JP2001080319A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Abstract
ング現象を抑え、ランフラット耐久性を向上させること
ができる断面三日月形状のサイド補強層を配置した空気
入りタイヤを提供する。 【解決手段】 サイドウォール部のカーカス層とインナ
ーライナー層との間にランフラット性を付与するための
断面三日月形状のサイド補強層を配置した空気入りタイ
ヤにおいて、前記インナーライナー層の厚さ(mm)と
50%引っ張りモジュラス(MPa)との積を10以上
とした空気入りタイヤ。
Description
関し、更に詳しくは、ランフラット性を付与するための
断面三日月形状のサイド補強層を配置した空気入りタイ
ヤにおいて、タイヤ重量を増加させることなく、バック
リング現象を抑えランフラット耐久性を向上させること
ができる空気入りタイヤに関する。
しまった後も車両の走行を可能にするランフラット性を
付与するようにした空気入りタイヤとして、従来、例え
ば、図1に示すように、サイドウォール部3のカーカス
層4とインナーライナー層7との間に高硬度のゴムから
なる断面三日月形状のサイド補強層10を設けたタイヤ
の提案がある。このように高硬度のゴムからなる断面三
日月形状のサイド補強層10を配置することにより、サ
イドウォール部3の剛性を大幅に高め、空気が抜けても
サイドウォール部3をたわみ難くしている。
と、タイヤの断面形状が図2に示すようなたわんだ形状
となり、トレッド部のクラウンセンターCの部分が浮き
上がるとともにバットレス部付近が接地するバックリン
グ現象を起こすため、接地部Sが偏摩耗してしまい、ラ
ンフラット耐久性に劣るという問題があった。
ーカス層4間等のトレッド部1の内部に補強ゴム層を挿
入して、トレッド部の曲げ剛性を向上させるというタイ
ヤが提案されているが、タイヤ重量が増加してしまい、
地球環境問題から要請される自動車の軽量化のために
は、好ましくない。
は、タイヤ重量を増加させることなく、バックリング現
象を抑え、ランフラット耐久性を向上させることができ
る断面三日月形状のサイド補強層を配置した空気入りタ
イヤを提供することにある。
ウォール部のカーカス層とインナーライナー層との間に
ランフラット性を付与するための断面三日月形状のサイ
ド補強層を配置した空気入りタイヤにおいて、前記イン
ナーライナー層の厚さ(mm)と50%引っ張りモジュ
ラス(MPa)との積を10以上とした空気入りタイヤ
が提供される。
ナー層が、共投ジエン単位の含有量が30%以下である
エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系高飽和ゴムを
含むゴム100重量部に対し、メタクリル酸亜鉛を10
〜120重量部およびカーボンブラックを0〜60重量
部配合し、メタクリル酸亜鉛とカーボンブラックの配合
量の合計が10〜120重量部であるゴム組成物である
空気入りタイヤが提供される。
を参照しながら詳細に説明する。図1は、空気入りタイ
ヤの一例を示し、1はトレッド部、2はビード部、3は
サイドウォール部である。左右のビード部2に連接して
タイヤ径方向外側に左右のサイドウォール部3が延設さ
れ、この左右のサイドウォール部3間にタイヤ周方向に
延在するトレッド部1が設けられている。タイヤ内側に
はカーカス層4が3層配設されている。左右のビード部
2にはタイヤ子午線断面形状が四角状に形成されたビー
ドコア5がそれぞれ配置され、そのビードコア5の外周
にはタイヤ子午線断面形状が三角状に形成されたビード
フィラー6が設けられている。タイヤ最内層には、空気
透過防止層を構成するインナーライナー層7が、タイヤ
内側全面にわたって配設されている。
強コードをタイヤ周方向に対して傾斜すると共に逆向き
で互いに交差するように配列した2層のベルト層8が埋
設されている。このベルト層8の外周には、該ベルト層
を保護する2層のベルトカバー層9が積層されている。
両サイドウォール部3には、内側のカーカス層4とイン
ナーライナー層7との間に、ランフラット性能を付与す
るためのタイヤ子午線断面形状が三日月状に形成された
サイド補強層10が設けられている。このサイド補強層
10はサイドウォール部3にタイヤ周方向に沿って延設
された環状に形成されている。
面視において、ベルト層8のエッジ部8aと重複するよ
うに配置され、また、内周端部10bは、側面視におい
てビードフィラー6の外周端部6aと重複するように配
設されている。
ヤにおいて、インナーライナー層7に極めて引っ張りモ
ジュラスが大きく剛性を大幅に向上させた材料を用いる
ことで、タイヤのバックリング現象を抑えることがで
き、偏摩耗を防止して、タイヤ耐久性を大幅に向上させ
ることができる。図2に示すような、バックリング現象
を起こす場合には、タイヤ内面側に図2のFの方向に張
力が働く。この張力が作用するタイヤ内面側の最内層に
位置するインナーライナー層7の引っ張りモジュラスを
上げることで、上記張力が働いた場合にもタイヤ内面側
の引っ張り変形を抑制し、トレッド部1のクラウンセン
ターCの部分の浮き上がりを抑え、トレッド部1の曲げ
変形を抑えることができるため、バックリング現象を有
効に防止することができる。しかも、他の補強層を追加
して配設する必要がないので、タイヤ重量を抑えること
ができる。
用できるものとして、インナーライナー層の厚さ(m
m)と50%引っ張りモジュラス(MPa)との積が1
0以上、好ましくは14〜20となるようなゴム、樹
脂、または、ゴムと樹脂との混合物等の各種材料を用い
ることで、バックリング現象を有効に防止することがで
きる。
0.5〜1.2とするのが好ましく、0.5未満では、
剛性増加が不十分であり、1.2を超えると重量増加と
なってしまう。
8〜24とするのが好ましく、8以上とすることで、剛
性を増加させることができ、24以下とすることで接着
性を向上させることができる。
は、共投ジエン単位の含有量が30%以下であるエチレ
ン性不飽和ニトリル−共役ジエン系高飽和ゴムを含むゴ
ム100重量部に対し、メタクリル酸亜鉛を10〜12
0重量部およびカーボンブラックを0〜60重量部配合
し、メタクリル酸亜鉛とカーボンブラックの配合量の合
計が10〜120重量部であるゴム組成物(以下、メタ
クリル酸亜鉛含有ゴムという。)を好適に用いることが
できる。
て、共投ジエン単位の含有量が30%以下であるエチレ
ン性不飽和ニトリル−共役ジエン系高飽和ゴムは、より
好ましくはゴムの合計配合量100重量部のうち40重
量部以上であるのがゴムの強度の点から好ましく、これ
が100重量部であっても一向に問題とならない。ま
た、この水素化NBRを含むゴムに配合するメタクリル
酸亜鉛とカーボンブラックの合計配合量が10重量部未
満であると、強度が不十分となり、120重量部を超え
ると硬すぎて、いずれもタイヤ破壊に通じることにな
り、不都合となる。そして、このメタクリル酸亜鉛含有
ゴムは、従来のジエン系ゴムと比較して破断強度、耐久
性、耐疲労性に優れ、低発熱性であり、かつ高温での硬
度低下が小さいうえに、引っ張りモジュラスも大きく、
また耐空気透過性にも優れるため、インナーライナー層
に使用することにより、バックリング現象を有効に防止
することができる。
エン系高飽和共重合ゴムは既に公知のものであり、アク
リロニトリル、メタアクリロニトリルなどのエチレン性
不飽和ニトリルと1,3−ブタジエン、イソプレン、
1,3−ぺンタジエンなどの共投ジエンとの共重合体、
上記の2種の単量体と共重合可能な単量体、例えば、ビ
ニル芳香族化合物、(メタ)アクリル酸、アルキル(メ
タ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリ
レート、シアノアルキル(メタ)アクリレートなどとの
多元共重合体であって、具体的には、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−イソプレ
ン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプ
レン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−アク
リレート共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−
アクリレート−メタクリル酸共重合ゴム等を挙げること
ができる。これらのゴムは、エチレン性不飽和ニトリル
単位を30〜60重量%含み、共役ジエン単位の部分水
素化等の手段により共投ジエン単位を30重量%以下、
好ましくは20重量%以下としたものである。
高飽和ゴムを含むゴムに対して、前記のメタクリル酸亜
鉛(ジメタクリル酸亜鉛の形になっているものを含む)
および/またはカーボンブラックを混合する方法は特に
限定されないが、通常ゴム工業において用いられるロー
ル、バンバリー、ニーダー、1軸混練機、2軸混練機な
どの混合機を使用することができる。
方法としては、ゴムに直接メタクリル酸亜鉛を混合する
方法のほかに、先ずゴムに酸化亜鉛、炭酸亜鉛などの亜
鉛化合物を配合し、十分に分散させた後、メタクリル酸
を混合または吸収させ、ポリマー中でメタクリル酸亜鉛
を生成させる方法を採ってもよく、この方法は、メタク
リル酸亜鉛の非常に良い分散が得られるので好ましい。
また、ゴムにメタクリル酸亜鉛と亜鉛化合物が予め分散
されている組成物を用いるのも好ましく、これは日本ゼ
オン(株)製の「ZSC」(商標名)シリーズ、例えば
ZSC2295、ZSC2295N、ZSC2395、
ZSC2298などとして入手可能である。
剤として配合した有機過酸化物によって架橋されている
ことが好ましい。有機過酸化物としては、通常のゴムの
過酸化物加硫に使用されているものを使用することがで
きる。例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパ−
オキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオ
キシ−m−イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。
これらの有機過酸化物は、1種または2種以上を使用
し、ゴム100重量部に対して0.2〜10重量部、好
ましくは0.2〜6重量部配合することが望ましい。
充填剤、例えばシリカ、炭酸カルシウム、タルクなど
や、トリアリルイソシアヌレート、メタクリル酸の高級
エステル、フタル酸ジアリルエステル、m−フェニレン
ビスマレインイミド、1,2−ポリブタジエンなどの架
橋助剤、その他ゴム工業で一般的に用いられている可塑
剤、老化防止剤、安定剤、接着剤、樹脂、加工助剤など
を適宜配合してもよい。
成されるインナーライナー層と隣接する他のパーツ部分
のゴム層との間の接着性を向上させるために、接着ゴム
層を挿入することができる。
(A)天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエン
ゴム、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体ゴムから選ば
れた少なくとも1種のジエン系ゴムと(B)アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体ゴムを配合し、その(A)
+(B)合計100重量部に対して(C)平均分子量3
00〜1500、軟化点50〜160℃、ヨウ素吸着量
20g/100g以上の芳香族系石油樹脂を5〜80重
量部配合したゴムを使用するのが好ましい。前記(A)
+(B)合計100重量部に対する前記(C)の芳香族
系石油系樹脂の配合量が5重量部未満であると接着力が
低下し、また、80重量部を超えると発熱が大きく、そ
のいずれの場合にもタイヤ破壊に通ずることになるので
上記(C)の配合量とするのがよい。
ゴムと(B)アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴ
ムの配合比は、(A):(B)=10:90〜90:1
0であることが接着力の点で好ましい。この配合比の範
囲を超えると接着力が低下する。また、接着ゴム層の厚
さは、0.1〜2.0mmとするのが良く、より好まし
くは0.2〜0.8mmとする。この厚さが0.1mm
より薄いと、生産時に接着ゴム層に切れが発生するな
ど、加工が困難であり、また、2.0mmより厚いと、
通常走行では問題とならないものの、長時間走行におい
てこの接着ゴム層が発熱し、接着層が破壊するので好ま
しくない。
級エステル、トリアリルイソシアヌレート、メタクリル
酸またはアクリル酸の金属塩、フタル酸ジアリルエステ
ル、1,2−ポリブタジエンから選ばれる少なくとも1
種の共架橋剤を含み、有機過酸化物で架橋することが一
層好適である。
物には、前記(C)芳香族系石油樹脂の他に、一般的に
ゴムに配合される配合剤、例えば、カーボン、シリカ、
タルクなどの充填剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、
樹脂、接着剤、架橋助剤、加硫促進剤、粘着付与剤など
を適宜配合してもよい。
隣接する他のゴム層との間の全面に挿入してもよく、屈
曲変形の大きな部分等の一部分にのみ挿入するように構
成してもよい。
たわみを抑制できる硬度(例えば、JIS A硬度70
以上)を示すようなものであればいかなる配合でもよ
く、配合剤の種類や量も通常用いられる一般的なものを
使用することが出来る。また、サイド補強ゴム層に本発
明のインナーライナー層と同様、メタクリル酸亜鉛含有
ゴムを用いても良く、このゴムは高強度で低発熱である
ため、サイド補強ゴムとして好適であり、この構成とす
ることでインナーライナー層とサイド補強層の間に接着
ゴム層が不要になるためにさらに好ましい。
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。
うに作製した。試験タイヤの作成 下記表1に示した配合組成(重量部)、厚さ、50%引
っ張りモジュラス(JISK6251に準拠)からなる
インナーライナー層7を、図1に示すように、配置した
断面三日月形状のサイド補強層10を有するタイヤサイ
ズ225/60R16の試験タイヤを作製した。なお、
メタクリル酸亜鉛含有ゴムを用いたタイヤには、インナ
ーライナー層7と隣接するゴム層との間に図示しない
0.8mmの下記に示す配合組成の接着ゴム層を挿入さ
せてある。
に供し、その結果を下記表1に示した。ランフラット耐久性 各試験タイヤをリムサイズ16×71/2JJのリムに
組み付けた後、空気を抜いた状態で、後輪駆動4000
CCの車の前輪右側に装着して、楕円形の周回コースを
80km/hの速度で反時計廻りに走行し、テストドラ
イバーがタイヤ故障による異常振動を感じ、走行を中止
するまでの距離を測定した。従来例を100とする指数
で表示した。この指数が大きいほどランフラット耐久性
が優れている。
0、日本ゼオン社、共投ジエン単位の含有量約10% IIR:Exxon Bromobutyl 224
4、日本ブチル社 メタクリル酸亜鉛:R−205、浅田化学社 HAFカーボンブラック:シースト300、東海カーボ
ン社 亜鉛華:亜鉛華#3、正同化学工業社 ステアリン酸:ビーズステアリン酸、日本油脂社 老化防止剤1:ノクラック6C、大内新興化学工業社 老化防止剤2:ノクラック224、大内新興化学工業社 老化防止剤3:ナウガード445、ユニロイヤル社 架橋剤:パーカドックス14/40、化薬アクゾ社 共架橋剤:TAIC、日本化成社 硫黄:クリステックスHSOT−20、フレキシス社 加硫促進剤:ノクセラーDZ−G、大内新興化学工業社
0%引っ張りモジュラス(MPa)との積が10未満で
あるインナーライナー層を用いた比較例1〜2に比べ
て、実施例1〜3のタイヤは、バックリング現象が抑え
られランフラット耐久性に優れるという良好な結果が得
られた。
ド補強層を配置した空気入りタイヤのインナーライナー
層の厚さ(mm)と50%引っ張りモジュラス(MP
a)との積を10以上とすることによって、タイヤ重量
を増加させることなく、バックリング現象を抑え、ラン
フラット耐久性を向上させることができる。
入りタイヤの子午線方向部分断面図である。
部分断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 サイドウォール部のカーカス層とインナ
ーライナー層との間にランフラット性を付与するための
断面三日月形状のサイド補強層を配置した空気入りタイ
ヤにおいて、前記インナーライナー層の厚さ(mm)と
50%引っ張りモジュラス(MPa)との積を10以上
とした空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 前記インナーライナー層が、共投ジエン
単位の含有量が30%以下であるエチレン性不飽和ニト
リル−共役ジエン系高飽和ゴムを含むゴム100重量部
に対し、メタクリル酸亜鉛を10〜120重量部および
カーボンブラックを0〜60重量部配合し、メタクリル
酸亜鉛とカーボンブラックの配合量の合計が10〜12
0重量部であるゴム組成物である請求項1に記載の空気
入りタイヤ。
Priority Applications (1)
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JP25800499A JP4301352B2 (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 空気入りタイヤ |
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