JP2001089354A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 米を原料とし、人体にとって安全で、且つ肌
の保湿・保護作用、及びその効果の持続性に優れ、また
肌に対してべとつき感がなく、しかも経済性にも優れた
化粧料を提供することを課題とする。 【解決手段】 玄米を精米して精白度90〜50%の精
白米とし、これに麹菌を作用させて製麹し、得られた麹
を乾燥しさらに必要に応じて粉末化することにより乾燥
(粉末)麹とし、これを5〜20倍等量の水で抽出して
糖質及びアミノ酸を含有した液状の水抽出物を得、これ
を有効成分として他の化粧料成分と共に配合し化粧料と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、90〜50%精白
米麹を水で抽出することにより得られる水抽出物を含有
する化粧料に関する。詳しくは、本発明は、人体にとっ
て安全で、且つ安価で原料供給が安定しており、さらに
肌の保湿・保護作用に優れ、しかもその持続効果にも優
れ、また肌に対してべとつき感がない化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】正常な角質層は水分を保持する能力を有
し、皮膚に柔軟性を与え、肌をみずみずしく保ち、また
外界からの有害物質の侵入を防ぐ重要な役割を果たして
いる。角質層の水分含量が低下すると、皮膚表面のきめ
が粗くなり、皺、肌荒れ、ヒビ、アカギレなどが起こ
る。このため肌の保湿は人が健康を維持する上で極めて
重要である。
【0003】肌の保湿効果を有する保湿剤に用いられる
ものとしては、アミノ酸類、ピロリドンカルボン酸塩、
乳酸塩、その他糖類からなるNMF(Natural Moisture
Factor)や、ポリオール類を主体とする有機化合物、
乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウムのよ
うな有機金属化合物、ポリエチレングリコール、ヒアル
ロン酸等の水溶性高分子化合物などが主である。
【0004】その中でも米を原料とした成分を含む化粧
料としては、米糠に含まれる多量のアミノ酸、ビタミ
ン、ミネラル分が注目され、肌に対して安全でしっとり
効果のある米糠由来の化粧料成分が配合されたものが数
多く上市されている。
【0005】しかし、これら保湿剤の中には、皮膚に対
し刺激性を有する、べたべたぬるぬるするなどの使用感
が悪い、長時間にわたる効果の持続性がない、製品が高
価であるなどの欠点のあるものが多い。
【0006】また、皮膚の洗浄化粧料として麹菌の有す
るプロテアーゼやペプチダーゼ等の蛋白分解酵素の酵素
活性を利用したことを特徴とする化粧料もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の米由来の保湿剤
は、天然保湿因子としてのアミノ酸やビタミン、ミネラ
ル分が主で、特に乾燥肌に対してしっとりさせたりすべ
すべさせたりする効果はあまりなく、また肌の保湿、保
護作用の持続効果が短いなど、顕著な効果があまり見ら
れないといった問題点があった。また、麹菌の有するプ
ロテアーゼやペプチダーゼ等の蛋白分解酵素は熱や水分
に対して不安定であるため製剤化が困難であるといった
問題点が多く存在した。
【0008】本発明は、このような現状に鑑みなされた
ものであって、米を原料とし、人体にとって安全で、且
つ肌の保湿・保護作用、及びその効果の持続性に優れ、
また肌に対してべとつき感がなく、しかも経済性にも優
れた化粧料を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】糖質は、動物、植物に広
く分布する生体成分で、生体の水分を維持する重要な役
割を果たしており、動植物中から非常に多種類の糖質が
見いだされている。その中でもヒアルロン酸は、動物の
結合組織に広く分布する生体成分でムコ多糖の中でも最
も優れた保水性を有し、化粧品原料として広く利用され
ている。
【0010】本発明者らは、糖質の有する高い保湿機能
に着目し、その中でも多量の澱粉質を含む米澱粉を原料
とした保湿剤について研究を進め、米糠部分を除去した
精白米からの麹を水抽出した液中に、肌の保湿、保護作
用の持続に最も関係している多種類の糖質が含有されて
いることを発見した。
【0011】そこで、米を原料とした保湿剤として、最
も保湿効果が得られ、その保湿効果が継続するような保
湿剤について鋭意研究を重ねてきた。その結果、肌の保
湿及びその持続は、天然保湿因子であるアミノ酸類やオ
リゴ糖などの比較的短い鎖の糖質によるものであると思
われ、最適な保湿効果を有するためには、精白した米に
麹菌(及び澱粉分解酵素)を作用させ製麹処理したもの
を乾燥した後、これを室温において水抽出したものが、
最も有効成分を含み、べとつき感がなく、肌をすべすべ
させ且つ保湿状態を長時間継続することを発見した。
【0012】また、これら成分は米を原料としているた
めに皮膚に対して極めて安全で、安価で、原料供給も安
定しており、熱や水に対しても非常に安定で製剤化も容
易であることから上記問題を解決した。
【0013】すなわち、本発明は、精白度90〜50%
の精白米から得られる米麹の水抽出物を含有することを
特徴とする化粧料に関する。前記化粧料は、米の澱粉質
に麹菌(及び澱粉分解酵素)を作用させ、オリゴ糖など
の比較的短い鎖の糖質に糖化させて得られた肌の保湿、
保護作用に有効な成分を、水抽出した液を含有してなる
ものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明の化粧料は、精白度90〜50%の精白
米から得られる米麹の水抽出物を含有することを特徴と
する。
【0015】(1)精白米 本発明で用いられる精白米は、玄米を精白度90〜50
%、より好ましくは90〜70%、最も好ましくは80
%に精米したものである。玄米の精米方法は特に限定さ
れず、精米機等を用いて精米される。なお、ここでいう
精白度とは、精白前の米粒を100%とした場合の、精
白後の米粒の重量である。したがって、精白度の値が高
いほど玄米に近く、低いほど精米が進んだ白米となる。
【0016】前記精白米の精白度が90%を超えると、
米糠に含まれる蛋白質やビタミン、ミネラル分のために
麹菌が米粒外層部に位置する米糠部分に主に作用し、米
の澱粉質にはあまり作用せず十分な糖質が得られないこ
ととなり、肌の保湿・保護作用が弱くなる傾向にある。
一方、精白度が50%未満、すなわち白米として50%
未満の精白歩合のものを用いると、製造コストが高くな
り、安価に原料供給を行うことができず、また廃棄物の
再利用の問題も出てくるために経済的ではない。
【0017】(2)米麹 本発明で用いられる米麹は、上記精白米から得られるも
のであり、具体的には、上記精白米に種モヤシ(麹菌の
胞子)を作用させて得られるものである。なお、ここで
用いる麹菌は、米麹の製造に一般に使用される通常のコ
ウジカビであればよい。
【0018】また、前記米麹は、好ましくは乾燥させ
て、より好ましくは水分量8%以下に乾燥させて乾燥麹
としたものが用いられる。また、乾燥麹は、精白米に麹
菌を作用させて得られる米麹をそのまま乾燥させたもの
であってもよいが、乾燥後粉末化した乾燥粉末麹であっ
てもよい。
【0019】米麹の製造工程に関しては通常、洗米、浸
漬、蒸米、種付け、製麹等の工程があり、必要に応じて
麹を乾燥あるいは粉末化する場合には、乾燥工程がこの
後組み込まれる。各工程における温度、時間等の条件に
ついては、一般的に知られた至適温度、至適時間等で行
うのが効率的であり望ましい。
【0020】具体的には、精米により得られた所定の精
白度の精白米を、3〜4倍量程度の水で洗米し、浸漬を
行う。浸漬時間は原料白米の吸水性によって様々である
ため、十分に浸漬すれば長くても短くてもよい。
【0021】上記浸漬後、好ましくは該浸漬米にマイク
ロ波照射を行う。照射量は浸漬米の水分や米の精白度に
より照射時間で調節するが、目安としては浸漬米温度が
13〜30℃程度に上昇するまで照射する。場合によっ
ては、35℃程度まで十分照射することもある。マイク
ロ波処理後、30〜40分間蒸気を通過させて蒸す。こ
こで、マイクロ波処理を行わず蒸すと、米の繊維が米粒
の内部まで十分に膨化せず、膨らみの少ない蒸米となる
ため、麹菌が内部まで十分に繁殖しない場合がある。一
方、マイクロ波処理した外硬軟米の蒸米は麹菌が内部の
水分を求めて蒸米内部まで繁殖しやすく、目的としたよ
い米麹が得られる。
【0022】上記蒸米を28〜33℃程度にまで冷却
し、種モヤシ(麹菌の胞子)を接種し、30〜40℃で
約2日間程度、製麹する。種モヤシは、α−アミラーゼ
やグルコアミラーゼ活性の強いものを特別に配合しても
よく、製麹の時間は麹菌が十分に増殖すれば長くても短
くてもよい。
【0023】上記で製麹された米麹は水分20〜25%
程度であるため、例えばアルコール脱水法や除湿乾燥
法、凍結乾燥法、真空乾燥法などで低温乾燥せしめ、乾
燥麹、好ましくは水分8%以下の乾燥麹を得る。乾燥後
は麹品温を15℃以下で貯蔵するのが望ましい。乾燥麹
の水分が8%を超えていたり、15℃を超える温度で貯
蔵した場合は、麹菌や麹菌以外の微生物が繁殖しやす
く、麹菌によりアルコール発酵が起こったり有害な黴が
繁殖する場合があり、目的とする有効成分がさらに分解
されたり汚染される可能性がある。
【0024】また、乾燥麹を粉末化する場合は、粉砕時
の温度上昇がないように機械を冷却しながら粉砕し、粒
度は80メッシュ以下が望ましい。
【0025】(3)水抽出物 本発明の水抽出物は、上述した方法で得られた米麹(好
ましくは乾燥麹又は乾燥粉末麹)を、水、好ましくは5
〜20倍等量の水、より好ましくは8〜12倍等量で抽
出することにより得ることができる。前記水抽出物は、
糖質及びアミノ酸を含有した液体である。抽出に用いら
れる水には、エチルアルコール、ブチレングリコール等
のアルコール類が添加されていてもよい。
【0026】抽出温度は、40℃以下が好ましい。最も
好ましくは25℃である。抽出温度が40℃を超える
と、澱粉質が糊化し、多糖類が過剰に抽出されるため、
べとべとした使用感となり好ましくない。抽出時間は目
的成分が十分に抽出されれば長くても短くてもよい。抽
出後、圧搾、濾過を行うと、淡黄色で芳香のある液体が
得られる。
【0027】(4)化粧料 本発明の化粧料は、上記方法で得られる米麹の水抽出物
を有効成分として含有するものである。本発明でいう化
粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、貼付型シート
製剤等の基礎化粧料、ファンデーション、アンダーメー
クアップ、口紅、頬紅、マスカラ、アイライナー、アイ
カラー等のメークアップ化粧料、ネイルエナメル、ネイ
ルコート、リムーバー等の美爪料、ヘアローション、ヘ
アリキッド、ヘアスプレー等の頭髪化粧料、シャンプ
ー、リンス、洗顔料、石鹸などの洗浄料、バスエッセン
スやバスソルト等の浴用剤などが挙げられる。これらの
うち特に好ましいものは、化粧水、乳液、クリーム、洗
浄料である。
【0028】本発明の化粧料には、前記水抽出物以外
に、通常の化粧料に用いられる各種配合成分を、その化
粧料の種類や剤形に従って任意に含有させることができ
る。このような任意成分としては、例えば、ワセリンや
スクワラン等の炭化水素類;メチルパラベン、ホホバ
油、ゲイロウ等のエステル類;牛脂、オリーブ油等のト
リグリセライド類や油脂類;ステアリン酸、オレイン酸
等の脂肪酸類;セタノール、オレイルアルコール等の高
級アルコール類;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオ
ン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性
剤、両性界面活性剤等の各種界面活性物質;プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコ
ール類;ポリオキシエチレンイソセチルエーテル等のエ
ーテル類;カルボキシビニルポリマー等の酸性高分子化
合物や水溶性高分子化合物;ヒアルロン酸、キトサン等
の多糖類等の糖類;コラーゲン、エラスチン、ケラチ
ン、セリシン等の蛋白質;その他エタノール、防腐剤、
乳化作用成分、安定化剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、各
種ビタミン類、薬効成分、香料類、着色剤、粉体類等が
挙げられる。これら各種配合剤の添加量はそれぞれの製
品の種類に応じ、適宜決定することができる。また、こ
れらは常法に従って化粧料へと剤形化することができ
る。
【0029】前記化粧料中における本発明の水抽出物の
含有割合は、化粧料の種類や剤形に応じて適宜選択する
ことができ、特に限定されるものではない。本発明の水
抽出物は、もちろん化粧料の種類や剤形に応じて用いら
れる上記各種配合成分とともに使用することもできる
が、例えば該水抽出物のみをそのまま化粧料とすること
もできる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、本実施例及び比較例における配合量の値はす
べて重量%である。
【0031】
【実施例1】玄米を精米機にかけて80%精白米を得
た。この精白米1kgを3倍量の水で洗米し、1時間浸
漬した。この浸漬米に、浸漬米温度後が25℃程度にな
るまでマイクロ波を照射し、30分間蒸気を通過させて
蒸した。この蒸米を30℃程度まで冷却し、種モヤシ
(麹菌の胞子)を0.3g接種した後、30℃程度に保
たれた床室で24時間製麹した。この麹を30〜35℃
程度に制御された棚室に撹拌機を介して薄く盛り込み、
徐々に温度を上げながら40℃として、棚室で約24時
間製麹した。その後、麹を低温除湿乾燥機に移して、乾
燥し水分8%以下とし、乾燥麹0.86kgを得た。こ
れに5倍等量の水を加え、25℃で3時間抽出し、濾過
して本発明の水抽出液3.2Lを得た。
【0032】
【実施例2】実施例1により得られた本発明の水抽出液
を用いて、以下に示す処方の配合材料を定法により混合
溶解し、化粧水タイプの製品を得た。 (処方) 実施例1で得られた水抽出液 20.0重量% グリセリン 5.0重量% ポリオキシエチレン硬化ひまし油 1.0重量% エタノール 5.0重量% 防腐剤 0.2重量% 精製水 適量
【0033】
【実施例3】実施例1により得られた本発明の水抽出液
を用いて、以下に示す処方の配合材料を定法により混合
溶解し、乳液タイプの製品を得た。すなわち、以下に示
す量のステアリン酸、イソステアリン酸コレステル、ホ
ホバ油、スクワラン、セスキオレイン酸ソルビタン、及
び防腐剤を混合して約70℃で加熱溶解し、これに約7
0℃の前記水抽出液、1,3−ブチレングリコール、防
腐剤、精製水、及びL−アルギニンからなる水相を撹拌
下で徐々に加えて乳化を行った。次いで、これにカルボ
キシビニルポリマー1.0%水溶液を加えた。乳化機で
乳化粒子を均一にした後、減圧脱気、冷却を行い、乳液
タイプの製品を得た。なお、配合例は以上の実施例に限
定されるものではない。
【0034】(処方) 実施例1で得られた水抽出液 20.0重量% ステアリン酸 1.0重量% イソステアリン酸コレステル 2.0重量% ホホバ油 4.0重量% スクワラン 8.0重量% セスキオレイン酸ソルビタン 2.0重量% 1,3−ブチレングリコール 5.0重量% L−アルギニン 0.4重量% カルボキシビニルポリマー 0.2重量% 防腐剤 0.2重量% 精製水 57.2重量%
【0035】
【実施例4】下記表1に示す各種原料(玄米、米糠、8
0%精白米、玄米麹、米糠麹、及び80%精白米麹)を
製粉砕機で粉砕時の温度上昇がないように機械を冷却し
ながら粉砕し、粒度が80メッシュ以下の粉体を得た。
なお、前記原料のうち麹については、その製麹は実施例
1と同様の方法で行ったものである。得られた粉体を、
実施例1と同様にして5倍等量の水で室温にて3時間抽
出し、濾過して各種検体溶液を得た。
【0036】(1)官能テスト 上記各種検体溶液について、官能テストを行った。すな
わち、前記検体溶液を、パネラー50名(男20名、女
30名)が手に一回塗布し、30分後、1時間後、及び
2時間後のしっとり感の持続性について官能評価を行っ
た。結果を表1に示す。なお、表1中の数字は効果があ
ると感じた人の数である。
【0037】
【表1】
【0038】表1の評価結果からわかるように、麹菌を
作用させる前の玄米、米糠、80%精白米については、
塗布直後にはほとんどの人がどれもしっとり感はあると
答えているが、塗布2時間後はその効果はほとんどない
との回答が多かった。このことから、これらの原料につ
いてはしっとり感の効果は弱く、持続性もないことがわ
かる。これらに対し、麹を作用させた各種原料は、80
%精白米麹については全員がしっとり感があると答え、
塗布1時間後、2時間後についてもしっとり感はかなり
残っているとの回答であった。また、玄米麹、米糠麹に
関しても、麹を作用させた方がしっとり感の効果及びそ
の持続性ともに良いとの回答であったが、80%精白米
麹に比べて明らかに弱いことがわかる。
【0039】(2)アミノ酸度及び糖度の測定 次に、上記各種検体溶液について、保湿の効果とその持
続性に最も関係していると考えられるアミノ酸度と糖度
を測定した。その結果を表2に示す。なお、測定は、上
記官能テストに用いたものと同様に、各種原料の粉体に
5倍等量の水を加えて室温において3時間抽出し、濾過
して得られた検体溶液について行ったものである。
【0040】また、アミノ酸度は、検体10mLを取
り、フェノールフタレイン指示薬2〜3滴を加えて0.
1N水酸化ナトリウム溶液でpH6.8とし、これに中
性ホルマリン溶液5mLを加え、遊離アミノ酸を0.1
N水酸化ナトリウム溶液で淡桃色になるまで滴定して得
られた値(mL)である。
【0041】また、糖度は、検体(水で1000倍に希
釈したもの)1mLを正確に量り、フェノール溶液(水
で20倍に希釈したもの)1mLを加えて撹拌し、この
液に硫酸5mLを加えて10分間撹拌した後、20〜3
0分間室温にて放置し、波長490nmで吸光度を測定
して求めた値である。標準曲線はグルコースで作製し、
検体100mLに換算したときの値(単位:g)であ
る。
【0042】
【表2】
【0043】表2の分析結果より、麹菌を作用させるこ
とでそれぞれの原料中に含まれる蛋白質、澱粉質が麹菌
によりアミノ酸やオリゴ糖類などの比較的短い鎖の糖質
に分解され、室温において抽出されたことがわかる。米
糠麹では、アミノ酸度が高いが糖度は低く、80%精白
米麹ではアミノ酸度は低く糖度が高い。また玄米麹で
は、アミノ酸度は米糠麹の約半量で、糖度は80%精白
米麹の約2/3量である。これらの理由としては、麹菌
はアミノ酸類、ビタミン、ミネラル分などの栄養分を求
めて繁殖するため、米糠部分に主に作用し、澱粉質部分
への作用は弱いことが挙げられる。
【0044】これらの分析結果と官能評価の結果とを照
らし合わせると、肌へしっとり感を与える効果は、アミ
ノ酸類や澱粉質などが寄与していると考えられるが、し
っとり感を与える効果の持続性は、主に米澱粉質に麹菌
を作用させることで生成した糖質が寄与していることが
わかる。また、糖質成分は、室温において抽出されるこ
とより、オリゴ糖などの比較的短い鎖の糖質であること
が考えられる。このことから、所定の精白度の精白米に
麹菌を作用させることにより、肌へしっとり感を与える
効果とその持続性に優れた化粧料が得られることが判明
したといえる。
【0045】
【発明の効果】上記のように、本発明の精白米に麹菌を
作用させて生成した米麹の水抽出物は、肌へのしっとり
感、及びその持続性が顕著に優れていることがわかる。
また、米を原料としているため安価に原料供給ができ、
さらに肌へのなじみもよく、人体への安全性も高いもの
である。よって、本発明品の化粧料としての有用性は明
らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 賢一 徳島県徳島市北矢三町2丁目3番16号 徳 島精工株式会社内 (72)発明者 山崎 啓子 香川県大川郡大内町三本松567番地 帝國 製薬株式会社内 (72)発明者 野崎 恵司 香川県大川郡大内町三本松567番地 帝國 製薬株式会社内 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AA122 AC022 AC102 AC122 AC242 AC432 AC442 AC582 AD092 AD492 CC01 CC04 CC05 DD23 DD27 DD31 EE12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精白度90〜50%の精白米から得られ
    る米麹の水抽出物を含有することを特徴とする化粧料。
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