JP2001088457A - 平版印刷用原板 - Google Patents

平版印刷用原板

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JP2001088457A
JP2001088457A JP27136899A JP27136899A JP2001088457A JP 2001088457 A JP2001088457 A JP 2001088457A JP 27136899 A JP27136899 A JP 27136899A JP 27136899 A JP27136899 A JP 27136899A JP 2001088457 A JP2001088457 A JP 2001088457A
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Japan
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hydrophilic
group
layer
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lithographic printing
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JP27136899A
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English (en)
Inventor
Kiyotaka Fukino
清隆 吹野
Keiji Akiyama
慶侍 秋山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザー露光を用いるヒートモードの製版方式
にあって、短時間での走査露光ののちに現像処理を行う
ことなく直接に印刷機に装着して製版することが可能で
あり、しかも耐刷性にすぐれ、印刷面上の印刷汚れも少
なく、画像部と非画像部との識別性を向上させたヒート
モード型の平版印刷版用原板を提供することにある。 【解決手段】疎水性の薄層を基板上に設け、さらに親水
性の光熱変換剤を含有する親水性の感光層を上層として
設けたことを特徴とする平版印刷用原板が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現像不要で耐刷性
に優れた平版印刷用の直接製版が可能な感熱平版印刷用
原板に関する。より詳しくは、ディジタル信号に基づい
た走査露光による画像記録も可能であり、且つ水現像も
可能で、または現像することなくそのまま印刷機に装着
し印刷することが可能な平版印刷版用原板に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版は、印刷過程でイン
クを受容する親油性の画像部と湿し水を受容する親水性
の非画像部とからなる。このような平版印刷版用原板と
しては、従来から、親水性支持体上に親油性の感光性樹
脂層を設けたPS版が広く用いられている。その製版方
法として、通常はリスフイルムなどの画像を通して露光
を行った後、非画像部を現像液によって溶解除去する方
法であり、この方法により所望の印刷版を得ている。
【0003】従来のPS版に於ける製版工程は、露光の
後、非画像部を溶解除去する操作が必要であり、このよ
うな付加的な湿式の処理を不要化又は簡易化すること
が、従来技術に対して改善が望まれてきた一つの課題で
ある。特に近年は、地球環境への配慮から湿式処理に伴
って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事
となっているので、この面での改善の要請は一層強くな
っている。
【0004】この要望に応じた簡易な製版方法の一つと
して、印刷版用原板の非画像部の除去を通常の印刷過程
の中で行えるような画像記録層を用い、露光後、印刷機
上で現像し最終的な印刷版を得る方法が提案されてい
る。このような方法による平版印刷版の製版方式は機上
現像方式と呼ばれる。具体的方法としては、例えば、湿
し水やインク溶剤に可溶な画像記録層の使用、印刷機中
の圧胴やブランケット胴との接触による力学的除去を行
う方法等が挙げられる。しかしながら、機上現像方式の
大きな問題としては、印刷用原板は、露光後も画像記録
層が定着されないため、例えば印刷機に装着するまでの
間原板を完全に遮光状態又は恒温条件で保存する、とい
った手間のかかる方法をとる必要があった。
【0005】一方、近年のこの分野のもう一つの動向と
しては、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処
理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く普及して
きており、このような、ディジタル化技術に対応した、
新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきて
いる。これに伴い、レーザ光のような高収斂性の輻射線
にディジタル化された画像情報を担持してこの光で原板
を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接印
刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート技術が注
目されている。それに伴ってこの目的に適応した印刷版
用原板を得ることが重要な技術課題となっている。した
がって、製版作業の簡素化、乾式化、無処理化は、上記
した環境面と、ディジタル化への適合化の両面から、従
来にも増して、強く望まれるようになっている。
【0006】デジタル化技術に組み込みやすい走査露光
による印刷版の製造方法として、最近、半導体レーザ、
YAGレーザ等の固体レーザで高出力のものが安価に入
手できるようになってきたことから、特にこれらのレー
ザを画像記録手段として用いる製版方法が有望視される
ようになっている。従来方式の製版方法では、感光性原
板に低〜中照度の像様露光を与えて光化学反応による原
板面の像様の物性変化によって画像記録を行っている
が、高出力レーザを用いた高パワー密度の露光を用いる
方法では、露光領域に瞬間的な露光時間の間に大量の光
エネルギーを集中照射して、光エネルギーを効率的に熱
エネルギーに変換し、その熱により化学変化、相変化、
形態や構造の変化などの熱変化を起こさせ、その変化を
画像記録に利用する。つまり、画像情報はレーザー光な
どの光エネルギーによって入力されるが、画像記録は熱
エネルギーによる反応によって記録される。通常、この
ような高パワー密度露光による発熱を利用した記録方式
はヒートモード記録と呼び、光エネルギーを熱エネルギ
ーに変えることを光熱変換と呼んでいる。
【0007】ヒートモード記録手段を用いる製版方法の
大きな長所は、室内照明のような通常の照度レベルの光
では感光せず、また高照度露光によって記録された画像
は定着が必須ではないことにある。つまり、画像記録に
ヒートモード感材を利用すると、露光前には、室内光に
対して安全であり、露光後にも画像の定着は必須ではな
い。従って、例えばヒートモード露光により不溶化若し
くは可溶化する画像記録層を用い、露光した画像記録層
を像様に除去して印刷版とする製版工程を機上現像方式
で行えば、現像(非画像部の除去)は、たとえ画像露光
後ある時間室内の環境光に暴露されても、画像が影響を
受けないような印刷システムが可能となる。従ってヒー
トモード記録を利用すれば、現像操作を必要としない平
版印刷版用原板を得ることも可能となると期待される。
【0008】ヒートモード記録に基づく平版印刷版の好
ましい製造法の一つとして、親水性の基板上に疎水性の
画像記録層を設け、画像状にヒートモード露光し、疎水
性層の溶解性・分散性を変化させ、必要に応じ、湿式現
像により非画像部を除去する方法が提案されている。こ
のような原板の例として、例えば、特公昭46ー279
19号公報には、親水性支持体上に、熱により溶解性が
向上するいわゆるポジ作用を示す記録層、具体的には糖
類やメラミンホルムアルデヒド樹脂等の特定の組成を有
する記録層を設けた原板をヒートモード記録することに
よって、印刷版を得る方法が開示されている。しかしな
がら、この記録層は感熱性が十分でないため、ヒートモ
ード走査露光に対しては、感度が不十分で、したがって
画像部と非画像部の識別性に乏しかった。
【0009】一方、EP94/18005号には、親水
性架橋層と親油性の光熱変換層を支持体上に担持した、
同様に現像せずに製版することが可能な、平版印刷原板
が開示されている。しかしながら、製版には架橋された
親水性層を像様に擦りとる操作が必要と記されており、
簡易性の点で問題があるように思われる。
【0010】また、WO98/40212号には、金属
酸化物コロイドを含む親水性層と光熱変換物質を含む親
油性画像記録層を基板上に設けた、現像することなく製
版することが可能な、平版印刷原板が開示されている。
しかし、少なくとも本発明者は、光熱変換層が親油性で
ある場合には、画像部と非画像部との識別性を確保する
のに多くの解決するべき点があると考えている。
【0011】WO99/04974号には、染料や顔料
などの光変換性でインキ受容性の光吸収物質と、金属や
金属酸化物のコロイド状分散物とを含む親水性画像記録
層を基板上に設けた、現像することなく製版することが
可能な、平版印刷原板が開示されている。しかし、具体
的な光熱変換剤としては、光吸収性のカチオン染料2種
とカーボンブラックの例が開示されているだけである。
【0012】特開平6−199064号公報には、光熱
変換剤を含む層とその層とは親水性・疎水性の程度の異
なる層とを組み合わせて用いる2層構成のレーザー光記
録による平版印刷原板が提示されており、これらは今後
さらなる改良を進めるべき方法を示唆するものである。
【0013】また、従来のヒートモードポジ方式原板に
は別の大きな問題として非画像部における残膜と呼ばれ
る現象がある。即ち、記録層中の支持体近傍での露光に
よる溶解性変化が、記録層表面近傍に比較して小さいた
めに支持体近傍の膜物質が溶解し去らないで残るという
欠陥が起こりがちで、その点の改良が必要であった。一
般にヒートモードポジ型原板においては、ヒートモード
露光時の熱の発生は記録層中の光吸収剤の光吸収に基く
ものであるため、熱の発生量は記録層表面で大きく、支
持体近傍では小さいことが多い。このため、支持体近傍
での記録層の親水化の程度が比較的低くなってしまうも
のである。結果として、しばしば、本来、親水性表面を
提供すべき露光部において、疎水性の膜が除去されきれ
ずに残膜となることがあった。このような、非画像部の
残膜は、印刷物に印刷汚れを引き起こす。従来から、し
ばしば用いられている光熱変換層と画像記録層を機能分
離させた重層方式は、この点で不利な方向である。
【0014】上記したヒートモードの画像記録による製
版・印刷技術の経緯に示されるように、この製版・印刷
方法の特徴的な利点は、版下からフィルムを介すること
なく直接に刷版を作ることができ、したがって機上で製
版することも可能であり、現像操作を省くこともできる
ことであるが、一方、ヒートモード感度の不足や、熱に
よる画像物質拡散、画像記録層の表面と底部での感度の
相違などの弱点を有している。これらの弱点は基本的に
は画像部と非画像部との識別性の不足を招来する欠陥で
あり、したがって印刷品質や耐刷性に直結する欠陥でも
ある。したがってヒートモードの画像記録を利用する製
版・印刷方法の、印刷品質と耐刷性の両面を向上させる
ための基本的な方策は、識別性を向上させることに尽き
るといえる。その解決によってその他の色々な表現で上
記した欠陥も自ずから解決すると期待できる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、レー
ザー露光を用いるヒートモードの製版方式の前記した利
点を損なうことなく、その欠陥を解決することであり、
すなわち、走査露光ののちに現像処理を行うことなく直
接に印刷機に装着して製版することが可能であり、しか
も耐刷性にすぐれ、印刷面上の印刷汚れも少ないヒート
モード型の平版印刷版用原板を提供することにある。本
発明の他の目的は、耐刷性にすぐれ、印刷汚れも少ない
具体的方策として、画像部と非画像部との識別性を向上
させたヒートモード型の平版印刷版用原板を提供するこ
とにある。本発明者は、前記した先行技術が上記の課題
に応えられていない原因を解明する過程において、表面
が親水性である光熱変換性の微粒子あるいは親水性の光
熱変換性を含有する親水性の画像記録層を用いると、耐
刷性にすぐれ、印刷面上の印刷汚れも少ないことを見い
だした。しかし、市場の要請を満たすためには、さらに
高いレベルで課題に応える必要があった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の親水
性画像記録層と支持体の間に疎水性の薄層を設けること
が画像部と非画像部との識別性を向上させ、耐刷性と印
刷品質を高めることを見いだして、その具体化を進めて
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の
通りである。
【0017】1.疎水性の薄層を基板上に設け、さらに
親水性の光熱変換剤を含有する親水性の感光層を上層と
して設けたことを特徴とする平版印刷用原板。
【0018】2.親水性の光熱変換剤が、表面が親水性
の光熱変換性の微粒子であることを特徴とする上記1に
記載の平版印刷用原板。
【0019】3.親水性の光熱変換剤が、表面が親水性
染料であることを特徴とする上記1に記載の平版印刷用
原板。
【0020】4.親水性の感光層の媒質が、ゾルゲル変
換性であることを特徴とする上記1〜3のいずれか1項
に記載の平版印刷用原板。
【0021】5.レーザー光の照射により、原板の上層
が消失し、下層が表面に露出することによって画像記録
がなされることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記
載の平版印刷用原板。
【0022】6.表面に水溶性保護層を設けたことを特
徴とする上記1〜5のいずれか1項に記載の平版印刷用
原板。
【0023】本発明の印刷原板の構成及び性能の特徴
は、第1にヒートモードの感光層が、親水性媒質からな
っており、かつその中に含まれる光熱変換剤も親水性物
質であり、具体的には少なくとも表面が親水性の微粒子
あるいは親水性の色素からなっており、したがって感光
層の親水性の程度が極めて高いことである。第2には、
親水性の感光層の下に疎水性の薄層を設けたことで、意
外にもこれが識別性をさらに高めており、また感度も向
上させている。しかも、ヒートモードの画像記録方式の
本来の現像不要その他の簡易性や、機上製版可能性など
の長所を具備していることである。
【0024】光熱変換剤は、感光層の媒質に吸着あるい
は分子分散状態で含まれる親水性染料、例えば親水性の
赤外線吸収色素、又は少なくとも表面が親水性の感光層
の媒質に分散しうる微粒子、例えば金属、金属化合物、
顔料など光熱変換機能を有する固体微粒子であり、いず
れも本発明の目的に適うが、特に後者の場合に効果が発
揮される。表面親水性とすることによって、感光層中へ
の分散安定性を高く維持できるほか、感光層の親水性度
も向上して識別性に寄与している。また露光の際に照射
領域内の温度上昇も円滑に行われて残膜の減少にも寄与
している。疎水性の光熱変換性微粒子の表面親水性化
は、後述するような例えばシリケート処理などの表面処
理によって行われる。
【0025】感光層は、親水性であるほど好ましいの
で、感光層の媒質としては親水性度の高い物質系である
ゾルゲル変換性の物質系を用いることがとくに望まし
い。また、本発明の印刷用原板の画像記録の過程は、レ
ーザー光などのヒートモード光源からの照射によって照
射部が加熱され、上層の感光層がその熱によって除去さ
れて支持体と感光層の間に存在する疎水性層が露出す
る。したがって非照射部の親水性の感光層と照射部の疎
水性層とによって像様の極性分布が形成されて優れた識
別性をもつ印刷版となる。
【0026】なお、WO99/19143号及びWO9
9/19143号公報では、支持体上に親油性層とその
上に光熱変換剤を含む親水性層を設けた平版印刷用原板
が記載されているが、WO99/19143号には親水
性層に添加される光熱変換剤は、親油性層に添加される
光熱変換剤と同じ種類のものであると記載されており、
実際に上記2つの公報共に親水性層に添加されている光
熱変換剤の具体例は疎水性染料と疎水性カーボンブラッ
クなどであり、本発明とは、実施の形態を異にするだけ
でなく、「親水性層に親水性表面を有する光熱変換剤粒
子又は親水性光熱変換性染料を含有させることによって
印刷汚れをなくし、耐刷性を向上させ得る」という本発
明の技術思想を示唆していない。
【0027】
〔親水性感光層〕
(親水性の光熱変換剤)本発明における光熱変換剤は、
吸光度が少なくとも0.3×103 cm-1の物質を指して
おり、好ましくは1×103cm-1以上、より好ましくは
1×104cm-1以上でかつ吸収光は実質的に蛍光や燐光
に変換されない物質を指す。なお、吸光度は透過濃度を
厚みで除した価である。いうまでもなく、多くの物質は
多少とも光を吸収し、光を吸収すればそれによって励起
したその物質のエネルギー準位は、基底準位に戻るとき
に蛍燐光を発しないかぎり、熱の放出となるので厳密に
は殆どの物質がたとえ僅かではあっても光熱変換作用を
持っているといえる。したがって、光熱変換性の物質と
いう場合には、目的とする熱変化をもたらすことができ
る大きさの光吸収特性を有する物質を指すのが適切であ
り、本発明における光熱変換物質は、その目的から少な
くとも上記の吸光度を持っている物質を意味している。
【0028】一方、本発明で用いる光熱変換剤は、それ
自体が親水性又は少なくとも表面が親水性の光熱変換性
微粒子<以下まとめて光熱変換性微粒子という>の場合
と、親水性で感光層の媒質に染着または分子分散する光
熱変換性の色素<以下赤外吸収染料という>の場合があ
る。以下この両者について順次説明する。
【0029】<光熱変換性微粒子>光熱変換性微粒子
は、表面の「親水性」の程度は、「表面親水性度」によ
って示され、その「表面親水性度」(以下単に親水性度
ということもある)は以下の方法で求められる。すなわ
ち、光熱変換材料を120℃で20時間真空脱気処理し
たのち、サンプルを25℃に保持して水蒸気の吸着等温
線を測定する。ラングミュアの式を使用し算出した水の
単分子吸着量と水の吸着断面積から親水性の表面積(S
2O)を求める。親水性度(%)は、窒素を使用して
測定した光熱変換材料の表面積(SN2)を使用し、
(SH2O/SN2)×100で定義されている。光熱変
換材料の親水性度は、光熱変換材料表面に生成した官能
基(例;>Si−OHなど)によるものと考えている。
本発明において、親水性の光熱変換性微粒子の表面親水
性度は30%以上が好ましく、50%〜100%がより
好ましい。
【0030】本発明に用いられる上記の要件を満たした
光熱変換性微粒子は、金属、金属酸化物、金属窒化物、
金属硫化物、金属炭化物等の金属化合物、非金属単体、
及び顔料のいずれであってもよい。また、別の観点から
は、本発明に使用する光熱変換性の微粒子は、前記した
ようにそれ自体が疎水性の物質からなるものも、親水性
の物質からなるものも、また中間的なものもあって、そ
れぞれに利点を有している。
【0031】それ自体が親水性の光熱変換性微粒子 それ自体が親水性の物質からなる光熱変換性の微粒子に
ついて述べる。この微粒子の好ましい構成物質は、無機
金属酸化物及び無機金属窒化物が挙げられる。
【0032】好ましい無機金属酸化物としては、TiO
x (x=1.0〜2.0)、SiO x (x=0.6〜
2.0)、AlOx (x=1.0〜2.0)が挙げられ
る。TiOx (x=1.0〜2.0)には、黒色のTi
O、黒紫色のTi2 3 、結晶形と狭雑物によって無色
から黒色までの種々の色を呈するTiO2 類がある。S
iOx (x=0.6〜2.0)には、SiO、Si3
2 、無色あるいは共存物質によって紫、青、赤などの色
を示すSiO2 が挙げられる。また、AlOx (x=
1.5)には、無色あるいは共存物質によって赤、青、
緑などに呈色するコランダムなどが挙げられる。
【0033】それ自体親水性の好ましい無機金属窒化物
には、TiNx (x=1.0〜2.0)、SiNx (x
=1.0〜2.0)、AlNx (x=1.0〜2.0)
などが挙げられる。TiNx (x=1.0〜2.0)と
しては、青銅色のTiNや褐色のTiNx (x=1.
3)が挙げられる。SiNx (x=1.0〜2.0)と
しては、Si2 3 ,SiN,Si3 4 が挙げられ
る。また、AlNx (x=1.0〜2.0)にはAlN
などを挙げることができる。
【0034】これら親水性の金属化合物の粒子サイズ
は、粒子を構成する物質の屈折率や吸光係数によって最
適サイズがことなるが、一般に0.01〜10μmであ
り、好ましくは0.02〜5μmである。粒子サイズ
が、微小に過ぎると光散乱により、粗大に過ぎると粒子
界面反射により、光吸収の非効率化がおこる。また こ
れら親水性の金属化合物は、それ自体で感光層を形成し
てもよく、また親水性媒体に直接分散して、あるいは次
に述べるように表面を親水性物質で被覆してから親水性
媒体に分散したのち、感光層を形成してもよい。
【0035】表面親水化処理した金属及び金属化合物
微粒子 次に親水性の程度が十分ではない微粒子や疎水性の微粒
子は、表面を親水性化処理して使用する。この種の光熱
変換性微粒子は、金属単体及び合金、金属酸化物及び金
属窒化物などの無機金属化合物、顔料、無機単体て述べ
る。
【0036】この種の好ましい金属化合物は、遷移金属
の酸化物及び周期律表の2〜8族の金属元素の硫化物で
ある。遷移金属酸化物には鉄、コバルト、クロム、マン
ガン、ニッケル、モリブデン、テルル、ニオブ、イット
リウム、ジルコニウム、ビスマス、ルテニウム、バナジ
ウム、銀などの酸化物が含まれる。また、必ずしも遷移
金属に含めない分類法もあるが、亜鉛、水銀、カドミウ
ムの酸化物も本発明に用いることができる。これらの中
では、FeO,Fe2 3 ,Fe3 4 ,CoO,Cr
2 3 ,MnO2 ,ZrO2 ,Bi2 3 ,CuO,C
uO2 ,AgO,PbO,PbO2 、VOx (x=1〜
5)がとくに好ましい金属酸化物の例として挙げられ
る。VOx には、黒色のVO、V2 3 、VO2 、や褐
色のV2 5 が挙げられる。
【0037】金属酸化物が多価金属の低次酸化物の場合
は、光熱変換物質であって、かつ自己発熱型の空気酸化
反応物質でもある場合がある。その場合は、光吸収した
エネルギーのほかに自己発熱反応の結果発生した熱エネ
ルギーも利用できるので、好ましい。これらの多価金属
の低次酸化物は、Fe,Co,Niなどの低次酸化物が
挙げられる。具体的には、酸化第一鉄、四三酸化鉄、一
酸化チタン、酸化第一錫、酸化第一クロムなどが挙げら
れる。その中でも酸化第一鉄、四三酸化鉄及び一酸化チ
タンが好ましい。
【0038】光熱変換性微粒子が金属硫化物からなる場
合、好ましい金属硫化物は、遷移金属などの重金属硫化
物である。中でも好ましい硫化物には鉄、コバルト、ク
ロム、マンガン、ニッケル、モリブデン、テルル、スト
ロンチウム、錫、銅、銀、鉛、カドミウムの硫化物が挙
げられ、とりわけ、硫化銀、硫化第一鉄及び硫化コバル
トが好ましい。
【0039】光熱変換性微粒子が金属窒化物からなる場
合、好ましい金属窒化物は、金属のアジド化合物であ
る。とくに銅、銀及び錫のアジド化物が好ましい。これ
らのアジド化合物は、光分解によって発熱する自己発熱
性化合物でもある。
【0040】上記の各金属酸化物及び硫化物は、いずれ
も公知の製造方法によって得られる。また、チタンブラ
ック、鉄黒、モリブデン赤、エメラルドグリーン、カド
ミウム赤、コバルト青、紺青、ウルトラマリンなどの名
称で市販されているものも多い。
【0041】自己発熱反応が起こるかどうかは、示差熱
天秤(TG/DTA)により容易に確認することができ
る。示差熱天秤に、自己発熱反応物質を挿入して、温度
を一定速度で上昇させていくと、ある温度で発熱ピーク
が出現して発熱反応が起こったことが観測される。金属
あるいは低次酸化金属の酸化反応を自己発熱反応として
用いた場合、発熱ピークが現れるとともに、熱天秤では
重量が増えることも同様に観測される。繰り返しになる
が、光・熱変換機構に加えて自己発熱反応エネルギーを
利用することにより、従来よりも単位輻射線量当たり、
より多くの熱エネルギーを、しかも持続的に利用するこ
とができ、そのために感度を向上させることができる。
【0042】次に、光熱変換性の金属微粒子について述
べる。金属粒子の多くは、光熱変換性であってかつ自己
発熱性でもある。金属微粒子としては、Mg、Al、S
i、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、、C
u、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、
Ru、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、T
a、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Pb等の微粒
子が含まれる。これらの金属微粒子は光熱変換性である
と同時に自己発熱性でもある。この中でも、吸収光の光
熱変換によって得た熱エネルギーにより、酸化反応等の
発熱反応を容易に起こすものが好ましく、具体的には、
Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、Cu、Zn、Y、Zr、Mo、Ag、In、Sn、
Wが好ましい。その中でもとくに輻射線の吸光度が高
く、自己発熱反応熱エネルギーの大きいものとして、F
e、Co、Ni、Cr、Ti、Zrが好ましい。また、
これらの金属単体のみでなく、2成分以上で構成されて
いてもよく、また、金属と前記した金属酸化物、窒化
物、硫化物及び炭化物等で構成されていてもよい。金属
単体の方が酸化等の自己発熱反応熱エネルギーは大きい
が、空気中での取り扱いが煩雑で、空気に触れると自然
発火する危険があるものもある。そのような金属粉体
は、表面から数nmの厚みは金属の酸化物、窒化物、硫
化物、炭化物等で覆われている方が好ましい。これらの
粒子の粒径は、10μm以下、好ましくは、0.005
〜5μm、さらに好ましくは、0.01〜3μmであ
る。0.01μm以下では、粒子の分散が難しく、10
μm以上では、印刷物の解像度が悪くなる。
【0043】以上に述べた弱親水性又は疎水性無機金属
化合物、金属単体及び合金の微粒子は、表面を親水性化
処理することによって、本発明の効果が発揮される。表
面親水性化の手段は、親水性でかつ粒子への吸着性を有
する化合物、例えば界面活性剤で表面処理したり、粒子
の構成物質と反応する親水性基をもつ物質で表面処理し
たり、保護コロイド性の親水性高分子皮膜を設けるなど
の方法をを用いることができる。とくに好ましいのは、
表面シリケート処理であり、例えば、鉄微粒子や四三酸
化鉄微粒子の場合は、70°Cの珪酸ナトリウム(3
%)水溶液に30秒浸漬する方法によって表面を十分に
親水性化することができる。他の金属微粒子や金属酸化
物微粒子も同様の方法で表面シリケート処理を行うこと
ができる。表面のアルミネート処理、チタネート処理な
どの親水性化も、同様の方法で、あるいはピロリン酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの表
面エッチング助剤などを併用して行うことが出来る。こ
の中でも、表面を親水性化した金属酸化物微粒子、とく
に表面をシリケート処理して金属酸化物微粒子、とりわ
け、表面をシリケート処理した鉄酸化物や鉄の微粒子
は、本発明の効果の好ましい態様である。
【0044】非金属単体 本発明では、上記の金属化合物及び金属のほかに、非金
属単体及び非金属化合物の光熱変換性微粒子も用いられ
る。これらの光熱変換性微粒子には、カーボンブラッ
ク、黒鉛(グラファイト)、骨炭(ボーンブラック)な
どの単体粒子のほか各種の有機、無機顔料が挙げられ
る。これらはそれ自体の多くは疎水性であり、表面に親
水性の被覆を設ける処理が必要である。
【0045】表面親水性化には、従来公知の任意の方法
を用いることができる。たとえば、カーボンブラック粒
子の表面は、水酸基導入処理あるいはシリケート処理を
施すことによって親水性化できる。具体的には、あらか
じめ乾燥したカーボンブラック粒子10gを10-2Torr
以下に減圧にした反応容器に入れて脱気したのち、水蒸
気を流して、反応容器を回転さながら、出力20Wでプ
ラズマ照射を1時間行って水酸基導入カーボンブラック
が得られる。この段階で親水性化が進んでいるが、さら
に高度に親水性化するには、得られた水酸基導入カーボ
ンブラック1.5gを水40mLに分散させ、テトラエ
トキシシラン3mLを滴下させて2乃至6時間室温にて
反応させる(反応時間が長いほど表面親水性度が増加す
る)。また、このとき塩酸又はアンモニアを触媒として
添加してもよい。反応終了後、反応物を水洗し、乾燥さ
せて表面シリケート処理したカーボンブラックが得られ
る。この過程では、テトラエトキシシランが水酸基導入
カーボンブラックの水酸基と脱アルコール結合したの
ち、残りのエトキシ基も加水分解して表面シリケート化
されると考えられている。
【0046】一つの参考例ではあるが、上記の方法によ
って親水性化したカーボンブラックの粒子表面の親水性
度に関しては、もとのカーボンブラック粒子は4%,水
酸基導入カーボンブラックは35%,表面シリケート処
理したカーボンブラック(反応時間6時間、無触媒)は
90%であった。
【0047】表面親水性の顔料 本発明には、それ自体が親水性であるか又は少なくとも
表面が親水性であり、かつ画像形成用の照射光に対して
光熱変換性の微粒子分散性の任意の顔料を用いることが
できる。顔料は、金属錯体顔料、非金属顔料のいずれで
あってもよい。
【0048】好ましい顔料は、コバルトグリーン(C.
I.77335),エメラルドグリーン(C.I.77
410),フタロシアニンブル−(C.I.7410
0),銅フタロシアニン(C.I.74160),ウル
トラマリン(C.I.77007),紺青(C.I.7
7510),コバルト紫(C.I.77360),パリ
オジェン赤310(C.I.71155),パーマネン
トレッドBL(C.I.71137),ペリレン赤
(C.I.71140),ローダミンレーキB(C.
I.45170:2),ヘリオボルドーBL(C.I.
14830),ライトファーストレッドトーナーR
(C.I.12455),ファーストスカーレットV
D、リゾールファーストスカーレットG(C.I.12
315),パーマネントブラウンFG(C.I.124
80),インダンスレンブリリアントオレンジRK
(C.I.59300),赤口黄鉛(C.I.7760
1),ハンザイエロー10G(C.I.11710),
チタンイエロー(C.I.77738),亜鉛黄(C.
I.77955),クロムイエロー(C.I.7760
0)などが挙げられるほか、静電記録用トナーに用いら
れる各種の顔料も好ましく用いることができる。
【0049】顔料についても、それ自体が親水性のもの
以外は、それ自体が親水性ではない金属化合物、金属及
び炭素単体粒子の場合について前記した方法と同じ表面
親水性化処理を行う必要がある。
【0050】画像形成層において、光熱変換性の微粒子
の含有量は、固形の構成成分の1〜95重量%であり、
好ましくは、3〜90重量%、より好ましくは、5〜8
0重量%である。1重量%以下では発熱量が不足し、9
5重量%以上では膜強度が低下する。
【0051】<親水性の染料>光熱変換剤としては、照
射光の分光波長領域に光吸収域を有する、かつ親水性媒
質に対して染着性又は分子分散性である親水性染料を用
いることもできる。好ましい染料は、IR(赤外線)吸
収剤であり、具体的には、水溶性基を分子内に有する染
料で、かつポリメチン色素、シアニン色素、スクアリリ
ウム色素、ピリリウム色素、ジインモニウム色素、フタ
ロシアニン化合物、トリアリールメタン色素、金属ジチ
オレンから選ばれる染料である。これらのうち更に好ま
しいものとしては、ポリメチン色素、シアニン色素、ス
クアリリウム色素、ピリリウム色素、ジインモニウム色
素、フタロシアニン化合物であり、その中でも合成適正
の観点からポリメチン色素、シアニン色素、フタロシア
ニン化合物がもっとも好ましい。また、好ましい水溶性
基としては、スルホン酸基、カルボキシル基及びホスホ
ン酸基である。本発明に用いられるIR吸収剤の具体例
を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0052】
【化1】
【0053】
【化2】
【0054】
【化3】
【0055】
【化4】
【0056】
【化5】
【0057】
【化6】
【0058】本発明において、これらの赤外線吸収剤を
用いる場合、その添加量は、感光層の全固形分中、6重
量%以上であり、好ましくは10重量%以上、特に好ま
しくは15重量%以上で用いられる。赤外線吸収剤の含
有量が6重量%未満であると感度が低くなってしまう。
【0059】画像形成層(感光層)中に含まれる光熱変
換性の微粒子の含有量は、固形の構成成分の2重量%〜
95重量%であり、好ましくは、5〜90重量%であ
る。2重量%以下では発熱量が不足し、95重量%以上
では膜強度が低下する。
【0060】また、本発明の効果を発揮するためには、
光熱変換性の物質が前記した吸光度を持っていることに
加えて、この光熱変換性の物質を含んだ感光層中も、光
熱変換作用が効果的に起るのに必要なレベルの光吸収能
すなわち光熱変換性物質濃度を有している必要がある。
その必要な光吸収能は、光熱変換が可能な300〜12
00nmの分光波長領域中に吸光度が0.3以上の分光
吸収域を有することであるが、具体的には画像形成用の
照射光の波長域(単波長光の場合は、その波長を中心と
する100nm幅の波長域)に吸光度が0.3以上の吸
収極大を有するか、又はこの波長域に吸収極大を有しな
くても吸光度が0.3以上の連続した100nm以上の
分光波長域が存在していることを意味する。この光吸収
能の条件を満たしておれば、この吸光波長域に相当する
波長の像様露光を行うことによって感光度が増大して識
別性が向上する。
【0061】また、画像形成層の透過濃度は、国際規格
ISO5-3 及び ISO5-4 に準拠して測定したときに0.3
〜3.0であることが好ましい。透過濃度が3.0を超
えると輻射線のアテニユエーションの結果、画像層の底
部の輻射線強度の低下が著しくなって疎水性への変化が
起こりにくくなる。また、透過濃度が0.3以下では、
輻射線エネルギーの吸収が十分でなく、光・熱変換によ
って得られる熱エネルギーの量が不十分となりやすい。
【0062】(親水性媒質)以上に、光熱変換剤につい
て述べた。つぎにこれらの系を含んだ感光層の親水性媒
質について述べる。本発明において、もっとも単純な感
光層の構成では、親水性の光熱変換剤のみで構成される
場合がある。しかし、多くの態様では、感光層の構成
は、親水性の光熱変換剤が、親水性の媒質の層に分散あ
るいは溶解している系である。
【0063】親水性の媒質の層は、親水性高分子の層あ
るいは親水性ゾルゲル変換系媒質の層であることが望ま
しい。そのなかでもポリシロキサンのゲル組織を形成す
る性質を有するゾルゲル変換系が親水性度が高く、好ま
しい。以下に、感光層のこれらの媒質について説明す
る。
【0064】<ゾルゲル変換系の媒質(結着剤)>本発
明の感光層のとくに好ましい媒質は、以下に述べるゾル
ゲル変換系である。本発明に好ましく適用できるゾルゲ
ル変換が可能な系は、多価元素から出ている結合基が酸
素原子を介して網目状構造を形成し、同時に多価金属は
未結合の水酸基やアルコキシ基も有していてこれらが混
在した樹脂上構造となっている高分子体であって、アル
コキシ基や水酸基が多い段階ではゾル状態であり、親水
性であるが、エーテル結合化が進行するのに伴って網目
状の樹脂構造が強固となり、3次元のゲル構造化して行
く性質を持っている。また、樹脂組織の親水性度が変化
する性質に加えて、水酸基の一部が共存する固体微粒子
に結合することによって固体微粒子の表面を修飾し、親
水性度を変化させる働きをも併せ持っている。ゾルゲル
変換を行う水酸基やアルコキシ基を有する化合物の多価
元素は、アルミニウム、珪素、チタン及びジルコニウム
などであり、これらはいずれも本発明に用いることがで
きるが、以下はもっとも好ましく用いることのできるシ
ロキサン結合によるゾルゲル変換系について説明する。
アルミニウム、チタン及びジルコニウムを用いるゾルゲ
ル変換は、下記の説明の珪素をそれぞれの元素に置き換
えて実施することができる。
【0065】以下に、ゾルゲル変換を利用する系につい
てさらに説明する。ゾルゲル変換によって形成される好
ましくはシロキサン結合およびシラノール基を有する樹
脂であり、本発明の平版印刷版用原版の感光層は、少な
くとも1個のシラノール基を有するシラン化合物を含ん
だゾルの系であり、塗布後の経時の間に、シラノール基
の加水分解縮合が進んでシロキサン骨格の構造が形成さ
れ、ゲル化が進行する。そのゾルゲル変換によって形成
される層は、親水性の程度が高く、したがって疎水性化
領域との識別性が大きくなるので、本発明の利点として
挙げられる特長である。このゲル構造の媒質のなかに後
に述べる有機高分子など物理性向上、塗布性の改良など
の目的の素材が添加されて構成された画像記録層が好ま
しく用いられる。ゲル構造を形成するシロキサン樹脂
は、下記一般式(I)で、また少なくとも1個のシラノ
ール基を有するシラン化合物は、下記一般式(II)で示
される。また、感光層に含まれる親水性から疎水性に変
化する物質系は、必ずしも一般式(II)のシラン化合物
単独である必要はなく、一般には、シラン化合物が部分
加水重合したオリゴマーからなっていてもよく、あるい
は、シラン化合物とそのオリゴマーの混合組成であって
もよい。
【0066】
【化7】
【0067】上記一般式(I)のシロキサン系樹脂は、
下記一般式(II)で示されるシラン化合物の少なくとも
1種を含有する分散液からゾル−ゲル変換によって形成
され、一般式(I)中のR01〜R03の少なくとも一つは
水酸基を表し、他は下記一般式(II)中の記号のR0
びYから選ばれる有機残基を表わす。
【0068】一般式(II) (R0nSi(Y)4-n 一般式(II)中、R0は、水酸基、炭化水素基又はヘテ
ロ環基を表わす。Yは水素原子、ハロゲン原子、−OR
1、−OCOR2、又は、−N(R3)(R4)を表す(R
1、R2は、各々炭化水素基を表し、R3、R4は同じでも
異なってもよく、水素原子又は炭化水素基を表す)。n
は0、1、2又は3を表わす。
【0069】一般式(II)中のR0は、水酸基以外で
は、炭素数1〜12の置換されてもよい直鎖状もしくは
分岐状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基
等;これらの基に置換される基としては、ハロゲン原子
(塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、
チオール基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、エポ
キシ基、−OR'基(R'は、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル
基、オクテニル基、2−ヒドロキシエチル基、3−クロ
ロプロピル基、2−シアノエチル基、N,N−ジメチル
アミノエチル基、2−ブロモエチル基、2−(2−メト
キシエチル)オキシエチル基、2−メトキシカルボニル
エチル基、3−カルボキシプロピル基、ベンジル基等を
示す)、
【0070】−OCOR"基(R"は、前記R'と同一の
内容を表わす)、−COOR”基、−COR"基、−N
(R''')( R''' )(R''' は、水素原子又は前記R'
と同一の内容を表わし、各々同じでも異なってもよ
い)、−NHCONHR"基、−NHCOOR"基、−S
i(R")3 基、−CONHR''' 基、−NHCOR"
基、等が挙げられる。これらの置換基はアルキル基中に
複数置換されてもよい)、炭素数2〜12の置換されて
もよい直鎖状又は分岐状のアルケニル基(例えば、ビニ
ル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキ
セニル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基
等、これらの基に置換される基としては、前記アルキル
基に置換される基と同一の内容のものが挙げられる)、
炭素数7〜14の置換されてもよいアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基等;これ
らの基に置換される基としては、前記アルキル基に置換
される基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置換さ
れてもよい)、
【0071】炭素数5〜10の置換されてもよい脂環式
基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2
−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル
基、ノルボニル基、アダマンチル基等、これらの基に置
換される基としては、前記アルキル基の置換基と同一の
内容のものが挙げられ、又複数置換されてもよい)、炭
素数6〜12の置換されてもよいアリール基(例えばフ
ェニル基、ナフチル基で、置換基としては前記アルキル
基に置換される基と同一の内容のものが挙げられ、又、
複数置換されてもよい)、又は、窒素原子、酸素原子、
イオウ原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含有す
る縮環してもよいヘテロ環基(例えば該ヘテロ環として
は、ピラン環、フラン環、チオフェン環、モルホリン
環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリ
ジン環、ピペリジン環、ピロリドン環、ベンゾチアゾー
ル環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、テトラヒド
ロフラン環等で、置換基を含有してもよい。置換基とし
ては、前記アルキル基中の置換基と同一の内容のものが
挙げられ、又複数置換されてもよい)を表わす。
【0072】一般式(II) 中のYは、ハロゲン原子(フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わ
す)、−OR1基、−OCOR2基又は−N(R3
(R4)基を表わす。−OR1基において、R1は炭素数
1〜10の置換されてもよい脂肪族基(例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘ
キシル基、ペンチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセ
ニル基、オクテニル基、デセニル基、2−ヒドロキシエ
チル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチ
ル基、2−(メトキシエチルオキソ)エチル基、2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル基、2−メトキシプ
ロピル基、2−シアノエチル基、3−メチルオキサプロ
ピル基、2−クロロエチル基、シクロヘキシル基、シク
ロペンチル基、シクロオクチル基、クロロシクロヘキシ
ル基、メトキシシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネ
チル基、ジメトキシベンジル基、メチルベンジル基、ブ
ロモベンジル基等が挙げられる)を表わす。
【0073】−OCOR2基において、R2は、R1と同
一の内容の脂肪族基又は炭素数6〜12の置換されても
よい芳香族基(芳香族基としては、前記R中のアリール
基で例示したと同様のものが挙げられる)を表わす。又
−N(R3)(R4)基において、R3、R4は、互いに同
じでも異なってもよく、各々、水素原子又は炭素数1〜
10の置換されてもよい脂肪族基(例えば、前記の−O
1基のR1と同様の内容のものが挙げられる)を表わ
す。より好ましくは、R3とR4の炭素数の総和が16個
以内である。一般式(II)で示されるシラン化合物の具
体例としては、以下のものが挙げられるが、これに限定
されるものではない。
【0074】テトラクロルシラン、テトラブロムシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トライソプロポキシシラン、テトラ-n- プロピルシシラ
ン、テトラ-t- ブトキシシシラン、テトラ-n- ブトキシ
シシラン、ジメトキシジエトキシン、メチルトリクロロ
シラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプ
ロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチ
ルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチ
ルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシ
シラン、n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピル
トリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、
n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイ
ソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシ
ラン、n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルト
リブロムシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、n
−へキシルトリエトキシシラン、n−へキシルトリイソ
プロポキシシラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラ
ン、n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロ
ムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシル
トリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシ
ラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン、n−オクタ
デシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロム
シラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリ
イソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブト
キシシラン、
【0075】フェニルトリクロルシラン、フェニルトリ
ブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラ
ン、フェニルトリt−ブトキシシラン、テトラクロルシ
ラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テ
トラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジ
メチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ
フェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシ
ラン、フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチル
ジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フ
ェニルメチルジエトキシシラン、トリエトキシヒドロシ
ラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシ
ラン、イソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシ
ヒドロシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブ
ロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニ
ルトリt−ブトキシシラン、トリフルオロプロピルトリ
クロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラ
ン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルトリエトキシシラン、
【0076】トリフルオロプロピルトリイソプロポキシ
シラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メタア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタ
アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メ
タアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−
ブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げ
られる。
【0077】本発明の感光層に用いる一般式(II)で示
されるシラン化合物とともに、Ti、Zn、Sn、Z
r、Al等のゾル−ゲル変換の際に樹脂に結合して成膜
可能な金属化合物を併用することができる。用いられる
金属化合物として、例えば、Ti(OR")4(R"はメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基等)、TiCl4、Zn(OR")2、Z
n(CH3COCHCOCH32、Sn(OR")4、S
n(CH3COCHCOCH34、Sn(OCO
R")4、SnCl4、Zr(OR")4、Zr(CH3CO
CHCOCH34、Al(CH3COCHCOC
34、Al(OR")3等が挙げられる。
【0078】更に、一般式(II)で示されるシラン化合
物、更には併用する前記の金属化合物の加水分解及び重
縮合反応を促進するために、酸性触媒又は塩基性触媒を
併用することが好ましい。触媒は、酸あるいは塩基性化
合物をそのままか、あるいは水またはアルコールなどの
溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触
媒、塩基性触媒という)を用いる。そのときの濃度につ
いては特に限定しないが、濃度が濃い場合は加水分解、
重縮合速度が速くなる傾向がある。但し、濃度の濃い塩
基性触媒を用いると、ゾル溶液中で沈殿物が生成する場
合があるため、塩基性触媒の濃度は1N(水溶液での濃
度換算)以下が望ましい。
【0079】以上述べたように、ゾル−ゲル法によって
作成される感光層は、本発明の平版印刷版用原版にとく
に好ましい。上記のゾル−ゲル法のさらに詳細は、作花
済夫「ゾル−ゲル法の科学」(株)アグネ承風社(刊)
(1988年)、平島碩「最新ゾル−ゲル法による機能
性薄膜作成技術」総合技術センター(刊)(1992
年)等の成書等に詳細に記述されている。
【0080】<親水性高分子化合物>本発明の平版印刷
版用原版の画像記録層に含有される高分子化合物として
は、画像記録層としての適度な強度と表面の親水性を付
与する目的の、水酸基を有する有機高分子化合物を用い
ることができる。具体的には、ポリビニルアルコール
(PVA),カルボキシ変性PVA等の変性PVA,澱
粉およびその誘導体、カルボキシメチルセルローズ、ヒ
ドロキシエチルセルローズのようなセルロース誘導体、
カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニ
ル−クロトン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、ポリアクリル酸及びその塩、ポリアクリアミド、及
びアクリル酸、アクリアミドなど水溶性のアクリル系モ
ノマーを主な構成成分として含む水溶性アクリル系共重
合体等の水溶性樹脂が挙げられる。
【0081】又、上記水酸基を有する有機高分子化合物
を架橋し、硬化させる耐水化剤としては、グリオキザー
ル、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデ
ヒド樹脂等のアミノプラストの初期縮合物、メチロール
化ポリアミド樹脂、ポリアミド・ポリアミン・エピクロ
ルヒドリン付加物、ポリアミドエピクロルヒドリン樹
脂、変性ポリアミドポリイミド樹脂等が挙げられる。そ
の他、更には、塩化アンモニウム、シランカップリング
剤の架橋触媒等が併用できる。
【0082】(感光層へのその他の添加成分)感光層中
には、上記した光熱変換性微粒子、親水性の媒質のほか
に、親水性の程度の制御、記録層の物理的強度の向上、
層を構成する組成物相互の分散性の向上、塗布性の向
上、印刷適性の向上、製版作業性の便宜上などの種々の
目的の化合物を添加することができる。これらの添加物
には、例として以下のものが挙げられる。
【0083】<親水性ゾル状粒子>感光層には、親水性
向上と皮膜性向上の目的から、必ずしも光熱変換性では
ない、親水性のゾル状粒子をさらに含有してもよい。
【0084】親水性ゾル状粒子としては、特に限定され
ないが、好ましくはシリカゾル、アルミナゾル、酸化チ
タン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルギン
酸カルシウムであり、これらは光熱変換性ではなくても
親水性を助長したり、ゾルゲル膜の強化などに用いるこ
とができる。より好ましくは、シリカゾル、アルミナゾ
ル、アルギン酸カルシウムゾル又はこれらの混合物であ
る。
【0085】シリカゾルは、表面に多くの水酸基を持
ち、内部はシロキサン結合(−Si−O−Si)を構成
している。粒子径1〜100nmのシリカ超微粒子が、
水もしくは、極性溶媒中に分散しており、コロイダルシ
リカとも称されているものである。具体的には、加賀美
敏郎、林瑛監修「高純度シリカの応用技術」第3巻、
(株)シーエムシー(1991年)に記載されている。
【0086】又アルミナゾルは、5〜200nmのコロ
イドの大きさをもつアルミナ水和物(ベーマイト系)
で、水中の陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオ
ン等のハロゲン原子イオン、酢酸イオン等のカルボン酸
アニオン等)を安定剤として分散されたものである。
【0087】上記親水性ゾル状粒子は、平均粒径が10
〜50nmのものが好ましいが、より好ましい平均粒径
は10〜40nmのものである。これら親水性ゾル状粒
子は、いずれも、市販品として容易に入手できる。
【0088】本発明で用いる、親水性粒子及び併用して
もよい親水性ゾル状粒子(これらを総括して、単にシリ
カ粒子ということもある)の各々の粒径が、前記範囲内
において、感光層の膜強度が充分に保持され、レーザー
光等により露光して製版し、印刷版として印刷すると、
非画像部への印刷インクの付着汚れを生じない極めて親
水性に優れたものになるという効果を発現する。また、
本発明に使用する表面親水性の光熱変換性微粒子と併用
してもよいシリカ粒子の存在割合は光熱変換性微粒子1
00〜30対シリカ粒子0〜70の重量比であり、好ま
しくは100〜40対0〜60重量比である。また、親
水性粒子及び親水性ゾル状粒子を感光層に添加する場
合、その合計の添加量は、感光層の固定物成分の2〜5
0重量%であり、好ましくは5〜40重量%である。
【0089】<着色用染料及び顔料>本発明の感光層に
は更に、着色して版種を判別するための染料や顔料を添
加することができる。好ましい染料の例としては、ロー
ダミン6G塩化物、ローダミンB塩化物、クリスタルバ
イオレット、マラカイトグリーンシュウ酸塩、オキサジ
ン4パークロレート、キニザリン、2−(α−ナフチ
ル)−5−フェニルオキサゾール、クマリン−4が挙げ
られる。他の染料として具体的には、オイルイエロー#
101、オイルイエロー#103、オイルピンク#31
2、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイル
ブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラック
BS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化
学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタ
ルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレッ
ト(CI42535)、エチルバイオレット、メチレン
ブルー(CI52015)、パテントピュアブルー(住
友三国化学社製)、ブリリアントブルー、メチルグリー
ン、エリスリシンB、ベーシックフクシン、m−クレゾ
ールパープル、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフ
ェニルイミナフトキノン、シアノ−p−ジエチルアミノ
フェニルアセトアニリドなどに代表されるトリフェニル
メタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キサン
テン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系またはア
ントラキノン系の染料あるいは特開昭62−29324
7号公報、特願平7−335145号公報に記載されて
いる染料を挙げることができる。上記色素は、感光層中
に添加される場合は感光層全固形分に対し、通常約0.
02〜10重量%、より好ましくは約0.1〜5重量%
含有される。
【0090】<界面活性剤>本発明の平版印刷版用原板
の感光層中には、印刷条件に対する安定性を拡げるた
め、特開昭62−251740号公報や特開平3−20
8514号公報に記載されているような非イオン界面活
性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−1
3149号公報に記載されているような両性界面活性剤
を添加することができる。非イオン界面活性剤の具体例
としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモ
ノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン
酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル等が挙げられる。両性界面活性剤の具体例とし
ては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキル
ポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−
カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニ
ウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型
(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等
が挙げられる。上記非イオン界面活性剤及び両性界面活
性剤の感光層全固形物中に占める割合は、0.05〜1
5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%
である。
【0091】感光層には、場合によりさらに、上記の界
面活性剤の添加量の範囲内でフッ素系の界面活性剤を用
いることもできる。具体的にはパーフルオロアルキル基
を有する界面活性剤が好ましく、カルボン酸、スルホン
酸、硫酸エステル及びリン酸エステルのいづれかを有す
るアニオン型の界面活性剤、又は、脂肪族アミン、第4
級アンモニウム塩のようなカチオン型の界面活性剤、又
はベタイン型の両性界面活性剤、又は、ポリオキシ化合
物の脂肪族エステル、ポリアルキレンオキシド縮合型、
ポリエチレンイミン縮合型のようなノニオン型界面活性
剤などが挙げられる。
【0092】<溶剤>感光層用の塗布液は、水溶媒で、
更には塗布液調整時の沈殿抑制による均一液化のために
水溶性溶媒を併用する。水溶性溶媒としては、アルコー
ル類(メタノール、エタノール、プロピルアルコール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、エチレング
リコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメ
チルエーテル、テトラヒドロピラン等)、ケトン類(ア
セトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等)、
エステル類(酢酸メチル、エチレングリコールモノメチ
ルモノアセテート等)、アミド類(ホルムアミド、N−
メチルホルムアミド、ピロリドン、N−メチルピロリド
ン等)等が挙げられ、1種あるいは2種以上を併用して
もよい。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用され
る。塗布液を調製する場合、溶媒中の上記感光層構成成
分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜
50重量%である。
【0093】〔疎水性の下層〕以上で親水性の感光層の
説明を終わり、次に感光層と支持体の間に存在する疎水
性層について説明する。前述したように、レーザー光な
どのヒートモード光源からの照射によって照射部が加熱
され、上層の感光層がその熱によって除去されて疎水性
層が露出する。疎水性層には、公知のいろいろの疎水性
の高分子膜を用いることができる。以下にその例を示す
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0094】<有機高分子化合物>疎水性下層用の有機
高分子材料は、親水性の上層の下に設けることができ
て、かつレーザー光照射による熱の作用で破壊されで上
層が除去されりと露出する層であるが、このような機能
を有する下層を形成する樹脂は広い範囲にわたって選択
できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ
ビニルアセテート、ポリビニルフェノール、ポリビニル
ハロゲン化フェノール、ポリビニルホルマール、ポリビ
ニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリアミド、
ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、エポキシ樹脂、フェノール、ボラック、又はレゾ
ールフェノール類とアルデヒド又はケトンとの縮合樹
脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、シリコーン樹
脂、疎水性の(メタ)アクリル系(共)重合体、および
これらの樹脂の製造に用いられる単量体の二元、又は三
元以上の共重合樹脂などが挙げられる。特に好ましい化
合物は、具体的には、フェノールノボラック樹脂又はレ
ゾール樹脂であり、フェノール、クレゾール(m−クレ
ゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フ
ェノール/クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾー
ル、m/p混合クレゾール)、フェノール変性キシレ
ン、tert−ブチルフェノール、オクチルフェノー
ル、レゾルシノール、ピロガロール、カテコール、クロ
ロフェノール(m−Cl、p−Cl)、ブロモフェノー
ル(m−Br、p−Br)、サリチル酸、フロログルシ
ノールなどとホルムアルデヒドとが縮合したノボラック
樹脂及びレゾール樹脂、さらに上記フェノール類化合物
とアセトンとの縮合樹脂などが挙げられる。
【0095】その他の好適な高分子化合物として以下
(1)〜(11)に示すモノマーをその構成単位とする
通常1万〜20万の分子量を持つ疎水性の共重合体を挙
げることができる。 (1)芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタク
リルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エ
ステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4
−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4
−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−
およびp−ヒドロキシスチレン、o−、m−およびp−
ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレー
ト、(2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類
およびメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキ
シエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、(3)アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アク
リル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アク
リル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレー
ト、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置
換)アクリル酸エステル、(4)メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メ
タクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒド
ロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリ
ル酸エステル、
【0096】(5)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N
−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアク
リルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N
−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエ
チルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N
−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルア
ミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェ
ニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルア
ミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよび
N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアク
リルアミドもしくはメタクリルアミド、
【0097】(6)エチルビニルエーテル、2−クロロ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなど
のビニルエーテル類、(7)ビニルアセテート、ビニル
クロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル
などのビニルエステル類、(8)スチレン、メチルスチ
レン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類、(9)
メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビ
ニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン
類、(10)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブ
タジエン、イソプレンなどのオレフィン類、
【0098】(11)N−(o−アミノスルホニルフェ
ニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフ
ェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニル
フェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノス
ルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミ
ノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルア
ミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタク
リルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メ
タクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニ
ル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホ
ニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノ
スルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリル
アミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリ
レート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、
p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3
−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートな
どのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミ
ド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m
−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミ
ノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミ
ノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどの
メタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド。
【0099】これらは、重量平均子量が500〜200
00、数平均分子量が200〜60000であることが
好ましく、有機高分子化合物を疎水性の下層に用いる場
合、その添加量は具体的には、疎水性層の固形物に対し
て1〜100重量%が適当であり、2〜100重量%が
好ましい。すなわち実質的に上記の疎水性高分子化合物
のみで構成されていてもよく、また疎水性高分子化合物
は、単独で用いても複数のものを混合して用いてもよ
い。
【0100】〔塗布〕上層及び下層ともそれぞれ前記し
た各構成成分から選択された成分を混合し、調整された
それぞれの塗布液を、支持体上に、従来公知の塗布方法
のいずれかを用いて、塗布・乾燥し、成膜する。
【0101】塗布する方法としては、公知の種々の方法
を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、
回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗
布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を
挙げることができる。本発明の平版印刷版用原板の各構
成層中には、塗布性を良化するための界面活性剤、例え
ば特開昭62−170950号公報に記載されているよ
うなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ま
しい添加量は、各構成層のそれぞれの全固形物分に対
し、0.01〜1重量%であり、更に好ましくは0.0
5〜0.5重量%である。
【0102】塗布、乾燥後に得られるそれぞれの構成層
塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的な
平版印刷版用原板についていえば、感光層では0.1〜
30g/m2が好ましく、0.3〜10g/m2がより好
ましく、疎水性層は、0.02〜10g/m2が好まし
く、0.1〜4g/m2がより好ましい。感光層の厚み
は、0.03〜10μm、好ましくは0.1〜3μm、
より好ましくは0.3〜1μmであり、疎水性層の厚み
は、0.01〜5μm、好ましくは0.05〜1.5μ
m、より好ましくは0.1〜1.0μmである。
【0103】(表面保護層)本発明の平版印刷用原板の
表面は、親水性であるので、原板が製品形態で輸送され
たり、保管されたりする際、あるいは使用前の取り扱い
の際、環境の雰囲気の影響によって疎水性化したり、温
湿度の影響を受けたり、あるいは機械的な傷など又は汚
れなどの影響を受けやすい。これを防止するために、親
水性の平版印刷用原板の表面に表面保護層を塗布するこ
とも本発明の好ましい態様である。表面親水性が発明の
効果を発現する本発明においては、表面保護層の効果が
大きい。
【0104】表面保護層の塗布液は、皮膜形成性を有す
る水溶性樹脂の水溶液であり、好ましい具体例として
は、例えばアラビアガム、繊維素誘導体(例えば、カル
ボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルロー
ズ、メチルセルローズ等)及びその変性体、ポリビニル
アルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミド及びその共重合体、アクリル酸共重合
体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、
酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水
マレイン酸共重合体、焙焼デキストリン、酸素分解デキ
ストリン、酵素分解エーテル化デキストリン等が挙げら
れる。
【0105】塗布液中の上記水溶性樹脂の含有量は、3
〜25重量%が適当であり、好ましい範囲は10〜25
重量%である。なお、本発明においては上記水溶性樹脂
を2種以上混合使用しても良い。
【0106】塗布液中には、そのほかに種々の界面活性
剤を添加してもよい。使用できる界面活性剤としてはア
ニオン界面活性剤又はノニオン界面活性剤が挙げられ
る。アニオン界面活性剤としては脂肪族アルコール硫酸
エステル塩類、脂酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レプリン
酸、有機スルホン酸などがあり、鉱酸としては硝酸、硫
酸、燐酸等が有用である。鉱酸、有機酸又は無機塩等の
少なくとも1種もしくは2種以上併用してもよい。
【0107】上記成分の他必要により湿潤剤としてグリ
セリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール
等の低級多価アルコールも使用することができる。これ
ら湿潤剤の使用量は表面保護層中に0.1〜5.0重量
%となる量が適当であり、好ましい範囲は0.5〜3.
0重量%となる量である。以上の他に本発明の平版印刷
用原板の表面保護層の塗布液には、防腐剤などを添加す
ることができる。例えば安息香酸及びその誘導体、フェ
ノール、ホルマリン、デヒドロ酢酸ナトリウム等を0.
005〜2.0重量%の範囲で添加できる。塗布液には
消泡剤を添加することもできる。好ましい消泡剤には有
機シリコーン化合物が含まれ、その添加量は0.000
1〜0.1重量%の範囲が好ましい。
【0108】〔支持体〕つぎに印刷原板の支持体につい
て述べる。支持体には、寸度的に安定な板状物が用いら
れる。本発明に用いることができる支持体としては、
紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板
(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、ステン
レス鋼等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セ
ルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセタール等)、上記の金属がラミネート又は蒸
着された紙もしくはプラスチックフィルム等が含まれ
る。
【0109】好ましい支持体は、ポリエステルフィル
ム、アルミニウム、又は印刷版上で腐食しにくいSUS
鋼板であり、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価
であるアルミニウム板が好ましい。好適なアルミニウム
板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分と
し、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウ
ムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィル
ムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、
ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜
鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の
異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明に
おいて特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであ
るが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困
難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その
組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素
材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本
発明で用いられる支持体の厚みはおよそ0.05mm〜
0.6mm程度、好ましくは0.1mm〜0.4mm、特に好
ましくは0.15mm〜0.3mmである。
【0110】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。化学的方法としては、特開昭54−
31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミ
ニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適している。ま
た、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸など
の酸を含む電解液中で交流または直流により行う方法が
ある。また、特開昭54−63902号に開示されてい
るように混合酸を用いた電解粗面化方法も利用すること
ができる。このような粗面化方法のうち、特に特開昭5
5−137993号公報に記載されているような機械的
粗面化と電気化学的粗面化を組合せた粗面化方法が、感
脂性画像の支持体への接着力が強いので好ましい。上記
の如き方法による粗面化は、アルミニウム板の表面の中
心線表面粗さ(Ra)が0.3〜1.0μmとなるよう
な範囲で施されることが好ましい。粗面化されたアルミ
ニウム板は必要に応じて水酸化カリウムや水酸化ナトリ
ウムなどの水溶液を用いてアルカリエッチング処理がさ
れ、さらに中和処理された後、所望により表面の保水性
や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。
【0111】アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられ
る電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電
解質の使用が可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、ク
ロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電
解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。陽
極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるの
で一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1
〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜6
0A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の
範囲であれば適当である。形成される酸化皮膜量は、
1.0〜5.0g/m2 、特に1.5〜4.0g/m2
であることが好ましい。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2
より少ないと耐刷性が不十分であったり、平板印刷版の
非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にイ
ンキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0112】これらの陽極酸化処理の内でも、とくに英
国特許第1,412,768号公報に記載されている硫
酸中で高電流密度で陽極酸化する方法及び米国特許第
3,511,661号公報に記載されている燐酸を電解
浴として陽極酸化する方法が好ましい。
【0113】上記の好ましくは粗面化され、更に陽極酸
化されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化処理し
ても良く、その好ましい例としては米国特許第2,71
4,066号及び同第3,181,461号公報に開示
されているようなアルカリ金属シリケート、例えば珪酸
ナトリウム水溶液又は特公昭36−22063号公報に
開示されている弗化ジルコニウム酸カリウム及び米国特
許第4,153,461号公報に開示されているような
ポリビニルホスホン酸で処理する方法がある。親水性化
処理によって地汚れを防止できることが多い。
【0114】[製版方法]次に、この平版印刷版用原板
の製版方法について説明する。この平版印刷版用原板
は、例えば、熱記録ヘッド等により直接画像様に感熱記
録を施したり、波長760〜1200nmの赤外線を放
射する固体レーザー又は半導体レーザー、キセノン放電
灯などの高照度フラッシュ光や赤外線ランプ露光などの
光熱変換型の露光も用いることができる。
【0115】画像の書き込みは、面露光方式、走査方式
のいずれでもよい。前者の場合は、赤外線照射方式や、
キセノン放電灯の高照度の短時間光を原板上に照射して
光・熱変換によって熱を発生させる方式である。赤外線
灯などの面露光光源を使用する場合には、その照度によ
っても好ましい露光量は変化するが、通常は、印刷用画
像で変調する前の面露光強度が0.1〜10J/cm2 の範
囲であることが好ましく、0.1〜1J/cm2 の範囲であ
ることがより好ましい。支持体が透明である場合は、支
持体の裏側から支持体を通して露光することもできる。
その露光時間は、0.01〜1msec、好ましくは
0.01〜0.1msecの照射で上記の露光強度が得
られるように露光照度を選択するのが好ましい。照射時
間が長い場合には、熱エネルギーの生成速度と生成した
熱エネルギーの拡散速度の競争関係から露光強度を増加
させる必要が生じる。
【0116】後者の場合には、赤外線成分を多く含むレ
ーザー光源を使用して、レーザービームを画像で変調し
て原板上を走査する方式が行われる。レーザー光源の例
として、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、ヘ
リウムカドミウムレーザー、YAGレーザーを挙げるこ
とができる。レーザー出力が0.1〜300Wのレーザ
ーで照射をすることができる。また、パルスレーザーを
用いる場合には、ピーク出力が1000W、好ましくは
2000Wのレーザーを照射するのが好ましい。この場
合の露光量は、印刷用画像で変調する前の面露光強度が
0.1〜10J/cm2 の範囲であることが好ましく、0.
3〜1J/cm2 の範囲であることがより好ましい。支持体
が透明である場合は、支持体の裏側から支持体を通して
露光することもできる。
【0117】平版印刷版を製版する際、画像露光したの
ち必要であれば非画像部を保護するために版面保護剤
(いわゆる、ガム液)を含んだ整面液を塗布する「ガム
引き」といわれる工程が行なわれる。ガム引きは、平版
印刷版の親水性表面が空気中の微量混入成分の影響を受
けて親水性が低下するのを防ぐため、非画像部の親水性
を高めるため、製版後印刷するまでの期間又は印刷を中
断してから再び開始するまでの間に平版印刷版が劣化す
るのを防止するため、印刷機に取りつける場合などのよ
うに平版印刷版を取り扱う時に指の油、インキなどが付
着して非画像がインキ受容性となって、汚れるのを防止
するため、更に、平版印刷版を取り扱う時に非画像部及
び画像部に傷が発生することを防止するため、などの種
々の目的をもって行われる。
【0118】この目的に使用される皮膜形成性を有する
水溶性樹脂の好ましい具体例としては、前記した表面保
護層用の水溶性樹脂と同じものが挙げられる。また、そ
の水溶性樹脂の製面液中の濃度は、3〜25重量%が適
当であり、好ましい範囲は10〜25重量%である。水
溶性樹脂は、2種以上を混合使用しても良い。
【0119】製麺液には、そのほかに種々の界面活性剤
を添加するのが好ましいが、好適な界面活性剤としては
前記表面保護層用として挙げたアニオン界面活性剤又は
ノニオン界面活性剤が挙げられる。上記成分の他必要に
より湿潤剤としてグリセリン、エチレングリコール、ト
リエチレングリコール等の低級多価アルコールを0.1
〜5.0重量%添加して使用することもできる。さら
に、平版印刷版用版面保護剤には、防腐剤、例えば安息
香酸及びその誘導体、フェノール、ホルマリン、デヒド
ロ酢酸ナトリウムなどを0.005〜2.0重量%の範
囲で添加してもよい。版面保護剤には消泡剤を添加する
こともできる。好ましい消泡剤には有機シリコーン化合
物が含まれ、その添加量は0.0001〜0.1重量%
の範囲が好ましい。
【0120】版面保護剤には画像部の感脂性低下を防ぐ
ため有機溶剤を含有させることができる。好ましい有機
溶剤には水難溶性のものであり、沸点が約120℃〜約
250℃の石油留分、例えばジブチルフタレート、ジオ
クチルアジペートなどの凝固点が15℃以下で沸点が3
00℃以上の可塑剤が挙げられる。このような有機溶剤
は0.05〜5重量%の範囲で添加される。
【0121】版面保護剤は均一溶液型、サスペンジョン
型、エマルジョン型のいずれの形態をもとることができ
るが、特に上記のような有機溶剤を含むエマルジョン型
において、すぐれた性能を発揮する。この場合、特開昭
55−105581号公報に記載されているように界面
活性剤を組合せて含有させることが好ましい。
【0122】画像露光され、露光後に水現像され、更に
必要であればガム引きを行った印刷原板は、印刷機に版
を装着し印刷を行うこともできる。また、露光後ただち
に(現像工程を経ずに)印刷機に版を装着し印刷を行う
こともできる。
【0123】
〔実施例1〜14及び比較例1〜6〕
【0124】(1)支持体の作製 99.5重量%アルミニウムに、銅を0.01重量%、
チタンを0.03重量%、鉄を0.3重量%、ケイ素を
0.1重量%含有するJISA1050アルミニウム材
の厚み0.24mm圧延板を、400メッシュのパミスト
ン(共立窯業製)の20重量%水性懸濁液と、回転ナイ
ロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表面
を砂目立てした後、よく水で洗浄した。これを15重量
%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム4.5重量%
含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2になる
ようにエッチングした後、流水で水洗した。更に、1重
量%硝酸で中和し、次に0.7重量%硝酸水溶液(アル
ミニウム0.5重量%含有)中で、陽極時電圧10.5
ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電圧
(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実
施例に記載されている電流波形)を用いて160クロー
ン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水
洗後、35℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に
浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2になるようにエ
ッチングした後、水洗した。次に、50℃、30重量%
の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗し
た。
【0125】さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液
(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用い
て、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。即ち電流密
度13A/dm2で電解を行い、電解時間の調節により陽極
酸化皮膜重量2.7g/m2とした。この支持体を水洗後、
70℃のケイ酸ナトリウムの3重量%水溶液に30秒間
浸漬処理し、水洗乾燥した。以上のようにして得られた
アルミニウム支持体は、マクベスRD920反射濃度計
で測定した反射濃度は0.30で、中心線平均粗さは
0.58μmであった。
【0126】(2)疎水性層の塗設 実施例1〜10及び比較例1〜3については、エチルメ
タアクリレート・スチレン共重合体(EMA/ST、分子量30
000)をエタノール・メチルエチルケトン混合溶媒に溶解
して1%溶液を調製した疎水性層用塗布液をバーコータ
ーによって支持体上に塗布厚み0.3ミクロンになるよ
うに重層塗布した。また、実施例11〜14では、PST
(ポリスチレン、分子量 18000) 、 PMMA(メチルメタ
クリレート樹脂、分子量 25000) 、ノボラック(フェノ
ールノボラック樹脂)、ポリビニルアセタール樹脂を表
1に示すように使用し、比較例4及び5にはそれぞれ P
VP〔ポリビニルピロリドン (分子量6000) 〕及び PVA
〔ポリビニルアルコール (分子量10000)〕を上記に準じ
て厚み0.3ミクロンになるようにバーコーターで塗布
した。比較例6は、疎水性層を設けてない例である。ま
た、比較例4、5は、親水性の層が支持体に塗設された
ことになる。
【0127】(3)感光層の塗設 <テトラメトキシシラン分散液の調製>ゾルゲル変換性
の成分としてテトラメトキシシランを含んだ下記の処方
(A)の分散液(ゾルゲル液(A)と呼ぶ)を調製し
た。調製方法としては、シリコンテトラメトキシド、エ
タノール、純水、硝酸の順に混合してゆき、室温で1時
間攪拌してゾルゲル液(A)を作成した。 ゾルゲル液(A)処方 シリコンテトラメトキシド 18.37g エタノール(95%) 32.56g 純水 32.56g 硝酸 0.02g
【0128】<感光層用塗布液の調製>感光層用塗布液
として上記のゾルゲル液(A)と、表1に記載の実施例
1〜9、11〜14の光熱変換性の微粒子、実施例10
の赤外線吸収染料、比較例1〜2、4〜6の微粒子、比
較例3の赤外線吸収染料を含んだ合計20試料(種類と
しては14種類)の分散液を調製した。調製は、各成分
を下記処方のように含んだ混合物にガラスビーズ10g
を添加してペイントシェーカーで10分間攪拌して分散
液とした。 感光層用塗布液処方 光熱変換性微粒子(表1) 2.17g ゾルゲル液(A) 3.34g ポリビニルアルコール〔PVA117、クラレ(株)製〕 (10%水溶液) 3.50g コロイダルシリカ〔スノーテックスC、日産化学(株)製〕 (20%水溶液) 6.0g 純水 7.49g
【0129】表1の実施例2、4、7、11〜14及び
比較例4〜6の各光熱変換性微粒子のシリケート処理
は、70℃のけい酸ナトリウム(30%)水溶液に30
秒浸漬して行った。実施例5のカーボンブラックは、カ
ーボンブラック粒子(10g)を0.01Torrの減圧下
で脱気したのち、出力20Wのプラズマ照射のもとで水
蒸気を流して粒子表面に水酸基を導入し、これを水に分
散させ、その中にテトラエトキシシラン20mLを滴下
して2時間攪拌して得た。また、比較例1のカーボンブ
ラック分散物は、表面処理を施してないものである。比
較例2のアルミナ微粒子は、親水性ではあっても光熱変
換性が乏しい例として比較例に挙げた。比較例3では、
疎水性である下記のビスインドレニン構造の染料Aを光
熱変換剤(赤外線吸収性)として使用した。
【0130】
【化8】
【0131】<塗布>実施例1〜14及び比較例1〜6
のいずれの感光層用塗布液もバー#14用いてバーコー
トによって前記した疎水性層上に乾燥厚み2.0μmに
なるように塗布したのち、空気オーブンに入れて100
°Cで10分間乾燥して感光層を形成させた。
【0132】(4)印刷版の作成 <印刷版の作成及び印刷>得られた平版印刷用原版1〜
8を波長830nmの半導体レーザー光を照射した。以
下に具体的なレーザー照射条件を下記に示す。 レーザー出力:350mW ビーム半径:12.5μm 走査速度:1.7m/sec 出力:700mJ/cm2
【0133】又、レーザー露光した原板に何ら後処理す
ることなく印刷機にかけ印刷を行った。印刷枚数120
00枚枚及び25000枚のときに印刷汚れの程度を目
視検査した。使用した印刷機は、ハイデルベルグSOR
−Mであり、湿し水には、水にEU−3(富士写真フイ
ルム(株)製)を1vol%、IPAを10vol%添
加した水溶液を用い、インキには、GEOS(N)墨を
用いた。
【0134】(5)印刷原板の評価と評価方法 出来上がった印刷用原板の評価は、つぎのように行っ
た。 <印刷品質の評価方法>印刷品質を印刷画面のインキの
乗り(濃度)と印刷汚れの両観点から目視で評価した。
前者については、印刷インキが紙面に乗らないで、印刷
されない場合に、印刷品質を×とランクした。印刷イン
キが紙面にのっている場合には、印刷汚れを検査し、印
刷汚れが印刷開始当初(ヤレは別として)から目立つも
のを×とランク付けし、印刷枚数が1.2万枚以内で印
刷汚れを生じるものを△とランク付けし、2.5万枚以
内で印刷汚れを生じるものを○ランク、2.5万枚以上
印刷汚れを生じることなく印刷できるものを◎ランクと
した。結果は表1に示した。 <表面親水性の程度>印刷版の性能を直接示すものでは
ないが、参考データとして、光熱変換剤微粒子の親水性
の程度を前記した親水係数の測定値を表1に併せて示し
た。
【0135】
【表1】
【0136】比較例1〜6の印刷性能結果は、すべて×
ランクであるが、比較例2のみが印刷不能で×ランクで
あった。残りの比較例は一応印刷可能であり、印刷汚れ
の点から×ランクと評価された。 (6)結果 表1に示すように、本発明例1〜10は、いずれも1.
2万枚以上の印刷を行っても印刷汚れがなく、優れた耐
刷性を有することが示された。また、実施例1と2、3
と4、6と7の各比較から明らかなように表面をシリケ
ート処理して親水性の程度を高めると、印刷汚れが生じ
にくくなり、2.5万枚の印刷を行っても印刷汚れが認
められず、一層優れた耐刷性を示す。カーボンブラック
の例(実施例5)を除いては親水係数と印刷汚れの少な
さとは、よく対応しており、光熱変換性微粒子の表面が
親水性であることが耐刷性を向上させていることも示さ
れた。また実施例5と比較例1から、カーボンブラック
のような疎水性粒子でも表面を親水性化することによっ
て耐刷性が著しく改善されることが判る。また、比較例
2は、画像形成が行われず、したがって印刷不能という
結果(×という評価であるが、印刷汚れではない)であ
り、粒子表面が親水性であっても、光熱変換性でない場
合には、本発明の効果は現れないことが示されている。
比較例3は、非画像部にもインキ汚れが発生し、光熱変
換剤が疎水性では本発明の効果が得られないことを示し
た。またいずれの実施例も下層を設けていない比較例6
よりも優れた印刷性能であり、疎水性の下層を設ける本
発明が優れていることを示しでいる。実施例11〜14
を比較例4及び5と比較すると、下層の材料を変更して
も本発明例の疎水性バインダーの層であれば、いずれも
発明の効果を現すことが明らかである。
【0137】
【発明の効果】疎水性の薄層を基板上に設け、さらに親
水性の光熱変換剤を含有する親水性の感光層を上層とし
て設けた本発明の平版印刷用原板は、画像領域と非画像
領域の識別能が高く、耐刷性にすぐれていて印刷汚れも
生じにくい優れた印刷性能を有している。また、本発明
によれば、特に赤外線を放射する固体レーザー又は半導
体レーザー等を用いて記録することにより、ディジタル
データから直接製版可能な平版印刷版用原版を提供する
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H096 AA06 BA01 BA20 CA20 EA04 EA23 2H114 AA04 AA23 AA24 AA27 AA30 BA01 BA10 DA03 DA04 DA05 DA06 DA08 DA10 DA11 DA14 DA43 DA44 DA50 DA51 DA53 DA75 EA01 EA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性の薄層を基板上に設け、さらに親
    水性の光熱変換剤を含有する親水性の感光層を上層とし
    て設けたことを特徴とする平版印刷用原板。
  2. 【請求項2】 親水性の光熱変換剤が、表面が親水性の
    光熱変換性の微粒子であることを特徴とする請求項1に
    記載の平版印刷用原板。
  3. 【請求項3】 親水性の光熱変換剤が、親水性染料であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷用原板。
  4. 【請求項4】 親水性の感光層の媒質が、ゾルゲル変換
    性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の平版印刷用原板。
  5. 【請求項5】 レーザー光の照射により、原板の上層が
    消失し、下層が表面に露出することによって画像記録が
    なされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の平版印刷用原板。
  6. 【請求項6】 表面に水溶性保護層を設けたことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の平版印刷用
    原板。
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