JP2001078726A - 天然寒天の製造方法 - Google Patents

天然寒天の製造方法

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JP2001078726A
JP2001078726A JP25402399A JP25402399A JP2001078726A JP 2001078726 A JP2001078726 A JP 2001078726A JP 25402399 A JP25402399 A JP 25402399A JP 25402399 A JP25402399 A JP 25402399A JP 2001078726 A JP2001078726 A JP 2001078726A
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agar
drying
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steam
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JP25402399A
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Sachiko Muramatsu
幸子 村松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、寒天製造において、品質を保持し
た上で効率的かつ衛生的に寒天を製造する方法の開発を
課題とする。 【解決手段】 紅藻類をネット容器に入れ高圧噴射装置
で洗浄し、圧力釜により煮溶かした後、冷却固化し低温
除湿乾燥装置により乾燥して寒天を製造する方法によっ
て、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寒天の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の寒天の製造方法は、採取したテン
グサ類を洗浄してから釜にて煮溶かし、それを布袋に入
れて石の重みをかけて漉し出し、これを箱に入れて自然
に固化し、固化したところで適宜の大きさに切断して、
角状や細切りにして形状を整え、これを厳冬期に屋外に
て凍結させる。固化状の寒天から水溶性物質が出て表面
で結氷しこれを天日で乾かし、数日間繰り返す事によっ
て乾燥寒天が得られる、と云う手法が今日まで700年
来引き継がれているのが現在の寒天製造技術である。
【0003】これを更に詳細に述べると、寒天の原料と
なるテングサを含む主要原藻は国内外各地から加工地へ
乾燥状態で運ばれ貯蔵される。これを適量の流水の洗浄
槽において洗浄し、ゴミや岩礁屑、石屑等の不純物を洗
い落とし、鋳鉄製の丸い筒状の釜に収納する。この釜の
底部にはボイラーからの蒸気配管がなされ、ボイラーか
ら直接130℃前後の蒸気が供給されその蒸気の吹き上
げ熱により煮溶かされる。
【0004】2時間後煮溶かされたテングサは、木枠で
作られた濾過槽に流し込まれる。濾過槽には麻布で作ら
れた漉し布があり、濾過フィルターの役目をする。濾過
槽に入れられたテングサ溶液の上からコンクリート製の
重石が載せられ、強制的に濾過が行われる。この溶液は
地下のコンクリート製の貯留タンクに流し込まれ、10
0℃以下の温度にまで自然冷却される。次に冷却された
テングサ溶液は汲み上げポンプによって汲み上げられ
て、角型の容器に小分けされ固化するまでの間自然冷却
放置される。
【0005】一昼夜放置された固化寒天は、ゼリー状に
固化しておりこれを用途に応じて角状・細状に切り出し
屋外に並べ冷気を利用して凍結させる。凍結することに
より寒天内部からは水溶性の不純物が浸出し結氷状態と
なる。さらにそれを日中の天日により蒸発させて、再び
冷気による凍結を行い乾燥する工程を数日間繰り返す事
で乾燥寒天が出来上がる。
【0006】この方法が現在寒天産地である山間部の農
村で行われている厳冬期を利用した天然乾燥による寒天
の一般的な製造方法である。この製造方法が効率的でな
いがために製造原価を年々押し上げており、また効率の
悪さが製造量を限定しており寒天の市場開拓に制限を加
えてきた事も事実である。
【0007】寒天の用途が、少量の添加物として限定さ
れた用途や医薬用の培養基としての使い道しか広がらな
かった原因は、こうした従来技術が守り通されたことも
要因としてある。近年食物繊維の最多含有食品として見
直しもされて今後大きな用途拡大が見込まれる状況にお
いては、従来技法の儘では多くの需要に応えることは出
来ない。更に品質管理と安全衛生的な見地からも現在の
製造方法は見直す必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】寒天製造において、品
質を保持した上で効率的かつ衛生的に寒天を製造する方
法の開発を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意努力した結果、以下に記載の手段によ
り解決できることを見出した。すなわち、本発明は、紅
藻類をネット容器に入れ高圧噴射装置で洗浄し、圧力釜
により煮溶かした後、冷却固化し低温除湿乾燥装置によ
り乾燥して寒天を製造する方法に関する。
【0010】以下、本発明と従来法を比較しながら記述
する。 1.洗浄工程の比較 従来の洗浄方法は流水槽におけるシャワーと回転ブラシ
による低速洗浄であるが、本発明は、高圧噴射洗浄方式
を採用する。この方法により、従来法では除去すること
が出来なかったテングサに付着している岩礁屑やその他
の付着物が、回転ブラシによリテングサ本体に傷つくこ
ともなく水圧により除去する事が出来る。また、ブラシ
による引きちぎりロスもなく洗浄効率が上がる。
【0011】2.煮溶かし工程の比較 従来技術は円筒形の縦長の鋳鉄釜の底部に蒸気管を接続
して直接蒸気の吹き上げによる煮溶かしをしているが、
本発明は圧力釜を利用して蒸気加熱による煮溶かしと真
空冷却を行い、一つの高圧釜で三つの工程を行おうとす
るものである。
【0012】従来は130℃の蒸煮を釜底部から直接吹
き上げて12O分間加熱してテングサを煮溶かしする方
法であるが、この方法では、蒸気がそのまま熱として吹
き上がり大気中へ放出される。蒸気温度が130℃と高
温であるためテングサの成分を著しく熱破壊し損なわれ
る危険が伴う。本発明は蒸気熱による長時間加熱を防ぎ
成分破壊を予防し、完全溶解を行い同時に濾過工程を短
縮し冷却固化を一つの圧力釜において行うものである。
【0013】また、従来の蒸気吹き上げによる熱損失を
防止し省エネとなり、濾過工程、貯留工程、汲み上げ冷
却工程における寒天の大気接触や異物接触等が減少し安
全衛生上の管理がし易くなる。本発明において圧力釜と
は、真空装置を装備した、圧力がかけられる釜であれば
どのような形態であってもよい。
【0014】3 乾燥工程 従来法においては、冷却固化後の寒天は、適宜裁断され
て屋外の冷気による凍結を行う事で作業が厳冬期に限ら
れていたが、近年の機器の発達で寒天産地においても通
年作業を行うために冷凍庫の設置を行い厳冬期に限られ
ていた凍結を冷凍庫で行い解凍乾燥を屋外で行う様にな
ってきているが、解凍乾燥を屋外で行うことは、能率、
品質及び衛生面からみて問題点を多く含んでいる。
【0015】天然寒天にこだわりを持つ事も大切ではあ
るが、経済効果や生産効率も製品を流通させる上におい
ては欠かせない条件であり、更に安全性と衛生面におけ
る対処は生産には不可欠な条件である。従来の屋外凍結
乾燥方法では、現在の大気汚染状況から推測しても山間
地であるから安心とは言い難く、屋外乾燥方法は安全衛
生面からも好ましい方法ではない。
【0016】また、コスト高の要因の一つには乾燥工程
を毎日繰り返すための寒天の出し入れに要する人件費が
ある。数日から条件によっては10日もかかる納屋から
の出し入れを繰り返す事は、それだけ人件費も掛かり不
経済でもある。また、産地の過疎化と人員の高齢化が工
程を短縮出来ない要因にもなっており、冷凍庫との複合
作業とはいえ改善されることが望ましい。そこで、本発
明では高圧釜により溶解され同時に真空冷却気工程によ
り固化され適宜に裁断された寒天を、低温除湿乾燥室へ
と運び安全且つ衛生的に均一に乾燥する。
【0017】この除湿乾燥の利点は、従来の凍結と天日
乾燥との繰り返しにより寒天に与えられる大気中の不純
物の吸着や添加、凍結と乾燥の繰り返しによる品質の劣
化・小鳥や小動物からの汚染の危険性を無くすものであ
り、一定の温度と時間により均一な製品として寒天を仕
上げる事にある。本発明において、低温除湿乾燥室とは
低温で除湿の機能を有するものであれば、どのような装
置(室)であってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に使用する代表的な装置を
図面で示すが、勿論これに限定されるものではない。図
1は、高圧噴射洗浄方式の一例を示す図である。回転ネ
ット容器に定量のテングサを収納し、上部から2.5k
g/cm2〜4.0kg/cm2の圧力による高圧水を噴
射しながら、同時に水槽内を横方向に回転させ不純物を
除去する方法である。
【0019】図2は、圧力釜を利用した煮溶かし(蒸
煮)装置である。テングサを収納した圧力釜には、扉を
密閉し圧力釜内を約760mmHg程度の真空状態とし
て後、ボイラーから12l℃、127℃、131℃の3
段階に分けられた蒸気が、テングサの品質、産地、用途
に応じて使い分けられて送り込まれる。12l℃60分
間、127℃40分間、131℃30分間でテングサは
溶解する。
【0020】送り込まれる蒸気は直接テングサに触れる
ことなく短時間で溶解させる事が出来る。溶解が完了し
たらテングサの容器は外部に引き出され容器内の濾過あ
みを引き上げる。濾過あみには不要な硬化部分と溶解し
ない不純物が残される。
【0021】濾過あみ引き上げ後の容器は再び釜内部に
収納され、真空冷却により所定の温度40℃に冷却され
内部の寒天はゼリー状に固化する。所用時間は40分間
程度である。冷却された寒天は釜より引き出され裁断の
工程へと移る。
【0022】この高圧釜の使用により従来の煮溶かし工
程、濾過工程、貯留冷却工程、汲み上げ固化工程の全工
程所用時間を、48時間から72時間短縮することが出
来る。適宜に裁断された寒天は、低温除湿乾燥室へと運
ばれ除湿機能が主体の乾燥室において安全且つ衛生的に
均一に乾燥される。乾燥時間は3日間、すなわち72時
間程度が好ましい。
【0023】本発明における寒天の製造方法における効
果は、 (1)天然素材をそのまま生かした純天然の寒天が均一
に安定した品質で製造出来ること (2)安全且つ無菌に近い製造工程で製造出来ること (3) 作業が軽減し高齢者においても作業が継続出来
ること (4) 定量生産が従来の1/3程度の日数で製造が出
来、生産量が安定し多量の需要が発生しても安定供給の
体勢がとれること (5) 従来の生産コストの50%以下のコストで生産
が可能であること (6) 生産における省エネが達成出来ること (7) 均質な寒天を生産することで寒天を素材とした
新しい製品の用途開発が期待出来ること(食品用・工業
用電子部品・機械部品・生体用資材等) (8)消費者価格を安価に提供出来ること などが挙げられる。よって本発明は寒天生産の将来にお
ける産業としての位置を確立すると同時に、多くの消費
者の安全と健康を維持する上での新しい寒天素材の供給
に寄与することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明により、寒天を衛生的にかつ安価
で大量に製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】高圧噴射装置の平面図及び側面図。
【図2】煮溶かし用蒸気高圧釜の全体図。
【図3】煮溶かし用容器及び網かごの側面図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紅藻類をネット容器に入れ高圧噴射装置
    で洗浄し、圧力釜により煮溶かした後、冷却固化し低温
    除湿乾燥装置により乾燥して寒天を製造する方法。
JP25402399A 1999-09-08 1999-09-08 天然寒天の製造方法 Pending JP2001078726A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017018005A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 アサヒグループ食品株式会社 顆粒状の凍結乾燥調味料及びその製造方法
WO2018225770A1 (ja) 2017-06-09 2018-12-13 富士カプセル株式会社 シームレスカプセル皮膜用組成物及びシームレスカプセル

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