JP2001078194A - 動画像圧縮符号化制御方法および動画像圧縮符号化装置 - Google Patents

動画像圧縮符号化制御方法および動画像圧縮符号化装置

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JP2001078194A
JP2001078194A JP26924599A JP26924599A JP2001078194A JP 2001078194 A JP2001078194 A JP 2001078194A JP 26924599 A JP26924599 A JP 26924599A JP 26924599 A JP26924599 A JP 26924599A JP 2001078194 A JP2001078194 A JP 2001078194A
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quantization
picture
quantization matrix
screen
correction coefficient
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JP26924599A
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Takeshi Hanamura
剛 花村
Kazuyuki Takaya
和幸 高屋
Hiroyuki Kasai
裕之 笠井
Satoshi Nishimura
敏 西村
Wataru Kameyama
渉 亀山
Hideyoshi Tominaga
英義 富永
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Original Assignee
Media Glue Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ディジタル動画像圧縮符号化技術
において、量子化スケール値に左右されず目標ビットレ
ートを達成する符号化制御が可能な動画像圧縮符号化制
御方法および動画像圧縮符号化装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 一連の複数の画面から構成される入力画
像の各画面を複数の領域に分割し、直交変換し、量子化
して符号化する時、量子化する際に使用する量子化スケ
ールを補正するだけでなく、量子化マトリクス値を更新
することにより符号化制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動画像圧縮符号化
制御方法および動画像圧縮符号化装置に関し、特に、デ
ィジタル動画像圧縮符号化処理時に量子化マトリクスの
補正を行うことにより、きめ細かなレート制御が可能な
動画像圧縮符号化制御方法および動画像圧縮符号化装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】動画像をディジタル化する技術におい
て、発生する膨大な情報量を圧縮して符号化するための
方式として、ディジタルビデオおよび付随するオーディ
オに対する符号化方式の標準規格ISO−IEC 13
818−2(通称、「MPEG2」(Moving P
icture Expert Group Phase
2))がある。
【0003】MPEG2においては、一連の複数の画面
から構成される動画像において、各画面を一旦フレーム
メモリに保存し、フレーム間の差分を取ることによって
時間軸方向の冗長度を削減し、さらに、各フレームを構
成する複数の画素を離散コサイン変換(以後、「DC
T」と略す)等の直交変換処理を行うことにより空間軸
方向の冗長度を削減することにより、効率良い動画像圧
縮符号化を実現している。
【0004】符号化された信号は、復号器に送られて復
号され再生される。復号器では、画面を再生し第1のフ
レームメモリに保存し、差分情報に基づいて次に続くべ
き画面を予測し第2のフレームメモリに保存し、2つの
フレームからその間に挿入される画面をさらに予測し
て、一連の画面を構成し動画像を再生する。このような
手法は双方向予測と呼ばれる。
【0005】MPEG2では、この双方向予測を実現す
るために、Iピクチャ、PピクチャおよびBピクチャと
いう3つのタイプを規定している。Iピクチャは、イン
トラ符号化ピクチャの略であり、他のピクチャとは独立
して静止画として符号化される画面のことである。Pピ
クチャは、順方向予測符号化ピクチャの略であり、時間
的に過去に位置するIまたはPピクチャに基づいて予測
符号化される画面のことである。Bピクチャは、双方向
予測符号化ピクチャの略であり、時間的に前後に位置す
るIまたはPピクチャを用いて順方向、逆方向または双
方向のピクチャに基づいて予測符号化される画面のこと
である。すなわち、IピクチャおよびPピクチャを先に
符号化処理した後、その間に挿入されるBピクチャが符
号化される。
【0006】図9にMPEG2の画面構成の一例を示
す。複数の関連のあるピクチャを1組みのグループとし
たのがシーケンスヘッダ(SH)を有するGOP(Gr
oupof Pictures)であり、ランダムアク
セスの単位となる画面グループの最小単位である。各ピ
クチャは、さらに複数のマクロブロックと呼ばれる領域
に分割される。
【0007】一般に動画像の符号化処理には図10に示
されるような符号化器1が使用される。同図によれば、
符号化器1は、加算器3、DCT5、量子化器7、逆量
子化器13、逆DCT15、加算器17、動き補償/フ
レームメモリ19、レート制御部21および可変長符号
化器(以後、「VLC」と呼ぶ)および多重化部23を
備えている。符号化器1は、入力画像Sに対して、DC
T、量子化および可変長符号化の順に処理を行い、設定
された目標ビットレートに応じたレート制御処理を行っ
て所定のビットレートを有する出力ビットストリームb
1を生成し出力する。
【0008】量子化処理では、DCT変換で得られた係
数を所定の量子化ステップで除算する。これにより、さ
らに画像信号は圧縮される。この量子化ステップは、所
定の量子化テーブルに含まれる複数の量子化マトリクス
値に量子化スケールを乗算して求められる。
【0009】レート制御を行う理由は、動画像符号化処
理では符号化によって発生する情報量が一定ではないか
らである。特にシーンチェンジ時には、情報量は一気に
増大する。このように一定しない符号化信号を固定レー
トの伝送路に送出するために、符号化器1側で予め送信
用バッファのレベル以上の情報量が発生しないように符
号化データのレート制御を行う必要がある。図10の符
号化器1のレート制御部21は、VLC/多重化23か
ら発生符号量を入力し、発生符号量に基づいて、マクロ
ブロック単位に量子化スケールを補正して量子化器7へ
出力する。量子化器7が補正された量子化スケールを使
用して量子化を行うことによって、レート制御が実現さ
れる。
【0010】MPEG2では、ISO−IEC/JTC
1/SC29/WG11/N0400 Test Mo
del 5 (April, 1993)(以後、「T
M5」と略す)にレート制御方式が記載されている。図
11に示されるように、MPEG2のTM5に記載され
ているレート制御処理は、3つのステップS1〜S3か
らなる。
【0011】ステップS1では、ピクチャ毎にビット配
分が行われる。始めにGOP内の各ピクチャに対する割
り当て符号量を、GOP内の未符号化ピクチャに対する
割り当て符号量Rに基づいて配分する。次いで、この配
分をGOP内の符号化するピクチャ順に行う。この場
合、以下の2つの仮定を用いて符号量の割り当てを行
う。
【0012】第1の仮定では、3つのピクチャタイプ、
I、PおよびBピクチャの発生符号量をそれぞれSi、
SpおよびSbとし、各ピクチャ内の全マクロブロックの
量子化スケールmqの平均値である平均量子化パラメー
タをそれぞれQi、QpおよびQbとして、各ピクチャの
符号化時に用いる平均量子化パラメータQi、Qpおよび
Qbと発生符号量Si、SpおよびSbとの積は、ピクチャ
タイプ毎に一定値であるとする。
【0013】従って、I、PおよびBピクチャの画面の
複雑さを示すパラメータXi、XpおよびXbはそれぞれ
次式(1)、(2)および(3)で与えられる。
【0014】 Xi=Si×Qi …式(1) Xp=Sp×Qp …式(2) Xb=Sb×Qb …式(3) ここで、I、PおよびBピクチャの画面の複雑さを示す
パラメータXi、XpおよびXbの初期値は、次式
(4)、(5)および(6)でそれぞれ与えられる。
【0015】 Xi=160×bit_rate/115 …式(4) Xp=60×bit_rate/115 …式(5) Xb=42×bit_rate/115 …式(6) ここで、bit_rateは目標ビットレートである。
【0016】第2の仮定では、Iピクチャの量子化スケ
ールを基準としたPおよびBピクチャの量子化スケール
の比率がそれぞれKp=1.0およびKb=1.4になる
場合に、常に全体の画質が最適化されるとする。
【0017】GOP内のI、PおよびBピクチャに対す
る割り当て符号量Ti、TpおよびTbは、次式(7)、
(8)および(9)によりそれぞれ算出される。ただ
し、NpおよびNbは、それぞれGOP内の未符号化の
PおよびBピクチャの数を示す。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、I、PおよびBピクチャに対する
割り当て符号量Ti、TpおよびTbは、上記の式
(7)、(8)および(9)で第1項で与えられる値、
または第2項のbit_rate/(8×picture_rate)で与え
られる値の何れか大きい方をそれぞれとる。また、pict
ure_rateは、入力画像の時間解像度を示す値であり、1
秒間に復号され表示される画面の枚数を示す。
【0020】ピクチャが符号化された後、GOP内の未
符号化ピクチャに対する割り当て符号量Rをピクチャタ
イプに対応する発生符号量Si、SpまたはSbに基づい
て、次式(10)により更新する。
【0021】 R=R−Si,p,b …式(10) ここで、Si,p,bは、発生符号量Si、SpまたはSbの何
れか符号化されたピクチャのピクチャタイプに対応する
値である。
【0022】また、GOP内の一番最初のピクチャを符
号化する時は、次式(11)によりRを求める。
【0023】 R=bit_rate×N/picture_rate+R …式(11) ここで、Nは符号化対象GOP内のピクチャの総数であ
る。
【0024】ステップS2では、仮想的な基準復号器を
想定し、仮想バッファに対するレート制御を行う。この
レート制御処理では、I、PおよびBピクチャに割り当
てられた符号量Ti、TpおよびTbと、I、PおよびB
ピクチャの発生符号量Si、SpおよびSbをそれぞれ一
致させるために、ピクチャタイプ毎に個別に設定した3
種類の仮想バッファ容量に基づいて量子化スケールmq
をマクロブロック単位のフィードバック制御で求める。
【0025】I、PおよびBピクチャ内のj番目のマク
ロブロックMB(j)を符号化する時に使用する仮想バッフ
ァの占有量di(j)、dp(j)およびdb(j)は次式(1
2)、(13)および(14)によりそれぞれ算出され
る。
【0026】
【数2】
【0027】ここで、B(j-1)は、(j−1)番目のマ
クロブロックMB(j-1)までの全マクロブロックの発生符
号量である。
【0028】また、di(0)、dp(0)およびdb(0)は、そ
れぞれI、PおよびBピクチャの仮想バッファ占有量の
初期値であり、次式(15)、(16)および(17)
でそれぞれ与えられる。また、1番目のマクロブロック
MB(1)を符号化する場合の仮想バッファ占有量di(1)、
dp(1)およびdb(1)も、下記の式で与えられる初期値d
i(0)、dp(0)およびdb(0)をそれぞれ使用する。
【0029】 di(0)=10×r/31 …式(15) dp(0)=Kp×di(0) …式(16) db(0)=Kb×di(0) …式(17) ここで、rはリアクションパラメータと呼ばれ、下記の
式(18)で示され、フィードバックループの応答速度
を制御する。
【0030】 r=2×bit_rate/picture_rate …式(18) また、I、PおよびBピクチャ符号化終了時の仮想バッ
ファ占有量、すなわちNMB番目のマクロブロックMB(N
MB)を符号化したときの仮想バッファ占有量di(NMB)、
dp(NMB)およびdb(NMB)は、ピクチャタイプ毎に、次回
符号化する時の仮想バッファ占有量の初期値di(0)、d
p(0)およびdb(0)として用いられる。
【0031】上記のI、PおよびBピクチャの仮想バッ
ファの占有量di(j)、dp(j)およびdb(j)に基づいて、
各ピクチャ毎にj番目のマクロブロックMB(j)に対する
量子化スケールmqi(j),mqp(j)およびmqb(j)を次
式(19)により求める。
【0032】 mqi,p,b(j)=di,p,b(j)×31/r …式(19) ステップS3では、視覚的特性を考慮した適応量子化の
3階層の処理を行う。すなわち、視覚的に劣化の目立ち
やすい平坦部では細かく量子化し、比較的劣化の目立ち
にくい複雑な部分では粗く量子化するように、ステップ
S2で求められる量子化スケールを変化させる。このス
テップ3は本願と関係がないので詳細な説明は省略す
る。このように、MPEG2のTM5では量子化スケー
ルを変化させることによりレート制御を行っている。
【0033】図10に示される符号化器1では、上述の
MPEG2のTM5に記載されたレート制御処理に準拠
したレート制御処理がレート制御部21で行われる。図
12に、符号化器1における従来のレート制御のメイン
処理ルーチンを示す。メイン処理ルーチンは、ステップ
A1〜A11からなる。ステップA1では、変数nを1
に設定する。ここで、変数nは、符号化対象ピクチャに
付けられた番号を示し、n番目のピクチャをpic(n)と示
す。
【0034】ステップA2では、上述の仮定に基づき、
Iピクチャの量子化スケールを基準としたPおよびBピ
クチャの量子化スケールの比率をKp=1.0およびKb
=1.4にそれぞれ設定する。また、図示されない記憶
装置に格納されている量子化テーブルに保存されている
量子化マトリクス値を読み出しデフォルトの量子化マト
リクス[QM(0)]とする。ここで、[QM(n)]で示され
る量子化マトリクス値は、n番目のピクチャを量子化す
るときに使用する量子化マトリクスQM(a,b)を示して
いて、実際には8×8個の要素を有している。
【0035】ステップA3では、GOP内の未符号化の
PおよびBピクチャの枚数NpおよびNbをそれぞれ求
める。ステップA4では、画面の複雑さを示すパラメー
タXi、XpおよびXbを算出する処理ルーチンへ制御を
移す。本処理ルーチンについては、図13を用いて後述
する。
【0036】画面の複雑さを示すパラメータXi、Xpお
よびXbを算出する処理ルーチンから制御が戻ると、ス
テップA5では、GOP内のI、PおよびBピクチャに
対する割り当て符号量Ti、TpおよびTbを、上記の式
(7)、(8)および(9)によりそれぞれ算出する。
ここではステップA2〜A4で求められたKpおよびK
b、ピクチャ数NpおよびNb、複雑さを示すパラメー
タXi、XpおよびXbに基づいて処理される。
【0037】ステップA6では、変数nが1か否かの判
定がなされる。すなわち、1番目のピクチャpic(1)か否
かの判定がなされる。1番目のピクチャpic(1)の場合
は、ステップA7へ進み、GOP内の未符号化ピクチャ
に対する割り当て符号量Rを上記の式(11)により設
定する。
【0038】1番目のピクチャpic(1)ではない場合は、
ステップA8へ進み、GOP内の未符号化ピクチャに対
する割り当て符号量Rを上記の式(10)より各ピクチ
ャタイプ毎に更新する。このときSi,p,bは、(n−
1)番目のピクチャpic(n-1)の発生符号量S(n-1)を使
用する。
【0039】ステップA7およびA8はともにステップ
A9へ進み、n番目のピクチャpic(n)の符号化処理ルー
チンへ制御を移す。符号化処理については、図14を用
いて後述する。
【0040】符号化処理ルーチンから制御が戻ると、ス
テップA10で変数nをインクリメントしてステップA
11へ進み、変数nがピクチャ総数NPICを超えてい
るか否かの判定をして、変数nがピクチャ総数NPIC
を超えていなければステップA3へ戻り、変数nがピク
チャ総数NPICを超えていれば本メイン処理ルーチン
を終了する。
【0041】このように変数nは、ステップA3〜A1
0の処理を繰り返すためのループカウンタとしても使用
される。これにより、1番目のピクチャpic(1)からNP
IC番目のピクチャpic(NPIC)まで全てのピクチャに対
して順次レート制御を伴う符号化処理を行うことができ
る。
【0042】本処理ルーチンのステップA3〜A5の処
理が図11のレート制御処理のステップS1に該当し、
ステップA6〜A8の処理が図11のレート制御処理の
ステップS2に該当する。図11のレート制御処理のス
テップS3については省略してある。
【0043】次に、図12のメイン処理ルーチンのステ
ップA4で呼び出される画面の複雑さを示すパラメータ
Xi、XpあるいはXbの算出処理ルーチンについて図1
3のフローチャートを用いて説明する。本処理ルーチン
はステップB1〜B10からなる。ステップB1では、
変数nが1か否かの判定、すなわち、1番目のピクチャ
pic(1)か否かの判定がなされる。1番目のピクチャpic
(1)の場合は、ステップB2へ進み、1番目のピクチャp
ic(1)でない場合は、ステップB5へ進む。ステップB
2、B3およびB4の処理で、I、PおよびBピクチャ
の複雑さを示すパラメータXi、XpおよびXbに上記の
式(4)、(5)および(6)で示される初期値をそれ
ぞれ設定する。ステップB4が終了すると、メイン処理
ルーチンへ戻る。
【0044】ステップB5では、1つ前のピクチャ、す
なわち(n−1)番目のピクチャpic(n-1)を量子化した
時の全マクロブロックの量子化スケールmq(j)の平均
値である平均量子化パラメータQ(n-1)を算出する。
【0045】ステップB6では、(n−1)番目のピク
チャpic(n-1)がIピクチャか否かを判定し、Iピクチャ
の場合は、ステップB7へ進み、Iピクチャでない場合
は、ステップB8へ進む。ステップB7では、画面の複
雑さを示すパラメータXiを上式(1)により算出す
る。ここで、SiおよびQiには、(n−1)番目のピク
チャpic(n-1)を符号化したときの発生符号量S(n-1)お
よびステップB5で算出された平均量子化パラメータ値
Q(n-1)をそれぞれ使用する。
【0046】ステップB8では、(n−1)番目のピク
チャpic(n-1)がPピクチャか否かを判定し、Pピクチャ
の場合は、ステップB9へ進み、Pピクチャでない場合
は、ステップB10へ進む。続くステップB9では、画
面の複雑さを示すパラメータXpを上式(2)により算
出する。ここで、SpおよびQpには、(n−1)番目の
ピクチャpic(n-1)を符号化したときの発生符号量S(n-
1)およびステップB5で算出された平均量子化パラメー
タ値Q(n-1)をそれぞれ使用する。
【0047】ステップB10では、画面の複雑さを示す
パラメータXbを上式(3)により算出する。ここで、
SbおよびQbには、(n−1)番目のピクチャpic(n-1)
を符号化したときの発生符号量S(n-1)およびステップ
B5で算出された平均量子化パラメータ値Q(n-1)をそ
れぞれ使用する。ステップB7、B9またはB10の
後、メイン処理ルーチンへ制御を戻す。
【0048】次に、図12のメイン処理ルーチンのステ
ップA9で呼び出される符号化処理ルーチンについて図
14のフローチャートを用いて説明する。符号化処理ル
ーチンはステップC1〜C6からなる。ステップC1で
は、変数jに1を設定する。ここで、変数jは、1ピク
チャ内の複数のマクロブロックに付けられた番号を示
し、j番目のマクロブロックをMB(j)と示す。
【0049】ステップC2では、n番目のピクチャpic
(n)内のj番目のマクロブロックMB(j)を符号化する時に
使用する仮想バッファの占有量di(j)、dp(j)およびd
b(j)を上記の式(12)、(13)および(14)によ
り算出する。一番最初に符号化が行われる時は、I、P
およびBピクチャの仮想バッファ占有量の初期値di
(0)、dp(0)およびdb(0)を上記の式(15)、(1
6)および(17)により設定する。また、I、Pおよ
びBピクチャ符号化終了時の仮想バッファ占有量、すな
わちNMB番目のマクロブロックMB(NMB)を符号化した
ときの仮想バッファ占有量di(NMB)、dp(NMB)およびd
b(NMB)は、ピクチャタイプ毎に、次回符号化する時の仮
想バッファ占有量の初期値di(0)、dp(0)およびdb(0)
として用いられる。
【0050】ステップC3では、j番目のマクロブロッ
クMB(j)に対する量子化スケールmq(j)を上記の式(1
9)により求める。ステップC4では、ステップC3で
求められた量子化スケールmq(j)に基づいて、j番目
のマクロブロックMB(j)を符号化する。
【0051】上述までの処理で求められた量子化スケー
ルmq(j)は、マクロブロック単位で設定しているが、
スライス単位でも可能である。量子化スケールmq(j)
値が大きいと粗く量子化され、量子化係数値が少なくか
つ小さくなるために発生符号量が減少する。一方、量子
化スケールmq(j)値が小さい場合は、細かく量子化さ
れ、量子化係数が多くかつ大きくなるために発生符号量
が増大する。
【0052】先にも述べたように、MPEG2では量子
化スケールmq(j)は1〜31の範囲に制限されてい
る。量子化処理は、DCT係数を量子化スケールmq
(j)と量子化マトリクスQM(a,b)との積で除算して行わ
れる。ここで、一つのブロック内のDCT係数をcoeff
(a,b)とした場合の量子化値q(a,b)は、マクロブロック
の種類によって次式(20)〜(22)の何れかによっ
て求められる。ここで、aおよびbは0〜7の整数であ
り、8画素×8ラインからなるブロック内での画素の座
標位置を示している。
【0053】イントラマクロブロックの場合は、DC係
数の量子化演算式として式(20)を使用し、AC係数
の量子化演算式として式(21)を使用する。また、イ
ンターマクロブロックの場合は式(22)を使用する。
【0054】 q(0,0)=coeff(0,0)//8 …式(20) q(a,b)=16×coeff(a,b)//(2×mq(j)×intra_QM(a,b)) …式(21) q(a,b)=16×coeff(a,b)//(2×mq(j)×inter_QM(a,b)) …式(22) ここで、intra_QM(a,b)は、イントラマクロブロック
符号化用の量子化マトリクス、inter_QM(a,b)は、イ
ンターマクロブロック符号化用の量子化マトリクスであ
り、式中の記号//は、丸め付き割り算を意味する。
【0055】ステップC5では、変数jをインクリメン
トして、ステップC6へ進み、変数jがマクロブロック
総数NMBを超えているか否かの判定をする。ここで、
NMBはn番目のピクチャpic(n)内に含まれるマクロブ
ロックの総数である。変数jがマクロブロック総数NM
Bを超えていない場合は、ステップC2へ戻り、変数j
がマクロブロック総数NMBを超えている場合は、本処
理ルーチンを終了し、メイン処理ルーチンへ戻る。
【0056】このようにして、変数jは、ステップC2
〜C5の処理を繰り返すためのループカウンタとしても
使用される。これにより、n番目のピクチャpic(n)内の
1番目のマクロブロックMB(1)からNMB番目のマクロ
ブロックMB(NMB)まで全てのマクロブロックに対して順
次符号化処理を行うことができる。
【0057】さらに、符号化器1で生成されたMPEG
2に準拠したビットストリーム(以後、「MPEG2ビ
ットストリーム」と呼ぶ)は、図示されない復号器によ
って復号され動画像が再生されるが、伝送路の帯域は多
岐に渡り、伝送速度が異なるものもある。そこで、図1
5に示されるように、符号化器1によって生成されたM
PEG2ビットストリームb1は、トランスコーダ51
によってトランスコーディング処理がなされ各伝送路の
伝送速度に応じたビットレートのビットストリームb2
に変換されて復号器に転送される。
【0058】一般的なトランスコーダ51の構成を図1
6に示す。トランスコーダ51は、信号分離/可変長復
号器(以後、「VLD」と呼ぶ)53、逆量子化器5
5、逆DCT器57、加算器59および63、スイッチ
61および65、DCT器67、量子化器69、逆量子
化器71、逆DCT器73、スイッチ75、加算器7
7、フレームメモリ79および85、動き補償回路81
および87、モード制御部83、レート制御部89およ
び多重化/VLC91を備えている。
【0059】このトランスコーダ51では、元のMPE
G2ビットストリームb1を復号部51aで完全に復号
して、得られた画像シーケンスを、符号化部51bで再
度符号化を行い、所定の目標ビットレートのMPEG2
ビットストリームb2に変換する。すなわち、復号器と
符号化器を単純に結合させたトランスコーダである。ト
ランスコーダ51でも、符号化器1と同様に、レート制
御部89でレート制御処理が行われる。このレート制御
処理は、図17に示される通りであるが、図12のレー
ト制御処理に、ステップD4に示されるピクチャの空間
領域までの復号処理が追加される以外は、全て同じであ
るので、詳細な説明は省略する。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の符号化器1およびトランスコーダ51にお
いては、下記のような問題点がある。符号化器1におけ
るレート制御においては、量子化スケール値mq(j)が
1〜31の範囲に限定されているため、最小の量子化ス
ケール値、すなわちmq(j)=1の場合には、それ以上
細かい量子化が行えず、図18の点線bで示される目標
符号量bより、実線aで示されるように、少ない発生符
号量aしか得られず、目標ビットレートを達成できなく
なる、といった問題点がある。一方、最大の量子化スケ
ール値、すなわちmq(j)=31の場合には、それ以上
粗い量子化が行えず、図18の実線cで示されるよう
に、目標符号化量bより多い発生符号量cとなってしま
い、やはり目標ビットレートを達成できなくなる、とい
った問題点がある。
【0061】また、上述のようなトランスコーダ51に
おけるレート制御においては、量子化スケール値mq
(j)が31の場合、トランスコーディング処理を行っ
て、元の符号量より更に符号量を減らす際に、量子化ス
ケール値mq(j)が31に固定されてしまうと、やはり
目標ビットレートを達成できなくなる、といった問題点
がある。これらの傾向は、符号化するマクロブロック総
数が増大すればするほど強くなる。
【0062】そこで本発明は、レート制御時に量子化マ
トリクス値を調整することにより、目標ビットレートに
近い発生符号量を実現可能な動画像圧縮符号化制御方法
および動画像圧縮符号化装置を提供することを目的とす
る。
【0063】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するために、(a)一連の複数の画面か
ら構成される入力画像の各画面を複数の領域に分割する
ステップと、(b)複数の量子化マトリクス値を有する
量子化テーブルと量子化スケールを準備するステップ
と、(c)該ステップ(a)で分割された領域毎に、入
力画像を直交変換して直交変換係数を生成するステップ
と、(d)前記量子化スケールと前記量子化テーブルに
基づいて前記ステップ(c)で生成された直交変換係数
を量子化して量子化係数を生成するステップと、(e)
該ステップ(d)で生成された量子化係数を可変長符号
化するステップと、(f)前記ステップ(e)で符号化
された各画面の発生符号量に基づいて、前記領域毎に、
前記量子化スケールを補正するステップと、を備えた前
記発生符号量を制御する動画像圧縮符号化制御方法にお
いて、(g)前記各画面毎に、前記量子化テーブルの量
子化マトリクス値を更新するステップを備えたことを特
徴とする。
【0064】発生符号量を制御するための量子化スケー
ル補正ステップ(f)は、MPEG2のTM5に記載さ
れたレート制御処理であり、量子化スケールを補正する
ことによって発生符号量をフィードバック制御する。入
力画像を構成する複数の画面は、フレームメモリに読み
込まれ、ピクチャと呼ばれる単位で処理される。各ピク
チャはさらに16画素×16ラインからなる複数のマク
ロブロックと呼ばれる領域に分割される。量子化に使用
される量子化テーブルと量子化スケールは、システム毎
に設定可能な値である。
【0065】本発明の方法によれば、動画像の量子化を
行う際に使用する量子化スケールを補正するだけでな
く、量子化テーブルに含まれる量子化マトリクス値を更
新することにより符号化時の発生符号量をより適切に制
御することができる。
【0066】特にMPEG2では量子化スケールは1〜
31の範囲に限定されているが、量子化スケール値が最
小値1または最大値31に固定された場合も、量子化マ
トリクス値を詳細に設定変更することにより、よりきめ
細かなレート制御が可能となり、目標ビットレートによ
り近いビットストリームの生成が可能となる。
【0067】さらに、請求項1に記載の動画像圧縮符号
化制御方法において、前記ステップ(g)が、前記量子
化マトリクス値に補正係数を乗算して補正してもよい。
【0068】さらに請求項2に記載の動画像圧縮符号化
制御方法において、前記ステップ(g)が、(g1)前
記(n−1)番目の画面に含まれる全領域の量子化スケ
ールを平均するステップと、(g2)該ステップ(g
1)で算出された平均量子化スケールに基づいて、前記
量子化マトリクス値を補正するか否かを判定するステッ
プと、(g3)該ステップ(g2)で補正をすると判定
された場合に前記平均量子化スケールに基づいて、補正
係数を算出するステップと、(g4)該ステップ(g
3)で算出された補正係数を前記量子化マトリクス値に
乗算するステップと、を有してもよい。
【0069】請求項3に記載の動画像圧縮符号化制御方
法において、前記入力画像の複数の画面が、1枚の画面
を静止画として符号化されるIピクチャと、前記一連の
画面の時間方向において、順方向に予測して符号化され
るPピクチャと、前記一連の画面の時間方向において、
双方向に予測して符号化されるBピクチャと、からなる
とともに、独立して復号可能な複数のグループを形成
し、前記各グループ内のm番目の画面を符号化する際、
各ピクチャタイプ毎に(m−1)番目までの画面の前記
平均量子化スケールと前記(m−1)番目の画面の発生
符号量に基づいて、各ピクチャタイプ毎に画面の複雑さ
を算出するステップと、各ピクチャタイプ毎に該算出さ
れた複雑さに基づいて前記グループ内の割り当て符号量
を算出するステップと、該割り当て符号量に基づいて前
記グループ内の未符号化の画面に対して割り当てられる
ビット量を更新するステップと、前記補正係数に基づい
て前記各画面の複雑さを補正するステップと、を備えて
もよい。
【0070】ここで、画面のグループとは、MPEG2
においてはGOPのことである。
【0071】請求項5記載の発明は、上記課題を解決す
るために、一連の複数の画面から構成される入力画像の
各画面を複数の領域に分割する分割手段と、複数の量子
化マトリクス値を有する量子化テーブルと量子化スケー
ルを記憶する記憶装置と、前記分割手段で分割された領
域毎に、入力画像を直交変換して直交変換係数を生成す
る直交変換手段と、前記量子化スケールと前記量子化テ
ーブルに基づいて前記直交変換手段で生成された直交変
換係数を量子化して量子化係数を生成する量子化手段
と、該量子化手段で生成された量子化係数を可変長符号
化する可変長符号化手段と、前記可変長符号化手段で符
号化された各画面の発生符号量に基づいて、前記領域毎
に、前記量子化スケールを補正する手段と、を備えた前
記発生符号量を制御する動画像圧縮符号化装置におい
て、前記各画面毎に、前記量子化テーブルの量子化マト
リクス値を更新する量子化マトリクス更新手段を備えた
ことを特徴とする。
【0072】この構成によれば、動画像の量子化を行う
際に使用する量子化スケールを更新するだけでなく、量
子化テーブルに含まれる量子化マトリクス値を更新する
ことにより符号化時の符号量を制御することができる。
【0073】特に、量子化スケールは1〜31の範囲に
限定されているのに対し、量子化スケール値が最小値1
または最大値31に固定された場合も、量子化マトリク
スを詳細に設定変更することにより、よりきめ細かなレ
ート制御が可能となり、目標ビットレートにより近いビ
ットストリームの生成が可能となる。
【0074】また、請求項5に記載の動画像圧縮符号化
装置において、前記量子化マトリクス更新手段が、前記
量子化マトリクス値に補正係数を乗算して補正してもよ
い。
【0075】さらに、請求項6に記載の動画像圧縮符号
化装置において、前記量子化マトリクス更新手段が、前
記(n−1)番目の画面に含まれる全領域の量子化スケ
ールを平均する量子化スケール平均部と、該量子化スケ
ール平均部で算出された平均量子化スケールに基づい
て、前記量子化マトリクス値を補正するか否かを判定す
る判定部と、該判定部で補正をすると判定された場合に
前記平均量子化スケールに基づいて、補正係数を算出す
る補正係数算出部と、該補正係数算出部で算出された補
正係数を前記量子化マトリクス値に乗算する量子化マト
リクス補正部と、を有してもよい。
【0076】請求項7に記載の動画像圧縮符号化装置に
おいて、前記入力画像の複数の画面が、1枚の画面を静
止画として符号化されるIピクチャと、前記一連の画面
の時間方向において、順方向に予測して符号化されるP
ピクチャと、前記一連の画面の時間方向において、双方
向に予測して符号化されるBピクチャと、からなるとと
もに、独立して復号可能な複数のグループを形成し、前
記各グループ内のm番目の画面を符号化する際、各ピク
チャタイプ毎に、(m−1)番目までの画面の前記平均
量子化スケールと前記(m−1)番目の画面の発生符号
量に基づいて、各ピクチャタイプ毎に画面の複雑さを算
出する手段と、各ピクチャタイプ毎に該算出された複雑
さに基づいて前記グループ内の割り当て符号量を算出す
る手段と、該割り当て符号量に基づいて前記グループ内
の未符号化の画面に対して割り当てられるビット量を更
新する手段と、前記補正係数に基づいて前記各画面の複
雑さを補正する手段と、を備えてもよい。
【0077】
【発明の実施の形態】以下に図面に基づいて、本発明の
詳細な説明を示すが、本発明は以下の実施例により限定
されるものではない。尚、全ての図面において、同様な
構成要素は同じ参照記号および符号を用いて示してあ
る。
【0078】本発明に係る動画像圧縮符号化制御方法の
第1実施例として、図1〜4に示される動画像圧縮符号
化装置について説明する。本実施例の動画像圧縮符号化
装置は図1に示される符号化器110を備えている。
【0079】図1の符号化器110は、図10に示され
た従来の符号化器1の構成に量子化マトリクス制御部1
11を追加した構成になっている。符号化器1と同じ構
成要素は同じ参照符号を付して詳細な説明は省略する。
【0080】量子化マトリクス制御部111は、レート
制御部21に接続され、レート制御部21から各マクロ
ブロックMB(j)毎に量子化スケールmq(j)を入力すると
ともに、量子化マトリクス制御部111から補正係数C
をレート制御21に出力する。また量子化マトリクス制
御部111は、図示されない記憶装置に接続され、記憶
装置に格納されている初期値の量子化テーブルに保存さ
れている量子化マトリクス[QM(0)]を読み込む。さら
に、量子化マトリクス制御部111は、前記量子化スケ
ールmq(j)に基づいて1つ前のピクチャpic(n-1)の平
均量子化パラメータQ(n-1)を算出するとともに、平均
量子化パラメータQ(n-1)に基づいて、n番目のピクチ
ャpic(n)を量子化する時に使用する量子化マトリクス
[QM(n)]を補正するものである。さらに、量子化マト
リクス制御部111は、量子化器7およびVLC/多重
化器23に接続され、補正した量子化マトリクス値[Q
M(n)]を出力する。
【0081】別の態様においては、平均量子化パラメー
タQは、レート制御部21で算出されてから量子化マト
リクス制御部111に出力されてもよい。
【0082】上記のレート制御部21、量子化マトリク
ス制御部111、量子化器7およびVLC/多重化器2
3により行われる符号化量制御処理について、図2乃至
4のフローチャートを用いて以下に説明する。
【0083】図2は、レート制御部21におけるレート
制御のメイン処理ルーチンの流れを示すフローチャート
であり、ステップE1〜E13からなる。ステップE4
〜E6およびE11以外のステップE1〜E3、E7〜
E10、E12およびE13は、図12の従来のレート
制御処理のステップA1〜A3、A5〜A8、A10お
よびA11とそれぞれ同じであるので、ここでは詳細な
説明は省略する。
【0084】ステップE4では、変数nが1か否かの判
定がなされる。すなわち、1番目のピクチャpic(1)か否
かの判定がなされる。1番目のピクチャpic(1)の場合
は、ステップE5をバイパスしてステップE6へ進み、
1番目のピクチャpic(1)ではない場合は、ステップE5
へ進む。
【0085】ステップE5では、後述する量子化マトリ
クス更新制御処理ルーチンへ制御を移す。これらの量子
化マトリクス更新制御処理は、図1の量子化マトリクス
制御部111で行われる処理である。
【0086】量子化マトリクス更新制御処理ルーチンか
ら制御が戻ると、ステップE6へ進む。ステップE6で
は、後述する画面の複雑さを示すパラメータXi、Xpお
よびXbを算出する処理ルーチンへ制御を移す。画面の
複雑さを示すパラメータXi、XpおよびXbを算出する
処理ルーチンから制御が戻ると、ステップE7へ進む。
【0087】また、ステップE11では、前述の図14
の符号化処理ルーチンへ制御を移す。ここでは、n番目
のピクチャpic(n)をステップC4で符号化する際、量子
化マトリクス値にステップE5の量子化マトリクス更新
制御処理ルーチンで更新された値を使用する。符号化処
理ルーチンから制御が戻るとステップE12へ進む。
【0088】次に、上述のメイン処理ルーチンのステッ
プE5で呼び出される量子化マトリクス更新制御処理ル
ーチンを図3に示されるフローチャートを用いて説明す
る。同図に示されるように、量子化マトリクス更新制御
処理は、ステップG1〜G10を備えている。
【0089】ステップG1では、1つ前のピクチャ、す
なわち(n−1)番目のピクチャpic(n-1)を符号化した
時の平均量子化パラメータQ(n-1)を求める。この平均
量子化パラメータQ(n-1)は、直前のピクチャを符号化
する時、図14に示された符号化処理のステップC3で
計算された(n−1)番目のピクチャpic(n-1)内の各マ
クロブロックMB(j)を符号化した時の量子化スケールm
q(j)の平均値である。尚、このステップG1における
平均量子化パラメータQ(n-1)の算出は、例えば、符号
化処理ルーチンで前もって算出しておくようにしても良
い。
【0090】次いで、ステップG2では、ステップG1
で求めた平均量子化パラメータQ(n-1)と平均量子化パ
ラメータの基準値mq_targetの差の絶対値をとり、この
値が所定の判定閾値thより大きいか否かを判定する。
このステップG2における判定は、所定の判定閾値th
に基づいて所定の範囲を設定し、平均量子化パラメータ
Q(n-1)と平均量子化パラメータの基準値mq_targetの差
が所定の範囲内にあるか否かを判定している。これによ
りn番目のピクチャpic(n)を量子化する際に使用する量
子化マトリクス[QM(n)]を更新するか否かの判定を行
っている。
【0091】本実施例では、目標ビットレートが4Mbp
sから15Mbpsの場合で、平均量子化パラメータの基準
値mq_targetは16、判定閾値thは10である。
【0092】ステップG2における判定結果が、YES
の場合は、ステップG3へ進み、NOの場合はステップ
G8へ進む。ステップG3では、補正係数Cを決定する
ために下記の式(23)を満足するkを求める。
【0093】 2k≦|Q(n-1)−mq_target|<2k+1 …式(23) 続くステップG4でkが1より大きか否かの判定を行
い、k>1に場合は、ステップG5へ進み、k≦1の場
合は、ステップG8へ進む。このステップG4により、
さらに平均量子化パラメータQ(n-1)と平均量子化パラ
メータの基準値mq_targetの差が所定の範囲外の場合は
量子化マトリクス値を更新しないように一定の基準を設
けている。ステップG5では、平均量子化パラメータQ
(n-1)が基準値mq_targetより大きいか否かの判定を行
い、Q(n-1)>mq_targetの場合はステップG6へ進み、
Q(n-1)≦mq_targetの場合はステップG7へ進む。
【0094】ステップG6では、補正係数C=kとし、
ステップG7では、補正係数C=1/k、ステップG8
では、補正係数C=1.0とする。ステップG6〜G8
は何れも、ステップG9へ進み、下記の式(24)によ
り量子化マトリクス[QM(n)]を補正する。
【0095】 [QM(n)]=[QM(n-1)]×C …式(24) ここで、量子化マトリクス[QM(n)]は整数値で算出す
る。本実施例では、切り捨てにより整数化するが、特に
これに限定されるものではない。
【0096】続くステップG10では、量子化マトリク
ス[QM(n)]の各要素が0以下の場合は1に修正し、2
56以上の場合は255に修正する。ステップG10の
後、本処理ルーチンを終了して、メイン処理ルーチンへ
制御を戻す。
【0097】次いで、上述のメイン処理ルーチンのステ
ップE6で呼び出される各ピクチャの複雑さを示すパラ
メータXi、XpおよびXbの算出処理ルーチンを図4に
示されるフローチャートを用いて説明する。同図に示さ
れるように、各ピクチャの複雑さを示すパラメータの算
出処理ルーチンは、ステップH1〜H12を備えてい
る。ここで、ステップH1〜H4およびH5〜H9は、
図13のステップB1〜B4およびB6〜B10とそれ
ぞれ同じであるので、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施例ではステップH10〜H12で行われる処理
は、従来のレート制御部21で行われるが、これに限定
されるものではなく、量子化マトリクス制御部111で
行われてもよい。その場合は、量子化マトリクス制御部
111にレート制御部21から各画面の複雑さを示すパ
ラメータXi、XpおよびXbが入力される。
【0098】本処理ルーチンでは、ステップH6、H
8、H9からステップH10へ進み、Iピクチャの複雑
さを示すパラメータXiを補正係数Cで除算して更新す
る。続くステップH11で、Pピクチャの複雑さを示す
パラメータXpを補正係数Cで除算して更新する。続く
ステップH12で、Bピクチャの複雑さを示すパラメー
タXbを補正係数Cで除算して更新し、その後、本処理
ルーチンを終了してメイン処理ルーチンへ制御を戻す。
【0099】図2乃至4および13に示されたレート制
御処理の作用を図9に示されるような画面構成の入力画
像に対して行う場合について以下に説明する。
【0100】図2のレート制御処理のステップE1で、
ピクチャ番号nが1に設定される。続く、ステップE2
で、Iピクチャの量子化スケールを基準としたPおよび
Bピクチャの量子化スケールの比率がKp=1.0およ
びKb=1.4にそれぞれ設定される。また、図示され
ない記憶装置に格納されている量子化テーブルに保存さ
れている量子化マトリクス値が読み出されデフォルトの
量子化マトリクス[QM(0)]に設定される。
【0101】ステップE3で、GOP内の未符号化のP
およびBピクチャの枚数NpおよびNbがそれぞれ求め
られる。ステップE4へ進み、n=1か否かの判定がな
され、n=1なので、ステップE6へ進み、図4に示さ
れる複雑さを示すパラメータXi、XpおよびXbを算出
する処理ルーチンへ制御が移される。ステップH1で、
n=1か否かの判定がなされ、n=1なので、ステップ
H2へ進む。ステップH2、H3およびH4で、I、P
およびBピクチャの複雑さを示すパラメータXi、Xpお
よびXbにそれぞれ初期値が設定され、メイン処理ルー
チンへ制御が戻される。
【0102】図2のステップE7で、GOP内のI、P
およびBピクチャに対する割り当て符号量Ti、Tpおよ
びTbがそれぞれ算出される。ステップE8で、n=1
か否かの判定がなされ、n=1なので、ステップE9へ
進む。ステップE9で、GOP内の未符号化ピクチャに
対する割り当て符号量Rに上式(11)で示される初期
値が設定される。ステップE11へ進み、1番目ピクチ
ャpic(1)が図14に示される符号化処理によって符号化
される。
【0103】図14のステップC1で、マクロブロック
番号jに1が代入され、続くステップC2で、1番目の
Iピクチャpic(1)の1番目のマクロブロックMB(1)を符
号化する場合の仮想バッファ占有量di(1)に式(15)
の初期値di(0)が設定される。
【0104】ステップC3で、1番目のマクロブロック
MB(1)に対する量子化スケールmq(1)が式(19)によ
り算出される。ステップC4で、1番目のマクロブロッ
クMB(1)が式(20)〜(22)を用いて符号化され
る。ここで、量子化マトリクス[QM(1)]には図示され
ない記憶装置に記憶されている量子化テーブルに基づい
てデフォルト値[QM(0)]が使用される。ステップC5
で、jがインクリメントされて2となり、ステップC6
の判定で、jがマクロブロック総数NMBより小さいの
で、ステップC2へ戻る。
【0105】ステップC2で、1番目のIピクチャpic
(1)の2番目のマクロブロックMB(2)を符号化する場合の
仮想バッファ占有量di(2)が式(12)を用いて算出さ
れる。続くステップC3で、2番目のマクロブロックMB
(2)に対する量子化スケールmq(2)が式(19)により
算出される。ステップC4で、2番目のマクロブロック
MB(2)が式(20)〜(22)を用いて符号化される。
ここで、量子化マトリクス[QM(2)]は、先の図3の量
子化マトリクス更新制御処理ルーチンで更新された値で
ある。ステップC5で、jがインクリメントされて3と
なり、ステップC6の判定で、jがマクロブロック総数
NMBより小さいので、ステップC2へ戻る。ステップC
2〜C5の処理がjがマクロブロック総数NMBになるま
で繰り返されて、1番目のIピクチャpic(1)内の全ての
マクロブロックについて上記の処理が行われる。
【0106】ステップC6で、1番目のピクチャpic(1)
内の全てのマクロブロックの符号化が終了したと判定さ
れた時、メイン処理ルーチンへ戻り、図2のステップE
12で、nがインクリメントされ2となる。ステップE
13で、nがピクチャの総数NPICを超えていないこ
とが確認され、ステップE3へ戻る。
【0107】以上の処理で、1番目のピクチャpic(1)に
対する処理が終了する。次いで、2番目のBピクチャpi
c(2)について処理が開始する。
【0108】ステップE3で、GOP内の未符号化のP
およびBピクチャの枚数NpおよびNbがそれぞれ求め
られる。ステップE4へ進み、n=1か否かの判定がな
され、n=2なので、ステップE5へ進み、量子化マト
リクス更新制御処理ルーチンへ制御が移される。
【0109】図3のステップG1で、1番目のピクチャ
pic(1)を符号化した時の平均量子化パラメータQ(1)が
求められる。次いで、ステップG2〜G5で、平均量子
化パラメータQ(1)に基づいて補正係数Cを決定するた
めの判定がなされ、ステップG6〜G8の何れかによ
り、条件に合った補正係数Cが求められる。
【0110】次いでステップG9で、量子化マトリクス
[QM(1)]に補正係数Cを掛けて量子化マトリクス[QM
(2)]が求められる。さらにステップG10で、量子化マ
トリクス[QM(2)]の各要素の値が1〜255に制限さ
れて、本処理ルーチンを終了して、メイン処理ルーチン
へ戻る。
【0111】図2のステップE6へ進み、図4に示され
る複雑さを示すパラメータXi、XpおよびXbを算出す
る処理ルーチンへ制御が移される。ステップH1で、n
=1か否かの判定がなされ、n=2なので、ステップH
5へ進む。ステップH5で、1番目のピクチャpic(1)が
Iピクチャか否かの判定がなされ、Iピクチャなので、
ステップH6へ進む。ステップH6で、画面の複雑さを
示すパラメータXiが上式(1)により算出される。こ
こで、SiおよびQiには、1番目のピクチャpic(1)を符
号化したときの発生符号量S(1)および平均量子化パラ
メータ値Q(1)がそれぞれ使用される。
【0112】ステップH10で、Iピクチャの複雑さを
示すパラメータXiが補正係数Cに基づいて更新され
る。ステップH11へ進み、Pピクチャの複雑さを示す
パラメータXiが補正係数Cに基づいて更新され、さら
にステップH12で、Bピクチャの複雑さを示すパラメ
ータXiが補正係数Cに基づいて更新され、その後、本
処理ルーチンを終了してメイン処理ルーチンへ戻る。
【0113】図2のステップE7で、GOP内のI、P
およびBピクチャに対する割り当て符号量Ti、Tpおよ
びTbがそれぞれ算出される。ステップE8で、n=1
か否かの判定がなされ、n=2なので、ステップE10
へ進む。ステップE10で、GOP内の未符号化ピクチ
ャに対する割り当て符号量Rが上式(10)により更新
される。ここで、1番目のピクチャpic(1)の発生符号量
S(1)が使用される。
【0114】ステップE11へ進み、2番目ピクチャpi
c(2)が図14に示される符号化処理によって符号化され
る。符号化処理は1番目のピクチャpic(1)と同様である
ので省略する。符号化処理が終了した後、ステップE1
2で、nがインクリメントされ3となる。ステップE1
3で、nがピクチャの総数NPICを超えていないこと
が確認され、ステップE3へ戻る。
【0115】以上の処理で、2番目のピクチャpic(2)に
対する処理が終了する。次いで、3番目のBピクチャpi
c(3)について処理が開始する。
【0116】ステップE3で、GOP内の未符号化のP
およびBピクチャの枚数NpおよびNbがそれぞれ求め
られる。ステップE4へ進み、n=1か否かの判定がな
され、n=3なので、ステップE5へ進み、量子化マト
リクス更新制御処理ルーチンへ制御が移される。
【0117】図3のステップG1で、2番目のピクチャ
pic(2)を符号化した時の平均量子化パラメータQ(2)が
求められる。次いで、ステップG2〜G5で、平均量子
化パラメータQ(2)に基づいて補正係数Cを決定するた
めの判定がなされ、ステップG6〜G8の何れかによ
り、条件に合った補正係数Cが求められる。
【0118】次いでステップG9で、量子化マトリクス
[QM(2)]に補正係数Cを掛けて量子化マトリクス[QM
(3)]が求められる。さらにステップG10で、量子化マ
トリクス[QM(3)]の各要素の値が1〜255に制限さ
れて、本処理ルーチンを終了して、メイン処理ルーチン
へ戻る。
【0119】図2のステップE6へ進み、図4に示され
る複雑さを示すパラメータXi、XpおよびXbを算出す
る処理ルーチンへ制御が移される。ステップH1で、n
=1か否かの判定がなされ、n=3なので、ステップH
5へ進む。ステップH5で、2番目のピクチャpic(2)が
Iピクチャか否かの判定がなされ、Bピクチャなので、
ステップH7へ進む。ステップH7で、さらに2番目の
ピクチャpic(2)がPピクチャか否かの判定がなされる
が、Bピクチャなので、ステップH9へ進む。
【0120】ステップH9で、画面の複雑さを示すパラ
メータXbが上式(3)により算出される。ここで、Sb
およびQbには、2番目のピクチャpic(2)を符号化した
ときの発生符号量S(2)および平均量子化パラメータ値
Q(2)がそれぞれ使用される。
【0121】次いでステップH10で、Iピクチャの複
雑さを示すパラメータXiが補正係数Cに基づいて更新
される。ステップH11へ進み、Pピクチャの複雑さを
示すパラメータXbが補正係数Cに基づいて更新され。
ステップH12へ進み、Bピクチャの複雑さを示すパラ
メータXbが補正係数Cに基づいて更新され、本処理ル
ーチンを終了してメイン処理ルーチンへ戻る。
【0122】図2のステップE7で、GOP内のI、P
およびBピクチャに対する割り当て符号量Ti、Tpおよ
びTbがそれぞれ算出される。ステップE8で、n=1
か否かの判定がなされ、n=3なので、ステップE10
へ進む。ステップE10で、GOP内の未符号化ピクチ
ャに対する割り当て符号量Rが上式(10)により更新
される。ここで、2番目のピクチャpic(2)の発生符号量
S(2)が使用される。
【0123】ステップE11へ進み、3番目ピクチャpi
c(3)が図14に示される符号化処理によって符号化され
る。符号化処理は1番目のピクチャpic(1)と同様である
ので省略する。符号化処理が終了した後、ステップE1
2で、nがインクリメントされ4となる。ステップE1
3で、nがピクチャの総数NPICを超えていないこと
が確認され、ステップE3へ戻る。
【0124】以上の処理で、3番目のピクチャpic(3)に
対する処理が終了する。次いで、4番目のPピクチャpi
c(4)について処理が開始する。
【0125】ステップE3で、GOP内の未符号化のP
およびBピクチャの枚数NpおよびNbがそれぞれ求め
られる。ステップE4へ進み、n=1か否かの判定がな
され、n=4なので、ステップE5へ進み、量子化マト
リクス更新制御処理ルーチンへ制御が移される。
【0126】図3のステップG1で、3番目のピクチャ
pic(3)を符号化した時の平均量子化パラメータQ(3)が
求められる。次いで、ステップG2〜G5で、平均量子
化パラメータQ(3)に基づいて補正係数Cを決定するた
めの判定がなされ、ステップG6〜G8の何れかによ
り、条件に合った補正係数Cが求められる。
【0127】次いでステップG9で、量子化マトリクス
[QM(3)]に補正係数Cを掛けて量子化マトリクス[QM
(4)]が求められる。さらにステップG10で、量子化マ
トリクス[QM(4)]の各要素の値が1〜255に制限さ
れて、本処理ルーチンを終了して、メイン処理ルーチン
へ戻る。
【0128】図2のステップE6へ進み、図4に示され
る複雑さを示すパラメータXi、XpおよびXbを算出す
る処理ルーチンへ制御が移される。ステップH1で、n
=1か否かの判定がなされ、n=4なので、ステップH
5へ進む。ステップH5で、3番目のピクチャpic(3)が
Iピクチャか否かの判定がなされ、Bピクチャなので、
ステップH7へ進む。ステップH7で、さらに3番目の
ピクチャpic(3)がPピクチャか否かの判定がなされる
が、Bピクチャなので、ステップH9へ進む。
【0129】ステップH9で、画面の複雑さを示すパラ
メータXbが上式(3)により算出される。ここで、Sb
およびQbには、3番目のピクチャpic(3)を符号化した
ときの発生符号量S(3)および平均量子化パラメータ値
Q(3)がそれぞれ使用される。
【0130】次いでステップH10で、Iピクチャの複
雑さを示すパラメータXiが補正係数Cに基づいて更新
される。ステップH11へ進み、Pピクチャの複雑さを
示すパラメータXiが補正係数Cに基づいて更新され
る。ステップH12へ進み、Bピクチャの複雑さを示す
パラメータXbが補正係数Cに基づいて更新され、本処
理ルーチンを終了してメイン処理ルーチンへ戻る。
【0131】図2のステップE7で、GOP内のI、P
およびBピクチャに対する割り当て符号量Ti、Tpおよ
びTbがそれぞれ算出される。ステップE8で、n=1
か否かの判定がなされ、n=4なので、ステップE10
へ進む。ステップE10で、GOP内の未符号化ピクチ
ャに対する割り当て符号量Rが上式(10)により更新
される。ここで、3番目のピクチャpic(3)の発生符号量
S(3)が使用される。
【0132】ステップE11へ進み、4番目ピクチャpi
c(4)が図14に示される符号化処理によって符号化され
る。符号化処理は1番目のピクチャpic(1)と同様である
ので省略する。符号化処理が終了した後、ステップE1
2で、nがインクリメントされ5となる。ステップE1
3で、nがピクチャの総数NPICを超えていないこと
が確認され、ステップE3へ戻る。
【0133】以上の処理で、4番目のピクチャpic(4)に
対する処理が終了する。次いで、5番目のBピクチャpi
c(5)について処理が開始する。
【0134】ステップE3で、GOP内の未符号化のP
およびBピクチャの枚数NpおよびNbがそれぞれ求め
られる。ステップE4へ進み、n=1か否かの判定がな
され、n=5なので、ステップE5へ進み、量子化マト
リクス更新制御処理ルーチンへ制御が移される。
【0135】図3ステップG1で、4番目のピクチャpi
c(4)を符号化した時の平均量子化パラメータQ(4)が求
められる。次いで、ステップG2〜G5で、平均量子化
パラメータQ(4)に基づいて補正係数Cを決定するため
の判定がなされ、ステップG6〜G8の何れかにより、
条件に合った補正係数Cが求められる。
【0136】次いでステップG9で、量子化マトリクス
[QM(4)]に補正係数Cを掛けて量子化マトリクス[QM
(5)]が求められる。さらにステップG10で、量子化マ
トリクス[QM(5)]の各要素の値が1〜255に制限さ
れて、本処理ルーチンを終了して、メイン処理ルーチン
へ戻る。
【0137】図2のステップE6へ進み、図4に示され
る複雑さを示すパラメータXi、XpおよびXbを算出す
る処理ルーチンへ制御が移される。ステップH1で、n
=1か否かの判定がなされ、n=5なので、ステップH
5へ進む。ステップH5で、4番目のピクチャpic(4)が
Iピクチャか否かの判定がなされ、Pピクチャなので、
ステップH7へ進む。ステップH7で、さらに4番目の
ピクチャpic(4)がPピクチャか否かの判定がなされ、P
ピクチャなので、ステップH8へ進む。
【0138】ステップH8で、画面の複雑さを示すパラ
メータXpが上式(2)により算出される。ここで、Sp
およびQpには、4番目のピクチャpic(4)を符号化した
ときの発生符号量S(4)および平均量子化パラメータ値
Q(4)がそれぞれ使用される。
【0139】次いでステップH10で、Iピクチャの複
雑さを示すパラメータXiが補正係数Cに基づいて更新
される。ステップH11へ進み、Pピクチャの複雑さを
示すパラメータXpが補正係数Cに基づいて更新され
る。ステップH12へ進み、Bピクチャの複雑さを示す
パラメータXbが補正係数Cに基づいて更新され、本処
理ルーチンを終了してメイン処理ルーチンへ戻る。
【0140】図2のステップE7で、GOP内のI、P
およびBピクチャに対する割り当て符号量Ti、Tpおよ
びTbがそれぞれ算出される。ステップE8で、n=1
か否かの判定がなされ、n=5なので、ステップE10
へ進む。ステップE10で、GOP内の未符号化ピクチ
ャに対する割り当て符号量Rが上式(10)により更新
される。ここで、4番目のピクチャpic(4)の発生符号量
S(4)が使用される。
【0141】ステップE11へ進み、5番目ピクチャpi
c(5)が図14に示される符号化処理によって符号化され
る。符号化処理は1番目のピクチャpic(1)と同様である
ので省略する。符号化処理が終了した後、ステップE1
2で、nがインクリメントされ6となる。ステップE1
3で、nがピクチャの総数NPICを超えていないこと
が確認され、ステップE3へ戻る。
【0142】以上の処理で、5番目のピクチャpic(5)に
対する処理が終了する。次いで、6番目のBピクチャpi
c(6)について処理が開始する。このようにして、1GO
P内のすべてのピクチャについて処理が繰り返されてい
く。
【0143】このように本実施例の符号化器110によ
れば、順次入力画像を処理する際、量子化マトリクス値
をピクチャ毎に更新することによって、よりきめ細かな
レート制御が可能となる。
【0144】本発明に係る動画像圧縮符号化制御方法の
第2実施例として、図5および6に示されるトランスコ
ーダ151について説明する。
【0145】図5のトランスコーダ151は、図16に
示された従来のトランスコーダ51の構成に、量子化マ
トリクス制御部153を追加した構成となっている。ト
ランスコーダ151と同じ構成要素は同じ参照符号を付
して詳細な説明は省略する。
【0146】量子化マトリクス制御部153は、レート
制御部89に接続され、レート制御部89から各マクロ
ブロックMB(j)毎に量子化スケールmq(j)を入力すると
ともに、量子化マトリクス制御部153から量子化マト
リクス値更新用の補正係数Cをレート制御89に出力す
る。また量子化マトリクス制御部153は、図示されな
い記憶装置に接続され、記憶装置に格納されている初期
値の量子化テーブルに保存されている量子化マトリクス
[QM(0)]を読み込む。さらに、量子化マトリクス制御
部153は、前記量子化スケールmq(j)に基づいて1
つ前のピクチャpic(n-1)の平均量子化パラメータQ(n-
1)を算出するとともに、平均量子化パラメータQ(n-1)
に基づいて量子化マトリクス[QM(n)]をピクチャ毎に
補正するものである。さらに、量子化マトリクス制御部
153は、量子化器69およびVLC/多重化器91に
接続され、補正した量子化マトリクス値[QM(n)]を出
力する。
【0147】別の態様においては、平均量子化パラメー
タQは、レート制御部89で算出されてから量子化マト
リクス制御部153に出力されてもよい。
【0148】上記のレート制御部89、量子化マトリク
ス制御部153、量子化器69および多重化/VLC9
1により行われる符号化量制御処理について、図6のフ
ローチャートを用いて以下に説明する。
【0149】図6は、レート制御部89におけるレート
制御のメイン処理ルーチンの流れを示すフローチャート
であり、ステップJ1〜J14からなる。ステップJ4
以外のステップJ1〜J3およびJ5〜J14は、それ
ぞれ図2の符号化器110のレート制御処理のステップ
E1〜E3およびE4〜E13と同じであるので、ここ
では詳細な説明は省略する。図6によれば、ステップJ
4では、n番目のピクチャpic(n)を空間領域まで復号す
る。すなわち、図2の符号化器110のレート制御処理
にピクチャの復号処理が追加された構成になっている。
【0150】また、ステップJ6、J7およびJ12で
呼び出される処理ルーチンも、それぞれ図3、図4およ
び図14に図示された処理ルーチンと同じであるので、
ここでは詳細な説明は省略する。
【0151】このように構成されたトランスコーダ15
1によれば、上述の符号化器110と同様に、所定のビ
ットレートを有する入力ビットストリームを所定の目標
ビットレートに変換するために、一旦入力ビットストリ
ームを復号し、再度符号化する際に、量子化マトリクス
値をピクチャ毎に更新することによって、よりきめ細か
なレート制御が可能となる。
【0152】本発明の動画像圧縮符号化制御方法におけ
る量子化マトリクス更新を含むレート制御をMPEG2
のテストシーケンス Bus 150フレームで行った
結果を以下に示す。
【0153】ここで、フレーム構造は、704画素×4
80ライン、4:2:0フォーマットであり、GOP構
造は、1GOP内のピクチャ総数N=15、IおよびP
ピクチャの周期M=3であり、レート制御はTM5のス
テップS1およびS2のみ行った。また、本願の量子化
マトリクス更新制御では、平均量子化パラメータの基準
値mq_target=16、判定閾値th=10とした。これ
らの条件下で、8〜15Mbpsのビットレートについて
従来のレート制御と本願のマトリクス更新制御を含むレ
ート制御を行った場合の画質を示すSN比を算出した。
【0154】
【表1】
【0155】SN比は、原画像に対して符号化後の画像
がどの程度の画質を有しているかを示す指標であり、次
式(25)によって算出される。
【0156】 SN比=10×log10(255×255/ERR) …式(25) ここで、ERRは、1フレーム内の各画素の絶対値誤差
の二乗和を1フレーム内の画素数で除算したものであ
る。SN比が大きくなる程、画質の良い画像となる。上
記の表1から分かるように、本願のレート制御の方が従
来の制御に比べてSN比が大きくなっている。従って、
本願のレート制御の方が従来の制御に比べて、画質が向
上し、符号化効率が約2%以上向上していることが分か
る。
【0157】次に、本発明の動画像圧縮符号化制御方法
おいて、量子化マトリクス更新制御を含むレート制御を
行った場合の仮想バッファ占有量をシミュレーションし
た結果について述べる。ここで、符号化対象画像は、M
PEG2のテストシーケンスBus 150フレームを
使用した。フレーム構造は、704画素×480ライ
ン、4:2:0フォーマットであり、GOP構造は、N
=15、M=3である。レート制御はTM5のステップ
S1およびS2のみ行った。目標ビットレートは4Mbp
sのビットレートとした。また、量子化マトリクス値
は、初期値としてTM5のデフォルト値を予め1/3倍
した値を使用した。従来のレート制御処理では、1/3
倍した値を常に用いてレート制御を行い、本願のレート
制御処理では、その後、量子化マトリクス値の更新制御
を行っている。量子化マトリクス値を1/3倍にする理
由は、意図的に不適切な量子化マトリクスを用いること
により、仮想バッファが破綻する状況を作り出すためで
ある。本願の量子化マトリクス更新制御では、平均量子
化パラメータの基準値mq_target=16、判定閾値th
=10とした。
【0158】このような条件下でシミュレーションを行
った結果、得られた仮想バッファの占有量を図7に示
す。本願の量子化マトリクス制御処理を含むレート制御
方法における仮想バッファ占有量は、図中実線aで示さ
れ、従来のレート制御における仮想バッファ占有量は、
図中点線bで示される。また、参考にMPEG2のメイ
ンプロファイルのメインレベル(MP@MLと示され
る)準拠の仮想バッファ占有量の上限値を1点破線cで
示してある。図7において、仮想バッファ占有量が周期
的に大きく減少している個所は、Iピクチャが符号化さ
れて出力されたところである。
【0159】図7から分かるように、4Mbpsという低
い目標ビットレートを設定して符号化を行った場合、従
来のレート制御方法では、点線bで示されるように仮想
バッファ占有量は急激に減少し続け、30フレームを符
号化し終わる前に仮想バッファ占有量が0になってしま
う。一方、本願の量子化マトリクス制御処理を含むレー
ト制御方法では、実線aで示されるように仮想バッファ
が破綻することなく、略一定の値を保つように制御を行
うことができ、仮想バッファの破綻を防止できることが
分かる。
【0160】本発明に係る動画像圧縮符号化制御方法の
第3実施例として、図1または図5に示された第1また
は第2実施例の量子化マトリクス制御部で行われる図3
に示された量子化マトリクス更新制御処理とは別の量子
化マトリクス更新制御処理について、図8のフローチャ
ートを用いて説明する。図8の量子化マトリクス更新制
御処理は、図1に示された第1実施例の符号化器110
のレート制御部21で実行される図2に示されたレート
制御のメイン処理ルーチンのステップE5、あるいは図
5に示された第2実施例のトランスコーダ151のレー
ト制御部89で実行される図6に示されたレート制御の
メイン処理ルーチンのステップJ6から呼び出される。
図8に示されるように、量子化マトリクス更新制御処理
は、ステップK1〜K10を備えている。
【0161】ステップK1では、1つ前のピクチャ、す
なわち(n−1)番目のピクチャpic(n-1)を符号化した
時の平均量子化パラメータQ(n-1)を求める。次いで、
ステップK2では、ステップK1で求めた平均量子化パ
ラメータQ(n-1)が次式(26)の条件を満たすか否か
の判定を行う。
【0162】 Q(n-1)+α>31 …式(26) ここで、αは量子化マトリクス値更新条件を決定するた
めの所定の判定用パラメータであり、例えば、(n−
1)番目のピクチャpic(n-1)の分散値σ2(n-1)あるいは
3σ(n-1)などである。
【0163】ステップK2で判定結果がYESの場合
は、ステップK3へ進み、NOの場合は、ステップK4
へ進む。ステップK3では、ステップK1で求めた平均
量子化パラメータQ(n-1)が次式(27)の条件を満た
すか否かの判定を行う。
【0164】 Q(n-1)−α<1 …式(27) ステップK3で判定結果がYESの場合は、本処理ルー
チンを終了してメイン処理ルーチンへ制御を戻し、NO
の場合は、ステップK5へ進み、補正係数Cに2を設定
しステップK6へ進む。一方、ステップK4でも、ステ
ップK1で求めた平均量子化パラメータQ(n-1)が上式
(27)の条件を満たすか否かの判定を行う。
【0165】ステップK4で判定結果がNOの場合は、
本処理ルーチンを終了してメイン処理ルーチンへ制御を
戻し、YESの場合は、ステップK7へ進み、補正係数
Cに1/2を設定し、ステップK6へ進む。上記のステ
ップK5およびK7の補正係数Cには、それぞれ2およ
び1/2を設定しているが、これに限定されるものでは
なく、C=kおよび1/k(k>1)の関係が成り立て
ばよい。
【0166】上述のステップK2、K3およびK4の判
定は、平均量子化パラメータQ(n-1)の値が、1〜31
の範囲内にどのように分布しているかを調べるためのも
のである。ステップK2およびK3の条件を満たす場合
は、平均量子化パラメータQ(n-1)の値が、1〜31の
範囲を越える広い範囲(所定の判定用パラメータαの2
倍の幅)に亘って分布していることを意味する。従っ
て、この場合、更新処理はバイパスする。ステップK2
の条件を満たし、ステップK3の条件を満たさない場合
は、量子化パラメータの分布が、31よりも大きい範囲
にまで及んでいることを意味し、補正係数C=2を量子
化マトリクス[QM(n)]に乗算して更新し、かつ平均量
子化パラメータQ(n-1)の値を補正計数C=2で丸め付
きわり算で更新する。ステップK2の条件を満たさず、
ステップK4の条件を満たす場合は、量子化パラメータ
の分布が、1未満の範囲にまで及んでいることを意味
し、補正係数C=1/2を量子化マトリクス[QM(n)]
に乗算して更新し、かつ平均量子化パラメータQ(n-1)
の値を補正計数C=1/2で丸め付きわり算で更新す
る。さらにステップK2およびK3の何れの条件も満た
さない場合は、平均量子化パラメータQ(n-1)の値が、
1〜31の範囲内であることを意味する。従って、この
場合、更新処理は不要でありバイパスする。
【0167】ステップK6では、下記の式(28)によ
り量子化マトリクス[QM(n)]を補正する。
【0168】 [QM(n)]=[QM(n-1)]×C …式(28) ここで、量子化マトリクス[QM(n)]は整数値で算出す
る。本実施例では、四捨五入して整数化するが、特にこ
れに限定されるものではない。
【0169】続くステップK8では、量子化マトリクス
[QM(n)]の各要素が0以下の場合は1に修正し、25
6以上の場合は255に修正する。次いで、ステップK
9で、ステップK1で求めた平均量子化パラメータQ(n
-1)を下記の式(29)により更新する。
【0170】 Q(n-1)=Q(n-1)//C …式(29) ここで、演算記号//は、丸め付きわり算を意味し、平均
量子化パラメータQ(n-1)は整数値となる。続くステッ
プK10で、(n−1)番目のピクチャと異なるピクチ
ャタイプのピクチャの仮想バッファ占有量の初期値を下
記の式(30)により更新する。例えば、(n−1)番
目のピクチャがIピクチャの場合は、PおよびBピクチ
ャの仮想バッファ占有量の初期値dp(0)およびdb(0)が
更新される。
【0171】 di,p,b(0)=di,p,b(0)//C …式(30) ここで更新された仮想バッファ占有量の初期値は、図1
4に示された符号化処理ルーチンのステップC2でj番
目のマクロブロックMB(j)を符号化する際に、仮想バッ
ファ占有量di,p,b(j)を算出するのに使用される。ステ
ップK10で、本処理ルーチンを終了して、メイン処理
ルーチンへ制御が戻される。
【0172】このように構成された本実施例の動画像圧
縮符号化制御方法によれば、第1及び第2実施例と同様
に、量子化マトリクス値をピクチャ毎に更新することに
よって、仮想バッファが破綻することなく、より目標ビ
ットレートに近い発生符号量の実現が可能となる。
【0173】
【発明の効果】本発明によれば、レート制御処理におい
て、量子化マトリクス値の調整を行うことにより、より
目標ビットレートに近い発生符号量を実現可能な動画像
圧縮符号化制御方法および動画像圧縮符号化装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動画像圧縮符号化制御方法の第1
実施例として動画像圧縮符号化装置における符号化器の
構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示された符号化器のレート制御部におけ
るメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図2に示されたレート制御処理の量子化マトリ
クス更新制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図2に示されたレート制御処理の画面の複雑さ
を示すパラメータの算出処理の詳細を示すフローチャー
トである。
【図5】本発明に係る動画像圧縮符号化制御方法の第2
実施例として動画像圧縮符号化装置におけるトランスコ
ーダの構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示されたトランスコーダのレート制御部
におけるメイン処理の流れを示すフローチャートであ
る。
【図7】本発明に係る動画像圧縮符号化制御方法によっ
て量子化マトリクスを更新処理してレート制御を行った
場合の仮想バッファ占有量を示したグラフである。
【図8】本発明に係る動画像圧縮符号化制御方法の第3
実施例として、量子化マトリクス制御部で行われる量子
化マトリクス更新制御処理の詳細を示すフローチャート
である。
【図9】MPEG2の画面構成を説明するための図であ
る。
【図10】従来の符号化器の構成を示すブロック図であ
る。
【図11】MPEG2のTM5におけるレート制御の処
理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図10に示された従来の符号化器のレート制
御部におけるメイン処理の流れを示すフローチャートで
ある。
【図13】図12に示されたレート制御処理の画面の複
雑さを示すパラメータの算出処理の詳細を示すフローチ
ャートである。
【図14】図12に示されたレート制御処理の符号化処
理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】動画像圧縮符号化装置の一構成例を示すブロ
ック図である。
【図16】従来のトランスコーダの構成を示すブロック
図である。
【図17】図16に示された従来のトランスコーダのレ
ート制御部におけるメイン処理ルーチンの流れを示すフ
ローチャートである。
【図18】図10に示された従来の符号化器における、
発生符号量を示すグラフである。
【符号の説明】
21、89 レート制御部(量子化スケール補正手段) 110 符号化器 111、153 量子化マトリクス制御部(量子化マト
リクス更新手段) 151 トランスコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高屋 和幸 東京都新宿区西早稲田一丁目3番10号 早 稲田大学国際情報通信研究センター内 (72)発明者 笠井 裕之 東京都新宿区西早稲田一丁目3番10号 早 稲田大学国際情報通信研究センター内 (72)発明者 西村 敏 東京都新宿区西早稲田一丁目3番10号 早 稲田大学国際情報通信研究センター内 (72)発明者 亀山 渉 東京都新宿区西早稲田一丁目3番10号 早 稲田大学国際情報通信研究センター内 (72)発明者 富永 英義 東京都新宿区西早稲田一丁目3番10号 早 稲田大学国際情報通信研究センター内 Fターム(参考) 5C059 MA00 MA23 MC14 PP04 TA47 TB04 UA02 5C078 BA57 CA00 DA01 DA11 DB07 5J064 AA01 BA09 BA13 BA16 BC01 BC08 BC09 BC16 BC21 BD02 9A001 EE02 EE05 HH27 HH30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一連の複数の画面から構成される入
    力画像の各画面を複数の領域に分割するステップと、
    (b)複数の量子化マトリクス値を有する量子化テーブ
    ルと量子化スケールを準備するステップと、(c)該ス
    テップ(a)で分割された領域毎に、入力画像を直交変
    換して直交変換係数を生成するステップと、(d)前記
    量子化スケールと前記量子化テーブルに基づいて前記ス
    テップ(c)で生成された直交変換係数を量子化して量
    子化係数を生成するステップと、(e)該ステップ
    (d)で生成された量子化係数を可変長符号化するステ
    ップと、(f)前記ステップ(e)で符号化された各画
    面の発生符号量に基づいて、前記領域毎に、前記量子化
    スケールを補正するステップと、を備えた前記発生符号
    量を制御する動画像圧縮符号化制御方法において、
    (g)前記各画面毎に、前記量子化テーブルの量子化マ
    トリクス値を更新するステップを備えたことを特徴とす
    る動画像圧縮符号化制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の動画像圧縮符号化制御方
    法において、 前記ステップ(g)が、前記量子化マトリクス値に補正
    係数を乗算して補正することを特徴とする動画像圧縮符
    号化制御方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の動画像圧縮符号化制御方
    法において、 前記ステップ(g)が、(g1)前記(n−1)番目の
    画面に含まれる全領域の量子化スケールを平均するステ
    ップと、(g2)該ステップ(g1)で算出された平均
    量子化スケールに基づいて、前記量子化マトリクス値を
    補正するか否かを判定するステップと、(g3)該ステ
    ップ(g2)で補正をすると判定された場合に前記平均
    量子化スケールに基づいて、補正係数を算出するステッ
    プと、(g4)該ステップ(g3)で算出された補正係
    数を前記量子化マトリクス値に乗算するステップと、を
    有することを特徴とする動画像圧縮符号化制御方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の動画像圧縮符号化制御方
    法において、 前記入力画像の複数の画面が、 1枚の画面を静止画として符号化されるIピクチャと、 前記一連の画面の時間方向において、順方向に予測して
    符号化されるPピクチャと、 前記一連の画面の時間方向において、双方向に予測して
    符号化されるBピクチャと、からなるとともに、独立し
    て復号可能な複数のグループを形成し、 前記各グループ内のm番目の画面を符号化する際、 各ピクチャタイプ毎に(m−1)番目までの画面の前記
    平均量子化スケールと前記(m−1)番目の画面の発生
    符号量に基づいて、各ピクチャタイプ毎に画面の複雑さ
    を算出するステップと、 各ピクチャタイプ毎に該算出された複雑さに基づいて前
    記グループ内の割り当て符号量を算出するステップと、 該割り当て符号量に基づいて前記グループ内の未符号化
    の画面に対して割り当てられるビット量を更新するステ
    ップと、 前記補正係数に基づいて前記各画面の複雑さを補正する
    ステップと、を備えたことを特徴とする動画像圧縮符号
    化制御方法。
  5. 【請求項5】一連の複数の画面から構成される入力画像
    の各画面を複数の領域に分割する分割手段と、 複数の量子化マトリクス値を有する量子化テーブルと量
    子化スケールを記憶する記憶装置と、 前記分割手段で分割された領域毎に、入力画像を直交変
    換して直交変換係数を生成する直交変換手段と、 前記量子化スケールと前記量子化テーブルに基づいて前
    記直交変換手段で生成された直交変換係数を量子化して
    量子化係数を生成する量子化手段と、 該量子化手段で生成された量子化係数を可変長符号化す
    る可変長符号化手段と、 前記可変長符号化手段で符号化された各画面の発生符号
    量に基づいて、前記領域毎に、前記量子化スケールを補
    正する手段と、を備えた前記発生符号量を制御する動画
    像圧縮符号化装置において、 前記各画面毎に、前記量子化テーブルの量子化マトリク
    ス値を更新する量子化マトリクス更新手段を備えたこと
    を特徴とする動画像圧縮符号化装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の動画像圧縮符号化装置に
    おいて、 前記量子化マトリクス更新手段が、前記量子化マトリク
    ス値に補正係数を乗算して補正することを特徴とする動
    画像圧縮符号化装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の動画像圧縮符号化装置に
    おいて、 前記量子化マトリクス更新手段が、 前記(n−1)番目の画面に含まれる全領域の量子化ス
    ケールを平均する量子化スケール平均部と、 該量子化スケール平均部で算出された平均量子化スケー
    ルに基づいて、前記量子化マトリクス値を補正するか否
    かを判定する判定部と、 該判定部で補正をすると判定された場合に前記平均量子
    化スケールに基づいて、補正係数を算出する補正係数算
    出部と、 該補正係数算出部で算出された補正係数を前記量子化マ
    トリクス値に乗算する量子化マトリクス補正部と、を有
    することを特徴とする動画像圧縮符号化装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の動画像圧縮符号化装置に
    おいて、 前記入力画像の複数の画面が、 1枚の画面を静止画として符号化されるIピクチャと、 前記一連の画面の時間方向において、順方向に予測して
    符号化されるPピクチャと、 前記一連の画面の時間方向において、双方向に予測して
    符号化されるBピクチャと、からなるとともに、独立し
    て復号可能な複数のグループを形成し、 前記各グループ内のm番目の画面を符号化する際、 各ピクチャタイプ毎に、(m−1)番目までの画面の前
    記平均量子化スケールと前記(m−1)番目の画面の発
    生符号量に基づいて、各ピクチャタイプ毎に画面の複雑
    さを算出する手段と、 各ピクチャタイプ毎に該算出された複雑さに基づいて前
    記グループ内の割り当て符号量を算出する手段と、 該割り当て符号量に基づいて前記グループ内の未符号化
    の画面に対して割り当てられるビット量を更新する手段
    と、 前記補正係数に基づいて前記各画面の複雑さを補正する
    手段と、を備えたことを特徴とする動画像圧縮符号化装
    置。
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