JP2001085356A - 薄膜の形成方法およびその形成装置 - Google Patents

薄膜の形成方法およびその形成装置

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JP2001085356A
JP2001085356A JP26112099A JP26112099A JP2001085356A JP 2001085356 A JP2001085356 A JP 2001085356A JP 26112099 A JP26112099 A JP 26112099A JP 26112099 A JP26112099 A JP 26112099A JP 2001085356 A JP2001085356 A JP 2001085356A
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inert gas
thin film
gas
pressure
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Masayuki Hiroi
政幸 廣井
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化学気相成長法によってCu等の金属材料の薄
膜を形成する際に、成膜室内の圧力増大および排気時間
の増大を招くこと無く、基板裏面側への汚染を効果的に
抑制する薄膜の形成方法を提供することにある。 【解決手段】基板裏面側と成膜室とを基板を介して分
離、排気を行うことを特徴とする。基板支持機構の基板
裏面側は、不活性ガスの導入口と成膜室外部の排気系へ
と接続される排気口を備える構造とし、ガス導入および
排気速度を調節することによって成膜室内よりも十分高
く、しかし基板を破損しない程度には低い圧力を保持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学気相成長法によ
る薄膜の形成方法とその装置に関し、特に基板支持機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より半導体デバイスの配線部にはア
ルミニウム(Al)が広く用いられてきたが、近年にな
って導電性に優れる銅(Cu)の使用が検討、実施され
るようになってきた。Cuを半導体デバイスの配線に用
いるためには、半導体基板上にCuを薄膜として形成す
る必要があり、このための手法としては、めっき法、ス
パッタ法、化学気相成長(Chemical Vapo
r Deposition;CVD)法が一般的であ
る。このうちCVD法は、成膜すべき基板表面に対して
原料分子を気体として供給し、当該表面での化学反応に
よって成膜を行うもので、奥まった穴や細い溝を充填す
るのに有効な手法である。
【0003】CuのCVDに際しては、Cuがシリコン
(Si)中で大きな拡散速度を持ち、かつ成膜時の基板
温度が比較的高温(〜200℃)であることから、成膜
時におけるSi半導体基板の裏面へのCu汚染を抑制す
ることが特に重要となる。成膜時に基板裏面に付着した
Cuは拡散して深部に達するため、成膜後の洗浄による
除去が困難である。除去されなかったCuは、Cu成膜
後の絶縁膜形成などの熱処理工程において基板表面近傍
のデバイス領域に拡散し、デバイス特性を悪化させてし
まうからである。
【0004】従来、成膜時においてCuを含む原料およ
びCuを含む反応副生成物の基板裏面への回り込みを抑
制するために、主として基板端部から不活性ガスを照射
する方法と基板裏面部に不活性ガスを照射する方法、も
しくは両者を組み合わせた方法が用いられてきた。
【0005】前者の基板端部から不活性ガスを照射する
方法は、元来基板端部における不要な堆積を防ぐために
開発された手法である。例えば、特開平9−08265
3号公報に記載のような、基板上端部から不活性ガスを
照射する方法、特開平7−221024号公報に記載の
ような、基板下端部から不活性ガスを照射する方法があ
る。
【0006】上記の基板上端部から不活性ガスを照射す
る方法では、図5に示すように、半導体基板すなわち基
板1は基板支持部2上に載置され、ヒータ3によって加
熱される。そして、基板支持部2の端より内側に置かれ
た基板1の端部に対して、成膜室壁4に設けられた不活
性ガス導入口5から導入される不活性ガスが、基板支持
部2とガイド6との間を通過する形で照射され、成膜室
内に流出し、成膜雰囲気とともに排気される。ここで、
図6に示すように基板1の上端部に遮蔽物7を置くこと
によって、基板1表面側からの成膜雰囲気を遮蔽する効
果を高めた方法も実施されている。
【0007】また、図で示さないが、上記の基板下端部
から不活性ガスを照射する方法においても、基板1が基
板支持部2の端をはみ出すように載置する以外は、図5
で説明したのと同様の構造となっている。
【0008】後者の基板裏面部に不活性ガスを照射する
方法は、元来不活性ガスによる熱伝導を用いて基板面内
の温度を均一、安定化させる目的で開発された手法であ
り、多くのドライエッチング装置に採用されている。図
7に示されるように、基板裏面側に不活性ガスを導入す
るだけの機構を用いる方法のほか、図8に示されるよう
に、不活性ガスが成膜室内へ放出される構造を用いるも
のもある。
【0009】図7および図8の両図において、不活性ガ
ス導入口8から基板1の裏面と基板支持部2との間の空
洞9に導入された不活性ガスは、ヒータ3によって加熱
された基板支持部2から基板1へ熱を伝導させる働きを
担う。気体を熱伝導体として用いることにより、基板1
と基板支持部2との接触状態に余り依存しない基板加熱
が可能である。基板1の反り具合などによって基板1と
基板支持部2の接触状態が変動する場合、固体である基
板1と基板支持部2との直接接触による熱伝導のみでは
基板1の温度分布が変動すると共に均一性が低下する
が、気体を媒介とした上記の熱伝導を行うことによりこ
の不具合を解決している。
【0010】図7に示されるような、基板裏面側に不活
性ガスを導入するだけの機構を用いる方法においては、
不活性ガス導入口8から基板1の裏面と基板支持部2と
の間の空洞9に導入された不活性ガスは、基板1と基板
支持部2との隙間からしか排気されない。ここで、基板
支持部2の空洞9に接する表面は、必ずしも平坦である
必要はない。多くのドライエッチング装置では、静電チ
ャックによって基板1を基板支持部2に密着させる手法
が用いられており、このとき基板1の端部だけでなく、
中心により近い位置においても支持するように、凹凸が
設けられている。静電チャックなどを用いて、基板1を
基板支持部2に密着させると、空洞9から成膜室内への
不活性ガスの流出は非常に少ない。したがって、加熱さ
れた基板支持部2からの熱を基板1に効率よく均一に与
えるために必要な、基板1裏面と基板支持部2との間の
空間における比較的高い圧力を、非常に少ない流量の不
活性ガスで達成することができる。
【0011】これに対して、図8に示されるような、不
活性ガスが成膜室内へ放出される構造では、基板1の裏
面と基板支持部2との空間に導入された不活性ガスは、
開口部10を通って成膜室内へ流出し、成膜雰囲気とと
もに排気される。したがって、基板1裏面とを基板支持
部2との空洞9における圧力を高めるためには、図7の
ような構造に比べて高い不活性ガス流量を必要とする
が、基板1を基板支持部2に乗せた状態でも、開口部1
0が存在するために、導入された不活性ガスを容易に排
気することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
基板端部から不活性ガスを照射する方法のみでは、基板
裏面は成膜室内の汚染雰囲気にさらされるため、基板裏
面における微量な汚染を十分に抑制することは困難であ
った。裏面汚染を低減するためには不活性ガスを多量に
流す必要があるが、基板近傍のガスの流れを制御するの
が困難となり、かつ成膜室内の圧力を増大させてしまう
欠点があった。また、基板裏面全面が基板支持部に接す
るため、基板搬送時などに基板支持部表面に付着したC
u含有化合物が基板裏面に転写されやすいという欠点も
あった。
【0013】一方、後者の基板裏面部に不活性ガスを照
射する方法においても、単独では基板端部の不要な堆積
を抑制できないほか、基板裏面側に導入された不活性ガ
スの排気と汚染抑制を両立することが困難であった。
【0014】図7に示されるような、基板裏面側に導入
された不活性ガスが基板と基板支持部との隙間からしか
排気できない構造では、排気時間が長くなるという欠点
に加えて、よどみが生じるために汚染物質を効果的に除
外することが困難となる問題があった。図8に示される
ような不活性ガスを成膜室内に流出させる方法では、比
較的排気時間を小さくできるものの、開口部を介して基
板裏面側と成膜室内がつながっているために成膜時にお
けるCu含有雰囲気が基板裏面側へ到達してしまう。C
u含有雰囲気の基板裏面側への回り込み抑制の効果を高
めるためには、基板裏面側へ導入する不活性ガスの流量
およびガス圧力を増大させる必要があるが、成膜室内の
圧力を増大させてしまうという弊害があった。
【0015】総じて、従来の手法においては、基板裏面
の汚染を抑制するために用いる不活性ガスの流れ出す先
を成膜室内とする構造となっていた。したがって、不活
性ガスの流れる経路から、流れと逆方向の拡散によって
Cu含有雰囲気が基板裏面に到達しうる。汚染抑制の効
果を高めるためには不活性ガス照射部の圧力を高める必
要があるが、そのためには不活性ガスの流量を増すか、
不活性ガスを流出しにくくする必要がある。従来のいず
れの構造においても、不活性ガスを多量に流すと成膜室
内の圧力上昇を招き、不活性ガスを流出しにくくする
と、排気が困難となり、よどみが生じ易い。基板端部か
ら不活性ガスを照射する方法と基板裏面部に不活性ガス
を照射する方法を組み合わせた場合においても、この欠
点は解決されないため、同様の問題が生じていた。
【0016】本発明の目的は、成膜時の雰囲気による基
板裏面汚染を抑制した、効率の良いCVDによる成膜方
法とその装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、CVDにおい
て基板裏面側の汚染を抑制するために、基板裏面側と成
膜室とを基板を介して分離、排気を行うことを特徴とす
る。基板支持機構の基板裏面側は、不活性ガスの導入口
と成膜室外部の排気系へと接続される排気口を備える構
造とし、ガス導入および排気速度を調節することによっ
て成膜室内よりも十分高く、しかし基板を破損しない程
度には低い圧力を保持する。
【0018】従来の手法の問題点は全て、基板裏面と成
膜室内とが不活性ガスの流出経路でつながっていたこと
に起因する。不活性ガスの流出経路は、そのまま成膜時
のCu汚染雰囲気の汚染経路となりうるからである。し
たがって、不活性ガスの流出先として成膜室とは別の排
気口を設けることによって、不活性ガスの流出経路から
のCu汚染雰囲気の混入を抑制することができる。
【0019】また、不活性ガスを成膜室とは別の排気口
から排出できるため、成膜室内の圧力増大および排気時
間の増大を招くこと無く、基板裏面側に多くの不活性ガ
スを導入できる。したがって、基板裏面側の圧力を成膜
室内の圧力より高く設定して稼動することが容易であ
り、基板裏面と基板支持部との隙間からの汚染雰囲気の
混入を抑制しやすい。さらに、不活性ガスは、基板裏面
側において、よどむこと無く、高い流量で用いることが
できるので、基板裏面側に混入したCu含有物を効率的
にパージ、排気することが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施の形
態の動作を図面を参照して詳細に説明する。ここで、図
1は、本発明の実施の形態の一例となる装置構成部の模
式図である。本実施例は、本発明による基板裏面側の基
板支持部構造に加え、図5に示された基板端部における
不要な堆積抑制の機構を組み合わせた例である。
【0021】図1において、基板1は基板支持部2の上
に設置され、基板支持部2と基板1裏面との間に設けら
れる空洞9は、基板1によって基板1表面側の成膜雰囲
気と分離される。基板1の加熱は、ヒータ3によって加
熱される基板支持部2から、不活性ガス導入口8から空
洞9に導入される不活性ガスを媒介に行われる。
【0022】図5の従来例と同様に、不活性ガス導入口
5から導入された不活性ガスは、ガイド6に沿って基板
1の端部に照射され、基板1端部における不要な堆積を
抑制する。この基板1端部における不要な堆積抑制のた
めの不活性ガスの流れが維持される場合には、必然的に
不活性ガス導入口5からガイド6で構成される不活性ガ
スの通り道における圧力は、基板1表面側における成膜
室内圧力よりも高くなる。
【0023】一方、従来例とは異なり、基板支持部2に
は、不活性ガス導入口8のほかに成膜室外部と接続され
る不活性ガス排出口11が設けられ、基板1裏面と基板
支持部2との間の空洞9に不活性ガスを成膜室外へ排気
することができる。不活性ガス導入口8へ供給される不
活性ガスの流量と不活性ガス排出口11からの排気速度
のどちらかもしくは両方を調節することによって、基板
支持部2と基板1裏面との間の空間における圧力を成膜
室内とは別に制御することができる。
【0024】基板1裏面側の空洞9へ反応雰囲気中の汚
染物質が回り込む経路は、ガイド6と基板1表面との隙
間を通ってから、基板1と基板支持部2との隙間を通過
するしかない。ここで、基板1と基板支持部2との隙間
からの成膜雰囲気の混入を抑制するためには、基板支持
部2と基板1裏面との間の空洞9における圧力を、不活
性ガス口5からガイド6で構成される不活性ガスの通り
道における圧力よりも高くすることが有効である。この
場合、基板1裏面側の空洞9における圧力は、基板1表
面側の圧力よりも高くなることになる。また、基板支持
部2からの基板1へ与えられる不活性ガスの熱伝導の効
率と基板1面内の温度の均一化のためにも、空洞9内の
圧力はある程度高いほうが都合が良い。しかし、基板1
の裏面側、表面側の圧力差が大きすぎる場合には基板1
が破損してしまうため、空洞9における圧力設定は基板
1の強度を考慮して上限を設定する必要がある。さら
に、空洞9内に導入、排気される不活性ガスの流量を増
大することによって、空洞9に混入した汚染物質を除去
する効率を高めることができる。このためには、不活性
ガス導入口8へ供給される不活性ガスの流量と不活性ガ
ス排出口11からの排気速度の両方を高く設定すればよ
い。しかし、不活性ガスの流れが速すぎる場合には、不
活性ガスの温度が、基板支持部2と同程度の温度まで十
分に上昇しなくなるので、基板1の温度およびその面内
均一性を低下させないように上限を定める必要がある。
【0025】さらに、構成部品のうち、ガイド6など
の、高温となり、かつ成膜雰囲気にさらされる表面を、
成膜対象物と同様の物質で構成することによって、当該
表面において堆積が生ずることによる、パーティクルの
発生や堆積物のハガレなどを抑制することができる。
【0026】なお、上記実施の形態においては、基板端
部における不要な堆積を防ぐための手法として、図5に
示された方法を用いたものであるが、図2のように、図
6に示された遮蔽物7を用いて基板端部に不活性ガスを
照射する方法と組み合わせることも可能である。さら
に、基板端部に不活性ガスを照射する必要が無い場合に
も、適用可能なことは明らかである。
【0027】
【実施例】上記の第1の実施の形態である、図1に示し
た構造の装置を用いて、Cu原料としてCu(hfa
c)tmvs(hfac=1,1,1,5,5,5−h
exafluoroacetylacetnate、t
mvs=trimetylsilane)を用いて、C
u成膜を行った。基板1には、シリコン基板上に500
nmのシリコン酸化膜、100nmのTi、100nm
のTiNを順次堆積したものを用い、成膜時の温度は1
95℃とした。上記原料流量0.5g/minを水素6
00sccm(sccm=standard cubi
c centimeter)をキャリアとして気化、輸
送して成膜室に導入して10分間の成膜を行った。図1
に示される不活性ガス導入口8にはヘリウム10scc
mを導入したところ、空洞9内のヘリウム圧力は3KP
aであった。基板端部の不要な堆積抑制のために、不活
性ガス導入口5からはアルゴン150sccmを導入し
た。このときの成膜室内圧力は1KPaである。基板1
端部とガイド6の上部から見た重なり部分は基板端から
1.5mm、基板1端部とガイド6との間隔は0.15
mmである。このアルゴン導入によって、成膜が抑制さ
れた領域は、基板端から2mmの範囲であった。成膜
後、基板1裏面のCu汚染をICP−MS(Induc
ed Coupled Plasma−Mass Sp
ectroscopy)法によって評価したところ、3
×1010cm-2のCuが検出された。このとき、各ガス
導入を遮断してから成膜室内の圧力が10-4Torrま
で排気されるまでの時間は9秒であった。
【0028】これと比較するために、従来の手法に係る
図5に示した構造の装置を用いて、同様の成膜を行って
Cu汚染を評価したところ、基板1裏面のCu汚染が大
きいことが確認された。上記と同様の基板、基板温度、
原料流量、キャリアヘリウム流量を用い、図5に示す基
板1端部とガイド6の上部から見た重なり部分を基板端
から1.5mm、基板1端部とガイド6との間隔を0.
15mmとし、不活性ガス導入口5からアルゴン150
sccmを導入して10分間の成膜を行い、同様にIC
P−MS法によって基板裏面のCu汚染を評価したとこ
ろ、8×1012cm-2のCuが検出された。不活性ガス
導入口5に導入するアルゴン流量を600sccmに増
大したところ、基板裏面のCu汚染は3×1012cm-2
まで低減したが、成膜室内の圧力が、1.2KPaに増
大し、また、基板端部における非堆積部分が基板端から
の4mmに拡大してしまった。
【0029】さらに、従来の手法に係る図7に示した構
造の装置を用いて、同様の成膜を行ってCu汚染を評価
したところ、やはり基板1裏面のCu汚染が大きく、排
気時間が増大してしまうことが確認された。上記と同様
の基板、基板温度、原料流量、キャリアヘリウム流量を
用い、図7に示す不活性ガス導入口8にヘリウムを1s
ccm導入して空洞9の圧力が3Kpaとして、10分
間の成膜を行った。ICP−MS法によって基板裏面の
Cu汚染を評価した結果、2×1012cm-2のCuが検
出されたが、各ガス導入を遮断してから成膜室内の圧力
が10-4Torrまで排気されるまでの時間が28秒と
なった。
【0030】したがって、本発明を用いることによっ
て、成膜室内の圧力上昇を招かず、かつ排気時間の増大
もない状態で、成膜時の雰囲気による基板裏面汚染を効
果的に抑制することが可能であることが確認された。
【0031】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図3は、この場合の装置構成部の模式図である。本
形態は、基板裏面側に導入した不活性ガスを用いて、基
板端部における不要な堆積抑制のために用いるものであ
る。図5に示された基板端部への不活性ガス照射と、図
8に示された基板裏面側への不活性ガス照射を組み合わ
せたものであるが、本発明の実施の形態が従来例と根本
的に異なる点は、不活性ガス排出口11が存在すること
である。
【0032】不活性ガス導入口8から基板1裏面側に導
入された不活性ガスは、開口部10を通り抜け、ガイド
6と基板1表面の間隙から成膜室内に導入されるが、こ
の経路を逆流する形で反応雰囲気中の汚染物質が回り込
む可能性がある。この回り込みを抑制するためには、図
8でも説明したように、ガイド6と基板1表面との隙間
を境界として、基板1表面側の成膜雰囲気圧力よりも、
基板1裏面側の不活性ガス雰囲気圧力を十分に高くする
必要がある。このとき、成膜室内圧力をいたずらに増加
させないためには、ガイド6と基板1表面との隙間をで
きるだけ狭くし、基板1裏面側から基板1表面側へ流れ
る不活性ガスの量をできるだけ小さくせねばならない。
これはすなわち、成膜室側からは、基板1裏面側に導入
された不活性ガスを効率的に排気できなくすることを意
味する。したがって、不活性ガス排出口11が存在しな
い場合には、成膜終了時等において基板1裏面側に導入
された不活性ガスを排気する際に、成膜室の排気機構の
排気能力によらず、非常に長い排気時間が必要となって
しまう。不活性ガス排出口11を設置することによっ
て、ガイド6と基板1表面との隙間に頼らずに、基板1
裏面側の不活性ガスを排気できるため、排気時間の増大
を考慮せずに基板1裏面側の圧力を十分高く設定するこ
とができる。
【0033】また、図4は、図3に示された構成に加え
て、基板端部照射用に別の不活性ガス導入口5を加えた
形態の例である。基板1裏面側の空洞9に導入される不
活性ガスは、基板支持部2からの基板1へ熱伝導と温度
の面内均一性を高めるためにも用いられるが、そのため
に用いられる不活性ガスとしてはヘリウムが最も熱伝導
効率が良く適している。しかし、ヘリウムはアルゴンや
水素、窒素などの他の不活性ガスよりも比較的高価であ
るため、熱伝導の効率を必要としない基板端部への照射
に関しては、別の安価な不活性ガスを導入するという方
法がコスト的に有効である。したがって、例えば不活性
ガス導入口8からはヘリウムを、不活性ガス導入口5か
らはアルゴンを導入する、といった使用が考えられる。
【0034】この例の場合も上述の図3の例と同様に、
ガイド6と基板1表面との隙間をできるだけ狭くして、
成膜室内圧力の増大を抑えた状態でも排気時間を短くす
ることができる。ここで、不活性ガス導入口8から導入
される、空洞9における不活性ガスの圧力を、不活性ガ
ス導入口5から導入された不活性ガスの圧力よりも高く
設定することによって、基板1裏面側に不活性ガス導入
口8から導入された不活性ガス以外の雰囲気の回り込み
を更に抑制することができる。
【0035】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形
態は適宜変更され得ることは明らかである。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、上述したような
本発明の薄膜の形成方法および薄膜の形成装置であれ
ば、成膜室内の圧力上昇をまねかず、かつ排気時間の増
大もない状態で、成膜時の雰囲気による基板裏面汚染を
効果的に抑制することが可能である。
【0037】このために、半導体装置の溝配線に用いら
れるCuのCVD法による成膜において、Cuの基板裏
面への付着が完全に防止されるようになり、高性能ある
いは多機能の半導体装置の開発が促進されるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する化学気相
成長装置の要部の横断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の別の例を示す化学
気相成長装置の要部の横断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を説明する化学気相
成長装置の要部の横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の別の例を示す化学
気相成長装置の要部の横断面図である。
【図5】従来の基板支持機構の一例を示す横断面図であ
る。
【図6】従来の基板支持機構の別の一例を示す横断面図
である。
【図7】従来の基板支持機構の一例を示す横断面図であ
る。
【図8】従来の基板支持機構の別の一例を示す横断面図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 基板支持部 3 ヒータ 4 成膜室壁 5,8 不活性ガス導入口 6 ガイド 7 遮蔽物 9 空洞 10 開口部 11 不活性ガス排出口

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に原料を含む気体を供給するこ
    とにより前記基板表面に薄膜を形成する化学気相成長法
    において、前記基板の裏面側に不活性ガスを導入するこ
    とと、前記基板の裏面側に導入された不活性ガスを、前
    記基板の表面側に供給される原料気体を含む雰囲気とは
    別の排気機構によって排気することを特徴とする薄膜の
    形成方法。
  2. 【請求項2】 前記基板表面側における原料を含む気体
    の圧力よりも、前記基板裏面側における不活性ガスの圧
    力を高く設定することを特徴とする請求項1に記載の薄
    膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記薄膜が金属であり、前記原料気体が
    有機金属化合物であることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記薄膜が銅であり、前記原料気体が銅
    の有機金属錯体であることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記不活性ガスが、ヘリウム、ネオン、
    クリプトン、アルゴン、キセノンなどの希ガス元素、も
    しくは水素、窒素であることを特徴とする請求項1から
    請求項4のうち1つの請求項に記載の薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 真空容器内に基板を加熱、保持する機構
    と、原料を含む気体を前記基板表面に供給する機構と、
    前記原料を含む気体を真空容器外へ排気する機構と、不
    活性ガスを前記基板の裏面側に導入する機構と、前記基
    板裏面側に導入された不活性ガスを前記原料を含む気体
    とは別に排気する機構とを備えた薄膜の形成装置。
  7. 【請求項7】 前記基板表面側における原料を含む気体
    の圧力よりも、前記基板裏面側における不活性ガスの圧
    力が高く設定できることを特徴とする請求項6に記載の
    薄膜の形成装置。
  8. 【請求項8】 前記薄膜が金属であり、前記原料気体が
    有機金属化合物であることを特徴とする請求項6または
    請求項7に記載の薄膜の形成装置。
  9. 【請求項9】 前記薄膜が銅であり、前記原料気体が銅
    の有機金属錯体であることを特徴とする請求項6または
    請求項7に記載の薄膜の形成装置。
  10. 【請求項10】 前記不活性ガスが、ヘリウム、ネオ
    ン、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの希ガス元
    素、もしくは水素、窒素であることを特徴とする請求項
    6から請求項9のうち1つの請求項に記載の薄膜の形成
    装置。
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