムの種晶26
0kgを入れた。
【0033】真空度20Torr、温度30℃にて真空
晶析を行い、過硫酸ナトリウムを析出させた。このとき
の濃縮速度は155kg/hrであり、実施例1と同様
な方法で分離した過硫酸ナトリウムの生産速度は78.
8kg/hrであった。
【0034】上記操作により得られた結晶を分析したと
ころ、純度は98.0%であった。また、この結晶の窒
素含量は0.2%であった。この方法では、本発明の平
均電流効率82.5%に対し約2%低く、かつ電解電圧
は本発明の平均電圧6.2Vに対し約1V高い結果とな
った。また、晶析により得られた結晶の純度も低く、前
述した製品純度の結晶を得るためには、水酸化ナトリウ
ムで微塩基性にした過硫酸ナトリウム飽和溶液による綿
密な洗浄が必要であった。
【0035】洗浄操作により最終的な過硫酸ナトリウム
の生産速度は76.0kg/hr(純度98.0%)に
とどまり、電解で生成した過硫酸ナトリウム基準の収率
は95%となった。更に、晶析槽内及び洗浄液中の硫酸
ナトリウムの濃度が上昇したために、3.1kg/hr
の速度で脱芒操作を行い、硫酸ナトリウム濃度を初期値
に戻す必要があった。
【0036】比較例2 過硫酸アンモニウムと水酸化ナトリウムとの反応による
過硫酸ナトリウムの一般的な製造方法を試みた。電解槽
は塩化ビニル製を使用した。槽の陽極室と陰極室はシリ
コーンゴムシール剤を用いて固定した多孔質中性アルミ
ナ隔膜板で仕切った。各室には、バッファータンク兼冷
却タンクを設け、バッファータンクから電解室へ送液を
行い、電解室出口よりバッファータンクへの液戻りは、
オーバーフローにより行った。陽極と陰極は隔膜よりそ
れぞれ約0.5cm離してセットした。電解用の直流
は、可変整流器より得た。
【0037】陽極原料182kgは、過硫酸アンモニウ
ム7.2%、硫酸アンモニウム33.7%、硫酸5.8
%、チオシアン酸アンモニウム0.03%であった。陰
極原料153kgは、硫酸14.6%の水溶液であっ
た。電解は、電流密度60A/dm2にて10時間電解
を行った。
【0038】電解後、陽極生成液172kg、陰極生成
液162kgを得た。液組成を滴定により分析したとこ
ろ、陽極生成液組成は、過硫酸アンモニウム35.4
%、硫酸アンモニウム5.8%、硫酸5.6%であっ
た。また、陰極生成液組成は、硫酸アンモニウム14.
7%、硫酸1.79%であった。このときの電流効率は
81.0%であり、電解電圧は6.2V、陽極平均温度
27.3℃、陰極平均温度28.2℃であった。
【0039】得られた陽極生成液を真空度20Tor
r、温度30℃にて真空晶析に供し、過硫酸アンモニウ
ムを析出させた。得られたスラリーを遠心分離器に導き
結晶と晶析母液との分離を行った。含水結晶を再溶解
し、48%水酸化ナトリウム水溶液を加え反応を行っ
た。この溶液から分離・回収された過硫酸ナトリウム結
晶を完全に乾燥させたところ、純度99.5%の過硫酸
ナトリウム結晶47.4kgを得た。陽極液中の過硫酸
アンモニウム基準の過硫酸ナトリウム収率は95%であ
った。また、この方法でも過硫酸アンモニウムの含水結
晶中に含まれる硫酸根により晶析槽内の硫酸根濃度が上
昇し、脱芒操作が必要となった。
【0040】この方法では、電流効率及び電解電圧は本
発明とほぼ同等であったが、電解で生成した過硫酸アン
モニウム基準の過硫酸ナトリウム収率は約5%低い結果
となった。
【0041】
【発明の効果】本発明の方法によれば、脱芒工程におい
て除去した硫酸ナトリウム水和物のほぼ全量を系内で循
環させることが可能となり、経済的に有利にかつ窒素分
をほとんど含まない過硫酸ナトリウムを製造することが
出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 敦賀 貴光 神奈川県足柄上郡山北町950番地 三菱瓦 斯化学株式会社山北工場内 Fターム(参考) 4K021 AB15 AB25 BA04 BA17 CA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)硫酸及び硫酸アンモニウムからなる
    陰極原料、硫酸アンモニウムからなる陽極原料を電解す
    る工程、(2)硫酸または硫酸と硫酸アンモニウムとか
    らなる陰極原料、硫酸ナトリウム及び硫酸アンモニウム
    からなる陽極原料を電解する工程、(3)(1)工程及
    び(2)工程より得られた陽極生成液の混合液と水酸化
    ナトリウムを反応させる工程、(4)得られた反応生成
    液から過硫酸ナトリウムを晶析分離する工程、(5)過
    硫酸ナトリウムを分離した後の溶液を脱芒する工程、
    (6)脱芒後の溶液を(2)工程の原料として再使用す
    る工程からなることを特徴とする過硫酸ナトリウムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 脱芒後の溶液のうち70〜100重量
    %、(1)工程の陰極生成液のうち3〜30重量%およ
    び(2)工程の陰極生成液を(2)工程の陽極原料に用
    いる請求項1記載の過硫酸ナトリウムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004532352A (ja) * 2001-04-27 2004-10-21 アイレンブルガー エレクトロリーゼ− ウント ウムヴェルトテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 亜二チオン酸ナトリウム及びペルオキソ二硫酸ナトリウムを電気化学的に同時に製造する方法
KR101377428B1 (ko) 2011-12-13 2014-03-26 (주) 휴브글로벌 과황산암모늄의 연속운전 제조방법

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