JP2001079290A - 電気洗濯機の吸水管内残留水排水器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】風呂水を洗濯水として利用する吸水ポンプを設
けた電気洗濯機の吸水管を巻き込み収納する時、吸水管
内残留水が意外に重く取り扱いに手間取り、また吸水管
の巻き込みの際、内圧と水位の変動により残留水が噴出
し、衣類や床を濡らすことが避けられなかった。更に季
節によっては残留水が腐敗して異臭を放ち、且つ微生物
による生成物が吸水口フィルタを目詰まりさせ、給水が
不能になることがあった。 【解決手段】排出器具（１）本体の内空腔（１ｄ）中央
部に、Ｏリング（５）を装着した弁板（３ｃ）の押しボ
タン軸（３ａ）を弁軸孔（１ｂ）に通して組み立て、排
出器具の外部に突出した押しボタンにスプリング（６）
を装填し、頭部リング（３ｂ）をナット（４）により緊
締してスプリングを圧縮定位する。排出器具底部の組立
用補助孔はプラグ（２）により閉止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、電気洗濯機に内
蔵された吸水ポンプと吸水管により風呂水を汲み上げて
使用する方式の洗濯機において、吸水管収納時に管内の
残留水を排出する器具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電気洗濯機の洗濯用水には一般に水道水
が用いられているが、風呂水を内蔵吸水ポンプと吸水管
によって汲み上げ使用する資源節約方式が普及してい
る。この方式の場合、水道水の硬度に比し入浴後の風呂
水は硬度が低く、洗濯水としてアルカリ性洗剤の洗浄性
が優れていることは公知である。洗濯終了後、吸水管を
リング状に巻き込み収納する際に、吸水管内の余水は放
出されないまま大部分の量が残留するため、吸水管は意
外に重く収納に手間取り、また巻込み中に管内水圧水位
の変動により残留水の一部が突然噴出し、作業者の衣服
を濡らしたり、床にあふれ出る不具合があった。

【０００３】特に梅雨期、夏期には、吸水管内に残留す
る入浴後の風呂水の有機物質が急速に腐敗して異臭を発
生し、腐敗した残留水が洗濯槽に一部ながら供給される
という非衛生的な欠陥もみられ、また一夜にして先端吸
込口フィルターに目詰まりが発生し、給水不能となった
例も報告されている。

【０００４】風呂水を吸水管を通して利用する電気洗濯
機の先行技術は多数あるが、吸水管内の残留水を積極的
に排出する機能を持ったものはなかった。下記の近似先
行技術は吸水ポンプ室内の残留水を凍結防止のため排出
する弁に関するものであり、吸水管内の残留水を排出す
る機能は有していない。特開平１０−８５４８８

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】これら吸水ポンプを装
着した洗濯機には次のような欠点があった。 （イ） 洗濯終了後吸水管を巻込み収納する際に残留水
が意外に重く、女性にとって取り扱いに難渋する。 （ロ） 収納に際し吸水管を巻込むとき、管内内圧と水
位の変化により吸水口から残留水が噴出し、着衣類や周
辺を濡らす欠点がある。 （ハ） 梅雨期、夏期には短期に吸水管内残留水が腐敗
し、腐敗臭が発生するうえ分解生成物である”ぬめり”
が付着する。 （ニ） 風呂水給水時に、吸水管内残留腐敗水や”ぬめ
り”が洗濯槽に給水されるという衛生的でない面があ
る。 （ホ） 吸入口フィルターが一夜にして腐敗生成物質に
より閉塞し、給水不能となる例がしばしば発生してい
る。 本発明は以上の欠点を解決するためになされたものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１においては、図
５に示すごとく排出器具（１）本体内空腔（１ｄ）よ
り、Ｏリング（５）を装着した弁板（３ｃ）の押しボタ
ン軸（３ａ）を弁軸穴（１ｂ）に通して組み立て、排出
器具（１）外部に突出した押しボタン軸（３ａ）にスプ
リング（６）を装填し、頭部リング（３ｂ）を取り付け
てスプリング（６）を圧縮定位し、ナット（４）により
固定する。本発明の第１項は以上の構成よりなる吸水管
内残留水排出器具である。

【０００７】請求項２においては図１０に示すごとく、
排出器具（１３）本体の中央部円錐孔に、円錐形３方切
替弁（１４）を水密Ｏリング（１５）、（１６）を介し
て嵌合装着して弁軸（１４ａ）上部に切替え取っ手（１
９）を嵌め込み、小ねじ（２０）により固定する。本発
明の第２項は以上の構成よりなる吸水管内残留水排出器
具である。

【０００８】請求項３においては、図１５に示すごと
く、排出器具（２１）の左圧着部（２１ｂ）の端面に０
リング（２３）を埋め込み、右圧着部（２１ｂ）にて挟
み、内部に装着した引っ張りスプリング（２２）によっ
て圧着挟止する。本発明の第３項は以上の構成よりなる
吸水管内残留水排出器具である。

【０００９】請求項４においては、図１９に示すごと
く、吸水管（７）、（７ａ）に装着した排出器具（２
５）の中央部段付き孔（３２）の座ぐり部に、Ｏリング
（２６）を装着し、排出器具（２５）にカラー（２７）
を摺動遊合するように嵌合する。本発明の第４項は以上
の構成よりなる吸水管内残留水排出器具である。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。請求項１においては図５によるごとく、 （イ） 排出器具（１）本体は円筒形又は多面立方体と
し、左右対称に吸水管（７）及び（７ａ）を接続する段
付き管継ぎ手（１ａ）を形成する。 （ロ） 排出器具（１）本体内部は図５に示すごとき内
空腔孔（１ｄ）を形成する。 （ハ） 押しボタン軸（３ａ）の下端に弁板（３ｃ）を
形成し、弁板にはＯリング（５）を装着する。 （ニ） 押しボタン軸（３ａ）を軸穴（１ｂ）に通し、
スプリング（６）を装填し、頭部リング（３ｂ）にて圧
縮定位し、ナット（４）により固定する。 （ホ） この時、弁板（３ｃ）は弁座（１ｃ）にＯリン
グ（５）を介して密着し水密を保つ。 （ヘ） 盲プラグ（２）を接着剤又はネジ込みにより嵌
め込み固定する。 （ト） 図１に示すごとく電気洗濯機の吸水ポンプの吸
水管に接続し、吸水管の巻取り前に押しボタン（３）を
押せば、吸水管内の残留水は吸水口より自然に放出され
る。

【００１１】請求項２における実施の形態は図１０によ
るごとく、 （イ） 排出器具（１３）本体は円筒形又は多面立方体
とし、左右対称にホース（７）及び（７ａ）を接続する
段付き管継ぎ手（１３ｄ）を形成する。 （ロ） 排出器具（１３）本体内部には図１０に示すご
とき円錐形の内腔孔を形成し、上面に軸穴（１３ｃ）、
側面に通気孔（１３ｂ）を穿孔する。 （ハ） Ｔ字状に通気孔を穿孔した円錐形３方切替弁
（１４）を排出器具（１３）の円錐腔にＯリング（１
５）、（１６）を介して気密に嵌入し、通気孔（１３
ｂ）と（１４ｂ）が半回転で整合する位置を定位する。 （ニ） 弁軸（１４ａ）を六角ナット（１８）と座金
（１７）により、円錐形３方切替弁（１４）が排出器具
（１３）本体と遊合する程度に緊締する。 （ホ） 弁軸（１４ａ）には切替え取っ手（１９）を開
閉記号に合わせて嵌め込み、小ネジ（２０）により固定
する。 （ヘ） 図１に示すごとく電気洗濯機の吸水ポンプの吸
水管に接続し、吸水管巻込み前に切替え取っ手（１９）
を排出位置に合わせれば、吸水管内の残留水は吸水口よ
り自然に放出される。

【００１２】請求項３における実施の形態は図１５によ
るごとく、 （イ） 排出器具（２１）本体は円筒形又は多面立方体
とし、一端に吸水管（７）又は（７ａ）を接続する段付
き管継ぎ手（２１ａ）を形成する。 （ロ） 内空腔は図示のごとく段付き中空腔（２１ｃ）
を穿孔加工する。 （ハ） 排出器具（２１）本体の管継ぎ手の反対面（２
１ｂ）にＯリング（２３）の取り付け溝を加工し、Ｏリ
ング（２３）を接着する。 （ニ） 同型排出器具（２１）を左右対称に組み合わせ
て、中空腔に引っ張りスプリング（２２）を組み込み、
左右器具をＯリング（２３）を介して圧着状態とする。 （ホ） 図１に示すごとく電気洗濯機の吸水ポンプの吸
水管に接続し、吸水管の巻込み前に左右排出器具（２
１）を折り曲げる時、突き合わせ部が図１６のごとく開
口し吸水管内の残留水は吸水口より自然に放出される。

【００１３】請求項４における実施の形態は図１９によ
るごとく、 （イ） 排出器具（２５）本体は円筒形又は多面立方体
とし、一端に吸水管（７）又は（７ａ）を接続する段付
き管継ぎ手（２４）、（３０）を形成する。 （ロ） 中央段付き孔（３２）は図２０のごとく、湾曲
した座面を有する段付き孔を穿孔加工する。 （ハ） 排出器具（２５）本体の中央段付き孔（３２）
座面にＯリング（２６）を座面の湾曲に合致させて接着
する。 （ニ） Ｏリング（２６）と排出器具（２５）外周を摺
動遊合するようにカラー（２７）を嵌合し、排出器具
（２５）とカラー（２７）の間をＯリング（２６）を介
して密閉状態とする。 （ホ） カラー（２７）は凸部（２８）を圧入するが、
凸部（２８）が排出器具（２５）の凹部（２８）と一致
したところで回転方向に自在に回転でき、且つ軸方向ス
ライドしないように組み立てられる。 （ホ） 図１９に示すごとく電気洗濯機の吸水ポンプの
吸水管に接続し、図２２に示すごとく吸水管の巻込み前
にカラー（２７）を密閉位置から排出位置に合わせれ
ば、通気孔（３３）から大気が侵入し、吸水管内の残留
水は吸水口より自然に放出される。

【００１４】

【発明の効果】本発明を使用することにより、洗濯終了
後、吸水管をリング状に巻込み収納する際に、吸水管内
の残留水は自然に流出して軽量となり、管内残留水の噴
出による衣服への被水や漏出がなくなり、収納は容易と
なる。二次的には、吸い込みフィルタの目詰まりも発生
しにくくなり、梅雨期、夏期等には、吸水管内の残留水
の腐敗や、異臭を発生も防止でき、非衛生的な欠陥の改
善を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明品の使用位置を示す配置図。

【図２】請求項１の平面図。

【図３】請求項１の正面図。

【図４】請求項１の側面図。

【図５】請求項１の組立断面図。

【図６】請求項１の動作説明断面図

【図７】請求項２の平面図。

【図８】請求項２の正面図。

【図９】請求項２の側面図。

【図１０】請求項２のＡ−Ａ’断面図。

【図１１】請求項２のＢ−Ｂ’断面図。

【図１２】請求項２の動作説明図。

【図１３】請求項３の平面図。

【図１４】請求項３の側面図。

【図１５】請求項３のＡ−Ａ’断面図。

【図１６】請求項３の動作説明図。

【図１７】請求項４の正面図。

【図１８】請求項４の側面図。

【図１９】請求項４の組立断面図。

【図２０】請求項４の組立Ａ−Ａ’断面図。

【図２１】請求項４の動作説明断面図。

【図２２】請求項４の動作説明Ｂ−Ｂ’断面図。

【符号の説明】

１ 排出器具 １ａ 管継手 １ｂ 軸孔 １ｃ 弁座 １ｄ 内空腔 ２ 盲プラグ ３ 押しボタン ３ａ 押しボタン軸 ３ｂ 頭部リング ３ｃ 弁板 ４ ナット ５ Ｏリング ６ スプリング ７ 吸水管 ７ａ 吸水管 ８ 吸水ポンプ ９ 吸水口フィルタ １０ 電気洗濯機 １０ａ 収納箱 １１ 洗濯槽 １２ 風呂 １２ａ 風呂水 １３ 排出器具 １３ａ 内空腔 １３ｂ 通気孔 １３ｃ 軸孔 １３ｄ 管継手 １４ 円錐形３方切替弁 １４ａ 弁軸 １４ｂ 通気孔 １５ Ｏリング １６ Ｏリング １７ 座金 １８ 六角ナット １９ 切替え取っ手 ２０ 小ねじ ２１ 排出器具 ２１ａ 管継手 ２１ｂ パッキング座面 ２１ｃ 内空腔 ２２ 引っ張りスプリング ２３ Ｏリング ２４ 管継手 ２５ 排出器具 ２６ Ｏリング ２７ カラー ２８ 凸部 ２９ 凹部 ３０ 管継手 ３１ 内空腔 ３２ 段付き孔 ３３ 通気孔

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】図１、図５に示すごとく、風呂（１２）内
   に残った風呂水（１２ａ）を洗濯水として利用する吸水
   ポンプ（８）を設けた電気洗濯機（１０）において、洗
   濯槽（１１）内に給水し終わった、吸水管（７）を収納
   箱（１０ａ）に収納する時、給水ポンプ（８）に近い位
   置に装着した排出器具（１）の押しボタン（３）を押し
   込むと、スプリング（６）により弁座（１ｃ）に圧着さ
   れていたＯリング（５）を装着した弁板（３ｃ）が下が
   り、弁座（１ｃ）に間隙を生じ、押しボタン軸（３ａ）
   と軸穴（１ｂ）との隙間を通して排出器具内空腔（１
   ｄ）内の流水部が大気と導通し、吸水管（７）、（７
   ａ）内の残留水が吸水口フィルタ（９）より自然に流下
   排出することを目的とした、金属又は機能性合成樹脂を
   用いて製作した電気洗濯機の吸水管内残留水排出器具。
2. 【請求項２】図１０において、吸水管（７）、（７ａ）
   に装着した排出器具（１３）の中央部円錐孔に、Ｏリン
   グ（１５）、（１６）を装着した円錐形３方切替弁（１
   ４）を嵌合し、弁軸（１４ａ）には切替え取っ手（１
   ９）を嵌め込み、小ねじ（２０）により固定する。弁の
   位置を図１２に示すごとく閉止位置から排出位置に半回
   転することにより、吸水管（７）、（７ａ）の内部と大
   気とが導通する通気孔（１３ｂ）と（１４ｂ）が合致
   し、吸水管（７）、（７ａ）内の残留水が吸水口フィル
   タ（９）より自然に流下排出することを目的とした、請
   求項１記載の吸水管内残留水排出器具。
3. 【請求項３】図１５において、吸水管（７）、（７ａ）
   に装着した排出器具（２１）を左右圧着部（２１ｂ）の
   一方に装着したＯリング（２３）を挟んで対位せしめ、
   排出器具（２１）内空腔（２１ｃ）に組み込んだんだ引
   っ張りスプリング（２２）により水密Ｏリング（２３）
   を圧着挟止する。排出器具左右部（２１）を図１６に示
   すごとく屈曲することによりパッキング座面（２１ｂ）
   に間隙が生じ、排出器具内空腔（２１ｃ）が大気と導通
   し、吸水管（７）、（７ａ）内の残留水が吸水口フィル
   タ（９）により自然に流下排出することを目的とした、
   請求項１記載の吸水管内残留水排出器具。
4. 【請求項４】図１９において、吸水管（７）、（７ａ）
   に装着した排出器具（２５）の中央段付き孔（３２）の
   座ぐり部に、Ｏリング（２６）を装着し、排出器具（２
   ５）にカラー（２７）を摺動遊合するように嵌合する。
   カラー（２７）の回転方向位置を図２１、図２２に示す
   ごとく閉止位置から排出位置におおむね４５度回転する
   ことにより、吸水管（７）、（７ａ）の内部と大気とが
   導通する通気孔（３３）と中央段付き孔（３２）が合致
   し、吸水管（７）、（７ａ）内の残留水が吸水口フィル
   タ（９）より自然に流下排出することを目的とした、請
   求項１記載の吸水管内残留水排出器具。