JP2001081007A - 天然物由来殺菌剤 - Google Patents

天然物由来殺菌剤

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JP2001081007A
JP2001081007A JP25678099A JP25678099A JP2001081007A JP 2001081007 A JP2001081007 A JP 2001081007A JP 25678099 A JP25678099 A JP 25678099A JP 25678099 A JP25678099 A JP 25678099A JP 2001081007 A JP2001081007 A JP 2001081007A
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chitosan
polylysine
eucalyptus
extract
fungicide
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Tetsunari Takahashi
徹成 高橋
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性が高く、低濃度で病原菌に対して殺菌
力があり、かつ、殺菌力に持続性があり、又、食肉等の
殺菌工程において殺菌中に殺菌力に低下のない、殺菌工
程で繰り返し使用可能な殺菌剤を提供することを課題と
する。 【解決手段】 ユーカリ属植物葉の極性溶媒抽出物、キ
トサン及びポリリジンを含有する天然物由来殺菌剤。ユ
ーカリ属植物葉の極性溶媒抽出物とキトサンの重量比率
が1:10〜10:1の範囲であり、かつ、その合計で
1重量部に対してポリリジンを0.1〜10重量部含有
すると効果が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療施設、食肉加
工施設、医療機器、家庭用品、畜舎、鶏舎、食肉、鳥類
卵殻、等の殺菌剤として、又、ニキビを予防する殺菌剤
として使用することができる天然物由来の殺菌剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に細菌等による食品の腐敗を防止す
る手段として、低温処理、加熱処理等の物理的処理法以
外に保存剤を利用する方法が採用されている。近年、安
全性の面から合成保存剤の使用が避けられる傾向にあ
り、その代替として天然系の保存剤が求められている。
近年、天然系保存剤としてストレプトマイセス属に属す
る菌の培養によって得られるε―ポリリジンが提案され
ている。しかし、ポリリジンを食品等の固形分の多いも
のに対して使用する場合、抗菌力が低下したり、抗菌力
を維持できる量で使用した場合、食品の風味を損う等の
問題があった。ポリリジンを他成分と組み合わせて、低
濃度で抗菌力を発揮させることができれば、上記の問題
を解決することができる。ポリリジンと他成分の併用効
果に関して、ポリリジンとエチルアルコール(特開平2
−20271号公報)、ポリリジンとアミノ酸(特開平
5−68520号公報)、ポリリジンとソルビン酸や安
息香酸(特開平7−67596号公報)が報告されてい
る。しかし、アルコールではタンパク質を変性させた
り、アミノ酸や有機酸では、充分な効果を維持できる量
を添加した場合、その特有の味や臭いを損なうという問
題がある。従って、ポリリジンを他成分と組み合わせ
て、さらに低濃度で使用することができれば、食品等の
風味に影響を与えない殺菌剤を提供することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安全性が高
く、低濃度で病原菌に対して殺菌力があり、かつ、殺菌
力に持続性があり、又、食肉等の殺菌工程において殺菌
中に殺菌力に低下のない、殺菌工程で繰り返し使用可能
な殺菌剤を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、特願平1
1−52906においてユーカリ属極性有機溶媒抽出物
とキトサンとを含む殺菌剤が、ユーカリ抽出物とキトサ
ンの相乗効果により、低濃度で殺菌力を発揮し、かつ、
殺菌力に持続性があり、又、食肉等の殺菌剤として使用
した場合、殺菌力に低下が起こらないことを報告した。
本発明は、ユーカリ属植物葉の極性溶媒抽出物とキトサ
ンとを含む混合物にポリリジンを添加した殺菌剤であ
る。本発明は又、好ましい様態として、ニキビ菌に対し
て使用される殺菌剤、鳥類卵殻、医療機器、医療施設、
食肉加工施設、家庭用品、食肉の殺菌に使用される殺菌
剤を提供する。本発明の殺菌剤は既に安全性が知られて
いるため、人体に対して安全性が高い。尚、本発明にお
いて「殺菌」とは、細菌等の微生物を死滅させること、
及び増殖を阻害することの両方を含む概念である。ま
た、「食肉加工施設」とは、食肉加工場、食肉加工場に
付設された設備または機械、及び食肉加工に用いる刃物
等の調理器具またはテーブル等を含む。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】<1>ユーカリ属植物の極性有機溶媒抽出
物 本発明の殺菌剤に用いるユーカリ属植物の極性有機溶媒
抽出物(以下、「ユーカリ抽出物」ともいう)は、ユー
カリ属植物の葉を極性有機溶媒で抽出して得られる抽出
物である。
【0007】原料となる葉は、ユーカリ属に属する植物
の葉であれば使用可能で、ユーカリプタス・グランディ
ス(Eucalyptus grandis)、ユーカリプタス・ ボツリ
オイデス(Eucalyptus botryoides)、ユーカリプタス
・グロブルス(Eucalyptus globulus)、ユーカリプタ
ス・カマルジュレンシス(Eucalyptus camaldulensi
s)、ユーカリプタス・クレブラ(Eucalyptus crebr
a)、ユーカリプタス・マクラタ(Eucalyptus maculat
a)、ユーカリプタス・ビミナリス(Eucalyptus vimina
lis)等の植物の葉を用いることができる。これらのユ
ーカリ葉は、単独の植物由来の葉を用いてもよく、2種
以上の植物由来の葉を組み合わせて用いることもでき
る。
【0008】上記のようなユーカリ属植物葉を、極性有
機溶媒で抽出する。抽出に先立って、葉を適当な大きさ
に破砕したり、粉末化するなど、溶媒抽出し易いように
前処理する。極性有機溶媒としては、クロロホルム、ジ
クロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素類、メチルエーテル、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の低級脂肪酸エ
ステル類、又はアセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級
アルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール等のグリコール類が挙げられる。これらの溶媒は、
単独で用いてもよく、任意の2種又は3種以上の混合溶
媒として用いてもよい。上記溶媒の中では、得られる抽
出物の殺菌活性の点から酢酸エチル、アセトン、エタノ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコールが好
ましく、エタノール、プロピレングリコールがさらに好
ましい。
【0009】抽出方法としては、一般に用いられる方法
でよく、例えば極性有機溶媒中に原料ユーカリ葉を長時
間浸漬する方法、極性有機溶媒の沸点以下の温度で加
温、撹拌しながら抽出を行い、濾過して抽出物を得る方
法などがある。得られた抽出物は、減圧濃縮等によって
濃縮することが好ましい。
【0010】また、上記抽出・分離操作中、殺菌活性の
高いユーカリ抽出物を得るには、ユーカリ葉を直接極性
有機溶媒で抽出するよりも、ユーカリ葉を乾燥後、非極
性有機溶媒で脱脂し、精油を除去してから極性有機溶媒
で抽出する態様が好ましい。非極性溶媒で脱脂する過程
では精油が除去される。この操作は水蒸気蒸留により精
油を除去した後の残渣に極性溶媒を添加し抽出する方法
でも行うことができる。前記非極性溶媒としては、ヘキ
サン、ペンタン、ヘプタン等のアルカンが挙げられる。
しかし、脱脂操作は本発明に必須ではなく、直接、ユー
カリ属植物葉を極性有機溶媒で抽出して得られる画分
も、本発明の殺菌剤に使用することができる。その場合
の極性有機溶媒としては、低級アルコール、またはプロ
ピレングリコール、ブチレングリコール等のグリコール
類が挙げられる。
【0011】ユーカリ葉抽出物の殺菌活性と収率を合わ
せて総合評価すると、殺菌活性が強く、抽出物の収率が
高い方法は、脱脂時に用いる非極性溶媒としてヘキサン
を、抽出溶媒としてエタノールを組み合わせる態様が好
ましい。
【0012】<2>キトサン キトサン(ポリβ−1,4−グルコサミン)は、キチン
の脱アセチル化物であり、例えばカニ、エビ等の甲殻類
の殻、あるいは昆虫の外骨格に含まれているキチンを、
高濃度熱アルカリ溶液中で脱アセチル化することにより
得られる。また、キトサン生産菌を培養することによっ
ても得ることができる。また、市販品を用いることもで
きる。
【0013】本発明に用いるキトサンの分子量は特に制
限されないが、低粘度であることが好ましく、5〜50
cp程度(0.5%キトサン濃度)が好ましい。また、
水溶性を高めたキトサンオリゴ糖やキトサン乳酸塩、キ
トサン塩酸塩等のキトサン誘導体を用いることもできる
が、殺菌力の強い殺菌剤を調製するためには、キトサン
を用いることが好ましい。
【0014】<3>ポリリジン 本発明に用いられるポリリジンはストレプトマイセス属
に属する菌の培養物から分離されるε―ポリリジンが挙
げられる。ポリリジンは遊離した形態でも、塩酸、硫
酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸等が付加した
形態で使用することができる。
【0015】<4>本発明の殺菌剤 本発明の殺菌剤は、上記ユーカリ抽出物、キトサンおよ
びポリリジンを含有する。殺菌剤の剤型は特に制限され
ず、例えば、液状、ペースト状、スプレー剤、ムース剤
等、適用方法に応じて多岐にわたって選択され、噴霧、
浸漬、塗布、拭き取り等の方式によって行われる。本殺
菌剤をスプレーの薬剤として用い、飲食店や一般家庭の
厨房等で使用することも可能である。液状とする場合
は、ユーカリ抽出物、キトサン、ポリリジンを適当な溶
媒に溶解させ、殺菌液として用いることができる。溶媒
としては、エタノールと水の混合液(比率は任意)に、
例えば、キトサンを溶解させる為の乳酸、酢酸等の酸を
添加した溶媒が用いられる。但し、高濃度のエタノール
はタンパク質を変性させるので、食肉等の殺菌剤として
使用する場合は、エタノール濃度を0〜10重量%程度
の範囲にするのが望ましい。尚、水溶性を高めたキトサ
ンオリゴ糖や水溶性を高めたキトサン誘導体を用いる場
合は、前記の酸は添加しなくてもよい。
【0016】本発明の殺菌剤中におけるユーカリ抽出物
及びキトサンの含有量は、その使用態様・剤型により適
宜変更しうるが、合計で0.0000001〜10重量
%、好ましくは0.000001〜0.1重量%程度含
有させることが例示される。ユーカリ抽出物とキトサン
の重量比率では1:10〜10:1の範囲が好ましい。
一方、ポリリジンについては、ユーカリ抽出物とキトサ
ンの合計重量1重量部に対してポリリジンが0.1〜1
0重量部であることが好ましい。キトサンを溶解させる
為の酸(乳酸、酢酸等)は、キトサンを溶解し得る範囲
で任意の濃度で配合することができる。
【0017】又、ユーカリ抽出物、キトサン、ポリリジ
ンを含む組成の殺菌剤にグリセリン脂肪酸エステルを添
加する場合、上記ユーカリ抽出物、キトサン、ポリリジ
ンを含む組成に0.0001〜20重量%、好ましく
は、0.001〜1.0重量%のグリセリン脂肪酸エス
テル類を添加することが例示される。
【0018】本殺菌剤を食肉の殺菌剤として使用する場
合は、殺菌中に牛肉から溶出される成分の影響で殺菌剤
のpHが上昇し、pH5.5を超えると殺菌力が低下す
るため、殺菌剤のpHを5.5以下、好ましくは5.0
以下に維持するように乳酸、酢酸等の酸、あるいはpH
調製剤を添加することが例示される。添加の方法はあら
かじめ殺菌剤中に高濃度の酸、あるいはpH調製剤を添
加しておいても良いし、殺菌中に連続的に酸を添加し、
pHを5.5以下に維持させてもよい。
【0019】上記殺菌剤には、本発明の効果を損なわな
い範囲で、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等に一般
的に用いられる各種成分、酸度調節剤、安定化剤、界面
活性剤、抗酸化剤等に用いられている成分を配合するこ
とができ、2成分以上配合しても良い。更に、殺菌効果
をさらに増強する目的で他の殺菌剤と併用してもよい。
【0020】医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等に一
般的に用いられる各種成分としては、例えば、界面活性
剤(アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性界面
活性剤)、抗酸化剤(ステアリン酸エステル、ノルジヒ
ドログアセレテン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブ
チルヒドロキシアニソール、パラヒドロキシアニソー
ル、没食子酸プロピル、セサモール、セサモリン、ゴシ
ポール等)、保湿剤(プロピレングリコール、1、3-ブチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリ
ン、コンドロイチン硫酸及びその塩、ヒアルロン酸及び
その塩、乳酸ナトリウム、ローヤルゼリーエキス、等)
又、その他、コラーゲン、低級アルコール、多価アルコ
ール、水溶性高分子、pH調節剤、香料、清涼剤、安定
化剤、保存剤、動植物抽出物、動植物性蛋白質及びその
分解物、動植物性多糖類及びその分解物、動植物性糖蛋
白質及びその分解物、微生物培養代謝成分、アミノ酸及
びその塩、消臭・脱臭剤、乳化剤等と共に配合し、併用
して用いることができる。
【0021】酸度調節及び機能の安定化剤としては、例
えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、
グリシン、グリセリン脂肪酸エステル、グルコノデルタ
ラクトン、グルコン酸、コハク酸、コハク酸一ナトリウ
ム、コハク酸二ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、DL
-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナ
トリウム、炭酸塩類、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウ
ム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、リゾチーム、DL
-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸、リン酸塩
類、重合リン酸塩類、イタコン酸、フィチン酸等が挙げ
られる。
【0022】界面活性剤としては例えば、モノステアリ
ン酸グリセロール、トリオレイン酸ポリグリセロール等
のグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレ
シチン、ポリエチレングリコール、ポリオキシアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンポリアミン、アルキルポ
リオキシエチレン硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステ
ル塩、アシルメチルタウリン塩、N-アシルグルタミン酸
塩、アルキルアミドベタイン等が挙げられる。
【0023】抗酸化剤としてはカテキン、トコフェロー
ル、プロポリス、エラグ酸、植物抽出物(セージ、セ
リ、ローズマリー等)等が挙げられる。
【0024】殺菌剤としては、殺菌活性がある物質、抽
出物であれば特に制限はなく、例えば、ヒノキチオー
ル、プロタミン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウ
ム、グルコン酸クロルヘキシジン、動植物抽出物、精油
等が挙げられる。
【0025】保存剤としては、ソルビン酸、安息香酸、
クエン酸、デヒドロ酢酸、フマル酸、乳酸、酢酸等の有
機酸、及びその塩類、グリシン、システイン等のアミノ
酸等が挙げられる。
【0026】ユーカリ属植物抽出物とキトサンを含む混
合物にポリリジンを配合した殺菌剤は、ユーカリ抽出物
−キトサン混合物とポリリジンの相乗効果により、MR
SA、 Staphylococcus aureuEscherichia coliSal
monella enteritidisPropionobacterium acnesに対し
て強い殺菌力を発揮し、また、この殺菌力に持続性があ
る。又、ユーカリ抽出物、キトサン、ポリリジン共に安
全性が高く、他の成分として安全性の高いものを選択す
ることにより、安全性の高い殺菌剤を調製することがで
きる。
【0027】前記ユーカリ抽出物、キトサン、ポリリジ
ンを含む組成にグリセリン脂肪酸エステルを添加した殺
菌剤では、さらに殺菌力持続性が高まる。
【0028】従って、本殺菌剤は、例えば、一般家庭や
飲食店等において、テーブル、食器類、まな板、調理
台、トイレの便座等の家庭用品、畜舎、鶏舎、動物飼育
用建物・器具類、食肉加工施設・機械類、人や動物等の
皮膚、鶏卵やウズラ等の卵殻、又、病院や老人ホームに
おいてドア、ドアの取っ手、床、ベッドの手すり、手術
用器具等の医療機器、医療設備、肉、魚、野菜、果物等
の食品、植物の種子の殺菌剤として、又、ウェットティ
シュ、おむつ、シーツ類、衣類、衛生綿類、おしり拭
き、不織布、油取り紙、食品包装用の紙類(シート)、
食品の下に敷く紙類(シート)、下紙スリッパ、おしぼ
り、タオル、カバー、動物・魚類等の飼料、ガム、キャ
ンディー、かまぼこ、ちくわ等の水産ねり製品、ソーセ
ージ、ハム等の畜産製品、洋菓子類、和菓子類、生め
ん、ソバ等のめん類、ソース、醤油等の調味料、漬物、
惣菜等、卵加工品、サンドイッチ、マヨネーズ、シュー
クリーム等に殺菌力を付加する殺菌剤として使用するこ
とができる。又、本殺菌剤は石鹸、洗浄剤、クリーム等
に配合したり、経口薬剤等に添加することもできる。
【0029】本殺菌剤を食肉の殺菌工程で使用する場
合、殺菌力に低下が起こらないので、殺菌工程において
繰り返して使用することができる。又、本殺菌剤は、食
肉を殺菌処理した場合、食肉表面の細菌の増殖を長時間
にわたり抑制する効果があるので、食肉を長時間新鮮に
保つことができる。
【0030】本殺菌剤を鳥類卵殻の殺菌剤として使用す
る場合、本発明の殺菌剤を卵殻表面に付着させた鳥類の
卵は、流通させることができる。
【0031】本発明の殺菌剤をスプレーとして使用する
場合、内容物を収納する容器としては、内容物を噴霧で
きる容器であれば良く、例えば、エアゾール方式、トリ
ガー方式等のスプレー容器が挙げげられる。エアゾール
方式では、例えば、炭酸ガス、窒素ガス、ジメチルエー
テル等の噴霧剤を添加して用いる。
【0032】
【実施例】以下、実施例、試験例により本発明を具体的
に説明するが、これらの実施例は例示的であり、本発明
の範囲は特許請求の範囲により規定される。
【0033】<製造例1>ユーカリ(Eucalyptus globu
lus)の葉を乾燥し(それぞれ乾燥重量30g)、エタノ
ール500mlで3日間室温で抽出した。抽出液は減圧下
溶媒を留去し、エタノール抽出物を得た。
【0034】製造例1のユーカリ抽出物をエタノールに
溶解し、キトサン(太洋科学:キトサンS)を滅菌蒸留
水(等量の乳酸添加)に溶解し、両者を1:1で混合後、
2倍希釈系列を作成した。一方、ポリリジン(奥野製
薬)を50%エタノール(滅菌蒸留水)で希釈し、2倍希
釈系列を作成した。このユーカリ抽出物・キトサン混合
溶液とポリリジンの濃度が25〜0.5μg/mlになるように
混合した。この混合液25μlを、培地475μlを入れた滅
菌試験管に添加した(ユーカリ・キトサン、及びポリリ
ジンの最終濃度は2.5〜0.05μg/ml)。最後に各滅菌試
験管にあらかじめ前培養後約5.0x108/mlに調製した菌懸
濁液(MRSA RIM 0310925、 Staphylococcus aureus IF
O12732、Escherichia coli IFO12734、 Salmonella en
teritidis IFO3313、 Propionibacterium acnes ATCC6
919)を10μl加え、37℃で24時間インキュベーショ
ンし、菌の発育の有無を肉眼で観察した(菌が発育し
た:+、菌が発育しなかった:−)。尚、Propionibact
erium acnesについては嫌気性条件下でインキュベーシ
ョンした。表1〜表5の順にMRSA、Staphylococcus aur
esu, Escherichia coliSalmonella enteritidisPro
pionibacterium acnesに対する抗菌力の試験結果を示
す。各菌に対して、ユーカリ抽出物・キトサン混合物の
抗菌力がポリリジンによって増強された。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】<実施例1〜5>製造例1のユーカリ抽出
物、キトサン、ポリリジン、及び他の成分を、表6に示
す割合で混合し、実施例1〜5及び比較例1〜9の殺菌
剤を作成した。ユーカリ抽出物、キトサン、ポリリジン
は重量%、乳酸とエタノールは容量%で示す。
【0041】
【表6】
【0042】<試験例1>ステンレス上での殺菌力の持
続性試験 滅菌したステンレス板上に表6に示す各殺菌剤を噴霧し
(15μl/cm2)、無菌室内で7日間放置し乾燥させた。
前記と同様の条件で前培養した菌懸濁液(Salmonella e
nteritidis、MRSA)を生理食塩水で希釈後、このステン
レス板上に10μlのせた。10分間放置後、脱脂綿でステ
ンレス板上の菌を拭き取り、菌を生理食塩水中に溶出さ
せ、生菌数を測定した。各実施例、及び比較例の結果を
表7に示す。殺菌剤噴霧後(15μl/cm2)、7日経過し
た時点で比較した場合、ユーカリ抽出物・キトサン混合
液にポリリジンを添加した場合(実施例1〜5)、ユー
カリ抽出物・キトサン混合液のみの場合(比較例1〜
5)、又は、ポリリジンのみの場合(比較例6〜8)に
比べ、強い殺菌力が維持されていた。
【0043】
【表7】
【0044】<試験例2>卵殻上での殺菌力の持続性試
験 滅菌した鶏卵殻表面に表6に示す組成の殺菌剤を噴霧し
(15μl/cm2)、無菌室内で7日間放置し乾燥させた。
前培養した菌懸濁液(Salmonella enteritidis)を生理
食塩水で希釈後、この希釈した菌懸濁液10μlをこの鶏
卵殻表面にのせた。10分間放置後、脱脂綿で鶏卵殻表面
の菌を拭き取り、菌を生理食塩水中に溶出させ、生菌数
を測定した。各実施例、及び比較例の結果を表8に示
す。ユーカリ抽出物・キトサンを含む混合液にポリリジ
ンを添加した場合、抗菌力が増強された。
【0045】
【表8】
【0046】<試験例3>肉エキスと混合した場合の殺
菌剤の殺菌力試験 殺菌剤と牛肉エキスを混合した場合、殺菌力の低下が起
こるかどうかを Staphylococcus aureus IFO12732、Sal
monella enteritidis IFO03313を用いて以下の方法によ
り検討した。表6に示す各種殺菌剤1mlと2%牛肉エ
キス(和光純薬:滅菌蒸留水に溶解)1mlを1対1の
割合で混合し、室温で放置した。10分後、これらの各種
殺菌剤にあらかじめ調製しておいた菌液20μlを添加
し、攪拌後放置した。5分後、混合液中の一般細菌数を
調べた。尚、予備実験より2%牛肉エキス1g当たりの
一般生菌数は10以下であることを確認した。表9に示
すように、ユーカリ抽出物・キトサン混合液にポリリジ
ンを添加した場合(実施例1〜5)、ユーカリ抽出物・
キトサン混合液のみの場合(比較例1〜5)、又はポリ
リジンのみの場合(比較例6〜8)に比べ、強い殺菌力
が維持されていた。
【0047】
【表9】
【0048】<試験例4>殺菌剤で処理した牛肉表面の
細菌数の測定 表6に示した殺菌剤を用いて以下の実験を行った。容器
内に各殺菌剤50mlを入れ、次に牛肉(ブロック)1
5gをこの殺菌剤中に浸し、室温で放置(表面殺菌)し
た。5分後、殺菌剤を取り除き、牛肉のみを容器内で4
℃で保存した。一定時間後(1日後、3日後、6
日後)、この牛肉の入った容器に25mlの生理食塩水
を添加し、振盪した。生理食塩水中に溶出した牛肉表面
の細菌数を測定した。尚、殺菌処理する前の牛肉表面に
存在する細菌数は牛肉1g当たり10個以下であること
を予備実験より確認した。表10に殺菌剤処理後の牛肉
表面に存在する細菌数(牛肉1g当たり)を示す。ユー
カリ抽出物・キトサン混合液にポリリジンを添加した場
合(実施例1〜5)、ユーカリ抽出物・キトサン混合液
のみの場合(比較例1〜5)、又はポリリジンのみの場
合(比較例6〜8)に比べ、牛肉表面において細菌の増
殖を抑制する効果が強かった。
【0049】
【表10】
【0050】<実施例6>製造例1のユーカリ抽出物、
キトサン、ポリリジン、グリセリン脂肪酸エステル、及
び他の成分を、表11に示す割合で混合し、実施例6及
び比較例10,11の殺菌剤を作成した。ユーカリ抽出
物、キトサン、ポリリジンは重量%、乳酸、グリセリン
脂肪酸エステル、エタノールは容量%で示す。
【0051】
【表11】
【0052】<試験例5>ステンレス上での殺菌力の持
続性試験(グリセリン脂肪酸エステルの影響) 表11に示す殺菌剤について、試験例1と同様の方法で
ステンレス上での殺菌力の持続性を調べた。表12に結
果を示すが、殺菌剤噴霧後(15μl/cm2)、7日経過し
た時点で比較した場合、ユーカリ抽出物・キトサン・ポ
リリジンを含む組成にグリセリン脂肪酸エステルを添加
した場合(実施例6)、グリセリン脂肪酸エステルを添
加しない場合(比較例10)に比べ、強い殺菌力が維持
されていた。
【0053】
【表12】
【0054】
【発明の効果】本発明により、低濃度で殺菌力があり、
かつ殺菌力に持続性のある殺菌剤が提供される。本殺菌
剤は、医療機器、医療施設、食肉加工施設、一般家庭、
畜舎、鶏舎、鳥類卵殻、食肉等の殺菌剤として、ニキビ
を予防する殺菌剤として使用できる。さらに、本殺菌剤
を食肉(ハム、ソーセージ等の加工品も含む)の殺菌剤
として使用する場合、殺菌力に低下が起こらないため、
殺菌工程で繰り返し使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B021 LW04 LW10 MC01 MK02 MK05 MK21 MK23 MK28 MP01 MP02 MP03 4C058 AA02 AA03 AA04 AA05 AA06 AA07 AA12 AA14 AA21 AA23 AA24 AA25 AA28 BB07 JJ08 JJ21 JJ23 JJ24 4C088 AB57 BA10 CA04 NA12 ZB35 4H011 AA02 BA01 BA06 BB06 BB08 BB21 BB22 BC03 BC06 DA13 DG05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユーカリ属植物葉の極性溶媒抽出物、キ
    トサン及びポリリジンを含有する天然物由来殺菌剤。
  2. 【請求項2】 前記極性溶媒が、低級アルコール、グリ
    コール類から選ばれる1種以上である請求項1記載の天
    然物由来殺菌剤。
  3. 【請求項3】 ユーカリ属植物葉の極性溶媒抽出物、キ
    トサン及びポリリジンの合計量で0.0000001〜
    10重量%含有する請求項1記載の天然物由来殺菌剤。
  4. 【請求項4】ユーカリ属植物葉の極性溶媒抽出物とキト
    サンの重量比率が1:10〜10:1の範囲であり、か
    つ、その合計で1重量部に対してポリリジンを0.1〜
    10重量部含有する請求項3に記載の天然物由来殺菌
    剤。
  5. 【請求項5】 グリセリン脂肪酸エステルを0.000
    1〜1重量%含有することを特徴とする請求項3に記載
    の天然物由来殺菌剤。
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