JP2001089424A - ノルボルナンジメチレンアミン類の製造方法 - Google Patents
ノルボルナンジメチレンアミン類の製造方法Info
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Abstract
てノルボルナンジメチレンアミン類を製造するに際し、
経済的に、しかも反応に使用する触媒の寿命を長期化で
きる方法を提供する。 【解決手段】 水素化を、マンガンを含むラネーコバル
ト触媒を用い、かつノルボルナンジカルボニトリル類の
1モルあたり 0.1〜1.5 モルの水の存在下で行うことを
特徴とする。
Description
ルボニトリル類(ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカ
ルボニトリル類)を水素化してノルボルナンジメチレン
アミン類(ビシクロ[2.2.1]ヘプタンビス(メチ
ルアミン)類)を製造する方法に関するものである。
金等の金属触媒存在下にジニトリルを水素化することに
より、ジアミンが生成することは公知であるものの、好
ましい反応条件や反応収率等に関しては、個々ジニトリ
ルの種類により大きく異なり、かつ工業的な製造レベル
に達していないのが現状である。
してノルボルナンジメチレンアミン類を製造する方法に
ついては、有機溶媒及びアンモニアの存在下、ラネーコ
バルト触媒を使用する方法(特許第2713612 号公報)
や、ラネーニッケル触媒を使用する方法(特許第271361
5 号公報)が知られている。
ルミナ、あるいはシリカ−アルミナ等の担体にコバルト
を担持した担持コバルト触媒を使用すると、触媒の活性
を長時間維持できるため、数回程度の反復使用が可能で
あることが知られている(特許第2713623 号公報)。
記載の方法では触媒の再利用ができるとは言え、工業的
な製造を考慮した場合、その反復利用のできる回数が十
分と言えず、ノルボルナンジカルボニトリル類を水素化
し、ノルボルナンジメチレンアミン類を製造する上にお
いては、未だかなりの触媒を必要としている。また、触
媒の量のみならず、使用済触媒の廃棄、あるいは触媒再
生の過程で多額の費用が必要となる等、経済的かつ工業
的にノルボルナンジメチレンアミン類を製造するという
点では、更なる改良が望まれる方法である。
ニトリル、アルキレンオキシニトリル、又はアルキレン
アミノニトリルに水素添加して第一級アミンにする方法
において、アンモニアを含有するエーテル溶媒系で、か
つエーテル溶媒の約5容量%から約15容量%までの量の
水の存在下、コバルト又はルテニウム触媒を使用して水
素化を実施することにより、触媒の使用時間が水の非存
在下と比較して2倍程度長くなることを報告している。
するジニトリルの種類は、本発明で原料として使用する
ジニトリルの種類とは異なる他、触媒の使用時間が向上
するとは言うものの、その使用時間は未だ十分と言える
ものではない。更に、製造しようとする第一級アミンの
十分な収量を得るためには、原料ニトリルに対し約75重
量%から約95重量%のエーテル溶媒が必要であり、かつ
原料ニトリル当たりに換算すると、その約20重量%から
約 300重量%の量の水が必要であるということが示され
ている。
法では、原料のニトリルに対して大量の溶媒及び水を使
用するため、目的の第一級アミンの生産性が低く、かつ
反応後では溶媒及び水を分離あるいは回収するために多
大なエネルギーが必要であり、工業的規模で効率良く、
また経済的に安価に製造し得る方法とは言えない。
ノニトリルに水素添加してテトラメチレンジアミンを製
造するに際し、マンガンを含有するラネーコバルト触媒
の下で反応させる方法が開示されている。そしてその実
施例においては、上記触媒を水素化反応に50回まで繰り
返し使用したこと等が記載されている。
は本発明で使用する原料と種類が異なるのみならず、触
媒を繰り返し使用したとは言っても、この結果は原料の
サクシノニトリルに対し各々、触媒量が金属コバルトと
して39重量%、溶媒ジオキサンの使用量が 600重量%、
及び液体アンモニアの使用量が 600重量%といった、非
常に多くの触媒と溶媒及びアンモニアの使用条件下に達
成され得るものである。
法は、その触媒の使用量からみて、繰り返し使用できる
回数が十分にあるとは到底言い難いものである。また、
この方法は触媒の量のみならず、原料サクシノニトリル
に対して大量な溶媒及び液体アンモニアを使用する方法
であるため、目的のテトラメチレンジアミンの生産性が
低く、しかも反応後では、使用した溶媒及びアンモニア
を分離又は回収するのに多大なエネルギーを必須とし、
このため工業的規模で効率よく、また経済的に安価に目
的物が得られる方法とは言えない。
ナンジカルボニトリル類を水素化してノルボルナンジメ
チレンアミン類を経済的に安価に製造するためには、水
素化に使用する触媒寿命の長いことが不可欠となる。し
かし、前記で述べたように、従来技術の方法では触媒の
寿命は十分にあると言えるものではなく、また、大量の
溶媒や水を使用する方法においても、触媒の寿命は十分
と言えるものに至っていない。
して、反応に使用する触媒の寿命を十分に長期化するこ
とができ、しかも目的とするノルボルナンジメチレンア
ミン類を収率よく、かつ経済的に安価に製造し得る方法
を提供することにある。
ナンジカルボニトリル類の水素化における前記の課題を
解決するため鋭意検討した結果、水素化を特に、マンガ
ンを含有するラネーコバルト触媒を用い、そして特定し
た範囲の量の水の存在下に行う場合にのみ、前記した課
題が解決されるものであることを見出し、本発明を完成
するに至った。
〔化3〕
一でない。)で表されるノルボルナンジカルボニトリル
類を水素化して、一般式(II)〔化4〕
示し、同一でない。)で表されるノルボルナンジメチレ
ンアミン類を製造するに際し、マンガンを含むラネーコ
バルト触媒を用い、かつノルボルナンジカルボニトリル
類の1モルあたり、0.1 〜1.5 モルの水の存在下で水素
化することを特徴とするノルボルナンジメチレンアミン
類の製造方法であり、また、(2) 水素化をアンモニアの
存在下で行う上記(1) 記載の製造方法であり、また、
(3) アンモニアの量が、ノルボルナンジカルボニトリル
類の1モルあたり、0.05〜5モルである上記(2) 記載の
製造方法であり、また、(4) 触媒の量が、ノルボルナン
ジカルボニトリル類に対し0.1〜10重量%にある上記(1)
〜(3)のいずれかに記載の製造方法であり、また、(5)
水素化する際の温度が、50〜250 ℃である上記(1)〜(4)
のいずれかに記載の製造方法であり、また、(6) 水素化
する際の圧力が、 0.5〜20MPaGである上記(1)〜(5)のい
ずれかに記載の製造方法である。
ルボルナンジカルボニトリル類は、前記一般式(I)で
表される化合物であり、2,5-ノルボルナンジカルボニト
リル、2,6-ノルボルナンジカルボニトリル、又はこれら
両化合物の混合物である。また、これらノルボルナンジ
カルボニトリル類には立体異性体が存在するが、これら
の混合物であってもよく、いずれも出発原料として使用
することができる。
例えば特公平7-94422 号公報にも記載があるように、ニ
ッケル触媒及びトリフェニルホスファイトの存在下、ビ
シクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−カルボニト
リルにシアン化水素を付加させる方法等により得ること
ができる。
トリル類の水素化はアンモニアの存在下で行うことが好
ましい。このアンモニアは、目的とするノルボルナンジ
メチレンアミン類以外の第2級アミン、第3級アミン、
あるいはポリアミン等の高沸物の副生を抑制して選択性
を向上する働きをもつ。アンモニアの使用量は、上記高
沸物の副生を抑制し、水素化速度の低下を防止し、かつ
反応後のアンモニアの処理あるいは回収を容易にすると
いう点から、原料のノルボルナンジカルボニトリル類に
対して0.05〜5モル比の範囲であることが好ましく、更
には0.1 〜2.5モル比の範囲であることがより好まし
い。
〜15重量%、より好ましくは 0.5〜10重量%含むラネー
コバルト触媒であり、マンガンを含有したラネーコバル
ト合金粉末を、常法(例えば、触媒工学講座10元素別触
媒便覧、528 頁)によりアルカリ展開して得られたもの
を使用することができる。
されないが、反応液の良好な流動性を保持し、かつ触媒
コストを低減するという点から、通常は原料のノルボル
ナンジカルボニトリル類に対し10重量%程度までの量、
より具体的には 0.1〜10重量%の量を使用することが好
ましい。
媒量を一括して添加することもできるが、化学的な触媒
被毒を抑制する点からは、一回の反応当たりに必要な触
媒量を添加し、反応を反復する毎に逐次的に添加する方
法を採用することが好ましい。
れる。その水の使用量は原料のノルボルナンジカルボニ
トリル類の1モルに対して 0.1〜1.5 モルの範囲、更に
は 0.2〜1.5 モルの範囲であることがより好ましい。こ
の量が 0.1モル未満では十分な触媒寿命を得ることが困
難となる。また 1.5モルを越える量を使用しては、目的
物以外のアミド体等の副生物生成量が非常に多くなるこ
とから好ましくない。更には反応後における脱水精製工
程でも多大のエネルギーが必要となり、上記した範囲の
量の水の存在下で反応を行なわせることが好ましい。
は、ノルボルナンジメチレンアミン類の良好な生産性を
保持し、かつ副生物を抑制するという点から50〜250 ℃
の範囲が好ましく、更には80〜200 ℃の範囲であること
がより好ましい。
のものが好ましいが、反応に不活性なガス、例えば窒
素、アルゴン、ヘリウムあるいはメタン等のガスが含ま
れていても、何ら差し支えはない。また、水素化時の圧
力は 0.5〜20MPaGの範囲が好ましく、更には 1〜10MPaG
の範囲であることがより好ましい。 0.5MPaG未満の圧力
では水素化が完結するまでに長時間を要するため、目的
のノルボルナンジメチレンアミン類の生産性の悪化を招
くことになり、また、20MPaGを越える圧力では、圧力増
大の効果がほとんど見られず、かえって高圧設備の建設
費等の増大も招くことになり、好ましくない。
ずとも実施することはできるが、原料のノルボルナンジ
カルボニトリル類が比較的高粘性でもあり、操作性及び
反応器中での触媒の流動性向上等のために溶媒を使用す
ることもできる。使用可能な溶媒は本水素化反応に不活
性な化合物であり、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレン
等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、1-プ
ロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノ
ール等のアルコール類、及びこれらの類似化合物等が好
ましい。
量は任意の量をとりうるが、得られるノルボルナンジメ
チレンアミン類の良好な生産性を保持し、かつ溶媒留去
のためのエネルギーを少なくするという点から、好まし
くは原料のノルボルナンジカルボニトリル類の50重量%
までの範囲、より好ましくは20重量%までの範囲、更に
好ましくは10重量%までの範囲である。
トリル類を水素化する際の反応形式については特に制限
がなく、回分式、半回分式、又は流通式等の、いずれの
方式であっても実施することが可能である。
細に説明する。以下において、反応液の分析はガスクロ
マトグラフィーを用いて行った。
に、約7重量%のトルエンを含有するノルボルナンジカ
ルボニトリル類溶液 304g(ノルボルナンジカルボニト
リル類1.93mol )、水24.9g(1.38mol )、及びマンガ
ンを含有した Co-Al合金を展開して得たラネーコバルト
触媒(Co 75.7 重量%、 Al 2.7 重量%、Mn 1.5重量
%) 1.5g(乾燥重量)を仕込み、系内を窒素にて充分
置換した後、続いて水素で置換し、更に液体アンモニア
10.2g(0.6mol)を注入した。次に、オートクレーブ内
の圧力が 2.5MPaGまで水素を圧入した後、攪拌下、 120
℃に昇温して水素化反応を開始した。反応の進行と共に
オートクレーブ内の圧力が低下するため、圧力が 3.4MP
aGを保つように連続的に水素を供給し、かつ液温が 120
℃を保つように調整して、8時間水素化反応を実施し
た。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、気
相部の水素及びアンモニアを追い出す。沈降した触媒を
そのままオートクレーブ内に残し、反応液の上澄み液を
抜き出す。再度上記記載と同じ量のノルボルナンジカル
ボニトリル類溶液、アンモニア、及び水を仕込み、水素
化反応を行う。この操作を触媒を追加することなく20回
繰り返した。その結果、第1回目の反応におけるノルボ
ルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボ
ルナンジメチレンアミン類の収率は94.5%であり、また
第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100
%及び94.3%であり、触媒の劣化は認められなかった。
また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカル
ボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収
率は 0.4%であり、第20回目においても、その収率に変
化はなかった。
類溶液、アンモニア、及び水を、各々同一量仕込み、水
素化反応を繰り返す操作を、実施例1と同様に50回まで
実施した。この際、21回目、31回目及び41回目に触媒を
0.5gずつ追加した。その結果、第21回目の反応におけ
るノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及
びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は94.3%であ
り、また第50回目の反応における転化率及び収率はそれ
ぞれ 100%及び94.0%であり、触媒の劣化は認められな
かった。また、第21回目の反応における原料ノルボルナ
ンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミ
ド体の収率は 0.4%であり、第50回目では0.5 %であっ
た。
に、約7重量%のトルエンを含有するノルボルナンジカ
ルボニトリル類溶液 304g(ノルボルナンジカルボニト
リル類1.93mol )、水49.6g(2.75mol )、及びマンガ
ンを含有した Co-Al合金を展開して得たラネーコバルト
触媒(Co 75.7 重量%、 Al 2.7 重量%、Mn 1.5重量
%) 1.5gを仕込み、系内を窒素にて充分置換した後、
続いて水素で置換し、更に液体アンモニア10.2g(0.6m
ol)を注入した。次に、オートクレーブ内の圧力が 3.9
MPaGまで水素を圧入した後、攪拌下、 120℃に昇温して
水素化反応を開始した。反応の進行と共にオートクレー
ブ内の圧力が低下するため、圧力が 4.9MPaGを保つよう
に連続的に水素を供給し、かつ液温が 120℃を保つよう
に調整して、8時間水素化反応を実施した。反応終了
後、オートクレーブを室温まで冷却し、気相部の水素及
びアンモニアを追い出す。沈降した触媒をそのままオー
トクレーブ内に残し、反応液の上澄み液を抜き出す。再
度上記記載と同じ量のノルボルナンジカルボニトリル類
溶液、アンモニア、及び水を仕込み、水素化反応を行
う。この操作を触媒を追加することなく20回繰り返し
た。その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジ
カルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジ
メチレンアミン類の収率は94.6%であり、また第20回目
の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び9
3.3%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、
第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニト
リル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は
1.8%であり、第20回目では 2.1%であった。
g (0.68mol )とし、水素化反応の液温を 140℃とし
て、3時間の反応を実施する以外は、全て同様に操作し
た。その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジ
カルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジ
メチレンアミン類の収率は93.8%であり、また第20回目
の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び9
1.1%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、
第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニト
リル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は
0.4%であり、第20回目においてもその収率に変化はな
かった。
に、約7重量%のトルエンを含有するノルボルナンジカ
ルボニトリル類溶液 304g(ノルボルナンジカルボニト
リル類1.93mol )、水 5.2g(0.29mol )、及びマンガ
ンを含有した Co-Al合金を展開して得たラネーコバルト
触媒(Co 75.7 重量%、 Al 2.7 重量%、Mn 1.5重量
%) 1.5gを仕込み、系内を窒素にて充分置換した後、
続いて水素で置換し、更に液体アンモニア10.2g(0.6m
ol)を注入した。次に、オートクレーブ内の圧力が 6.9
MPaGまで水素を圧入した後、攪拌下、 120℃に昇温して
水素化反応を開始した。反応の進行と共にオートクレー
ブ内の圧力が低下するため、圧力が 7.8MPaGを保つよう
に連続的に水素を供給し、かつ液温が 120℃を保つよう
に調整して、3時間水素化反応を実施した。反応終了
後、オートクレーブを室温まで冷却し、気相部の水素及
びアンモニアを追い出す。沈降した触媒をそのままオー
トクレーブ内に残し、反応液の上澄み液を抜き出す。再
度上記記載と同じ量のノルボルナンジカルボニトリル類
溶液、アンモニア、及び水を仕込み、水素化反応を行
う。この操作を触媒を追加することなく20回繰り返し
た。その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジ
カルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジ
メチレンアミン類の収率は95.1%であり、また第20回目
の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び9
0.2%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、
第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニト
リル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は
0.3%であり、第20回目においてもその収率に変化はな
かった。
4.5gとして、3時間の反応を実施する以外は、全て同
様に操作した。その結果、第1回目の反応におけるノル
ボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノル
ボルナンジメチレンアミン類の収率は94.5%であり、ま
た第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 1
00%及び94.4%であり、触媒の劣化は認められなかっ
た。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジ
カルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体
の収率は 0.6%であり、第20回目においてもその収率に
変化はなかった。
ンジカルボニトリル類としてトルエンを含有しないもの
を使用し、水素化反応の液温を 160℃として、4時間の
反応を実施する以外は、全て同様に操作した。その結
果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニト
リル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンア
ミン類の収率は93.5%であり、また第20回目の反応にお
ける転化率及び収率はそれぞれ 100%及び93.2%であ
り、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の
反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシ
アノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.4%であ
り、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
4.5gとし、水素化反応の液温を 100℃とする以外は、
全て同様に操作した。その結果、第1回目の反応におけ
るノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及
びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は96.2%であ
り、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれ
ぞれ 100%及び95.6%であり、触媒の劣化は認められな
かった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナ
ンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミ
ド体の収率は 0.4%であり、第20回目においてもその収
率に変化はなかった。
に、約7重量%のトルエンを含有するノルボルナンジカ
ルボニトリル類溶液 304g(ノルボルナンジカルボニト
リル類1.93mol )、水24.9g (1.38mol )、及びマンガ
ンを含有した Co-Al合金を展開して得たラネーコバルト
触媒(Co 68.5 重量%、 Al 3.1 重量%、Mn 5.5重量
%) 4.5gを仕込み、系内を窒素にて充分置換した後、
続いて水素で置換し、更に液体アンモニア10.2g(0.6m
ol)を注入した。次に、オートクレーブ内の圧力が 3.9
MPaGまで水素を圧入した後、攪拌下、 140℃に昇温して
水素化反応を開始した。反応の進行と共にオートクレー
ブ内の圧力が低下するため、圧力が 4.9MPaGを保つよう
に連続的に水素を供給し、かつ液温が 140℃を保つよう
に調整して、2時間水素化反応を実施した。反応終了
後、オートクレーブを室温まで冷却し、気相部の水素及
びアンモニアを追い出す。沈降した触媒をそのままオー
トクレーブ内に残し、反応液の上澄み液を抜き出す。再
度上記記載と同じ量のノルボルナンジカルボニトリル類
溶液、アンモニア、及び水を仕込み水素化反応を行う。
この操作を触媒を追加することなく20回繰り返した。そ
の結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボ
ニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレ
ンアミン類の収率は93.3%であり、また第20回目の反応
における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び93.1%で
あり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目
の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類の
シアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.8%であ
り、第20回目においても、その収率に変化はなかった。
0.6gとし、水素化反応の液温を 180℃として、8時間
の反応を実施する以外は、全て同様に操作した。その結
果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニト
リル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンア
ミン類の収率は92.2%であり、また第20回目の反応にお
ける転化率及び収率はそれぞれ 100%及び91.4%であ
り、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の
反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシ
アノ基が加水分解されたアミド体の収率は 1.0%であ
り、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
ニア量を 3.6g(0.2mol)として、3時間の反応を実施
する以外は、全て同様に操作した。その結果、第1回目
の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化
率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率
は91.2%であり、また第20回目の反応における転化率及
び収率はそれぞれ 100%及び90.7%であり、触媒の劣化
は認められなかった。また、第1回目の反応における原
料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分
解されたアミド体の収率は 0.6%であり、第20回目にお
いてもその収率に変化はなかった。
に、約7重量%のトルエンを含有するノルボルナンジカ
ルボニトリル類溶液 304g(ノルボルナンジカルボニト
リル類1.93mol )、水24.9g (1.38mol )、及びマンガ
ンを含有した Co-Al合金を展開して得たラネーコバルト
触媒(Co 64.0 重量%、 Al 3.3 重量%、Mn 8.5重量
%)4.5gを仕込み、系内を窒素にて充分置換した後、続
いて水素で置換し、更に液体アンモニア30.6g(1.8mo
l)を注入した。次に、オートクレーブ内の圧力が 2.0M
PaGまで水素を圧入した後、攪拌下、 140℃に昇温して
水素化反応を開始した。反応の進行と共にオートクレー
ブ内の圧力が低下するため、圧力が 2.5MPaGを保つよう
に連続的に水素を供給し、かつ液温が 140℃を保つよう
に調整して、5時間水素化反応を実施した。反応終了
後、オートクレーブを室温まで冷却し、気相部の水素及
びアンモニアを追い出す。沈降した触媒をそのままオー
トクレーブ内に残し、反応液の上澄み液を抜き出す。再
度上記記載と同じ量のノルボルナンジカルボニトリル類
溶液、アンモニア、及び水を仕込み、水素化反応を行
う。この操作を触媒を追加することなく20回繰り返し
た。その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジ
カルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジ
メチレンアミン類の収率は92.2%であり、また第20回目
の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び9
2.1%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、
第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニト
リル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は
0.7%であり、第20回目においても、その収率に変化は
なかった。
マンガンを含有したCo-Al 合金を展開して得たラネーコ
バルト触媒(Co 76.0 重量%、 Al 4.0 重量%、Mn 0.2
重量%) 4.5gを使用し、かつ液体アンモニア量を65.8
g (3.9mol)として、4時間の反応を実施する以外は、
全て同様に操作した。その結果、第1回目の反応におけ
るノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及
びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は93.8%であ
り、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれ
ぞれ 100%及び93.5%であり、触媒の劣化は認められな
かった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナ
ンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミ
ド体の収率は 0.9%であり、第20回目においてもその収
率に変化はなかった。
マンガンを含有したCo-Al 合金を展開して得たラネーコ
バルト触媒(Co 57.5 重量%、 Al 3.7 重量%、Mn11.7
重量%) 4.5gを使用し、かつ液体アンモニア量を 13
1.6g(7.7mol)として、6時間の反応を実施する以外
は、全て同様に操作した。その結果、第1回目の反応に
おけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100
%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は94.1%
であり、また第20回目の反応における転化率及び収率は
それぞれ 100%及び93.9%であり、触媒の劣化は認めら
れなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボ
ルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解された
アミド体の収率は 1.0%であり、第20回目においてもそ
の収率に変化はなかった。
素化反応を実施する以外は、全て同様に操作した。その
結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニ
トリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレン
アミン類の収率は93.2%であったが、第3回目の反応で
は収率は37.3%であり、かつ原料ノルボルナンジカルボ
ニトリル類が未だ残存し、触媒の劣化が認められた。
g(0.1mol)とする以外は、全て同様に操作した。その
結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニ
トリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレン
アミン類の収率は93.3%であったが、第5回目の反応で
は収率は42.5%であり、かつ原料ノルボルナンジカルボ
ニトリル類が未だ残存し、触媒の劣化が認められた。
g(3.9mol)とする以外は、全て同様に操作した。その
結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニ
トリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレン
アミン類の収率は81.6%であり、また第20回目の反応に
おける転化率及び収率はそれぞれ 100%及び79.0%であ
り、低収率であった。また、第1回目の反応における原
料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分
解されたアミド体の副生量は多く、第1回目にける収率
は 9.7%であり、第20回目においては11.9%であった。
マンガンを含有しないCo-Al 合金を展開して得たラネー
コバルト触媒(Co 76.9 重量%、 Al 4.2 重量%)を使
用して、4時間の反応を実施する以外は、全て同様に操
作した。その結果、第1回目の反応におけるノルボルナ
ンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナ
ンジメチレンアミン類の収率は89.8%であったが、第5
回目の反応では収率は47.6%であり、かつ原料ノルボル
ナンジカルボニトリル類が未だ残存し、触媒の劣化が認
められた。
例1〜4からも明らかなように、マンガンを含むラネー
コバルト触媒を用い、かつノルボルナンジカルボニトリ
ル類に対し、 0.1〜1.5 モル比の水存在下で水素化する
という本発明の方法を採用することで、極めて長期の触
媒寿命が達成されることになり、安価にノルボルナンジ
メチレンアミン類を製造することができる。
用いるアンモニア及び触媒の使用量はもちろんのこと、
溶媒を用いるにしてもそれらは従来技術に比し格段に少
なく済むため、工業的にも極めて有用な方法であると言
える。
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(I)〔化1〕 【化1】 (式(I)中、X1 、X2 はHもしくはCNを示し、同
一でない。)で表されるノルボルナンジカルボニトリル
類を水素化して、一般式(II)〔化2〕 【化2】 (式(II)中、Y1 、Y2 はHもしくはCH2 NH2 を
示し、同一でない。)で表されるノルボルナンジメチレ
ンアミン類を製造するに際し、マンガンを含むラネーコ
バルト触媒を用い、かつノルボルナンジカルボニトリル
類の1モルあたり、0.1 〜1.5 モルの水の存在下で水素
化することを特徴とするノルボルナンジメチレンアミン
類の製造方法。 - 【請求項2】 水素化をアンモニアの存在下で行う請求
項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 アンモニアの量が、ノルボルナンジカル
ボニトリル類の1モルあたり、0.05〜5モルである請求
項2記載の製造方法。 - 【請求項4】 触媒の量が、ノルボルナンジカルボニト
リル類に対し0.1〜10重量%にある請求項1〜3のいず
れかに記載の製造方法。 - 【請求項5】 水素化する際の温度が、50〜250 ℃であ
る請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項6】 水素化する際の圧力が、 0.5〜20MPaGで
ある請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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