JP2001088100A - マイクロマニピュレーション方法 - Google Patents
マイクロマニピュレーション方法Info
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Links
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J37/00—Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
- H01J37/02—Details
- H01J37/20—Means for supporting or positioning the object or the material; Means for adjusting diaphragms or lenses associated with the support
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
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- Micromachines (AREA)
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】電子ビームを照射し、2次電子、反射電子や透
過電子信号から対象物を拡大観察する顕微鏡において、
微小物体を再現性よく目的通りに操作するためのマイク
ロマニピュレーション方法を提供する。 【解決手段】 電子顕微鏡の電子ビーム照射下で微小物
体を微小操作器具を用いて操作するマイクロマニピュレ
ーションにおいて、前記電子ビームの加速電圧と前記微
小操作器具の電位と作業基板の電位を調整し、前記微小
操作器具による前記微小物体の捕捉と離脱を行うことを
特徴とするマイクロマニピュレーション方法。
過電子信号から対象物を拡大観察する顕微鏡において、
微小物体を再現性よく目的通りに操作するためのマイク
ロマニピュレーション方法を提供する。 【解決手段】 電子顕微鏡の電子ビーム照射下で微小物
体を微小操作器具を用いて操作するマイクロマニピュレ
ーションにおいて、前記電子ビームの加速電圧と前記微
小操作器具の電位と作業基板の電位を調整し、前記微小
操作器具による前記微小物体の捕捉と離脱を行うことを
特徴とするマイクロマニピュレーション方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームを照射
し、2次電子、反射電子や透過電子信号から対象物を拡
大観察する顕微鏡において、微小物体を再現性よく目的
通りに操作するためのマイクロマニピュレーション方法
に関するものである。
し、2次電子、反射電子や透過電子信号から対象物を拡
大観察する顕微鏡において、微小物体を再現性よく目的
通りに操作するためのマイクロマニピュレーション方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微小な異物の分析、微小構造物の組立、
微小物体の特性解明などを目的として、走査型電子顕微
鏡や透過型電子顕微鏡にマイクロマニピュレータを装着
して、微小物体を操作することが必要とされている。1
00μm程度の比較的大きな対象物は、ピンセット型の
微小操作器具で挟みこんで摩擦力によって微小物体を保
持するのが一般的であるが、対象物が10μm程度まで
微小になると、操作器具表面と物体表面に作用する固有
の表面間付着力により、物体が操作器具表面から離脱し
にくくなり、また、特に挟み込まなくても接触するだけ
で微小物体は十分な力で保持できるので、ピンセット型
操作器具はあまり有効ではなくなる。
微小物体の特性解明などを目的として、走査型電子顕微
鏡や透過型電子顕微鏡にマイクロマニピュレータを装着
して、微小物体を操作することが必要とされている。1
00μm程度の比較的大きな対象物は、ピンセット型の
微小操作器具で挟みこんで摩擦力によって微小物体を保
持するのが一般的であるが、対象物が10μm程度まで
微小になると、操作器具表面と物体表面に作用する固有
の表面間付着力により、物体が操作器具表面から離脱し
にくくなり、また、特に挟み込まなくても接触するだけ
で微小物体は十分な力で保持できるので、ピンセット型
操作器具はあまり有効ではなくなる。
【0003】そこで従来は針状の微小操作器具を用い、
操作器具と作業基板の電位を制御することにより、対象
物を静電力で付着させて捕捉したり、反発させて離脱さ
せたりしていた。一般に対象物は電子ビームの照射によ
って負に帯電しているので、操作器具に正の電圧を印加
すると対象物を捕捉することができ、作業基板上に置く
ときには操作器具に負、基板に正の電圧を印加すると再
現性良く操作器具から離脱することができた。
操作器具と作業基板の電位を制御することにより、対象
物を静電力で付着させて捕捉したり、反発させて離脱さ
せたりしていた。一般に対象物は電子ビームの照射によ
って負に帯電しているので、操作器具に正の電圧を印加
すると対象物を捕捉することができ、作業基板上に置く
ときには操作器具に負、基板に正の電圧を印加すると再
現性良く操作器具から離脱することができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法によれば、対象物が電子ビームの照射によって負に
帯電している場合には比較的再現性良く捕捉・離脱制御
が可能であったが、適用可能な条件は限られたものであ
った。即ち、対象物の大きさが数μm程度まで微小化し
た場合には、対象物の帯電状態が変化してしまうため、
捕捉や離脱の再現性が低下し、何度も繰り返さないと目
的の操作ができなくなったり、あるいは捕捉や離脱が全
く不可能になり、作業の遂行が出来なくなる。そこで、
本発明は、数μmあるいはそれ以下の微小な物体に対し
ても、微小物体を再現性良く目的通りに操作することが
できるマイクロマニピュレーション方法を提供し、上記
問題点を解決することを目的とする。
方法によれば、対象物が電子ビームの照射によって負に
帯電している場合には比較的再現性良く捕捉・離脱制御
が可能であったが、適用可能な条件は限られたものであ
った。即ち、対象物の大きさが数μm程度まで微小化し
た場合には、対象物の帯電状態が変化してしまうため、
捕捉や離脱の再現性が低下し、何度も繰り返さないと目
的の操作ができなくなったり、あるいは捕捉や離脱が全
く不可能になり、作業の遂行が出来なくなる。そこで、
本発明は、数μmあるいはそれ以下の微小な物体に対し
ても、微小物体を再現性良く目的通りに操作することが
できるマイクロマニピュレーション方法を提供し、上記
問題点を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、電子
顕微鏡の電子ビーム照射下で微小物体を微小操作器具を
用いて操作するマイクロマニピュレーションにおいて、
前記電子ビームの加速電圧と前記微小操作器具の電位と
作業基板の電位を調整し、前記微小操作器具による前記
微小物体の捕捉と離脱を行うことを特徴とするマイクロ
マニピュレーション方法であり、電子ビームの加速電圧
と微小物体の大きさの関係が、前記電子ビームが前記微
小物体を透過する条件にあることを特徴とする請求項1
に記載のマイクロマニピュレーション方法であり、前記
作業基板は、ガラス基板に導電性を持たせ、その上に物
体と基板の付着力を増すために高分子薄膜をコートした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマイ
クロマニピュレーション方法であり、前記作業基板は、
ガラス基板に透明導電性電極であるITO薄膜を蒸着
し、その上に物体と基板の付着力を増すためにポリスチ
レン薄膜をディップコートしたことを特徴とする請求項
1または請求項2に記載のマイクロマニピュレーション
方法である。
顕微鏡の電子ビーム照射下で微小物体を微小操作器具を
用いて操作するマイクロマニピュレーションにおいて、
前記電子ビームの加速電圧と前記微小操作器具の電位と
作業基板の電位を調整し、前記微小操作器具による前記
微小物体の捕捉と離脱を行うことを特徴とするマイクロ
マニピュレーション方法であり、電子ビームの加速電圧
と微小物体の大きさの関係が、前記電子ビームが前記微
小物体を透過する条件にあることを特徴とする請求項1
に記載のマイクロマニピュレーション方法であり、前記
作業基板は、ガラス基板に導電性を持たせ、その上に物
体と基板の付着力を増すために高分子薄膜をコートした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマイ
クロマニピュレーション方法であり、前記作業基板は、
ガラス基板に透明導電性電極であるITO薄膜を蒸着
し、その上に物体と基板の付着力を増すためにポリスチ
レン薄膜をディップコートしたことを特徴とする請求項
1または請求項2に記載のマイクロマニピュレーション
方法である。
【0006】
【実施の形態】以下本発明に係るマイクロマニピュレー
ションについて説明すると、図1は電子ビームの加速電
圧と対象物の電位で決まる有効加速電圧Vaと、微小対
象物から放出される電子の割合を示す電子放出比Iou
t/Iinの一般的な関係を示す図、図2は、2次電子
放出比と透過電子放出比の和δ+τを示す図、図3は加
速電圧と帯電極性を示す図表である。なお、図1におい
て電子放出比=1とは、対象物に入射した電子ビームと
まったく同じ量の電子が放出されることを意味する。
ションについて説明すると、図1は電子ビームの加速電
圧と対象物の電位で決まる有効加速電圧Vaと、微小対
象物から放出される電子の割合を示す電子放出比Iou
t/Iinの一般的な関係を示す図、図2は、2次電子
放出比と透過電子放出比の和δ+τを示す図、図3は加
速電圧と帯電極性を示す図表である。なお、図1におい
て電子放出比=1とは、対象物に入射した電子ビームと
まったく同じ量の電子が放出されることを意味する。
【0007】一般的に、対象物に入射した電子は、2次
電子、あるいは透過電子の形で対象物から放出される。
有効加速電圧Vaが増していくと、2次電子放出比δは
まず急速に増大し、1を超え、極大値を示す。その後急
速に減少し、次第に0に漸近する。一方、透過電子放出
比τは徐々に大きくなり、Vaが大きくなると1に漸近
する。2次電子は、物質の極表層で発生するので、対象
物の大きさにはほとんど依存しない。しかし、透過電子
は対象物の大きさに指数関数的に関係する。図1の破線
は、10μmの大きさの一般的な対象物に対する透過電
子放出比である。このように大きな対象物では、一般的
な走査型電子顕微鏡の加速電圧(30KV程度)の範囲
では、透過電子は、ほとんど無視できる。このとき、入
射した電子は2次電子としても透過電子としてもほとん
ど放出されないので対象物は、負に帯電し、従来の技術
で再現性良く操作することが出来る。一方、図1の実線
で示した透過電子放出比は、300nmの大きさの一般
的な対象物に対するものである。このような微小な対象
物では透過電子の寄与が無視できない。
電子、あるいは透過電子の形で対象物から放出される。
有効加速電圧Vaが増していくと、2次電子放出比δは
まず急速に増大し、1を超え、極大値を示す。その後急
速に減少し、次第に0に漸近する。一方、透過電子放出
比τは徐々に大きくなり、Vaが大きくなると1に漸近
する。2次電子は、物質の極表層で発生するので、対象
物の大きさにはほとんど依存しない。しかし、透過電子
は対象物の大きさに指数関数的に関係する。図1の破線
は、10μmの大きさの一般的な対象物に対する透過電
子放出比である。このように大きな対象物では、一般的
な走査型電子顕微鏡の加速電圧(30KV程度)の範囲
では、透過電子は、ほとんど無視できる。このとき、入
射した電子は2次電子としても透過電子としてもほとん
ど放出されないので対象物は、負に帯電し、従来の技術
で再現性良く操作することが出来る。一方、図1の実線
で示した透過電子放出比は、300nmの大きさの一般
的な対象物に対するものである。このような微小な対象
物では透過電子の寄与が無視できない。
【0008】図2には、2次電子放出比と透過電子放出
比の和δ+τを示す。このとき、対象物の帯電極性は有
効加速電圧Vaによって変化する。図2のδ+τは3ヵ所
で1になる。それぞれの有効加速電圧VaをV1、V
2、V3とする。加速電圧をちょうどこれらの値に選ん
だとき、対象物は帯電しない。それ以外の時には正また
は負に帯電する(加速電圧がV1、V2、V3の時だ
け、対象物の電位が0Vなので、加速電圧と有効加速電
圧Vaとは一致する。それ以外の加速電圧では、Vaと
加速電圧は異なる値になる。)
比の和δ+τを示す。このとき、対象物の帯電極性は有
効加速電圧Vaによって変化する。図2のδ+τは3ヵ所
で1になる。それぞれの有効加速電圧VaをV1、V
2、V3とする。加速電圧をちょうどこれらの値に選ん
だとき、対象物は帯電しない。それ以外の時には正また
は負に帯電する(加速電圧がV1、V2、V3の時だ
け、対象物の電位が0Vなので、加速電圧と有効加速電
圧Vaとは一致する。それ以外の加速電圧では、Vaと
加速電圧は異なる値になる。)
【0009】その関係を図3の表に示す。加速電圧をこ
の表に基づいて選択することによって、対象物の帯電状
態を制御することができる。実際のV1、V2、V3の
値は、対象物の材質、形状などによって異なるが、加速
電圧をさまざまに変化させた時の2次電子像の見え方
(正に帯電すると急激に暗く、負に帯電すると明るくな
る)や、操作に対する応答(電圧を印加した操作器具に
対する付着・離脱特性)から、容易に知ることが出来
る。以上のように本発明では、物体が一般に持つ上記特
性を利用することにより、電子ビームの加速電圧と微小
操作器具の電位と作業基板の電位の組み合わせをうまく
選ぶことで、数μm以下の微小物体に対しても微小操作
器具による再現性の良い捕捉・離脱が可能になる。
の表に基づいて選択することによって、対象物の帯電状
態を制御することができる。実際のV1、V2、V3の
値は、対象物の材質、形状などによって異なるが、加速
電圧をさまざまに変化させた時の2次電子像の見え方
(正に帯電すると急激に暗く、負に帯電すると明るくな
る)や、操作に対する応答(電圧を印加した操作器具に
対する付着・離脱特性)から、容易に知ることが出来
る。以上のように本発明では、物体が一般に持つ上記特
性を利用することにより、電子ビームの加速電圧と微小
操作器具の電位と作業基板の電位の組み合わせをうまく
選ぶことで、数μm以下の微小物体に対しても微小操作
器具による再現性の良い捕捉・離脱が可能になる。
【0010】
【実施例】つづいて、走査型電子顕微鏡下で行った光学
実験を目的とした微小球多層配列作業の例を図4を参照
しながら示す。図4は走査型電子顕微鏡の構成図であ
る。用いた走査型電子顕微鏡では、加速電圧は30KV
までの範囲で選択できる。作業基板1はガラス基板2に
導電性を持たせ、その上に物体と基板の付着力を増すた
めに高分子薄膜をコートしたものであり、さらに具体的
な一例としてはガラス基板2に透明導電性電極であるI
TO薄膜3(厚さ189nm)を蒸着し、その上に物体
と基板の付着力を増すためにポリスチレン薄膜4(厚さ
15nm)をディップコートしたものである。なお、ガ
ラス基板に導電性を持たせる方法、付着力をますための
高分子薄膜の種類は、同様の機構を得ることができれば
種々の方法を採用できる。また、操作対象物は直径2μ
mのポリビニルトルエン製の微小球5である。これを先
端径0.7μmのテーパ状のガラス製の円筒に金をスパ
ッタコートした微小操作器具6を用いて操作する。基板
1および微小操作器具6はそれぞれマニピュレータの試
料ステージおよび作業アームに取り付けられており、操
作者は電子顕微鏡画像を監視しながらジョイスティック
でマニピュレータを操作する。ここで、微小操作器具6
および作業基板1はそれぞれ保護抵抗(1MΩ)を介し
て可変電源に接続されており、電位を任意に制御でき
る。
実験を目的とした微小球多層配列作業の例を図4を参照
しながら示す。図4は走査型電子顕微鏡の構成図であ
る。用いた走査型電子顕微鏡では、加速電圧は30KV
までの範囲で選択できる。作業基板1はガラス基板2に
導電性を持たせ、その上に物体と基板の付着力を増すた
めに高分子薄膜をコートしたものであり、さらに具体的
な一例としてはガラス基板2に透明導電性電極であるI
TO薄膜3(厚さ189nm)を蒸着し、その上に物体
と基板の付着力を増すためにポリスチレン薄膜4(厚さ
15nm)をディップコートしたものである。なお、ガ
ラス基板に導電性を持たせる方法、付着力をますための
高分子薄膜の種類は、同様の機構を得ることができれば
種々の方法を採用できる。また、操作対象物は直径2μ
mのポリビニルトルエン製の微小球5である。これを先
端径0.7μmのテーパ状のガラス製の円筒に金をスパ
ッタコートした微小操作器具6を用いて操作する。基板
1および微小操作器具6はそれぞれマニピュレータの試
料ステージおよび作業アームに取り付けられており、操
作者は電子顕微鏡画像を監視しながらジョイスティック
でマニピュレータを操作する。ここで、微小操作器具6
および作業基板1はそれぞれ保護抵抗(1MΩ)を介し
て可変電源に接続されており、電位を任意に制御でき
る。
【0011】この時、通常作業を行う加速電圧10KV
では、微小操作器具6に最大70Vまでの範囲で正の電
圧を印加しても、負の電圧を印加しても基板から持ち上
げることはできなかった(基板は接地)。これは、一つ
には、基板表面に微小球5との付着力を増すためのコー
ティングが施してあるためであり、もう一つには、この
微小球5に対して、ちょうどV3の値が10KV程度な
ので、球がほとんど帯電していないためである。そこ
で、加速電圧を最大の30KVに変更し、微小操作器具
6に−35Vの電圧を印加したところ、50%程度の確
率で微小球5を捕捉できるようになった(基板は接
地)。微小球5を微小操作器具6から離脱し、作業基板
1上に置くためには、微小操作器具6を再び接地し、微
小球5を基板に接触してやるだけでよく、90%程度の
確率で目的通りの操作ができた。このとき、操作器具の
方を接地し、作業基板に+35Vを印加しても結果は同
じであった。これらの結果は、球が正に帯電しているこ
とを意味している。加速電圧を25KVまで下げただけ
でも、同じ微小操作器具6や作業基板1の電位では捕捉
が出来なくなったので、加速電圧の効果が確かに存在
し、操作の成否に重要な役割を果たしていることがわか
る。
では、微小操作器具6に最大70Vまでの範囲で正の電
圧を印加しても、負の電圧を印加しても基板から持ち上
げることはできなかった(基板は接地)。これは、一つ
には、基板表面に微小球5との付着力を増すためのコー
ティングが施してあるためであり、もう一つには、この
微小球5に対して、ちょうどV3の値が10KV程度な
ので、球がほとんど帯電していないためである。そこ
で、加速電圧を最大の30KVに変更し、微小操作器具
6に−35Vの電圧を印加したところ、50%程度の確
率で微小球5を捕捉できるようになった(基板は接
地)。微小球5を微小操作器具6から離脱し、作業基板
1上に置くためには、微小操作器具6を再び接地し、微
小球5を基板に接触してやるだけでよく、90%程度の
確率で目的通りの操作ができた。このとき、操作器具の
方を接地し、作業基板に+35Vを印加しても結果は同
じであった。これらの結果は、球が正に帯電しているこ
とを意味している。加速電圧を25KVまで下げただけ
でも、同じ微小操作器具6や作業基板1の電位では捕捉
が出来なくなったので、加速電圧の効果が確かに存在
し、操作の成否に重要な役割を果たしていることがわか
る。
【0012】以上のように本発明は加速電圧を制御する
だけで簡単に微小操作器具や作業基板の電位だけでは操
作の困難な、数μm以下の微小物体に対しても、再現性
の高い捕捉・離脱を可能にする。なお、上記実施形態に
おいて使用する作業基板に代えて他の同様な機能を有す
る作業基板を使用できることは当然である。また本発明
はその精神また主要な特徴から逸脱することなく、他の
色々な形で実施することができる。そのため前述の実施
例は単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならな
い。更に特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更
は全て本発明の範囲内のものである。
だけで簡単に微小操作器具や作業基板の電位だけでは操
作の困難な、数μm以下の微小物体に対しても、再現性
の高い捕捉・離脱を可能にする。なお、上記実施形態に
おいて使用する作業基板に代えて他の同様な機能を有す
る作業基板を使用できることは当然である。また本発明
はその精神また主要な特徴から逸脱することなく、他の
色々な形で実施することができる。そのため前述の実施
例は単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならな
い。更に特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更
は全て本発明の範囲内のものである。
【0013】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、微小な異物の分析や微小構造物の組立てのため
に走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡にマイクロマニ
ピュレータを装着して行う微小物体操作において、数μ
mかそれ以下の微小な物体まで、再現性良く目的通りに
操作することが可能になる。
よれば、微小な異物の分析や微小構造物の組立てのため
に走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡にマイクロマニ
ピュレータを装着して行う微小物体操作において、数μ
mかそれ以下の微小な物体まで、再現性良く目的通りに
操作することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 有効加速電圧Vaと2次電子放出比δ、透過
電子放出比τの関係を示す図である。
電子放出比τの関係を示す図である。
【図2】 数μm以下の微小物体についての電子放出比
δ+τと有効加速電圧Vaの関係を示す図である。
δ+τと有効加速電圧Vaの関係を示す図である。
【図3】 加速電圧と微小物体の帯電極性の関係を示す
表である。
表である。
【図4】 走査型電子顕微鏡下で行った光学実験を目的
とした微小球多層配列作業の例を説明する図である。
とした微小球多層配列作業の例を説明する図である。
1 作業基板 2 ガラス基板 3 ITO膜 4 ポリスチレン膜 5 微小球 6 微小操作器具 7 電子銃
Claims (4)
- 【請求項1】電子顕微鏡の電子ビーム照射下で微小物体
を微小操作器具を用いて操作するマイクロマニピュレー
ションにおいて、前記電子ビームの加速電圧と前記微小
操作器具の電位と作業基板の電位を調整し、前記微小操
作器具による前記微小物体の捕捉と離脱を行うことを特
徴とするマイクロマニピュレーション方法。 - 【請求項2】電子ビームの加速電圧と微小物体の大きさ
の関係が、前記電子ビームが前記微小物体を透過する条
件にあることを特徴とする請求項1に記載のマイクロマ
ニピュレーション方法。 - 【請求項3】前記作業基板は、ガラス基板に導電性を持
たせ、その上に物体と基板の付着力を増すために高分子
薄膜をコートしたことを特徴とする請求項1または請求
項2に記載のマイクロマニピュレーション方法。 - 【請求項4】前記作業基板は、ガラス基板に透明導電性
電極であるITO薄膜を蒸着し、その上に物体と基板の
付着力を増すためにポリスチレン薄膜をディップコート
したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
マイクロマニピュレーション方法。
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