JP2001089614A - ノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびこれを用いた電線・ケーブル - Google Patents

ノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびこれを用いた電線・ケーブル

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JP2001089614A
JP2001089614A JP27118599A JP27118599A JP2001089614A JP 2001089614 A JP2001089614 A JP 2001089614A JP 27118599 A JP27118599 A JP 27118599A JP 27118599 A JP27118599 A JP 27118599A JP 2001089614 A JP2001089614 A JP 2001089614A
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Toshiaki Mabuchi
利明 馬淵
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】PVCと同程度の難燃性を有し、焼却処理時に
有害なガスを発生せず、PVCとの比重分別が可能であ
り、特に耐外傷性に優れた樹脂組成物を提供する。 【解決手段】ポリオレフィン系樹脂にポリオレフィン系
接着性樹脂および/またはシランカップリング剤を添加
してなるベース樹脂に、難燃剤として含水無機化合物お
よびシリコーン系難燃剤を添加してなり、酸素指数が2
4以上、比重が1.14以下であり、重金属の含有量が
0.1重量%未満であるノンハロゲン難燃性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性が高く、ハ
ロゲンを含まないので焼却処分が可能であり、特に耐外
傷性に優れたノンハロゲン難燃性樹脂組成物、およびこ
れを用いた電線・ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】PVC組成物は電気絶縁性が良く、自消
性の難燃性を有していることから、電線被覆、チュー
ブ、テープ、包装材、建材等に広く使用されている。と
ころでPVC組成物はハロゲンである塩素(Cl)を含
んでいるため、燃焼時にHCl等の腐食性ガスやダイオ
キシン等の有毒ガスを発生する。このため各種のPVC
製品が廃棄物となった場合に、これらを焼却処分できな
い問題があった。そこで現状では埋立処分がなされてい
るが、PVC組成物には添加剤としてPb系の安定剤が
用いられていることが多く、これが土壌等に溶出する問
題もあり、産業廃棄物として処理が困難になってきてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、PVC
に代わる樹脂組成物として、ハロゲンを含まないポリエ
チレン(PE)やポリプロピレン(PP)を用いれば、
燃焼時に有害ガスが発生しないので焼却処分が可能であ
るが、これらのハロゲンを含まない樹脂組成物はPVC
に比べて難燃性が劣るという欠点があった。例えば、樹
脂組成物の難燃性の評価尺度である酸素指数(OI)を
比較すると、PVCのOIが23〜40であるのに対し
て、PEおよびPPのOIは17〜19程度と劣ってい
ることがわかる。
【0004】そこで、PEやPPといったハロゲンを含
まない樹脂組成物に難燃性を付与するために、通常、こ
れらにMg(OH)2などの含水無機化合物を添加する
ことが行われている。しかしながら、含水無機化合物の
比重が大きい上に、PVCと同程度の難燃性を得るため
には含水無機化合物を120重量部以上添加する必要が
あるので、含水無機化合物を添加して得られるハロゲン
を含まない難燃性樹脂組成物は比重がPVCと同程度と
なってしまう。このため、以下に述べるような水を比重
液に用いたプラスチックの比重分別ができないという問
題があった。すなわち、回収されたプラスチックは、リ
サイクルするために、あるいは燃焼時にダイオキシンを
発生するPVCを除去するために、一様に流れる水中に
プラスチックを投入し、プラスチックの比重差によって
分別することが行われる。例えば図1に示すように、P
PやPEなどのオレフィン系プラスチック1は水より比
重が小さい(比重約0.9)ので水面に浮き上がり、水
より比重の大きいPVC2(比重約1.3)は水中に沈
む。またスチレン系プラスチック3(比重約1.1)
は、比重が水より大きく、かつPVC2より小さいの
で、PVC2とは異なる沈降軌跡をたどり、その結果、
選別槽の底には、スチレン系プラスチック3とPVC2
の2種類の蓄積分布ができる。したがって、この特性を
利用することによって、上記3系統のプラスチックを分
別することが可能であるが、上述したハロゲンを含まな
い難燃性樹脂組成物とPVCとは比重が同程度であるの
で、これらを分別することができないという不都合があ
った。
【0005】また、PEやPP等はPVCに比べて耐外
傷性が劣っているため、これらに含水無機化合物などの
難燃剤を添加して得られる難燃性樹脂も耐外傷性が劣
り、外傷を受け易い製品や摩耗が生じる製品に用いた場
合には、製品寿命が短いなどの問題があった。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、PVCと同程度の難燃性を有し、焼却処理時に有害
なガスを発生せず、PVCとの比重分別が可能であり、
特に耐外傷性に優れた樹脂組成物を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、ポリオレフ
ィン系樹脂にポリオレフィン系接着性樹脂および/また
はシランカップリング剤を添加してなるベース樹脂に、
難燃剤として含水無機化合物およびシリコーン系難燃剤
を添加してなり、酸素指数が24以上、比重が1.14
以下であり、重金属の含有量が0.1重量%未満である
ノンハロゲン難燃性樹脂組成物によって解決される。前
記ポリオレフィン系接着性樹脂として、無水マレイン酸
変性ポリオレフィンおよび/またはシラン変性ポリオレ
フィンを好ましく用いることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例
えば直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密
度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン
(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密
度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン(PE)
や、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重
合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合
体(EBA)、エチレン−エチレン−プロピレンゴム
(EPR)、およびオレフィン系共重合体を用いること
ができる。特にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)は難燃性を向上させ易い材料であるので本発明にお
いて好ましく用いられる。EVAを用いる場合は、特に
エチレンとの共重合に用いられる共単量体(VA)の含
有量が15〜40重量%のものが好適である。共単量体
の含有量がこれより少ないと難燃性が劣り、これより多
いとベタつき(接着性)によりペレットどうしがくっつ
き押出成形時の作業性が悪くなるので好ましくない。こ
れらの樹脂は1種単独で用いてもよく、あるいは2種以
上をブレンドして用いてもよい。
【0009】本発明では、上記ポリオレフィン系樹脂に
ポリオレフィン系接着性樹脂(以下、単に接着性樹脂と
いう)を添加したものをベース樹脂として用いる。本発
明における接着性樹脂は上記のポリオレフィン系樹脂を
変性して接着性を付与あるいは向上させた変性樹脂を好
ましく用いることができ、例えば、上記のポリオレフィ
ン樹脂の重合時または重合後に、無水マレイン酸または
シランを反応させて変性させた無水マレイン酸変性ポリ
オレフィンやシラン変性ポリオレフィンなどが好適であ
る。ポリオレフィン系樹脂に添加する接着性樹脂は1種
でもよく、あるいは2種以上を併用してもよい。無水マ
レイン酸変性ポリオレフィンの好ましい例としては、無
水マレイン酸変性EVA樹脂、無水マレイン酸変性LD
PE樹脂、無水マレイン酸変性HDPE樹脂、無水マレ
イン酸変性PP樹脂、無水マレイン酸変性EEA樹脂等
が挙げられる。シラン変性ポリオレフィンの好ましい例
としては、シラン変性EEA樹脂、シラン変性EVA樹
脂、シラン変性LDPE樹脂、シラン変性HDPE樹
脂、シラン変性PP樹脂等が挙げられる。
【0010】接着性樹脂として無水マレイン酸変性ポリ
オレフィンを用いる場合、ポリオレフィン樹脂に付加し
ている無水マレイン酸量(無水マレイン酸変性量)が、
ベース樹脂全体を100重量%としたときに0.01〜
1重量%となるように配合することが好ましい。ベース
樹脂におけるマレイン酸変性量がこれより少ないと耐外
傷性が向上せず、これより多くても原料費が向上するの
みで特性の向上はあまり望めない。接着性樹脂としてシ
ラン変性ポリオレフィンを用いる場合、ポリオレフィン
樹脂に付加しているシラン量(シラン変性量)が、ベー
ス樹脂全体を100重量%としたときに0.01〜1重
量%となるように配合することが好ましい。ベース樹脂
におけるシラン変性量がこれより少ないと耐外傷性が向
上せず、これより多くても材料費の増加に比して特性の
向上効果が小さく経済的でない。また接着性樹脂として
無水マレイン酸変性ポリオレフィンとシラン変性ポリオ
レフィンを併用する場合、ベース樹脂全体におけるマレ
イン酸変性量とシラン変性量の合計が0.01〜1重量
%となるように配合することが好ましい。
【0011】また本発明では、上記ポリオレフィン系樹
脂にシランカップリング剤を添加したものもベース樹脂
として用いることができる。シランカップリング剤の好
ましい例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン等が挙げられる。シランカップリン
グ剤の添加量は、ベース樹脂中に含まれるシランカップ
リング剤量が0.1〜10重量%となるように設定する
ことが好ましい。シランカップリング剤の添加量がこれ
より少ないと耐外傷性が向上せず、これより多くても材
料費の増加に比して特性の向上効果が小さく経済的でな
い。また、上記ポリオレフィン系樹脂に上記接着性樹脂
とシランカップリング剤の両方を添加したものもベース
樹脂として用いることができる。この場合、接着性樹脂
の添加量およびシランカップリング剤の添加量はそれぞ
れ上記の範囲内で設定される。
【0012】本発明における難燃剤としては含水無機化
合物とシリコーン系難燃剤が好ましく用いられる。含水
無機化合物は、燃焼時に酸化物と水蒸気に分解して難燃
性を発現するものであればよく、例えば水酸化マグネシ
ウム(Mg(OH)2)や水酸化アルミニウム等が好ま
しく用いられる。特に水酸化マグネシウムが好ましく、
樹脂との親和性や熱分解特性改善等の理由から、ステア
リン酸等の高級飽和脂肪酸によって表面処理された水酸
化マグネシウムがより好ましく用いられる。例えばポリ
オレフィン系樹脂に水酸化マグネシウム(Mg(O
H)2)を添加すると、燃焼時に水酸化マグネシウムが酸
化物と水蒸気に分解することによって温度を下げるとと
もに、発生する水蒸気によって燃焼している部分への酸
素の供給を抑える。また燃焼した部分に酸化物が付着す
ることによって新たな樹脂面へ炎が広がらないようにす
ることができる。含水無機化合物の添加量は、上記ベー
ス樹脂100重量部に対して5重量部以上50重量部未
満、より好ましくは30重量部以上50重量部以下であ
る。含水無機化合物の添加量が少なすぎると好ましい難
燃性が得られず、多すぎると得られるノンハロゲン難燃
性樹脂組成物の比重が大きくなりすぎて、PVCとの比
重分別ができなくなってしまう。
【0013】シリコーン系難燃剤としては、ガム状シリ
コーンオイル、シリコーンパウダーなどのシリコーン化
合物が好ましく用いられる。シリコーンパウダーはオル
ガノポリシロキサンポリマーで、メチル基、フェニル基
を有するものである。ガム状シリコーンオイルは分子量
が30万〜100万程度の高粘度のものである。これら
のシリコーン化合物は、燃焼によって殻状の断熱層を形
成し、難燃性を向上させるものである。また水酸化マグ
ネシウムなどの含水無機化合物に比べてガム状シリコー
ンオイルやシリコーンパウダーは密度が小さいので、含
水無機化合物の添加量を減らし、その代わりにガム状シ
リコーンオイルおよび/またはシリコーンパウダーを添
加することにより低比重と高難燃性を同時に実現するこ
とができる。そして特にガム状シリコーンは、シリコー
ンパウダーに比較して比重が軽いため、これを用いるこ
とによって水酸化マグネシウム等の配合量を増やすこと
ができるので、低比重高難燃性の樹脂組成物を得るのに
有効である。一方、シリコーンパウダーは、粉体である
ので他の粉体材料に予め分散させておくことができるな
ど、ガム状シリコーンオイルに比べて分散させ易いの
で、混練時間の短縮が図れるという点で有利である。
【0014】ガム状シリコーンオイルを添加する場合、
その好ましい添加量はベース樹脂100重量部に対して
1重量部以上40重量部以下であり、より好ましくは5
重量部以上20重量部以下である。シリコーンパウダー
を添加する場合、その好ましい添加量はベース樹脂樹脂
100重量部に対して3重量部以上55重量部以下であ
り、より好ましくは5重量部以上15重量部以下であ
る。またガム状シリコーンオイルとシリコーンパウダー
を併用することもできる。ガム状シリコーンオイルおよ
び/またはシリコーンパウダーの添加量が少な過ぎると
難燃性について添加効果が得られず、また上記の範囲よ
り多く添加しても原材料費が増大するだけで難燃性の向
上はあまり望めない。
【0015】さらに老化防止剤を添加することが好まし
い。老化防止剤としては特に限定されないが、例えばフ
ェノール系、アミン系のもの等を好ましく用いることが
できる。老化防止剤の添加量は少なすぎると添加効果が
得られず、多すぎるとブルーミングやブリード・アウト
が生じることがあるので、ベース樹脂100重量部に対
して0.1重量部以上2.0重量部以下が好ましい。ま
た、上記の配合剤以外にも、紫外線吸収剤、架橋剤、銅
害防止剤、顔料、染料その他の着色剤、少量のタルクな
どの無機物微粉末など、用途に応じて適宜の添加剤を配
合することができる。またこれらの添加剤はハロゲン
や、特に鉛(Pb)を含まないもの、カドミウム(C
d)などの有害な重金属をできるだけ含まないものを選
択して、本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物におけ
る有害な重金属の含有量を0.1重量%未満に抑える。
【0016】本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物
は、ポリオレフィン系樹脂に接着性樹脂および/または
シランカップリング剤を添加してなるベース樹脂に、難
燃剤として含水無機化合物とシリコーン系難燃剤難燃剤
を添加して、酸素指数24以上、比重1.14以下で、
重金属含有量0.1重量%未満としたものであり、接着
性樹脂および/またはシランカップリング剤を配合した
ことにより、耐外傷性が向上され、摩擦に対する耐久性
が良く、摩耗し難いなどの良好な特性が得られる。また
本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、酸素指数が
24以上であるのでPVCと同等の自消性の難燃性を有
するものであり、火災時に燃え難く、発煙量も少ない。
またハロゲンを含まないので、燃焼時にダイオキシンや
ハロゲンガス等の有毒ガスを発生しないので、焼却処分
することができ、火災時にも有毒ガスを発生しない。さ
らに重金属をほとんど含んでいないので環境上好まし
く、埋め立て処分も可能である。
【0017】また比重が1.14以下とPVCよりも小
さいので、流水を比重液に用いた比重分別によってPV
Cと容易に分別することができる。したがって分別回収
によりリサイクルが可能となり、燃料として熱回収、あ
るいは材料として再利用することができる。さらに難燃
剤としてシリコーン系化合物を添加したことにより、樹
脂の耐候性が向上する。従来より樹脂の耐候性を向上さ
せるためにカーボンブラックを添加することが広く知ら
れているが、カーボンブラックを添加すると樹脂組成物
が黒く着色されてしまうので、他の色調に着色すること
が難しくなる。これに対してシリコーン系化合物を添加
すれば、耐候性を向上できるとともに、樹脂が濃色にな
ることがないので着色性が良好な樹脂組成物が得られ
る。
【0018】このような特性を有する本発明のノンハロ
ゲン難燃性樹脂組成物は特に摩擦を受けやすい製品の材
料として好適であり、電線・ケーブルの被覆材料に好ま
しく用いられるほか、家具の縁材などにも好適に用いる
ことができる。本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物
を被覆材料として用いた難燃性電線・ケーブルは、耐外
傷性、耐摩耗性に優れているうえ、火災時に燃え難く、
発煙量も少なく、燃焼時にダイオキシンやハロゲンガス
等の有毒ガスを発生しないので、焼却処分することがで
き、火災時にも有毒ガスを発生しない。さらに被覆材料
が重金属をほとんど含んでいないので環境上好ましく、
埋め立て処分も可能である。また被覆材料が、流水を比
重液に用いた比重分別によってPVCと容易に分別する
ことができるので、分別回収によりリサイクルが可能と
なり、燃料として熱回収、あるいは材料として再利用す
ることができる。さらに難燃剤としてシリコーン系化合
物が添加されているので耐候性が良好であり、着色性も
良い。
【0019】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して本発明の効果
を明らかにする。下記表1に示す配合割合(単位:重量
部)で各種成分を配合し、混練機で混練して樹脂組成物
を得た。 (A)配合例A1〜4においては、ベース樹脂として酢
酸ビニル含有量28%のEVA(商品名V421;三井
デュポンポリケミカル社製)に無水マレイン酸変性EV
A(商品名VR103、変性量約1重量%;三井デュポ
ンポリケミカル社製)を配合したものを用いた。 (B)配合例B1〜4においては、ベース樹脂として酢
酸ビニル含有量28%のEVA(商品名V421;三井
デュポンポリケミカル社製)にシラン変性EEA(商品
名AS201、変性量約1重量%;三井デュポンポリケ
ミカル社製)を配合したものを用いた。 (C)配合例C1〜4においては、ベース樹脂としてE
VA(商品名:V421)に、シランカップリング剤
(ビニルトリメトキシシラン、商品名KBM1003、
信越シリコーン社製)を配合したものを用いた。難燃剤
としては水酸化マグネシウム(商品名キスマ5A;高級
飽和脂肪酸表面処理Mg(OH)2、協和化学工業株式
会社製)とシリコーンパウダー(商品名DC−4−70
81、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を使用
した。また老化防止剤として、チバガイギー社製、Irga
nox1010を添加した。
【0020】得られた樹脂組成物について、比重、JI
S K7113に準処する引張強度および伸び、ショア
硬度、およびJIS K7201に準処する酸素指数
(OI)を測定した。その結果を下記表1に示す。なお
いずれの樹脂組成物にも重金属は含まれていない。また
耐外傷性を評価するために、耐摩耗性試験を行った。試
験はJASO D611−86に規定されている自動車
用薄肉低圧電線の11.耐摩耗試験、11.2ブレード
往復法に準処して行った。試験条件は、荷重800g、
往復回数1500回、ブレード半径R=0.4mmと
し、試験前後のサンプル厚さをそれぞれ測定し、試験前
厚さに対する摩耗量の割合を求めた。その結果を下記表
1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果より、ベース樹脂に接着性樹脂
またはシランカップリング剤を配合した配合例A1〜
4、B1〜4、C1〜4は、これらを配合しなかった配
合例D1〜D3に比べて、摩耗量が減少し、耐摩耗性が
向上した。特に、配合例A1〜3、B1〜3、およびC
1〜3では摩耗量25%以下の優れた耐摩耗性が得られ
た。これに対して配合例A4、B4、およびC4は接着
性樹脂またはシランカップリング剤の配合量が少なかっ
たので耐摩耗性の向上効果が小さかった。また配合例A
1〜4、B1〜4、C1〜4はいずれも、比重1.14
以下、酸素指数24以上であり、低比重と高難燃性を達
成できたが、配合例D1では比重を小さくするために水
酸化マグネシウムの添加量を少なくし、シリコーンパウ
ダーを使用しなかったため難燃性が不足した。配合例D
2では、高難燃性を達成するために水酸化マグネシウム
の添加量を多くしたところ比重が大きくなってしまっ
た。配合例D3は水酸化マグネシウムとシリコーンパウ
ダーの併用により、比重1.14以下、酸素指数24以
上を達成できたが、接着性樹脂またはシランカップリン
グ剤が配合されていないため、耐摩耗性に劣っていた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明のノンハロゲ
ン難燃性樹脂組成物は、PVCと同等の難燃性を有し、
かつハロゲンを含まないので焼却処分が可能であり、か
つベース樹脂にポリオレフィン系接着性樹脂および/ま
たはシランカップリング剤が添加されているので、耐外
傷性に優れている。また重金属をほとんど含有しないの
で埋立処分も可能であり、環境的にも好ましい。また難
燃補助剤として含水無機化合物およびシリコーン系難燃
剤が用いられているので、高難燃性であるとともに比重
が1.14以下であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物を
好ましく実現することができる。このような樹脂組成物
は比重分別によりPVCとの分別回収が可能である。ま
たシリコーン系難燃剤が添加されているので、耐候性が
向上しており良好な着色性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水流中におけるプラスチックの沈降軌跡を示
す説明図である。
【符号の説明】
1…オレフィン系プラスチック、2…ポリ塩化ビニル、
3…スチレン系プラスチック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/00 H01B 3/44 F 3/44 G M P C08K 5/54 7/295 H01B 7/34 B Fターム(参考) 4J002 BB00W BB03W BB06W BB07W BB12W BB15W BB20X BB21X CP03Y DE077 DE147 EX006 EX036 EX066 EX076 FB237 FD070 FD13Y FD137 GQ01 5G303 AA06 AB20 BA12 CA11 5G305 AA02 AB25 AB28 AB34 BA13 BA26 CA01 CA04 CA06 CA07 CA26 CA51 CA55 CB26 CD06 CD13 5G315 CA03 CB02 CC08 CD02 CD03 CD06 CD14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂にポリオレフィン
    系接着性樹脂および/またはシランカップリング剤を添
    加してなるベース樹脂に、難燃剤として含水無機化合物
    およびシリコーン系難燃剤を添加してなり、酸素指数が
    24以上、比重が1.14以下であり、重金属の含有量
    が0.1重量%未満であるノンハロゲン難燃性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系接着性樹脂が無水
    マレイン酸変性ポリオレフィンおよび/またはシラン変
    性ポリオレフィンであり、前記ベース樹脂全体における
    無水マレイン酸変性量が0.01〜1重量%および/ま
    たは前記ベース樹脂全体におけるシラン変性量が0.0
    1〜1重量%であることを特徴とする請求項1記載のノ
    ンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載のノ
    ンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆材料として用いてな
    る電線・ケーブル。
JP27118599A 1999-09-24 1999-09-24 ノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびこれを用いた電線・ケーブル Withdrawn JP2001089614A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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