JP2001079918A - 熱可塑性エラストマーの発泡成形体を押出し成形機を用いて製造する製造方法、及びその押出し成形機 - Google Patents

熱可塑性エラストマーの発泡成形体を押出し成形機を用いて製造する製造方法、及びその押出し成形機

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JP2001079918A JP26223499A JP26223499A JP2001079918A JP 2001079918 A JP2001079918 A JP 2001079918A JP 26223499 A JP26223499 A JP 26223499A JP 26223499 A JP26223499 A JP 26223499A JP 2001079918 A JP2001079918 A JP 2001079918A
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    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 押出し成形機のシリンダ内では剪断加工を1
回しか行わず、シリンダ後端内部での溶融熱可塑性エラ
ストマ(TPE)と水との混合物の圧力を成形ダイの開
口部の断面積に対して最適になるように、成形ダイの手
前の押出ヘッドが内蔵したフローガイドの絞り孔を形成
する絞りリングを孔経が相違したものと交換可能にす
る。 【解決手段】 スクリュ軸12はスクリュネジ山13を
有する供給・溶融領域Aの終端に溶融TPEの通過量調
整用の環状ダム21、その後に水注入部B、円筒型剪断
機構部C及び混合機構部Dを備え、水注入部Bと円筒型
剪断機構部Cの直径は前者に対し後者を同寸法か、好ま
しくは大にし、シリンダ11後端に各種孔径の絞り孔を
有する絞りうリング32を交換可能に保持するフローガ
イド18を内蔵し、後端に成形ダイ17を取換可能に固
定した押出ヘッド16を連接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水を発泡剤とし
て熱可塑性エラストマー(TPEとも略記する。)の発
泡成形体、例えば自動車製造や建築等の分野で使用され
るシール、パッキン等を押出し成形機を用いて製造する
製造方法と、この方法を実施するのに適する押出し成形
機に関する。
【0002】
【従来の技術】水を発泡剤としてTPEの発泡成形体を
押出し成形機を用いて製造する方法は、特開平7−20
5251号公報により公知であって、この方法では溶融
したTPEに水を混合した後、溶融TPEと水との混合
物を、シリンダの後端の成形ダイから押出して発泡さ
せ、冷却して製品を得るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公知の方法では溶
融TPEと水との混合物を、成形ダイから押出すまでの
間に少なくとも前後2回、剪断加工を行い、前後の剪断
加工の間で混合作用を加える。この場合、シリンダの内
周とスクリュ軸の各剪断部の外周との間のギャップを小
さくして剪断による水滴の分散効果を高めようとすると
TPE溶融体と水との混合物の温度が上昇し、その状態
で押出された製品は軟らかくなり、冷却・固化の工程に
達する前に形状が変化してしまう。この剪断加工を少な
くとも2回行うので余計に温度が上がりやすい。特に、
押出し量を高めるためにスクリュ軸の回転数を上げると
更に温度は高まる。従って、高速回転域に適した形状、
設計(剪断加工部のギャップ、軸方向長さ)を行ったス
クリュ軸を、製品の温度上昇を低減するために低速回転
で使用すると、注入した水が溶融TPE中に充分に分散
しないので、微細な発泡セルが均一に分布した高品質の
発泡成形体を製造することができない。又、TPEと水
とによる高品質な発泡成形体の製品は、押出し成形機の
シリンダ内で水を微小な水滴として溶融TPEに均一
に、且つ出来る限り独立させて混ぜ込み、成形ダイを出
て大気圧に曝されたところで均一且つ微細な発泡セルを
発現させることが必要である。周知のように、スクリュ
式押出し成形機ではシリンダ内の溶融状態のTPEに、
この溶融TPEの粘度、剪断速度、スクリュ軸の形状、
溶融TPEと水との混合物が押出されるダイの開口の形
状、断面積等で定まる圧力が加わり、この圧力の大きさ
によりスクリュ軸、シリンダの混合作用にも複雑な変化
が生じる。従って、製品の断面積が変わり、これに伴っ
てダイの開口断面積が変われば、シリンダ内の溶融TP
Eと水の混合物に加わる混合作用にも変化が起き、ダイ
から押出されて発泡した発泡成形体(製品)の発泡セル
の大きさ、分布状態が変化し、高品質な製品の製造がで
きなくなる事態が生じる。これを回避するにはダイの開
口断面積に影響されることなく高品質なTPEと水との
混合物をダイから押出せるようにしなければ各種の大き
さ、形状を有する製品を得ることができないが、上記公
知の方法にはその考慮が全くされていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
消するために開発されたもので、請求項1の水を発泡剤
として熱可塑性エラストマーの発泡成形体を押出し成形
機を用いて製造する製造方法は、押出し成形機の回転す
るスクリュ軸を内蔵したシリンダ内部にTPEを供給
し、スクリュ軸の回転によりスクリュネジ山を有するシ
リンダ内の供給・溶融領域を通過して溶融した溶融TP
Eに、シリンダの外からTPEの5重量%未満の常温の
水を30〜300kg/cm2 に加圧して注入し、続いて
シリンダの内部の円筒型剪断機構部により溶融したTP
Eに水を分散させ、更にこの円筒型剪断機構部の後に連
続して配置された混合機構部を通過する間に、溶融した
TPEと水との混合物に対して強力な混合作用を加え、
前記混合機構部の後のシリンダの後端に各種の孔径の絞
り孔を有する絞りリングを交換可能に保持するフローガ
イドを内蔵した押出しヘッドを配置し、上記絞り孔の孔
径を前記円筒型剪断機構部とこれに連続した混合機構部
における溶融TPEと水との混合物の圧力を制御するた
めの制御因子として、押出量、水混合量等の成形条件に
対して最適な孔径の絞り孔を有する絞りリングを選択し
てフローガイドに保持することにより、混合機構部での
溶融TPEと水との混合物の圧力を最適に制御して混合
効果を調整及び安定化させ、次いで溶融TPEと水との
混合物を前記絞り孔を経て押出しヘッドの後端の成形ダ
イから押出し、大気圧に曝して発泡させた後、冷却して
TPEの発泡成形体を製造することを特徴とする。又、
請求項2の水を発泡剤として熱可塑性エラストマーの発
泡成形体を製造するために、スクリュ軸と、その回転駆
動装置と、上記スクリュ軸を内蔵したシリンダと、シリ
ンダに1 個あるいは複数設けられた発泡剤注入ノズルと
を備えた押出し成形機において、スクリュ軸はスクリュ
ネジ山を有する供給・溶融領域の終端に溶融したTPE
の通過量調整用の環状ダム、その後にシリンダの内側に
突出した注入ノズルによる水注入部、その後に円筒型剪
断機構部及び混合機構部を備え、水注入部の直径と円筒
型剪断機構部の直径は、前者に対して後者を同寸法か、
好ましくは大にし、シリンダの後端に、各種の孔径の絞
り孔を有する絞りリングを交換可能に保持するフローガ
イドを内蔵し、後端に成形ダイを取換可能に固定した押
出しヘッドを連接したことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】図1において、11は外周に図示
しないヒータを備え、このヒータで加熱されるシリンダ
ないしバレル、12はシリンダに内蔵されたスクリュ
軸、14はスクリュ軸の回転駆動装置で、シリンダの前
端内部にホッパ15からTPE、例えばオレフィンやス
チレンを主体としたペレットを供給し、回転するスクリ
ュ軸のスクリュネジ山13を有する供給・溶融領域Aで
TPEを180〜220℃程度に溶融して該領域Aを通
過させ、次いで水を注入し、溶融TPEと水を混合して
最終的にはシリンダの後端に取外し交換可能に取付けた
押出しヘッド16の成形ダイ17からダイの開口部に対
応した断面形状を有する成形体を連続的に押出し、これ
を外気に触れさせて発泡させたのち冷却し、連続したT
PEの発泡成形体(製品)を製造する。
【0006】供給・溶融領域Aの終端に位置してスクリ
ュ軸12にはシリンダ11の内周との間に僅少な間隙を
保つ拡径した環状ダム21を設け、供給・溶融領域Aで
溶融した溶融TPEが次の水注入部Bに流入する通過量
を上記ダム21により調整する。
【0007】スクリュ軸12には、環状ダム21の後に
水注入部B、その後に円筒型剪断機構部Cを設ける。水
注入部B、円筒型剪断機構部Cの直径は、いずれも環状
ダム21の直径よりも小である。そして、水注入部Bに
は、シリンダ11に半径方向に貫通して取付けた水注入
ノズル24から常温の水を30〜300kg/cm2 に加
圧し、溶融TPEの5重量%未満、好ましくは0.5〜
2重量%程度注入する。水注入ノズル24の取付け位置
は水注入部Bの軸方向の中間部とし、水注入部Bでの溶
融TPEの流れに逆らわない方向に好ましくは傾ける
が、その角度はスクリュ軸12の断面円の中心を通る法
線に対して0〜15度程度とする。
【0008】水注入部Bと円筒型剪断機構部Cでのスク
リュ軸12の直径は、前記したように環状ダム21の直
径よりも小であれば同じであってもよいが、スクリュ軸
12の直径は水注入部Bで小、円筒型剪断機構部Cでは
それよりも大であることが好ましい。このため図示の実
施形態ではスクリュ軸12の環状ダム21の後に直径が
小さい細径部22を設けて水注入部Bとし、その後にそ
れよりも直径が大きい拡径部25を設けて円筒型剪断機
構部Cにしてある。スクリュ軸12の上記細径部22と
シリンダ11の内周との間に生じた水注入部Bの環状空
間23に水注入ノズル24の先端をシリンダ11の内周
面から1〜6mm程度突入させ、前述したように筒状空
間23中を移動する溶融TPEに常温の水を30〜30
0kg/cm2 に加圧し、TPEの5重量%未満、好まし
くは0.5〜2重量%程度注入する。シリンダ11の内
径dが例えば90mmの場合、環状ダム21の外径は約
89.7mm、スクリュ軸12の細径部22の外径は7
5mm、拡径部25の外径は細径部よりも2〜20mm
程度大きく、例えば約80〜85mmである。そして、
水注入部Bの軸方向長さは前記dに対し1.0〜4.5
d、円筒型剪断機構部Cの軸方向長さは同じく2.5〜
7.5dである。
【0009】このように、水注入部Bではスクリュ軸1
2は円筒型剪断機構部Cの拡径部25より直径が小さい
細径部22になっていて筒状空間23を形成しているこ
と、そして水注入ノズル24の先端は上記筒状空間23
中に充分に突入していることによって、筒状空間23で
は溶融TPEの厚さを厚くして水注入ノズル24からの
水を溶融TPEの内部に注入し易くし、水が溶融TPE
の内部に浸透することを効果的に促進する。そして、水
注入部Bから円筒型剪断機構部Cに進入した溶融TPE
と水との混合物に対し円筒形の拡径部25は剪断作用を
加え、溶融TPE中に水を効果的に分散させる。
【0010】円筒型剪断機構部Cを通過した溶融TPE
と水との混合物は、次に第1段目の混合機構部D1 と、
その後の第2混合機構部D2 とからなる混合機構部Dを
通過する。シリンダの内径dに対して第1段目の混合機
構部D1 の軸方向の長さは2.5〜7.5d、第2段目
の混合機構部D2 の軸方向の長さは2〜6dであり、第
2段目の混合機構部D2 ではスクリュ軸12の外周面と
シリンダ11の内周面の双方から円周方向に間隙を保っ
て突出する粒状突起の、軸方向に間隔を保った複数の環
状配列26,27を有し、スクリュ軸の外周面の粒状突
起の環状配列26の軸方向の間隔と、シリンダの内周面
の粒状突起の環状配列27の軸方向の間隔とを互いの環
状配列の粒状突起が交互に埋める。両環状配列26,2
7の粒状突起の形状は円形でも、四角形などの多角形で
あってもよい。
【0011】上記第2段目の混合機構部D2 の手前の第
1段目の混合機構D1 はスクリュ軸の外周面から突出し
た粒状突起からなり、シリンダの内周面から突出した粒
状突起を備えていない。従って、シリンダ軸の第1段目
の混合機構D1 での直径は、シリンダの内周面からも粒
状突起の環状配列27が突出する第2段目の混合機構D
2 よりも大である。
【0012】図1(a)の実施形態のスクリュ軸12に
は、図2に示したものを使用している。このスクリュ軸
の第1段目の混合機構部D1 のスクリュ軸の外周面から
突出する粒状突起は、該第1段目の混合機構部D1 の全
長の中間部にサクストン型等で代表されるミキシングパ
ターンの複数列の突起28と、上記中間部の前後の各端
部又はそのどちらか一方の端部に円周方向に間隙を有
し、軸方向に間隔を保って設けられた複数宛の突起の環
状配列29からなっている。図では突起29の環状配列
は螺旋状の配列の突起28の前後の各端部に設けた場合
を示している。これらの突起28,29の形状は円形で
あっても、四角形などの多角形であっても良い。
【0013】しかし、スクリュ軸12の第1段目の混合
機構部D1 のスクリュ軸の外周面から突出する粒状突起
は、図3に示したように、円周方向に間隙を有し、軸方
向に間隔を保って第1段目の混合機構部の軸方向の全長
にわたって設けられた環状配列31であってもよい。こ
の配列の突起の形状も円形でも、四角形などの多角形で
もよい。
【0014】混合効果は図3の第1段目の混合機構部D
1 を有するスクリュ軸が図2のものより優れてはいる
が、優れている分、TPEの温度も高くなるので、TP
Eの種類により温度が上がってよいものには図3のスク
リュ軸を使用し、温度が上がるのが好ましくないものに
は図2のスクリュ軸を使用する。
【0015】第1段目D1 及び第2段目D2 の混合機構
部Dの粒状突起の配列は該混合機構部を後に押されて通
過する溶融TPEと水との混合物に対して強力な混合作
用を加え、該混合物内での水粒子の細分化、水粒子の分
布の均一化を促進し、完成させる。
【0016】シリンダ11の後端には、シリンダの内径
dに対して孔径が0.02〜0.4d、シリンダの内径
が90mmの場合は、図4に示したように2〜35mm
の孔径を有する多数枚の絞りリング32…の1つを交換
可能に保持する保持孔33を中心に備えた断面形状が凹
レンズ形のフローガイド18を内蔵した押出しヘッド1
6を取外し可能に接続し、フローガイドの後のダイホル
ダ19の後端に交換可能に取付けた成形ダイ17の開口
断面積に対してTPEの押出し量、水注入部での水の注
入量等の成形条件に応じて種々な孔径の絞りリング32
を、本格的な成形加工を行う前にフローガイドの保持孔
33に取付けて試験的に押出しを行い、最適な孔径の絞
りリングを保持孔33に取付ける。
【0017】こうして、選択した絞りリング32の絞り
孔の孔径によって円筒型剪断機構部Cと、これに連続す
る混合機構部Dにおける溶融TPEと水との混合物の圧
力を最適に制御し、溶融TPEと水との混合物内での水
粒子の細分化、及び分布の均一化を調整、安定させるこ
とができる。
【0018】絞りリングの孔を通過した溶融TPEと水
との混合物は、フローガイドの後で押出しヘッドにダイ
ホルダ押え19′により取付けたダイホルダ19の後端
にダイ押え17′で交換可能に固定した成形ダイ17の
開口部から押出され、大気圧に接して発泡し、その後、
冷却して連続したTPE発泡成形体が得られる。
【0019】シリンダの内径dに対して供給・溶融領域
Aの軸方向長さは14〜20dにする。その理由は、良
質な発泡セルを発現させるため、溶融領域AにおいてT
PEを十分に可塑化および溶融させた状態で水を混合さ
せる必要があるためである。それよりも短いと可塑化お
よび溶融が不十分な状態で水を注入することになるた
め、押出された成形体の発泡状態・外観が著しく悪くな
り、長いとTPEが必要以上の可塑化作用を受けて成形
上好ましくない温度上昇を引き起こすという問題を生じ
る。同じく剪断機構部Bの軸方向の長さを2.5〜7.
5dにした理由は、TPEと水との混合物が剪断作用か
ら受ける温度上昇を極力抑えながら、その一方で剪断作
用による水のTPEへの練り込みによる分散化を促進す
るためで、それよりも短いとTPEへの水の分散効果が
不足し、長いとTPEと水との混合物に不必要な温度上
昇を来すという問題を生じる。同じく第1段目の混合機
構部D1 の軸方向の長さを2.5〜7.5dにした理由
は、スクリュ軸外周面に設けた突起等によるTPEと水
との混合物の攪拌・混合作用を高める一方で、この攪拌
・混合作用によって引き起こされるTPEと水との混合
物の発熱を極力抑えるためであり、それよりも短いと次
の第2段目の混合機構部D2 での最終的な混合を加味し
たとしても、製品品質から見た場合に十分な水の微粒子
化と均一な分散が得られず、長いとTPEと水との混合
物の不必要な発熱を引き起こすという問題を生じる。同
じく第2段目の混合機構部D2 の軸方向の長さを2〜6
dにした理由は第1段目の混合機構部D1 でやや細分化
された水とTPEとの混合物に対して更に強力な切り返
し作用を加えて水の微粒子化と均一な分散とを達成する
こと、並びに切り返し作用によるTPEと水との混合物
の発熱を極力押さえ込むためであり、それより短いと製
品として必要な微小で均一に分散したセルが発現せず、
長いとTPEと水との混合物の温度が上昇し、ダイから
出た後での形状保持が困難になるという問題を生じる。
【0020】上記各部の軸方向長さの範囲内で、その長
さをどの値にするかは溶融すべきTPEの種類、要求さ
れる単位時間当たりの押出量、製品に対して要求される
比重等の条件に応じて適切に定める。
【0021】この発明による押出し成形機の一実施例
と、その運転状況及び成形した製品の概略を次表に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】上記実施例では成形ダイの開口部の断面積
35.06mm2 に対し孔径6mmの絞り孔を有する絞
りリングを使用することにより絞りリングの手前でのシ
リンダの後端部内の圧力を44kg/cm2 に制御し、
高品質の発泡成形体を製造することができた。
【0024】これに対して絞りリングを使用しないとき
はシリンダの後端部内の圧力は18kg/cm2 にな
り、又、孔径3mmの絞りリングを使用したときは絞り
リングの手前のシリンダの後端部内の圧力は95kg/
cm2 、孔径10mmの絞りリングを使用したときは絞
りリングの手前のシリンダの後端部内の圧力は19kg
/cm2 になり、発泡セルが粗大だったり、不均一だっ
たり、又、肌がささくれた品質に問題がある発泡成形体
しか製造することができなかった。
【0025】このようにしてTPEの押出し量、発泡剤
としての水の注入量などの成形条件と、成形ダイの開口
部の断面積に応じ高品質のTPE発泡成形体(製品)を
製造することができるように、種々な孔径の絞り孔を有
する絞りリングを準備し(図4参照)、事前に絞りリン
グを1つ宛フローガイドの保持孔33に取付けてテスト
し、最適な絞りリングを選択し、それを保持孔に取付け
て本格的に製造すればよい。尚、シリンダと押出しヘッ
ドとはツエルマウスクランプ34で簡単に取外せるよう
に接続し、フローガイド18の保持孔33は図示のよう
に前半部の内径が大、後半部の内径が小な段付孔にし、
これに対応して種々な孔径の絞り孔を有する絞りリング
32も前半部の外径を大、後半部の外径を小にし、後か
ら保持孔に嵌めればTPEの溶融物と水との混合物で後
向きに外されることがないように簡単に保持可能にして
おくことが好ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明により交換式絞りリングを成形ダ
イを有する押出しヘッドに設けて、この絞りリングの孔
径の調整を本格的な成形の前に行って条件化しておくこ
とにより、シリンダ内の圧力を発泡セルの大きさ、分布
状態を最適に設定でき、成形ダイの開口部の断面積の変
更に影響されずに、微細で均一な発泡セルを有する高品
質で安定したTPEと水との発泡成形体を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の押出し成形機の一実施形態の
一部を省略した断面図、(b)は同上のB−B線での断
面図、(c)は要部の拡大断面図。
【図2】図1の実施形態に使用したスクリュ軸の側面
図。
【図3】スクリュ軸の他の一例の側面図。
【図4】絞り孔の孔径のみが違う3種類の絞りリングの
断面図。
【符号の説明】
11 シリンダ 12 スクリュ軸 13 スクリュ軸のネジ山 14 スクリュ軸の回転駆動装置 15 ホッパ 16 押出しヘッド 17 成形ダイ 18 フローガイド 19 ダイホルダ 21 環状ダム 22 細径部 23 筒状空間 24 水注入ノズル 25 拡径部 26 スクリュ軸の粒状突起の環状配列 27 シリンダ軸の粒状突起の環状配列 28 粒状突起の螺旋状配列 29 粒状突起の環状配列 31 粒状突起の環状配列 32 絞りリング 33 絞りリングの保持孔 A 供給・溶融領域 B 水注入部 C 円筒型剪断機構部 D 混合機構部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月12日(1999.10.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
消するために開発されたもので、請求項1の水を発泡剤
として熱可塑性エラストマーの発泡成形体を押出し成形
機を用いて製造する製造方法は、押出し成形機の回転す
るスクリュ軸を内蔵したシリンダ内部にTPEを供給
し、スクリュ軸の回転によりスクリュネジ山を有するシ
リンダ内の供給・溶融領域を通過して溶融した溶融TP
Eに、シリンダの外からTPEの5重量%未満の常温の
水を30〜300kg/cm2 に加圧して注入し、続いて
シリンダの内部の円筒型剪断機構部により溶融TPEに
水を分散させ、更にこの円筒型剪断機構部の後に連続し
て配置された混合機構部を通過する間に、溶融TPEと
水との混合物に対して強力な混合作用を加え、前記シリ
ンダの後端に絞り孔を中心に有するフローガイドを内蔵
した押出しヘッドを接続し、上記フローガイドの絞り孔
を、前記円筒型剪断機構部と後続の混合機構部における
溶融TPEと水との混合物の圧力を制御するための制御
因子として、押出量、水混合量等の成形条件に対して絞
り孔の孔径を最適に選択することにより、混合機構部で
の溶融TPEと水との混合物の圧力を最適に制御して混
合効果を調整及び安定化させ、次いで溶融TPEと水と
の混合物を前記絞り孔を経て押出しヘッドの後端の成形
ダイから押出し、大気圧に曝して発泡させるTPE発泡
成形体を製造することを特徴とする。又、請求項2の水
を発泡剤として熱可塑性エラストマーの発泡成形体を製
造するために、スクリュ軸と、その回転駆動装置と、上
記スクリュ軸を内蔵したシリンダと、シリンダに1 個あ
るいは複数設けられた発泡剤注入ノズルとを備えた押出
し成形機において、スクリュ軸はスクリュネジ山を有す
る供給・溶融領域の終端に溶融したTPEの通過量調整
用の環状ダム、その後にシリンダの内側に突出した注入
ノズルによる水注入部、その後に円筒型剪断機構部及び
混合機構部を備え、水注入部の直径と円筒型剪断機構部
の直径は、前者に対して後者を同寸法か、好ましくは大
にし、シリンダの後端に、各種の孔径の絞り孔を有する
絞りリングを交換可能に保持するフローガイドを内蔵
し、後端に成形ダイを取換可能に固定した押出しヘッド
を連接したことを特徴とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 21:00 105:04 C08L 21:00 Fターム(参考) 4F074 AA00 BA34 CA22 CC22X CC22Y CC25X CC34W CC34X 4F201 AA03 AA13 AA45 AB02 AC01 AG20 AR02 BA01 BC01 BC02 BC13 BC19 BC29 BK02 BK13 BK34 BK46 BK50 BK74 BQ19 BQ57 4F207 AA03 AA13 AA45 AB02 AC01 AG20 AR02 KA01 KA11 KF04 KL03 KL04 KL24 KL33 KM14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を発泡剤として熱可塑性エラストマー
    (TPE)の発泡成形体を押出し成形機を用いて製造す
    る製造方法において、押出し成形機の回転するスクリュ
    軸を内蔵したシリンダ内部にTPEを供給し、スクリュ
    軸の回転によりスクリュネジ山を有するシリンダ内の供
    給・溶融領域を通過して溶融した溶融TPEに、シリン
    ダの外からTPEの5重量%未満の常温の水を30〜3
    00kg/cm2 に加圧して注入し、続いてシリンダの内
    部の円筒型剪断機構部により溶融したTPEに水を分散
    させ、更にこの円筒型剪断機構部の後に連続して配置さ
    れた混合機構部を通過する間に、溶融したTPEと水と
    の混合物に対して強力な混合作用を加え、前記混合機構
    部の後のシリンダの後端に各種の孔径の絞り孔を有する
    絞りリングを交換可能に保持するフローガイドを内蔵し
    た押出しヘッドを配置し、上記絞り孔の孔径を前記円筒
    型剪断機構部とこれに連続した混合機構部における溶融
    TPEと水との混合物の圧力を制御するための制御因子
    として、押出量、水混合量等の成形条件に対して最適な
    孔径の絞り孔を有する絞りリングを選択してフローガイ
    ドに保持することにより、混合機構部での溶融TPEと
    水との混合物の圧力を最適に制御して混合効果を調整及
    び安定化させ、次いで溶融TPEと水との混合物を前記
    絞り孔を経て押出しヘッドの後端の成形ダイから押出
    し、大気圧に曝して発泡させた後、冷却してTPEの発
    泡成形体を製造することを特徴とする熱可塑性エラスト
    マーの発泡成形体を押出し成形機を用いて製造する製造
    方法。
  2. 【請求項2】 水を発泡剤として熱可塑性エラストマー
    の発泡成形体を製造するために、スクリュ軸と、その回
    転駆動装置と、上記スクリュ軸を内蔵したシリンダと、
    シリンダに1 個あるいは複数設けられた発泡剤注入ノズ
    ルとを備えた押出し成形機において、スクリュ軸はスク
    リュネジ山を有する供給・溶融領域の終端に溶融したT
    PEの通過量調整用の環状ダム、その後にシリンダの内
    側に突出した注入ノズルによる水注入部、その後に円筒
    型剪断機構部及び混合機構部を備え、水注入部の直径と
    円筒型剪断機構部の直径は、前者に対して後者を同寸法
    か、好ましくは大にし、シリンダの後端に、各種の孔径
    の絞り孔を有する絞りリングを交換可能に保持するフロ
    ーガイドを内蔵し、後端に成形ダイを取換可能に固定し
    た押出しヘッドを連接したことを特徴とする熱可塑性エ
    ラストマーの発泡成形体を製造する押出し成形機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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