JP2001079032A - パップ用支持体およびパップ剤 - Google Patents

パップ用支持体およびパップ剤

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JP2001079032A
JP2001079032A JP25999699A JP25999699A JP2001079032A JP 2001079032 A JP2001079032 A JP 2001079032A JP 25999699 A JP25999699 A JP 25999699A JP 25999699 A JP25999699 A JP 25999699A JP 2001079032 A JP2001079032 A JP 2001079032A
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Takanori Isozaki
孝徳 磯崎
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Yasuaki Araida
康朗 新井田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬物や精油などの薬効成分の揮散量を抑え、
優れた薬効成分保持性を有し、かつ優れた湿布効果持続
性を有し、さらにまた適度の粘着性を有するPVA不織
布からなるパップ用支持体およびパップ剤を提供するこ
と。 【解決手段】 35℃の水中での溶出率が2〜30重量
%であり、かつ通気度が10cc/cm2/秒以下であるポ
リビニルアルコール不織布基布からなるパップ用支持体
および該支持体に薬効成分を含有させたパップ剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール(以下PVAと記載する場合がある)不織布からな
るパップ用支持体およびパップ剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のパップ剤は不織布やリント布など
の支持体に膏体を展延し、膏体表面をポリエチレンなど
のプラスチックフィルムで被覆し、使用に適した大きさ
にカットしたものが用いられている。この膏体は、含水
率を向上させるためにメチルセルローズやポリアクリル
酸ナトリウムなどの水溶性高分子を添加し、皮膚への密
着性が良いように粘着性を有しており、治療目的に応じ
た薬物や精油成分が添加されている。このパップ剤は安
定した形で水分を含んでおり皮膚の角質層を水和するこ
とにより薬物を経皮吸収しやすくする役割を果たしてい
る。また、面積当たりの膏体塗布量を多くできたり、か
ぶれなどの副作用を起こしにくいなどの利点を有するた
め、様々な治療目的で使用されることが多くなってき
た。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】しかし、従来のパップ
剤の膏体は、水分の後添加により湿布効果を持続させる
ことが困難であり、また薬物や精油成分による鎮痛効果
は十分であるが、薬物や精油成分は水に溶けにくいため
膏体から分離しやすく蒸気圧も高いため揮散しやすいと
いう問題点があった。
【0004】本発明は、薬物や精油などの薬効成分の揮
散量を抑え、優れた薬効成分保持性を有し、かつ水分の
後添加による優れた湿布効果持続性を有し、さらにまた
適度の粘着性を有するPVA不織布からなるパップ用支
持体およびパップ剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、35℃の水
中での溶出率が2〜30重量%であり、かつ通気度が1
0cc/cm2/秒以下であるPVA不織布からなるパップ
用支持体および該支持体に薬効成分を含有させたパップ
剤を提供することによって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のパップ用支持体に使用す
る不織布は、適度の粘着性、薬効成分の優れた保持性、
水分の後添加による湿布効果の持続性の点から、35℃
の水中で2〜30重量%の溶出率を有することが重要で
ある。2重量%未満では含水時にも粘着性を充分発現し
ないし、また30重量%を超えると粘着性が高すぎてべ
とつきを感じ、薬効成分の保持性も低下する。好適な溶
出率は、3〜27重量%である。ここで、溶出率とは、
不織布(2×2cm)を35℃の攪拌水中(2リットル
ビーカー、回転子4cm、回転速度250rpm)に3
分間入れたときの、測定値{100−(3分後の不織布
の乾燥重量/水中へ入れる前の不織布の乾燥重量)×1
00}である。溶出率は、不織布の熱処理条件、熱エン
ボス加工条件、熱カレンダー処理条件、PVAの重合度、
けん化度、オレフイン等による変性度、配合する可塑剤
の水溶解度などを適宜選択することにより調整すること
ができる。
【0007】また、本発明に使用する不織布は、薬効成
分の保持性の点から、不織布の単位目付当りの通気度は
10cc/cm2/秒以下であることが重要である。通気度
が10cc/cm2/秒を超えるものは、薬効成分の保持性
が低下する。好適な通気度は、5cc/cm2/秒以下であ
り、さらに好ましくは3cc/cm2/秒以下である。下限
値については0.01cc/cm2/秒以上であることが好
ましく、さらに好適には0.1cc/cm2/秒以上であ
る。また、薬効成分の保持性および皮膚との密着性の点
から、不織布を構成する繊維の平均繊維径は20μm以
下であることが好ましく、10μm以下がさらに好まし
い。通気度は、熱エンボス加工条件、熱カレンダー処理
条件、不織布の密度、不織布の製法などを適宜選択する
ことにより調整することができる。
【0008】本発明の不織布を構成するPVAとは、ポ
リビニルアルコールのホモポリマーおよび、共重合、末
端変性、および後反応により官能基を導入した変性ポリ
ビニルアルコールも包含する。
【0009】本発明の不織布を構成するPVAは、ビニ
ルエステル系重合体のビニルエステル単位を鹸化するこ
とにより得られる。ビニルエステル単位をポリマー中に
導入するためのビニル化合物単量体としては、ギ酸ビニ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニ
ル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバ
ーサティック酸ビニル等が挙げられ、これらの中でもP
VAを得る点からは酢酸ビニルが好ましい。
【0010】本発明の不織布を構成するPVAは、ビニ
ルアルコール単位及びビニルエステル単位以外の単量体
単位を含有している事が好ましい。このような単位とし
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテ
ン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、アクリル酸お
よびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル等のア
クリル酸エステル類、メタクリル酸およびその塩、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n
−プロピル、メタクリル酸i−プロピル等のメタクリル
酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルメタクリル
アミド、n−エチルメタクリルアミド等のメタクリルア
ミド誘導体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニ
ルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエー
テル類、エチレングリコールビニルエーテル、1,3−
プロパンジオールビニルエーテル、1,4−ブタンジオ
ールビニルエーテル等のヒドロキシ基含有のビニルエー
テル類、アリルアセテート、プロピルアリルエーテル、
ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のア
リルエーテル類、オキシアルキレン基を有する単量体、
ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、酢酸イ
ソプロペニル、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン
−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテ
ン−1−オール、9−デセン−1−オール3−メチル−
3−ブテン−1−オール等のヒドロキシ基含有のα−オ
レフィン類、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無
水マレイン酸、無水トリメリット酸または無水イタコン
酸等に由来するカルボキシル基を有する単量体;エチレ
ンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸等に由来するスルホン酸基を有する単量体;ビニロキ
シエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキ
シメチルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチルト
リメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミド
ジメチルアミン、アリルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、
ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミン等に由来す
るカチオン基を有する単量体が挙げられる。これらの単
量体の含有量は、通常25モル%以下である。
【0011】これらの単量体の中でも、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン等のα
−オレフィン類、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピル
ビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニル
エーテル類、エチレングリコールビニルエーテル、1,
3−プロパンジオールビニルエーテル、1,4−ブタン
ジオールビニルエーテル等のヒドロキシ基含有のビニル
エーテル類、アリルアセテート、プロピルアリルエーテ
ル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等
のアリルエーテル類、オキシアルキレン基を有する単量
体、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オー
ル、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1−オ
ール、9−デセン−1−オール、3−メチル−3−ブテ
ン−1−オール等のヒドロキシ基含有のα−オレフィン
類に由来する単量体が好ましい。
【0012】とくに、薬効成分の保持性、メルトブロー
ン法による不織布の製造の容易性の点から、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、イソブテンの炭素数4以下の
α−オレフィン類、メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピ
ルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル類がより好ましい。炭素数4以下のα−オレ
フィン類および/またはビニルエーテル類に由来する単
位は、PVA中に0.1〜25モル%存在していること
が好ましく、0.2〜15モル%が更に好ましく、0.
3〜13モル%が特に好ましい。
【0013】本発明で使用されるPVAは、ビニルエス
テル、またはビニルエステルとこれと共重合しうる単量
体を、溶液重合、バルク重合、パール重合または乳化重
合などにより、ポリビニルエステルを製造し、次いで加
水分解することにより得られる。重合法としては、無溶
媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合する塊状重合
法や溶液重合法が好適である。溶液重合のアルコール系
溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げられ、
重合開始剤としては、α,α'-アゾビスイソブチロニト
リル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロ
ニトリル)、過酸化ベンゾイル、n−プロピルパーオキ
シジカーボネートなどのアゾ系開始剤または過酸化物系
開始剤などの公知の開始剤が挙げられる。重合温度につ
いては特に制限はないが、0℃〜200℃の範囲が適当
である。また、加水分解法としては、アルカリまたは酸
の存在下に加水分解する方法が挙げられる。
【0014】さらに、本発明に用いられるPVAには、
不織布の柔軟性を付与するため、また溶出率を調節する
ため可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
PVAのガラス転移点や溶融粘度を低下させうる化合物
であれば特に制限はないが、例えば、水、エチレングル
コール及びそのオリゴマー、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、およびそのオリゴマー、ポリグ
リセリンやグリセリン等にエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド等が付加したグリセリン誘導体、ソルビ
トール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。中でも
グリセリン、エチレングルコール、プロピレングリコー
ル、ソルビトール、ペンタエリストール等の多価アルコ
ール及びその誘導体が好適に使用される。可塑剤の添加
量に制限はないが、PVA100重量部に対して、0.
01〜10重量部の範囲で可塑剤を添加することが好ま
しい。水溶解度の大きい可塑剤を使用する場合は、溶出
率は大きくなり、水溶解度の小さい可塑剤を使用する場
合は、溶出率は小さくなる傾向がある。
【0015】また本発明の目的や効果を損なわない範囲
で、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、難燃剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤を重合反
応時、またはその後の工程で添加する事ができる。
【0016】さらに、繊維の紡糸性を良くするため、必
要に応じて平均粒子径が500nm以下の微粒子を0.
1〜5重量%、重合反応時、またはその後の工程で添加
することができる。微粒子の種類は特に限定されず、例
えばシリカゲル(コロイダルシリカ)、乾式法シリカ、
酸化アルミニウムを含有する乾式法シリカ、粒子表面に
アルキル基を有しかつ粒子表面にシラノール基を封鎖し
た乾式法シリカ、アルミナゾル(コロイダルアルミ
ナ)、酸化チタン、炭酸カルシウムおよびそのゾル(コ
ロイダル炭酸カルシウム)等の不活性微粒子;リン化合
物と金属化合物とをPVAの重合反応系で反応析出せし
めた内部析出微粒子などをあげることができる。特に平
均粒子径が15〜70nmのシリカが好ましい。
【0017】本発明のPVA不織布の製造方法として
は、従来公知の方法が用いられが、例えば、溶融成形法
によるメルトブローン法やスパンボンド法などの直接不
織布化する方法、あるいは溶融紡糸や湿式押出法でポリ
ビニルアルコール繊維を形成した後で不織布化する方法
などが挙げられる。とくに、通気度を容易に調整できる
点から、メルトブローン法による不織布化が好ましい。
【0018】また、本発明のPVA不織布は、一部ある
いは全ての繊維を熱圧着することにより繊維間の接着力
を向上させ、不織布強度の向上させるとともに、溶出
率、通気度を調整することができる。ここで熱圧着とし
ては、熱エンボス加工、熱カレンダー処理などが好適な
ものとしてあげられる。とくにメルトブローン不織布を
使用する場合は、それを構成する繊維は、そのウェブ形
成時の繊維同士の接着度合いが低いため、ウェブの繊維
が引き抜かれる形で破断する場合があるが、熱エンボス
加工や熱カレンダーなどの熱圧着によって繊維同士を部
分的にあるいは全面に渡って固定することでウェブ強度
を向上させることができる。熱圧着法としては、通気性
の調整が容易なことから、熱カレンダー処理がより好適
である。熱圧着における加熱ロールの温度、時間、圧
力、エンボスロール模様等は目的に応じて適宜選択する
ことができるが、熱ロール温度は40〜160℃、さら
には60〜130℃の範囲から、熱ロール速度は5〜1
20m/分、さらには10〜80m/分の範囲から、また
熱ロール線圧は10〜50Kg/cm、さらには15〜
40Kg/cmの範囲から選ぶことが好適である。本発
明の不織布を構成するPVA系繊維は、水に対して活性
であって水の存在下では見かけの融点が低下することか
ら、水を付与した後で熱圧処理を行う場合には、加熱ロ
ールの温度を下げることが可能である。
【0019】本発明のPVA不織布からなるパップ用支
持体に薬効成分を含有させる方法に限定はない。薬効成
分液に不織布を含浸する方法、薬効成分液をコートする
方法、薬効成分液をスプレーする方法、薬効成分液をポ
リビニルアルコール不織布の製造原液に添加する方法な
ど任意の方法が用いられる。該有効成分液には薬剤や精
油成分の他にゼラチン、ポリビニルアルコール、メチル
セルロース、ポリアクリル酸ナトリウムなどの水溶性高
分子や、カオリン、亜鉛華、二酸化チタンなどの無機充
填剤や、グリセリン、プロピレングリコール、水などの
湿潤剤や、アルデヒドなどの架橋剤を添加しても構わな
い。また、本発明のPVA不織布からなるパップ剤は一
層である必要はなく、同一の不織布または他の不織布を
積層して用いることもできる。また、例えば薬効成分を
含有する不織布の両面あるいは片面にプラスチックフィ
ルムを貼り合わせても良い。フイルムとしては、通常ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのフィ
ルムが用いられる。本発明においては、治療目的に応じ
て、通気度を調整すれば良いが、皮膚に接する面の通気
度が外気に接する面の通気度より高いことがより好まし
い。
【0020】
【実施例】次に本発明を具体的に実施例で説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の部及び%は断りのない限り重量を示す。
【0021】[通気度の測定]JIS L1096
「一般織物試験方法」のA法に準拠して、フラジール試
験機にて測定した。
【0022】[平均繊維径の測定]走査型電子顕微鏡を用
いて、不織布の表面を1000倍に拡大した写真を撮影
し、この写真に2本の対角線を引き、この対角線と交わ
った繊維の太さを倍率換算した値を用いた。そして、そ
れら繊維の100本の平均値を平均繊維径として用い
た。ただし、該当する繊維が不鮮明であったり、複数本
重なるなどして1本の繊維径を測定できない場合は、測
定対象から除外した。
【0023】[粘着性]5×5cmのサンプルの粘着性測
定面を上にして台上に置き、水をスプレーした。その上
に直径30mmの円柱状の金属製分銅を乗せて5分間し
た。その後分銅を持ち上げ、分銅がサンプルから剥がれ
る際の強度をバネばかりで測定した。
【0024】[薬効成分保持性]官能テストとして、薬効
成分による刺激の強さを評価した。10名の被験者にサ
ンプルを前腕表部に貼付し、10分後の刺激の強さを3
段階で評価させ、平均を求めた。(○:非常に強い、
△:強い、×:弱い)。なお、テストは、サンプルを製
造後、1日間放置してから行った。
【0025】実施例1 重合度350、鹸化度99.5モル%、エチレン変性量
10モル%のポリビニルアルコール樹脂を原料として作
成したメルトブローン不織布の片面を熱ロール温度12
0℃、もう片面を熱ロール温度60℃で、さらに熱ロー
ル線圧35Kg/cm、熱ロール速度20m/分でカレ
ンダー処理を行った。この不織布の通気度および平均繊
維径を表1に示す。得られた不織布を35℃の撹拌水中
に入れ、3分後の溶出率を求めた。また、dl−カンフ
ル1%、サリチル酸メチル1%、ポリビニルアルコール
5%、グリセリン30%、カオリン17%からなる水溶
液に、前記不織布を浸漬して24時間風乾後に、水分を
スプレーで付与して、60℃でカレンダー処理した面の
粘着性(初期)を調べた。さらに1週間風乾後に水分を
スプレーして付与して同面の粘着性(1週間後)を調べ
た。また、薬効成分の保持性を官能テストで調べた。以
上の結果を表1に示す。表中、初期の粘着性と1週間後
の粘着性との差が小さいほど、水分の後添加による湿布
効果の持続性が優れていることを示している。
【0026】実施例2 重合度1750、鹸化度99.9モル%のポリビニルア
ルコール樹脂を原料として湿式紡糸した繊維で乾式不織
布を作成し、片面を熱ロール温度150℃、もう片面を
熱ロール温度70℃で、熱ロール線圧30Kg/cm、
熱ロール速度10m/分でカレンダー処理を行った。こ
の不織布の通気度および平均繊維径を表1に示す。ま
た、それ以外の評価を実施例2と同様に行い、その結果
を表1に示す。なお。粘着性は、70℃でカレンダー処
理した面を測定した値である。
【0027】実施例3 重合度350、鹸化度99.5モル%、エチレン変性量
10モル%のポリビニルアルコール樹脂を原料として作
成したメルトブローン不織布を100℃の空気中で3分
間熱処理を行った。そして、dl−カンフル1%、サリ
チル酸メチル1%、ポリビニルアルコール5%、グリセ
リン30%、カオリン17%からなる水溶液に、前記不
織布を浸漬して24時間風乾した。その後、浸漬処理し
ていない2枚の不織布の片面を120℃、ロール線圧3
0Kg/cm、ロール速度30m/分でカレンダー処理
を行った。そして浸漬処理した不織布の両面に、片面を
カレンダー面を内側で、もう片側をカレンダー面外側に
してポリビニルアルコール水溶液を接着剤として張り合
わせを行った。この不織布の通気度および平均繊維径を
表1に示す。得られた不織布を35℃の撹拌水中に入
れ、3分後の溶出率を求めた。さらに水分をスプレーで
付与して粘着性(初期)を調べ、さらに1週間風乾後に
水分をスプレーして付与して粘着性を調べた。また、薬
効成分の保持性を官能テストで調べた。以上の結果を表
1に示す。なお、粘着性は、カレンダー処理しなかった
面を測定した値である。
【0028】比較例1 120℃と60℃でカレンダー処理を行わない以外は実
施例1と同様にして不織布を得、評価を行った。結果を
表1に示す。
【0029】比較例2 両面を120℃でカレンダー処理を行う以外は実施例1
と同様にして不織布を得、評価を行った。結果を表1に
示す。
【0030】比較例3 dl−カンフル1%、サリチル酸メチル1%、ゼラチン
22%、ポリビニルアルコール5%、メチルセルロース
5%、グリセリン30%、カオリン17%、ポリアクリ
ル酸ナトリウム1%、ポリブテン3%からなる膏体を綿
布にコーティングして粘着性を調べた。さらに1週間風
乾後に水分をスプレーして付与して粘着性を調べた。ま
た、薬効成分の保持性を官能テストで調べた。以上の結
果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、実施例1〜3で
は、適度の粘着性を有し、水分の後添加による優れた湿
布効果の持続性を有し、さらにまた優れた薬効成分保持
性を有しているが、比較例1では、湿布効果の保持性は
あるものの、粘着性が高すぎてべとつきを感じ、また薬
効成分の保持性は悪く、また比較例2では、薬効成分保
持性は優れているものの、粘着性がなく、さらにまた比
較例3(従来品)では、水分の後添加による湿布効果の
持続性は悪く、薬効成分保持性も不十分である。
【0033】
【発明の効果】薬物や精油などの薬効成分の揮散量を抑
え、優れた薬効成分保持性を有し、かつ水分の後添加に
よる優れた湿布効果持続性を有し、さらにまた適度の粘
着性を有するPVA不織布からなるパップ用支持体およ
びパップ剤が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 35℃の水中での溶出率が2〜30重量
    %であり、かつ通気度が10cc/cm2/秒以下であるポ
    リビニルアルコール不織布からなるパップ用支持体。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールが、炭素数4以下
    のαオレフィン単位および/またはビニルエーテル単位
    を0.1〜25モル%含有する変性ポリビニルアルコー
    ルである請求項1に記載のパップ用支持体。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコールが、エチレン単位
    を3〜20モル%含有する変性ポリビニルアルコールで
    ある請求項2に記載のパップ用支持体。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコール不織布が、熱圧着
    処理されている請求項1〜3のいずれかに記載のパップ
    用支持体。
  5. 【請求項5】 ポリビニルアルコール不織布が、メルト
    ブローン不織布である請求項1〜4のいずれかに記載の
    パップ用支持体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の支持体
    に薬効成分を含有させたパップ剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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