JP2001088039A - 研磨工具 - Google Patents
研磨工具Info
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- JP2001088039A JP2001088039A JP27159099A JP27159099A JP2001088039A JP 2001088039 A JP2001088039 A JP 2001088039A JP 27159099 A JP27159099 A JP 27159099A JP 27159099 A JP27159099 A JP 27159099A JP 2001088039 A JP2001088039 A JP 2001088039A
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- polishing
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- polishing tool
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- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 非軸対称自由曲面に対する加工接触面積の変
化をなくし、その形状を変えることなく除去深さを均一
にし表面粗さを向上させることができる研磨工具を提供
する。 【解決手段】 少なくとも被加工面11に接触する部分
が球面に形成され、硬度や弾性率が異なる2種類の材料
を研磨層2と内部層3に層状に組み合わせて研磨工具1
を構成し、研磨層2は、内部層3より硬く、被加工面の
切削粗さ12を除去できる剛な硬質材料(例えば、ウレ
タンゴム、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ナイロン樹脂、研磨用ピッチ等)で形成し、内部層
3は研磨層2より変形しやすい材料であって、被加工面
11の小曲率半径の凹凸形状にも容易に倣い変形する柔
らかさを有する材料(例えば、中実発泡ゴム、スポン
ジ、中空ゴム、中空スポンジ等)で形成する。
化をなくし、その形状を変えることなく除去深さを均一
にし表面粗さを向上させることができる研磨工具を提供
する。 【解決手段】 少なくとも被加工面11に接触する部分
が球面に形成され、硬度や弾性率が異なる2種類の材料
を研磨層2と内部層3に層状に組み合わせて研磨工具1
を構成し、研磨層2は、内部層3より硬く、被加工面の
切削粗さ12を除去できる剛な硬質材料(例えば、ウレ
タンゴム、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ナイロン樹脂、研磨用ピッチ等)で形成し、内部層
3は研磨層2より変形しやすい材料であって、被加工面
11の小曲率半径の凹凸形状にも容易に倣い変形する柔
らかさを有する材料(例えば、中実発泡ゴム、スポン
ジ、中空ゴム、中空スポンジ等)で形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズやミラー等
の光学素子あるいは光学素子成形用金型等の研磨に使用
される研磨工具に関し、特に、場所により曲率が異なる
自由曲面を形状を変化させることなく表面粗さを数ナノ
メーターオーダーに仕上げるための研磨工具に関するも
のである。
の光学素子あるいは光学素子成形用金型等の研磨に使用
される研磨工具に関し、特に、場所により曲率が異なる
自由曲面を形状を変化させることなく表面粗さを数ナノ
メーターオーダーに仕上げるための研磨工具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、各点で曲率が異なるいわゆる非軸
対称自由曲面の表面を加工する場合は、3次元NC精密
切削装置によりダイヤモンドバイトで切削して形状を創
成し、その後、表面に存在するミクロな切削痕を除去す
る仕上げ研磨を行なうのが一般的である。
対称自由曲面の表面を加工する場合は、3次元NC精密
切削装置によりダイヤモンドバイトで切削して形状を創
成し、その後、表面に存在するミクロな切削痕を除去す
る仕上げ研磨を行なうのが一般的である。
【0003】このような自由曲面の仕上げ研磨の方法
は、例えば、一例として、特開平5−092362号公
報に記載されているような研磨装置で球形状の研磨工具
を用い、加工すべき部品の面積に比べてはるかに小さい
接触面積の研磨工具を被加工表面に対し一定圧力で加圧
し、一定速度で走査して、直線溝状に均一な深さで部分
除去を行ない、さらに、その状態を保ったまま、被加工
面を一定間隔でずらし重ねることにより、全面を均一に
研磨することが行なわれている。研磨工具の材質として
は、ウレタン樹脂、フェルト等の樹脂や繊維質のもの、
研磨用ピッチなどの粘弾性質が用いられている。
は、例えば、一例として、特開平5−092362号公
報に記載されているような研磨装置で球形状の研磨工具
を用い、加工すべき部品の面積に比べてはるかに小さい
接触面積の研磨工具を被加工表面に対し一定圧力で加圧
し、一定速度で走査して、直線溝状に均一な深さで部分
除去を行ない、さらに、その状態を保ったまま、被加工
面を一定間隔でずらし重ねることにより、全面を均一に
研磨することが行なわれている。研磨工具の材質として
は、ウレタン樹脂、フェルト等の樹脂や繊維質のもの、
研磨用ピッチなどの粘弾性質が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の仕上
げ研磨工程において、切削目を効率よく除去するには、
経験上、工具表面がピッチやウレタン樹脂等のようなあ
る程度硬い材質がよいことが知られている。また、任意
の曲率形状の変化に対応できる工具としては球状に形成
された工具が適していることが知られている。しかしな
がら、ウレタン樹脂のような硬い材質で球状の工具を用
いて自由曲面形状を研磨する場合、工具と被加工面の接
触面積が磨く場所により変化し、特に被加工面が凹面と
凸面からなる形状の場合には、接触面積の変化は甚だし
く大きくなる。緩い凹凸面形状の場合は接触面積は広く
維持され緩いU字形となり、加圧が一定である限り接触
面が変化しても除去される体積は一定であるが、凹凸面
で曲率半径が小さい被加工面の場合は、凸面では接触面
積が非常に狭いV字形になったり、凹面では底面に工具
が入り込まずW字形になる。その部分では除去される体
積が他の部分とは異なるため、走査後の除去深さが変化
して除去過剰や除去不足になり、磨く前の形状とは異な
るくせのある形状となってしまう。
げ研磨工程において、切削目を効率よく除去するには、
経験上、工具表面がピッチやウレタン樹脂等のようなあ
る程度硬い材質がよいことが知られている。また、任意
の曲率形状の変化に対応できる工具としては球状に形成
された工具が適していることが知られている。しかしな
がら、ウレタン樹脂のような硬い材質で球状の工具を用
いて自由曲面形状を研磨する場合、工具と被加工面の接
触面積が磨く場所により変化し、特に被加工面が凹面と
凸面からなる形状の場合には、接触面積の変化は甚だし
く大きくなる。緩い凹凸面形状の場合は接触面積は広く
維持され緩いU字形となり、加圧が一定である限り接触
面が変化しても除去される体積は一定であるが、凹凸面
で曲率半径が小さい被加工面の場合は、凸面では接触面
積が非常に狭いV字形になったり、凹面では底面に工具
が入り込まずW字形になる。その部分では除去される体
積が他の部分とは異なるため、走査後の除去深さが変化
して除去過剰や除去不足になり、磨く前の形状とは異な
るくせのある形状となってしまう。
【0005】また、急曲率の凹凸加工面での研磨工具の
接触面積を広げるために、その材質をフェルトのような
柔らかいものを用いる工具もあるが、柔らかい材質の場
合は切削目が除去されにくく平滑な研磨面が得られない
という問題点があった。
接触面積を広げるために、その材質をフェルトのような
柔らかいものを用いる工具もあるが、柔らかい材質の場
合は切削目が除去されにくく平滑な研磨面が得られない
という問題点があった。
【0006】ピッチを用いる際に適度の硬さを選定する
ことにより、ピッチは、被加工面の表面粗さの微小な突
起を除去すると同時にその粘性により被加工面の平面や
球面形状に倣って塑性変形して広い面積で接することが
でき、滑らかに除去研磨することができる特性があり、
他の研磨材料にない優れた平滑化効果が得られる。しか
しながら、ピッチには流動性があるため、曲率が変化す
る自由曲面では研磨中に工具の研磨面が拡大する場合が
ある。すなわち、例えば研磨する面が平面から凹面に変
化する場合、ピッチが工具外周よりも外方に流動変化し
て接触面積が大きくなり、一定の接触面積を維持するこ
とができなかった。そのため場所によって除去幅と除去
深さが大きく異なり、均一な深さで除去研磨ができない
という問題点があった。
ことにより、ピッチは、被加工面の表面粗さの微小な突
起を除去すると同時にその粘性により被加工面の平面や
球面形状に倣って塑性変形して広い面積で接することが
でき、滑らかに除去研磨することができる特性があり、
他の研磨材料にない優れた平滑化効果が得られる。しか
しながら、ピッチには流動性があるため、曲率が変化す
る自由曲面では研磨中に工具の研磨面が拡大する場合が
ある。すなわち、例えば研磨する面が平面から凹面に変
化する場合、ピッチが工具外周よりも外方に流動変化し
て接触面積が大きくなり、一定の接触面積を維持するこ
とができなかった。そのため場所によって除去幅と除去
深さが大きく異なり、均一な深さで除去研磨ができない
という問題点があった。
【0007】そこで、本発明は、上記のような従来技術
の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、
非軸対称自由曲面に対する加工接触面積の変化をなく
し、その形状を変えることなく除去深さを均一にし表面
粗さを向上させることができる研磨工具を提供すること
を目的とするものである。
の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、
非軸対称自由曲面に対する加工接触面積の変化をなく
し、その形状を変えることなく除去深さを均一にし表面
粗さを向上させることができる研磨工具を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の研磨工具は、加圧して被加工物表面を研磨
する研磨工具において、表面層と内部層からなる2層構
造で、少なくとも被加工物表面に接触する部分の形状を
球面状として、前記表面層を研磨性材料とし、前記内部
層を前記表面層より変形しやすい材料で形成することを
特徴とする。
に、本発明の研磨工具は、加圧して被加工物表面を研磨
する研磨工具において、表面層と内部層からなる2層構
造で、少なくとも被加工物表面に接触する部分の形状を
球面状として、前記表面層を研磨性材料とし、前記内部
層を前記表面層より変形しやすい材料で形成することを
特徴とする。
【0009】本発明の研磨工具においては、前記表面層
を前記内部層の一部分のみに付着して構成することがで
き、また、前記表面層はセグメント状に分割されて前記
内部層に付着されていることが好ましく、あるいは、前
記表面層は多数の溝が形成されていることが好ましい。
を前記内部層の一部分のみに付着して構成することがで
き、また、前記表面層はセグメント状に分割されて前記
内部層に付着されていることが好ましく、あるいは、前
記表面層は多数の溝が形成されていることが好ましい。
【0010】また、本発明の研磨工具は、加圧して被加
工物表面を研磨する研磨工具において、研磨性材料で形
成する表面層と内部層を有する多層構造とし、前記内部
層を電界または磁界により力学的特性が変化する液状物
質で構成することを特徴とする。
工物表面を研磨する研磨工具において、研磨性材料で形
成する表面層と内部層を有する多層構造とし、前記内部
層を電界または磁界により力学的特性が変化する液状物
質で構成することを特徴とする。
【0011】本発明の研磨工具は、表面層を研磨性材料
とする多層構造で構成され、2層目を導電ゴム製の中空
球体とし、該中空球体の内部に電極を配置し、前記中空
球体と前記電極間に電圧により粘性が変化する液状物質
を満たしたことを特徴とし、また、表面層を研磨性材料
とする多層構造で構成され、2層目を磁性ゴム製の中空
球体とし、該中空球体の内部に電磁石を配置し、前記中
空球体と前記電磁石間に磁界により粘性が変化する磁性
流体を満たしたことを特徴とし、さらにまた、表面層を
研磨性材料とする多層構造で構成され、2層目を非磁性
ゴム製の中空球体とし、該中空球体の内部に電磁石を配
置し、前記中空球体と前記電磁石間に磁界により粘性が
変化する磁性流体を満たすとともに、前記被加工物裏面
にさらに電磁石を配置することを特徴とする。
とする多層構造で構成され、2層目を導電ゴム製の中空
球体とし、該中空球体の内部に電極を配置し、前記中空
球体と前記電極間に電圧により粘性が変化する液状物質
を満たしたことを特徴とし、また、表面層を研磨性材料
とする多層構造で構成され、2層目を磁性ゴム製の中空
球体とし、該中空球体の内部に電磁石を配置し、前記中
空球体と前記電磁石間に磁界により粘性が変化する磁性
流体を満たしたことを特徴とし、さらにまた、表面層を
研磨性材料とする多層構造で構成され、2層目を非磁性
ゴム製の中空球体とし、該中空球体の内部に電磁石を配
置し、前記中空球体と前記電磁石間に磁界により粘性が
変化する磁性流体を満たすとともに、前記被加工物裏面
にさらに電磁石を配置することを特徴とする。
【0012】本発明の研磨工具においては、前記研磨性
材料がセグメント状に分割されていることが好ましい。
材料がセグメント状に分割されていることが好ましい。
【0013】本発明の研磨工具は、加圧して被加工物表
面を研磨する研磨工具において、粘性体層と該粘性体層
の研磨作用面以外の面を覆う弾性体層からなる2層構造
とすることを特徴とする。
面を研磨する研磨工具において、粘性体層と該粘性体層
の研磨作用面以外の面を覆う弾性体層からなる2層構造
とすることを特徴とする。
【0014】本発明の研磨工具において、前記弾性体層
は、肉厚の厚い側面部と肉厚の薄い底面部を有する容器
状に形成されていることが好ましく、また、前記弾性体
層の底面部に弾性ばねまたは空気ばねを付設することが
好ましい。
は、肉厚の厚い側面部と肉厚の薄い底面部を有する容器
状に形成されていることが好ましく、また、前記弾性体
層の底面部に弾性ばねまたは空気ばねを付設することが
好ましい。
【0015】
【作用】本発明の研磨工具によれば、自由曲面形状の研
磨に際して、部分曲率が変化する被加工面においても加
工接触面積を一定に維持することができ、被加工面全体
の形状を変化させることなく均一に研磨除去することが
でき、表面粗さを大きく向上させることができる。
磨に際して、部分曲率が変化する被加工面においても加
工接触面積を一定に維持することができ、被加工面全体
の形状を変化させることなく均一に研磨除去することが
でき、表面粗さを大きく向上させることができる。
【0016】硬度や弾性率が異なる2層構造の球面形状
の研磨工具を用いて自由曲面形状を研磨することによ
り、被加工面全体の形状を変化させることなく均一に研
磨除去することができ、表面にある微小な切削目を除去
することを可能にする。
の研磨工具を用いて自由曲面形状を研磨することによ
り、被加工面全体の形状を変化させることなく均一に研
磨除去することができ、表面にある微小な切削目を除去
することを可能にする。
【0017】また、研磨性材料を貼り付けた弾性質の中
空球体の内部にER流体(電気粘性流体)や磁性流体等
の力学的特性変化物質(粘性変化物質)を入れて、被加
工面の曲率の変化に応じて印加電界や磁界を変化させて
粘性を変えることにより、被加工面に部分曲率の変化が
あっても加工接触面積を揃えて、被加工面全体の除去形
状を変化させることなく、表面にある微小な切削目を研
磨除去することを可能にする。
空球体の内部にER流体(電気粘性流体)や磁性流体等
の力学的特性変化物質(粘性変化物質)を入れて、被加
工面の曲率の変化に応じて印加電界や磁界を変化させて
粘性を変えることにより、被加工面に部分曲率の変化が
あっても加工接触面積を揃えて、被加工面全体の除去形
状を変化させることなく、表面にある微小な切削目を研
磨除去することを可能にする。
【0018】さらに、研磨工具の研磨作用をする粘性体
層(ピッチ)の非研磨面である側面および底面を弾性体
で包み込む構造として、弾性体の側面部の肉厚を厚くそ
して底面部の肉厚を薄く形成するすることにより、被加
工面の形状の変化に応じて粘性体層の研磨作用面が変形
をする場合でも、弾性体層の底面部が大きく変形し、粘
性体層の側面方向への変形を規制し、加工接触面積を一
定に維持することができ、均等な除去深さを得ることが
できる。
層(ピッチ)の非研磨面である側面および底面を弾性体
で包み込む構造として、弾性体の側面部の肉厚を厚くそ
して底面部の肉厚を薄く形成するすることにより、被加
工面の形状の変化に応じて粘性体層の研磨作用面が変形
をする場合でも、弾性体層の底面部が大きく変形し、粘
性体層の側面方向への変形を規制し、加工接触面積を一
定に維持することができ、均等な除去深さを得ることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
いて説明する。
【0020】図1の(a)は、本発明の研磨工具の一実
施例を研磨装置に取り付けた状態で概略的に図示する模
式図であり、同(b)は、本実施例の研磨工具を用いて
被加工面を研磨加工する際の作用状態を示す模式図であ
る。
施例を研磨装置に取り付けた状態で概略的に図示する模
式図であり、同(b)は、本実施例の研磨工具を用いて
被加工面を研磨加工する際の作用状態を示す模式図であ
る。
【0021】図1の(a)に図示する研磨工具1は、少
なくとも被加工面に接触する部分が球面に形成され、硬
度や弾性率が異なる2種類の材料を研磨層2と内部層3
に層状に組み合わせて構成され、軸部1aに保持される
ものであり、研磨層2は、内部層3より硬く変形しにく
い材料であって、被加工面の切削目を除去できる能力の
ある剛な硬質材料で形成し、内部層3は研磨層2より変
形しやすい材料であって、被加工面の小曲率半径の凹凸
形状にも容易に倣い変形する柔らかさを有する材料で形
成する。なお、研磨層2は、切削粗さに選択的に圧力差
を生じる剛性を有するとともに、ローカル曲率の変位に
は倣って反り変形する程度の弾性を有するものを用い、
研磨圧力で反り状に変形しやすいようにその厚さはでき
るだけ薄く形成する。
なくとも被加工面に接触する部分が球面に形成され、硬
度や弾性率が異なる2種類の材料を研磨層2と内部層3
に層状に組み合わせて構成され、軸部1aに保持される
ものであり、研磨層2は、内部層3より硬く変形しにく
い材料であって、被加工面の切削目を除去できる能力の
ある剛な硬質材料で形成し、内部層3は研磨層2より変
形しやすい材料であって、被加工面の小曲率半径の凹凸
形状にも容易に倣い変形する柔らかさを有する材料で形
成する。なお、研磨層2は、切削粗さに選択的に圧力差
を生じる剛性を有するとともに、ローカル曲率の変位に
は倣って反り変形する程度の弾性を有するものを用い、
研磨圧力で反り状に変形しやすいようにその厚さはでき
るだけ薄く形成する。
【0022】研磨工具の内部層3の材料としては、中実
発泡ゴム、スポンジ、中空ゴム、中空スポンジ等を用い
ることができ、研磨層2の材料としては、ウレタンゴ
ム、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(テフ
ロン樹脂)、ナイロン樹脂、研磨用ピッチ等を用いるこ
とができ、研磨層2と内部層3は、これらを適宜組み合
わせて使用する。
発泡ゴム、スポンジ、中空ゴム、中空スポンジ等を用い
ることができ、研磨層2の材料としては、ウレタンゴ
ム、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(テフ
ロン樹脂)、ナイロン樹脂、研磨用ピッチ等を用いるこ
とができ、研磨層2と内部層3は、これらを適宜組み合
わせて使用する。
【0023】次に、このように構成される本実施例の研
磨工具による研磨中の作用状態を図1の(b)を用いて
説明する。
磨工具による研磨中の作用状態を図1の(b)を用いて
説明する。
【0024】図1の(b)において、10は、被加工物
を示し、例えば、3次元NC精密切削装置によりダイヤ
モンドバイト等で切削して創成された非軸対称自由曲面
の表面(被加工面)11を有するレンズ等の光学素子あ
るいは光学素子成形用金型であり、被加工面11はロー
カル曲率を有しており、その表面には微小な切削目の切
削粗さ12がある。なお、15は研磨工具1の曲率半径
を示す。
を示し、例えば、3次元NC精密切削装置によりダイヤ
モンドバイト等で切削して創成された非軸対称自由曲面
の表面(被加工面)11を有するレンズ等の光学素子あ
るいは光学素子成形用金型であり、被加工面11はロー
カル曲率を有しており、その表面には微小な切削目の切
削粗さ12がある。なお、15は研磨工具1の曲率半径
を示す。
【0025】被加工物の研磨に際して、研磨工具1が切
削粗さ(表面粗さ)12を有する被加工面11に押し付
けられると、研磨工具1の研磨層2は、前述したよう
に、剛の材質で形成されているから、表面粗さ12の山
部(突起部)に作用する圧力(P1)が谷部に作用する
圧力(P2)よりも高くなる。この状態で、研磨工具1
と被加工面11間で接線方向に相対移動を行なうと、山
部(突起部)が選択的に除去され、表面は平滑になる。
削粗さ(表面粗さ)12を有する被加工面11に押し付
けられると、研磨工具1の研磨層2は、前述したよう
に、剛の材質で形成されているから、表面粗さ12の山
部(突起部)に作用する圧力(P1)が谷部に作用する
圧力(P2)よりも高くなる。この状態で、研磨工具1
と被加工面11間で接線方向に相対移動を行なうと、山
部(突起部)が選択的に除去され、表面は平滑になる。
【0026】被加工面11のローカル曲率形状は、粗さ
の波長に比べ長い周期の傾斜であるから、研磨工具1
は、研磨層2が硬い剛の材質であっても内部層3が柔ら
かくなっているので、研磨圧力を作用させることで、内
部層3の柔らかさと研磨層2の弾性変形により、研磨層
2はローカル曲率に倣って反り変形する。
の波長に比べ長い周期の傾斜であるから、研磨工具1
は、研磨層2が硬い剛の材質であっても内部層3が柔ら
かくなっているので、研磨圧力を作用させることで、内
部層3の柔らかさと研磨層2の弾性変形により、研磨層
2はローカル曲率に倣って反り変形する。
【0027】以上のように、被加工面11を表面粗さと
ローカル曲率形状の波長に分離して考えると、硬度や弾
性率が異なる2種類の材料からなる2層構造の研磨工具
1を使用することにより、短波長成分である表面粗さは
研磨層2の硬質材で除去され、長波長成分であるローカ
ル曲率形状は、研磨層2が内部層3の柔らかさと研磨層
2の弾性変形で倣い変形することになる。これにより、
被加工面11のローカル曲率形状を変化することなく表
面粗さを研磨除去することが可能になる。
ローカル曲率形状の波長に分離して考えると、硬度や弾
性率が異なる2種類の材料からなる2層構造の研磨工具
1を使用することにより、短波長成分である表面粗さは
研磨層2の硬質材で除去され、長波長成分であるローカ
ル曲率形状は、研磨層2が内部層3の柔らかさと研磨層
2の弾性変形で倣い変形することになる。これにより、
被加工面11のローカル曲率形状を変化することなく表
面粗さを研磨除去することが可能になる。
【0028】次に、本実施例の具体例について説明する
と、研磨工具1は、図1の(a)および(b)に示すよ
うに、研磨層2は直径10mmで表面硬度(Hs)90
のウレタン球で、内部層3は硬度(Hs)40のスポン
ジゴムでそれぞれ形成し、被加工物10の被加工面11
は、母線方向は曲率の緩いR40前後の凸面で、子線方
向は曲率が急なR10前後の凹面からなる鞍形形状で、
化学Niメッキ面をダイヤモンドバイトで鏡面に切削し
た面である。研磨装置で研磨荷重を100gに設定し、
研磨工具1を6rpmで回転させ、子線方向に毎秒3m
mの接線速度で旋回揺動させながら、それと直交する母
線方向に1揺動毎に20μmずつ送りながら全面を走査
し研磨した。
と、研磨工具1は、図1の(a)および(b)に示すよ
うに、研磨層2は直径10mmで表面硬度(Hs)90
のウレタン球で、内部層3は硬度(Hs)40のスポン
ジゴムでそれぞれ形成し、被加工物10の被加工面11
は、母線方向は曲率の緩いR40前後の凸面で、子線方
向は曲率が急なR10前後の凹面からなる鞍形形状で、
化学Niメッキ面をダイヤモンドバイトで鏡面に切削し
た面である。研磨装置で研磨荷重を100gに設定し、
研磨工具1を6rpmで回転させ、子線方向に毎秒3m
mの接線速度で旋回揺動させながら、それと直交する母
線方向に1揺動毎に20μmずつ送りながら全面を走査
し研磨した。
【0029】これにより、被加工面の全面が均一に21
0nmだけ除去され、研磨前の切削面粗さ(Rmax )2
0nmが、研磨後は表面粗さ(Rmax )3nmに向上さ
せることができた。
0nmだけ除去され、研磨前の切削面粗さ(Rmax )2
0nmが、研磨後は表面粗さ(Rmax )3nmに向上さ
せることができた。
【0030】また、本実施例の研磨工具1において、図
2の(a)に図示するように、球面形状とした内部層3
の略下半球部分だけに研磨層2を均一に接着した構造と
することもでき、このような構成とすることによっても
前述したと同様の作用効果を得ることができる。
2の(a)に図示するように、球面形状とした内部層3
の略下半球部分だけに研磨層2を均一に接着した構造と
することもでき、このような構成とすることによっても
前述したと同様の作用効果を得ることができる。
【0031】図2の(a)に図示する研磨工具の一具体
例としては、内部層3を直径30mmのスポンジ球と
し、このスポンジ球の下半球部分だけに厚さ0.5mm
のウレタン樹脂を均一に接着して研磨層2を構成するも
のであり、このように構成された研磨工具1を用いて、
外形が8×16mm、母線曲率半径が凹30mm、子線
曲率半径が凹20mmの化学Niメッキ非球面トーリッ
ク金型面を研磨した。研磨に際しては研磨工具を回転さ
せながら子線方向に周期0.5秒で往復運動させ、母線
方向に送って被加工面全面を研磨した。これによって
も、前述したと同様に、被加工面の全面が均一に除去さ
れ、その表面粗さも向上させることができた。
例としては、内部層3を直径30mmのスポンジ球と
し、このスポンジ球の下半球部分だけに厚さ0.5mm
のウレタン樹脂を均一に接着して研磨層2を構成するも
のであり、このように構成された研磨工具1を用いて、
外形が8×16mm、母線曲率半径が凹30mm、子線
曲率半径が凹20mmの化学Niメッキ非球面トーリッ
ク金型面を研磨した。研磨に際しては研磨工具を回転さ
せながら子線方向に周期0.5秒で往復運動させ、母線
方向に送って被加工面全面を研磨した。これによって
も、前述したと同様に、被加工面の全面が均一に除去さ
れ、その表面粗さも向上させることができた。
【0032】また、研磨層が容易に変形できるように、
研磨工具の少なくとも被加工面に接触する部分の研磨層
2をセグメント状に分割して、あるいは研磨層2に多数
の溝を形成して用いることもできる。
研磨工具の少なくとも被加工面に接触する部分の研磨層
2をセグメント状に分割して、あるいは研磨層2に多数
の溝を形成して用いることもできる。
【0033】図2の(b)に図示する研磨工具の一具体
例は、内部層3を直径30mmのスポンジ球とし、この
スポンジ球の下半球部分に、厚さ0.5mmの精製ピッ
チを均一に接着し、その表面に幅1mmの溝2aを3m
m毎に付けて研磨層2を構成するものであり、このよう
に構成された研磨工具1を用いて、前述したと同様の外
形が8×16mm、母線曲率半径が凹30mm、子線曲
率半径が凹20mmの化学Niメッキ非球面トーリック
金型面を研磨した。研磨に際しては研磨工具を6rpm
で回転させながら子線方向に周期0.5秒で往復運動さ
せ、母線方向に送って被加工面全面を研磨した。このよ
うに、研磨層を変形しやすくすることにより、被加工面
の全面をより均一に除去でき、その表面粗さも向上させ
ることができる。
例は、内部層3を直径30mmのスポンジ球とし、この
スポンジ球の下半球部分に、厚さ0.5mmの精製ピッ
チを均一に接着し、その表面に幅1mmの溝2aを3m
m毎に付けて研磨層2を構成するものであり、このよう
に構成された研磨工具1を用いて、前述したと同様の外
形が8×16mm、母線曲率半径が凹30mm、子線曲
率半径が凹20mmの化学Niメッキ非球面トーリック
金型面を研磨した。研磨に際しては研磨工具を6rpm
で回転させながら子線方向に周期0.5秒で往復運動さ
せ、母線方向に送って被加工面全面を研磨した。このよ
うに、研磨層を変形しやすくすることにより、被加工面
の全面をより均一に除去でき、その表面粗さも向上させ
ることができる。
【0034】次に、本発明の研磨工具の他の実施例につ
いて図3ないし図5を参照して説明する。
いて図3ないし図5を参照して説明する。
【0035】本実施例は、研磨工具の内部に力学的特性
が変化する(液状)物質を充填し、その(液状)物質の
力学的特性を被加工面の部分曲率の変化に応じて適宜変
化させることにより、工具の変形量を制御して、被加工
面の部分曲率の変化があっても、加工接触面積を一定に
維持することができるようになし、被加工面全体の形状
を変化させることなく表面にある微小な切削目を研磨除
去することができるようにするものであり、力学的特性
変化物質としては、物質の粘性を変化させることができ
るものであって、例えば、電圧の印加により粘性が変化
する液状物質(電気粘性流体、以下、単にER流体とい
う)、あるいは磁界により粘性が変化する液状物質(以
下、単に磁性流体という)を用いることができる。ER
流体は、電圧の印加によって電場を作用させることによ
り、せん断速度に対するせん断応力が大きくなり(ウイ
ンズロー効果)、加圧変形抵抗が大きくなって、一定圧
のもとで一定時間後の変形量が小さくなる性質を有して
いる。また、磁性流体は、溶液中に微粒磁性体を分散さ
せたもので、磁界により分散物質が集まり、液流体の粘
性が高まるものである。
が変化する(液状)物質を充填し、その(液状)物質の
力学的特性を被加工面の部分曲率の変化に応じて適宜変
化させることにより、工具の変形量を制御して、被加工
面の部分曲率の変化があっても、加工接触面積を一定に
維持することができるようになし、被加工面全体の形状
を変化させることなく表面にある微小な切削目を研磨除
去することができるようにするものであり、力学的特性
変化物質としては、物質の粘性を変化させることができ
るものであって、例えば、電圧の印加により粘性が変化
する液状物質(電気粘性流体、以下、単にER流体とい
う)、あるいは磁界により粘性が変化する液状物質(以
下、単に磁性流体という)を用いることができる。ER
流体は、電圧の印加によって電場を作用させることによ
り、せん断速度に対するせん断応力が大きくなり(ウイ
ンズロー効果)、加圧変形抵抗が大きくなって、一定圧
のもとで一定時間後の変形量が小さくなる性質を有して
いる。また、磁性流体は、溶液中に微粒磁性体を分散さ
せたもので、磁界により分散物質が集まり、液流体の粘
性が高まるものである。
【0036】先ず、力学的特性変化物質(粘性変化物
質)としてER流体を用いる実施例について、図3の
(a)および(b)を参照して説明する。
質)としてER流体を用いる実施例について、図3の
(a)および(b)を参照して説明する。
【0037】図3の(a)は本実施例の研磨工具を研磨
装置に取り付けた状態で概略的に示す模式図であり、同
(b)は、本実施例の研磨工具を用いて被加工面を研磨
加工する際の作用状態を示す模式図である。
装置に取り付けた状態で概略的に示す模式図であり、同
(b)は、本実施例の研磨工具を用いて被加工面を研磨
加工する際の作用状態を示す模式図である。
【0038】本実施例における研磨工具1は、図3の
(a)に示すように、被加工物10を研磨する研磨性材
料で形成された研磨層4と、導電性の弾性のあるゴム等
で形成され、その表面に研磨層4が貼り付けられた中空
球体5と、この中空球体5の内部に充填された力学的特
性変化物質(粘性変化物質)としてのER流体6と、中
空球体5の内部で中空球体5に接触しないように間隔を
あけて配置された内部電極7とから構成され、中空球体
5と内部電極7の間に充填されるER流体6は、被加工
面11のローカル曲率の変化に応じて印加する電圧を変
化させることによって、その粘性(力学的特性)に変化
を与え、工具の変形量を制御し、工具の加工接触面積を
一定にするためのものである。
(a)に示すように、被加工物10を研磨する研磨性材
料で形成された研磨層4と、導電性の弾性のあるゴム等
で形成され、その表面に研磨層4が貼り付けられた中空
球体5と、この中空球体5の内部に充填された力学的特
性変化物質(粘性変化物質)としてのER流体6と、中
空球体5の内部で中空球体5に接触しないように間隔を
あけて配置された内部電極7とから構成され、中空球体
5と内部電極7の間に充填されるER流体6は、被加工
面11のローカル曲率の変化に応じて印加する電圧を変
化させることによって、その粘性(力学的特性)に変化
を与え、工具の変形量を制御し、工具の加工接触面積を
一定にするためのものである。
【0039】また、図3の(a)において、1aは研磨
工具1を保持する軸部であり、研磨装置のスライド軸受
け21に支持されて、回転モータ22に連結される。2
3は軸部1aに接するように設けられた電気供給用のス
リップリング、24は導電性ゴム製中空球体5の表面に
接するように配置された電気供給用のスリップリングで
あり、25は電源・制御部であって、電気リード線26
およびスリップリング23、24を介して内部電極7に
電気接続している。また、研磨工具1の軸部1aには、
滑車27、27に掛けられた吊り糸29を介してバラン
ス錘28が接続され、一定の研磨荷重を適宜設定するこ
とができるように形成されている。そして、研磨工具1
の下方に被加工物10を保持してXY方向に移動させる
XYステージ30が設けられている。
工具1を保持する軸部であり、研磨装置のスライド軸受
け21に支持されて、回転モータ22に連結される。2
3は軸部1aに接するように設けられた電気供給用のス
リップリング、24は導電性ゴム製中空球体5の表面に
接するように配置された電気供給用のスリップリングで
あり、25は電源・制御部であって、電気リード線26
およびスリップリング23、24を介して内部電極7に
電気接続している。また、研磨工具1の軸部1aには、
滑車27、27に掛けられた吊り糸29を介してバラン
ス錘28が接続され、一定の研磨荷重を適宜設定するこ
とができるように形成されている。そして、研磨工具1
の下方に被加工物10を保持してXY方向に移動させる
XYステージ30が設けられている。
【0040】次に、このように構成される本実施例の研
磨工具による研磨中の切削目除去作用と加圧変形につい
て、図3の(b)および図4を用いて説明する。なお、
図3の(b)において、10は被加工物であってローカ
ル曲率形状をもつ被加工面11を有し、12は被加工面
10の切削目の切削粗さであり、15は研磨工具1の曲
率半径を示す。
磨工具による研磨中の切削目除去作用と加圧変形につい
て、図3の(b)および図4を用いて説明する。なお、
図3の(b)において、10は被加工物であってローカ
ル曲率形状をもつ被加工面11を有し、12は被加工面
10の切削目の切削粗さであり、15は研磨工具1の曲
率半径を示す。
【0041】導電性ゴム製の中空球体5の表面には切削
目を除去できる剛の材料で形成される研磨シートからな
る研磨層4を接着し、内部層となる中空球体の導電性ゴ
ム5は、研磨加圧時に被加工面と接触幅がある値以上に
なるように比較的柔らかいものを用いる。研磨シートと
しては、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリテトラフル
オロエチレン(テフロン樹脂)、研磨用ピッチ等を用い
ることができる。
目を除去できる剛の材料で形成される研磨シートからな
る研磨層4を接着し、内部層となる中空球体の導電性ゴ
ム5は、研磨加圧時に被加工面と接触幅がある値以上に
なるように比較的柔らかいものを用いる。研磨シートと
しては、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリテトラフル
オロエチレン(テフロン樹脂)、研磨用ピッチ等を用い
ることができる。
【0042】ここで、導電性ゴム製の中空球体5の内部
に満たした粘性変化流体(力学的特性変化物質)として
のER流体7の粘性変化の作用について説明すると、被
加工面11が図4の(a)に示すように凹面部分である
場合、ER流体に対する印加電圧を上げ、ER流体の内
部粘性を高めて工具変形速度に制限を与えることによ
り、中空球体5(すなわち、研磨工具1)の変形量h1
を小さくし、その接触面積Wの拡大を防ぐことができ
る。中空球体5の初期曲率は、被加工面11の最小凹曲
率半径より小さくすることにより、高電圧印加で粘性が
上がり加圧変形に対して抵抗力が生じ、中空球体5の非
加圧状態の曲率形状を維持することができ、凹面を研磨
するのに適している。
に満たした粘性変化流体(力学的特性変化物質)として
のER流体7の粘性変化の作用について説明すると、被
加工面11が図4の(a)に示すように凹面部分である
場合、ER流体に対する印加電圧を上げ、ER流体の内
部粘性を高めて工具変形速度に制限を与えることによ
り、中空球体5(すなわち、研磨工具1)の変形量h1
を小さくし、その接触面積Wの拡大を防ぐことができ
る。中空球体5の初期曲率は、被加工面11の最小凹曲
率半径より小さくすることにより、高電圧印加で粘性が
上がり加圧変形に対して抵抗力が生じ、中空球体5の非
加圧状態の曲率形状を維持することができ、凹面を研磨
するのに適している。
【0043】また、被加工面11が図4の(b)に示す
ように凸面である場合には、印加電圧を低下させ、工具
変形速度を速くして変形量h2を増し、接触面積を拡げ
ることができるようにする。
ように凸面である場合には、印加電圧を低下させ、工具
変形速度を速くして変形量h2を増し、接触面積を拡げ
ることができるようにする。
【0044】凹面から凸面に連続変化する被加工面の場
合には、予め被加工面の曲面の各部分曲率に対応する電
圧値をプログラムしておき、加工位置毎に印加電圧を変
化させて、ER流体の粘性値を変更させるようにし、工
具の変形量を徐々に増して、加工接触面積を一定に保つ
ようにする。
合には、予め被加工面の曲面の各部分曲率に対応する電
圧値をプログラムしておき、加工位置毎に印加電圧を変
化させて、ER流体の粘性値を変更させるようにし、工
具の変形量を徐々に増して、加工接触面積を一定に保つ
ようにする。
【0045】以上のように粘性を変化させることができ
るER流体を採用する研磨工具1を切削目の切削粗さ
(表面粗さ)12のある被加工面11に押し付けると、
研磨シート4は切削粗さ12の山部に選択的に圧力が生
じる程度の剛性を有しかつローカル曲率の緩傾斜に倣っ
て変形する程度の変形能力のあるものが選択されるか
ら、切削粗さ12の山部(突起部)では谷部より高い圧
力が作用する。その状態で研磨工具1と被加工面10間
で接線方向に相対移動を行なうと、山部(突起部)が選
択的に除去され表面が平滑になる。また、被加工面11
のローカル曲率形状は粗さの波長に比べれば長い周期の
緩い傾斜であるから、工具内面を柔らかくして加圧すれ
ば、研磨層はローカル曲率に倣い変形する。また、研磨
層の研磨シートは形状変形しやすいように前述した実施
例に説明するようにセグメント状の分割してゴム製の中
空球体の表面に貼り付けることもできる。
るER流体を採用する研磨工具1を切削目の切削粗さ
(表面粗さ)12のある被加工面11に押し付けると、
研磨シート4は切削粗さ12の山部に選択的に圧力が生
じる程度の剛性を有しかつローカル曲率の緩傾斜に倣っ
て変形する程度の変形能力のあるものが選択されるか
ら、切削粗さ12の山部(突起部)では谷部より高い圧
力が作用する。その状態で研磨工具1と被加工面10間
で接線方向に相対移動を行なうと、山部(突起部)が選
択的に除去され表面が平滑になる。また、被加工面11
のローカル曲率形状は粗さの波長に比べれば長い周期の
緩い傾斜であるから、工具内面を柔らかくして加圧すれ
ば、研磨層はローカル曲率に倣い変形する。また、研磨
層の研磨シートは形状変形しやすいように前述した実施
例に説明するようにセグメント状の分割してゴム製の中
空球体の表面に貼り付けることもできる。
【0046】次に、本実施例の具体例について説明する
と、表面直径10mmの導電性ゴム球5の表面に表面硬
度(Hs)90のウレタン樹脂(研磨層)4を貼り付
け、導電性ゴム球5の内面と内部電極7の間にER流体
6を満たした。被加工面11は、KNiメッキを鏡面に
切削した面で、R100の凹面から平面に変化し、さら
に平面からR100の凸面に変化する曲面である。
と、表面直径10mmの導電性ゴム球5の表面に表面硬
度(Hs)90のウレタン樹脂(研磨層)4を貼り付
け、導電性ゴム球5の内面と内部電極7の間にER流体
6を満たした。被加工面11は、KNiメッキを鏡面に
切削した面で、R100の凹面から平面に変化し、さら
に平面からR100の凸面に変化する曲面である。
【0047】図3の(a)に示す定圧研磨装置で研磨荷
重を100gに設定し、工具回転数を6rpmとし、X
方向に毎秒3mmの接線速度で旋回揺動させながら、Y
方向に折り返し移動させて全面研磨した。この研磨に際
して、ローカル曲率に対応して加工凹面では内部電極に
4KV/mmの高電圧を印加して工具内部周辺を高粘度
にし、加工凸面では内部電極の印加電圧をゼロにして低
粘度にする。このように印加電圧を連続的に変えながら
加工面全面を走査し研磨した。
重を100gに設定し、工具回転数を6rpmとし、X
方向に毎秒3mmの接線速度で旋回揺動させながら、Y
方向に折り返し移動させて全面研磨した。この研磨に際
して、ローカル曲率に対応して加工凹面では内部電極に
4KV/mmの高電圧を印加して工具内部周辺を高粘度
にし、加工凸面では内部電極の印加電圧をゼロにして低
粘度にする。このように印加電圧を連続的に変えながら
加工面全面を走査し研磨した。
【0048】このように、被加工面の部分曲率の変化に
応じてER流体の印加電圧を適宜変化させてER流体の
粘性を変化させることにより、被加工面の部分曲率の変
化があっても加工接触面積を一定に維持することがで
き、被加工面全体の形状を変化させることなく表面にあ
る微小な切削目を研磨除去することができた。
応じてER流体の印加電圧を適宜変化させてER流体の
粘性を変化させることにより、被加工面の部分曲率の変
化があっても加工接触面積を一定に維持することがで
き、被加工面全体の形状を変化させることなく表面にあ
る微小な切削目を研磨除去することができた。
【0049】次に、本発明の研磨工具の他の実施例につ
いて説明する。
いて説明する。
【0050】前述した図3に図示する実施例において
は、導電性ゴム製の中空球体5内に内部電極7を配置
し、中空球体5内に粘性変化物質6としてER流体を満
たしているが、ER流体に代えて磁性流体を用いること
もでき、その場合には、磁性流体を充填する中空球体5
として磁性ゴムを用い、中空球体5内の内部電極に代え
て、電源・制御部により印加電圧を制御して磁界強度を
変えることができる内部電磁石を中空球体5内部に配置
する。
は、導電性ゴム製の中空球体5内に内部電極7を配置
し、中空球体5内に粘性変化物質6としてER流体を満
たしているが、ER流体に代えて磁性流体を用いること
もでき、その場合には、磁性流体を充填する中空球体5
として磁性ゴムを用い、中空球体5内の内部電極に代え
て、電源・制御部により印加電圧を制御して磁界強度を
変えることができる内部電磁石を中空球体5内部に配置
する。
【0051】磁性流体は、前述したように、溶液中に微
粒磁性体を分散させたもので、磁界により分散物質が集
まり、液流体の粘性が高まるものであって、電磁石の印
加電圧を変えて磁性流体に作用する磁界の強度を変化さ
せることにより、磁性流体の粘性が変えられ、工具内部
の粘性を変更することができる。
粒磁性体を分散させたもので、磁界により分散物質が集
まり、液流体の粘性が高まるものであって、電磁石の印
加電圧を変えて磁性流体に作用する磁界の強度を変化さ
せることにより、磁性流体の粘性が変えられ、工具内部
の粘性を変更することができる。
【0052】図3の(a)に示す実施例と同様のKNi
メッキを鏡面に切削した金型面で、R100の凹面から
平面に変化し、さらに平面からR100の凸面に変化す
る曲面をもつ被加工面(金型面)を研磨するのに、直径
30mmの磁性ゴム製の中空球体の内部に磁性流体を満
たし、中空球体の表面には厚さ0.5mmで溝の入った
ウレタン樹脂を均一に接着して構成した研磨工具を用い
た。磁性流体においても、図3の(a)、(b)および
図4の(a)、(b)に示す実施例と同様に、被加工面
の曲率の変化に応じて、内部電磁石の印加電圧を変化さ
せ、磁性流体に作用する磁界の強さを変化させて、磁性
流体の粘性を変えながら、工具の変形量を調整して、被
加工面全面を走査し研磨した。
メッキを鏡面に切削した金型面で、R100の凹面から
平面に変化し、さらに平面からR100の凸面に変化す
る曲面をもつ被加工面(金型面)を研磨するのに、直径
30mmの磁性ゴム製の中空球体の内部に磁性流体を満
たし、中空球体の表面には厚さ0.5mmで溝の入った
ウレタン樹脂を均一に接着して構成した研磨工具を用い
た。磁性流体においても、図3の(a)、(b)および
図4の(a)、(b)に示す実施例と同様に、被加工面
の曲率の変化に応じて、内部電磁石の印加電圧を変化さ
せ、磁性流体に作用する磁界の強さを変化させて、磁性
流体の粘性を変えながら、工具の変形量を調整して、被
加工面全面を走査し研磨した。
【0053】このように、被加工面の部分曲率の変化に
応じて、磁性流体に作用する磁界強度を適宜変化させて
磁性流体の粘性を変化させることにより、被加工面の部
分曲率の変化があっても加工接触面積を一定に保つこと
ができ、被加工面全体の形状を変化させることなく表面
にある微小な切削目を研磨除去することができる。
応じて、磁性流体に作用する磁界強度を適宜変化させて
磁性流体の粘性を変化させることにより、被加工面の部
分曲率の変化があっても加工接触面積を一定に保つこと
ができ、被加工面全体の形状を変化させることなく表面
にある微小な切削目を研磨除去することができる。
【0054】次に、本発明の研磨工具の他の実施例につ
いて図5を参照して説明する。
いて図5を参照して説明する。
【0055】力学的特性変化物質(粘性変化流体)とし
て磁性流体を用いる場合に、前述した実施例では、磁性
流体を満たす弾性中空球体の材質として、磁性ゴムを用
いているが、特に磁性体でなくてもよく、非磁性ゴムを
用いて、被加工物下方に電磁石を配置して工具内部の電
磁石との相互作用で磁界強度を増減することも可能であ
る。
て磁性流体を用いる場合に、前述した実施例では、磁性
流体を満たす弾性中空球体の材質として、磁性ゴムを用
いているが、特に磁性体でなくてもよく、非磁性ゴムを
用いて、被加工物下方に電磁石を配置して工具内部の電
磁石との相互作用で磁界強度を増減することも可能であ
る。
【0056】図5において、5aは直径30mmの非磁
性ゴム製の中空球体であり、その表面の下半球部に厚さ
0.5mmのウレタン樹脂4aを均一に接着し、そし
て、中空球体5aの内部には磁性流体6aを満たし、そ
の内部には内部電磁石7aを配置し、また、被加工物1
0である金型の下方に外部電磁石8を配置する。内部電
磁石7aおよび外部電磁石8には、電源・制御部25a
を接続し、電源・制御部25aにより、両電磁石7a、
8に印加する電圧を制御することにより、両電磁石7
a、8の相互作用で磁性流体に作用する磁界の強度を増
減するように制御する。
性ゴム製の中空球体であり、その表面の下半球部に厚さ
0.5mmのウレタン樹脂4aを均一に接着し、そし
て、中空球体5aの内部には磁性流体6aを満たし、そ
の内部には内部電磁石7aを配置し、また、被加工物1
0である金型の下方に外部電磁石8を配置する。内部電
磁石7aおよび外部電磁石8には、電源・制御部25a
を接続し、電源・制御部25aにより、両電磁石7a、
8に印加する電圧を制御することにより、両電磁石7
a、8の相互作用で磁性流体に作用する磁界の強度を増
減するように制御する。
【0057】したがって、本実施例においても、先の実
施例と同様に、被加工物の部分曲率に対応した印加電圧
を電磁石に作用させて、磁性流体の粘性を適宜変化させ
ることにより、研磨工具の加工接触面積を一定に維持す
ることができ、被加工面全体の形状を変化させることな
く表面にある微小な切削目を研磨除去することができ
る。
施例と同様に、被加工物の部分曲率に対応した印加電圧
を電磁石に作用させて、磁性流体の粘性を適宜変化させ
ることにより、研磨工具の加工接触面積を一定に維持す
ることができ、被加工面全体の形状を変化させることな
く表面にある微小な切削目を研磨除去することができ
る。
【0058】次に、本発明の研磨工具のさらに他の実施
例について図6の(a)および(b)を参照して説明す
る。
例について図6の(a)および(b)を参照して説明す
る。
【0059】前述した各実施例における研磨工具は、自
由曲面に対する加工接触面積を一定に維持することがで
きるように2層構造で少なくとも被加工面に接触する部
分を球面形状とするものであったが、本実施例は、図6
に示すように、2重構造の円筒形状の研磨工具である点
で前述した各実施例と相違する。
由曲面に対する加工接触面積を一定に維持することがで
きるように2層構造で少なくとも被加工面に接触する部
分を球面形状とするものであったが、本実施例は、図6
に示すように、2重構造の円筒形状の研磨工具である点
で前述した各実施例と相違する。
【0060】図6の(a)において、51は本実施例の
研磨工具、52は研磨用ピッチ等の粘性体、53は容器
状の形状をした弾性体であり、内部に研磨用ピッチ等の
粘性体52が嵌め込まれており、粘性体52の研磨作用
面52a以外の外表面は全て弾性体53で囲み込まれて
いる。容器状の弾性体53において、その側面部53a
の肉厚は変形しにくくするように厚くし、その底面部5
3bの肉厚は薄くして、粘性体52の変形を底面部で吸
収できるように変形しやすくしてある。また、弾性体5
3には工具基体54が接合されるが、弾性体53の底面
部53bが大きく変形できるように粘性体52に接する
面の反対側の面に空気室55を形成するように底面部5
3bの周辺で工具基体54に接合されている。
研磨工具、52は研磨用ピッチ等の粘性体、53は容器
状の形状をした弾性体であり、内部に研磨用ピッチ等の
粘性体52が嵌め込まれており、粘性体52の研磨作用
面52a以外の外表面は全て弾性体53で囲み込まれて
いる。容器状の弾性体53において、その側面部53a
の肉厚は変形しにくくするように厚くし、その底面部5
3bの肉厚は薄くして、粘性体52の変形を底面部で吸
収できるように変形しやすくしてある。また、弾性体5
3には工具基体54が接合されるが、弾性体53の底面
部53bが大きく変形できるように粘性体52に接する
面の反対側の面に空気室55を形成するように底面部5
3bの周辺で工具基体54に接合されている。
【0061】粘性体52は、微小な切削目を能率よく除
去することができる研磨用ピッチ等の研磨材料で形成さ
れ、研磨作用の中心をなす工具材料である。容器状の弾
性体53は、ゴム、ウレタンゴム、軟質樹脂、スポンジ
などの通常のレンズ研磨等で使用される研磨材料で、弾
性に富み被加工物の形状に倣いやすい性質を有するもの
で形成する。
去することができる研磨用ピッチ等の研磨材料で形成さ
れ、研磨作用の中心をなす工具材料である。容器状の弾
性体53は、ゴム、ウレタンゴム、軟質樹脂、スポンジ
などの通常のレンズ研磨等で使用される研磨材料で、弾
性に富み被加工物の形状に倣いやすい性質を有するもの
で形成する。
【0062】本実施例の研磨工具51の研磨作用につい
て、図6の(b)を用いて説明すると、被加工面11が
同図のように平面から凹面に変化する場合、被加工面の
形状が凹になると、工具接触部の周辺が持ち上げられる
ため、工具周辺の容器状の弾性体53が圧縮変形する。
同時に粘性体52も表面接触面の周辺から圧縮され内部
に変形が拡がるが、周囲の弾性体53が横と奥方向に変
形し、粘性体52の変形膨脹分を吸収する。その際の弾
性体53の機能は、肉厚の厚い側面部53aにより横方
向に変形しにくく、肉厚の薄い底面部53bにより粘性
体52の変形を吸収し、粘性体52と被加工面11の接
触面積が図中横方向に拡がらずに縦方向に拡がるように
することである。さらに、弾性体53の底面部53bの
裏面側が空間の空気室55としてあるので、底面部53
bは大きく変形することができる。
て、図6の(b)を用いて説明すると、被加工面11が
同図のように平面から凹面に変化する場合、被加工面の
形状が凹になると、工具接触部の周辺が持ち上げられる
ため、工具周辺の容器状の弾性体53が圧縮変形する。
同時に粘性体52も表面接触面の周辺から圧縮され内部
に変形が拡がるが、周囲の弾性体53が横と奥方向に変
形し、粘性体52の変形膨脹分を吸収する。その際の弾
性体53の機能は、肉厚の厚い側面部53aにより横方
向に変形しにくく、肉厚の薄い底面部53bにより粘性
体52の変形を吸収し、粘性体52と被加工面11の接
触面積が図中横方向に拡がらずに縦方向に拡がるように
することである。さらに、弾性体53の底面部53bの
裏面側が空間の空気室55としてあるので、底面部53
bは大きく変形することができる。
【0063】また、被加工面11が平面から凸面に変化
する場合は、粘性体52の中央部が変形し、その周辺に
押し拡げられるが、同様に弾性体53の底面部53bが
大きく変形して粘性体52が弾性体53の側面部53a
を越えてはみ出すことを阻止する。本実施例の研磨工具
51においては、研磨中に、弾性体53と粘性体(ピッ
チ)52の2つの材料が同時に被加工面11に接触する
ことになるが、弾性体53は、粘性体52に比べて遥か
に柔らかいため、主として粘性体(ピッチ)52が研磨
作用をする。弾性体53としては前述したように通常の
レンズ研磨で使用される弾性に富む材料を用いることに
より、粘性体(ピッチ)52とともに被加工面11に接
触して研磨作用を行なうものであり、被加工面に傷を付
けることはない。
する場合は、粘性体52の中央部が変形し、その周辺に
押し拡げられるが、同様に弾性体53の底面部53bが
大きく変形して粘性体52が弾性体53の側面部53a
を越えてはみ出すことを阻止する。本実施例の研磨工具
51においては、研磨中に、弾性体53と粘性体(ピッ
チ)52の2つの材料が同時に被加工面11に接触する
ことになるが、弾性体53は、粘性体52に比べて遥か
に柔らかいため、主として粘性体(ピッチ)52が研磨
作用をする。弾性体53としては前述したように通常の
レンズ研磨で使用される弾性に富む材料を用いることに
より、粘性体(ピッチ)52とともに被加工面11に接
触して研磨作用を行なうものであり、被加工面に傷を付
けることはない。
【0064】次に、本実施例の具体例について説明する
と、研磨工具51は、図6の(a)に示すように、硬度
(Hs)40のウレタンゴムで作製した内径10mmで
底面部の肉厚が外周面より薄い容器状の弾性体53を、
皿状の鉄製の工具基体54に貼り付け、容器状弾性体5
3の底面部の裏側に空気室55を設ける構成とする。そ
して、容器状弾性体53の容器中に、加熱して流動状態
にした研磨用ピッチを流し込み、冷却固化した。その
後、研磨工具51の研磨接触面を鋳鉄製の平面上で摺り
合わせ、容器状弾性体の外周端面上についたピッチを除
いて、ウレタンとピッチ面を同一平面に揃える。このよ
うに形成された研磨工具を用いて、平面から凹R100
に曲率が連続変化する自由曲面上を加圧し、平面側から
凹面に向かって走査研磨した。研磨時において、図6の
(b)に示すように、研磨工具51の容器状のウレタン
部分が、被加工面の曲率に変形追随し、曲面変化に倣
い、ウレタンの底面部および側面部が変形してピッチが
工具の側面方向に変形することなく、加工接触面積を一
定に維持することができ、均等な除去深さを得ることが
できる。
と、研磨工具51は、図6の(a)に示すように、硬度
(Hs)40のウレタンゴムで作製した内径10mmで
底面部の肉厚が外周面より薄い容器状の弾性体53を、
皿状の鉄製の工具基体54に貼り付け、容器状弾性体5
3の底面部の裏側に空気室55を設ける構成とする。そ
して、容器状弾性体53の容器中に、加熱して流動状態
にした研磨用ピッチを流し込み、冷却固化した。その
後、研磨工具51の研磨接触面を鋳鉄製の平面上で摺り
合わせ、容器状弾性体の外周端面上についたピッチを除
いて、ウレタンとピッチ面を同一平面に揃える。このよ
うに形成された研磨工具を用いて、平面から凹R100
に曲率が連続変化する自由曲面上を加圧し、平面側から
凹面に向かって走査研磨した。研磨時において、図6の
(b)に示すように、研磨工具51の容器状のウレタン
部分が、被加工面の曲率に変形追随し、曲面変化に倣
い、ウレタンの底面部および側面部が変形してピッチが
工具の側面方向に変形することなく、加工接触面積を一
定に維持することができ、均等な除去深さを得ることが
できる。
【0065】また、研磨工具51において、加工曲面の
曲率変化が大きく粘性体(ピッチ)の変形量が大きくな
る場合に、弾性体の変形後の戻りが不足する場合もある
ので、変形の戻りを補うように、図7の(a)に図示す
るように、ウレタンゴム製の容器状弾性体53の底面部
53bの裏面側の空気室55に複数のばね56Aを配置
した構造とすることもでき、また、図7の(b)に図示
するように、研磨圧より小さい内圧のエアーバッグ等の
空気ばね56Bを配置した構造とすることもできる。こ
のような構成とすることにより、研磨中、研磨面の曲率
変化により、ピッチ52とばね56Aや空気ばね56B
はつぶれ変形をし、そして、曲率変化が戻る場合は、ば
ね56Aや空気ばね56Bが戻り回復変化をして、ピッ
チ面が被加工面に速やかに形状追随しながら走査研磨を
行なうことができる。
曲率変化が大きく粘性体(ピッチ)の変形量が大きくな
る場合に、弾性体の変形後の戻りが不足する場合もある
ので、変形の戻りを補うように、図7の(a)に図示す
るように、ウレタンゴム製の容器状弾性体53の底面部
53bの裏面側の空気室55に複数のばね56Aを配置
した構造とすることもでき、また、図7の(b)に図示
するように、研磨圧より小さい内圧のエアーバッグ等の
空気ばね56Bを配置した構造とすることもできる。こ
のような構成とすることにより、研磨中、研磨面の曲率
変化により、ピッチ52とばね56Aや空気ばね56B
はつぶれ変形をし、そして、曲率変化が戻る場合は、ば
ね56Aや空気ばね56Bが戻り回復変化をして、ピッ
チ面が被加工面に速やかに形状追随しながら走査研磨を
行なうことができる。
【0066】さらに、図8に示すように、内径15mm
で、内部に径2mmの4本の柱状体57を底面部53b
から延設させたウレタンゴム製の容器状弾性体53を準
備し、その内部にピッチ片を入れ、容器状弾性体53ご
と加熱してピッチを流動化させ、ピッチの表面が容器状
弾性体53の開口部より盛り上がるまでピッチ片を追加
し、その後冷却固化し、そして、研磨工具51の研磨接
触面を鋳鉄製の平面上で摺り合わせ、容器状弾性体53
の端面上にある余分なピッチを除いて、ウレタンゴムと
ピッチ面を同一平面に揃え、研磨使用状態にした。この
ようにウレタンゴム製の容器状弾性体53内に柱状体5
7を設けることにより、粘性体(ピッチ)52の横方向
の拡がりを規制することができ、加工接触面積を効果的
に一定に維持することが可能となる。
で、内部に径2mmの4本の柱状体57を底面部53b
から延設させたウレタンゴム製の容器状弾性体53を準
備し、その内部にピッチ片を入れ、容器状弾性体53ご
と加熱してピッチを流動化させ、ピッチの表面が容器状
弾性体53の開口部より盛り上がるまでピッチ片を追加
し、その後冷却固化し、そして、研磨工具51の研磨接
触面を鋳鉄製の平面上で摺り合わせ、容器状弾性体53
の端面上にある余分なピッチを除いて、ウレタンゴムと
ピッチ面を同一平面に揃え、研磨使用状態にした。この
ようにウレタンゴム製の容器状弾性体53内に柱状体5
7を設けることにより、粘性体(ピッチ)52の横方向
の拡がりを規制することができ、加工接触面積を効果的
に一定に維持することが可能となる。
【0067】また、図9には、凹R50から凹R30に
曲率が連続変化するような自由曲面を研磨するための工
具として、研磨接触面を凸R50の球面の一部とする研
磨工具を示し、研磨接触面を凸R50の球面の一部とす
るウレタンゴム製の容器状弾性体53を作製し、その内
部にピッチを充填し、凹R50の鋳鉄製球面で加熱プレ
スし、冷却固化した後、同曲率の鋳鉄製球面と摺り合わ
せ、ウレタンゴム製の容器状弾性体53の周辺端面に付
着したピッチを除いて、研磨使用状態とし、凹R50か
ら凹R30に曲率が連続変化する自由曲面をR50の箇
所から走査研磨した。この実施例においても、前述した
実施例と同様の作用効果を得ることができる。さらに、
容器状弾性体53の底面部53bの裏面側の空気室55
に、図7の(b)に一点鎖線で示すような研磨圧より小
さい内圧のエアーバッグ56Bを配置して、研磨したと
ころ、研磨中、研磨面の曲率変化により、粘性体(ピッ
チ)52とエアーバッグ56Bはつぶれ変形をし、ま
た、曲率変化が戻る場合は、エアーバッグ56Bは戻り
回復変化をして、粘性体52の研磨作用面52aが被加
工面11に効率よく形状追随しながら走査研磨を行なう
ことができた。
曲率が連続変化するような自由曲面を研磨するための工
具として、研磨接触面を凸R50の球面の一部とする研
磨工具を示し、研磨接触面を凸R50の球面の一部とす
るウレタンゴム製の容器状弾性体53を作製し、その内
部にピッチを充填し、凹R50の鋳鉄製球面で加熱プレ
スし、冷却固化した後、同曲率の鋳鉄製球面と摺り合わ
せ、ウレタンゴム製の容器状弾性体53の周辺端面に付
着したピッチを除いて、研磨使用状態とし、凹R50か
ら凹R30に曲率が連続変化する自由曲面をR50の箇
所から走査研磨した。この実施例においても、前述した
実施例と同様の作用効果を得ることができる。さらに、
容器状弾性体53の底面部53bの裏面側の空気室55
に、図7の(b)に一点鎖線で示すような研磨圧より小
さい内圧のエアーバッグ56Bを配置して、研磨したと
ころ、研磨中、研磨面の曲率変化により、粘性体(ピッ
チ)52とエアーバッグ56Bはつぶれ変形をし、ま
た、曲率変化が戻る場合は、エアーバッグ56Bは戻り
回復変化をして、粘性体52の研磨作用面52aが被加
工面11に効率よく形状追随しながら走査研磨を行なう
ことができた。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
自由曲面形状の研磨に際して、部分曲率が変化する被加
工面においても加工接触面積を一定に維持することがで
き、被加工面全体の形状を変化させることなく均一に研
磨除去することができ、表面粗さを向上させることが可
能になる。
自由曲面形状の研磨に際して、部分曲率が変化する被加
工面においても加工接触面積を一定に維持することがで
き、被加工面全体の形状を変化させることなく均一に研
磨除去することができ、表面粗さを向上させることが可
能になる。
【0069】また、硬度や弾性率が異なる2層構造の球
面形状の研磨工具を用いて自由曲面形状を研磨すること
により、被加工面全体の形状を変化させることなく均一
に研磨除去することができ、表面にある微小な切削目を
除去することが可能となる。
面形状の研磨工具を用いて自由曲面形状を研磨すること
により、被加工面全体の形状を変化させることなく均一
に研磨除去することができ、表面にある微小な切削目を
除去することが可能となる。
【0070】研磨性材料を貼り付けた弾性質の中空球体
の内部にER流体や磁性流体等の粘性変化物質を入れ
て、被加工面の曲率の変化に応じて印加電界や磁界を変
化させて粘性を変えることにより、被加工面に部分曲率
の変化があっても加工接触面積を揃えて、被加工面全体
の除去形状を変化させることなく、表面にある微小な切
削目を研磨除去することが可能になる。
の内部にER流体や磁性流体等の粘性変化物質を入れ
て、被加工面の曲率の変化に応じて印加電界や磁界を変
化させて粘性を変えることにより、被加工面に部分曲率
の変化があっても加工接触面積を揃えて、被加工面全体
の除去形状を変化させることなく、表面にある微小な切
削目を研磨除去することが可能になる。
【0071】研磨工具の研磨作用をする粘性体(ピッ
チ)の非研磨面である側面を厚めの弾性体でそして底面
を薄い弾性体で包み込む構造とすることにより、被加工
面の形状の変化に応じて粘性体の研磨作用面が変形をす
る場合でも、弾性体の底面が大きく変形して、粘性体の
側面方向への変形を規制し、加工接触面積を一定に維持
することができ、均等な除去深さを得る効果がある。
チ)の非研磨面である側面を厚めの弾性体でそして底面
を薄い弾性体で包み込む構造とすることにより、被加工
面の形状の変化に応じて粘性体の研磨作用面が変形をす
る場合でも、弾性体の底面が大きく変形して、粘性体の
側面方向への変形を規制し、加工接触面積を一定に維持
することができ、均等な除去深さを得る効果がある。
【図1】(a)は、本発明の研磨工具の一実施例を研磨
装置に取り付けた状態で概略的に図示する模式図であ
り、(b)は、本実施例の研磨工具を用いて被加工面を
研磨加工する際の作用状態を示す模式図である。
装置に取り付けた状態で概略的に図示する模式図であ
り、(b)は、本実施例の研磨工具を用いて被加工面を
研磨加工する際の作用状態を示す模式図である。
【図2】(a)および(b)は、図1に図示する研磨工
具の実施例における変形例をそれぞれ示す図である。
具の実施例における変形例をそれぞれ示す図である。
【図3】(a)は、本発明の研磨工具の他の実施例を研
磨装置に取り付けた状態で概略的に図示する模式図であ
り、(b)は、本実施例の研磨工具を用いて被加工面を
研磨加工する際の作用状態を示す模式図である。
磨装置に取り付けた状態で概略的に図示する模式図であ
り、(b)は、本実施例の研磨工具を用いて被加工面を
研磨加工する際の作用状態を示す模式図である。
【図4】図3に図示する研磨工具の実施例における力学
的特性変化物質としてのER流体の粘性変化の作用を説
明する図である。
的特性変化物質としてのER流体の粘性変化の作用を説
明する図である。
【図5】本発明の研磨工具の他の実施例を研磨装置に取
り付けた状態で概略的に図示する模式図である。
り付けた状態で概略的に図示する模式図である。
【図6】(a)は、本発明の研磨工具のさらに他の実施
例を概略的に図示する模式図であり、(b)は、被加工
面の凹面部分を研磨する際の状態を示す模式図である。
例を概略的に図示する模式図であり、(b)は、被加工
面の凹面部分を研磨する際の状態を示す模式図である。
【図7】(a)および(b)は、図6に図示する研磨工
具の実施例における変形例をそれぞれ示す図である。
具の実施例における変形例をそれぞれ示す図である。
【図8】(a)は、図6に図示する研磨工具の実施例に
おける変形例を示す模式図であり、(b)は、その下面
図である。
おける変形例を示す模式図であり、(b)は、その下面
図である。
【図9】図6に図示する研磨工具の実施例における他の
変形例を示す模式図である。
変形例を示す模式図である。
1 研磨工具 2 研磨層 2a 溝 3 内部層 4、4a 研磨層 5、5a 中空球体 6 力学的特性変化物質(ER流体) 6a 力学的特性変化物質(磁性流体) 7 内部電極 7a 電磁石 8 外部電磁石 10 被加工物 11 被加工面 12 切削粗さ 23、23a、24 スリップリング 25、25a 電源・制御部 28 バランス錘 30 XYステージ 51 研磨工具 52 粘性体(ピッチ) 53 (容器状)弾性体(ゴム容器) 53a 側面部 53b 底面部 54 工具基体 55 空気室 56A ばね 56B 空気ばね(エアーバッグ) 57 柱状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 英則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 3C049 AA09 CA01 CA03 3C058 AA09 CA01 CA03 3C063 AA10 AB02 BA03 BA24 BA31 EE02 EE19 FF01
Claims (15)
- 【請求項1】 加圧して被加工物表面を研磨する研磨工
具において、表面層と内部層からなる2層構造で、少な
くとも被加工物表面に接触する部分の形状を球面状とし
て、前記表面層を研磨性材料とし、前記内部層を前記表
面層より変形しやすい材料で形成することを特徴とする
研磨工具。 - 【請求項2】 前記表面層を前記内部層の一部分のみに
付着してあることを特徴とする請求項1記載の研磨工
具。 - 【請求項3】 前記表面層はセグメント状に分割されて
前記内部層に付着されていることを特徴とする請求項1
または2記載の研磨工具。 - 【請求項4】 前記表面層は多数の溝が形成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の研磨工具。 - 【請求項5】 前記内部層は、中実発泡ゴム、スポン
ジ、中空ゴムまたは中空スポンジで形成され、前記表面
層は、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポ
リテトラフルオロエチレンまたはピッチで形成されてい
ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に
記載の研磨工具。 - 【請求項6】 加圧して被加工物表面を研磨する研磨工
具において、研磨性材料で形成する表面層と内部層を有
する多層構造とし、前記内部層を電界または磁界により
力学的特性が変化する液状物質で構成することを特徴と
する研磨工具。 - 【請求項7】 加圧して被加工物表面を研磨する研磨工
具において、表面層を研磨性材料とする多層構造で構成
され、2層目を導電ゴム製の中空球体とし、該中空球体
の内部に電極を配置し、前記中空球体と前記電極間に電
圧により粘性が変化する液状物質を満たしたことを特徴
とする研磨工具。 - 【請求項8】 加圧して被加工物表面を研磨する研磨工
具において、表面層を研磨性材料とする多層構造で構成
され、2層目を磁性ゴム製の中空球体とし、該中空球体
の内部に電磁石を配置し、前記中空球体と前記電磁石間
に磁界により粘性が変化する磁性流体を満たしたことを
特徴とする研磨工具。 - 【請求項9】 加圧して被加工物表面を研磨する研磨工
具において、表面層を研磨性材料とする多層構造で構成
され、2層目を非磁性ゴム製の中空球体とし、該中空球
体の内部に電磁石を配置し、前記中空球体と前記電磁石
間に磁界により粘性が変化する磁性流体を満たすととも
に、前記被加工物裏面にさらに電磁石を配置することを
特徴とする研磨工具。 - 【請求項10】 前記研磨性材料が、ウレタンゴム、ウ
レタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレンまたはピッチ
で形成されていることを特徴とする請求項6ないし9の
いずれか1項に記載の研磨工具。 - 【請求項11】 前記研磨性材料がセグメント状に分割
されていることを特徴とする請求項6ないし10のいず
れか1項に記載の研磨工具。 - 【請求項12】 加圧して被加工物表面を研磨する研磨
工具において、粘性体層と該粘性体層の研磨作用面以外
の面を覆う弾性体層からなる2層構造とすることを特徴
とする研磨工具。 - 【請求項13】 前記弾性体層は、肉厚の厚い側面部と
肉厚の薄い底面部を有する容器状に形成されていること
を特徴とする請求項12記載の研磨工具。 - 【請求項14】 前記弾性体層の底面部に弾性ばねまた
は空気ばねを付設することを特徴とする請求項13記載
の研磨工具。 - 【請求項15】 前記粘性体層は研磨用ピッチで形成さ
れ、前記弾性体層はゴム、ウレタンゴム、軟質樹脂また
はスポンジで形成されていることを特徴とする請求項1
2ないし14のいずれか1項に記載の研磨工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27159099A JP2001088039A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | 研磨工具 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27159099A JP2001088039A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | 研磨工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001088039A true JP2001088039A (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17502206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27159099A Pending JP2001088039A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | 研磨工具 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2001088039A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005144621A (ja) * | 2003-11-18 | 2005-06-09 | Soc Europeenne De Systemes Optiques | 仕上げ研磨方法 |
JP2008119799A (ja) * | 2006-11-14 | 2008-05-29 | Fuji Heavy Ind Ltd | 面取り装置 |
JP2008537908A (ja) * | 2004-12-21 | 2008-10-02 | エシロール・ランテルナシオナル(カンパニー・ジェネラル・ドプティク) | 研磨ホイール |
JP2009072875A (ja) * | 2007-09-21 | 2009-04-09 | Nagaoka Univ Of Technology | ラッピング工具 |
JP2009107070A (ja) * | 2007-10-30 | 2009-05-21 | Nagaoka Univ Of Technology | ラッピング加工方法および装置 |
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