JP2001085241A - 積層磁心 - Google Patents

積層磁心

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JP2001085241A
JP2001085241A JP26073299A JP26073299A JP2001085241A JP 2001085241 A JP2001085241 A JP 2001085241A JP 26073299 A JP26073299 A JP 26073299A JP 26073299 A JP26073299 A JP 26073299A JP 2001085241 A JP2001085241 A JP 2001085241A
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Daiki Yamada
大樹 山田
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0206Manufacturing of magnetic cores by mechanical means
    • H01F41/0213Manufacturing of magnetic circuits made from strip(s) or ribbon(s)
    • H01F41/0226Manufacturing of magnetic circuits made from strip(s) or ribbon(s) from amorphous ribbons

Abstract

(57)【要約】 【課題】 急冷工程を経て作製される磁性薄帯を用いた
積層磁心において、小型、軽量化および、磁気特性の向
上を可能にする積層磁心の提供。 【解決手段】 内径が5mm以下の空芯部を有する積層
磁心であって、前記積層磁心は冷却ロールを用いた急冷
薄帯からなる磁性薄帯2のロール面同士および自由面同
士を対向配置して積層され、かつ磁性薄帯2に急冷薄帯
の長手方向と所定の角度をなす凹部12を設け、この凹
部12を揃えて積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層磁心に係り、
特に電源等の高周波化や薄形化に対して有効な内径の小
さい積層磁心に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、スイッチング電源等に使用される
トランス用磁心、可飽和コア用磁心、チョークコイル用
磁心等の構成材料として、高周波域での鉄損が小さく、
飽和磁束密度が大きい等の特性を有することから、アモ
ルファス磁性合金薄帯が注目されている。このようなア
モルファス磁性合金薄帯を用いた磁心としては、その薄
帯を所望の形状となるように巻回したものが主に用いら
れており、用途に応じてトロイダルコアやカットコアと
して使い分けられている。
【0003】ところで、最近、スイッチング電源等に対
する小形軽量化や薄形化の要求が強まっており、磁性部
品に対しても小形化や薄形化を図ることが求められてい
る。このような要望に対して、アモルファス磁性合金薄
帯の巻回体からなる磁心を小形化しようとした場合、例
えば内径5mm以下に巻回しようとすると磁性薄帯に破
損が生じ、また曲率が大きいため健全な磁心を得ること
ができない。
【0004】一方、アモルファス磁性合金薄帯からドー
ナツ形状のシートやEI形状のシートを、打ち抜きやケ
ミカルエッチング等によって作製し、これを積層してな
る積層磁心は、より一層の小形化や薄形化が可能である
と共に、薄形化した際においても形状安定性に優れるこ
とから、小形化や薄形化が求められているスイッチング
電源等の磁性部品として用いられるようになってきた。
【0005】しかしながら、アモルファス磁性合金薄帯
は、通常、冷却ロールを用いた液体急冷法により作製し
ているため、ロール面側は表面平滑性に優れるものの、
反対側の面(自由面)は表面の凹凸が大きく、この表面
凹凸の存在によって、積層体におけるアモルファス磁性
合金の占積率を高めることが困難であるという問題があ
った。
【0006】このような課題を解決するため、ロール面
同士および自由面同士を積層させることによって、積層
磁心における磁性薄帯の占積率を向上させることが提案
されている(特開平7-106115号公報参照)。このよう
に、ロール面同士および自由面同士を積層させることに
よって、表面の凹凸による空間を減少させることができ
るため、磁性薄帯の占積率を向上させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、急冷
薄帯からなる磁性薄帯のロール面同士および自由面同士
を積層させることによって、磁性薄帯の占積率を高める
ことができるものの、磁心をより一層小型化した場合に
は占積率の低下などによる磁気特性の劣化が問題となっ
ている。
【0008】また、磁性薄帯の表面に凹凸を設けること
によって、積層状態を改善することが提案されているが
(特開平10-127015 号公報参照)、このような形状では
磁心のより一層の小型化を図った場合に、磁性薄帯の損
傷が大きくなり歩留りが低下するという問題がある。
【0009】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、より一層の小型化を図った積層磁心を
提供することを目的としており、さらには磁性薄帯の積
層方法などを改善することによって、磁心のより一層の
小型化を図った上で磁気特性を高めることを可能にした
積層磁心、すなわちより一層の小型化・高効率化を可能
にした積層磁心を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の積層磁心は、磁
性薄帯の積層体を具備する積層磁心であって、内径が5
mm以下の空芯部を有することを特徴としている。ま
た、本発明の積層磁心においては、前記空芯部の内径を
2mm以下とすることが好ましい。
【0011】上記した積層磁心においては、前記磁性薄
帯がその長手方向を揃えて積層されていることが好まし
い。前記磁性薄帯は急冷薄帯を所定形状に加工した磁性
片からなり、前記磁性薄帯は前記急冷薄帯の長手方向を
揃えて積層されていることが好ましい。
【0012】前記磁性薄帯外周部には、凹部または凸部
を少なくとも1つ設けることが好ましい。前記磁性薄帯
に設けられた凹部または凸部は、揃えて積層されている
ことが好ましい。このような凹部または凸部は、前記磁
性薄帯の外半径と内半径との差の半分以下の深さまたは
高さを有することが好ましい。
【0013】前記磁性薄帯は冷却ロールを用いた急冷薄
帯からなり、前記積層体のの少なくとも1部が前記急冷
薄帯のロール面同士および自由面同士を対向配置して構
成されていることが好ましい。
【0014】前記磁性薄帯は前記急冷薄帯を打ちぬきま
たはエッチングにより加工してなることが好ましい。ま
た、前記磁性薄帯は非晶質磁性合金、微結晶磁性合金お
よび結晶質磁性合金から選ばれた少なくとも1種からな
ることが好ましい。
【0015】本発明の積層磁心は、空芯部の内径を5m
m以下と小型化したものである。また、本発明において
は空芯部の内径をさらに小さくし、2mm以下としたも
のである。
【0016】本発明の積層磁心では、磁性薄帯の長手方
向を揃えて積層することにより、占積率を向上させるこ
とができる。また、本発明の積層磁心では、急冷薄帯の
長手方向を揃えて積層することにより、それぞれの磁性
薄帯の磁気異方性などを揃え、保磁力、透磁力に優れた
積層磁心を作製することができる。
【0017】また、磁性薄帯の外周部に凹部または凸部
を少なくとも1つ設けることで、それらを積層する際の
位置決め手段とすることができる。これらの凹部または
凸部を揃えて積層することで、占積率を向上させると共
に、磁気異方性を揃えることができ、保磁力及び透磁力
に優れた積層磁心を作製することができる。さらに、凹
部の深さまたは凸部の高さを、磁性薄帯の外半径と内半
径の差の半分以下にすることで、より一層、保磁力及び
透磁力に優れた積層磁心を作製することができる。
【0018】さらに、前記積層体の少なくとも一部にお
いて、急冷薄帯のロール面同士および自由面同士を対向
させて配置することで、占積率等を向上させ、特性の向
上を図ることができる。
【0019】また、前記磁性薄帯の作製において、急冷
薄帯の打抜きまたはエッチングを用いることで、精度よ
く、大量の磁性薄帯を作製することができる。
【0020】これらの磁性薄帯には非晶質磁性合金、微
結晶磁性合金及び結晶質磁性合金から選ばれる少なくと
も1種を用いることで、保持力及び透磁力に優れた積層
磁心を作製することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0022】図1は本発明の積層磁心の一実施形態を示
したものである。本発明の積層磁心1は磁性薄帯2を積
層することによって作製されており、さらに積層磁心1
の円柱軸に沿って空芯部3を設けたものである。この空
芯部3の直径は5mm以下である。このように空芯部3
の直径を5mm以下とすることで、これを用いたスイッ
チング電源等の機器の小型化・軽量化を図ることができ
る。積層磁心1の空芯部3の直径は好ましくは2mm以
下、より好ましくは1mm以下とするのがよい。積層磁
心1の空芯部3の直径は1mm以下とすることで、同じ
磁気特性、例えば透磁率を有する磁性材料を用いたとし
ても内径を小さくすることにより磁路又は励磁電流が小
さくなるため得られるインダクタンス値が大きくなる。
従って、例えばマグアンプに使用すれば制御電流を小さ
くすることができ省エネ化が可能となる。また、例えば
ノイズ抑制素子として使用すれば磁路が小さくなるため
ノイズの抑制効果が向上する。
【0023】このような積層磁心1に用いられる磁性薄
帯2は、通常、冷却ロールを用いた急冷薄帯から作製さ
れている。この冷却ロールを用いた急冷薄帯は、図2に
示すように、ロール面2aは表面平滑性に優れているも
のの、反対側の面(自由面2b)は表面の凹凸が大き
く、この表面の凹凸の存在によって、積層体における磁
性薄帯の占積率が低下してしまう。本発明の積層磁心1
では、図2に示すように、例えば、磁性薄帯2の自由面
2bと、隣接する磁性薄帯4の自由面4bとを対向させ
て配置することにより、表面の凹凸を組み合わせること
によって、積層磁心1における磁性薄帯2、4等の占積
率を向上させることができる。これにより、積層磁心1
の小型化が可能となるとともに、さらに磁気特性の向上
も図ることができる。
【0024】このような磁性薄帯2は、さらに急冷薄帯
の長手方向を揃えて積層することが好ましい。図3は急
冷薄帯を作製するための装置の一例を示したものであ
る。急冷薄帯5は高周波誘導加熱装置6等により溶融さ
せた溶融原料7を回転急冷ドラム8上に薄く広げ、急冷
することにより作製される。このようにして作製された
急冷薄帯5は、さらに長手方向9にそって巻き取りドラ
ム10に巻き取られる。磁性薄帯2は、図4に示すよう
に、急冷薄帯5を磁性薄帯2等のような所定の形状に形
成することによって作製されている。しかし、このよう
にして作製された急冷薄帯5は、長手方向9に対して所
定の角度に表面の凹凸や磁気異方性又は形状異方性が生
じてしまう。従って、本発明の積層磁心1では、磁性薄
帯2の長手方向9を揃えて積層することによって、効率
的に自由面同士を積層し、さらに磁気異方性又は形状異
方性も揃えることができる。この結果、保磁力、総磁
束、透磁力等に優れた積層磁心1を作製することが可能
となる。また、本発明の積層磁心は後述するように磁性
薄帯2を打抜き加工またはエッチング加工によりリング
状シートを作製し、一枚一枚積層することにより作製さ
れるが、例えば図5のようなランド部11のついた状態
に急冷薄帯を加工し、この薄帯を所定の長さで切断し、
所定枚数積層した後ランド部を切り離すことによっても
作製可能である。この切断時に磁性薄帯2に応力がかか
り表面に微妙なうねりを発生することになる。従って、
本発明では切断後の長手方向を揃えることにより、薄帯
の切断時に発生するうねりにも対応することができる。
なお、図5ではランド部11が2つあるものしか記載さ
れていないが、このランド部は1つであっても良いし、
複数個所存在しても特に問題はない。ただし、後述の凹
部、凸部形成の関連からランド部は1つ、または2つで
あることが好ましい。
【0025】このような磁性薄帯2には、図6に示すよ
うに例えば凹部12等を設けることが好ましい。凹部1
2は磁性薄帯2を積層する際の、位置決め手段として用
いることができ、効率的に磁性薄帯2を積層することが
できる。さらに、この凹部等は長手方向と所定の角度を
なすように設けられることが好ましい。このようにする
ことで、磁気異方性又は形状異方性を揃えることがで
き、積層磁心1の保磁力、透磁力を向上させ、より一層
の小型化、高性能化を図ることができる。
【0026】また、このような凹部の最大深さ(b)
は、磁性薄帯2の外半径(d)と内半径(c)との差の
半分以下の深さであることが好ましい。このようにする
ことで磁性薄帯2の強度を低下させることなく、効率的
に積層することができる。より好ましくは、磁性薄帯2
の外半径(d)と内半径(c)との差の10%以下の深
さであることが好ましい。凹部のかわりに設ける凸部に
ついても同様に、外半径と内半径との差の半分以下の凸
部であることが好ましい。また、凹部、凸部の最大幅
(a)は、磁性薄帯2の外周の10%以下であることが
好ましい。10%より凹部の幅が広くなると、磁性薄帯
2の強度が低下することがあるためである。
【0027】この凹部12は図6に示すような半円形の
ものだけでなく、例えば図7に示されるようなV字形の
ものでもよく、位置決め手段となるものであれば形状は
特定されない。
【0028】また、本発明の積層磁心1に用いられる磁
性薄帯2には、図8に示すように、凹部のかわりに凸部
13を設けてもよい。この凸部13は図8に示されるよ
うな半円形なものだけでなく、例えば図9に示されるよ
うな角形をした凸部13を設けてもよい。この凸部は例
えば図5に示したランド部をそのまま用いてもよく、凹
部に関してはランド部を切り離す際にできる凹部をその
まま利用すると凹部または凸部を改めて形成する必要が
なくなるので製造性が向上する。
【0029】このような磁性薄帯2は、図6等に示され
る円状のものだけでなく、例えば図10に示すような四
角形を基調としたものであってもよい。また、磁性薄帯
2に設けられる凹部12は、必ずしも辺に設けられる必
要はなく、角を切り落としたものであってもよい。
【0030】また、空芯部3は必ずしも円状でなくとも
よく、例えば図11に示されるような、四角形を基調と
したものであってもよい。
【0031】このような磁性薄帯2の凹部または凸部
は、例えば図12に示すように、急冷薄帯5の打ち抜き
等の段階で、長手方向と所定の角度をなすようにして設
けられることが好ましい。このように長手方向と所定の
角度をなすように設けられた凹部12等を、図13に示
すように揃えて積層することによって、効率的に自由面
の凹凸を組み合わせ、さらに磁気異方性又は形状異方性
を揃えることができ、保磁力、透磁力に優れた積層磁心
1を作製することができる。
【0032】本発明で用いられる磁性薄帯は、非晶質磁
性合金、微結晶磁性合金、結晶質磁性合金のうち少なく
とも1種からなるものであることが好ましい。
【0033】非晶質磁性合金としては、Fe基、Co基
もしくはNi基の非晶質磁性合金を用いることができ、
例えば 一般式: (M1−aM’100−b (式中、MはFe、Co、Niから選ばれる少なくとも
1種の元素を、M’はTi、V、Cr、Mn、Ni、C
u、Zr、Nb、Mo、Ta、W等から選ばれる少なく
とも1種の元素を、XはB、Si、C、P等から選ばれ
る少なくとも1種の元素を示し、aおよびbはそれぞれ
0≦a≦0.5、10≦b≦35を満足する数を示す)
で表される組成を有する薄帯等が挙げられる。
【0034】また、微結晶磁性合金としては、例えばF
e基を含むものとして、 一般式:Fe100−c−d−e−f−g−h
Si (式中、AはCuおよびAuから選ばれる少なくとも1
種の元素を、Dは4A族元素、5A族元素、6A族元素
および希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素
を、EはMn、Al、Ga、Ge、In、Snおよび白
金族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を、Zは
C、NおよびPから選ばれる少なくとも1種の元素を表
し、c、d、e、f、gおよびhは、0.1≦c≦8、
0≦d≦10、0≦e≦15、0≦f≦25、1≦g≦
12、0≦h≦10、1≦f+g+h≦30の各式を満
足する数である。ただし、上記式中の全ての数字はat
%を示す)で組成が実質的に表され、平均粒径が例えば
50nm以下の微細結晶粒を有する合金からなるものが
挙げられる。このような非晶質合金、微結晶磁性合金、
結晶質磁性合金などの磁性薄帯は例えば合金溶湯を用い
た単ロール法などの急冷工程により作製される。このと
き磁性材料中にクロムが5wt%以下、好ましくは0.
01〜3wt%含まれているとよい。所定量のクロムが
含有されていると所定組成の磁性材料を合金溶湯化した
場合、合金溶湯の流れ性、粘性が緩和されるため急冷工
程の際の薄帯の表面性を向上させることが可能となる。
このクロム量はあまり少ないとその添加効果がなく、逆
に5wt%を超えると磁気特性に悪影響を及ぼす。
【0035】なお、本発明の積層磁心は上記したような
非晶質磁性合金や微結晶磁性合金からなる磁性薄帯を用
いて構成することが好ましいが、センダスト合金(Fe
−Al−Si合金)などの結晶質磁性合金からなる磁性
薄帯を用いることもできる。
【0036】ここで、単ロール等の急冷工程を経て作製
される磁性薄帯は、ロール面側は比較的平滑な面となる
ので、反対側の自由面側は表面粗度K(=マイクロメ
ータ板厚/重量法板厚)とすれば通常1.0〜1.8、
前述のようにクロムを所定量含有させると1.0〜1.
4程度の粗面になる。そこで、本発明の積層磁心は、上
述したような急冷薄帯から、例えばリング形状、楕円形
状、矩形状、EI形状、PQ形状等の磁性薄帯を、打ち
抜きやケミカルエッチング等によって作製した後、複数
枚の磁性薄帯をロール面同士および自由面同士を対向配
置させて積層している。このような積層方法を採用する
ことによって、粗面と粗面とが組合されることになるた
め、自由面上の凹凸が互いに重なりあい、空間部分が減
少し、結果的に占積率を向上させることが可能となる。
【0037】本発明の積層磁心は、上記したようなロー
ル面同士および自由面同士を対向配置した積層部で全て
構成してもよいし、あるいは主要部を上記積層部として
積層磁心を構成することも可能である。主要部のみを上
記積層部とする場合には、その割合を60%以上、好ま
しくは80%以上とすることが好ましい。
【0038】また、本発明の積層磁心における磁性薄帯
の厚さは、特に限定されるものではないが、急冷工程を
経て作製される磁性薄帯の自由面側の表面粗さは、板厚
に関係なく製造条件によってほぼ一定となるため、板厚
の薄いものほど本発明の効果が顕著となる。このような
ことから、用いる磁性薄帯の厚さは、3μm〜50μm
程度が好ましく、より好ましくは20μm以下である。
また、磁性薄帯の厚さを薄くすることによって、高周波
特性の改善(例えば低損失化)効果が大きいことから
も、板厚の薄い磁性薄帯を用いることが好ましい。
【0039】本発明の積層磁心は、例えば以下のように
して製造される。
【0040】まず、単ロール等の超急冷により急冷薄帯
を作製する。板厚を20μm以下というように極めて薄
くし、かつピンホール等のない薄帯を作製する際には、
減圧下あるいはArやHe等の不活性雰囲気中で急冷工
程を行うことが好ましい。
【0041】この急冷薄帯を所望の形状となるように、
エッチングや機械的打ち抜きを行って、磁性薄帯を作製
する。次いで、複数枚の磁性薄帯を、ロール面同士およ
び自由面同士を対向配置させ、さらに長手方向を揃えて
積層する。
【0042】磁性薄帯を作製する際、凹部または凸部を
長手方向と所定の角度をなすようにエッチングや機械的
打ち抜きを行い、この凹部または凸部を揃えて磁性薄帯
を積層すると、占積率を向上させるだけでなく、さらに
磁気特性も向上させることができる。
【0043】ところで、上述したような急冷薄帯から作
製した磁性薄帯は、通常、反りが大きいため、そのまま
で積層したのでは占積率の低下要因となるおそれがあ
る。そこで、エッチングや機械的打ち抜きにより作製し
た磁性薄帯に対して熱処理を施す際に、板厚方向に応力
を加えることが好ましい。具体的には、熱処理に耐え得
る耐熱性を有し、平らな面を持つ板材、例えば鉄、銅、
アルミニウム等の金属板や、アルミナ、窒化アルミニウ
ム、窒化ケイ素等のセラミックス板で、上記磁性薄帯を
挟んで固定し、この状態で熱処理を施す。このような熱
処理を施すことによって、磁性薄帯の反りを矯正するこ
とができ、積層磁心における磁性薄帯の占積率の向上を
図ることができる。なお、このような熱処理は、必ずし
も積層後に行うことを除外するものではない。
【0044】このようにして、所望形状とした磁性薄帯
を所望の厚さとなるように複数枚積層し、磁性薄帯に設
けられた凹部等を位置決め手段して、長手方向を揃え、
これをケース内に収容したり、あるいは少なくとも一部
をエポキシ樹脂、フッ素樹脂等でかためることによっ
て、本発明の積層磁心は得られる。
【0045】本発明の積層磁心は、積層磁心は基本的に
巻き磁心より薄型化できるが、本発明では従来の積層磁
心よりも一層薄形化でき、特に内径が5mm以下と小さ
なものが形成でき、さらに磁気特性も大幅に向上させる
ことができるという利点を有している。このような利点
を有する本発明の積層磁心は、スイッチング電源回路の
通常のPWM(パルス幅変調)回路における2次側制御
用、あるいは共振型電源、部分共振型電源の出力制御用
に有効である。また、磁気スナバ、高周波トランス、ノ
イズフィルタ、ノイズ抑制素子、高周波対応チョークコ
イル等にも有効である。さらに、IC、LSI等の集積
回路、デジタル回路のノイズ抑制素子、例えばパソコン
等のクロックパルスのスパイク電圧のノイズ抑制やFE
T(電界トランジスタ)のゲート回路の発振防止等に有
効である。このような素子に用いる場合、本発明の積層
磁心の内径に各素子のリードをそのまま差し込んで活用
すると装着性が向上する。従って、内径を各素子のリー
ドの太さに合わせる形状がもっともよい。
【0046】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0047】実施例1〜2、比較例1〜2 まず、(Co0.92Fe0.05Mo0.0374
(Si0.55 .4526で表されるCo基ア
モルファス合金薄帯を、冷却ロールとして単ロールを用
いた液体急冷法により作製した。薄帯の板厚は、マイク
ロメータ板厚で20μmとした。また、得られた薄帯の
自由面の表面粗度Kは1.5であった。
【0048】このようなCo基アモルファス合金薄帯か
ら、ケミカルエッチングにより外径1.5mm、内径
0.5mmのリング状シートを作製し、図2に示すよう
にリング状シート2のロール面2a同士および自由面2
b同士を対向配置させ、さらに長手方向を揃えて積層し
450℃×1hの条件で歪取り熱処理を行って目的とす
る積層磁心を得た。
【0049】また、比較例として、ロール面、自由面、
長手方向をランダムに積層したものを作製した。
【0050】このようにして作製した積層磁心に対し、
磁性薄帯の占積率、総磁束、保持力、初期インダクタン
ス値を測定した。測定条件として、総磁束および保持力
は、測定周波数100kHz、印加磁界80A/m、初
期インダクタンス値は測定周波数50kHz、測定電圧
1V、巻線1ターン(積層磁心の空芯部にリード線を1
本貫通させた状態)で行った。
【0051】
【表1】 表1から明らかなように、薄帯の表面性を考慮して積層
した本発明の積層磁心は、表面性を考慮していないラン
ダムに積層した比較例と比較して同じ高さでありながら
多くのリング状シートを積層でき、また、総磁束など各
種磁気特性も優れていることがわかる。
【0052】実施例3〜12 実施例1で用いたアモルファス薄帯を用いロール面と自
由面を対向させ、長手方向を合わせて50枚積層し表2
に記載したサイズの積層磁心を作製した。さらに表2に
示したように凹部の幅(a)、凹部の深さ(b)を有す
る凹部を1つ形成した。
【0053】このような積層磁心に対し、実施例1と同
様の測定条件で総磁束、初期インダクタンス値を測定し
た。
【0054】
【表2】 表2から分かるように、a、bの値が小さいほど特性の
よい積層磁心となっている。aの値が磁心の円周の10
分の1以下(a≦0.1×3.14×(2×d)×
2)、bの値が外半径dと内半径cの差の10分の1以
下(b≦0.1×(d−c))を満たすものが優れてい
ることがわかる。特にbの値は磁気特性に影響が大き
く、b値が小さいほど磁気特性に優れた積層磁心にな
り、例えばノイズ低減素子等に用いた場合ノイズ抑制効
果がよくなる。
【0055】実施例13〜16 実施例6および7で用いた外半径(d)が2.0mm、
内半径(c)が1.0mmの積層磁心を用い、表3に記
載したようなa値およびb値をもつ凹部を2つ(a1と
b1、a2とb2)形成した積層磁心を作製した。この
ような積層磁心に対し、実施例1と同様の条件で総磁束
および初期インダクタンス値を測定した。
【0056】
【表3】 表3から分かるように、b1+b2の値が凹部が一つの
値と同じ場合、例えば実施例6と実施例13、実施例1
5とは総磁束値は凹部が一つのものの方が優れているも
のの、初期インダクタンス値はほぼ同等の値を示した。
一方、aの値に関しては、例えば実施例13と実施例1
5を比較するとあまり磁気特性に変化はなく、この点か
らも磁気特性にはb値の方が影響すると言える。
【0057】また、具体的に比較していないが、凹部の
ない積層磁心は総じて良い磁気特性を示したが、表面形
状を合わせることが困難であるため製造性が悪く本発明
のように内径が小さい積層磁心には実用的ではない。
【0058】以上のように液体急冷法で作製した磁性薄
帯を用い内径が小さい積層磁心を積層する際、本発明の
ように自由面同士、ロール面同士を合わせるか長手方向
を合わせることにより占積率を向上させることが可能と
なる。また、小型積層磁心を作製する際に、リング状シ
ートに凹部または凸部を設けることにより製造性が向上
すると共に、凹部または凸部の大きさを制御することに
より磁気特性の向上を図ることが可能となる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、急
冷工程を経て作製される磁性薄帯の長手方向を揃えるこ
とによって、積層磁心に対する磁性薄帯の占積率を向上
させ、積層磁心の小型化を図ることができる。さらに、
磁性薄帯の長手方向を揃えることによって、積層磁心の
磁気異方性を揃えることができ、磁気特性も向上させる
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積層磁心の一実施形態を示した概観
図である。
【図2】 本発明の積層磁心における、磁性薄帯の積層
構造の一実施形態をしめす断面図である。
【図3】 急冷薄帯を作製するための装置を示した概観
図である。
【図4】 本発明の積層磁心に用いられる磁性薄帯の一
製造例を示した平面図である。
【図5】 本発明の積層磁心に用いられる磁性薄帯の他
の製造例を示した平面図である。
【図6】 本発明の積層磁心に用いられる磁性薄帯の一
実施形態を示した平面図である。
【図7】 本発明の積層磁心に用いられる磁性薄帯の他
の実施形態を示した平面図である。
【図8】 本発明の積層磁心に用いられる磁性薄帯の他
の実施形態を示した平面図である。
【図9】 本発明の積層磁心に用いられる磁性薄帯の他
の実施形態を示した平面図である。
【図10】 本発明の積層磁心に用いられる磁性薄帯の
他の実施形態を示した平面図である。
【図11】 本発明の積層磁心に用いられる磁性薄帯の
他の実施形態を示した平面図である。
【図12】 本発明の積層磁心に用いられる磁性薄帯の
一製造例を示した平面図である。
【図13】 本発明の積層磁心の他の実施形態を示した
概観図である。
【符号の説明】
1・・・積層磁心 2・・・磁性薄帯 3・・・空芯部 9・・・急冷薄帯の長手方向 12・・・凹部 13・・・凸部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性薄帯の積層体を具備する積層磁心で
    あって、 内径が5mm以下の空芯部を有することを特徴とする積
    層磁心。
  2. 【請求項2】 前記空芯部の内径が2mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の積層磁心。
  3. 【請求項3】 前記磁性薄帯はその長手方向を揃えて積
    層されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    積層磁心。
  4. 【請求項4】 前記磁性薄帯は急冷薄帯を所定形状に加
    工した磁性片からなり、前記磁性薄帯は前記急冷薄帯の
    長手方向を揃えて積層されていることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれか1項記載の積層磁心。
  5. 【請求項5】 前記磁性薄帯外周部に、凹部または凸部
    を少なくとも1つ設けたことを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1項記載の積層磁心。
  6. 【請求項6】 前記磁性薄帯に設けられた凹部または凸
    部を揃えて積層したことを特徴とする請求項5記載の積
    層磁心。
  7. 【請求項7】 前記凹部または凸部は、前記磁性薄帯の
    外半径と内半径との差の半分以下の深さまたは高さを有
    することを特徴とする請求項5乃至6のいずれか1項記
    載の積層磁心。
  8. 【請求項8】 前記磁性薄帯は冷却ロールを用いた急冷
    薄帯からなり、前記積層体の少なくとも一部が前記急冷
    薄帯のロール面同士および自由面同士を対向配置して構
    成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    か1項記載の積層磁心。
  9. 【請求項9】 前記磁性薄帯は前記急冷薄帯を打抜きま
    たはエッチングにより加工してなることを特徴とする請
    求項1乃至8のいずれか1項記載の積層磁心。
  10. 【請求項10】 前記磁性薄帯は非晶質磁性合金、微結
    晶磁性合金および結晶質磁性合金から選ばれた少なくと
    も1種からなることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れか1項記載の積層磁心。
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