JP2001082357A - スクロール圧縮機のオルダム継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】オルダムリングキーの摺動部分が転がり運動す
るが、固定材と回転材の給油方法及び固定材の強度につ
いては、配慮されていなかった。 【解決手段】オルダム継手の摺動部を母材と一体に固定
材を形成し、この一部分に平面部を形成し、該固定材に
回転材を挿入する事によって、固定材の強度が確保され
ると同時に、固定材と回転材の隙間に油が供給されるた
め、これによりキー摺動部分の損失低減及び信頼性を確
保する事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機
の自転防止に使用するオルダム継手に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】スクロール圧縮機のオルダム継手の構造
としては、例えば特開昭58−47101 号公報に記載されて
いる。従来この種のオルダム継手のキー部分は、これと
相対するキー溝との間で旋回スクロールの回転力を受
け、キーは転がり摺動している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、キー
の摺動部分が転がり運動するが、固定材と回転材の給油
方法及び固定材の強度については、配慮されていなかっ
た。

【０００４】本発明の目的は、キー摺動部分の損失低減
及び信頼性確保にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】オルダム継手の摺動部を
母材と一体に固定材を形成し、この一部分に平面部を形
成し、該固定材に回転材を挿入する事によって達成され
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。

【０００７】図１は、本発明の一実施例を示す全体構造
図を示す。図２は、図１における旋回スクロールの下面
図を示す。図３は、図１におけるフレームの上面図を示
す。

【０００８】図４は、図１におけるオルダム継手の上面
図を示す。図５は、図４における断面Ａ−Ａを示す。

【０００９】図１，図２，図３，図４及び図５におい
て、密閉容器１内には、上方に圧縮機部２、下方に電動
機部３をクランク軸４を介して連設した電動スクロール
圧縮機が配設されている。スクロール圧縮機部２は、台
板５ａに渦巻状のラップ５ｂを直立した固定スクロール
部材５と、台板６ａに渦巻状のラップ６ｂを直立した旋
回スクロール部材６のラップ５ｂ，６ｂを互いに噛み合
わせて圧縮機構部２を形成し、固定スクロール部材５の
外周部に吸入口５ｃ，中央部に吐出口５ｄが開口されて
いる。

【００１０】上記クランク軸４は、フレーム７に設けた
軸受８及び軸受９に支持され、先端には、クランクピン
４ａを突出し、このクランクピン４ａ下方に突設したボ
ス６ｃに設けた軸受１０に挿入されて、クランクピン４
ａと旋回スクロール部材６が係合される。自転防止機構
１１としてのオルダム継手１２は、旋回スクロール部材
６が固定スクロール部材７に対し、自転することなく旋
回運動をする継手であり、旋回スクロール部材６の端板
の背面とフレーム７の静止部材７ａとの間に係合されて
いる。

【００１１】上記圧縮機構２は、クランク軸４の回転に
よるクランクピン４ａの偏心回転により、旋回スクルー
ル部材６は自転することなく、固定スクロール部材５に
対して旋回運動を行う。吸入ガスは、吸入口５ｃから吸
入し両スクロールラップ５ｂ，６ｂで形成される密閉室
に吸入し、上記旋回運動により、密閉室は中央部に移動
し容積を減少してガスを圧縮し、圧縮ガスを吐出口５ｄ
から吐出される。

【００１２】スクロールが圧縮作用を行うと旋回スクロ
ール６と固定スクロール５を離そうとする力が作用する
ので、これを防止するため、旋回スクロール６の背面の
背圧室１３内の圧力は、均圧孔６ｅにより吐出圧力より
低く、吸入圧力より高い（中間圧力）に保たれる。従っ
て、密閉容器１内の吐出圧力と中間圧力により各軸受を
給油して背圧室１３内に導かれ、この油でオルダムリン
グを給油している。

【００１３】上記オルダム機構１１は、旋回スクロール
６の背面に設けられた直線状のキー溝６ｄとフレーム７
の静止台座７ａに設けられた直線状のキー溝７ｂとオル
ダム継手１２からなっている。

【００１４】このオルダム継手１２は、母材の上面には
旋回スクロール６のキー溝６ｄと摺動する母材と一体の
固定材１２ａが設けられ、また、下面には、上面と直交
する固定材１２ｂが一体に設けられている。そして、該
固定材に嵌合する回転材１４から構成されている。また
該固定材は、負荷のかからない部分に平面部分１２ｃを
設け、これにより、隙間１２ｄを形成でき、前記固定材
と回転材に油が供給される構造となっている。

【００１５】以上オルダム継手の形状は、環状で説明し
たが、異形状でも同様の作用及び効果を有するものであ
る。

【００１６】

【発明の効果】本発明によればオルダム母材の固定材を
一体に形成する事により、固定材の強度が確保されると
同時に固定材と回転材の隙間に油が供給されるため、こ
れによりキー摺動部分の損失低減及び信頼性を確保する
事ができる。

【００１７】更に、圧縮機起動時においても回転材が追
従するため、この観点からも信頼性を確保する事ができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す全体構造図を示すもの
である。

【図２】図１における旋回スクロールの下面図を示すも
のである。

【図３】図１におけるフレームの上面図を示すものであ
る。

【図４】図１におけるオルダム継手の上面図を示すもの
である。

【図５】図４における断面Ａ−Ａを示すものである。

【符号の説明】

１…密閉容器、２…圧縮機部、３…電動機部、４…クラ
ンク軸、４ａ…クランクピン、５…固定スクロール、５
ａ，６ａ…台板、５ｂ，６ｂ…ラップ、５ｃ…吸入口、
５ｄ…吐出口、６…旋回スクロール、６ｃ…ボス、６
ｄ，７ｂ…キー溝、６ｅ…均圧孔、７…フレーム、７ａ
…静止部材、８，９，１０…軸受、１１…自転防止機
構、１２…オルダム継手、１２ａ，１２ｂ…固定材、１
２ｃ…平面部分、１２ｄ…隙間、１３…背圧室、１４…
回転材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】台板に渦巻状のラップを直立する固定スク
   ロール部材及び旋回スクロール部材のラップを互いに噛
   み合わせてフレームに保持し、旋回スクロールの台板背
   面をクランクピンに係合し、この台板背面とフレームの
   台座との間に旋回スクロール部材の自転を防止するオル
   ダム継手を備え、このオルダム継手は、部材の片面には
   直径方向に摺動部を設け、その背面にも上記摺動部と直
   交する摺動部を設けたスクロール圧縮機において、 前記オルダム継手の摺動部を母材と一体に固定材を形成
   し、この一部分に平面部を形成し、該固定材に回転材を
   挿入したことを特徴とするスクロール圧縮機のオルダム
   継手。