JP2001085051A - 被焼成体の支持装置及び被焼成体の焼成装置 - Google Patents

被焼成体の支持装置及び被焼成体の焼成装置

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JP2001085051A
JP2001085051A JP26028499A JP26028499A JP2001085051A JP 2001085051 A JP2001085051 A JP 2001085051A JP 26028499 A JP26028499 A JP 26028499A JP 26028499 A JP26028499 A JP 26028499A JP 2001085051 A JP2001085051 A JP 2001085051A
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tapered portion
ceramic
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bag
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JP26028499A
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Tadahiko Mitsuyoshi
忠彦 三吉
Shinobu Watanabe
忍 渡辺
Tomotaka Murata
朋貴 村田
Katsumi Imagawa
克巳 今川
Shigeo Maeno
茂夫 前野
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Hitachi Ltd
Hitachi Kyowa Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Kyowa Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】袋管状成形体を焼成炉内にセットして焼成する
際に支持板や成形体を移動させる際にこれらが傾き易
く、結果として袋管状成形体が曲がりやすく、真直度の
高く均一な袋管状焼結体が得られず、焼成歩留まりが悪
かった。 【解決手段】トンネル式焼成炉などを用いた際などのよ
うに支持構造体3やセラミック板2が傾いても、テーパ
部10と内側端部22との接触は線接触1Cで支持され
ているから、袋管状成形体1の重心は自動的に中心点0
に移動するつまり鉛直方向に方位修正され、真直度の高
い均一な袋管状焼結体を歩留まり良く焼結することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力貯蔵装置、電
気自動車、電力系統のピークシフト装置などの大容量電
池システムへの利用に適しており、特に高温ナトリウム
二次電池を構成する袋管状ベータアルミナ焼成体の焼成
に利用できる被焼成体の支持装置及び焼成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】負極にナトリウム、正極に硫黄、セレ
ン、テルル、金属ハロゲン化物などの正極活物質または
正極活物質とナトリウムとの反応物を用いた高温ナトリ
ウム二次電池は、その効率やエネルギー密度が大きいこ
とから注目され、電力貯蔵装置や電気自動車などへの利
用が期待されている。
【0003】これらの高温ナトリウム二次電池において
は、その電解質として、β型やβ”型の袋管状ベータア
ルミナ焼成体が一般に用いられる。また、ベータアルミ
ナ焼成体袋管の製造時には、ベータアルミナ粉末原料と
バインダとの混合物を袋管状に成形するか、或いは、ア
ルファアルミナやガンマアルミナなどのアルミナ粉末原
料、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのナトリ
ウム含有粉末原料、炭酸リチウムや炭酸マグネシウム、
マグネシウムアルミニウムスピネルなどの焼結助剤粉末
原料とバインダとの混合物を袋管状に成形し、得られた
原料成形体を脱バインダ後、高温で焼結するのが一般的
である。
【0004】この袋管状ベータアルミナ焼成体を高温ナ
トリウム二次電池に用いる場合、袋管状ベータアルミナ
焼成体の信頼性や電池の性能を高めるためには、袋管側
面の曲がりの少ない、真直度の高い袋管状ベータアルミ
ナ焼成体を使用することが重要であるが、従来の焼成方
法、焼成装置は必ずしもこの目的に適したものではなか
った。また、電池の大容量化のために袋管状ベータアル
ミナ焼成体を長くすると、焼結時に曲がり易くなって、
袋管状ベータアルミナ焼成体の真直度の確保がますます
困難になるという問題もあった。
【0005】袋管状ベータアルミナ焼成体の焼成方法と
しては特開平6−211568号公報、特開平5−85
810号公報、特開平3−88278号公報などが知ら
れているが、これらの方法においては、袋管状ベータア
ルミナ焼成体の開口部を下に向けて台に載せて高温で焼
成するために、焼成時に自重で袋管が曲がりやすく、焼
成歩留まりが低いという問題があった。
【0006】この問題に対処するために、特開平3−8
8279号公報においては、ベータアルミナ管成形体の
開口端部外側に設けたテーパ部を漏斗状の受け口を有す
る支持板で支持して焼成する方法が提案されている。こ
の方法によれば、成形体の自重による変形防止が可能な
反面、成形体が漏斗状の受け口と面接触して支持される
ために、支持板の傾きがそのまま焼結体に反映され、支
持板が傾くと焼結体の曲がりが発生するという問題があ
った。
【0007】即ち、焼成炉の床は加熱、冷却などによっ
て熱変形しやすく、この結果、炉床が傾いて炉床に支持
された支持構造体や支持板が傾き、焼結体の曲がりをも
たらすという問題が発生しやすい。また、焼成炉にトン
ネル炉を用いる場合、支持構造体、支持板や成形体を移
動させる際にこれらが傾き易く、結果として焼結体が曲
がり易いという問題もあり、焼成歩留まりの向上が困難
であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、曲が
りの少ない、真直度の高い袋管状ベータアルミナ焼成体
を歩留まり良く焼結できる被焼成体の支持装置及び焼成
装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明の被焼成体の第一の支持装置は、被焼成体の一
端に形成したテーパ部の直径を被焼成体の他端の直径よ
り大きくすると共に、テーパ部の直径が順次他端の直径
に近ずくテーパ部を、支持構造体で支えた支持板で支持
し、被焼成体を吊り下げて焼成するものにおいて、上記
テーパ部を線接触又は点接触で支持することを特徴とし
ている。尚、この方法により上記他端の中心に重心が来
るように被焼成体は支持される。
【0010】また前記支持板にセラミック板を使用し、
セラミック板に円形状の貫通孔を設け、前記貫通孔の内
周端部で前記袋管状成形体を線接触又は点接触で支える
ことが望ましい。なお、前記支持板の端部あるいは前記
貫通孔の内周端部が面取りされたり、R形状に加工され
たりしていることが好ましい。
【0011】更に、本発明の被焼成体の第二の支持装置
は、被焼成体に形成したテーパ部と支持板との間に複数
個のセラミック球やセラミック円柱、セラミック円筒な
どの回転体を配置し、回転体とテーパ部とが点接触で支
持した被焼成体を吊り下げた状態で焼成することを特徴
としている。
【0012】また第一又は第二の支持装置は、被焼成体
の一端に開口部を、他端に袋部を有する袋管状成形体か
ら被焼成体を構成し、開口部と対応する袋管状成形体部
にテーパ部を形成すること、袋管状成形体はベータアル
ミナにより構成されていることが望ましい。
【0013】更に、これら第一、第二の支持装置におい
て、前記テーパ部より下部の前記被焼成体又は袋管状成
形体の重量を前記テーパ部より上部の前記被焼成体又は
袋管状成形体の重量より大きくすることが、焼結時の曲
がり防止の上で特に望ましい。また前記支持板に使用し
たセラミック板、或いはセラミック球やセラミック円
柱、セラミック円筒などの回転体がマグネシア、マグネ
シウムーアルミニウムスピネルなどのスピネルあるいは
ジルコニアから成るセラミックスで構成されることが好
ましい。
【0014】一方、本発明の被焼成体の第一の焼成装置
は、位置決め装置で被焼成体を挟持し、支持構造体で支
えられた支持板で被焼成体に形成したテーパ部が支持さ
れるように装着し、テーパ部が線接触又は点接触で支持
されて被焼成体を吊り下げた状態で、焼成炉内で焼成す
ることを特徴としている。尚、この方法により、焼成時
被焼成体の他端の中心に重心が来るように被焼成体は支
持される。
【0015】ここで、支持板に用いたセラミック板に貫
通孔が設けられ、貫通孔の内側端とテーパ部とが線接触
又は点接触で被焼成体を吊り下げた状態で焼成すること
ができる。
【0016】又被焼成体に形成したテーパ部と支持板と
の間に複数個のセラミック球やセラミック円柱、セラミ
ック円筒などの回転体を配置し、回転体とテーパ部とが
点接触で支持した被焼成体を吊り下げた状態で焼成する
ことを特徴としている。
【0017】又前記焼成炉をトンネル炉とし、前記位置
決め装置を前記トンネル炉の送り機構に隣接して設ける
ことが好ましい。
【0018】又前記位置決め装置で被焼成体を挟持して
位置決めすると共に、支持体又は回転体を同じ位置決め
装置で位置決めすることが望ましい。
【0019】更に、これら第一、第二の焼成装置におい
て、前記支持板に使用したセラミック板、或いはセラミ
ック球やセラミック円柱、セラミック円筒などの回転体
がマグネシア、マグネシウムーアルミニウムスピネルな
どのスピネルあるいはジルコニアから成るセラミックス
で構成されることが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面によって説明
する。図1及び図2は本発明の支持装置の例を示してお
り、1はベータアルミナ粉末あるいはアルファアルミナ
粉末と添加物とから成る袋管状成形体すなわち焼成体で
あり、袋管状成形体1は一端に開口部1Aを他端に袋管
部1Bを有し、開口部1Aと対応する袋管状成形体部か
ら袋管部側つまり一端側から他端側に行くに従い袋管部
(他端)の直径に近づくテーパ部10を形成している。
【0021】2は支持構造体3内に設けられた高温で焼
結されたセラミック板から成る支持板で、円形状の貫通
孔21が設けられており、貫通孔21の内側端部22に
よりテーパ部10の外周が線接触で支えられ、袋管状成
形体1を貫通孔21に挿入し、袋管状成形体1のテーパ
部10の外周を内側端部22で吊り下げた状態で支持
し、図示されていない焼成炉中で焼結される。尚、この
図では内側端部22の上面はR形状に加工されている
が、この部分を面取りしても良いし、場合によってはセ
ラミック板を焼結体のまま無加工で用いても良い。
【0022】また、図示されていないが、貫通孔21の
内側端部22に半径方向の切り込みを設けたセラミック
板を用いたり、複数個のセラミック板で円形状の貫通孔
21を模擬したりしてテーパ部10を線接触又は点接触
で支えても、同じ目的を達することができる。更に、3
はセラミック板2を支える支持構造体であり、この図の
場合には支持構造体3は焼結容器を兼ねており、袋管状
成形体1は脱バインダ後、支持構造体3と蓋4によって
密閉された状態で、ナトリウムの揮散を防止しながら焼
結される。
【0023】袋管状成形体1を貫通孔21に挿入し、袋
管状成形体1のテーパ部10の外周を内側端部22に吊
り下げると、テーパ部10の外周と内側端部22との接
触は線接触1Cで支持される。この結果、焼結炉内の温
度変化によって支持構造体3が傾いたり、或いは焼結炉
内にセットした支持構造体3が多少傾いて配置された場
合においても、テーパ部10の外周と内側端部22とは
線接触1Cで支持されているから、袋管部1Bの中心0
に重心が自動的に移動しながら吊り下がって行くので、
袋管状成形体1は傾くことなく、焼生収縮時にも真直ぐ
に垂れ下がり、真直度の高い袋管状焼結体を生産できる
ので、歩留まりが向上する。尚、袋管状成形体1の代わ
りに、一端の直径が他端の直径より大きく、両端の途中
に形成した一端から他端に行くに従い他端の直径に近づ
くテーパ部を有する棒形状の被焼成体にも使用できる。
【0024】図3及び図4は本発明の別の支持装置を示
しており、図1,2と同じ部品は同じ符号で示した。こ
の場合には、袋管状成形体1のテーパ部10と複数個の
セラミックボールなどの回転体5とが点接触1Dで支え
られた状態で、吊り下げられて焼成される。なお、セラ
ミックボールなどの回転体5は回転可能な状態で、高温
で焼結されたセラミックなどから成る支持板6により支
持されている。また、セラミックボールの代わりに、セ
ラミック円柱やセラミック円筒などの回転体を用いても
よい。ここで、セラミックボールが3個以上、セラミッ
ク円柱、セラミック円筒などが2個以上あれば、袋管状
成形体1のテーパ部10を支えることができ、上述と同
様な作用効果を達成することができることは云うまでも
ない。
【0025】即ち、図1乃至図4においては、焼成中
に、セラミック板2の内側端部22の寸法や複数個の回
転体間の距離は、セラミック板2や支持板6が焼結済み
のためにほぼ一定に保たれるのに対して、袋管状成形体
1のテーパ部10の寸法は焼結収縮するため、袋管状成
形体1は下方に移動しながら焼結される。その際、テー
パ部10と内側端部22との接触は線接触1C上で支持
されており、又セラミックボールなどの回転体5とテー
パ部10との接触は点接触1Dで支持されているため、
袋管状成形体1は自重で鉛直方向に方位が保たれ、真直
度の高い焼結体が容易に得られる。即ち、トンネル炉な
どを用いた際に支持構造体3やセラミック板2、支持板
6などが移動時に傾いても、袋管状成形体1の重心は自
動的に中心点に移動しながら鉛直方向に方位修正され、
真直度の高い均一な袋管状焼成体を歩留まり良く焼結す
ることができる。尚、貫通孔21は支持板を一対の支持
板片に分離し、互いに対応する支持板片面に半円形状の
貫通孔を形成し、半円形状の貫通孔間にテーパ部を線接
触させるものも含んでいる。
【0026】この目的のためには、テーパ部10より下
部の袋管状成形体1の重量が、テーパ部10より上部の
袋管状成形体1の重量より大きいことが望ましく、この
場合には、方位の自動修正が特に高精度に達成される。
また、焼結時に袋管状成形体1がセラミック板2やセラ
ミックボールなどの回転体5に付着するのを防止する必
要があり、このためには、セラミック板やセラミックボ
ール、セラミック円柱、セラミック円筒などをベータア
ルミナセラミックスと反応しにくい、マグネシア、マグ
ネシアーアルミナスピネル、或いはジルコニアから成る
セラミックスで構成することが望ましい。更に、セラミ
ック板2の表面にアルミナなどの粉末を付着して、袋管
状成形体1の移動をスムーズにすることもできる。
【0027】また、セラミック板2の内側端部をR形状
に加工したり、面取りすること、セラミック板の代わり
にセラミックボールやセラミック円柱や円筒などの回転
体5を用いたりすることにより、焼成時の袋管状成形体
1の下方移動や方位修正がスムーズに行なわれ、真直度
の高い焼結体の製造歩留まりが向上する。なお、セラミ
ックス板2の内側端部を面取りする場合、面取りの角度
と袋管状成形体1のテーパ部10の角度を違えて、袋管
状成形体1を面上ではなく線上で支えることが大切であ
る。
【0028】一方、セラミック板2を無加工で用いた
り、内側端部をR形状に加工したり、セラミック板の代
わりにセラミックボールやセラミック円柱や円筒などの
回転体を用いたりすれば、袋管状成形体1はテーパ部1
0の角度によらず、線上または点上で支えられるため、
焼結時に特に高精度に鉛直方向に方位が保持される。
【0029】図5は本発明の焼成装置の構造例を示して
おり、図1乃至図4と同じ符号のものは同じ内容を示し
ている。図において、7はトンネル式の焼成炉、8はベ
ルトコンベアやプッシャーなどから成る送り機構、9
A,9B,9Cは送り機構に隣接して設けられたロボッ
トなどの位置決め装置である。また、11A,11Bは
袋管状成形体1,1E,1Fなどを焼結して得られた袋
管状ベータアルミナ焼成体、30は袋管状成形体や袋管
状ベータアルミナ焼成体の搬送装置、31は搬送用保持
治具である。
【0030】図5においては、明示されていないが、図
1や図3と同様に焼結容器を兼ねた支持構造体が用いら
れ、支持構造体の上にセラミック板2、或いは支持板と
セラミックボールなどの回転体、及び袋管状成形体1,
1E,1Fを載せ、袋管状成形体の開口部付近のテーパ
部がセラミック板2に設けた貫通孔の内側端部で線接触
や、セラミックボールなどの回転体で点接触に支えられ
た状態で、送り機構8により矢印方向に移動して焼成炉
7内へ送り込まれる。
【0031】この焼成装置においては、位置決め装置9
Aによって、送り機構8により送られてきた袋管状ベー
タアルミナ焼成体11A,11Bを挟持して搬送装置3
0へ移動し、搬送装置30から袋管状成形体1,1E,
1Fを取り出して位置決めし、セラミック板2或いはセ
ラミックボールなどの回転体5上へ設置する。尚、送り
機構8で移動される際に支持構造体の位置やセラミック
板2、或いはセラミックボールなどを支える支持板の位
置は必ずしも定位置とは成らず、その都度少しづつ誤差
を持つのが一般的である。
【0032】この問題に対処するためには、その都度セ
ラミック板2や回転体5の位置を計測し、その計測値に
合わせて袋管状成形体1,1E,1Fの位置を決めるこ
ともできるが、この方法には位置決め装置の構造が複雑
になるという欠点がある。これに代わる方法としては、
袋管状成形体1,1E,1Fの位置決めをする前に、位
置決め装置9Aでセラミック板2或いは支持板6、即ち
回転体5の位置決めをし、引き続いて袋管状成形体1,
1E,1Fを同じ装置で位置決めをすれば良い。
【0033】一般にロボットなどの位置決め装置は位置
の再現性が高いため、この方法により、位置計測不要な
比較的簡単な装置で、セラミック板2や回転体5と袋管
状成形体1,1E,1Fとの相対位置を正確に合わせる
ことができる。なお、この方法においても、セラミック
板2や支持板6と支持構造体との相対位置の誤差の問題
は存在するが、図1や図3に見られるように、セラミッ
ク板2や支持板6の大きさを支持構造体3に比べて大き
くすることにより、この相対位置誤差があっても支障な
く袋管状成形体1,1E,1Fを設置することが可能で
ある。
【0034】次に、支持構造体3は位置決め装置9Bに
よって蓋4をされ、トンネル式焼成炉7内で焼結された
後、位置決め装置9Cによって蓋4Bや4Cが除去さ
れ、位置決め装置9Aの側へ送られる。なお、袋管状成
形体1は図1、図3で説明したように、焼結収縮時に下
方へ滑りながら鉛直方向に方位が保持されるため、真直
度の高い袋管状ベータアルミナ焼成体11A,11Bが
歩留まり良く焼結され、また、この方法で得られた袋管
状ベータアルミナ焼成体を用いることにより、高性能、
高信頼性の高温ナトリウム二次電池を実現できる。
【0035】具体例として、原料粉末としてアルファア
ルミナと炭酸ナトリウムと炭酸リチウムを用い、これら
を混合後、一度1300℃で仮焼し、得られた粉末に水
とポリビニールアルコールを加え、スプレードライヤを
用いて造粒した。尚、この例では原料粉末を混合後一度
仮焼したが、仮焼を省略して造粒することもできる。次
に、得られた造粒粉を乾式静水圧成形装置を用いて成形
し、図1に示したと同様に、上部外周にテーパ部を設け
た、内径約67φ、長さ約690、側面肉厚約2.0m
mの袋管状成形体を得た。なお、袋管状成形体の重量比
率はテーパ部中央から上部が約30%、下部が約70%
である。
【0036】次に、マグネシア製セラミック板に貫通孔
を設け、貫通孔の内側端部をR形状に加工したセラミッ
ク板を用意し、得られた袋管のテーパ部をこの貫通孔で
支え、図1に示したと同様に袋管状成形体を吊るした状
態でマグネシアセラミックス製の焼成容器へ収納した。
最後に、この焼成容器を図5に示したと同様のトンネル
炉に通して、袋管状成形体を約1600℃で焼結した。
なお、袋管状成形体の位置決め装置としてはロボットを
用い、セラミック板と袋管状成形体とを同じロボットで
挟持し位置決めして、焼成容器へセットすることによ
り、相対位置決め精度を確保した。
【0037】得られた袋管状ベータアルミナ焼成体は内
径約58mm、長さ約600mm、側面肉厚約1.7m
mであり、側面の曲りは0.4mm以下と真直度が高
く、この高寸法精度の袋管状ベータアルミナ焼成体を用
いることにより、電池内部での電気化学反応が均一化さ
れて、高性能で高信頼性のナトリウム硫黄電池が実現さ
れた。
【0038】また、この方法によれば、袋管状成形体が
自動的に鉛直方向へ方位修正されるため、高精度袋管状
ベータアルミナ焼成体の製造歩留まりは高く、また、焼
結途中で地震などが起こっても焼結体の真直度への影響
の少ない、高精度焼結が可能なトンネル式焼成炉が実現
された。
【0039】
【発明の効果】本発明の支持装置によれば、焼成炉など
を用いた際に支持構造体やセラミック板、支持板などが
移動時に傾いても、テーパ部と内側端部との接触は線接
触で支持されたり、或いはセラミックボールなどの回転
体とテーパ部との接触は点接触で支持されているから、
袋管状成形体の重心は自然に中心点に移動するつまり鉛
直方向に方位修正され、真直度の高い均一な袋管状焼結
体を歩留まり良く焼結することができる。
【0040】また、袋管状成形体が焼結時に自動的に鉛
直方向に方位が保持され、真直度の高い、高精度の袋管
状ベータアルミナ焼成体が高歩留で焼成でき、また、こ
の袋管状ベータアルミナ焼成体を用いて、高性能、高信
頼性の高温ナトリウム二次電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である袋管状成形体を支持した
支持装置の模式断面図。
【図2】図1の要部断面図。
【図3】本発明の他の実施例である袋管状成形体を支持
した支持装置の模式断面図。
【図4】図3の要部断面図。
【図5】本発明の実施例である袋管状成形体の焼成装置
を示す模式平面図。
【符号の説明】
1…袋管状成形体、2…セラミック板、5…回転体、6
…支持板、7…焼成炉、8…送り機構、9A,9B,9
C…位置決め装置、10…テーパ部、21…貫通孔、2
2…内側端部。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 忍 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立事業所内 (72)発明者 村田 朋貴 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立事業所内 (72)発明者 今川 克巳 茨城県日立市弁天町三丁目10番2号 日立 協和エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 前野 茂夫 茨城県日立市弁天町三丁目10番2号 日立 協和エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4K055 AA06 HA02 NA04 5H029 AJ03 AJ14 AK04 AK05 AL13 CJ02 CJ30 EJ05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被焼成体の一端に形成したテーパ部の直
    径を被焼成体の他端の直径より大きくすると共に、テー
    パ部の直径が順次他端の直径に近ずくテーパ部を、支持
    構造体で支えた支持板で支持し、被焼成体を吊り下げて
    焼成するものにおいて、上記テーパ部を線接触又は点接
    触で支持することを特徴とする被焼成体の支持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、被焼成体の一
    端に開口部を、他端に袋部を有する袋管状成形体から被
    焼成体を構成し、開口部と対応する袋管状成形体部にテ
    ーパ部を形成することを特徴とする被焼成体の支持装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の記載において、支持板
    にセラミック板を使用し、セラミック板に設けた貫通孔
    と被焼成体又は袋管状成形体のテーパ部とを線接触又は
    点接触とでを支持すると共に、被焼成体又は袋管状成形
    体をベータアルミナセラミックスで構成することを特徴
    とする被焼成体の支持装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項の記載に
    おいて、セラミック板の貫通孔の内周端部が面取り、又
    はR形状に加工されていることを特徴とする被焼成体の
    支持装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項の記載に
    おいて、被焼成体部に形成したテーパ部と支持板との間
    に複数個のセラミック球やセラミック円柱、セラミック
    円筒などの回転体を配置し、回転体とテーパ部とが点接
    触で支持した被焼成体又は袋管状成形体部を吊り下げた
    状態で焼成することを特徴とする被焼成体の支持装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項の記載に
    おいて、前記テーパ部より下部の被焼成体又は袋管状成
    形体の重量が、前記テーパ部より上部側の被焼成体又は
    前記袋管状成形体の重量より大きいことを特徴とする被
    焼成体の支持装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から5のいずれか1項の記載に
    おいて、前記支持板に使用したセラミック板、或いはセ
    ラミック球やセラミック円柱、セラミック円筒などの回
    転体が、マグネシア、スピネル或いはジルコニアから成
    るセラミックスで構成されることを特徴とする被焼成体
    の支持装置。
  8. 【請求項8】 位置決め装置で被焼成体を挟持し、支持
    構造体で支えられた支持板で被焼成体に形成したテーパ
    部が支持されるように装着し、テーパ部が線接触又は点
    接触で支持されて被焼成体を吊り下げた状態で、焼成炉
    内で焼成することを特徴とする被焼成体の焼成装置。
  9. 【請求項9】 請求項8の記載において、支持板として
    用いたセラミック板に貫通孔が設けられ、貫通孔の内側
    端とテーパ部とが線接触又は点接触で被焼成体を吊り下
    げた状態で焼成することを特徴とする被焼成体の焼成装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項8の記載において、被焼成体に
    形成したテーパ部と支持板との間に複数個のセラミック
    球やセラミック円柱、セラミック円筒などの回転体を配
    置し、回転体とテーパ部とが点接触で支持した被焼成体
    を吊り下げた状態で焼成することを特徴とする被焼成体
    の焼成装置。
  11. 【請求項11】 請求項8の記載において、前記焼成炉
    がトンネル炉であり、前記位置決め装置が前記トンネル
    炉の送り機構に隣接して設けられることを特徴とする被
    焼成体の焼成装置。
  12. 【請求項12】 請求項8から10のいずれか1項の記
    載において、前記位置決め装置で被焼成体を挟持して位
    置決めすると共に、支持体又は回転体を同じ位置決め装
    置で位置決めすることを特徴とする被焼成体の焼成装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105762426A (zh) * 2016-05-09 2016-07-13 上海电气钠硫储能技术有限公司 一种钠硫电池用固体电解质陶瓷管

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