JP2001081144A - 水系樹脂組成物 - Google Patents
水系樹脂組成物Info
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Abstract
じる成形材料組成物、該成形材料組成物を得るのに適し
た水系樹脂組成物及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】ラジカル重合可能な不飽和結合を有する不
飽和ジカルボン酸又はその酸無水物を構成モノマーの少
なくとも一種とする、酸価が3 〜100mgKOH/gの縮重合系
樹脂と、該縮重合系樹脂中に含有する1分半減期温度が
90〜270 ℃の油溶性開始剤と、式(1): 【化1】 (式中、R1 〜R4 はそれぞれ独立して炭素数1〜6の
直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、m及びnは0以上の整
数を示す)で表わされるアセチレングリコール化合物と
を含有する熱硬化性の水系樹脂組成物。
Description
脂組成物、その製造方法及び該水系樹脂組成物を含有す
る成形材料組成物に関する。
成形体として、繊維、木材等の基材をフェノール樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂等の接着剤(特開平7−16
66号公報)で成形したものが多く使用されているが、
ホルマリンが発生する問題がある。また、スチレン等の
重合性単量体に不飽和ポリエステル樹脂、有機過酸化物
を溶解したもの(特開平10−36653号公報)、不
飽和ポリエステル樹脂と有機過酸化物を単に混合したも
の(特開昭52−63286号公報)等を用い成形加工
されているが、単量体の臭気があったり、均一な硬化反
応が起こりにくい等の問題点がある。
改善され、かつ均一な硬化反応が生じる成形材料組成
物、該成形材料組成物を得るのに適した水系樹脂組成物
及びその製造方法を提供することを目的とする。
ラジカル重合可能な不飽和結合を有する不飽和ジカルボ
ン酸又はその酸無水物を構成モノマーの少なくとも一種
とする、酸価が3〜100mgKOH/gの縮重合系樹
脂と、該縮重合系樹脂中に含有する1分半減期温度が9
0〜270℃の油溶性開始剤と、式(1):
素数1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、m及びn
は0以上の整数を示す)で表わされるアセチレングリコ
ール化合物とを含有する熱硬化性の水系樹脂組成物(以
下、水系樹脂組成物ともいう)、〔2〕ラジカル重合可
能な不飽和結合を有する不飽和ジカルボン酸又はその酸
無水物を構成モノマーの少なくとも一種とする、酸価が
3〜100mgKOH/gの縮重合系樹脂(以下、樹脂
ともいう)、1分半減期温度が90〜270℃の油溶性
開始剤、有機溶剤、中和剤、前記式(1)で表わされる
アセチレングリコール化合物及び水を含有する組成物か
ら有機溶剤を留去する工程を有する水系樹脂組成物の製
造方法、並びに〔3〕前記〔1〕記載の水系樹脂組成物
を含有する成形材料組成物に関する。
半減期温度が90〜270℃の油溶性開始剤を縮重合系
樹脂微粒子中に含有し、式(1):
素数1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、m及びn
は0以上の整数を示す)で表わされるアセチレングリコ
ール化合物を含有している点に大きな特徴がある。かか
る油溶性開始剤を含有する水系樹脂組成物を成形材料組
成物に用いた場合、樹脂微粒子は成形基材に均一に含
浸、塗布、混合、付着することができるので、該成形材
料組成物を成形(熱プレス)すると、縮重合系樹脂微粒
子中の油溶性開始剤からラジカルが発生し、樹脂の不飽
和結合と重合反応することによって、成形材料組成物全
体で効率よく均一な熱硬化反応が起こり、均一な強度の
成形体が得られるという優れた効果が発現される。ま
た、不飽和結合化合物を含有していることで、熱硬化後
の樹脂の架橋密度が高くなり、強度が高く、耐熱性や耐
水性に優れた水系樹脂組成物が得られるという効果が発
現される。
リコール化合物を用いることにより、水系樹脂組成物を
製造する際(樹脂組成物の原料を含有した組成物から有
機溶剤を留去する際)に、有機溶剤の留去に伴う転相工
程における樹脂微粒子の形成及び分散安定性の向上や分
散液の粘度の上昇及び蓄熱による熱硬化反応を防ぐこと
ができるため、効率よく、高固形分であり、且つ低粘度
を有する水系樹脂組成物が得られ、従って、作業取扱い
性がよく、高固形分で水分が少ないので、成形時間の短
縮が可能という優れた効果が発現される。
アルデヒド等を発生する材料を一切使用せず、さらに水
系であるので環境問題も生じない。また、本明細書にお
いて「油溶性開始剤」とは、製造工程で使用される有機
溶剤に室温(20℃)で1重量%以上溶解する開始剤を
意味する。また、「1分半減期温度」とは、ベンゼン中
で活性酸素量が1分で半分になる温度である。
90〜270℃、好ましくは90〜200℃である開始
剤であれば特に限定はなく、有機過酸化物、アゾ系重合
開始剤等が挙げられるが、高い反応性を有する有機過酸
化物が好ましい。
イド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイ
ド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキ
サイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエ
ステル類等が挙げられ、活性酸素量が多く、活性化エネ
ルギーの小さいものが好ましい。好ましい具体例は、ラ
ウロイルパーオキサイド〔1分半減期温度(以下、同
じ):116.4℃〕、1,1−ビス(t−ヘキシルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
〔147.1℃〕、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン〔14
9.0℃〕、t−ブチルパーオキシラウレート〔15
9.4℃〕、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカ
ーボネート〔158.8℃〕、t−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキシルカーボネート〔161.4℃〕、ジ
−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート
〔142.0℃〕、ジクミルパーオキサイド〔175.
2℃〕、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン〔179.8℃〕、ジ−t−ブチル
パーオキサイド〔185.9℃〕、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート〔134.0℃〕、ビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボ
ネート〔92.1℃〕、t−アミルパーオキシ−3,
5,5−トリメチルヘイキサノエート〔130.0
℃〕、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン〔151.0℃〕等であ
る。
ゾビス−イソブチロニトリル〔1分半減期温度(以下、
同じ):116.0℃〕、2,2’−アゾビス−2−メ
チルブチロニトリル〔119.0℃〕、2,2’−アゾ
ビス−2,4−ジメチルバレロニトリル〔104.0
℃〕、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカーボ
ニトリル〔141.0℃〕、ジメチル−2,2’−アゾ
ビスイソブチレート〔119.0℃〕、1,1’−アゾ
ビス−(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)〔11
1.0℃〕等が挙げられる。
以上を混合して用いることができる。
要求される硬化速度及び成形体の強度と水系樹脂組成物
の保存安定性とのバランスの観点から、樹脂100重量
部に対し、好ましくは0.1〜30重量部、より好まし
くは0.5〜20重量部である。
ル化合物において、R1 及びR4 の炭素数は2〜4がよ
り好ましい。R2 及びR3 の炭素数は1〜2がより好ま
しい。
ル化合物としては、例えば、式(a)〜(c):
れる化合物が挙げられる。これらの中では、式(c)で
表わされる化合物が好ましく、式中mとnの合計が3〜
40であるものがより好ましく、8〜35であるものが
特に好ましい。
ル化合物の含有量は、樹脂微粒子の形成及び分散安定性
や分散液の粘度上昇及び蓄熱による熱硬化反応の抑制、
更に樹脂微粒子と基材との均一な混合及び付着性の観点
から、樹脂100重量部に対し、好ましくは0.5〜3
0重量部、より好ましくは1〜25重量部、特に好まし
くは2〜20重量部である。
は、ラジカル重合可能な不飽和結合を有する不飽和ジカ
ルボン酸又はその酸無水物を構成モノマーの少なくとも
一種とする、酸価が3〜100mgKOH/gのもので
あればよく、具体的には、水系分散体である水系樹脂組
成物の製造の容易度、各種基材との接着性、ホルマリン
を原料として用いないという観点より、ポリエステル及
びポリエステルポリアミドが好ましい。
ば、酸成分をポリオール成分と縮重合させることにより
製造することができる。
結合を有する不飽和ジカルボン酸又はその無水物として
は、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸及びそれらの無水物が挙げら
れ、好ましくはマレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸
及び無水テトラヒドロフタル酸であり、その含有量は酸
成分の20〜100モル%が好ましく、50〜100モ
ル%がより好ましい。
特に限定はなく、例えば下記の多価カルボン酸又はその
誘導体を用いることができる。
特に限定はないが、好ましくは炭素数4〜40の二価及
び三価の非ラジカル反応性カルボン酸が用いられ、例え
ば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク
酸、ダイマー酸、アルケニルコハク酸(C4 〜C20)、
シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸
等の二価カルボン酸、及び1,2,4−ベンゼントリカ
ルボン酸等の三価カルボン酸、その無水物、その低級ア
ルキルエステル(C1 〜C4 )が挙げられる。
く、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロー
ルプロパン、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール
等の炭素数2〜10の脂肪族ポリオール又はビスフェノ
ールA、水素化ビスフェノールA等の芳香族系ポリオー
ル及びそれらのアルキレン(C2 〜C3 )オキサイド付
加物(n=2〜10)が挙げられ、特には耐熱性の点よ
りビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が好
ましい。
知の方法、例えば、ポリオール成分と酸成分とを不活性
ガス雰囲気中にて180〜250℃の温度で行えばよ
く、その終点は分子量の参考となる軟化点(Tm)、酸
価(AV)等の追跡により決定すればよい。
は、該ポリエステルのAV、数平均分子量及びガラス転
移点(Tg)等の値により適宜決定すればよいが、1:
0.6〜1:1.5(ポリオール成分:酸成分)である
ことが好ましい。
等のエステル化触媒、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル等の重合禁止剤等の添加剤を適宜使用できる。
ドは、公知の方法、例えば、前記ポリエステルの製造に
用いた酸成分及び前記ポリオールを含む成分中に、アミ
ン誘導体を添加して縮重合することにより、製造するこ
とができる。アミン誘導体としては、特に限定はなく、
エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、キシリレンジアミン等のポリアミン;メ
チルグリシン、トリメチルグリシン、6−アミノカプロ
ン酸、δ−アミノカプリル酸、ε−カプロラクタム等の
アミノカルボン酸;並びにプロパノールアミン等のアミ
ノアルコールが挙げられ、有機溶剤への溶解性の点より
メチルグリシン、トリメチルグリシン及び6−アミノカ
プロン酸が好ましい。
オール成分、酸成分及びアミン誘導体のモル比は、前記
ポリエステルの場合と同様に、該ポリエステルポリアミ
ドのAV、数平均分子量及びTg等の値により、適宜決
定すればよい。
基づくAVは、3〜100mgKOH/g、好ましくは
10〜70mgKOH/gである。AVが3mgKOH
/g未満では安定な水系分散体が得られず、100mg
KOH/gを越えると樹脂が水溶性となり、油溶性開始
剤との相溶性も低下する。なお、このAVの調整は、原
料の多価カルボン酸/多価アルコールのモル比、反応時
間等を調整することにより行うことができる。
V) は、好ましくは1〜50mgKOH/gである。ま
た、該樹脂のTg(示差走査熱量計による測定)は0〜
100℃、Tm(フローテスター法による測定)は30
〜180℃及び数平均分子量(GPC法によりポリスチ
レン換算した値)は1000〜50000であることが
好ましい。また、該樹脂がポリエステルポリアミドであ
る場合、該樹脂のASTMD2073に基づくアミン価は10m
gKOH/g以下であることが望ましい。
も一部が中和されている必要があり、例えば、該樹脂の
溶液に中和剤を添加し中和物とする。
ものであれば特に限定がないが、好ましくは、アルカリ
金属、アルカリ土類金属等の水酸化物及び各種アミン
類、特にはアルカリ金属の水酸化物であり、その使用量
は、該樹脂中のカルボキシル基1当量に対して、0.8
〜1.4当量が好ましい。尚、中和剤は、そのまま使用
してもよいが、極少量の水に希釈、溶解して使用しても
よい。
は、成形加工方法により異なるが、必要とする強度と分
散体の安定性のパランスから、5〜60重量%が好まし
く、15〜60重量%がより好ましく、25〜60重量
%が更に好ましい。
度化及び耐熱性、耐水性の向上の観点から、更にラジカ
ル重合可能な不飽和結合を2つ以上有する化合物(以
下、不飽和結合化合物という)を含有することが好まし
い。
端(メタ)アクリル基を有する化合物、アリル基を有す
る化合物及びジビニル基を有する化合物からなる群より
選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。これらの中で
は、水系樹脂組成物を含有する成形材料組成物を加熱硬
化する際、硬化前の加熱された状態では、縮重合系樹脂
と相溶し、樹脂の融点を降下させる作用を有し、且つ、
樹脂の融点降下に伴う高反応性及び不飽和結合量アップ
に伴う架橋密度アップによる硬化後の成形体の強度向
上、水系樹脂組成物の保存安定性、成形時の臭気等の観
点から、アリル基を含有する化合物が好ましい。具体的
には、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレ
フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、イタコン酸ジ
アリル、ヘキサヒドロフタル酸ジアリル、ジアリルフタ
レートプレポリマー、ジアリルイソフタレートプレポリ
マー等のジアリル化合物及び1,2,4−ベンゼントリ
カルボン酸トリアリル等のトリアリル化合物がより好ま
しい。
化合物としては、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等が
挙げられ、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ポリエチレングリコールジメタクリレート等が好まし
い。ジビニル基を有する化合物としては、ジビニルベン
ゼン、ジビニルナフタレン等が好ましい。
2種以上を混合して使用してもよい。
高強度化、及び耐熱性、耐水性の向上の観点から、樹脂
100重量部に対し、好ましくは5〜80重量部、より
好ましくは10〜60重量部である。
について説明する。本発明の水系樹脂組成物は、いわゆ
る転相乳化等により製造される。その例としては、前記
樹脂、前記油溶性開始剤、要すれば前記不飽和結合化合
物、有機溶剤、前記中和剤、式(1)で表わされるアセ
チレングリコール化合物及び水を含有する組成物から有
機溶剤を留去する工程を有する製造方法が挙げられる。
具体的には、前記樹脂及び前記油溶性開始剤、要すれば
前記不飽和結合化合物を有機溶剤に溶解させ、さらに
水、中和剤、式(1)で表わされるアセチレングリコー
ル化合物、要すれば界面活性剤等を加えた後、有機溶剤
を留去して水系に転相することが好ましい。転相は、水
を加えた時に起こってもよいが、安定な分散液を得る観
点から、有機溶剤の留去中に起こるようにすることがよ
り好ましい。
ことで、水媒体中に平均粒径が好ましくは5μm以下、
より好ましくは2μm以下、特に好ましくは1μm以下
の微粒子状の縮重合系樹脂粒子が分散し、且つ、縮重合
系樹脂中に油溶性開始剤が含有された水系樹脂組成物を
容易に得ることができるという優れた効果が発現され
る。
は、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等
の炭素数3〜8のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン
(THF)等の炭素数4〜8のエーテル系溶剤等が好ま
しく、アセトン、メチルエチルケトン及びTHFが更に
好ましい。有機溶剤の使用量としては、樹脂100重量
部に対し有機溶剤100〜600重量部であることが好
ましい。
量部に対し100〜1000重量部であることが好まし
い。この場合、水に各種アニオン、ノニオン等の界面活
性剤、特には高級アルコール硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸
塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩等を
樹脂100重量部に対し1〜20重量部程度さらに添加
すると、微粒子の平均粒径を小さくすることができ、か
つ樹脂濃度を高めることができるので好ましい。また、
水溶性開始剤として、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の水溶性の過硫酸化物や2,
2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,
4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビ
スイソブチルアミド二水和物等の水溶性アゾ化合物を添
加すると、成形時の加熱により、上記化合物からもラジ
カルが発生することにより熱硬化反応をより促進するの
で好ましい。上記水溶性開始剤は、基材と水系樹脂組成
物との混合時に添加してもよい。
30〜70℃で行うことが好ましく、有機溶剤の含有量
を好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.1重
量%以下に調整することが望ましい。また、得られた処
理液のpHを6〜10となるように調整することがさら
に好ましい。pHの調整には、前述の中和剤等を用いる
ことができる。
粒子の平均粒径は、成形体を均一に硬化させるため、好
ましくは0.5〜5000nm、より好ましくは1〜2
000nm、さらに好ましくは1〜1000nmであ
る。なお、その平均粒径は、例えば前記樹脂の分子量、
AV、中和度、転相乳化の条件等を変えることによって
適宜調整することができる。
扱い性、液の蓄熱による熱硬化反応の抑制及び樹脂微粒
子と基材との均一な混合及び付着性の観点から、5〜1
000mPa・sが好ましく、10〜800mPa・s
がより好ましく、20〜600mPa・sが特に好まし
い。なお、該液粘度は、回転振動式粘度計に基づいて測
定することができる。
内にするには、水系樹脂組成物製造中、又は、作製され
た水系樹脂組成物に前記アセチレングリコール化合物及
び後記各種界面活性剤を添加して、液粘度を上記範囲内
に調整するのが好ましい。水系樹脂組成物の全固形分濃
度が30重量%以上になる場合は、上記方法が特に有効
で好ましい。
他に、従来公知の各種添加剤、例えば、ベンゾトリアゾ
ール、ベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、クロロメチル
フェノール系等の防黴剤、EDTA等のキレート剤、亜
硫酸塩等の酸素吸収剤等を配合してもよい。
とが好ましいが、界面活性剤を添加してホモミキサー、
フィルミックス等の強制攪拌分散機及びアトライター等
の乳化機により分散することにより形成したものでもよ
い。
の原料として有用である。本発明の水系樹脂組成物を基
材等に塗布、含浸、スプレーコーティング、フォームコ
ーティング等することにより、成形材料組成物を得るこ
とができる。
維やカーボン繊維等の無機繊維や合成繊維、天然繊維等
の有機繊維、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウ
ム、タルク等の無機粉末、パルプ粉、木粉、木片チップ
等を使用することができる。
和結合を有するオリゴマーやプレポリマー等の常温個体
で低臭気の硬化助剤、架橋促進剤、アミドワックス、合
成ワックス、合成ラテックス、脂肪酸金属塩等の離型剤
及びタルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、水酸化
アルミニウム等のフィラー、公知の添加剤、充填剤、増
量剤を用いてもよい。これら上記の剤は、基材と水系樹
脂組成物との混合時に添加してもよい。
は、成形体の比重及び成形体の強度の観点から、好まし
くは1〜99.5重量%、さらに好ましくは20〜98
重量%である。
る含有量は、成形体の強度及び成形体の比重の観点か
ら、好ましくは0.5〜99重量%、さらに好ましくは
2〜80重量%である。
物を成形する方法としては特に限定はなく、加熱しなが
らの押圧成形、圧縮成形、積層成形、射出成形、押出成
形等の公知の方法を用いることができる。また、成形材
料組成物を予熱した後に成形に供しても良い。また、一
度成形した後、さらにもう一度成形(2次成形)しても
よい。
問題を生じずかつ十分な強度を有しているため、自動車
内装材、建築材料等に好適に使用することができる。
0g、無水マレイン酸294g(酸成分中97.1モル
%)、無水トリメリット酸17.3g、ハイドロキノン
0.41g及び酸化ジブチル錫0.60gを窒素気流下
にて210℃で攪拌し、AVが25.0mgKOH/g
に達した時、反応を終了した。得られたポリエステル樹
脂は淡黄色の固体であり、OHVは32.6mgKOH
/g、Tgは54.1℃、Tmは95.3℃、数平均分
子量は3000であった。これを樹脂aとする。
−t−ブチルパーオキサイド18gをメチルエチルケト
ン500gに溶解させた後、水酸化ナトリウム7.22
gを含むイオン交換水20gを添加して中和し、攪拌下
でアセチレングリコール化合物(c;m+n=10)2
0gを添加したイオン交換水800gを加えた後、減圧
下40℃でメチルエチルケトンを留去し水分調整をし
て、熱硬化性の水系ポリエステル樹脂(平均粒径:22
0nm、固形分:52重量%、液粘度:186mPa・
s)を得た。
下の方法に基づいて評価した。 評価方法 ・固形分 アルミカップに、水系樹脂組成物を1gとり、120℃
のオーブンに2時間入れて乾燥させ、乾燥前後の重量変
化から、水系樹脂組成物の固形分を算出した。 〔乾燥後の重量(g)/乾燥前の重量(g)〕×100
=固形分(重量%)
ULTER MODEL N4SD) で測定した。
TE VM-100 により、20℃における粘度を測定した。
づいて、20℃における流動性を測定した。測定値か
ら、取扱い性を以下のように評価した。 ◎:測定値が0〜90secであり、取扱い性非常に良
い。 ○:測定値が91〜180secであり、取扱い性良
い。 △:測定値が181〜300secであり、取扱い性ふ
つう。 ×:測定値が>300secであり、取扱い性悪い。
直後、20℃で3ヵ月間及び40℃で1ヵ月間保存した
後の樹脂の粒径変化の状態及び外観の状態変化の評価か
ら判断した。なお、表中の「◎」は粒径分布の変化がな
く、外観変化もないこと、「○」は粒径分布の変化があ
るが、外観変化がないこと、「△」は粒径分布が顕著に
変化し、液底に沈降物が発生するが、振るともとの状態
にもどること、及び「×」は液底に凝集沈殿物が発生
し、振ってももとの状態にもどらないことを示す。
成物を固形分として100gとり、基材にスプレー塗
布、混合して調製した成形材料組成物をステンレス型枠
(3cm×12cm)に、固形分として15g入れて、
熱圧成形機にて、荷重25kgf/cm2 (2.45M
Pa)、以下の成形温度と時間の条件での熱硬化性を評
価し、その結果を表1にまとめた。 条件A:160℃、90sec。条件B:200℃、9
0sec。 また、表中、「○」は成形材料組成物が熱硬化したこ
と、「△」は成形材料組成物の熱硬化が不足したこと、
「×」は成形材料組成物が熱硬化しなかったことをそれ
ぞれ示す。
無をガス検知管を用いて測定した。 ・成形後 得られた成形体をデシケーターに入れ、24時間放置
後、デシケーター内のホルムアルデヒドのガスの有無を
ガス検知管を用いて測定した。
熱硬化性の水系樹脂組成物を得た。得られた各々の水系
樹脂組成物の保存安定性及び熱硬化特性を、前記の方法
に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
水系樹脂組成物は、いずれも刺激臭がなく、保存安定性
及び熱硬化性に優れたものであり、さらに比較例1〜2
で得られたものに比べ、液粘度が低く作業取扱い性が良
く、成形時間の短縮が可能であることがわかる。なお、
実施例1〜2で得られた水系樹脂組成物の熱硬化特性評
価の際、いずれの場合もホルムアルデヒドは検出され
ず、刺激臭はなかった。
基材とし、ラワン木粉1kgに対して、実施例2の水系
樹脂組成物(固形分58重量%)300gをスプレー塗
布しながら混合し、成形用木粉とした。次に、縦10c
m×横25cmの型枠に成形用木粉120gを入れて型
押しして、成形前駆体を形成し、190℃に加熱したホ
ットプレス機にて、荷重25kgf/cm2 (2.45
MPa)、温度190℃、時間120秒の条件下で成形
し、厚さ6mmの木質ボード(中質繊維板(MDF)タ
イプ)サンプルを作製した。このボードサンプルを、JI
S A5905 に準じて評価したところ、曲げ強さが48N/
mm2 であり、十分な強度を有していた。
58重量%)300gに、水溶性開始剤として過硫酸カ
リウム5gを添加して用いた以外は、実施例3と同様に
してボードサンプルを作製し、評価したところ、曲げ強
さが50N/mm2 であり、十分な強度を有していた。
形用基材とし、糸くず1kgに対して、実施例2の水系
樹脂組成物(固形分58重量%)517gを用いた以外
は実施例3と同様にして布繊維ボードサンプルを作製
し、評価したところ、曲げ強さが44N/mm2 であ
り、十分な強度を有していた。
より、環境問題が改善され、かつ均一な硬化反応が生じ
る成形材料組成物及び該成形材料組成物を得るのに適し
た水系樹脂組成物を得ることができるという優れた効果
が奏される。
Claims (5)
- 【請求項1】 ラジカル重合可能な不飽和結合を有する
不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物を構成モノマーの
少なくとも一種とする、酸価が3〜100mgKOH/
gの縮重合系樹脂と、該縮重合系樹脂中に含有する1分
半減期温度が90〜270℃の油溶性開始剤と、式
(1): 【化1】 (式中、R1 〜R4 はそれぞれ独立して炭素数1〜6の
直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、m及びnは0以上の整
数を示す)で表わされるアセチレングリコール化合物と
を含有する熱硬化性の水系樹脂組成物。 - 【請求項2】 縮重合系樹脂が、ポリエステル又はポリ
エステルポリアミドである請求項1記載の水系樹脂組成
物。 - 【請求項3】 更にラジカル重合可能な不飽和結合を2
つ以上有する化合物を含有する請求項1又は2記載の水
系樹脂組成物。 - 【請求項4】 ラジカル重合可能な不飽和結合を有する
不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物を構成モノマーの
少なくとも一種とする、酸価が3〜100mgKOH/
gの縮重合系樹脂、1分半減期温度が90〜270℃の
油溶性開始剤、有機溶剤、中和剤、式(1): 【化2】 (式中、R1 〜R4 はそれぞれ独立して炭素数1〜6の
直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、m及びnは0以上の整
数を示す)で表わされるアセチレングリコール化合物及
び水を含有する組成物から有機溶剤を留去する工程を有
する熱硬化性の水系樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜3いずれか記載の水系樹脂組
成物を含有する成形材料組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25946999A JP2001081144A (ja) | 1999-09-13 | 1999-09-13 | 水系樹脂組成物 |
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JP25946999A JP2001081144A (ja) | 1999-09-13 | 1999-09-13 | 水系樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=17334518
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JP (1) | JP2001081144A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2009145234A1 (ja) * | 2008-05-28 | 2009-12-03 | 旭硝子株式会社 | 防汚剤組成物とその製造方法、およびこれを用いて処理された物品 |
-
1999
- 1999-09-13 JP JP25946999A patent/JP2001081144A/ja active Pending
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