JPH10137146A - 排水口と利水口のある水槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は浴槽などの水槽の水を排水口から
捨てずに有益な目的に利用するためになされた。 【構成】 浴槽などの水槽の底部に従来の排水口のほ
かに、利水口と開閉弁、利水道管を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は水槽に関する。さら
に詳しくは浴槽、台所の洗い桶、洗濯槽などに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の水槽の類の浴槽、洗い桶、洗濯槽
などは一個の排水口を備えていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】水槽などの一個の排水
口では、廃水を他の目的に利用したいと考えても、多く
の場合排水口が下水管や排水路に直結している場合は、
利用不可能だった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】排水穴を二個以上設け
て、その中の少なくとも一個は廃水の排水口として使用
し、他の排水穴を利水目的に使用して、廃水を従来のよ
うに下水管などへ流す一方において、他の目的にも使用
できるよう選択可能とした。

【０００５】

【発明の実施の形態】例を上げれば、浴槽の底部に少な
くとも二個以上の排水穴を設ける。その中の少なくとも
一個は従来通り通常の排水口として使い、廃水を下水管
もしくは排水路などに排水し、他の排水穴はあえて利水
口と呼称し、排水後の水を他の有用な目的に使用可能と
した。利水口は開閉弁により必要なとき開閉し利水道管
に導水して植本・花壇・畑などに撒水することもでき
る。排水口と利水口の呼称上の区別はあるが、実際上の
区別はなくサイズも特に指定はないから、どれを、どち
らに使用してもよい。

【０００６】浴槽の設置場所が一階の場合は、そう高い
落差が望めないので、より低い屋外の庭や畑の水遣りな
どに使用すればよいのだが、必要に応じてポンプも使用
できる。浴槽設置場所が２階などの高い場所ならば、落
差による強い水圧が確保できるので上記の水遣りは勿
論、水洗便所や洗濯水などにも容易に分水して使用可能
となる。

【０００７】

【実施例】以下、図面に示す実施例により本発明を詳細
に説明する。図１は本発明の”排水口と利水口のある水
槽”を浴槽に置き換えて説明する概略説明図である。本
発明を実施するにあたり、水槽、例えば浴槽１の底部２
に少なくとも二個の排水穴を必要とする。その中の一個
は従来通り通常使用してきた排水口３として使用するた
め従来通り排水管５を経て下水管もしくは排水路６に連
結する。排水する必要がある時、底部２の排水口３の栓
４を抜き廃水を捨てる。これは、従来行われてきた一般
の習わしと同じである。

【０００８】本発明で問題になるのは、二個目からの排
水穴である。排水穴の個数は二個以上何個でも浴槽１の
大きさや、排水を利用する利水目的・利水規模によって
決めればよい。

【０００９】本発明において、顕著な点は二個目からの
排水穴を、あえて利水口７と呼称することである。何故
ならば、従来は排水するしか選択の余地のなかった廃水
を本発明では生かして有効に利用する、つまり利水しよ
うとしているからである。

【００１０】利水口７からの廃水の制御は開閉弁８で操
作する。開閉弁８の位置は利水道管９の適宜な場所でよ
い。利水道管９は寸法や目的で適宜活用する。利水目的
は植本や草花の鉢、水洗便所、畑等で挙げたが、その他
何でも多種多様でよい。

【００１１】図２は浴槽１からの排水管５が下水管もし
くは排水路６に連結されている状態と利水道管９が庭先
の植木１０と草花の鉢１１に撒水している状態を表わし
た概略配置図である。開閉弁８の位置は室内でも室外で
も随意である。また、利水道管９のｙ字型分岐点には、
分岐弁（図示せず）を設けてもよい。また、利水道管９
上には利水の迅速さや、高所に送水するためのポンプ
（図示せず）を設けてもよい。

【００１２】図３は二階に浴槽１が配置されている家屋
の実施例である。浴槽１の底部２の一個目の排水穴を排
水口３として使用し、排水管５を経て下水管もしくは排
水路６に連結した。二個目の排水穴は利水口７として一
階の水洗便所１２の給水用に利水可能とした実施例を示
す。三個目の排水穴からは利水口７として廃水を利水道
管９により屋外に導き、給水栓１３より利水可能とした
実施例である。これらの場合は、二階からの落差による
水圧を利用しているので、ポンプは必要としない。

【００１３】図４は一階と二階に浴槽１を有する家屋の
実施例を示す。二階の浴槽１は一個目の廃水穴を排水口
３として廃水を排水管５を経由して下水管もしくは排水
路６に排水し、二個目の排水穴は利水口７として一階の
水洗便所１２に給水のため利水し、三個目の排水穴は利
水口７から利水道管９を経由して屋外の貯水タンク１４
に蓄えられるようにした図を示す。

【００１４】一階の浴槽１の廃水は排水口３から排水管
５を経由して排水され、利水口７からは利水道管９を経
由して貯水タンク１４に導かれて蓄えられるようにし
た。貯水タンク１４からはポンプ１５を使用してホース
１６により利水されるようなっている。なお、蓄えられ
た水は一杯になると溢水弁（図示せず）より溢れて排水
するようになっているので、家庭が常時風呂を使って、
利水口７を利用して廃水を蓄えておけば、常時万水も可
能である。蓄えられた廃水は、平常時の利水のみなら
ず、火災や震災用の非常時用水も容易に確保しておくこ
とができて安心である。貯水の防腐対策や濾過技術（本
発明の主題でないので言及せず）も進歩しているので飲
料水としても充分使用可能である。

【００１５】図５は浴槽１からの取水に量的に満足でき
ない場合は、台所や洗濯廃水の比較的綺腫な濯ぎ水など
を取水可能とした実施例の概略図である。台所の洗い桶
１７からの廃水は汚れている場合は取水せず洗い桶用排
水口１８の直下の洗い桶用三方弁１９から排水管５を経
由して下水管もしくは排水路６に直接排水される。しか
し、台所の濯ぎ水などの比較的綺麗な廃水は洗い桶用三
方弁１９をこの図の場合、時計方向９０度回転させるこ
とによって利水道管９に方向転換可能となる。方向転換
後の廃水は利水道管９を経由して貯水タンク１４に蓄え
られる。

【００１６】同じく図５の２０は洗濯槽である。洗濯槽
２０の中の汚水は洗濯槽用排水口２１を経由して、排水
管５に流れ排水される。洗濯の最終段階の比較的綺麗な
廃水は、直下の洗濯槽用三方弁２２を、この図の場合時
計方向に９０度回せば利水管９に流れて貯水タンク１４
に蓄えられる。なお、貯水せず直接利水してもよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明に係る水槽の利水口を利用して、
従来は捨てていた廃水が生かされて利用できるようにな
った効果は、乾燥期の水不足対策に極めて有効。震災時
の非常用水にも最適。一般家庭の水道料金節減などの直
接効果にとどまらず、国家的にも水資源の有効活用の面
で特筆すべきものがある。特に強調したいのは、大都市
ほど廃水資源が多いので、実行に移せば都市住民にとっ
ては、朗報でもある。上水道を使用する度合が減れば、
それだけ貯水池を造ったことになるからである。

【００１８】なお、斯かる貯水方法は、降雨がなければ
役立たない天水利用の貯水タンクなどよりも、極めて効
果的である。人間が生活している以上、水道水や井戸水
は不足していても必ず出て、使用後は捨てられる筈であ
る。浴場や台所や洗濯場は人間生活が営まれていく限り
決して無くなりはしない。天水は何十日も待たなければ
ならない事があっても、尽きることが無い浴場、台所、
洗濯場の廃水の方が毎日蓄えられ易い。

【００１９】図５の如く、浴場の廃水のみならず台所廃
水や洗濯の際の比較的きれいな廃水も、利水道管９に流
れるようにしておけば、これからも、一層の効果が期待
できるばかりか、都市生活の安心が買える。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本発明の実施例の側面からの断面概略図。

【図２】は本発明を応用した実施例の説明図。

【図３】は本発明を応用した実施例の説明図。

【図４】は本発明を応用した実施例の説明図。

【図５】は本発明を台所や洗濯場の水槽に応用した実施
例の説明図。

【符号の説明】

１ ： 浴槽 ２ ： 底部 ３ ： 排水口 ４ ： 栓 ５ ： 排水管 ６ ： 下水管もしくは排水路 ７ ： 利水口 ８ ： 開閉弁 ９ ： 利水道管 １０ ： 植木 １１ ： 草花の鉢 １２ ： 水洗便所 １３ ： 給水栓 １４ ： 貯水タンク １５ ： ポンプ １６ ： ホース １７ ： 台所の洗い桶 １８ ： 洗い桶の排水口 １９ ： 洗い桶用三方弁 ２０ ： 洗濯槽 ２１ ： 洗濯槽用排水口 ２２ ： 洗濯槽用三方弁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ２個以上の排水穴を設けて、その中の少なくとも１個を
   廃水の排水口として使用し、他を利水口として使用出来
   る水槽。