JP2001089579A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2001089579A
JP2001089579A JP26944799A JP26944799A JP2001089579A JP 2001089579 A JP2001089579 A JP 2001089579A JP 26944799 A JP26944799 A JP 26944799A JP 26944799 A JP26944799 A JP 26944799A JP 2001089579 A JP2001089579 A JP 2001089579A
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JP
Japan
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resin
fiber
hemihydrate gypsum
sample
gypsum fiber
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JP26944799A
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English (en)
Inventor
Masanori Nagafune
昌則 長船
Shogo Ogawa
省吾 小川
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Shikoku Chemicals Corp
Original Assignee
Shikoku Chemicals Corp
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Publication date
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
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  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性に優れ、線膨張係数の低減、透明性・着
色性および伸びを確保しながら、金型磨耗の少ない樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 無機物の表面に撥水性を付与できる物質
が、半水石膏の繊維合成時に繊維表面に吸着している半
水石膏繊維を調製し、樹脂と複合化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は無機物の表面に撥
水性を付与できる物質が、半水石膏の繊維成長時に繊維
表面に吸着している半水石膏繊維を含む樹脂組成物に関
するものである。本発明によって得られる樹脂組成物は
剛性に優れ、また線膨張係数の低減、透明性・着色性お
よび伸びを確保しながら、成形機の金型の磨耗の少ない
材料であり、産業上有用である。
【0002】
【従来の技術】樹脂の剛性を上げるために種々の異形状
のフィラーを用いる試みがなされている。もっとも広く
使用されているのは、タルク、マイカなどの板状のフィ
ラーである。しかしながら、タルクでは剛性の付与が十
分ではなく、マイカでは透明性が無く、着色性が低いと
いう問題がある。同様の目的で、石膏繊維の検討が行わ
れている。石膏はモース硬度が低いため金型に与える影
響が少なく、透明であるので着色の問題がない。それゆ
え、石膏繊維がマイカあるいはタルクに匹敵する剛性を
付与できれば有用な材料となることが期待されている。
【0003】本発明者等は、既に半水石膏を複合時に加
熱して結晶水を脱離させることを特徴とする樹脂組成物
の製造方法を提案している(特願平11−269410
号)。この方法によれば、石膏繊維本来の物性を保持し
たまま、樹脂と複合化することを実現しており、従来の
石膏繊維に比較して高い弾性率を実現できる。しかしな
がら、未だマイカに勝る弾性率を実現できるものではな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑
み、本発明の目的とするところは、石膏繊維の持つ補強
効果を更に発揮した剛性に優れる樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意試験研
究を重ねた結果、無機物の表面に撥水性を付与できる物
質が、半水石膏の繊維合成時に繊維表面に吸着している
半水石膏繊維を用いることで、樹脂に対する補強材とし
ての効果を高めることを見出し本発明を完遂するに至っ
た。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施において使用される
石膏繊維は、特願平11−230938号に記載されて
いる方法により製造できる半水石膏繊維である。これを
加熱して得られる可溶性無水石膏繊維および不溶性無水
石膏繊維においては、繊維表面に吸着している撥水性付
与物質が揮発してしまうので適当ではない。
【0007】石膏繊維の形状は特に限定されるものでは
ないが、補強材として使用する場合は、径が2μm以
下、好ましくは1μm以下が効果的であり、アスペクト
比が20以上、好ましくは40以上であることが必要で
ある。また、適宜各種処理剤を使用して石膏繊維表面の
改質を行うことができる。
【0008】石膏繊維の配合量は、樹脂100重量部に
対して1〜200重量部の範囲にすべきである。1重量
部以下では繊維補強の十分な効果が現れないし、200
重量部を超える場合には、粘度が高くなり過ぎ、良好な
成形体が得られない。
【0009】本発明の実施において使われる樹脂は、特
に限定されるものではないが、例えばフェノール樹脂、
ユリア樹脂、メラニン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ウレタンフ
ォームなどの熱硬化性樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリス
チレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリブテン樹脂、石油樹脂、塩化ビニール樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタク
リル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポ
リアセタール樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、変性ポ
リフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリルサルフォン
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテル
イミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサ
ルフォン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リケトンサルファイド樹脂、ポリメチルメタクリレート
樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリサルフォン樹脂お
よび各種の液晶ポリマーなどの熱可塑性樹脂が挙げられ
る。
【0010】また、樹脂組成物を製造する場合において
は、通常添加する材料、例えば酸化防止剤、着色剤、各
種カップリング剤、ならびに無機フィラー等を本願発明
を損なわない範囲で適宜使用しても良く、石膏繊維およ
び樹脂の混合方法あるいは複合化方法も特に限定するも
のではない。
【0011】このようにしてできる樹脂組成物は、タル
クあるいはマイカに匹敵する剛性(弾性率)を持ち、線
膨張係数の低減、透明性・着色性および伸びを確保しな
がら、金型磨耗の問題が解消されるなど、極めて有用な
材料である。
【0012】
【作用】半水石膏繊維及びこれを加熱して得られる可溶
性無水石膏は、X線回折法における結晶解析では区別が
できないほど結晶形態が近似しており、一本一本の繊維
の単一面が成長した結晶構造である。一方、これらの石
膏繊維を400℃以上で加熱して得られる不溶性無水石
膏は、結晶学的には単に多結晶体の集合体として繊維状
を保持しているにすぎず、それゆえ十分な機械的強度が
発現しない。
【0013】無機物の表面に撥水性を付与できる物質
が、半水石膏の繊維成長時に繊維表面に吸着している半
水石膏繊維では、単に繊維合成後に同じ物質を表面処理
した場合と比べて、樹脂との密着力に顕著な差が現れ
る。この密着力が弾性領域においては弾性率に、弾性領
域を越すと伸びの向上に寄与していると考えられる。
【0014】
【実施例】以下本発明を、実施例によって具体的に説明
する。なお、これらの試験における評価方法は、次に示
した試験規格によって行ったものである。 曲げ試験:ASTM D790 引張り試験:ASTM D638
【0015】[実施例1]以下の3種類の試料を調製し
た。 試料1:2mol/lの塩化カルシウム水溶液に、3g
/lになるようにパラフィンを加え、ここに前記塩化カ
ルシウム水溶液の4倍量の0.5mol/lの硫酸ナト
リウム水溶液を、両者を各々煮沸した後、5秒程度で滴
下した。得られたスラリーを固液分離し、80℃で乾燥
して、径2μm、長さ50μmの半水石膏繊維を得た。 試料2:二水石膏を水に分散させて6%スラリーとし、
オートクレーブで120℃で2時間保持した。得られた
スラリーを固液分離し、80℃で乾燥して、径2μm、
長さ50μmの半水石膏繊維を得た。 試料3:試料1を200℃で1時間加熱した。(そのま
ま冷却することなく、樹脂と複合化) 試料4:試料3を冷却後、繊維重量の20%のメタノー
ル(10%パラフィン溶液)で処理し、60℃で乾燥し
た。 上記の4種類の試料を下記に示す配合割合で複合化し、
得られた試験片の物性を測定した。但し、試験5および
6は、試料1および2を各々エポキシ樹脂に練り込み、
180℃で減圧脱泡したのち硬化剤を加えた。試験結果
は表1に示した通りであった。 配合 エポキシ樹脂(油化シェル、エピコート828) 100重量部 硬化剤(四国化成、キュアゾール2E4MZ) 5重量部 石膏繊維 10重量部 硬化条件 プレキュア 80℃/1時間 ポストキュア 120℃/1時間
【0016】
【表1】
【0017】表1より、試験1および5の曲げ弾性率
は、試験2(二水石膏塩を原料として高圧で合成)、試
験3(試料1を加熱して表面の膜を飛ばしたもの)なら
びに試験4(試料1を加熱して表面の膜を飛ばした後、
再度、表面処理した物)に比べて高い数値を示し、また
伸びにおいては試験5が優れていること認められる。
【0018】[実施例2]以下の2種類の試料を調製し
た。 試料5:2mol/lの塩化カルシウム水溶液に、3g
/lになるようにケロシンを加え、前記塩化カルシウム
水溶液の4倍量の0.5mol/lの硫酸ナトリウム水
溶液を、両者を各々煮沸した後、5分程度かけて定量的
に滴下した。得られたスラリーを固液分離し、80℃で
乾燥して、径1μm、長さ50μmの半水石膏繊維を得
た。 試料6:二水石膏を水に分散させて2.5%スラリーと
し、オートクレーブで140℃で1時間保持した。得ら
れたスラリーを固液分離し、80℃で乾燥して、径1μ
m、長さ50μmの半水石膏繊維を得た。 上記2種類の試料を表2に示す配合割合で各々ポリプロ
ピレン樹脂(日本ポリケム、MA−810B)と混合
し、押し出しして成形した。得られた試験片の物性を表
2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2より、試験7(試料5)の曲げ弾性率
および伸びは、試験8(試料6)と比べて高い数値を示
し、機械的特性に優れているものと認められる。
【0021】[実施例3]以下の3種類の試料を調製し
た。 試料7:1mol/lの塩化カルシウム水溶液に、1.
5g/lになるようにステアリン酸カルシウムを加え、
前記塩化カルシウム水溶液の2倍量の0.5mol/l
の硫酸ナトリウム水溶液を、両者を各々煮沸した後、5
分程度かけて定量的に滴下した。得られたスラリーを固
液分離し、80℃で乾燥して、径1μm、長さ100μ
mの半水石膏繊維を得た。 試料8:試料7を200℃で1時間加熱した。(そのま
ま冷却することなく、樹脂と複合化) 試料9:試料7を400℃で1時間加熱し、冷却した。
上記3種類の試料を表3の配合割合で各々6ナイロン樹
脂(ユニチカ、A−1030LP)と混合し、押し出し
して成形した。得られた試験片の物性を表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】表3より、試験9(試料7)の曲げ弾性率
および伸びは、試験10(試料8)ならびに試験11
(試料9)に比べて高い数値を示し、機械的特性に優れ
ているものと認められる。
【0024】[実施例4]実施例1において調製した試
料1〜4を表4の配合割合で各々ポリブチレンテレフタ
レート樹脂(大日本インキ、プラナックBT−100
0)と混合して、押し出しして成形した。得られた試験
片の物性を表4に示す。
【0025】
【表4】
【0026】表4より、試験12の曲げ弾性率および伸
びは、試験13(二水石膏塩を原料として高圧で合
成)、試験14(試料1を加熱して表面の膜を揮発させ
た)ならびに試験15(試料1を加熱して表面の膜を揮
発させた後、再度、表面処理した)に比べて高い数値を
示し、機械的特性に優れているものと認められる。
【発明の効果】本発明によれば、無機物の表面に撥水性
を付与できる物質が、半水石膏の繊維合成時に繊維表面
に吸着している半水石膏繊維を用いることで、樹脂との
密着性を上げることができ、弾性率が高く、伸びを確保
した材料を製造できる。本製造方法によって得られた樹
脂組成物は、線膨張係数が低く抑えられ、透明性・着色
の自由度を持ち、且つ金型磨耗の少ない材料である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AB08 AD04 AD37 AD44 AE06 AF13 4G076 AA14 AA21 AB04 AC02 BA12 BA15 BB08 BC07 BC08 BC09 BD02 CA07 CA26 DA02 4J002 AA001 BB121 CD001 CF071 CL011 DG056 FA046 FB076 FB266 4J037 AA10 CC12 CC13 CC14 CC18 CC22 CC23 CC24 CC25 CC26 CC27 CC28 DD05 DD09 DD25 EE02 EE28 EE43 FF17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物の表面に撥水性を付与できる物質
    が、半水石膏の繊維合成時に繊維表面に吸着している半
    水石膏繊維を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 無機物の表面に撥水性を付与できる物質
    が、半水石膏の繊維合成時に繊維表面に吸着している半
    水石膏繊維を用い、これを複合時に加熱して無水石膏繊
    維とすることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
JP26944799A 1999-09-22 1999-09-22 樹脂組成物 Pending JP2001089579A (ja)

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