JP2001084526A - 磁気センサ - Google Patents

磁気センサ

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JP2001084526A
JP2001084526A JP25972399A JP25972399A JP2001084526A JP 2001084526 A JP2001084526 A JP 2001084526A JP 25972399 A JP25972399 A JP 25972399A JP 25972399 A JP25972399 A JP 25972399A JP 2001084526 A JP2001084526 A JP 2001084526A
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layer
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magnetic sensor
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Yoshihiko Seyama
喜彦 瀬山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気センサに関し、CPP構造磁気センサの
コンタクトホールの形状が巨大磁気抵抗効果特性に影響
を与えないようにする。 【解決手段】 巨大磁気抵抗効果膜3の膜面に垂直に電
流を流す構造の磁気センサを、下端子層2、巨大磁気抵
抗効果膜3、及び、犠牲層4を順次積層し、コンタクト
ホールを有する絶縁層5を介して犠牲層4に接するよう
に上端子層7を設けることによって構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気センサに関する
ものであり、特に、ハードディスクドライブ(HDD)
等の磁気記録装置の再生ヘッド(リードヘッド)に用い
る巨大磁気抵抗効果膜(GMR膜)の面内に垂直に電流
を流すCPP(Current perpendicu
lar to the plane)構造の磁気センサ
において、巨大磁気抵抗効果特性にコンタクトホールの
形成工程が影響しないようにするための犠牲層の構成に
特徴のある磁気センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータの外部記憶装置であ
るハードディスク装置等の磁気ヘッドとしては、コイル
に発生する誘導電流により磁場を感知する誘導型の薄膜
磁気ヘッド(インダクティブヘッド)が使用されていた
が、近年のハードディスク装置等の高密度化、高速化の
要請の高まりに伴い、磁場そのものを感知する磁気セン
サが再生用磁気ヘッドの主流となっている。
【0003】この様な磁気センサとしては、磁気抵抗効
果を利用したものが採用されているが、このMRヘッド
における再生原理は、リード電極から一定のセンス電流
を流した場合に、磁気抵抗効果素子を構成する磁性薄膜
の電気抵抗が記録媒体からの磁界により変化する現象を
利用するものである。
【0004】近年のハードディスクドライブの高密度記
録化に伴って、1ビットの記録面積が減少するととも
に、発生する磁場は小さくなり、小さい外部磁場の変化
を感知することができる必要があり、そのために、感度
のより高い巨大磁気抵抗効果を利用した磁気ヘッドが採
用されはじめている。
【0005】現在、巨大磁気抵抗効果を利用した磁気セ
ンサとしては、スピンバルブ素子を利用した磁気センサ
が用いられているので、この様なスピンバルブ素子を利
用した磁気センサを図12を参照して説明する。
【0006】図12参照 図12は、従来のスピンバルブ素子を利用したMRヘッ
ドの概略的断面図であり、スライダーの母体となるAl
2 3 −TiC基板41上に、Al2 3 膜42を介し
てNiFe合金等からなる下部磁気シールド層43を設
け、Al2 3等の下部リードギャップ層44を介して
スピンバルブ膜45を設けて所定の形状にパターニング
したのち、スピンバルブ膜45の両端にCoCrPt等
の高保磁力膜からなる磁区制御膜46を設け、次いで、
W/Ti/Ta多層膜等からなる導電膜を堆積させてリ
ード電極47を形成する。次いで、再び、Al2 3
の上部リードギャップ層48を介してNiFe合金等か
らなる上部磁気シールド層49を設けることによって、
スピンバルブ素子を利用したMRヘッドの基本構成が完
成する。
【0007】この様な巨大磁気抵抗効果膜としてのスピ
ンバルブ膜としては、例えば、IBMにより「スピン・
バルブ効果利用の磁気抵抗センサ(特開平4−3583
10号公報参照)」或いは「二重スピン・バルブ磁気抵
抗センサ(特開平6−223336号公報参照)」が提
案されているが、この磁気センサは、非磁性金属層によ
って分離された2つの結合していない強磁性体層を備
え、一方の強磁性体層(pinned層)にFeMn或
いはPdPtMn等で代表される反強磁性体層を付着し
て強磁性体層の磁化Mが固定されているサンドイッチ構
造となっており、記録媒体からの微小な磁界に対し高い
磁気抵抗効果が得られるといった点において、従来のイ
ンダクティブヘッド若しくはAMR(Anisotro
py Magneto−Resistivity)膜よ
り格段に優れており、高感度リードヘッド素子として用
いられている。
【0008】この磁気センサにおいて、磁気記録媒体等
から外部磁場が印加されると、磁化が固定されていない
他方の強磁性体層、即ち、フリー(free)層の磁化
方向が外部磁場に一致して自由に回転するため、磁化が
固定された強磁性体層、即ち、ピンド(pinned)
層の磁化方向と角度差を生ずることになる。
【0009】この角度差に依存して伝導電子のスピンに
依存した散乱が変化し、電気抵抗値が変化するので、こ
の電気抵抗値の変化を定電流のセンス電流を流すことに
よって電圧値の変化として検出することによって、外部
磁場の状況、即ち、磁気記録媒体からの信号磁場を取得
するものである。
【0010】このスピンバルブ磁気抵抗センサにおいて
は、数Oeの微小な外部磁場により抵抗が大きく変化す
るという特徴があり、磁気抵抗変化率は約8%前後とな
るため、スピンバルブ磁気抵抗センサを用いた磁気ヘッ
ドにおいては、20〜40Gbit/in2 (≒3〜6
Gbit/cm2 )の記録密度まで対応可能と考えられ
ている。
【0011】しかし、近年のハードディスクドライブの
記録密度の向上は急激であり、2002年には40Gb
it/in2 (≒6Gbit/cm2 )の記録密度が求
められているが、記録密度が40Gbit/in2 以上
では、磁気抵抗変化は少なくとも10%必要となる。
【0012】また、記録ビットサイズがトラック幅で
0.3μm以下、ビット長が0.07μm以下と小さく
なるため、巨大磁気抵抗効果膜の厚さとしては0.07
μm(=70nm)以下が要求され、この様な巨大磁気
抵抗効果膜の薄層化の要請に応えるものとして、CoF
e等強磁性膜とCu等の非磁性膜とを交互に積層した人
工格子膜を用いることが検討されている。
【0013】この人工格子膜においては、非磁性膜の厚
さによって非磁性膜を介して対向する強磁性膜の磁化方
向が変化し、磁化方向が互いに反対になった場合に抵抗
が大きくなり、例えば、Cu非磁性層の厚さが約1nm
程度の位置で抵抗が大きくなる第1ピークがあり、最大
で30〜50%の抵抗変化が得られるが、この場合の抵
抗変化に要する外部磁場は数kOeと大きくなる。
【0014】一方、Cu非磁性層の厚さが約2.1nm
程度の位置で抵抗が再び大きくなる第2ピークにおける
抵抗変化は10〜20%であるが、抵抗変化に要する外
部磁場は、100〜200〔Oe〕と小さく、また、こ
の場合の人工格子膜全体の厚さも、CoFeとCuを交
互に10層繰り返した場合に約30nmになるので、上
記の要請に応えられるものである。
【0015】しかし、現在、実用化されている磁気抵抗
効果或いは巨大磁気抵抗効果を利用した磁気ヘッドにお
いては、磁気抵抗効果膜或いは巨大磁気抵抗効果膜の膜
面に平行に電流を流すCIP(Current in
the plane)構造であるため、上下の磁気シー
ルド層との間に、絶縁層、即ち、リードギャップ層を介
在させる必要がある。
【0016】現在、絶縁が可能な最も薄い材料としてC
VD法等で成膜されたAl2 3 やSiO2 が用いられ
ているが、20nm程度の薄さが限界であるため、上下
のリードギャップ層の厚さを各20nmとすると巨大磁
気抵抗効果膜自体の厚さとしては30nm(=70nm
−20nm×2)以下であることが要求されることにな
る。
【0017】さらに、ビット長が短くなった場合、リー
ドギャップ層をこれ以上薄くできないと考えると、巨大
磁気抵抗効果膜自体を薄くしていくしかないが、巨大磁
気抵抗効果膜の膜厚を薄くするにも限界がある。そこ
で、この様な問題を解決するものとして、巨大磁気抵抗
効果膜の膜面に垂直に電流を流すCPP(Curren
t perpendicular tothe pla
ne)構造の採用が検討されているので、この様なCP
P構造の磁気センサを図13乃至図15を参照して説明
する。
【0018】図13参照 図13は、従来のCPP構造磁気センサの要部断面図で
あり、コンタクトホール近傍を強調して図示したもので
ある。図から明らかなように、表面を熱酸化してSiO
2 膜(図示せず)を形成したシリコン基板51上にCu
下端子層52を設け、このCu下端子層52に対してコ
ンタクトホール54を有するSiO2 膜53を介してC
oFeとCuとを交互に10層積層させた人工格子膜5
5を接合し、その上にCu上端子層56を設けたもので
ある。
【0019】このCPP構造磁気センサにおいては、矢
印で示すように人工格子膜55の膜面に垂直方向に電流
を流すもので、従来のCIP構造磁気センサに比べてよ
り大きな磁気抵抗変化が得られることが知られており、
且つ、構造的に上下のリードギャップ層が不要になる。
【0020】したがって、上下の端子層を磁気シールド
層として兼用することによって、 巨大磁気抵抗効果膜厚≒上下磁気シールド層の間隔 となり、上下磁気シールド層の間隔を大幅に小さくする
ことができる。なお、図13は、磁気センサ自体の特性
を調べる実験用装置であるため、上下の端子層として非
磁性金属層のCuを用いているが、実用装置として構成
する場合には、上下の端子層をNiFe等の強磁性層で
構成し、磁気シールド層として兼用することになる。ま
た、熱酸化膜付基板を用いているが、実際のヘッドで
は、Al2 3 −TiC基板を用いる。
【0021】次に、図14及び図15を参照して、この
CPP構造磁気センサを製造工程を説明するが、各図は
上面図である。 図14(a)参照 まず、表面を熱酸化することによってSiO2 膜(図示
せず)を形成したシリコン基板51上にCuをスパッタ
成膜することによってCu下端子層52を形成したの
ち、下端子を所定の形状にパターニングするためのレジ
ストパターン57を形成する。
【0022】図14(b)参照 次いで、レジストパターン57をマスクとしてエッチン
グを行うことによって所定パターンのCu下端子層52
を形成したのち、レジストパターン57を除去する。
【0023】図14(c)参照 次いで、CVD法を用いて全面にSiO2 膜53を堆積
させたのち、コンタクトホール用開口59を有するレジ
ストパターン58を形成する。
【0024】図15(d)参照 次いで、レジストパターン58をマスクとしてイオンミ
リングを施すことによってSiO2 膜53にコンタクト
ホール54を形成するとともに周辺部を除去して、Cu
下端子層52の外側部を露出させる。
【0025】図15(e)参照 次いで、スパッタリング法を用いて全面に人工格子膜
(図示せず)を堆積させたのち、Cuを電界メッキする
ことによってCu上端子層56を形成し、次いで、コン
タクトホール54を覆う上端子を所定の形状にパターニ
ングするためのレジストパターン60を形成する。
【0026】図15(f)参照 次いで、レジストパターン60をマスクとしてエッチン
グを行うことによってCu上端子層56及び人工格子膜
をパターニングしたのち、レジストパターン60を除去
することによって、CPP構造磁気センサの基本的構造
が完成する。
【0027】この様に構成したCPP構造磁気センサに
対して±500〔Oe〕の磁場を印加し、4端子法で素
子の抵抗変化及び人工格子膜の抵抗変化率を測定したと
ころ、コンタクトホールの直径が1μmの場合には、素
子抵抗変化は3.4mΩ、抵抗変化率は30%となり、
コンタクトホールの直径が0.3μmの場合には、素子
抵抗変化は20.7mΩ、抵抗変化率は26%となりC
IP構造磁気センサに比べて優れた特性がえられた。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この様なCP
P構造は長所の多い構造であるが、作製が難しいという
問題がある。即ち、上記の図15(d)の工程において
SiO2 膜53にコンタクトホール54を形成する工程
において、コンタクトホール54の底面には凹凸が発生
し、この凹凸が大きいと、この上に成膜する人工格子膜
55の層構造が乱れて要求される巨大磁気抵抗効果が得
られなくなるという問題がある。
【0029】コンタクトホール54が大きい場合には、
コンタクトホール54に対するSiO2 膜53の膜厚の
比(アスペクト比)が小さくなるため、イオンミリング
時のイオン入射角を変化させることによって、底面の凹
凸を制御することが可能である。例えば、レジストパタ
ーン58をマスクとしてイオンを垂直入射させてコンタ
クトホール54を形成したのち、レジストパターン58
を除去し、イオンを傾斜入射することによって底面に形
成された凹凸を均して凹凸の程度を低減することができ
る。
【0030】しかし、ハードディスクドライブの記録密
度を高くするためには、コンタクトホールを小さくする
必要があり、その結果、前記のアスペクト比が大きくな
るので、イオン入射角は90°近傍に限定され、底面の
凹凸の制御が困難になり、それによって、所望の巨大磁
気抵抗効果特性が得られないという問題がある。
【0031】また、コンタクトホール54の側壁の傾斜
角にもよるが、コンタクトホールの側壁に堆積する人工
格子膜55を構成する強磁性膜及び非磁性膜の膜厚がコ
ンタクトホール54の底面に堆積する強磁性膜及び非磁
性膜の膜厚と異なるため、側壁に堆積する人工格子膜は
巨大磁気抵抗効果を示さない単なる導電金属となる。こ
の様な側壁の問題は、コンタクトホールが大きい場合に
はほとんど影響しないが、コンタクトホールが小さい場
合には影響が大きくなる。
【0032】したがって、本発明は、CPP構造磁気セ
ンサのコンタクトホールの形状が巨大磁気抵抗効果特性
に影響を与えないようにすることを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図1は、
コンタクトホールの近傍を強調して図示した磁気センサ
の要部断面図であり、また、図における符号1は、基板
である。 図1参照 (1)本発明は、巨大磁気抵抗効果膜3の膜面に垂直に
電流を流す構造の磁気センサにおいて、下端子層2、巨
大磁気抵抗効果膜3、及び、犠牲層4を順次積層し、コ
ンタクトホールを有する絶縁層5を介して犠牲層4に接
するように上端子層7を設けたことを特徴とする。
【0034】この様に犠牲層4を設けることによって、
巨大磁気抵抗効果膜3を平坦な下端子層2上に形成する
ことができるので所期の巨大磁気抵抗効果特性を得るこ
とができ、また、コンタクトホール6を形成する際に、
犠牲層4が保護膜となるので巨大磁気抵抗効果膜3がエ
ッチングの影響を受けることがない。なお、本発明にお
ける巨大磁気抵抗効果膜3とは、人工格子膜のみなら
ず、スピンバルブ膜等の他の巨大磁気抵抗効果膜も含む
ものである。
【0035】特に、犠牲層4が、コンタクトホール6を
形成する際のエッチングストッパ層となる材料であるこ
とが望ましい。
【0036】この様に、犠牲層4をコンタクトホール6
を形成する際のエッチング工程、特に、反応性イオンエ
ッチング(RIE)工程におけるエッチングストッパ層
となる材料で構成することによって、巨大磁気抵抗効果
膜3がエッチングの影響を受けることがなく、それによ
って、所期の巨大磁気抵抗効果効果を維持することがで
きる。
【0037】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、犠牲層4がRuからなり、且つ、その膜厚が3〜1
0nmであることを特徴とする。
【0038】この様に、犠牲層4としては、SF6 を反
応性ガスとして用いるRIE工程においてエッチングス
トッパ層となるRuが好適であり、その膜厚としては3
〜10nmが好適である。膜厚が3nm未満の場合に
は、RIE工程においてRu層の下の巨大磁気抵抗効果
膜3がエッチングの影響を受けることになり、一方、膜
厚が厚くなるとRu層の層に平行方向に電流が流れてし
まうため巨大磁気抵抗効果膜3に流れる電流が少なくな
るので、薄膜におけるRuの比抵抗(約10μΩcm)
を考慮すると、10nm以下であることが望ましい。
【0039】或いは、犠牲層4が、V、Cr、Fe、C
o、Ni、Zr、Nb、Mo、Rh、Pd、W、Ir、
Cu、Ag、Au、及び、Ptの内のいずれか1つ、或
いは、それらの合金のいずれかであることが望ましい。
【0040】一般に、RIE工程におけるエッチングス
トッパ層とな材料は、反応性ガスと反応しない、或い
は、反応してできた化合物の蒸気圧が低い材料であるこ
とが必要である。CPP構造の磁気センサにおけるコン
タクトホール6を有する絶縁膜5としてはSiO2 或い
はAl2 3 を用いており、SiO2 をエッチングする
際には反応性ガスとしてSF6 を用い、Al2 3 をエ
ッチングする際には反応性ガスとしてCl系ガスを用い
るが、Cu、Ag、Au、及び、Pt等の貴金属はあま
り反応しないし、V、Cr、Fe、Co、Ni、Zr、
Nb、Mo、Rh、Pd、W、及び、Ir等の遷移金属
はその塩化物或いはフッ化物の蒸気圧が小さく、反応物
が飛散しないのでエッチングストッパ層となる。
【0041】(3)また、本発明は、上記(1)におい
て、犠牲層4が、巨大磁気抵抗効果膜3の比抵抗より大
きな金属からなることを特徴とする。
【0042】この様に、犠牲層4として、巨大磁気抵抗
効果膜3の比抵抗より大きな金属を用いることによっ
て、犠牲層4に流れる電流量を少なくして巨大磁気抵抗
効果膜3に流れる電流を大きくすることができる。
【0043】その際、犠牲層4の厚さが、イオンミリン
グでコンタクトホール6を形成する際の底面の凹凸が犠
牲層4内に収まる厚さであることが望ましい。
【0044】この様に、コンタクトホール6を形成する
際に、イオンミリング法を用いた場合には、犠牲層4は
エッチングストッパ層とはならないので、巨大磁気抵抗
効果膜3にイオンミリングの影響を与えないためには、
コンタクトホール6の底面の凹凸が犠牲層4内に収まる
厚さにする必要がある。
【0045】特に、犠牲層4がTaからなり、且つ、そ
の膜厚が30〜50nmであることが望ましい。
【0046】この様に、イオンミリングによりコンタク
トホール6を形成する際の犠牲層4としては、比抵抗の
大きなTaが好ましい。例えば、巨大磁気抵抗効果膜3
上に堆積するTa膜は、比抵抗が約200μΩcmのβ
−Taとなる。なお、TiW層等の上に堆積したTa膜
は、比抵抗が約25μΩcmのα−Taとなる。
【0047】また、コンタクトホール6の底面の凹凸が
約20nmで、ミリングの均一性が約±3nmであるの
で、膜厚が30nm未満の場合には、凹凸が犠牲層4内
に収まらなくなることがあり、その結果、巨大磁気抵抗
効果膜3がダメージを受けることになり、一方、50n
mを越えるとTaの比抵抗を考慮しても犠牲層4に流れ
る電流量が大きくなりすぎるという問題がある。
【0048】或いは、犠牲層4が、比抵抗が20μΩc
m以上の単一金属または合金のいずれかであることが望
ましい。
【0049】この様に、犠牲層4に流れる電流量を制限
するための比抵抗としては、巨大磁気抵抗効果膜3の比
抵抗と対比して20μΩcm以上であることが望まし
い。この場合の比抵抗は、Ti,V,Zr等のようにバ
ルクの比抵抗として20μΩcm以上であれば良いが、
膜厚或いは結晶構造によっても比抵抗は異なるので、バ
ルクの比抵抗が20μΩcm以下であっても、30〜5
0nmの薄膜における比抵抗が20μΩcm以上であれ
ば良い。
【0050】
【発明の実施の形態】ここで、図2乃至図5を参照し
て、本発明の第1の実施の形態の磁気センサの製造工程
を説明する。なお、各図における(a)図は(b)図に
おけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った概略的断面図で
ある。 図2(a)及び(b)参照 まず、シリコン基板11の表面を熱酸化してSiO2
(図示せず)を形成したのち、スパッタリング法を用い
てCuを、例えば、厚さが500nmとなるように成膜
してCu下端子層12を形成し、次いで、スパッタリン
グ法を用いて厚さが、例えば、1.1nmのCo90Fe
10膜、及び、厚さが2.1nmのCu膜を交互に10層
積層させて人工格子膜13を形成し、引き続いて、同じ
くスパッタリング法を用いて、厚さが3〜10nm、例
えば、5nmのRu犠牲層14を堆積したのち、全面に
レジストを塗布し、露光・現像することによって、下端
子をパターニングするためのレジストパターン15を形
成する。
【0051】なお、この場合、Cu膜の厚さを2.1n
mにすることによって、隣接するCo90Fe10膜の磁化
方向が互いに逆方向となって、磁気抵抗変化における第
2のピークの状態に設定することができ、また、人工格
子膜13全体の厚さも約32nmにすることができる。
【0052】また、この場合のRu犠牲層14の厚さ
は、膜厚が3nm未満の場合には、本発明者の実験によ
ればRIE工程においてRu犠牲層14の下の人工格子
膜13がエッチングの影響を受けることになるので3n
m以上であることが必要であり、一方、膜厚が厚くなる
とRu犠牲層14に多くの電流が流れてしまうため人工
格子膜13に流れる電流が少なくなるので、薄膜におけ
るRuの比抵抗(約10μΩcm)を考慮すると、10
nm以下であることが望ましいことになる。また、Ru
犠牲層14における電流の拡がりによるセンサ部の拡大
を考慮しても、Ru犠牲層14の膜厚はエッチングダメ
ージが発生しない範囲で薄い方が望ましいことになる。
【0053】図3(a)及び(b)参照 次いで、このレジストパターン15をマスクとしてイオ
ンミリングを施すことによって、Ru犠牲層14〜Cu
下端子層12の露出部をエッチングすることによって、
所定の形状のCu下端子層12に整形し、次いで、レジ
ストパターン15を除去したのち、CVD法を用いて厚
さ30〜100nm、例えば、50nmのSiO2 膜を
堆積させ、次いで、全面にレジストを塗布し、露光・現
像することによって、中央に直径が0.3〜1μmのコ
ンタクトホール用開口18を有する外周が方形のレジス
トパターン17を形成する。
【0054】図4(a)及び(b)参照 次いで、このレジストパターン17をマスクとして、S
6 を反応性ガスとして用いたRIEを施すことによっ
てSiO2 膜16の露出部をエッチングしてコンタクト
ホール19を形成するとともに、Ru犠牲層14の周辺
部を露出させる。なお、このRIE工程において、Ru
犠牲層14は厚さが3nm以上あるのでエッチングスト
ッパ層として作用することになり、人工格子膜13がエ
ッチングダメージを受けることがない。
【0055】次いで、スパッタリング法を用いて全面に
厚さが、例えば、300nmのCu層を成膜してCu上
端子層20を形成したのち、全面にレジストを塗布し、
露光・現像することによって、上端子をパターニングす
るためのレジストパターン21を形成する。
【0056】図5(a)及び(b)参照 次いで、このレジストパターン21をマスクとして、イ
オンミリングを施して、所定形状のCu上端子層20に
整形することによって、CPP構造の磁気センサの基本
構成が完成する。
【0057】この様に構成した本発明の第1の実施の形
態のCPP構造磁気センサに対して±500〔Oe〕の
磁場を印加し、4端子法で素子の抵抗変化及び人工格子
膜の抵抗変化率を測定したところ、コンタクトホールの
直径が1μmの場合には、素子抵抗変化は3.9mΩ、
抵抗変化率は35%となり、コンタクトホールの直径が
0.3μmの場合には、素子抵抗変化は27.9mΩ、
抵抗変化率は35%となり犠牲層を用いない従来のCP
P構造磁気センサに比べて優れた特性が得られ、特に、
コンタクトホールの直径が小さくなるにつれて従来のC
PP構造磁気センサに対して効果が顕著になる。
【0058】これは、Ru犠牲層14を設けることによ
って、人工格子膜13を平坦なCu下端子層12の上に
成膜することが可能になり、それによって、人工格子膜
13を構成するCoFe膜及びCu膜の膜厚を均一にす
ることができるので、所期の巨大磁気抵抗効果特性を得
ることができるためである考えられる。
【0059】また、SiO2 膜16にコンタクトホール
19を形成する工程において、Ru犠牲層14がエッチ
ングストッパ層となるので、人工格子膜13がエッチン
グダメージを受けることがなく、それによって、成膜時
の巨大磁気抵抗効果特性を保つことができる。
【0060】次に、図6乃至図9を参照して、本発明の
第2の実施の形態の磁気センサの製造工程を説明する。
なお、各図における(a)図は(b)図におけるA−
A′を結ぶ一点鎖線に沿った概略的断面図である。 図6(a)及び(b)参照 まず、シリコン基板11の表面を熱酸化してSiO2
(図示せず)を形成したのち、スパッタリング法を用い
てCuを、例えば、厚さが500nmとなるように成膜
してCu下端子層12を形成し、次いで、スパッタリン
グ法を用いて厚さが、例えば、1.1nmのCo90Fe
10膜、及び、厚さが2.1nmのCu膜を交互に10層
積層させて人工格子膜13を形成し、引き続いて、同じ
くスパッタリング法を用いて、厚さが30〜50nm、
例えば、40nmのTa犠牲層31を堆積したのち、全
面にレジストを塗布し、露光・現像することによって、
下端子をパターニングするためのレジストパターン15
を形成する。
【0061】なお、この場合も、Cu膜の厚さを2.1
nmにすることによって、隣接するCo90Fe10膜の磁
化方向が互いに逆方向となって、磁気抵抗変化における
第2のピークの状態に設定することができ、また、人工
格子膜13全体の厚さも約32nmにすることができ
る。
【0062】また、この場合のTa犠牲層31の厚さ
は、後述するSiO2 膜のイオンミリング工程におい
て、コンタクトホールの底部の凹凸が約20nm程度と
なり、また、イオンミリングの均一性は±3nm程度で
あるので、凹凸をTa犠牲層31の層内に納めるために
は30nm以上の膜厚にすることが望まれる。一方、T
a犠牲層31の厚さが厚くなるとRuの場合と同様にT
a犠牲層31に多くの電流が流れてしまって人工格子膜
13に流れる電流が少なくなるので、人工格子膜13上
に堆積するTa膜、即ち、β−Ta膜の比抵抗(約20
0μΩcm)を考慮すると、人工格子膜13の比抵抗
(約20μΩcm)と比べて充分に大きいので、イオン
ミリング工程における凹凸の程度にもよるが、50nm
程度以下であれば問題はないと考えられる。
【0063】図7(a)及び(b)参照 次いで、このレジストパターン15をマスクとしてイオ
ンミリングを施し、Ta犠牲層31〜Cu下端子層12
の露出部をエッチングすることによって、所定の形状の
Cu下端子層12に整形し、次いで、レジストパターン
15を除去したのち、CVD法を用いて厚さ30〜10
0nm、例えば、50nmのSiO2 膜を堆積させ、次
いで、全面にレジストを塗布し、露光・現像することに
よって、中央に直径が0.3〜1μmのコンタクトホー
ル用開口18を有する外周が方形のレジストパターン1
7を形成する。
【0064】次いで、このレジストパターン17をマス
クとして、Arイオンを用いたイオンミリングを施すこ
とによってSiO2 膜16の露出部をエッチングしてコ
ンタクトホール19を形成するとともに、Ta犠牲層3
1の周辺部を露出させる。なお、Ta犠牲層31の周辺
部には凹部が形成されることになる。
【0065】なお、このイオンミリング工程において
は、Ta犠牲層31はエッチングストッパ層とはならな
いためTa犠牲層31の中央部にも凹部32が形成され
るが、Ta犠牲層31が約15nm程度エッチングされ
た時点でイオンミリングを停止することによって、凹部
32の底部の凹凸をTa犠牲層31の層内に充分収める
ことができ、人工格子膜13にエッチングダメージが及
ぶことがない。
【0066】図8(a)及び(b)参照 次いで、スパッタリング法を用いて全面に厚さが、例え
ば、300nmのCu層を成膜してCu上端子層20を
形成したのち、全面にレジストを塗布し、露光・現像す
ることによって、上端子をパターニングするためのレジ
ストパターン21を形成する。
【0067】図9(a)及び(b)参照 次いで、このレジストパターン21をマスクとして、イ
オンミリングを施し、所定形状のCu上端子層20に整
形することによって、CPP構造の磁気センサの基本構
成が完成する。
【0068】この様に構成した本発明の第2の実施の形
態のCPP構造磁気センサにおいても、上記の第1の実
施の形態と同様に、優れた巨大磁気抵抗効果特性を得る
ことが可能になる。
【0069】これは、第2の実施の形態においても、T
a犠牲層31を設けることによって、人工格子膜13を
平坦なCu下端子層12の上に成膜することが可能にな
り、それによって、人工格子膜13を構成するCoFe
膜及びCu膜の膜厚を均一にすることができるので、所
期の巨大磁気抵抗効果特性を得ることができるためであ
る考えられる。
【0070】また、SiO2 膜16にコンタクトホール
19を形成する工程において、Ta犠牲層31が人工格
子膜13に対する保護膜となるので、人工格子膜13が
エッチングダメージを受けることがなく、それによっ
て、成膜時の巨大磁気抵抗効果特性を保つことができ
る。
【0071】次に、図10を参照して、本発明の第3の
実施の形態のCPP構造磁気センサを説明するが、基本
的な製造工程は上記の第1の実施の形態と同様である。 図10参照 図10は、本発明の第3の実施の形態のCPP構造磁気
センサの要部断面図であり、人工格子膜13及びCu下
端子層12をパターニングしたのち、Ru犠牲層14及
びSiO2 膜16を成膜してパターニングする点で上記
の第1の実施の形態と相違するものであり、その他の製
造条件等は上記の第1の実施の形態と全く同様である。
【0072】即ち、上記の図2の工程において、Ru犠
牲層14を成膜せずにパターニングを行ったのち、図3
の工程において、Ru犠牲層14及びSiO2 膜16を
順次堆積させ、方形のレジストパターンを用いて、Ru
犠牲層14及びSiO2 膜16を方形パターンに整形
し、次いで、コンタクトホールを有する新たなレジスト
パターンを用いてSiO2 膜16にコンタクトホール1
9を形成するものである。以降の工程は、上記の第1の
実施の形態と全く同様である。
【0073】この様に、Ru犠牲層14を小さな方形に
パターニングすることによって、Ru犠牲層14の膜に
平行に流れる電流量を少なくすることができる。
【0074】次に、図11を参照して、本発明の第4の
実施の形態のCPP構造磁気センサを説明するが、基本
的な製造工程は上記の第2の実施の形態と同様である。 図11参照 図11は、本発明の第4の実施の形態のCPP構造磁気
センサの要部断面図であり、人工格子膜13及びCu下
端子層12をパターニングしたのち、Ta犠牲層31及
びSiO2 膜16を成膜してパターニングする点で上記
の第2の実施の形態と相違するものであり、その他の製
造条件等は上記の第2の実施の形態と全く同様である。
【0075】即ち、上記の図6の工程において、Ta犠
牲層31を成膜せずにパターニングを行ったのち、図7
の工程において、Ta犠牲層31及びSiO2 膜16を
順次堆積させ、方形のレジストパターンを用いて、Ta
犠牲層31及びSiO2 膜16を方形パターンに整形
し、次いで、コンタクトホールを有する新たなレジスト
パターンを用いてSiO2 膜16にコンタクトホール1
9を形成するものである。以降の工程は、上記の第2の
実施の形態と全く同様である。
【0076】この様に、Ta犠牲層31を小さな方形に
パターニングすることによって、比較的厚いTa犠牲層
31の膜に平行に流れる電流量を少なくすることができ
る。
【0077】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は各実施の形態に記載した構成に限られる
ものではなく、各種の変更が可能である。即ち、上記の
各実施の形態の説明においては、図13乃至図15に示
した従来例を含めて巨大磁気抵抗効果特性を確認するた
めの実験装置として説明しているが、実際の高記録密度
HDD装置の搭載する磁気センサの場合には、上下に磁
気シールド層を設ける必要があり、上下の磁気シールド
層の間の間隔を狭めるためには、上下の端子層が磁気シ
ールド層を兼ねるように構成することが望ましい。
【0078】したがって、その場合には、上下の端子層
としてはNiFeやFeNを用いれば良く、NiFeを
用いる場合にはメッキ法によって成膜すれば良いし、ま
た、FeNを用いる場合には、スパッタリング法を用い
れば良い。なお、下端子層に関しては、NiFeやFe
Nを用いた場合には、人工格子膜と磁気的に結合してし
まうので、磁気的結合を切るために薄いCu等の非磁性
金属層を介在させる必要がある。また、犠牲層として磁
性金属を用いた場合には、犠牲層と上端子層との間に、
磁気的結合を切るための薄いCu等の非磁性金属層を介
在させる必要がある。
【0079】また、上記の各実施の形態においては、基
板として表面を熱酸化してSiO2膜を形成したシリコ
ン基板を用いているが、実際の高記録密度HDD装置の
搭載する磁気センサの場合には、Al2 3 −TiC基
板を用い、このAl2 3 −TiC基板上にスパッタリ
ング法を用いて厚さ2μm程度のAl2 3 膜を堆積さ
せたのち、下端子層を成膜すれば良い。
【0080】また、上記の各実施の形態の説明において
は、上端子層をスパッタリング法によって成膜したのち
パターニングしているが、スパッタリング法を用いてレ
ジストパターンを利用したリフトオフ法によってパター
ニングしても良いものであり、或いは、電解メッキ法で
成膜したのちイオンミリング法によってパターニングし
ても良いし、さらには、レジストパターンをフレームと
して用いた選択電解メッキ法を用いて形成しても良いも
のである。
【0081】また、本発明の各実施の形態の説明におい
て、コンタクトホールを形成する絶縁膜としてSiO2
膜を用いているが、SiO2 膜に限られるものではな
く、Al2 3 膜を用いても良いものであり、Al2
3 膜を用いた場合には、RIE工程における反応性ガス
として、Cl系ガスを用いれば良い。
【0082】また、上記の各実施の形態の説明において
は、SiO2 膜を堆積させる場合、ステップカヴァレッ
ジを考慮してCVD法を用いているが、必ずしもCVD
法に限られるものではなく、例えば、スパッタリング法
を用いても良いものである。
【0083】また、本発明の各実施の形態の説明におい
ては、巨大磁気抵抗効果膜としてCoFe/Cuからな
る人工格子膜として説明しているが、CoFe/Cuか
らなる人工格子膜に限られるものではなく、CoFeの
代わりにCoを用いても良いし、また、Cuの代わりに
Ru等の他の非磁性金属層を用いても良く、さらには、
人工格子膜に限られるものではなく、スピンバルブ膜か
らなる巨大磁気抵抗効果膜を用いても良いものである。
【0084】また、上記の第1及び第3の実施の形態に
おいては、犠牲層としてRIE工程においてエッチング
ストッパ作用のあるのRu犠牲層を用いているが、Ru
に限られるものではなく、Cu、Ag、Au、及び、P
t等の貴金属或いはV、Cr、Fe、Co、Ni、Z
r、Nb、Mo、Rh、Pd、W、及び、Ir等の遷移
金属、または、これらの合金を用いても良いものであ
る。即ち、SiO2 をエッチングする際には反応性ガス
としてSF6 を用い、Al 2 3 をエッチングする際に
は反応性ガスとしてCl系反応ガスを用いるが、Cu、
Ag、Au、及び、Pt等の貴金属はこれらのガスとあ
まり反応しないし、V、Cr、Fe、Co、Ni、Z
r、Nb、Mo、Rh、Pd、W、及び、Ir等の遷移
金属はその塩化物或いはフッ化物の蒸気圧が小さく、反
応物が飛散しないのでエッチングストッパ層となる。
【0085】また、上記の第2及び第4の実施の形態に
おいては、犠牲層として比抵抗の大きなTa層(β−T
a層)を用いているが、Ta層に限られるものではな
く、人工格子膜の比抵抗(CoFe/Cu多層構造の場
合には約20μΩcm)を考慮するならば、人工格子膜
の比抵抗以上の、即ち、20μΩcm以上の比抵抗を有
する単体金属或いはそれらの合金を用いれば良い。例え
ば、バルクの比抵抗が20μΩcm以上であるTi,
V,Zr等を用いても良いし、或いは、Taの様に膜厚
或いは結晶構造によっても比抵抗は異なるので、バルク
の比抵抗が20μΩcm以下であっても、30〜50n
mの薄膜における比抵抗が20μΩcm以上であれば良
く、例えば、比抵抗が25μΩcmのα−Ta膜を用い
ても良いものである。
【0086】また、これらの20μΩcm以上の比抵抗
を有する単体金属或いはそれらの合金を用いた場合に
も、イオンミリングに伴う凹凸を犠牲層内に収めるため
には30nm以上の厚さが必要であり、また、犠牲層に
流れる電流を低減するためには、犠牲層の比抵抗にもよ
るが50nm以下であることが望ましい。
【0087】また、本発明の各実施の形態の説明におい
ては、単独の磁気センサとして説明しているが、本発明
は単独のMRヘッドに用いられる磁気センサに限られる
ものではなく、誘導型の薄膜磁気ヘッドと積層した複合
型薄膜磁気ヘッド用の磁気センサとしても適用されるも
のであることは言うまでもないことである。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、CPP構造磁気センサ
を構成する際に、巨大磁気抵抗効果膜とコンタクトホー
ルを設ける絶縁膜との間に犠牲層を介在させているの
で、巨大磁気抵抗効果膜にダメージを与えることなく絶
縁層にセンサ部を形成するためのコンタクトホールを形
成することができ、それによって、巨大磁気抵抗効果膜
を平坦な下端子層上に成膜することができるので、所期
の巨大磁気抵抗効果特性を得ることができ、ひいては、
高記録密度のHDD装置の実現・普及に寄与するところ
が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の途中までの製造工
程の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の図2以降の途中ま
での製造工程の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の図3以降の途中ま
での製造工程の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の図4以降の製造工
程の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の途中までの製造工
程の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の図6以降の途中ま
での製造工程の説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の図7以降の途中ま
での製造工程の説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の図8以降の製造工
程の説明図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態の要部断面図であ
る。
【図11】本発明の第4の実施の形態の要部断面図であ
る。
【図12】従来のMRヘッドの要部断面図である。
【図13】従来のCPP構造磁気センサの要部断面図で
ある。
【図14】従来のCPP構造磁気センサの途中までの製
造工程の説明図である。
【図15】従来のCPP構造磁気センサの図14以降の
製造工程の説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下端子層 3 巨大磁気抵抗効果膜 4 犠牲層 5 絶縁層 6 コンタクトホール 7 上端子層 11 シリコン基板 12 Cu下端子層 13 人工格子膜 14 Ru犠牲層 15 レジストパターン 16 SiO2 膜 17 レジストパターン 18 コンタクトホール用開口 19 コンタクトホール 20 Cu上端子層 21 レジストパターン 31 Ta犠牲層 32 凹部 41 Al2 3 −TiC基板 42 Al2 3 膜 43 下部磁気シールド層 44 下部リードギャップ層 45 スピンバルブ膜 46 磁区制御膜 47 リード電極 48 上部リードギャップ層 49 上部磁気シールド層 51 シリコン基板 52 Cu下端子層 53 SiO2 膜 54 コンタクトホール 55 人工格子膜 56 Cu上端子層 57 レジストパターン 58 レジストパターン 59 コンタクトホール用開口 60 レジストパターン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巨大磁気抵抗効果膜の膜面に垂直に電流
    を流す構造の磁気センサにおいて、下端子層、巨大磁気
    抵抗効果膜、及び、犠牲層を順次積層し、コンタクトホ
    ールを有する絶縁層を介して前記犠牲層に接するように
    上端子層を設けたことを特徴とする磁気センサ。
  2. 【請求項2】 上記犠牲層がRuからなり、且つ、その
    膜厚が3〜10nmであることを特徴とする請求項1記
    載の磁気センサ。
  3. 【請求項3】 上記犠牲層が、上記巨大磁気抵抗効果膜
    の比抵抗より大きな金属からなることを特徴とする請求
    項1記載の磁気センサ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003009279A1 (fr) * 2001-07-18 2003-01-30 Fujitsu Limited Tete magnetique et son procede de production
US6897532B1 (en) * 2002-04-15 2005-05-24 Cypress Semiconductor Corp. Magnetic tunneling junction configuration and a method for making the same
US7002781B2 (en) 2002-09-09 2006-02-21 Fujitsu Limited Current-perpendicular-to-the-plane structure magnetoresistive element having the free and/or pinned layers being made of a granular film which includes an electrically conductive magnetic material and a dielectric material
US8335056B2 (en) 2007-12-16 2012-12-18 HGST Netherlands, B.V. CPP sensors with hard bias structures that shunt sense current towards a shield

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