JP2001081354A - 水溶性色材プレカーサー、色材分散物の製造方法及びインクジェット記録液 - Google Patents

水溶性色材プレカーサー、色材分散物の製造方法及びインクジェット記録液

Info

Publication number
JP2001081354A
JP2001081354A JP26443399A JP26443399A JP2001081354A JP 2001081354 A JP2001081354 A JP 2001081354A JP 26443399 A JP26443399 A JP 26443399A JP 26443399 A JP26443399 A JP 26443399A JP 2001081354 A JP2001081354 A JP 2001081354A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coloring material
water
ink
ink jet
dye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26443399A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidenobu Oya
秀信 大屋
Shuji Kida
修二 木田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP26443399A priority Critical patent/JP2001081354A/ja
Publication of JP2001081354A publication Critical patent/JP2001081354A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な色材及び色材分散工程の負荷を低減で
きる水不溶性色材分散物の製造方法を提供すること。長
期保存が可能で、高い画像堅牢性を有するインクジェッ
ト記録液を提供すること。 【解決手段】 一般式(1)で表される色材及び該色材
を用いたインクジェット記録液。一般式(1)で表され
る色材を水系媒体中で処理し、Bで表される基の少なく
とも1つを脱保護する水不溶性色材を含む分散物の製造
方法及び該分散物を用いて形成したインクジェット記録
液。 一般式(1) A(B)l [式中、Aは窒素原子を有する色素残基を表し、BはA
の窒素原子に結合しているSO3Xを表す。Xは水素原
子もしくはカウンターカチオンを表し、lは1ないし4
の整数を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な色材、水溶
性色材プレカーサーから水不溶性色材を含む分散物を製
造する方法に関するものである。また、これらの色材も
しくは水溶性色材プレカーサーから製造した水不溶性色
材を含む分散物を用いたインクジェット記録液に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、色材は水溶性染料、油溶性染料、
顔料に大きく分類される。水溶性染料としては酸性染料
に代表されるように非常に高彩度なものが上市されてい
るが堅牢性、特に、耐光性が弱い点が問題であった。ま
た、油溶性染料として、分散染料と同様の非常に高彩度
なものが上市されているが、使用に際して有機溶剤を用
いなければならず、環境的に制約があり、更に、堅牢
性、特に、耐光性が弱い点が問題であった。塗料などに
広く用いられている顔料は、水溶性染料、油溶性染料に
比べ高い堅牢性を有する点で優れているが、水溶性染料
ほどの高い彩度が得られにくく、特に、インクジェット
プリントに用いた際には、その彩度の差は顕著である。
また、顔料を用いる場合、分散工程が必要であり、ま
た、得られた分散物の安定性に限度があった。これは、
インクジェットプリントの記録液として用いる際、コス
ト的なデメリットを与えるばかりでなく、使用期間が長
期にわたる場合には、ノズルに目詰まりを発生させるな
どの課題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
第1の目的は、新規な色材を提供することにある。第2
の目的は、色材分散工程の負荷を低減できる水不溶性色
材分散物の製造方法を提供することにある。第3の目的
は、長期保存が可能で、高い画像堅牢性を有するインク
ジェット記録液を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
(1)下記一般式(1)で表される色材。 一般式(1) A(B)l [式中、Aは窒素原子を有する色素残基を表し、BはA
の窒素原子に結合しているSO3Xを表す。Xは水素原
子もしくはカウンターカチオンを表し、lは1ないし4
の整数を表す。] (2)下記一般式(1)で表される色材を少なくとも1
種用いたことを特徴とするインクジェット記録液。 一般式(1) A(B)l [式中、Aは窒素原子を有する色素残基を表し、BはA
の窒素原子に結合しているSO3Xを表す。Xは水素原
子もしくはカウンターカチオンを表し、lは1ないし4
の整数を表す。] (3)下記一般式(1)で表される色材を水系媒体中で
処理し、Bで表される基の少なくとも1つを除去するこ
とを特徴とする水不溶性色材を含む分散物の製造方法。 一般式(1) A(B)l [式中、Aは窒素原子を有する色素残基を表し、BはA
の窒素原子に結合しているSO3Xを表す。Xは水素原
子もしくはカウンターカチオンを表し、lは1ないし4
の整数を表す。] (4)上記(3)に記載の製造方法で製造した水不溶性
色材を含む分散物を用いて形成したことを特徴とするイ
ンクジェット記録液。により達成される。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。先
ず、上記一般式(1)で表される色材について説明す
る。上記一般式(1)で表される色材は、高い堅牢性を
有する顔料等の水不溶性色材に、脱離可能な新規な保護
基を導入した新規な水溶性色材プレカーサーとして用い
ることができるものである。一般式(1)において、A
で表される窒素原子を有する色素残基は、Bで表される
SO3Xを置換しうる窒素原子を少なくとも一つ有する
色素残基であればいかなるものでもよく、例えば、アゾ
色素、アゾメチン色素、メチン色素、ジフェニルメタン
色素、トリフェニルメタン色素、キナクリドン色素、ア
ントラキノン色素、ペリレン色素、インジゴ色素、キノ
フタロン色素、イソインドリノン色素、イソインドリン
色素、アジン色素、オキサジン色素、チアジン色素、ジ
オキサジン色素、チアゾール色素、フタロシアニン色
素、ジケトピロロピロール色素の残基が挙げられる。
【0006】これらの色素残基は置換基を有してもよ
く、これら置換基としては、ハロゲン(例えば、塩素原
子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ペ
ンチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基等)、
ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、フリル基、チエニル
基等)、アルコキシ(例えば、メトキシ基、エトキシ
基、ヘキシルオキシ基等)、アミノ基(例えば、ジメチ
ルアミノ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルア
ミノ基、プロパノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基
等)、スルフォニルアミノ基(例えば、メタンスルフォ
ンアミド基、ベンゼンスルフォンアミド基等)等が挙げ
られる。Bで表されるSO3XはAの窒素原子に結合し
ている。
【0007】Xで表されるカウンターカチオンとして
は、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カ
リウム等)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウ
ム、カルシウム)、4級アンモニウム塩(例えば、アン
モニウム、テトラメチルアンモニウム等が挙げられる)
があげられる。一般式(1)で表される色材において、
Xで表されるSO3Xが複数ある場合、それぞれのXは
同一でも異なっていてもよい。lは1ないし4の整数を
表し、Aで表される窒素原子を有する色素残基の窒素原
子に結合しているBで表されるSO3Xの数を表すが、
該数は、Aで表される窒素原子を有する色素残基に含ま
れるSO3Xを置換しうる窒素の数であることが好まし
いが、それより少ない数であってもよい。
【0008】一般式(1)において、Aで表される窒素
原子を有する色素残基として特に好ましい色素残基はキ
ナクリドン残基、ジケトピロロピロール残基である。一
般式(1)で表される色材として特に好ましいの色材
は、一般式(2)及び一般式(3)で表される色材であ
る。
【0009】
【化1】
【0010】上記一般式(2)において、BはSO3
を表し、Xは水素原子もしくはカウンターカチオンを表
す。R1ないしR4は各々水素原子、ハロゲン(例えば、
塩素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、ペンチル基等)、アルコキシ(例えば、メトキシ
基、エトキシ基、ヘキシルオキシ基等)を表す。
【0011】
【化2】
【0012】上記一般式(2)において、BはSO3
を表し、Xは水素原子もしくはカウンターカチオンを表
す。R5及びR6は各々水素原子、ハロゲン(例えば、塩
素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基
等)、アルコキシ(例えば、メトキシ基、エトキシ基
等)、アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基等)を表
す。以下に、一般式(1)で表される色材化合物の具体
例を示す。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】一般式(1)で表される化合物は、Bで表
されるSO3Xを置換し得る窒素原子を有する色素に、
発煙硫酸、クロル硫酸、塩化スルフリル、三酸化イオウ
等を用いてSO3Xを導入することにより合成すること
ができる。
【0017】次に、一般式(1)で表される色材を水系
媒体中で処理し、Bで表される基の少なくとも1つを除
去することを特徴とする水不溶性色材を含む分散物の製
造方法について説明する。本発明の分散物は、一般式
(1)で表される色材を水系媒体中に溶解または分散
し、例えば、 (1)酸を添加する (2)加熱する (3)酸を添加し、加熱する のいずれかの手段により、Bで表される基の少なくとも
1つを除去することにより得ることができる。
【0018】水系媒体としては、水単独、もしくは、水
に水混和性有機溶媒の一種または数種を任意の比率で混
合したものを用いることができる。用いることができる
水混和性有機溶媒の例としては、アルコール類(例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール等)、多価アルコール類(例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、グリセリン、チオジグリコール
等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、等)、アミド類(例えば、ホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロ
リドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメ
チルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラ
ン等)、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0019】水系媒体に占める水の割合は10重量%か
ら100重量%が好ましく、より好ましくは50重量%
から100重量%である。一般式(1)で表される色材
は水系媒体の1重量%から30重量%であることが好ま
しく、より好ましくは5重量%から20重量%である。
【0020】Bで表されるSO3Xの少なくとも1つを
除去するのに用いる酸は、有機酸、無機酸のいずれでも
よく、用いることができる有機酸としては、例えば、酢
酸、プロピオン酸、ラウリン酸、アクリル酸、アスコル
ビン酸、安息香酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸等が挙
げられ、無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、
リン酸等が挙げられる。除去時のpHは6以下が好まし
く、より好ましくはpH3〜6である。
【0021】除去時には必要に応じて冷却もしくは加温
することができる。処理温度は210℃以下であること
が好ましく、より好ましいくは150℃以下である。加
熱のみによりBで表される基の少なくとも1つを除去す
る場合、処理温度は210℃以下であることが好まし
く、より好ましいくは150℃以下である。
【0022】除去時には必要に応じて各種添加剤を加え
ることができる。好ましい添加剤は分散剤である。分散
剤としては、顔料分散に用いる各種分散剤を用いること
ができ、例えば、アニオン性分散剤(例えば、脂肪族多
価カルボン酸、ポリエーテルポリエステルカルボン酸
塩、高分子ポリエステル酸ポリアミン塩、高分子量ポリ
カルボン酸長鎖アミン塩等)、カチオン性分散剤(例え
ば、脂肪族アミンの塩、4級アンモニウム塩、ポリアミ
ノアマイド、長鎖ポリアミノアマイドのリン酸塩等)、
電気的中性分散剤(例えば、長鎖ポリアミノアマイドと
高分子ポリエステル酸塩の化合物等)、ノニオン性分散
剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソ
ルビタンエステル等)、フッ素系分散剤、高分子分散剤
等が挙げられる。
【0023】次に、一般式(1)で表される色材を少な
くとも1種用いたインクジェット記録液について説明す
る。上記インクジェット記録液は、好ましくは水系イン
クジェット記録液、油系インクジェット記録液、固体
(相変化)インクジェット記録液等であるが、水系イン
クジェット記録液(例えば、10重量%以上の水を含有
する水系インクジェット記録液等)であることが特に好
ましい。
【0024】水系インクジェット記録液には、水系媒体
が好ましく用いられる。水系媒体としては、水単独、も
しくは、水に水混和性有機溶媒の一種または数種を任意
の比率で混合したものを用いることができる。用いるこ
とができる水混和性有機溶媒の例としては、アルコール
類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカ
ンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタ
ノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジル
アルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタン
ジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグ
リコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモ
ノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタ
ノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エ
チレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイ
ミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチ
ルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルム
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリ
ドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピ
ロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジ
メチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホ
ラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げら
れる。好ましい水溶性有機溶媒は、多価アルコール類で
ある。
【0025】水溶性有機溶媒は単独で用いても、複数を
併用してもよい。水溶性有機溶媒のインク中の添加量
は、総量で5重量%から60重量%が好ましく、より好
ましくは10重量%から30重量%である。
【0026】上記水系インクジェット記録液において、
色素はその溶媒系に可溶であればそのまま溶解して用い
ることができる。一方、そのままでは不溶の固体である
場合、色素を種々の分散機(例えば、ボールミル、サン
ドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミ
ル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジ
ナイザー、パールミル、ジェットミル、オングミル等)
を用いて微粒子化するか、あるいは、可溶である有機溶
媒に色素を溶解した後に、高分子分散剤や界面活性剤と
ともにその溶媒系に分散させ、使用することができる。
さらに、そのままでは不溶の液体または半溶融状物であ
る場合、そのままかあるいは可溶である有機溶媒に溶解
して、高分子分散剤や界面活性剤とともにその溶媒系に
分散させ使用することができる。このような水系インク
ジェット記録液の具体的調整法については、例えば、特
開平5−148436号公報、同5−295312号公
報、同7−97541号公報、同7−82515号公
報、同7−118584号公報等に記載の方法を参照す
ることができる。
【0027】インクジェット記録液は、水系インクジェ
ット記録液、油系インクジェット記録液、固体インクジ
ェット記録液を含めてその飛翔時における粘度として4
0cps以下が好ましく、30cps以下であることが
より好ましい。また、インクジェット記録液は、その飛
翔時における表面張力として20dyn/cm以上が好
ましく、40−60dyn/cmであることがより好ま
しい。上記インクジェット記録液における色素濃度は、
全インクジェット記録液量の0.1〜25重量%の範囲
が好ましく、0.5〜10重量%の範囲がより好まし
い。
【0028】インクジェット記録液には、吐出安定性、
プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定
性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、
粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成
剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を添加することもでき
る。
【0029】上記インクジェット記録液は、その使用す
る記録方式に関して特に制約はなく、コンティニュアス
方式及びオンデマンド方式のインクジェットプリンタ用
のインクジェット記録液として好ましく使用することが
できる。オンデマンド型方式としては、電気−機械変換
方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビ
ティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード
型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例
えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット型
等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジ
ェット型等)、放電方式(例えば、スパークジェット型
等)などを具体的な例として挙げることができる。
【0030】次に、一般式(1)で表される水溶性色材
を水系媒体中で処理し、Bで表される基の少なくとも1
つを除去して得た水不溶性色材を含む分散物を用いて形
成したインクジェット記録液について説明する。上記イ
ンクジェット記録液は、例えば、下記のA法またはB法
によって製造することができる。 A法:一般式(1)で表される色材を水系媒体中で処理
し、Bで表される基の少なくとも1つを除去することに
より水不溶性色材を含む分散物を製造し、得られた分散
物から色剤を固体またはケーキ状として取りだし、必要
に応じて精製、乾燥をした後、再分散し、インクジェッ
ト記録液を調製する。 B法:一般式(1)で表される色材を水系媒体中で処理
し、Bで表される基の少なくとも1つを除去することに
より水不溶性色材を含む分散物の製造し、得られた分散
物を必要により希釈もしくは濃縮後インクジェット記録
液を調製する。
【0031】A法とB法では、B法の方が分散コストの
点で好ましい。A法及びB法において、インクジェット
記録液を調整する際に、水溶性有機溶媒を添加すること
ができる。
【0032】用いることができる水溶性有機溶媒の具体
例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール
等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
グリセリン、チオジグリコール等)、多価アルコールエ
ーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、ア
ミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環
類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリ
ドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、ス
ルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、ス
ルホン類(例えば、スルホラン等)、アセトニトリル、
アセトン等が挙げられる。
【0033】上記インクジェット記録液は、その飛翔時
における粘度として40cps以下が好ましく、30c
ps以下であることがより好ましい。また、上記インク
ジェット記録液は、その飛翔時における表面張力として
20dyn/cm以上が好ましく、40−60dyn/
cmであることがより好ましい。また、上記インクジェ
ット記録液における色素濃度は、全インクジェット記録
液量の0.1〜25重量%の範囲で使用されることが好
ましく、0.5〜10重量%の範囲であることがより好
ましい。
【0034】また、上記インクジェット記録液には、吐
出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合
性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目
的に応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整
剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を添加す
ることもできる。
【0035】上記インクジェット記録液においては、そ
の使用する記録方式に関して特に制約はなく、コンティ
ニュアス方式及びオンデマンド方式のインクジェットプ
リンタ用のインクジェット記録液として好ましく使用す
ることができる。オンデマンド型方式としては、電気−
機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブ
ルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアー
モード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方
式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェッ
ト型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリッ
トジェット型等)、放電方式(例えば、スパークジェッ
ト型等)などを具体的な例として挙げることができる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。 実施例1 合成例(例示化合物1の合成) キナクリドン31.2gをピリジン20ml、テトラヒ
ドロフラン300ml中約60℃に加熱撹拌し、そこへ
クロル硫酸24.4gを滴下した。滴下後さらに10時
間加熱撹拌した。この反応混合物を減圧濃縮し、さらに
アセトニトリル500mlを加えた。固体を濾過により
得、さらにアセトニトリルで十分に洗浄し減圧乾燥し
た。一方メタノール600mlに、水酸化ナトリウム8
gを溶解後、冷却しそこへ先の固体を加えた。さらに5
時間撹拌した。不溶分を濾過により除き、ろ液からメタ
ノール400mlを減圧溜去した。この残渣にジイソプ
ロピルエーテル800mlを加え、析出した固体を濾過
により得た。この固体をアセトンで十分洗浄後、減圧乾
燥し目的物6.6gを得た。元素分析、マススペクトル
により目的物であることを確認した。
【0037】実施例2 分散液1の調整 10gの例示色素1、300mlのイオン交換水に酢酸
15gを加え、40℃にて2日間撹拌し、キナクリドン
を含む分散液1を得た。 分散液2の調整 10gの例示色素1、300mlのイオン交換水に濃硫
酸3gを加え、60℃にて8時間撹拌し、キナクリドン
を含む分散液2を得た。 分散液3の調整 10gの例示色素1、300mlのイオン交換水に濃硫
酸3g、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム3g
を40℃にて2日間撹拌し、キナクリドンを含む分散液
3を得た。 分散液4の調整 分散液3の例示色素1を例示色素3に変えた以外は同様
にして分散液4を得た。 分散液5の調整 分散液3調整において、例示色素1を例示色素4に変え
た以外は同様にして分散液5を得た。 分散液6の調整 10gの例示色素2、スチレン−アクリル酸−アクリル
酸エチル共重合体2部、モノエタノールアミン1部、イ
オン交換水200mlを80℃、5時間撹拌し、分散液
6を得た。
【0038】実施例3 −本発明インクジェット記録液(インク1−1〜1−
4)の作成の作製− インク1−1の作成 分散液3を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和した。
ここへ、グリセリン60mlを加え、インク1−1を作
成した。 インク1−2の作成 分散液4を28%アンモニア水で中和した。ここへ、ジ
エチレングリコール60mlを加え、インク1−2を作
成した。 インク1−3の作成 分散液5を28%アンモニア水で中和した。ここへ、ジ
エチレングリコール60mlを加え、インク1−3を作
成した。 インク1−4の作成 分散液6にグリセリン60ml、イオン交換水100m
lを加えインク1−4を作成した。
【0039】実施例4 本発明インクジェット記録液 表1に記載の色素3重量%、ジエチレングリコール19
重量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル9
重量%、サーフィノール465(界面活性剤)0.6重
量%、残部をイオン交換水として本発明のインク2−1
〜2−10を作成した。 比較インクジェット記録液 比較染料2重量%、ジエチレングリコール19重量%、
トリエチレングリコールモノブチルエーテル9重量%、
サーフィノール465(界面活性剤)0.6重量%、残
部をイオン交換水として比較のインク2−11を作成し
た。6部のピグメント レッド4(比較顔料)、6部の
オルフィンSTG(信越化学)、8部のイオン交換水を
サンドミル(0.3mmジルコニアビーズ使用)にて8
時間分散した。この分散液に、ジエチレングリコール2
0部、イオン交換水60部を加え比較のインク2−12
を作成した。
【0040】
【表1】
【0041】
【化6】
【0042】実施例5 実施例3で作成したインク1−1〜1−4を用いたイン
クジェット画像形成及びその評価 −インクジェット画像の形成− インクを、孔径0.8μmの酢酸セルロース製フィルタ
ーで濾過後、インクジェットプリンタMJ−5000C
(セイコーエプソン株式会社製、電気−機械変換方式)
によって、普通紙(Xerox4024)に記録し、イ
ンクジェット画像を得た。 −インクジェット画像の評価− (耐光性評価)上記方法で得た反射濃度約1.0のイン
クジェット画像を、Xeフェードメーターで照射し(7
0000Lx、100時間)、反射濃度残存率を下記の
ように求めた。 反射濃度残存率(%)=(A/B)×100 A:Xeフェードメーターで照射後の反射濃度 B:Xeフェードメーターで照射前の反射濃度 得られた反射濃度残存率(%)を実施例4に記載のイン
ク2−11を用いて得たインクジェット画像の反射濃度
残存率を100としたときの相対値で表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例6 実施例4で作成したインク2−1〜2−12を用いたイ
ンクジェット画像形成及びその評価 −耐光性の評価− (インクジェット画像の形成)インクジェット記録液
を、孔径0.8μmの酢酸セルロース製フィルターで濾
過後、インクジェットプリンタMJ−5000C(セイ
コーエプソン株式会社製、電気−機械変換方式)によっ
て、普通紙(Xerox4024)に記録し、熱傾斜試
験機(東洋精機製作所製)にて120℃、2分加熱する
処理をし、インクジェット画像を得た。 (インクジェット画像の耐光性の評価)上記方法で得た
反射濃度約1.0のインクジェット画像を、Xeフェー
ドメーターで照射し(70000Lx、100時間)、
反射濃度残存率を下記のように求めた。 反射濃度残存率(%)=(A/B)×100 A:Xeフェードメーターで照射後の反射濃度 B:Xeフェードメーターで照射前の反射濃度 得られた反射濃度残存率(%)をインク2−11を用い
て得たインクジェット画像の反射濃度残存率を100と
したときの相対値で表1に示す。本発明のインクジェッ
ト記録液を用いた画像を目視により観察したところ、染
料インクに近い彩度が得られた。
【0045】−インクジェット記録液の保存性の評価− (インクジェット画像の形成)密封し、70℃で10日
保存した後の濾過後のインクジェット記録液を用いた以
外は耐光性の評価と同様にしてインクジェット画像を得
た。 (インクジェット記録液の保存性の評価)上記方法で得
たインクジェット画像を目視により観察し、保存前のイ
ンクジェット記録液を用いて形成したインクジェット画
像と同様にプリントできたものを○、ノズルがつまり印
字ムラができた場合は×と評価した。得られた結果を表
1に示す。
【0046】
【発明の効果】本発明の新規な水溶性色材プレカーサー
を用いたインクジェット記録液は顔料分散インクにくら
べ十分な分散液安定性を示し、かつ、このインクジェッ
ト記録液を用いていて得られた画像は染料インクに較べ
耐光性が大幅に向上し、さらに染料に近い高い彩度を得
ることができる。また、本発明の新規な水溶性色材プレ
カーサーは、分散液を得るにあたり分散工程の負荷を大
幅に低減することができ、また、本発明の方法で得た分
散液から作成したインクジェット記録液を用いて得られ
た画像は染料インクに較べ耐光性が大幅に向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA55 4H056 DD05 DD29 EA13 FA01 4J039 BA29 BA30 BC05 BC12 BC16 BC17 BC31 BC32 BC33 BC36 BC37 BC39 BC44 BC49 BC50 BC51 BC54 BC55 BC60 BC64 BC65 BC69 BC79 BE01 CA03 CA06 DA01 DA02 EA34 EA35 EA42 EA44 GA24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される色材。 一般式(1) A(B)l [式中、Aは窒素原子を有する色素残基を表し、BはA
    の窒素原子に結合しているSO3Xを表す。Xは水素原
    子もしくはカウンターカチオンを表し、lは1ないし4
    の整数を表す。]
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)で表される色材を少な
    くとも1種用いたことを特徴とするインクジェット記録
    液。 一般式(1) A(B)l [式中、Aは窒素原子を有する色素残基を表し、BはA
    の窒素原子に結合しているSO3Xを表す。Xは水素原
    子もしくはカウンターカチオンを表し、lは1ないし4
    の整数を表す。]
  3. 【請求項3】 下記一般式(1)で表される色材を水系
    媒体中で処理し、Bで表される基の少なくとも1つを除
    去することを特徴とする水不溶性色材を含む分散物の製
    造方法。 一般式(1) A(B)l [式中、Aは窒素原子を有する色素残基を表し、BはA
    の窒素原子に結合しているSO3Xを表す。Xは水素原
    子もしくはカウンターカチオンを表し、lは1ないし4
    の整数を表す。]
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の製造方法で製造した水
    不溶性色材を含む分散物を用いて形成したことを特徴と
    するインクジェット記録液。
JP26443399A 1999-09-17 1999-09-17 水溶性色材プレカーサー、色材分散物の製造方法及びインクジェット記録液 Pending JP2001081354A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26443399A JP2001081354A (ja) 1999-09-17 1999-09-17 水溶性色材プレカーサー、色材分散物の製造方法及びインクジェット記録液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26443399A JP2001081354A (ja) 1999-09-17 1999-09-17 水溶性色材プレカーサー、色材分散物の製造方法及びインクジェット記録液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001081354A true JP2001081354A (ja) 2001-03-27

Family

ID=17403130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26443399A Pending JP2001081354A (ja) 1999-09-17 1999-09-17 水溶性色材プレカーサー、色材分散物の製造方法及びインクジェット記録液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001081354A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007060257A2 (en) * 2005-11-28 2007-05-31 Agfa Graphics Nv Diketopyrrolo-pyrrole compounds
EP2316886A1 (en) * 2009-11-03 2011-05-04 Agfa-Gevaert Preparing and dispersing surface-modified colour pigments
JP2019524974A (ja) * 2016-06-22 2019-09-05 ブイエフ ジーンズウェア リミティド パートナーシップ 修飾インジゴ化合物及び修飾インジゴ化合物を使用して基材を染色する方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007060257A2 (en) * 2005-11-28 2007-05-31 Agfa Graphics Nv Diketopyrrolo-pyrrole compounds
WO2007060257A3 (en) * 2005-11-28 2007-10-25 Agfa Graphics Nv Diketopyrrolo-pyrrole compounds
US7559984B2 (en) 2005-11-28 2009-07-14 Agfa Graphics Nv Diketopyrrolo-pyrrole compounds
EP2316886A1 (en) * 2009-11-03 2011-05-04 Agfa-Gevaert Preparing and dispersing surface-modified colour pigments
WO2011054654A1 (en) 2009-11-03 2011-05-12 Agfa-Gevaert Preparing and dispersing surface-modified colour pigments
US8313576B2 (en) 2009-11-03 2012-11-20 Agfa-Gevaert N.V. Preparing and dispersing surface-modified colour pigments
JP2019524974A (ja) * 2016-06-22 2019-09-05 ブイエフ ジーンズウェア リミティド パートナーシップ 修飾インジゴ化合物及び修飾インジゴ化合物を使用して基材を染色する方法
US11208559B2 (en) 2016-06-22 2021-12-28 The H.D. Lee Company, Inc. Modified indigo compounds and methods of dyeing a substrate using a modified indigo compound
JP7084387B2 (ja) 2016-06-22 2022-06-14 ブイエフ ジーンズウェア リミティド パートナーシップ 修飾インジゴ化合物及び修飾インジゴ化合物を使用して基材を染色する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6001161A (en) Metal complex for ink jet ink
EP1006159B1 (en) Ink jet printing with metal complex
JP4740617B2 (ja) インク原液、及びインク組成物
US7438752B2 (en) Ink composition and recording method
EP2318465B1 (en) Inks with water soluble near ir dyes
TWI385214B (zh) 雙偶氮化合物及其在噴墨印刷之用途
JP5679404B2 (ja) アゾ染料
TW201026785A (en) Disazo compounds and their use in ink-jet printing
US8215760B2 (en) Ink set and inkjet recording method
EP1234860B1 (en) Metal complex for ink jet ink
CN114364755B (zh) 染料油墨组合物、青色染料油墨、喷墨记录用染料油墨、喷墨记录方法及染料水溶液
TW200415202A (en) Mono azo dyes
JP2001081354A (ja) 水溶性色材プレカーサー、色材分散物の製造方法及びインクジェット記録液
JP3915364B2 (ja) 水系インク組成物及び画像形成方法
JP4652521B2 (ja) インクジェットインクのためのカチオン性アゾ染料
JP3141959B2 (ja) 水性インク組成物及びそれを用いた記録方法
JP2007191636A (ja) インク組成物、インクジェット記録用インク、インクセットおよびインクジェット記録方法
JP2006503928A (ja) 水溶性黄色アゾ染料
EP1048701B1 (en) Delocalized cationic azo dye for ink jet ink
GB2385331A (en) Surface modified carbon black pigment prepared by reacting carbon black with an active methylene compound, a source of formaldehyde & an acidic catalyst
JP2007051175A (ja) インク原液及びその製造方法、インク組成物並びにインクジェット記録方法。
JP4965868B2 (ja) 着色液、インクジェット記録方式用着色液、インクタンク、記録ユニット、記録装置及び記録方法
JP3855558B2 (ja) インクジェット記録液及び記録方法
EP1239012A2 (en) Ink jet printing method
JP2005320480A (ja) アントラピリドン化合物、これを含有する水性インク、及びこれを使用したインクジェット記録方法